9月の住宅着工 前年同月比大幅増の約89,000戸 国交省
国土交通省は10月31日、平成25年9月の住宅着工戸数をまめ発表。総戸数は88,539戸(前年同月比19.4%増、13か月連続の増加)となった。内訳は持家が32,128戸(同14.2%増、13か月連続の増加)、貸家が31,892戸(同21.5%増、7か月連続の増加)、分譲住宅が23,968戸(同23.5%増、5か月連続の増加)。分譲住宅の内訳はマンションが12,497戸(同35.6%増、5か月連続の増加)、一戸建住宅が11,396戸(同12.4%増、13か月連続の増加)。
首都圏マンションは6,295戸(同21.4%増)で、都県別の内訳は東京都が4,109戸(同19.1%増)、神奈川県が1,484戸(同191.6%)、埼玉県が321戸(同40.6%減)、千葉県が381戸(同14.4%減)。
立地・設備仕様ともいい三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス多摩ニュータウン永山」
「ザ・パークハウス多摩ニュータウン永山」完成予想図
三菱地所レジデンスが11月に分譲する「ザ・パークハウス多摩ニュータウン永山」を見学した。永山の一等地に建つマンションで、同社の新しい設備仕様が盛り込まれており、価格もリーズナブルなことから人気を呼びそうだ。
物件は、京王電鉄相模原線京王永山駅・小田急電鉄多摩線小田急永山駅から徒歩5分、多摩市永山2丁目に位置する11階建て全156戸。専有面積は68.78~89.15㎡、1期(107戸)の価格は2,948万~5,588万円(最多価格帯3,600万円台)、坪単価は170万円台。竣工予定は平成26月11月中旬。施工は東急建設。登録受付は11月9日(土)~。抽選は11月16日(土)。
現地は、商業施設が建ち並ぶ駅前から5分、住居系エリアの入り口に立地。敷地南側には小学校がある。昭和40年代の開発当初はともかく、過去これほど駅に近い民間マンションは分譲されたことがない。住宅地としては一等地といえる。
建物は南向きが中心でシンメトリーなデザインを採用。分節手法を採用することで単調にならないよう工夫を凝らし、バルコニーのガラス手すりは下層階から上層階に向かって薄くなっていくグラデーションを施している。
設備仕様は、同社がすべてのマンションに標準化しつつあるキッチン御影石天板、食洗機、ディスポーザー、ミストサウナ、ソフトクローズ機能付き玄関収納、背の高さに合わせて調整できる2カ所の浴室スライドバーなどをフル装備している。
モデルルーム
◇ ◆ ◇
多摩市はわが街だ。我田引水のところがあるかもしれないが、住むにはいいところだ。やや坂はあるが、歩道は歩車分離されており駅まで信号などを渡らなくて済む。買い物も便利だし、緑も豊富だ。
問題は価格だ。見学したときは価格が決まっておらず、販売担当者から具体的な単価は聞けなかった。そこで「175万から180万円ぐらいでしょうが、180万円はないはず」と聞いたら、ほぼその通りだった。東京建物の「Brillia」は駅からマンション入り口まで10分の表示で単価は150万円台だったが、立地はこちらのほうが断然いい。単価は極めてリーズナブルなものだ。
本音を言えば多摩ニュータウンのポテンシャルを考えればもっと高くてもいいと考えているが、現状では永山は180万円の壁があると思う。同社は多摩センターでも駅近マンションを計画しているが、こちらは坪200万円の壁を打ち破ることができるかどうか。記者が商品企画担当者だったら、近隣居住者が見たこともないような最高の設備仕様を盛り込んで坪200万円の壁に挑戦する。デベロッパーは街のポテンシャルを引き上げる役割も担っているからだ。
「未来都市モデルは成長戦略の重要な柱」 経団連シンポ
岩沙氏
岩沙弘道・経団連審議員会副議長のあいさつ文
日本経済団体連合会(経団連)は10月29日、「日本再興への道」と題する未来都市モデルプロジェクト・シンポジウムを開いた。約500人が集まった。
「未来都市モデルプロジェクト」は、経団連が2011年3月から11の都市・地域を選定し、世界に先駆けた社会的課題の解決を目指し官・学などと連携しながら民間企業が主体的に取り組んでいるプロジェクト。その解決モデルを世界に発信し、経済成長へと結びつけるのが目的。分野は環境・エネルギー、先端医療、次世代交通・物流、次世代電子行政・電子社会、国際観光拠点、先進農業、子育て支援・先進教育など。
シンポジウムの冒頭、経団連審議員会副議長経済広報センター副会長・岩沙弘道氏(三井不動産会長)が挨拶した。わが国の抱えている問題、目指すべき方向が過不足なく述べられているので、ほぼ全文を紹介する。( )内の見出しは記者が付けた。
(冒頭のあいさつ 略)
成長なき経済から再び成長軌道へ 民間の役割
さて、わが国経済は、安倍政権が進める経済政策、アベノミクスの効果もありまして、生産、設備投資が持ち直し、企業収益や業況が改善するなど、本格的な景気回復に向けた動きを見せ始めております。こうした動きを、持続的な経済成長へと確実につなげていくことが重要です。この機を逃さずに、20年余り続いた成長なき経済から脱却し、再び成長軌道へと回帰させなければなりません。
そのために何よりも重要なことは、アベノミクスの第三の矢である成長戦略を、着実にかつ迅速に実行していくことであります。そして、われわれ民間企業には、成長のメインプレーヤーとして、積極果敢に事業を展開するとともに、イノベーションを推進し、新たな需要を創造していくことが求められているかと存じます。
課題解決につながる未来都市モデルプロジェクト
こうした中、経団連では、未来都市モデルプロジェクトを立ち上げ、都市を舞台にしたイノベーション実証実験を推進してまいりました。
現在、プロジェクトが進みます全国11の都市・地域で、環境・エネルギー、医療、交通インフラ、農業等の分野において、先端技術を用いた実証実験が行われております。そして社会的な課題の解決や産業システムの変革、さらには地域の活性化へとつなげる成果が芽生えつつあります。今後は、これらの成果を事業化・産業化へと結びつけていくことで、企業の競争力強化、ひいてはわが国の経済成長へつなげていくことが重要だと考えます。
プロジェクトを通じまして、課題解決につながるサービスを提供し、国内の新たな需要を掘り起こす、さらには、成功事例を積極的に海外展開していくことで、海外の需要を取り込むことも可能となります。このように、未来都市モデルプロジェクトは、内需と外需、2つの推進力によって、わが国の経済社会を新たな成長ステージへと離陸させる、成長戦略の重要な柱となると確信しております。
大胆な規制緩和で民間活力の発揮を
一方で、個々のプロジェクトを進めるうえで、課題となるのが、様々な制度面での規制であります。この後のパネルディスカッションの中でも紹介されると思いますが、とりわけ、エネルギー、医療、農業といった分野の規制は厳しく、事業を進めるうえでの壁となっております。
安倍総理は、規制改革の推進が、成長戦略の一丁目一番地だと指摘されました。我々企業といたしましても、成長戦略の担い手として、これまで以上に、積極的かつ主体的にビジネスを展開してまいります。官の皆様におかれましては、大胆に規制緩和を推進し、民間活力の発揮につながる環境を整えていただきたいと存じます。
官・民の連携がグローバル市場では不可欠
また、未来都市モデルプロジェクトを通じまして、私どもがチャレンジしている高齢化やエネルギー・環境問題、水・食糧問題は、わが国特有のものではありません。いずれ多くの国が抱えることになる世界共通の課題であります。他国に先駆けてこれらの課題を解決することができれば、国際社会への貢献となるだけでなく、グローバルな市場で、わが国が強みを発揮することにもつながります。
ただ、世界各地でスマートシティの建設が進んでおりまして、それに見られます課題解決ビジネスをめぐっても、国際競争が激化しております。グローバル市場での需要を取り込もうと、世界各国で都市を実験場にしたイノベーション創出競争が展開されており、欧米の先進国企業のみならず、国の政策的後押しを受けた新興国企業もプレゼンスを高めつつあります。
このように、企業の枠を超えた、国を挙げての国際競争が繰り広げられている中で、世界の競争相手と渡り合っていくためには、官・民の連携・協調が不可欠であります。本日は、国、自治体の関係者にも多数お越しいただいております。是非、この点について、理解を深めていただければと願っているところであります。
(結び 略)
近所付き合い 金額に換算したら160万円? アットホーム調査
不動産情報サービスのアットホームがまたまた面白いアンケートを行った。1都3県に在住する20~40代で、2012年10月1日から2013年8月28日までの間に新築・中古住宅を購入した男女600名を対象に「近所付き合い」に対する意識調査を実施したもので、近所づきあいを価格に換算して結果を公表した。
ニュースリリースによると、「近隣住民の雰囲気も住宅購入の決め手になった」人が58.3%で、「現在、近所付き合いに満足している」人は全体で49.7%(新築46.0%、中古61.9%)、「近所付き合いは大切にしたい」人が65.8%、「良好な近所付き合いを買うことができたら、物件価格に上乗せしてもいい額」は平均160万円というものだ。
◇ ◆ ◇
記者もなにもかも金額に換算するのは大好きで、あの東京ミッドタウンの用地の落札価格を1,800億円と予測して的中させたのには快哉を叫んだし、主婦(夫)労働はとてもサラリーマンの給与で賄えないとはじき出したときはショックを受けた。
今回のリリース記事を業界紙で読んで腰を抜かすほど驚いた。「近所付き合い」を金額に換算したのはおそらく初めてだろうし、その価値をユーザーが160万円とはじいたことに狂喜乱舞でもしようかと思ったほどだ。
しかし、残念ながら「平均160万円」は著しく不正確だ。スポーツ紙もこんな見出しはつけないのではないか。回答者のうち35.3%の人は「0円」と答えているし、「1円~100万円未満」の人も31.7%いる。その一方で「300万円台」が5.8%、「400万円以上」が3.6%だ。
これらを足して割って平均値を出したところで、果たして近所付き合いの価値を正確にはじき出したと誰もが思わないのではないか。価値を0円としか見ていない人が4割近くいるのだ。つまり、近所付き合いは大事だが、それを分譲価格に上乗せしたらびた一文出したくないという人がたくさんいるということだ。160万円は新築の首都圏マンション消費増税額(8%)と同じぐらいの価格だ。
もう一つは「良好な近所つきあい」の「良好な」とはどのようなものかも考える必要がある。つかず離れずがいいのか、土産物のおすそ分けやおかずのやり取りをするのがいいのか、挨拶を交わす程度でいいのか人さまざまだ。
さらに、購入に際して「不動産会社の担当者から近隣住民についての説明や情報を受けている」人が48.5%という数字にも興味が引かれる。これが多いのか少ないのかの判断だが、記者は圧倒的に少ないと思う。不動産の価値は、個別単体の価値だけではない。地域のポテンシャル、近隣のコミュニティとも密接につながっている。ユーザーは不動産会社に近隣住民の情報など期待していないのかもしれないが、新築にしろ中古にしろ、近隣のコミュニティについて把握していない営業マンは失格だ。
個人情報の保護に過剰に反応して〝見ざる言わざる聞かざる〟が蔓延しているとしか思えない。無猿(縁)社会とはよくいったものだ。
それにしても、アットホームの意表をつくアンケートは面白い。どんな人が企画するのか今度聞いてみよう。
旭化成ホームズ 「宇田川町住宅」建て替え竣工見学会
「アトラス渋谷公園通り」完成予想図
角を矯めて牛を殺すことにならないか総合設計制度改正
旭化成ホームズは10月29日、渋谷区の「宇田川町住宅」の建て替え事業「アトラス渋谷公園通り」が竣工したのに伴い、報道陣向けに見学会を行った。
物件は、渋谷駅から徒歩5分、渋谷区宇田川町3の敷地面積約870㎡の商業地域に位置する13階建て49戸(店舗1)。専有面積は約33~104㎡。坪単価は420~430万円。
従前建物は、昭和36年に竣工した東京都住宅供給公社が分譲した店舗併用マンションで、地下1~3階を同公社が所有、住戸(約58㎡)は4~7階で全16戸。エレベータはなし。
平成15年から建て替えの計画が進められたが、合意形成ができず検討がストップ。同18年、有志が同社の建て替えセミナーに参加したことがきっかけで再び建て替えの検討が始まり、同21年6月、同社が事業協力者としてプレゼンを行った3社の中から選定された。同22年9月、全員同意で建て替え決議を行い、同年12月、組合員全員が再取得することが決まった。
同社は当初、建基法案と総合設計案を提示したが、平成22年に都の総合設計制度改正が行われることになっており、適用の可否、容積率の割り増し、公開空地の確保や非住宅面積の制限が厳しくなることなど上に伸ばすメリットがなくなったとして断念した。
また、同社は、権利者が17人と少ないことから、複数の議決権を持つ権利者が建て替え決議に大きな影響を及ぼすこと、商業立地の店舗併存マンションは更地での売却、商業ビルへの建て替えのほうが「最有効活用」となる場合が少なくないこと、テナントとの交渉に時間がかかるなどの課題もあると説明した。
エントランス
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計画は聞いていたが、坪単価420~430万円で分譲済みとは知らなかった。同じ公社住宅の建て替えマンションとして話題を集めた「渋谷美竹」より少し遅れて分譲された。こちらは「公園通り」に面しており、隣は東武ホテル、その先は渋谷区役所、NHKなどがある一等地。記者は坪単価500万円でも売れるのではないかと思った。リーマンショック前では坪500万円のマンションが近くで分譲されており、高額を除き人気になった。
◇ ◆ ◇
総合設計制度を活用しなかったというのも驚いた。都は平成22年に同制度を改正。単に公開空地の面積の確保だけでなく、緑化率などの質や住宅の質、環境性能などが問われるようになった。
今回のマンションは敷地面積が小さく要綱が改正される前で、その概要が明確でなかったために同制度の活用を見送ったようだ。しかし、総合設計制度は良好な街づくり、住宅供給を促すための制度だ。権利者が基準法を選択したほうがいいと判断される要綱改正は、制度の趣旨からしていかがなものか。
都の総合設計制度の適用案件は毎年20~30件あったが、要綱が改正されたあとの平成23年度も24年度もそれぞれ3件しかないのは気になる。角を矯めて牛を殺すことにならないのか。
屋上テラス
日本土地建物 船橋のシェアハウス賃料は51,000円から
日本土地建物が千葉県船橋市で開発を進めている全85戸の大型シェアハウスの名称が「シェアリーフ西船橋グレイスノート」と決まり、賃料も51,000円/室~83,000円/室(別途共益費18,000円)と決まった。
リビング・ダイニング、多目的ルームのほか、音楽スタジオを3室設置するなど共用施設を充実させているのが特徴。個室は9.6畳大が基準で、最大15.8畳大。入居募集開始は来年1月から。入居開始は3月上旬。
旭化成ホームズ 坪単価で測れない価値あり「NEXT HEBEL HAUS」
「NEXT HEBEL HAUS 新大地」(左)と「NEXT HEBEL HAUS CUBIC(キュービック)」
旭化成ホームズは10月28日、静岡県富士市の同社住宅総合技術研究所で戸建て住宅の新商品発表会を開き、低層戸建住宅用の躯体システム「鉄骨軸組ハイパーフレーム構法」の優れた構造性能を最大限に生かした内部空間の縦方向へのプラン自由度を高め、新たに開発した外装部材やインテリアを備えた「NEXT HEBEL HAUS(ネクストヘーベルハウス)」シリーズを平成25年11月1日(金)から発売すると発表。
同時に、「NEXT HEBEL HAUS」を盛り込んだ陸屋根タイプの「NEXT HEBEL HAUS CUBIC(キュービック)」と寄棟屋根タイプの「NEXT HEBEL HAUS 新大地」を新たにラインアップに加え、関東、東海、関西、山陽、九州北部で販売していくと発表した。同社の主力商品にする考えだ。
「NEXT HEBEL HAUS」は、コストアップ要因を企業努力で抑えながら「鉄骨軸組ハイパーフレーム構造」の強化を図り、1階の階高を16cm高くする仕様を導入するとともに、2階の床を約80cm下げた中間層に設置する「クロスフロア」を実現。住空間の自由度を飛躍的に高め、インテリア・エクステリアを進化させたのが特徴。2~3年かけて開発してきた。平成25年度の販売目標は3,000棟。
「NEXT HEBEL HAUS CUBIC」は、大都市圏の狭小敷地の子育てファミリーをメインターゲットに置いた商品で、「クロスフロア」を採用することで、4層にも5層にも見える豊かな住空間を提案している。コンセプトモデルの延床面積は118.16㎡(35.8坪)。本体価格は2,930万(税抜き価格)。平成25年の販売目標は150棟。
発表会に臨んだ同社取締役兼副社長執行役員・池田英輔氏は、「2~3年前から開発を進めてきたもので、これまでやってきたことをてんこ盛りにした商品」と語り、同社技術本部商品開発部長・加藤明氏は、「設計の自由度を高め小さくても豊かな空間を実現したことと、インテリア・エクステリアのアイテムを増やしたことの2つの進化を遂げた商品」と特徴を語った。
池田氏
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報道陣に公開された「NEXT HEBEL HAUS 新大地」は広さ約60坪。新商品の特徴であるダウンフロア400ミリ、クロスフロア、勾配屋根などを駆使して2.7m・3.2m・5.2mなどの天井高を提案した5層住宅だ。外観に木目調軒天やルーバースクリーン、キャノピーを採用し、住戸内も床・壁・天井に無垢材をふんだんに用いた「ウッディモダン」を提案している。それこそ「てんこ盛り」のモデルハウスだ。
「カフェミックス キッチン」(左)と「キッズピット」
「パパボックス」
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記者が注目したのは「NEXT HEBEL HAUS CUBIC」だ。これまで軸組工法や2×4工法による中2階や2層吹き抜け空間の提案はたくさん見てきた。鉄骨住宅の同社の提案もこれまで見てきたものと大差はないだろうと高を括っていた。
ところが、従来のものとは全く異なっていた。従来の中2階はどちらかといえば閉じられた空間を中2階に設置したものが多かった。
今回の提案は閉じられた空間でもあるが、上下階やスキップフロアの隣り合う住空間との一体利用を想定したものだ。「個室を最小限に抑えている」ためもあり、床面積にして20坪の空間が0坪ぐらいの空間に見える。3.2mの天井高を実現した「クロスフロアのリビング」が上層階のダイニングキッチンや下層階の子ども部屋ともつながっているのには驚いた。新たに加えられたインテリアスタイルの「カフェミックス」も需要層のニーズにマッチした提案だと思う。
一つだけ注文をつけるとすれば、外観だ。「キュービック」は合理的な住宅に違いないが、内部空間が素晴らしいだけに外観も魅せるものにしたほうがいいのではと思った。
クロスフロア空間
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われわれ記者は戸建てであろうとマンションであろうと、すぐ坪単価で価値を判断する。今回のプロトタイプの「NEXT HEBEL HAUS CUBIC」は約83万円で、約36坪で2,930万円だ。しかし、先にも書いたようにこの商品は坪単価で測れない価値がある。3層~4層の住空間があるからだ。
もう一つ、この坪単価と関連することだが、間取り表示について。記者はあまり間取り表示を重視しない。基本的には居住面積だ。居住面積が間取りを決定付けるからだ。その意味で、今回の商品は○LDKとして表示ても意味がない。DK表示の物差しを超える価値がある。
ちなみに建基法でいう「居室」とは天井高が2.1m以上で、採光と換気について一定の基準を満たさなければならないが、広さについての規定はない。マンション業界などは自主規制として4.5畳大以上を「居室」としたときがあった。
腰窓付きのクロスフロアで住宅の特徴を話す担当者(上階のダイニングキッチンから写す)
建設労働者不足率 9月は前月の2.1%から2.5%へと拡大 国交省調査
国土交通省は10月25日、9月10日~20日の建設労働需給調査結果をまとめ発表。全国の8職種の過不足率は8月の2.1%の不足から9月は2.5%の不足と0.4ポイント不足幅が拡大。特に鉄筋工(建築)の不足率が5.8%と大きくなっている。型枠工(建設)も不足率は3.9%(8月は3.1%)と拡大している。
今後の労働者の確保に関する見通しについては、翌々月(11月)は「困難」と「やや困難」の合計が36%で、対前年同月比12.9ポイントの上昇。
また、10月1~5日現在の主要建設資材の価格動向については、異形棒鋼、H形鋼は“やや上昇”、その他の資材は“横ばい”で、需給動向については全ての資材が“均衡”となっている。
三井不動産 東武東上線エリア最大級の商業施設「(仮称)ららぽーと富士見」着工
イメージ図
三井不動産は10月25日、埼玉県富士見市のリージョナル型ショッピングセンター「(仮称)ららぽーと富士見」を着工したと発表した。
東武東上線エリア最大級の規模で、敷地面積は約152,000 ㎡、延床面積約185,000 ㎡、店舗面積約80,000 ㎡の4 階建て(店舗部分は3 階建て)。店舗数は約300 店、駐車場台数約4,600 台を予定。開業は2015年春の予定。施設は富士見市のシティゾーンに位置し、富士見川越バイパス(国道254号)に接している。
三菱地所 賃貸マンション2015年まで4,500戸供給
「PARK HABIO恵比寿」
三菱地所は10月23日、同社の賃貸マンション「PARK HABIO(パークハビオ)」の竣工物件「PARK HABIO恵比寿」の見学会を行った。
「PARK HABIO」は、都心の駅近好立地の物件に絞り込み、分譲マンションと同様の耐震性・耐久性・セキュリティなどを確保し、三菱地所グループのバリューチェーンを活かした事業で、2004年にスタート。2009年からは世帯構成の変化に対応し単身者・DINKS向けにシフト。賃料にして12万~19万円/坪の物件を中心に企画。計画中の物件を含め2015年8月までに53棟、約4,500棟を供給する。
事業スキームは、用地取得・企画を同社賃貸住宅事業部が、企画・設計・品質管理を三菱地所レジデンス・三菱地所設計が、インテリアデザインをメックデザインインターナショナルが、リーシング・PMを三菱地所ハウスネットが、管理を三菱地所コミュニティが、アセットマネジメントを三菱地所投資顧問がそれぞれ担当。
これまで竣工した34棟のうち29棟は売却済みで、そのうちの約半数は三菱地所投資顧問が運営する日本オープンエンド不動産投資法人に売却している。
挨拶した同社賃貸住宅事業部長・坂口泰之氏は、「投資家、エンドユーザーにも高い評価を得ており、稼働率は90%を超えている。分譲・注文などとのバリューチェーンを強化していきたい」と語った。
「恵比寿」は、恵比寿駅から徒歩3分の14階建て全109戸。住戸面積は25.04~50.30㎡。募集賃料は13.5万~28.1万円/月。
坂口部長
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賃貸住宅のことはよく分からないが、キッチンの天板にクォーツストーンが採用されており、キッチン下収納の内引き出しがソフトクローズ機能付きだったのには驚いた。
分譲マンションでクォーツストーンを標準装備しているのは坪単価にして200万円以下はまずないはずだ。内引き出しをソフトクローズにしているのは茶碗などが割れないようにするためだという。「ピクチャーレールはオプションか」と聞いたら、「賃貸にオプションはありません」と笑われてしまった。床は直床だが、天井は2重天井。同業の大手は2重床、直天井にしているケースが多いという。間口を3m以上確保しているのも〝こだわり〟だそうだ。
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投資家は年金や金融機関が中心で、投資家の期待利回りは4.5%ぐらいとのことだった。他の不動産投資商品と比べ利回りは低いようだが、長期・安定投資としては都心部の賃貸住宅は投資リスクも小さいだろうから、4.5%という利回りはむしろ高いと考える。「麻布狸穴」(84戸)の現場を見たときはびっくりした。
リビング(ベッドが横に置けるのが〝ミソ〟だそうだ)