総合地所 熱海の別荘分譲 販売が順調に推移
「ルネ熱海伊豆山マスターズプレイス」 分譲戸建て千鳥「KIBITAKI」
総合地所が分譲中の別荘地「ルネ熱海伊豆山マスターズプレイス」を見学した。標高約380mの全46区画(分譲41区画)で、従前契約区画を含み17区画が契約・申し込み済みになるなど販売は順調に進んでいる。
物件は、東海道新幹線熱海駅から車で11分(5.4km)、静岡県熱海市伊豆山に位置する建ぺい率40%、容積率200%の全46区画(第一種中高層住居専用地域、第二種風致地区)。現在分譲中の宅地(6区画)の土地面積は208.16~370.97㎡、価格は688万~2,029万円(坪11~19万円)。分譲戸建て(1棟)は土地面積200.00㎡、建物面積111.80㎡、価格4,980万円。このほか管理業務費(月額)14,200円。温泉利用料(月額)6,400円(1口あたり10㎥まで。週末利用だと1口で賄える量)、更新料(10年毎に更新)/800,000円(1口あたり)、名義変更手数料(譲渡)300,000円(同)、名義変更手数料(相続)50,000円(同)。販売媒介はオオクスライフアシスト。
現地は南傾斜の「伊豆山」の一角で、オーシャンビューのひな壇造成地。源泉かけ流しの天然温泉が全区画に引き込み済み。
戸建て別荘のコンセプトは京都の旅館をイメージした「MY RYOKAN」。玄関に板塀と竹林を配し、温かみのあるスギ材をふんだんに用い、浴槽の湯には外の景色が映り込むように工夫を凝らし、風呂リビングにはナラ材のナグリ床を、堀こたつ付きダイニングの天井には竹材をそれぞれ採用しているのが特徴。
同社分譲事業部戸建営業部営業課副参事・小澤健司氏は「当社が造成済みの宅地を取得し、2008年から販売を開始したが、リーマン・ショックの影響で販売を中断していた。ここ数年、熱海に活気が戻ってきていることから今春に販売を再開した。建築済みの戸建て2棟のうち1棟は契約済みで、販売対象の41区画のうち17区画が契約・申し込み済み。来場者は約50組。順調に進捗している。契約・申込者は週末利用が目的の都内や神奈川県在住者で、年齢は40~50歳代」と話した。
販売を担当するオオクスライフアシストの橋本武博取締役は、「最初に現地を見たとき圧倒的な鳥の声に感動させられた。現地にはヒヨドリ、ウグイス、キビタキ、ルリビタキ、オオルリなどが生息する。そこで、別荘シリーズを〝千鳥〟とすることを総合地所さんに提案した」と販売の経緯について語り、建物の設計を担当した時旅人・小川修デザイン事務所の小川修氏は「コンセプトが明確でやりやすい。具現化することができた」と話した。
「KIBITAKI」(左が堀ダイニング、右がナグリ床の風呂リビング)
手前が展望浴槽
2階居室
◇ ◆ ◇
いまの若い方は信じられないだろうが、バブル時には首都圏でリゾートマンションが年間1万戸くらい供給された。もちろん売れ行きもよく、いわゆる月間契約率は70%を超えた。
記者は〝狂乱〟ブームに浮かれ、取材であちこちを飛び回った。熱海エリアも少なくとも10回は取材している。昭和63年から平成元年あたりは坪単価が軒並み300万円を突破した。もっとも高額だったのは竹中工務店が施工した平成2年完成のリブラン「別邸桜乃庄」(25戸)で、坪単価は確か550万円くらいだった。
伊東には三武が分譲したが、バブル崩壊で工事が中断し、その後、施工の大成建設が完成させてホテルとして一部利用されている「ウェルネスの森」がある。記憶に間違いがなければ全300戸の価格が全て1億2,000万円だった。
バブル崩壊後、惨憺たる様相を呈しているのはご存じの通り。固定資産税や維持・管理費が相対的に高く、売ろうにも売れない悲惨な状況が続いている。
その原因は、いうまでもなく土地神話があっけなく崩れ雲散霧消し、所有から利用へ価値観が変わったからだ。
なので、バブル時も含めリゾート分譲を行ったことがない同社が別荘分譲を開始し、販売も順調に推移していることを見聞し、驚いた。
価格が高いのか安いのか、全く判断材料を持ち合わせていないが、バブル時と比較すれば4分の1くらいの値段ではないか。
仮に見学した別荘に一泊するとしたら3万円でも安いと思う。ナグリの床と星空が眺められそうな風呂が最高にいい。だがしかし、風呂の掃除、草むしり、食事の用意、行き帰りの車の運転などを考えたらホテル・旅館のほうがいいようにも思うが…。
バブル時のような狂乱ブームは絶対訪れないだろうが、週末を自宅の別荘で過ごす時代がやってくるのか。
ナグリ床
スギ(左)と竹材を採用した天井
玄関
ポラス 浦和レッズレディース選手が「ONE LINKカフェ」でワークショップ
ワークショップ「体幹トレーニング・サッカーイベント」
長嶋さん(左)と木崎さん
ポラスグループは7月30日、さいたま市西区の大規模分譲地「ONE LINK」販売事務所に併設した「ONE LINKカフェ」で浦和レッズレディース選手によるワークショップ「体幹トレーニング・サッカーイベント」を行った。
「ONE LINK」は、土地区画整理事業によって開発が進められているさいたま市西区、JR川越線西大宮駅圏の同社の分譲予定地の総称。昨年11月の第1期から第4期まで74戸が供給されており、うち43戸が成約するなど売れ行きは順調に推移している。2021年までに全332戸の分譲住宅を供給する予定。
カフェは、新たに分譲を開始した第4期20戸の販売事務所の一角に設置された広さ約14畳大。分譲地の居住者や地域住民との交流を目的としたもので、近くにはカフェがなく要望も多く寄せられたことから開設した。地元の人気パン屋さんが土曜・日曜・祭日に営業する。今後も様々なワークショップを実施していく予定。
この日は、ポラスグループの社員で、浦和レッズレディースに所属する長嶋洸さんと木崎あおいさんがストレッチ、体幹トレーニング、サッカーボーリング、質問コーナー、サイン会などを約2時間にわたり行った。
参加者は群馬県板倉町から駆け付けたお父さんとお子さんなど総勢7組22名。みんな「楽しかった」と歓声をあげた。
「ONE LINKカフェ」
◇ ◆ ◇
下手な記事を書くより、写真を見ていただいたほうがどのようなワークショップだったか伝えられると思うので、以下に紹介する。
参加者には全員に、地元の農家から提供されたカブトムシのつがいがプレゼントされた
◇ ◆ ◇
記者もこの炎天下に週2回、RBA野球大会の取材を行っており、4~6時間、ほとんど休みなく万歩計にして2万歩、距離にすると10キロは歩き、多いときは十数試合を観て、写真を撮り、コメントを取る。
サッカーと言えば、人間を人間たらしめる「手を使う」ことを禁じ、足と体と頭のみの使用が可能で、しかも、けたぐりやひっかきは当たり前で、時には頭突きや噛みつきもし、ゴールでもしようものならTシャツを脱ぎ棄て、下品な下半身の突き出し踊りやタトゥーだらけの上半身をさらけ出す、もっとも原始的で野蛮な、とてもスポーツとも呼べないただの球蹴りだと思っているのだが、しかし、野球と違い、ルールも単純で100円ショップでも買えそうなダブダブのパンツとTシャツと猫じゃらしのボールだけあれば、肌の色も門地も頭の良しあしも貧富も美醜の概念とも一切関係ない、「力」のみが評価される、これこそが「生きる」ことの意味を問う正真正銘の究極の競技ではないかとも思われ、だからこそ全世界の人々から熱狂的な支持を得られるのだろうという冷静な判断力は記者も働く。
その運動量がすごい。記者は運動というよりただ歩くだけだが、長嶋さんと木崎さんは毎日2時間の練習を欠かさず、試合では長さ105m×幅68mのコートを前後半の90分間、距離にして10キロは走りまわるという。体力をつけるため醤油をかけただけのどんぶり飯を二杯食べたこともあるという。二人の目標は2020年東京オリンピックの代表に選ばれることだそうだ。
すてきナイスグループ創業者の平田周次氏が死去 享年92歳
平田周次氏
すてきナイスグループの創業者・初代代表取締役社長で、ナイス名誉会長の平田周次(ひらた しゅうじ)氏が7月23日、死去した。享年92歳。同社代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)・平田恒一郎氏の父。
故人の遺志により、通夜・葬儀は近親者のみで執り行われた。後日、「お別れ会」が行われる予定。
平田氏は1925年(大正14年)11月16日生まれ。1948年(昭和23年)日本大学卒業後の1950年(同25年)、市売木材(現すてきナイスグループ)設立。1988年(同63年)代表取締役会長、1998年(平成10年)名誉会長。2009年(同21年)旭日双光章。
◇ ◆ ◇
平田周次氏にはほとんどお会いしたことがないが、訃報に驚いた。同社への取材は平田周次氏のご子息・平田恒一郎氏がアメリカ留学から帰って同社に就職したころで、周次氏に代わって恒一郎氏が社長に就任したときは、確か上場会社の最年少社長就任だった。
周次氏の年齢が享年92歳と知り、また驚いた。今年1月に亡くなられた木下工務店の創業者・木下長志氏も、5月に死去された大京の創業社長・横山修二氏も同じ92歳だった。
業界を代表する昭和の偉大な経営者がまた冥府に旅立たれた。
合掌
「テレワーク・デイズ」 大京のサテライトオフィス利用者「時間的ロスがない」
大京の大宮・サテライトオフィス
総務省などが推進する「テレワーク・デイズ」の特別協力団体として参加している大京グループの大宮サテライトオフィスを見学した。
テレワーク・デイズは、総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、内閣官房、内閣府が東京都などと連携し、働き方改革の国民運動として展開しているもので、2020年東京オリンピックの開会式にあたる7月24日を「テレワーク・デイ」と位置づけ、全国一斉実施を呼びかけている。
今年は7月23日(月)~27日(金)の間に24日(火)とその他の日の合計2日以上の実施を呼び掛け、昨年比32%増の1,255団体が参加(うち24日に100名以上参加している特別協力団体は120団体=事務局発表)した。
同社は2016年12月から「職場改革プロジェクト」をスタートさせ、社員は「財産」と位置づけ様々な取り組みを実施しており、その取り組みが評価され、2017年の経済産業省と東京証券取引所の「健康経営銘柄2017」と、同省と日本健康会議が主催する「健康経営優良法人(ホワイト500)」に認定された。以下、大宮サテライトオフィスを利用したグループ社員のコメント。
46歳Aさん 子ども2人の4人家族。千駄ヶ谷勤務。住まいは浦和(埼京線)。埼京線には(混雑がひどく)乗りたくない |
44歳Bさん 川口市に在住の子供二人の4人家族。子どものPTAの会合に出席するため5月にトライアルした経験あり |
35歳Cさん こども一人の3人家族。自宅はさいたま市大和田。千駄ヶ谷の事務所まで2時間弱なのが、ここだと30分。子どもと遊べる |
29歳Dさん 独身です。家は浦和。ここなら20分。担当も板橋なので近い。今日は9:00に出社。17:30の定時には退勤する予定 |
47歳Eさん 以前、北関東支店に勤務していた。子ども一人の3人家族。上尾市なので、ここまで30分 |
27歳Fさん 自宅は武蔵小杉の賃貸。結婚しています。大宮のお客さんに面談するために利用した。移動ロスがないのがいい |
◇ ◆ ◇
住宅・不動産業界では、同社のほか住友林業、積水ハウス、大和ハウス工業、三井不動産、三井不動産レジデンシャルサービス、三菱地所、LIXIL、レオパレス21が特別協力団体に参加している。
24、25日の2日間で約260名が利用した三菱地所の20歳代の女性社員は「当社は決まった場所はないので、自宅でもOKで、時間的メリットがまずあると思います!私の場合、片道1時間弱+身支度30分~1時間と考えると、2時間半は浮くので、その分業務をしたり、早く仕事を終えてプライベート時間に使えたりするのはよいです。これだけ猛暑が続くときや天気が悪い時は出社しなくてよいのはメリットですね。私はオンオフの切り替えをしたいので、自宅近くのカフェにおりましたが、かなり集中して作業ができます。とは言え、やはり打合せなど顔をあわせて話をすることの重要性・効率の良さはあると思いますので、使い分けが大切ですね」とコメントした。
積水ハウスは約280名が利用した。参加団体のNTT都市開発でも「期間中、全社員に1日以上利用するよう呼びかけている」(広報)。
東急不動産の昨年の事例では、通常勤務時の生産性を50とした場合、テレワーク勤務時の生産性は16%増の58に上昇したという結果が報告されている。
◇ ◆ ◇
もちろん業種によるだろうが、いまはパソコン一つで仕事ができる時代。わざわざ国が「テレワーク・デイ」と位置づけ、呼び掛けなければならないようでは、そしてまた、その取り組みが記事として「価値」があるようでは情けない。
私事だか、RBA野球大会が行われる期間中は、水曜日と日曜日はグラウンドに直行、直帰。それぞれの翌日、つまり木曜日と月曜日は在宅勤務扱いで、自宅で記事を書きアップもする。
この酷暑の中、4~6時間グラウンドを駆けずり回るので、その疲れを取るのが第一義だが、通勤時間が節約でき、タバコを吸い酒も飲めて、西武を応援することももちろん可能。振休も取り、疲れたら適宜有休も利用する。不都合など全くない。
参考までにオフィスのデスクも紹介する。いつも机上にあるのはノートパソコンと、画面を映すモニターとキーボード、マウス、電話機のみ。モニターは画面を見やすくするためで、キーボードとマウスがあるのは、ノートパソコンのキーボードとタッチパッドを操作することができないため。スマホはもっぱら電話機能。メールも満足に送れない。
左端のポトスは、定期的にオフィスの観葉植物を剪定する業者さんからもらって紙コップに生けたもの。お菓子は女性スタッフなどからの土産。食べずに家に持って帰る。
記者のオフィスのデスク
三井不動産 消費エネルギーゼロのクールスポット「柏の葉スマートシティ」に設置
「COOL TREE」
三井不動産は7月20日、都市エネルギー消費ゼロのクールスポット「COOL TREE」を柏の葉スマートシティに設置したと発表した。
同社と日建設計、銘建工業、光栄、村田製作所の4社が開発したもので、様々な屋外パブリック空間で環境性とデザイン性を兼ね備えたクールスポットを創出する。
①直射日光を遮るヒノキの格子日除け②座るとひんやりするベンチ③人が近付くとセンサーが感知し作動する涼感ミスト-の3つの森林浴の再現を試みるほか、フレキシブルに組み合わせられる正六角形の形状、太陽光発電とIoT 制御による都市エネルギー消費ゼロの自立型システム、最短1日で設置でき、リユースが可能、国産の間伐材とCLTの活用によりバイオマス発電へのリサイクルが可能なのが特徴。
野村不動産 中国での初のオフィス事業に参画
「北京発展大厦(ビル)」
野村不動産は7月9日、中国・北京市の政府系デベロッパー北京首都開発股份有限公司と共同で「北京首開野村不動産管理有限公司」を設立し、中国での初のオフィス事業となる「北京発展大厦(ビル)」(築29年、20階建て延べ床面積約55,000㎡)の運営管理業務を開始したと発表した。。
同社グループは、中長期経営計画(~2025.3)の中で海外事業を成長分野の一つと位置付け、2025年3月期までにアジア諸国を中心に住宅事業及び賃貸事業(オフィス、商業、サービス・アパートメントなど)で3,000億円の投資を計画している。
すでに、タイ・バンコクでは3物件2,100戸以上の分譲住宅とサービス・アパートメント事業に、中国・瀋陽では分譲住宅事業に、フィリピン・マニラでは1,400戸の分譲住宅と商業施設からなる複合開発案件に、ベトナム・ホーチミンシティでは2,300戸の分譲住宅及びオフィスビル事業にそれぞれ事業参画している。
業界最大級の60万世帯 業界初の検討者・契約者向け組織を発足 三菱地所グループ
三菱地所グループは6月28日、住宅事業グループ各社が運営している4つの住宅系会員組織を統合し、業界最大級の約60万世帯の顧客を対象とした「三菱地所のレジデンスクラブラウンジ」を発足させたと発表した。
当プロジェクトを通じ、事業主体やサービスの提供窓口に関する組織的障壁を取り払い、グループ一体での営業販促活動を実現するとともに、住まいに関するあらゆるニーズをワンストップでカバーするアクティブな会員組織を目指す。このような検討者と契約者の会員組織を統合するのは業界初の試み。
統合する組織は、マンション・戸建ての検討者向け「The Parkhouse Club」(会員約22万世帯)、マンション・戸建て居住者向け「三菱地所のResidence Club」(会員約38万世帯)、注文住宅オーナー向け「三菱地所ホーム倶楽部」(会員約2万世帯)、住まいの総合窓口「レジデンス ラウンジ」(会員約2万世帯)で、これによりサービス対象顧客数は約60万世帯となる。
新しい組織は、住まいに関するワンストップの相談窓口を設置(三菱地所のレジデンスクラブラウンジ、集中コールセンターなど)するほか、会員WEBサイト・アプリを通じて会員のニーズに合わせたサービス情報を提供し、よりきめ細かな対応をするとともに、会員限定イベント、会員優待特典など会員サービスの充実を図る。
2013年に開設した東京・有楽町の総合相談窓口(ラウンジ)での相談件数は、2014年度が約400件だったのが、2017年度は1,200件近くまで3倍近くに増加している。ラウンジは新しい組織「三菱地所のレジデンスクラブラウンジ」に生まれ変わる。
◇ ◆ ◇
最近の同社グループの動きからして、今回の「レジデンスクラブ」の立ち上げは十分予測できたことだ。同社の前社長・杉山博孝氏(現会長)は「バリューチェーンの強化」をことあるごとに話していた。「バリューチェーン」とは住宅系であることは言うまでもないことだ。
もともと三菱地所グループの住宅系は三井不動産、住友不動産、野村不動産などに大きく引き離されていた。マンションは藤和不動産を実質吸収するまでは年間数百戸くらいしか供給していなかった。戸建てもバブル崩壊後はほとんど〝撤退〟していた。不動産流通部門もリテール部門は同業他社の後塵を拝している。注文住宅は全館空調の先駆けである「エアロテック」を開発したにもかかわらず、これまた同業他社に比べ圧倒的に販売戸数は少ない。
最近は、マンション事業が三井、住友、野村とともに〝4強〟市場を形成しているが、抜け出すまでには至っていない。
こうした状況を記者ですら歯噛みしているのだから、同社関係者はそれこそ切歯扼腕、イライラを募らせていることは容易に想像できる。
そうした状況を一変させようという意気込みは〝業界最大級〟〝業界初〟という文言にも表れている。新しい竈と鍋は用意できた。そこからどんな煮物をつるのか、楽しみだ。ごった煮にはならないはずだ。
◇ ◆ ◇
検討者向けのワンストップサービスでは、やはり三井不動産が圧倒的優位に立っている。すまいとくらし選びにワンストップで対応する「三井のすまいモール」と様々なサービスを提供する「三井のすまいLOOP 」を立ち上げたのは2012年だ。
窓口は「目黒」駅前だったが、その後、同じような施設を「横浜」と「武蔵小杉」に開設した。
いま、同社に「三井のすまいモール」と「三井のすまいLOOP 」の会員数がどれくらいで、「三井のすまいモール」の相談件数はどれくらいかを問い合わせている。果たして返ってくるか。
効果てきめん 三菱地所ホーム 全館空調「エアロテック」記者も宿泊体験(2017/10/30)
三菱地所グループ みなとみらい地区の仲介・リフォーム強化 ショールーム開設(2017/4/13)
住まいサービス ワンストップ提供 三菱地所グループ(2013/4/12)
激化するマンション顧客囲い込み競争 三井不動産レジデンシャル 体感型ミュージアム(2013/3/28)
三井不動産グループ 他社と差を広げる戦略「三井のすまいモール」「三井のすまいLOOP」(2012/4/12)
〝視野の狭い技術者は危ない〟 若い方々必読 「リスク対策.com」コラム
新建新聞社が発信しているweb「リスク対策.com」最新号に高崎哲郎氏の連載コラム「理工系学部の教養・倫理教育と偉才・内務技師宮本武之輔 視野の狭い技術者は危ない、教養を習得させよ!」との見出しの記事が掲載されています。同社の了解を得たので転載します。わが業界にも参考になる記事です。
詳細の記事はhttp://www.risktaisaku.com/articles/-/6704
「リスク対策.com」のリンクはhttp://www.risktaisaku.com/
視野の狭い技術者は危ない、教養を習得させよ! 高崎 哲郎
教師の資質の問題
数年前のことである。ある国立高等工業専門学校(高専)の夏休み読書の推薦図書一覧を見せてもらって驚いた。そこには古典的名作(ジャンルを問わない)や科学者、工学者の伝記、評論集などがまったく紹介されていない。物理学者・文学者・寺田寅彦随筆集や詩人・宮沢賢治作品集などはもう古いのだろうか。古典文学や歴史書の名著などは理工科系の教育には無意味なのだろうか。この「新発見」を、知り合いの著名な工学者(大学名誉教授)に伝えてみた。
「その背景は困ったことに簡単です」と氏は顔をゆがめて語り「要するに教師の資質の問題です。教師自身が学生時代に幅広い教養を身につける努力をしなかった。内外の歴史・文学などの名作に接しなかった。歴史・文学・芸術(音楽や絵画など)は無縁のものと思って生きてきたのでしょう」。氏はやや苦りきった表情で結論づけた。
ある著名な国立(当時)工学系研究所を訪ねた時のことだ。文献にあたろうと思い、図書室の本棚を見て回って妙な事実を知った。政治・経済・歴史・文学・芸術といった文科系図書や美術全集などの図書がほとんど置いていない。この事実を知人である研究所の幹部研究者に話してみた。
「ここは工学の高等研究機関であり、文科系の図書、中でも政治をはじめ歴史・文学・哲学のような専門外図書を備える必要は感じていない」と語り、最近では職員からの要望に応えて司馬遼太郎氏ら流行作家の全集を購入したと付け加えた。歴史・文学などは趣味的図書であり「仕事の邪魔もの」とでも言うような口吻(こうふん)であった。工学博士の知人は、戦前の内務省土木局を代表する土木技師のひとり青山士(あおやまあきら)を敬愛していると聞いていたので「青山論」を尋ねてみた。「青山技師は、部下の技術官僚たちに『勤務地の歴史・地理を勉強し、時間の許す限り歴史書や文学書を読み心の糧(かて)とするように』と指導していたとのことだが、同じ道を歩む工学系技術者としてどう考えますか」。
「教養の差でしょうかね」。氏はそっけなく答えた。
倫理教育は人間の尊厳を教えよ
エピソードを続けよう。ある大学(受験戦争では高いランキングを誇る)の土木工学コースで技術者倫理の講義をした時のことである。受講生がちょっとした漢字すら読めないので失望した。
「君たちは本や新聞を読まないね。若いうちにレベルの高い難しい本を読まなければダメだ。もし世のリーダーたらんとするならば教養がなければ話にならない。海外との競争にも勝てない」と苦言を呈した。ついでに「夏目漱石と森鴎外の代表作をあげてみてくれないか」と縦一列に座った学生に前から順々に答えさせた。案の定、半分ほどの学生が近代日本文学を代表する二人の偉大な文学者の作品を正しく答えることができなかった。
エンジニアの倫理確立が内外から強く求められて久しい。例えば、大学の土木工学コースでは「土木技術者の倫理」を必修課目に入れるのが当然となってきている。技術者資格の改革・創設や継続教育(Continuing Professional Development :CPD)制度の創設が進められ、専門的能力の開発と合せて技術者倫理の普及と教育が重要なスキームとなっている。
技術者が、自分や自分の属する組織のための暴利にのみ目がくらみ、社会に対する責任・奉仕や納税者への配慮を一方的に放棄したのでは存在基盤を自ら失う(談合がその代表例である)。しかしながら倫理教育がこのレベルで止まってはいけない。人間性の荘厳さを教えることこそが究極の倫理教育ではないのか。国内外の代表的歴史書・文学書(古典)はその尊厳さを伝えてくれないだろうか。最高の芸術は人類普遍の最高の倫理を語っている、と信じたい。
◇ ◆ ◇
記者は末年前、ある理工系大学の一般にも公開されている図書館をのぞいたことがある。もちろん専門書、技術書はたくさん開架されていたが、それに比して一般書、小説などが圧倒的に少ないのに驚いた。
その一方で、学長が推奨している書物は一般の人が読んでも参考になるものだったので、その落差に衝撃も受けた。哲学書がどこまで人間を豊かにするか分からないが、古今東西の古典と呼ばれる小説は若いときに読まないと肥やしにならないと思う。
前提条件は?だが「道」のテーマが最高にいい ポラス第5回「学生・建築コンペ」
「第5回POLUS-ポラス‐学生・建築デザインコンペティション」(ポラテックビルで)
ポラスグループのポラスは6月21日、「第5回POLUS-ポラス‐学生・建築デザインコンペティション」の公開審査会を行い、最優秀賞に山元隆志氏(明治大学大学院理工学研究科)・浜本雄也氏(同)・ 早坂覚啓氏(同)の「道的エネルギーの現像ー揺らぎうる境界風景ー」が選ばれた。
同コンペテは、大学院や大学、高等専門学校、専修学校、高等学校などの学生を対象に、建築の道を志す学生の自由で新鮮な発想(アイデア)を表現・公表する機会を設けるのが主旨。今回のテーマは「道からはじまる、これからの家」。応募総数は485件(登録845件)だった。
審査委員長の青木淳氏(青木淳建築計画事務所)は、「『道』はわたしの最大のテーマ。建物の中に道という公共的な空間をどのように創造するか、いまだによくわからない。だからこそ挑戦する意味がある。内容が濃い作品が多くうれしかった」と講評した。
審査委員の今井公太郎氏(東京大学生産技術研究所教授)今井氏は「コンペに選ばれるのは100回に1回くらい。選ばれなかった人もどんどんトライしてほしい」とエールを送った。
その他、優秀賞は丸山航氏(東京理科大学大学院工学研究科)・勝山滉太氏(同)の「コドモしか入れないフォリーのある街」、入選は大杉亮介氏(千葉大学大学院融合理工学府)の「『雨の日コミュニティ』~人々をつなぐ”雨のみち”~」、小川直人氏(工学院大学大学院工学研究科)・島田陽介氏(同大学建築学部)・木元那奈氏(同)の「握手する生活。」、河鰭公晃氏(東京理科大学大学院理工学研究科)の「窓辺群像」が選ばれた。賞金は最優秀賞50万円(1点)、優秀賞20万円(1点)、入選10万円(3点)。
審査委員は、青木氏と今井氏のほか原田真宏氏(芝浦工業大学教授)、永山祐子氏(永山祐子建築設計)、安藤欣司氏(ポラスグループ)。
最優秀賞
左から浜本氏、山元氏、早坂氏
青木氏(左)と今井氏
左から永山氏、原田氏、安藤氏
◇ ◆ ◇
記者が駆け付けたときはプレゼン、質疑応答などが終わっており、表彰式と審査委員の講評しか取材できなかったが、「道からはじまる…」というテーマには感動すら覚えた。
「道」といえばすぐ宮脇檀を思い出す。積水ハウスや東急不動産などの団地やマンション多く手掛けており、コモン、クルドサック、ボンエルフなどを多用した建築家だ。「高幡鹿島台ガーデン」「フォレステージ高幡鹿島台」のように住居表示に事業主の「鹿島建設」の名が採用されているものもある。街づくりはいつも「道から造った」とも聞いている。首都圏の代表作「コモア四方津」は必見だ。昨日記事にしたアキュラホーム「若葉台」の戸建てには、宮脇檀建築研究所に勤務していた二瓶正史氏のアイデアと思われるコモンが採用されていた。
さらに、「道」といえば記者が好きな魯迅の言葉「地上にはもともと道はない。歩く人が多くなれば、それが道となるのだ」を思い出す。深くて重い言葉だ。
なので、会場に展示されていた学生さんの5つの受賞模型作品をよく観察したのだが、期待するような「道」はほとんど一つも提案されていなかった。
その理由はすぐ分かった。作品の条件は、南北に6メートル道路があり、36m×36m=1,296㎡の敷地に6軒の木造住宅を建設することしか示されていない。敷地内に道など設けずに、敷地を南北に三等分し、東西に二分すれば、1戸当たり216㎡の〝邸宅〟が完成する。「道」などなくていいということか。
もう一つ、不思議なのは、これまでのコンペでも感じたのだが、作品は法令上の制限などはまったく考慮されていないのではないかということだ。第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%)だったら違法となりそうなものや、三角形の色紙をちりばめたような使い勝手の悪い建築物とはよべないもの、隣接する敷地をまったく無視した作品もあった。小説や絵画と異なり、建築に関するコンペは法令上の制限をクリアするのが大前提ではないのか。常識の埒外なのか。
記者個人的には、受賞作品より二上和也氏・師田侑一郎氏(東京大学大学院)の「2本の道-図地反転を繰り返す家と庭」に一票投じたくなった。隈研吾氏は見る方向で表情を変えるデザインを多用する。ひょっとしたらお二人は隈氏の研究員生か。
それと、宮野健士郎氏(東京工業大学大学院)の「けものみち」に興味がそそられた。「人道」から解き放たれ、「けものみち」がまかり通るようになったらいったい人間の生活や暮らしはどうなるのだろう。法を無視していいのなら、これが最優秀賞でもよかった。
審査会に参加していたある大学院生は「バリエーションが少なかったという指摘もあったが、自分が想定していたものより案はそれぞれよくつめられていた。既成概念にとらわれないところがいい」と、また別の大学3年生は「自分たちとのレベルの差を痛感した」とそれぞれ感想を語った。
◇ ◆ ◇
永山氏の作品をネットで調べた。「中之島新線駅企画デザインコンペ優秀賞」受賞とあった。記者が見て感動したあの美しい駅のことか。マンションは手掛けないのか。原田氏の作品は、この前これまた木が美しいCLTのモデルハウスを見学した。
ポラス 学生コンペ 実物件化モデルハウスを公開 ミニ開発の難点を解消(2017/8/12)
業界初? 都心の眺望風呂付き 西畠氏監修のガーデン付き 三井不「五反田」ホテル開業
「三井ガーデンホテル 五反田」
三井不動産と三井不動産ホテルマネジメントは6月14日、グループ22店舗目の宿泊主体の「三井ガーデンホテル 五反田」を6月29日(金)に開業すると発表した。同日、開業に先駆け報道陣に公開、併設されるレストランの朝食を振舞った。
五反田駅から徒歩3分、デザインコンセプトは「SKY & GARDEN RESORT」。外構デザイン監修は西畠清順、15階のスカイロビー&フロントに天井高約4メートルの展望空間を設け、最上階には業界初と思われる都心が一望できる男性用展望風呂(女性風呂はなし)付き、1階のイタリアンレストラン「TANTO TANTO」は約300㎡(ガーデンテラス席含め)の緑が楽しめるのが特徴。
発表会に臨んだ三井不動産ホテル・リゾート本部 ホテル事業部長・小田祐氏は「大変ユニークなホテルが出来上がった。当社がこれまで地元と一緒になって取り組んできた大崎・五反田エリアのミクストユースの街づくりにふさわしい眺望がよく、気持ちがいいホテル」と語った。
ADR(平均客室単価)は約15,000円、稼働率は85%を目指す。
物件は、JR五反田駅から徒歩3分、品川区東五反田2 丁目に位置する16階建て。客室数370室。客室面積は約18~36㎡(最多は18㎡)。施設はレストラン「タント タント ザ ガーデンズ 」、コンビニエンスストア「ローソン」、大浴場など。大崎電機が所有する土地に三井不動産が建物を建て、三井不動産ホテルマネジメントに賃貸する。
最上階の展望風呂
スカイロビー
レストラン
ガーテンテラス
◇ ◆ ◇
最初に断っておく。記者の取材フィールドは主にマンションや分譲戸建てだ。1万件くらいの物件のデータは頭の中にインプットされており、すぐアウトプットする自信は多少ある。富裕層向けからアッパーミドル、コンパクト、郊外ファミリー向けまで、それぞれの基準で良否を判断できるが、ホテルはよく分からない。どうしても〝究極のマンションはホテル〟という固定観念から抜け出せない。
今回の「五反田」も、大崎・五反田エリアにはラグジュアリホテルがないかどうかを考え、ないと結論付けた。渋谷、恵比寿、品川のそれらと比較はできないだろうが、大崎・五反田エリアのナンバーワンホテルという評価は間違っていないと思う。
ある同業の女性記者が「あらっ、風呂が付いている」と素っ頓狂な声を上げたのにはたまげた。「えっ、風呂なしのホテルなんてあるのか」と。また別の男性記者が「民泊の影響はあるか」と質問したが、「えっ、三井のホテルと民泊(記者は民泊なるものを見たことがないが)と比較になるのかよ」と驚いた(記者は、水回りはパークホームズのほうがレベルが高いと判断した)。
それはともかく、15階の眺望ロビーがいいし、16階の眺望風呂が圧巻。記者は貧相な体をさらけ出す風呂は疲れるだけで好きではないが、都心のビルを眺めながら露店風呂(ここは接地型でないので露天風呂とは呼べないのだろうが)に入れるところは経験したことがないし、入ってみたいと思った。関係者に聞いたが、「これほど規模が大きく、周囲のビル群が眺められるのはおそらく初めて」とのことだった。
同業の女性記者や同社の女性ホテル関係者は「ちょっと抵抗感がある」とのことで、男性用のみというのは正解なのだろう(同社のミッドタウン日比谷には裸で日比谷公園が見降ろせる女性用のシャワーブースがあるが)。
1階のホテルも、西畠氏が監修した約300㎡のガーデンを眺め、植わっているハーブを摘まんでも黙認してもらえそうでいい。一般の人は朝食ブッフェが1,800円で利用できる。これは安い。
レストランのテラス(正面はオリーブ、足元にはハーブ)
外構
◇ ◆ ◇
一つだけ、画竜点睛を欠く油絵3点がレストランの入り口に飾られていたのが我慢ならない。記者は自分で絵を描くし、真贋を見抜く力もあると思っている。写真の絵はサインがなく、オークションにかけたら3点で1万円もしないのではないか。新宿のある寿司屋には30号くらいのビュッフェの本物のリトグラフが掲げられていた。朝食ブッフェが美味しかっただけに残念。
レストランの内装などに三井不動産は関与していないそうだが、ならば三井倶楽部や三井記念美術館に私蔵されている絵画を貸与したらどうか。三井倶楽部には正面にターナーの絵が、霞が関の月曜会クラブには荻須高徳、中川一政などが無造作に飾られている。
レストランエントランス