RBA OFFICIAL
 

コスモスイニシア・阪急不動産

「ジオ・イニシア練馬春日町」 1期27戸が即日完売

 


「ジオ・イニシア練馬春日町」完成予想図

 

 コスモスイニシアと阪急不動産の共同事業マンション「ジオ・イニシア練馬春日町」を見学した。3月末 に分譲した1期27戸が即日完売しており、ゴールデンウィーク明けに2期8戸が分譲される。

 物件は、都営大江戸線練馬春日町駅から徒歩2分、練馬区春日町5丁目に位置する7階建て全52戸の規模。専有面積は58.71~93.09㎡、2期(8戸)の価格は4,198万~6,198万円(64.08~92.09㎡)、坪単価は230万円。竣工予定は平成25年10月下旬。施工は村本建設。

 最大の特徴は、駅から徒歩2分と近い割には、周囲は中高層マンション街で閑静な立地条件。豊島区役所第四出張所へは徒歩1分、「としまえん」にも徒歩10分。マンションの供給が少ないエリアで、これほどの駅近マンションは8年ぶりの供給のようだ。これも人気の要因の一つだ。

 マンションは、4つのステップ、つまり①プラン②カラー③スタイル④マイオーダーをカスタマイズできる「セレクト・スタイリング」を採用しており、家族構成や好みに応じてプランやカラーが選べるようになっている。引き戸を多用し、トイレドアの把手を壁面まで後退させたりしてユニバーサルデザインにも配慮。キッチン天板は人造大理石かフィオレストーンの選択性。キッチンカウンター天板はカビを防止するため壁に接している部分に立上がりを設けている。

平成24年度の住宅着工 89万戸で前年度比6.2%増加

 国交省が4月30日、平成24年度の住宅着工戸数をまとめ発表。総戸数は893,002戸となり、前年度比6.2%、3年連続して増加した。内訳は持家が316,532戸(前年度比3.8%増、前年の減少から再び増加)、貸家が320,891戸(同10.7%増、4年ぶりの増加)、分譲住宅が249,660戸(同4.4%増、3年連続の増加)。分譲住宅の内訳はマンションが124,027戸(同3.3%増,3年連続の増加)、一戸建住宅が124,536戸((同5.6%増、3年連続の増加)。首都圏は持家、貸家、分譲住宅とも増加した。

 建築工法別ではプレハブが134,087戸で、3年連続の増加(前年度比4.6%増)、ツーバイフォーは110,459戸で3年連続の増加(同11.9%増)。

 首都圏マンションは71,594戸(同3.5%増)。都県別では東京都が45,166戸(同5.4%増)、神奈川県が12,599戸(同16.9%減)、埼玉県が7,349戸(同1.4%減)、千葉県が6,480戸(同74.3%増)。各都県ともサブプライム・リーマンショック前と比較すると1万戸前後減少している。

京都・けいはんな学研都市の戸建て分譲モデルハウスオープン

 


けいはんな学研都市の街並み

 

 京阪電気鉄道、京阪電鉄不動産、三井不動産、三井不動産レジデンシャル、野村不動産の5社は5月3日、京都府・関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)の精華・西木津地区で開発中のけいはんな公園都市戸建新街区「MiraiPa!」の建売分譲戸建1期40戸の「ローズプレイスけいはんな公園都市」「ファインコートけいはんな公園都市」「プラウドシーズンけいはんな公園都市」のモデルハウスをそれぞれ公開する。

 けいはんな公園都市は平成 11 年の入居開始以来、約1,350世帯が入居済みの157万㎡の街。新街区として誕生する5社の街づくり「MiraiPa!」は、環境にやさしい緑豊かな街づくりがテーマで、暑熱環境の緩和、長寿命機器の採用、居住者の環境活動及び環境教育の支援などハード&ソフト両面から CO2 削減に取り組んでいる。

ポラス 子育て応援分譲住宅第1号の「育実の丘」で入居者イベント

 


「育実の丘」入居者イベント

 

 ポラスグループが昨年9月に販売した埼玉県子育て応援分譲住宅認定第1号の「育実の丘」の入居者イベントが4月27日に行なわれたので取材した。

 団地は一部建設中の建物もあったが、ほとんどが完成しており、集まったのは約100人。メインイベントは「シェアイベント」。商品の売買を行うフリーマーケットやガレージセールではなく、子どもの成長に伴い、着れなくなってしまった洋服や乗れなくなった自転車などを自宅前のカースペースに置き、ほしい人にあげる交換会だ。名刺や家族カードを交換しながら入居者同士で挨拶していた。同社が経営する「味亭」の鴨汁うどんも全員に提供された。

 イベントの来賓として挨拶したさいたま市緑区坊之在家自治会長・田邊修作氏(71)は、「ここの自治会は緑区内で2番目に大きい1,761世帯。コミュニティの取り組みは19年から強化しており、夏祭りに持ちつき大会、日帰りバスツアー、防犯パトロールなどを行なっている。みんな盛況で夏祭りなどには常時500人ぐらいが参加する。若い方が増えるのはいいこと。老荘青の三位一体が大事」と話していた。田邊氏は元埼玉県草加警察署長。署長時代は24時間態勢で「晩酌などやったこことがない」そうだ。


自治会長の田邊氏

 

◇     ◆     ◇

 

 この種のイベントを取材するのは初めてでとても新鮮だった。子育てファミリーを支援するにはデベロッパーがしっかり仕掛けを行なわないといけないことがわかった。

 一つ気が付いたのは、同社ばかりでなく他のデベロッパーもそうだが、敷地内には自転車置き場がないことだ。都市型戸建ては敷地が30~40坪ぐらいしかないが、おそらく親子で自転車は3台はあるはずだ。どこに設置するかは課題だが、これは必須要件ではないか。


シェアイベント

 

埼玉県「子育て応援認定制度」中身ある制度に改善を(2012/9/11)

ポラス 「埼玉県子育て応援分譲住宅」認定1号 浦和で分譲(2012/9/7)

積水ハウス キッズデザイン体験施設 多摩NT「東山」にオープン

 


「コドモ里山ラボ東京森都心(とうきょうしんとしん)」

 

 積水ハウスは5月3日、キッズデザインの見学体験施設「コドモ里山ラボ東京森都心(とうきょうしんとしん)」を多摩ニュータウン内の681区画の分譲地「東京森都心 多摩ニュータウン東山」にオープンする。コドモの心理学や事故事例から得た知見を生かした生活提案「コドモイドコロ」に基づいて、異業種5社とのコラボレーションで設計・開発したキッズデザインを体験できるモデルハウス。オープンに先立つ4月30日、報道陣に公開した。

 施設は、クルドサックの中央に植えられた大木をそれぞれ眺められる4区画から構成されており、モデル棟は敷地面積約231㎡、建物延床面積約136㎡。子どもにとっていい住まいとは何か〟について考案され、引き出された解答「生きる力を育む家」を実大モデルで実現したもの。ポイントは①イドコロづくりと②危険をコントロールすることの2点。イドコロづくりでは、子どもの感性、知性、社会性を発達させるためのハード・ソフトを盛り込み、危険のコントロールではスマートユニバーサルデザインの考えに基づき、危険を子どもが学習できるようにしているのがポイントとなっている。

 土間収納、ピットリビング、ベンチソファ、マドベ、間仕切るーむ、ビーンズテーブルなどが提案されており、キッズデザイン・アイテムでは、ドア指はさみ防止スクリーン、ビーンズ型ダイニングテーブル、空気環境配慮仕様、フルフラットバルコニー、指はさみ防止引き戸などが採用されている。

 「コドモイドコロ」は、キッズデザイン協議会が10月1日から開始する、子どもの安全向上のための業界横断型ガイドラインを適用し、デザインプロセス評価と企業が実施した製品評価の確認を主体とした認証制度「CSD認証」のプレ認証第一号として合格している。施設について、キッズデザイン協議会専務理事・小野裕嗣氏は「この7年間の取り組みの成果が凝縮されている施設。〝どこがどこなのか分からない〟のが秘訣」と話した。

 現地は、京王相模原線京王堀之内駅から徒歩12分(セカンドステージ)、八王子市堀之内に位置する全681区画の団地の一角。土地売主は同社と大和ハウス工業。昨年4月から分譲が始まっており、これまでに100区画以上が分譲済み。同社が建売住宅(9戸)を分譲するのは今回が初めて。価格は5,400万円台~6,100万円台。


1階リビング

2階こども室

 

◇     ◆     ◇

 

 今から20数年前、記者はユニバーサルデザインと出会ったときから「これからの住宅は人に優しい、環境に優しいが大きなテーマになる」とずって思ってきたが、それを実践しているハウスメーカー・デベロッパーのトップランナーが同社だ。

 今回の施設も見所が一杯だ。全部は紹介しきれないがいくつか紹介しよう。まず2階の「フルフラットバルコニー」。居室とバルコニーのまたぎ部分を解消したものだが、建売住宅のモデルハウスで見学したのは初めてかもしれない。国交省も30年も前から研究してきたものだが、これを採用するハウスメーカー・デベロッパーはほとんどないのが現状だ。同社も2~3年前に提案しだしたばかりだと言う。〝ゲリラ豪雨〟などによる室内への防水対策が難しかったという。またぎ部分がないとどれだけストレスが解消されるかは言うまでもない。これは大人でも子どもでも同じだ。

 「ビーンズテーブル」もグッドアイデアだ。 座ったとき正対しなくてもいいようにテーブルの天板を豆型にしたものだ。これについては最近、室町時代から伝わるという「小笠原流礼法」の講義を受けたのだが、講師の方も同じことを話した。つまり、正対すると部下などはどうしても気後れしてしまい、なかなか自分の思いを伝えられないのだそうだ。確かに大人も子どもも正対すると、「塾、サボったでしょ」「飲み代、過少申告したでしょ」などと目上から全て見透かされているような気持ちになるものだ。

 「マドベ」も、外の景色を眺めながらコーヒーを飲むのもよし、本を読むのにも最適なデスク付きだ。チャイルドロック付の浴槽、引き戸、玄関ドアなどもよく考慮されたもので、倒れてもやけどをしない電気ケルトもあった。記者は独身時代、小さな子どもを預かった際、電気ポットを子どもが倒して大騒ぎとなり、病院に駆け込んだことがある。幸い、指に水膨れが出た程度で済んだが、医者から「君とお子さん、奥さんの関係は何だね」といわんばかりに睨まれ、肝を冷やしたことがある。子どもは一瞬たりとも目が離せないことを学んだ。

 記者はユニバーサルデザイン・アイテムの多くを知っているが、同社の東山プロジェクトリーダー・川口悟氏によると、「先日からすでに見ていただいているお客さまもいらっしゃるが、みんな目を輝かせて見学される。たくさんのお客さまの声をデータ化し、企画に反映していこうという気持ちがわれわれにはある。お蔭さまて販売も極めて順調」と話した。

 同業にも見学をお勧めだ。全部とは言わない。キッズデザインの一つでも二つでも商品企画に採用してほしい。これほど徹底した提案を行なっているものは他にない。


フルフラットバルコニー

指つめ防止玄関ドア

指つめ防止引き戸

 

ポラス 「子育てママの理想の家をつくろう!」コンペ大会

 


「子育てママの理想の家をつくろう!」コンペ大会

 ポラスが「子育てママの理想の家をつくろう!」コンペ大会を4月26日、同社が分譲中の戸建て団地「パレットコート六町」で行なった。地元の「NPO子育てパレット」と共同で立ち上げたプロジェクトで、「パレットコート六町」を舞台に9人の現役ママが 4 チームに分かれ「子育てママの理想の家」づくりに挑戦、プロの設計士の手を借りながら最優秀賞を競うものだ。

 審査員は、バンビ保育園長の鈴木圭子氏ほか、足立区の職員、足立区在住のカリスマ・ママ、育児情報誌「miku (ミク)」やマタニティ誌「ninps (ニンプス)」、住宅情報誌「suumo (スーモ)」の編集長など6人。ひとりも建築のプロがいないもの珍しいが、審査基準もなし。それぞれの活躍フィールド目線で評価するというもの。

 プレゼンテーションの持ち時間は約10分。子どもを抱えながらの説明で、中には母親の胸の中でぐっすり眠っている子どももいたが、ほとんどは1~2歳児。まるでスズメの学校か七つの子状態。この数十年というもの、小さな子どもがたくさんいる環境など経験したことがない記者はパニック状態に。このような記者見学会を主催したポラス広報に悪態をつきたい気分で早々に退却しようと思ったが、会場の広さは20畳もない。最前列に審査員やポラス関係者がずらっと並んでいる。最後尾の記者席からみんなの前を通って逃げ出す勇気はさすがになかった(ひとりの記者が最初のプレゼンのすぐ後に退席したのを記者の目はしっかり捕らえた)。


各グループのママさんたち


プレゼンするママさん

   
最優勝賞を獲得した宮下さん(左)と加藤さん

◇     ◆     ◇

 厳正な審査の結果、賞金10万円の最優秀プラン賞を射止めたのは1階を「華」に見立て、おもてなしの空間とし、2階を「癒」のプライベート空間とした「Give &Take」を提案した宮下記子さんと加藤圭さんのチーム。

 記者はこのお二人の提案も含め、子どもの泣き声にすっかり集中力を欠いていたので中身はさっぱり分からなかったが、このお二人のプレゼンは群を抜いていた。宮下さんが母親役となり、加藤さんが6歳の子役となって演じたコントが冴え渡っていた。プラン説明はメモをみながら説明したが、親子を演じるのは地のままでいいからプロの役者も顔負けの親子を演じきった。2歳という加藤さんの娘さんは、頭に赤いリボンを付けすっかり子ども言葉に戻ってしまったお母さんを不憫に思ったのか、それとも感服したのかぽかんとしていたのが印象的だった。


戒能氏

 

◇     ◆     ◇

 

ポラスは決しておちゃらけのイベントとして今回のコンペを実施したのではない。共催した子育てパレットも地元足立区の行政と連携して虐待防止活動を積極的に展開しているNPOのようだ。昨秋当たりから企画を立て、それぞれのチームが設計士の協力を得ながら最低でも4回、多いところは10回の研究会を経て今回のプレゼンまでこぎつけた。

 同社はビッグなサプライズも用意していた。コンペの最後に挨拶した事業主のポラスグループ・中央グリーン開発事業部長・戒能隆洋氏は「審査員の意見が分かれたほどみんな優れたプランばかり。優秀賞のプランはそのままこの街で建てさせていただくし、他のグループのプランも基本コンセプトを頂いて建てる」と話した。各グループには実際の分譲戸建てとして建設することははっきりとは知らされていなかったようで、会場からは「ワッ」と歓声が上がった。

 同社は優秀賞プランをそのまま建設し、10月にモデルハウスとして公開する予定。

 「パレットコー六町」は、つくばエクスプレス「六町」駅より徒歩17分、足立区東六月町に位置する全206戸の団地。昨春から分譲開始されており、現在まで93戸が販売済み。


「パレットコート六町」の街並み

 

ポラス CASBEE「Sランク」取得した206戸の「六町」(4/27)

商品企画がいい大和ハウス+コスモスイニシア+アクタス

「オークプレイス豊洲」

 


「オークプレイス豊洲」完成予想図

 

 大和ハウス工業(事業比率70%)とコスモスイニシア(同30%)の共同事業マンション「オークプレイス豊洲」を見学した。準工の立地にはやや難があるが、商品企画、モデルルーム提案は素晴らしい。

 物件は、有楽町線豊洲駅から徒歩8分、江東区豊洲4丁目に位置する13階建て全168戸の規模。5月中旬に分譲予定の1期1次(33戸)の専有面積は70.18~82.19㎡、予定価格は3,700万円台~5,900万円台(最多価格帯4,400万円台)、予定坪単価は230万円弱。竣工予定は平成26年2月中旬。施工は長谷工コーポレーション・不二建設。

 現地は準工地域だが、周辺は中高層マンション化が進んでいるエリアだ。ただ、敷地の南側には生コン工場があり、敷地の西側にも高層マンションが建っている。

 この点を除けば、商品企画やモデルルーム提案など見所たっぷりのマンションだ。建物は東南向き住棟を中心に南西向き住棟、北東向き住棟の3棟構成。最大の特徴は、インテリアに「アクタス」を起用していることだ。アースカラーを基調としたカラーリング、アットホームなモデルルーム提案、それにコスモスイニシアの「KASUTAMA」「彩り収納」「ハピカジキッチン」などがあいまって、ターゲット層の子育てファミリーに受けそうな商品企画だ。

 まず、アクタスの提案。モデルルームは玄関土間を設けアトリエ空間に仕立てている。多目的に利用できるものだ。壁などには好みによって二重壁にしたりウォールステッカー、ペイントなどができる「KASUTAMA」を採用。壁や天井には板壁を連想させるクロスが張られている。淡い絶妙なアースカラーの壁も採用されている。「彩り収納」では布団収納、マルチクロゼット、トイレ収納などが目を引くはずだ。「ハピカジキッチン」はコスモスイニシアのオリジナルだ。ドアの把手や洗面室のデザインもいい。

 マンションには共用施設としてラウンジが設置されるが、販売事務所には完成後をイメージしたススペースが設けられており、シアターもそこで見られるようになっている。

 

◇     ◆     ◇

 

 見学の目的は、今回で4物件目という大和ハウス工業とコスモスイニシアの共同事業マンション〝オークプレイス〟がどのようなものかを見るためだった。冒頭にも書いたが、敷地南側にある生コン工場をユーザーがどう見るかだが、単価はリーズナブルなものだ。商品企画でこの難点をカバーするのではないかと思う。商品企画はコスモスイニシアのそれだった。

 これまでも何度も書いてきたが、コスモスイニシアはもう20年も前からトイレのドアノブを壁面まで後退させている。フローリングの遮音等級もLL-40を採用してきた。

 大和ハウスはコスモスイニシアを子会社化するが、潤沢な資金力を背景に両社が競い合っていいものをつくってほしい。アクタスとのコラボは大正解。他の物件でも威力を発揮するはずだ。


ラウンジ(完成予想図)

大和ハウス工業  4・5階建て住宅市場に本格参入

 


モデルプラン(5階建て延べ床面積約445㎡)

 

 大和ハウス工業は4月25日、同社初の重量鉄骨ラーメン構造の都市型4・5階建て住宅「skye (スカイエ)」を4月27日から首都圏で発売すると発表した。ゼネコンとして培った技術力とハウスメーカーとしてのノウハウを融合させた商品で、中層住宅市場に本格参入する。年間の販売目標は100棟。本体工事価格は3.3㎡当たり82.5万円から。

 商品コンセプトは「空に伸ばして、広く住む。~『トシナカ』から『ソラナカ』へ」。オフィスビルなどに採用される重量鉄骨ラーメン構造を採用し、天井高2600ミリを実現。壁厚のロスを少なくすることで各階とも1㎡分の有効面積を確保。最大6370ミリスパン、最大2047ミリの「キャンチルーム」も可能となり、多世帯同居、賃貸併用、店舗併用など多様なニーズに対応できるのが特徴。

 見学会で中村泉・同社上席執行役員営業本部住宅事業推進部長は、「中層住宅市場への本格的参入が狙いの商品。戸数はそれほどでもないが、中層住宅のニーズは高まっており、税制改正で使用規模宅地の特例として二世帯住宅も適用となる背景もありこれからも伸びる。ゼネコンとしての技術力とハウスメーカーのノウハウを融合させた」と話した。同社の集合住宅向け商品よりコストも抑えられたという。

 4月27日には「まちなかスカイエ目白台」をオープンする。

 

◇     ◆     ◇

 

 同社は中層住宅市場の背景として、ここ3年4・5階建て住宅が伸びており、平成23年度は2,713棟(前年比5.3%増)という数値を国交省「建築着工統計」資料から抜粋して紹介した。記者は4・5階建て住宅市場データがあることを初めて知った。毎月発表される国交省の住宅着工統計は確認はするが、建築着工統計はみない。

 そこで、平成24年の建設着工統計を調べてみた。4・5階建て建築物は4,121棟で、うち居住専用は2,494棟。つまり約61%が居住専用だ。興味深いのは構造別で、もっとも多いのが鉄筋コンクリートで全体の70.5%に当たる2,905棟(うち居住専用は2,062棟)、次いで鉄骨で全体の28.2%にあたる1,164棟(居住専用は413棟)、鉄骨鉄筋は53棟(居住専用は17棟)だった。

 数値的にはやはり鉄筋が大きなシェアを占めている。この分野に同社はコストの安さ(鉄筋に比べて1割は安いのではないか)、工期の短さ(これも1カ月ぐらい早いようだ)で参入しようという狙いだ。あとはデザイン勝負だろうが、同社は外壁材にタイルや塗り壁も用意する。

三菱地所ホーム

全棟長期住宅認定取得&「オリジナル HEMS」バージョンアップ

 


渋谷 モデルハウス

 

 三菱地所ホームは4月23日、同社が2×4工法の注文住宅用に開発した高耐力壁の「ハイプロテクトウォール」の標準採用により全ての建物で耐震等級3を確保し、長期優良住宅認定を取得したと発表した。また、昨年4月に発売した「オリジナル HEMS」をバージョンアップし、これまでは手動での機能設定だったものが、自動的に機能を作動させることにより従来仕様より年間の冷暖房エネルギーを約 25%、金額にして約15,000円削減できるシステムを20万円で5月1日から販売する。

 「ハイプロテクトウォール」は、従来の壁倍率4倍に対し、50%耐力をアップさせた壁倍率6倍の外壁。国内の森林保全と環境に配慮したトレーサビリティが明確な国産材の構造合板1級を採用し、壁倍率12倍の高耐力壁の設計も可能としたのが特徴。設計の自由度が高まったため、無柱空間を最大で72㎡まで確保できる。

 発表会に臨んだ西貝昇社長は、「東日本大震災後、安心・安全とエネルギー問題についてのお客さまのニーズが高まっているが、長期優良住宅認定も『オリジナル HEMS 』も時代を先取りした商品で、お客様と楽しみながら建てられるのが特徴。先ごろオープンした『三菱地所レジデンス ラウンジ』の活用を含めてグループと連携を強化していく」と述べた。

 「ハイプロテクトウォール」を採用したモデルハウスを4月27日(土)、渋谷ホームギャラリー(渋谷区神宮前)にオープンする。モデルハウスはリビング約29畳大で、天井高3m、3mハイサッシなどが特徴。

 全館空調の自動制御機能付き「オリジナル HEMS」の年間販売目標は300棟。

渋谷 モデルハウス

 

◇     ◆     ◇

 

 三菱地所ホームの記者発表会に参加したのは初めてだった。以前から、三菱地所レジデンスはマンションを年間 4,000 戸も 5,000 戸も供給しながらどうして建売住宅は供給しなくなったのか、三菱地所ホームはどうして三井ホームの売り上げの10分の1ぐらいの売り上げ(24年度は272億円)しかないのかずっと疑問に思ってきた。

 その一方で、昨年、三菱地所グループが取り組むCSR活動の一環である「空と土プロジェクト」の稲刈り取材を行い、三菱地所ホームが山梨県と協定を結び、県有林のカラマツを構造材として積極的に採用していることを目の当たりにした。同社の構造材の国産材採用比率は業界トップクラスの50%に達する。森林・林業の再生が喫緊の課題だけに、同社の取り組みがきちんと評価されるべきだとも思った。

 そこで、どうして売り上げが地所グループ全体の3%にも満たないのかなどについて、西貝社長らに質問した。西貝社長は、「リーマン・ショック前までは仙台や広島でも営業拠点を構えていたが、それ以後は首都圏と大阪圏の高所得者層を中心に集中的に営業活動をしているため」と答えた。国産材の採用については、「山梨に限らず北海道、岩手などでも協定を結び、今後も積極的に採用比率を高めていく」と話した。

 また、注文住宅事業部門担当の同社常務執行役員・中津川隆士氏は、「当社の営業マンは100人弱。全社員の3分の1ぐらい。同業他社は社員の半分以上が営業マン」と、営業マンが少ないのが同業他社に後れを取っている理由の一つだと話した。

 

◇     ◆     ◇

 

 なるほどとも思ったのだが、ならば営業マンを増やし、中堅層もターゲットとして取り組めば売り上げは飛躍的に伸びると思った。一定のシェアを占めそれを伸ばすのは大変なエネルギーが必要だが、現状は微々たるものだ。どこにも負けない技術力を持っているのなら数字を2倍、3倍ぐらいまで間違いなく伸ばせるはずだ。

 「トレーサビリティ」は、家庭の主婦にとっては食材などを購入する際の最大の決め手になるはずだが、木材がそうはならないのは残念だ。

 

三菱地所グループ「空と土プロジェクト」体験ツアー同行(2012/10/19)

スウェーデンハウス 網なしの木製サッシ3層ガラス窓開発

 

「木製サッシ3層ガラス窓」

 

 スウェーデンハウスは4月22日、網の入らない耐熱強化ガラス入り防火窓「木製サッシ3層ガラス窓」を4月1日着工物件から使用していると発表した。

 従来の防火窓では、一般的にガラスに細いスチールが網状に入っていたが、お客様から「網なし」の要望が多くあり、この要望を受けて網の入らない耐熱強化ガラスを開発し、国土交通省の防火認定を取得した。自社で生産する。バルコニーなどで用いる片開きドアも防火認定試験に合格しており、11月着工から標準仕様とする予定。

 同社は1993年、日本で初の「木製サッシ3層網入りガラス窓」で防火認定を取得。準防火地域でも防火シャッターを設置することなく建築でき、外観デザインの向上を図ってきた。

 今回の認定取得について、岡田正人社長は、「当社は今年で30周年。網が入らなくてもいいガラス窓の開発・生産によって品質を確保でき顧客満足度を高められる」と語り、同社取締役営業本部長・鈴木雅徳氏も「私は30年前から営業担当として、お客様に窓のことばかり説明してきた。窓は家の顔であり、高気密・高断熱・水密性能・防犯性能はいうまでもなく、外観デザイン、景色としても重要なアイテム」と話した。

 窓単体価格としては従来製品より約1割価格アップになるという。

 

◇     ◆     ◇

 

 網の入らない木製サッシガラス窓は同社の大きな武器になるはずだ。同社が掲げる「家は、窓から」のスローガンもその通りだと思う。記者は絵を描くのが趣味の一つだが、油絵だろうと日本画だろうと、額装なしでは〝絵にならない〟。額縁の選択を間違えるとそれもまた〝絵にならない〟。 

 それほど絵画にとって額縁が重要な役割を果たすが、家の窓も外から眺めればその家の風格、品格を表す。屋内から見れば、窓の枠は絵画と一緒だ。風景は額に収まった風景になる。アルミサッシでも絵になる場合はあるが、わが国の風景にはやはり木の枠がよく似合う。

 同社にお願いしたいのは、そこまで木製ドアにこだわるのだから、外壁仕上げも木製にしてほしい。規制が厳しくて建てられないのだが、木製下見板の壁の家など最近は見たことがない。

 


建材試験センターで行われた性能評価試験。加熱20分終了時の防火窓。
最高温度が800℃に達しても、非加熱側に炎の侵入は認められない

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン