生物多様性保護などグリーン・インフラ取り組み ポラス「北越谷」分譲地でイベント
1時間半で約90㎡の芝生貼りを終えた参加者(指導した東邦レオのプロも絶賛した)
ポラスグループの中央グリーン開発は5月12日、同社が分譲中の「パレットコート北越谷 フロードヴィレッジ」でポラス暮し科学研究所と合同してグリーン・インフラの取り組みの一環として「南荻島街づくり植栽&防災ワークショップ」を開催した。戸建て購入者や自治会員など多くが参加した。
グリーン・インフラは、自然環境が有する多様な機能を様々な社会課題の解決に役立てようとする考えで、同社は同じグループのポラス暮し科学研究所とともに、CFD(数値流体力学)を活用したヒートアイランド対策、生物多様性の保護、ワークショップを通じた地域貢献普及活動を行っている。
今回は、分譲地内に整備する提供公園の約90㎡の芝生貼り、一部の地域では絶滅危惧種に指定されている元荒川土手に自生するウマノスズクサを公園内に移植し、それを食草とするジャコウアゲハの保護活動を行ったほか、元荒川の河川敷の雑草を踏み固めるミステリーサークルづくりを楽しんだ。
芝生貼り(左)とウマノスズクサの移植作業
ウマノスズクサ
ミステリーサークル遊び
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この分譲地を取材するのは今回で3回目だ。記者は埼玉県の環境アドバイザーを務める松田好行氏(81)の博学のとりこになった。取材そっちのけで松田氏について回り、名前だけでなく食べられる雑草を教わり、「人間は人間を滅ぼす」などといった真理、哲学、生き方までも学んだ。
記者より一回りも年上の松田氏からは「草、木、土、虫、鳥の名前を覚えることが大事」「森は鳥がつくった」「風媒か鳥媒か」「環境教育は言葉が先走っているだけ」「イヌ、ネコ、ネズミなど人間が勝手に草に名前をつけた」「食べられる野草を囲って野菜となった」「人間の歴史はせいぜい3万年。植物は5億年昔」「毒があるから他は食べない」などの言葉が次から次へと発せられ、記者を魅了した。
松田氏は元出版社の経営者で、屋久島の樹木などに関する書物を自ら著し、その後、全国的に環境アドバイザーとして活動している。現在は分譲地の近くに住んでいる。地域の宝だ。
松田氏
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松田氏に教わった野草の名前を列挙する。イヌムギ、カラスムギ、セイタカアワダチソウ、ルービン、ギジギジ(先端の芽は食べられる)、スイバ、ヤブガラシ、カラスエンドウ、コヒルガオ、オオシバリ、ネズミムギ、ヤブガラシ(この芽も食べられる)、ヨメナ、スイバ、ススメノカタビラ…。
ギシギシ(左)とカラスムギ
左からオオジシバリ、カラスムギ、イヌムギ、ネズミムギ、ウマノスズクサ、ヤブガラシ、ギジギジ
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野草にはヒトリシズカ、フタリシズカ、ムラサキシキブ、イチニンソウ、ニニンソウ、ハハコグサ、チチコグサ、オドリコソウ、シラサギソウ、ワスレナグサ、ツキミソウ、ワスレナグサなど素敵な名前がついているものも多いが、言葉にするのもためらわれるようなオオイヌノフグリ、ヘクソカズラ、ハキダメギク、ドクダミ、ブタクサもあれば、(この草の名前? )シランなどと人を食った名前も、さらにまたオミナエシ(女郎花)、ボケのように考え込んでしまう雑草もある。松田さん、どうしてなのか教えてください。
元荒川土手の桜
今年3月の全国ホテル 稼働率は微減ながら稼働率指標は上昇 週刊ホテルレストラン
オータパブリケイションズが発行している「週刊ホテルレストラン」2018年5月11日号によると、2018年3月の全国のホテル平均客室稼働率は82.1%で対前年月比0.1ポイント減、定員稼働率は75.0%で対前年月比0.1ポイント減となった。
また、「全国客室平均単価(ADR)エリア分析速報」集計によると、ADRの全国平均は10,856円で対前年同月比0.9ポイント、RevPAR(室料売上÷客室総数)は8,989円で対前年同月比1.3ポイントそれぞれ上昇した。
2018年3月は、本州エリアでは軒並み稼働率は低迷傾向にあったが、北海道・九州・沖縄では稼働率は伸長した。特に北海道はインバウンド増加に伴う内容のコメントが多く寄せられており、稼働率・ADR・RevPARの3指標が伸びた。
野村不動産 「ノーガホテル上野」11月1日に開業
「NOHGA HOTELUENO」(ノーガホテル上野)レストラン・ラウンジ
野村不動産は5月10日、「NOHGA HOTELUENO」(ノーガホテル上野)を2018年11月1日に開業し、宿泊予約を5月10日(木)より開始すると発表した。
同ホテルは、「地域との深いつながりから生まれる素敵な経験」をコンセプトに、同社グループが商品開発、サービス提供をし、ホテルが立地する地域に応じたデザインとするほか、地域の職人やデザイナーと連携したオリジナルの家具・備品・アートなどを配置する。
物件は、JR山手線・京浜東北線上野駅から徒歩5分、台東区東上野2丁目に位置する延床面積約4,896㎡、全130室(18~60㎡、平均20㎡前半)。付帯施設はレストラン、フィットネス、ライブラリー、ギャラリーなど。朝食付ルームチャージはスーペリアダブル(20㎡)が25,400円、ツイン(24㎡)が34,500円。
スイート
テラス
明和地所 札幌・赤れんが庁舎のリニューアル事業に参画
赤れんが庁舎
明和地所は5月8日、2016年6月に北海道と締結した包括連携協定に基づき札幌市中央区の赤れんが庁舎のリニューアル事業に参画すると発表した。
赤れんが庁舎は1888年(明治21年)に建てられたアメリカ風ネオ・バロック様式の建築で、1969年(昭和44年)3月に国の重要文化財に指定されている。近年、建物の劣化が進んでいることから、耐震対策を含めた改修を行い、国内外に向けた歴史文化・観光情報発信拠点としてリニューアルする。平成31年度に着工し、同34年の完成を目指す。総事業費は78億円。
同社は1986年に創業した翌年の1987年に札幌市に支店を開設し、マンションの開発・分譲事業を展開している。
平成29年 外国資本による森林買収 東京ドーム32個分 農水省
農林水産省は4月27日、平成29年の外国資本による森林買収事例について、調査結果をまとめ発表。全国で44件、広さは東京ドーム約32個分の148haだった。
事例でもっとも多いのは北海道の39件(53ha)で、利用目的は「不明」がもっとも多く25件。1件当たり面積がもっとも広いのは福島県いわき市の90haで、アメリカの法人が太陽光発電事業用地として取得した。
このほか、国内の外資系企業と思われる者による森林の取得が40件、881haあった。
平成18年に調査を開始してから29年までの事例累計は188件、1,589haで、もっとも多いのは北海道の156件、1,364ha。
森林法では、面積にかかわらず、森林の土地の所有者となった場合に市町村へ届け出なければならず、違反した場合は過料10万円の罰則がある。
また、国土利用計画法では、一定面積以上(都市計画区域以外は10,000㎡)の土地売買について届け出義務を課しており、違反した場合は6カ月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる。
三井不・三菱地所 田町駅前「msb Tamachi(ムスブ田町)」オフィスは満室稼働へ
「msb Tamachi(ムスブ田町)」
三井不動産と三菱地所は4月27日、JR田町駅東口エリアで東京ガスと共同で開発を進めている「msb Tamachi(ムスブ田町)」街区内の「msb Tamachi 田町ステーションタワーS」「プルマン東京田町」が5月1日に竣工することに先がけて竣工式を行った。
「msb Tamachi」は、街区全体の延床面積が30万㎡を超える田町駅と歩行者デッキにより直結するオフィス、商業、ホテル、広場から構成されるミクストユースの街づくりで、東京ガスが所有する土地に東京ガスが「msb Tamachi 田町ステーションタワーN(スマートエネルギーセンター含む)」を、三井不動産と三菱地所が「msb Tamachi 田町ステーションタワーS」と「プルマン東京田町」をそれぞれ開発する。
今回竣工する「msb Tamachi 田町ステーションタワーS」は、31階建て延べ床面積約136,620㎡。世界的な建築設計事務所であるKPFデザインによるオフィスエントランスは天井高7.5mを確保。非常用発電およびスマートエネルギーセンターとの連携により、災害時には共用部だけでなく専有部へも72時間電力供給を可能にし、高いBCP機能を備える。商業ゾーンは、スーパーやドラッグストアなどの日用品を扱う店舗から様々な飲食専門店が揃う。オフィスは満室稼働する。
「プルマン東京田町」は、ヨーロッパを中心に展開するホテルチェーン「アコーホテルズ」が運営し日本初出店スカイバーやエグゼクティブラウンジなどを有する全143室ハイクラスホテル。一泊ルームチャージは3万円前後になる模様。
「msb Tamachi 田町ステーションタワーN」は、36階建て延べ床面積約152,800㎡。2020年春に竣工予定。
木調ルーバーが美しいオフィスエントランス
ホテル外観(イメージ図)
1階アプローチののクスノキ10本(左)と2階広場のナナミノキ、ヤマボウシなど数十本の中高木
東急不・鹿島建設 竹橋再開発の住宅棟着工 デザイン監修に星野裕明氏
住宅棟(手前)と業務棟
東急不動産と鹿島建設は4月27日、両社が共同で開発を進めている「(仮称)竹芝地区開発計画」のA街区(業務棟)に続き、B街区(住宅棟)を着工したと発表した。
同計画は、東京都が行う都市再生ステップアップ・プロジェクト一つで、国家戦略特別区域計画特定事業に認定されている。港区海岸1丁目都有地を約70 年間定期借地によって借り受け、業務棟(着工済み)と住宅棟からなる延床面積約20万㎡の国際ビジネス拠点を創出する。
開発に伴い、浜松町方面から竹芝駅、竹芝ふ頭をつなぐ歩行者デッキを整備し、竹芝地区の利便性・にぎわい・歩行者ネットワーク強化を図る。
住宅棟は、18階建て延べ床面積約19,382㎡。賃貸住宅、サービスアパートメント、シェアハウスを計画。設計は長谷工コーポレーション。施工は長谷工・鹿島共同企業体。竣工予定は2020年6月。デザイン監修は「新丸内ビルディング」「東京ミッドタウン日比谷」を手掛けたホシノアーキテクツ(代表取締役:星野裕明氏)。
壁面にアートがいっぱい 三菱地所レジ 初のシェアハウス「永福町」完成
「ザ・パークハウス レックス 永福町」
三菱地所レジデンスは4月27日、シェアハウス開発の第一弾「ザ・パークハウス レックス 永福町」が竣工したのに伴う記者見学会を行った。
物件は、京王井の頭線西永福駅から徒歩7分、杉並区大宮2丁目に位置する敷地面積約1,626㎡の東日本電信電話が所有する築38年(1980年築)の元社宅。鉄筋コンクリート造2階建て全30室。専用面積は19.76㎡。三菱地所レジが転々貸人となり、オークハウスが運営する。入居開始は4月1日。
月額賃料は一人入居の1階12戸は9.8万円(共益費込み)で、全て申し込み済み。2階の2人入居も可能な2階18室は12.8万円(同)で、これから募集を開始する。いずれも期間9カ月の定期借家契約。
アーティストなどモノづくりが好きな人向けに作業所や器具を備えているのが特徴で、申込者は20~30歳代が中心。外国人が約半数。地方からの申し込みもあるという。アーティストも数人いるという。
同社Reビル事業部長・鶴見弘一氏は、「古いビルなどの再生に取り組むReビル事業を4年前に開始し、2年前に独立させた。これまでオフィスは8棟、住宅は2016年の『東陽町』に続いて2号目。社宅を再生・活用するのにもっとも有効だと判断して今回はシェアハウスを選択した。近く19室の『駒込』でも竣工させる。Reビル事業部全体では現在の貸床面積約11,000坪を2020年度までに25,000坪に拡大する」と話した。
運営を担当するオークハウス会長・山中武志氏は、相次ぐシェアハウスのトラブルについて実名を上げながら、「わたしは3年前から警鐘を鳴らしてきた。この業界には詐欺師も多い」と話し、「当社は業界の先駆け。わたしがつくった。今はソーシャルレジデンスとして、住まいを通じて楽しみ、学び、成長する機会を提供している。古代ローマのコミュニティの中心だった広場『FORO(フォロ)』を物件名に冠している」と語った。
2階二人部屋
アウトドアラウンジ
木工室
◇ ◆ ◇
見学会の案内が届いたときからこの日を楽しみにしていた。案内には事業説明者として「Reビル事業部長・鶴見弘一」とあるではないか。同姓同名もあるかもしれないが、すぐ鶴見氏はかつて三菱地所野球部の黄金期の主砲だった鶴見氏だと確信した。
その通りだったので、久々にお会いし、偉くなったのが自分のことのように嬉しくなった。野球部のメンバーが事業責任者になっている例では、常盤橋開発部長・平井幹人氏がそうだし、「東陽町」のリノベでもお会いした同社資産活用室兼メックecoライフ常務取締役・明嵐二朗氏(当時)もそうだ。
しかし、当時の主力が偉くなるのに反比例して、チームは下降線の一途だ。今日(27日)のRBA日曜ブロックの決勝戦は三井不動産-三井不動産レジデンシャルだ。〝三井の独走〟を許していいのか。
鶴見氏(左)と山中氏
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シェアハウスについて。トラブルが続発し問題になっているようだが、被害者になられた方は気の毒というほかない。記者は30年くらい昔か。当時、シェアハウスではなく、ゲストハウスを見学したことがある。そのうちの1軒は戸建てで、〝たこ部屋〟と呼べるような劣悪な〝施設〟とも呼べないような代物だった。火事が起きたらどうするのか、犯罪の温床にならないか、こうやって若者は根無し草になるのかと心配した。
ここ近年は、メディアも学者先生もシェアハウスをもてはやした。記者はよく知らないので冷ややかな目で見ていた。この日、山中氏は独演会のように問題を指摘した。まさに玉石混交の世界だと改めて思った。
リビング(木工作品がセットされていた)
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この日見学したシェアハウスの至るところに数十点にも上る絵画などが飾られていた。入居者が制作したものもあったようだ。値段もついていた。中にはオークションにかければ10万円くらいの値が付きそうな作品もあった。
そのアーティストの一人「ギャラリー&サウンドバル ゲルニカ」の鈴木健司氏が製作した作品も見せていただいた。
ピカソの「ゲルニカ」にヒントを得た作品も描かれたと聞いた。そのほか、マティスやムンクを彷彿とさせる絵画が掛かっていた。
そういえば、ピカソは「剽窃の画家」と呼ばれた。「模写」でも「模倣」でもなく、名画をヒントに独自の世界観・魂をキャンパスに込めたから感動を呼んだ。
「ザ・パークハウス レックス 永福町」の入居経験者のなかから著名な画家が誕生するかもしれないと思っただけでまた楽しくなった。
鈴木氏とその作品
記者一押しの作品(確か8万円の値が付いていた。バックにマティスが描いた女性とよく似た姿が描かれている。後から張り付けたという赤い部分がよくわからないが)
組子、稲架のデザイン最高 ピーマン絶品 野村不「GEMS神宮前」27日開業
「GEMS(ジェムズ)神宮前」
野村不動産は4月27日(金)、都市型商業施設「GEMS(ジェムズ)」シリーズ7棟目となる「GEMS(ジェムズ)神宮前」を開業する。
JR・東京メトロ・東急線渋谷駅から徒歩3分、東京メトロ千代田線明治神宮前駅から徒歩7分、渋谷と原宿の間に位置する地下1階地上10階建て。地下1階から2階にはスポーツアパレルブランド「チャンピオン」のアジア最大のブランドハウスが入居。3階から10階には1フロア1店舗という構成。気軽で、美味しく、リーズナブルに、カッコよく、フード&ファッションを体験できる「GOODY CULTURE FOOD&FASHION」がコンセプト。店舗デザインは全体として温かみのある無垢材が多用されているのが特徴。
オープン当日から5月11日(金)までの期間限定先着制で、ランチタイムに2名以上利用すると1名分が無料となるキャンペーンを行なうほか、ディナータイムには「GEMSで乾杯!ビール一杯10円クーポンチケット」を配布する。
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開業に先立つ26日、メディア向け内覧会が行なわれ、3階から10階までの全店舗を対象にそれぞれ試食会が行なわれた。
和食が好きな記者のお薦めベスト3は3階「鮨処 虎秀」、8階「おばんざい 鉢屋」、9階「饂飩ト酒 丸ジン」だ。
「鮨処 虎秀」はカウンターとテーブル席で、築地中卸水音水産の仕入れスタッフが食材を仕入れる。驚くほどリーズナブルな値段もさることながら、カウンターに約150万円、組子デザインの壁に約100万円をかけた内装がいい。獺祭(磨き三割九分)はクラスで990円。
「おばんざい 鉢屋」は、稲架(ハサ)をイメージした白木が天井から吊り下げられており、隈研吾氏がみたら驚くはずの秀作。トマトのおでんが食べたかったが、この日は提供されなかった。
「饂飩ト酒 丸ジン」は、3日間氷水につけた塩味だけのピーマンが最高に美味しい。一切れ450円だが、その価値は十分ある。大カウンターの客席と厨房の位置が近く、とても雰囲気がいい。
「鮨処 虎秀」の組子デザイン
稲架(ハサ)をイメージした「おばんざい 鉢屋」の天井
「饂飩ト酒 丸ジン」
10階の「BUTCHER'S CAMP YAKINIKU ZENIBA」のスタッフ
男性の意図的な女性専用車両への乗り込みやめて 東京メトロに市民団体が申し入れ
梁氏(左)と太田氏(東京メトロ玄関前で)
わが国のレイシズム(人種・民族差別)をなくすために活動を行っている若手研究者・NGO活動家・学生を主体とする反レイシズム情報センター(ARIC)は4月24日、その活動を支援する弁護士の太田啓子氏とともに、東京地下鉄(東京メトロ)に女性専用車両に男性が意図的に乗り込む行為を禁止し、強制力を持つ対応をするよう要望書を手渡した。東京メトロは即答は避けたが何らかの回答をする模様だ。
要望書では、「女性専用車両に反対する一部団体が朝の通勤ラッシュ時に、女性専用車両内にわざと男性が乗り込む行為を繰り返すことが大きな問題となっています」「女性専用車両は痴漢はじめ性差別・性暴力から女性を守るために導入されたものであり、積極的な差別是正策として当然正当で必要なものです。そして女性乗客に不安・恐怖を与えることを十分に知りながらも意図的に男性が女性専用車両に乗り込む行為は、明らかに女性差別であり、性暴力の助長・煽動にもあたる非常に危険な行為です」「しかし残念ながら東京メトロ(東京地下鉄株式会社)は、女性専用車両について男性乗車をルールによって禁止しておらず、駅員が女性専用車両にわざと乗り込んだ男性加害者を降車させることができていません」とし、「女性専用車両への男性(介助者など特別な場合を除く)の乗り込みを禁止し、明文化したルールとして定め啓発に勤めること」「違反した者に対しては、駅員や乗務員が降車を求めるよう定めること。また、加害者が降車措置に従わない場合、各地警察機関と連携し、強制力を持った対応を行うこと」「人種、民族、性などあらゆる差別を禁止し、明文化したルールとして定め、その撲滅を社会的に宣言すること」などを求めた。
東京メトロに要望書を提出した同センター代表梁英聖氏や太田氏は、「真剣に話を聞いていただいた。何らかの回答を頂けるということだった。このような要望活動はJRや他の民間鉄道会社にも行っていく」と話した。
東京メトロ本社
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この問題は、われわれ業界のすべての男性も女性も考えるべきであり、あらゆる差別をこの世の中からなくすためにもと考え、取材に出かけた。
記者もかつて、電車のドアが締めかけているのに飛び乗って、その車両が女性専用車両であることを知り、恥ずかしい思いをしたことがある。
このようなケースはともかく、〝悪意〟で女性専用車両に乗り込むことなどあってはならない。トラブルに発展すればともかく、法的な措置を取るのは難しいかもしれないが、このような行為を許さない社会規範を確立しないといけない。
今年社会人になった女性(22)は、「わたしは中央線を利用しており、痴漢が怖いというより空いているのでいつも女性専用車両に乗る。男性専用車両を設ければいいのではないか」と話している(混むか空くか、実験してみる価値はありそう)。
東京メトロの車両