ポラス 南柏の木造在来2階建て認定こども園 構造見学会
2階の屋根の部分
ポラスグループのポラテックは11月22日、同社が施工している千葉県柏市の木造在来工法2階建て認定こども園の構造見学会を行った。
12社による指名競争入札で同社が入札した案件で、建物は、学校法人岩崎学園くりの木幼稚園の敷地内の法22条に位置する敷地面積約4,972㎡、保育園機能を備えた認定こども園。構造・規模は木造在来2階建て延べ床面積約1,440㎡(435.60坪)。設計は時設計。引き渡し予定は平成31年3月。
構造材は、同社のプレカット工場で製造可能な住宅などにも利用されているアカマツの集成材を極力採用することでコストを下げ、約10mスパンの空間を確保するため2本1組の120×390トラスや2階の床を吊るすM20のボルトを採用しているのが特徴。
同社は、わが国最大の木造プレカット工場を擁し、年間約3,000戸の住宅を施工・販売しており、非住宅の受注にも力を入れている。2017年度の受注実績は12棟、12.5億円。2018年度は16棟、21.5億円の受注めどが立っているという。
M20のボルト
完成予想図
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トラスの接合についてだったか、工事関係者が「通常の5倍くらい難しかった」と話した。しかし、ゾウの大きさを知らないカエルのお母さんと一緒の記者は、通常の工事の難易度がさっぱり分からない。〝浦和レッズに勝つほどではなく、西武打線を抑えるくらい難しい〟とでも言ってくれれば多少は理解できただろうに。この点については、解説のしようがない。
もっとも興味があるのは〝現わしの見える化〟だ。この2点について質問したら、期待通りの答えが返ってきた。
設計を担当している時設計建築設計部建築設計課課長・吉野達也氏は、「森の中の木造園舎を目指しており、腰壁、柱などに木を貼って、自然なもの、木に囲まれている環境にする」と話した。
ポラテック木造推進課課長・篠田和弘氏は、「建基法の改正により、現わしが可能になった部分も多い。今後も木造の構造美を大切にしたい」と語った。
ポラス所有 越谷市の旧大野家住宅が登録有形文化財に
旧大野家住宅 (はかり屋)
ポラスグループは11月19日、同社が所有する越谷市の旧大野家住宅 (はかり屋)の主屋と蔵が登録有形文化財(建造物)へ登録される見込みと発表した。越谷市の建造物としては2件目の登録となる。
旧大野家住宅主屋は、明治38年に建築されたと推定されている切妻屋根の木造2 階建て。奥に向かって平屋の寄棟屋根がつながっている。越谷宿の風情を色濃く残していることや銘木が随所に使用されていることなどが特徴。住宅蔵は土蔵造2階建て。総檜造りといわれている。
同社は、この古民家を再生し、「はかり屋」として食からインテリア・癒しやクリエイティブスペースまで6軒のテナントからなる「古民家複合施設」としてとして2018 年4月にオープンした。
登録有形文化財(建造物)に登録されると、保存・活用のために必要な修理の設計監理費の2分の1が国の補助を受けられ、家屋の固定資産税が2分の1に減免されるなどの優遇措置がある。
ポラス 越谷市の中心市街地活性化に一役 築120年の古民家でイベント(2017/2/26)
長谷工グループ CSRの一環「東京グリーンシップ・アクション」に54名参加
長谷工グループ11月17日(土)、東京都環境局主催の「東京グリーンシップ・アクション」清瀬松山緑地保全活動に参加。グループ社員とその家族54名は、東京都環境局とNPO法人環境学習研究会、清瀬の自然を守る会の協力のもと、清瀬松山緑地保全地域で草刈り、除伐、落枝整理や木柵交換、自然工作を行った。
参加者からは「自然に親しみながら、保全することの意義を学べた。企業活動において大切な取り組みだと思う」「緑地の保全に様々な方が関わっていることを知った」「親子で参加でき、自然と触れ合える良い経験になった」などの声が寄せられた。
「東京グリーンシップ・アクション」は、東京都に残された山地の森林や丘陵部の里山、市街地近郊の雑木林など、貴重な自然環境の保全を目的として2003年にスタート。長谷工グループは社会貢献活動の一環として2012年から参加している。
住宅立地に特化 コスモスイニシア レンタルオフィス第一弾「目黒不動前」オープン
「MID POINT(ミッド ポイント)目黒不動前」外観
コスモスイニシアは11月15日、住宅立地に特化したレンタルオフィスブランド「MID POINT」の第1弾「MID POINT(ミッド ポイント)目黒不動前」を2018年11月20日(火)にオープンすると発表した。
現在供給されているシェアオフィス、コワーキングスペース、レンタルオフィスなどは都心部が中心で、1名から入居可能な施設は少ないことに着目、「住居と職場の中間点」立地で付加価値の高いサービスを提供する。
第一弾は、築22年・8階建てのオフィスビルを同社が購入し、エントランス・専有部・共用部をフルリノベーションした「リードシー目黒不動前ビル」の5~8階部分をレンタルオフィスとして改装したもの。
記者発表会・内覧会で同社執行役員・藤岡英樹氏は、「2016年に公表した中期経営計画2018は目標通り進捗しているが、売り上げ増のエンジンになっているのはソリューション事業。アパートメントホテルもそうだが、今回のレンタルオフィスも他社との差別化が図れており、付加価値の高いサービスが提供できる」と話した。
物件は、東急目黒線不動前駅から徒歩5分、品川区西五反田3丁目に位置するリードシー目黒不動前ビル5階~8階。延べ床面積は約150坪。区画数は1~3人用まで67区画。一人用ブースの広さは1.5×1.5㎡が中心。月額賃料は1人用が29,000円~/共益費15,000~。共同企画として乃村工藝社がデザイン監修を、非営利型株式会社Polaris(ポラリス)がラウンジ運営をそれぞれ担当する。
特徴は、①1名から入居できるほか、リラックス空間、コミュニティ空間として利用できる共用ラウンジおよびテラスを設置②コミュニティ形成を支援するコミュニティマネージャーが常駐③キッチン&バーカウンター、食器および調理器具を常備④ミーティングスペース、TELブース、PHOTOブースなどの共用スペース⑤専用駐輪場、シェアサイクルサービス、宅配ボックス設置――など。
入居予定者からは、「ラウンジが利用できてこの利用料は割安」(30代男性/経営コンサル)「自宅からも近く、コワーキングではなく、固定席で利用できるところがよい」(30代男性/スタートアップ企業)「他の物件と比較して個室が広く、デザインもよい。仕事をするイメージが沸いた」(20代女性/フリーランス)などの声が寄せられている。
共用ラウンジ
テラス(喫煙コーナーあり)
Before Afterではありません 事業に応じて神出鬼没の藤岡氏(左は「MIMARU京都 堀川六角」で、右はこの日の会見。法被姿のほうが似合いそう)
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国が推し進める働き方改革を受け、テレワークを後押しするサテライトオフィス、コワーキングスペースなどの施設が加速度的に増えそうなことは容易に想像できる。記者もこれまで数回、同じような施設を取材して、賃料の高さやその至れり尽くせりの豪華ぶりに〝生産性向上が前提ではないのか〟〝却って労働強化にならないか〟などと考え込んだこともある。
今回の施設は確かに個室ブースが広く、ラウンジでは酒も飲め、タバコも吸えるスペースが確保されているのがいい。
賃料は正直よく分からないが、同社が想定している稼働率90%などから計算したら坪あたり月額賃料は2万円くらいになった。賃貸マンションよりははるかに高く、かなり高い利回りが期待できる。賃料も高く競争も激しい都心部のレンタルオフィスとの差別化も図れていると思った。
デザイン監修を担当する乃村工藝社の作品は、東京建物「Brillia一番町」のモデルルームで見た。最高に素晴らしかった。同社は新しい事業に力を入れているようだ。
ラウンジを運営するPolarisは、2010年12月の内閣府による地域社会雇用創造事業ビジネスコンペに採択され、2012年2月に設立。
当日配布された資料には「子どもが生まれ、成長し、女性としてはもちろん、母として、これからの社会、特に愛着のある地元の地域社会のことを考え、自分たちは何ができるだろうかと、創業者である市川望美さんはコンペにチャレンジした。2011年8月、…京王線仙川駅から徒歩3分、商店街の中にある店舗の上の3階の古い住居を改装してコワーキングスペース「cococi」(ココチ)を地域社会で知り合った仲間たちと3人で立ち上げた」「設立以来6年で約500人の女性の多様な仕事、社会との接点を作りだす企業になった」とある。
一人用ブース
コミュニティマネージャーのユニフォーム(これは夏用か。会場にはユニクロ製のカシミヤのセーターが置かれていた)
三菱地所「泉パークタウン」 最終章721区画のスマートタウンに着手
地鎮祭(左から大成建設・村田誉之社長、松下氏、パナソニック・井戸正弘執行役員、西田氏、仙台市・藤本章副市長、勝田氏、三菱地所設計・林総一郎社長
左から西田氏、松下氏、勝田氏
三菱地所は11月12日、仙台市泉区の大規模複合タウン「泉パークタウン」(開発面積約1,070ha)の最終章となる「(仮称)泉パークタウン第6住区東工区開発計画」の地鎮祭を行い、パナソニック、パナソニックホームズ、関電不動産開発とともに先進の技術やサービスを駆使して低炭素社会・循環型社会の形成に寄与する社会課題解決型の街づくりを進めると発表した。
地鎮祭に臨んだ同社・吉田淳一社長は「泉パークタウンは来年で45周年を迎える。最終開発のこの第6住区では、パナソニックさん、パナソニックホームズさん、関電不動産開発さんをパートナーに、SDGsの11番目に示されている『住み続けられる街づくり』の実現に向けオールジャパンの社会課題解決型の開発を行う」と挨拶。
また、パナソニックホームズ・松下龍二社長は「品格のある街づくりに参加できることを誇りに思う。今年4月に社名を変更した当社が目指しているのは『強さ』と『暮らしやすさ』のNo.1。総力をあげて価値の高いスマートな街づくりに貢献する」と話し、関電不動産開発・勝田達規社長は「仙台では松下興産時代から不動産開発を行ってきた。泉パークタウンは目標となる開発だった。今回、パートナーに選ばれて光栄」と語った。
三菱地所の当地での40年を超える街づくりのノウハウに加え、パナソニックグループのエネルギー・セキュリティ・モビリティの先進技術と住まいづくり、関電不動産開発が仙台圏で行ってきた街づくりの経験を融合させ、エネルギー、交通・物流、健康、安心・安全などの課題に挑戦する。
開発計画は、開発面積約481,194㎡、計画戸数721区画。設計監理は三菱地所設計。施工は大成建設。販売開始は2022年春。このほか未着工の「中央西」地区も合わせると計画区画は1,965区画。
一区画は平均70坪くらいになる模様だ。同社関係者は「年間100区画は販売したい」と話した。
地鎮祭 鍬入れ
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同社は地鎮祭後、泉パークタウンの主要ポイント17カ所をバスで巡るメディアツアーを実施した。
記者は過去2度、さらっとだが見学したことがある。1区画200坪はありそうな「桂ガーデンコート」に圧倒され、街路樹など街並みの美しいのと、立派なホテルがあることは確認しているが、1974年の街びらきから現在まで、全1,070haのうち86%・926haが造成済みで、10,156世帯・25,835人が居住し、アウトレットモール、ゴルフ場にテニスクラブ、乗馬クラブ、宮城大学、図書館、物流施設などが整備されているのに驚いた。
取材中ずっとこれほどの規模の複合タウン開発は首都圏でどれほどあるか考えた。国家的プロジェクトである「多摩ニュータウン」(施行面積2,884ha)「千葉ニュータウン」(同1,930ha)「港北ニュータウン」(同1,317ha)などには及ばないが、わが国最大級の千葉県の組合施行による土地区画整理事業「国分寺台」(同380ha)の約2.8倍だ。
ランドスケープデザインなどの美しさについても考えた。これは、歩車完全分離を実現した多摩ニュータウンなどのほうが勝るのではないかと思ったが、街路樹の景観は五分五分か。多摩ニュータウンは落葉樹もあるが、常緑樹のクスノキ、シラカシなとも多い。一方の泉パークタウンはメタセコイア、ユリノキ、カツラ、イチョウ、ケヤキ、プラタナス、カエデ、トチノキなどの落葉樹が中心だ。冬場の日照を確保するためか。
生活利便施設、文化施設の集積でも、首都圏の大規模開発に負けない。国際会議が開け、サッカーワールドカップでイタリアチームが借り切ったロイヤルパークホテルのような立派なホテルは多摩ニュータウンにもない。それどころか、埼玉県や千葉県には国際級のホテルは一つもない。ゴルフ場があるのは、多摩ニュータウン(開発区域外だが隣接)や「季美の森」くらいではないか。
そんなこんなを考えると、規模はともかく、もっとも似ているのは新百合ヶ丘の街か、記者が〝奇跡の街〟と呼ぶ山万の「ユーカリが丘」(245ha、計画戸数約8.400戸、計画人口約3万人)か。タウンマネジメント手法を導入しているのも「ユーカリが丘」によく似ている。
なぜ、そんな途方もない開発ができたのか。配布された資料には1970年当時の中田乙一社長の年頭所感が紹介されている。「買った土地を造成し、一割か二割の儲けをみて売るといったことは、当社のやる仕事ではない。我々はよそがやらないこと、我々の資力、経験、智能をフルに活用できる分野に取り組んでいく」と。
吉田社長が同社に入社したのは1984年だ。中田社長の年頭所感など知る由もないはずだが、その思想は生きていたのか。今どき48ha、721区画もある開発に乗り出すデベロッパーなど皆無だ。土地代はただ同然かもしれないが、造成に3年かかる。いったいどのような街を創るのか、楽しみだ。
メタセコイアの街路樹が美しい柴山公園付近のメインストリート
手前が柴山公園
タウンマネジメントも行うパークタウンサービス
記者発表会を取り仕切った三菱地所東北支店主事・宮﨑眞一氏(同社野球部黄金時代の主力の一人)
わが国初CLT床材を利用した高層建築物 三菱地所 仙台「高森2丁目」現場見学会(2018/9/15)
売れ行き順調ほぼ1年間で134区画契約積水ハウス「スマートコモンシティ明石台」(2013/3/29)﨑
坪3.5万円!億ション以上 現地見ずに家賃判断 審査は適正か セーフティネット住宅
賑やかに人が行き交う表通りから一歩入ったT字型道路の奥に件の建物はあった。道路幅は4mギリギリか。周囲は戸建てあり、モルタル造りの店舗併用住宅あり、マンションあり…典型的な下町の街並みだ。用途地域は〝何でもあり〟の準工か、コンクリで覆えば敷地一杯に建てられる商業地域か、その両方か。
建物は木造モルタル2階建て。敷地は20坪あるかどうか。南向きだが、南側には空き家の戸建てを挟んで高い建物が建っており、日照は確保できそうもない。西側道路に背を向けた外壁はグレー。外壁と対照的な南側の入り口にある赤の玄関扉には人の出入りを拒絶する頑丈なチェーンが掛かっており、小さな全ての窓は閉まっている。人の気配は全くない。
敷地の南側には猫の額ほどの自転車置き場がある。値段は高くはなさそうな錆も出ている一部は倒れたままの自転車数台が隣家との境界線に並行ではなく斜めに置かれていた。斜めなのは出入りスペースを確保するたか。
隣家との境の砂利敷きの部分には、日陰に棲む花も咲かない隠花植物か、それとも劣悪環境をもろともせず悪の大輪を咲かせる顕花植物か、名も知らない雑草が車輪の隙間から勢いよく伸びていた。
しばらく様子をうかがったが、野良猫にでも誰何されるのも怖く立ち去った。
空振りは十分予想していた。しかし、ただでは起きないのが記者だ。駅から目的地までの数分の距離に、全国区の誰もが知っている店を含め4軒の賃貸物件を主に扱う不動産会社があることを確認していた。街からどんどん本屋、電気屋、八百屋などが消えていくのにわが不動産業界は元気だ。片っ端から聞くことを決めた。
1軒目。店舗内には若い女性が一人、指にはアート。客はいない。「すいません、そこに建っているセーフティネット住宅を見に来たのですが、話を伺える方はいらっしゃいませんか」
-アプローチがまずかった。女性のプライドを著しく傷つけたようだ。「わたしは受付もしますが、営業もします。セーフティネットは存じ上げておりません」言葉は慇懃だが、顔はすぐ立ち去れと語っていた。
2軒目はRBA野球大会にも参戦しているメジャー。同じように質問したが、「セーフティネット住宅? 分かりません」2球目も空振り。
そこで反省。三球三振は避けたい。記者は投手であり打者だ。投手としては単刀直入に聞きすぎた。ここは搦め手から攻めるべき。第一、アポもなしに、白髪交じりの老人斑とも死斑とも区別がつかないシミを顔中に浮かばせ、くたびれたスーツを着ている記者に関りを持とうとしないのは当然だ。
3軒目は、下手に徹した。打ちやすい球をなげた。「わたしのような高齢者とか貧乏人とか、肌の色が違う人の入居を拒否しないようにと国が定めたセーフティネット制度があります。まあ、居室内にトイレも浴室も炊事場がないシェアハウスと似たり寄ったりのものですが…」と切り出した。
店の青年はお客と勘違いしたのか、「シェアハウス? うちも取り扱っています」とファイルを見せてくれた。すぐメモした。「3.9万円、10㎡」「4万円、12㎡」。ともに電気、ガス、水道料金含む。
そして聞いた。「これって坪にするといくらですかね」と。「坪? 坪じゃわかんない。㎡か畳数じゃないと」「えっ、お宅はいくつ? わたしは69。坪に換算しないと不動産や住宅の価格を計れないもんですから」「26歳ですが、…えっと坪1万くらいですよ」「では、わたしがいま見てきた物件を検索してみてください。ホームページですぐ分かりますから」
営業マンは物件のホームページに掲載されている物件の写真などをチェックした。記者は一転、ここぞとばかり畳み込んだ。「ほら、坪3.5万円ですよね。これって、とんでもない価格じゃありませんか」「…でも、洗濯機などみんな新しいし…高すぎるとは言い切れない。値段を決めるのは大家さんですからね」
ダメだ。お礼を言って飛び出した。坪1万円と3.5万円の比較もできないのかと。腹が立った。
4軒目は、いかにも歴史を感じさせる一間もない間口の小さな店だった。机は1つ。記者よりは若いが高齢者の仲間入りをしていそうな男性が暇を持て余しているのか新聞を読んでいた。
「何? 入居拒否。セーフティネットなんか知らないよ。誰を断ろうとそれは大家が決めること。われわれ仲介の仕事は大家のために働くこと。35年間やっているんだから。仕事は信用だ。えっ、坪3.5万円のシェアハウス? そりゃべらぼうだ。かぼちゃ(へちまではなかった)と一緒だよ」
収穫十分。シェアハウスは立派な事業として浸透しており、セーフティネット住宅はまったく認知されていないことが分かった。記者はカボチャをよく食べる。
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冒頭の表は、東京都のセーフティネット住宅の全268戸の登録住戸のうち主なものを抽出したものだ。バスもトイレもないわずか7㎡(2.1坪、4.2畳)の部屋を1戸とみなすことの是非はともかく、268戸を棟に置き換えると二十数棟にとどまる。20例を示した表は都のセーフティネット住宅をほとんど網羅しているはずだ。
表から分かることは、居室内にトイレ、洗面、浴室、台所、洗濯室などがないものの家賃はおおむね4~6万円、居室面積は7~12㎡、坪(3.3㎡)単価は2~3万円だ。
居室面積が7㎡しかないものがどうして多いか。少し説明しよう。
省令では、登録住宅の要件を定めており、必須要件の耐震性のほか、面積については25㎡(共用部分に水回り設備を備えているものは18㎡)以上としている。これとは別に、共同居住型住宅(シェアハウス)では、①住宅全体では40㎡以上②居室面積は9㎡以上③共用部分に居間、食堂、台所、便所、洗面、浴室またはシャワー室などを設け、便所、洗面、浴室は居住人数概ね5人に1カ所以上を基準としている。
ただし、地方公共団体が供給促進計画を定めれば、耐震性の要件を除き緩和することができることになっており、都は今年3月、「多様なニーズを満たす」という理由から面積を省令の9㎡から7㎡に引き下げた。だから7㎡が多い。
ここで指摘したいのは、水回り設備が整っている住宅は相場並みの価格だが、シェアハウス型は全て賃貸住宅の相場を大きく上回り、中には〝法外〟な家賃もあるのではないかということだ。
具体的に事例を見てみよう。日暮里駅から徒歩5分で、家賃が7.5万円、面積は7㎡だから、坪単価は3.5万円。居室内に水回りがないから明らかにシェアハウス型だ。記者は法外な値段だと思う。あり得ない。全ての設備が整っている〝億ション〟の代名詞「広尾ガーデンヒルズ」だって坪単価は2万円くらいではないか。坪3.5万円は都心の一等地のビルの賃料単価だ。
登録住宅の規則には、「家賃が近傍同種の住宅の均衡を失しないこと」と定められている。住宅と呼べない(と記者は思う)シェアハウスを賃貸住宅と同等に扱い、その基準で家賃が適正かどうかを測るモノサシが果たして適当か。
そこで、家賃が適正かどうかを判断する東京都民間住宅課に問い合わせた。担当者は「当該物件の現地調査は行っていないが、ネットで検索した近傍同種の住宅(シェアハウス)と比較して適正と判断した。審査は国交省の基準に沿って適正に行っている」と語った。こうも付け加えた。「問題があるなら指摘してほしい」と。現場を見ないで審査するのは問題ではないのか。
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読者の皆さん、品が悪い記者を許していただきたい。〝味噌くそ一緒〟とはこのことを言うのではないか。現場を見ないで、ネットで検索して出てきた物件の質を調べるのでもなく、家賃の額だけで判断して「適正」とする横着が役所では通用する-これは許せない。
生活困窮者や高齢者、子育て世帯などの入居を拒まず、居住安定を図るセーフティネット住宅制度は、このままでは目的とは真逆の最低の居住水準を固定化、下支えすることになるような気がしてならない。さらに言えば、セーフティネット住宅は改修費補助、家賃補助の対象となるだけに、シェアハウスがそのモデルとして定着すれば、もっとも救われるべき住宅確保要配慮者の賃貸住宅の質の向上が後回しになる危険性をはらんでいると思う。
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記者はシェアハウスそのものを否定するわけではない。一定のニーズは確かにあるはずだ。以下に示した事例のように〝単価では計れない〟価値がある物件も少なくないのだろう。
しかし、シェアハウスなる言葉がなかった20年前以上昔に見た走りともいえるそれは〝たこ部屋〟だと思った。
国交省も都の職員も、そしてシェアハウスをもてはやした学者先生方にもぜひ市場に流通しているシェアハウスを見学していただきたい。手放しでほめちぎっていいのか。
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住宅セーフティネット法の改正法が昨年10月25日に施行され、高齢者、低額所得者、子育て世帯などの住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録情報を公開する「セーフティネット住宅情報提供システム」の運用が始まってから1年以上経過する。
同システムのホームページによると、現段階で総登録件数は302件、総登録戸数は 4,448戸。政府は2020年度末までに全国で17万5,000戸にする目標を掲げている。達成率は現段階で約2.5%だ。
浸透度がいま一つと判断したのか、国土交通省と厚生労働省は今年10月から全国10都市で説明会を開催中だ。国交省は登録申請書類や審査の簡素化、面積要件の緩和などをアピールし、厚労省は住宅と福祉の連携を強化するなど普及促進に乗り出している。
〝駒込駅圏ナンバーワン〟 三菱地所レジ 第2号シェアハウス「駒込」完成(2018/6/21)
壁面にアートがいっぱい 三菱地所レジ 初のシェアハウス「永福町」完成(2018/4/27)
ブルースタジオ 築85年のシェアハウス 国交省「寄宿舎」に該当せず(2014/5/23)
音楽好きにはたまらない 日土地がシェアハウス「シェアリーフ西船橋グレイスノート」公開(2014/2/19)
イヌイ倉庫 「企業寮をシェアする」新発想の「月島荘」が竣工(2013/9/29)
〝住まい〟切り口 スタートアップ育成プログラム組成・始動 デジタルガレージ
登壇者
デジタルガレージ(DG)は11月8日、不動産関連スタートアップを対象としたグローバルな育成プログラム「Open Network Lab Resi-Tech(https://resitech.onlab.jp/)」を始動し、同日からプログラムに参加するチームの募集を開始すると発表した。プログラムにはパートナーとしてコスモスイニシア、竹中工務店、東急グループ、東京建物、野村不動産ホールディングス、阪急阪神不動産、三井不動産が、協力パートナーとしてカカクコム、KDDIがそれぞれ参画するほか、DGのグローバルネットワークも活用する。
「Resi-Tech」が支援するのは、プログラム中の活動資金の提供、メンタリング・レクチャー、オフィススペースの提供、 国内外のネットワークの提供など。
今回募集するのは、住宅・暮らしや街とITが交差する領域での技術またはビジネスプランを持つ人が対象で、応募は2018年11月8日(木)〜2019年1月末。採択チーム決定は2019年3月中旬。
記者発表会に臨んだDG代表取締役兼社長執行役員グループCEO・カカクコム取締役会長 林郁氏は、「5G(第5世代移動通信)時代を迎えた中で課題も見えてきた。従来のスコープを通じてスタートアップを支援すると、見えないものを排除するというねじれ、矛盾が生じかねない。そのような縦と横の制約を取り除き、ユーザー目線から広義のレジデンシャルを切り口にスコープに入れ込んで、オールジャパンで世界に打って出る」と、プログラムを立ち上げた背景・狙いについて話した。
パートナーとして登壇した各氏のコメントは次の通り。
コスモスイニシア執行役員R&D本部副部長・藤岡英樹氏 当社はアパートメントホテル事業をスタートさせたが、今後も新規事業を拡大していく。スタートアップとユーザーニーズを掛け合わせれば何ができるか、面白い展開ができるのではないか
竹中工務店執行役員技術本部長・村上陸太氏 当社は歴史のある会社だが、だからこそ新しいことに二の足を踏みがちだ。今回の新しいことに挑戦し、社内にも新しい風を吹き込みたい
東急グループ 東京急行電鉄取締役常務執行役員事業開発室長・市来利之氏 ワクワクしている。ここにいられるだけで幸せ。当社も独自のアクセラレータープログラムがあり、双方の協調が期待できる
東京建物代表取締役専務執行役員住宅事業本部長・柴山久雄氏 ネット情報などはわれわれよりエンドユーザーのほうがはるかに進んでいる。新たなサービスを発見することにチャレンジしたい
野村不動産ホールディングス経営企画部長・田辺邦彦氏 当社もCVCの取り組みを行っているが、DGさんの先駆者としての知見、認識を吸収し、また協力したい
阪急阪神不動産常務執行役員・松田富行氏 プログラムは当社の新しい事業創出とシナジー効果が期待でき、当社のスタートアップ支援オフィス「GVH#5」と協働することでネットワークの拡大につながる
三井不動産ベンチャー共創事業部統括・光村圭一郎氏 当社は街づくりを中心に事業展開しているが、本質はビルでもマンションでもない人ではないかと。リソースにつなげ、デザインしたい
カカクコム代表取締役社長・畑彰之介氏 衣食住の中で、人の暮らしを豊かにする住まいはとても重要。参加できてとても嬉しい。コンテクストをつくっていくいいスタートになる
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この日集まった記者の数は約50名、関係者と合わせ約100名とか。記者の数は先の「HARUMI FLAG」の半分で、記念写真登壇者でも「晴海」より一人少ない10人だったが、市来氏が「嬉しい」「ワクワク」「楽しみ」を連発したのと同様、ワクワクして聞いていた。
もちろん、スマホすら満足に扱えない記者は「5Gの時代」などと言われてもちんぷんかんぷん。しかし、この前の三井不動産&プロロジスの物流竣工の記事でも書いたように「物流を制する者が市場を制する」と思うし、信じられないようなスピードでIoT、AIが世の中を席巻するであろうことは容易に想像できる。記者発表会で協力パートナーKDDIライフデザイン事業本部ビジネスインキュベーション推進部部長・中馬和彦氏が「これまで通信はあらゆる分野に溶け込んできたが、5Gの時代では逆にIoT、AIが人間に対抗してチャレンジしてくる」と話したのも理解できる。AIが勝つか人間が勝つか、生きている間に決着を見たいものだ。そのいみで「ワクワク」と書いた。
そして、何よりうれしかったのは登壇者全員が1分間だったがコメントを寄せたことだった。
だが、しかし、〝オールジャパンで世界に打って出る〟というのはやや言い過ぎではないか。パートナーは面白い組み合わせだとは思うが、全てではない。入っていない企業が対抗するために同じようなプログラムを立ち上げるような気がしてならない。共食い・共倒れだけは避けてほしい。
さらに言えば、いま世界を支配しているAGFA(Apple、Google、Facebook、Amazon)とMicrosoftを加えた5強の一つくらいと提携してほしかった。そんなことしたら全部乗っ取られるか。
スタートアップには、パートナーを蹴散らし、5強を震撼させるような技術・ビジネスプランを提示してほしい。「Soy sauce」のような日本発の横文字も編み出していただきたい。
防火サッシが炎上!? 火元は防火サッシ?「R.E.port」が報道
ギャハハハハハ…この前褒めたばっかりの不動産流通研究所「R.E.port」が本日(11月7日)、やってくれました。「国土交通省は7日、(株)エクセルシャノンから、同社が戸建住宅等に出火した防火サッシが国土交通大臣認定に適合しない仕様となっているとの報告を受けた、と公表」と記事にした。
読者の皆さんはお分かりか。記者は、自分の記事はろくに校閲もせずにとにかく他社より早く書くことをモットーにしているので、誤字脱字のオンパレード、目を覆いたくなるほどのひどさだが、他人の書いた記事の誤字はすぐ見つけることができる。誤字が〝わたしを見つけて〟と呼び掛けてくる-そうした感覚だ。この日の「R.E.port」も瞬時にその文字が読むより先にうろんな目に飛び込んできた。
わたしではない、パソコンを覚えたての記者が新社長就任の記事で「社長? 〇〇氏」と書いて(キーボード一番下の右から2番目は「? ・ / め」が同じボードにあるためのミス。当然「社長・〇〇氏」)、広告がストップしたことがあるが、今回は大した影響も与えず、ただ笑えるという意味では類を見ない大傑作だ。炎上ものだ。座布団3枚! ひょっとしたら書いた記者の炎上を意図した確信犯か。
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日本漢字能力検定協会は「広辞苑」に採用されている同音異義語でもっとも多いのは48個の「こうしょう」としているようだが、漢字一文字ではもっと多いのがあるように思う。調べていただきたい。たとえば「き」。この前、中国の人と話していて、日本語は語彙が少ないということで意見の一致を見た。
※記事は7日18:00に発信され、4時間後の22:00には〝鎮火〟したのか、訂正されています
画期的、大成功、渦を巻く〝三木&御酒〟雄たけび 三井不・プロロジス「川越」竣工
「MFLPプロロジスパーク川越」
三井不動産は11月6日、プロロジスと共同で開発を進めていた大型賃貸用物流施設「MFLPプロロジスパーク川越」の竣工式を行った。竣工時点で賃貸面積の約25%の入居が決まっており、来年の夏までには満床にする予定。
竣工式の前に行われた記者発表会で、三井不動産常務執行役員 ロジスティクス本部長・ 三木孝行氏は「世界最大のプロロジスさんと共同事業を行うことは、業界では画期的な出来事で、1+1は2ではなく、双方が競合するというのでもなく、相乗効果を期待できる。業界13社による協議会を立ち上げ国を動かすすごい渦を巻き起こしつつある」と話した。
プロロジス代表取締役社長・山田御酒(みき)氏は、「我々は物流のプロとしての自負はあるが、三井さんの街づくりのノウハウを生かした外構、デザインなどを学ばせてもらった」と語った。
施設は、西武新宿線南大塚駅から徒歩6分の敷地面積約60,000㎡、鉄骨造4階建て延べ床面積延床面積約130,000㎡。圏央道以南の関越自動車道沿いでは最大の物流施設。テナントはプラスロジスティクス、多摩運送、日本郵便が決まっている。
三井不動産は2012年に物流事業に参画。これまで稼働施設は19棟、今後14棟の開発・計画を進めている。プロロジスは物流不動産のリーディング・グローバル企業。世界で3,718棟、総所有・運営資産額は90,000百万ドル(約9兆9,000億円)。
三木氏(左)と山田氏
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物流施設を見学するのは2度目か。全くの素人なので見学するかどうか迷ったが、三木氏に元気をもらいたくて取材した。
「大成功」「画期的」「渦を巻いている」-三木氏の話はいつ聞いても気持ちがいい。言葉に迫力があり勢いもストレートに伝わってくる。メディアに何を話せば受けるかしっかり計算しているのだろうし、口説き上手なのは間違いない。山田社長も会食の席で飲みながら共同事業を提案したのだそうだ。
三木氏は「(プロロジスに)買収されないようにして、IoTやAIなど投資事業で手を携える機会はあるかもしれない」と、今後の展開もほのめかした。
山田氏の名前がまた「御酒(神酒と意味は同じ)」。〝三木&御酒〟。満床になったら盛大なパーティもやるのだそうだ。
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素人ではあるが、「物流を制する者が市場を制する」というのだけは分かる。これだけグローバル化が進むと、物流コストはもちろんだが、物流戦略が雌雄を決することになるのだろう。三木&御酒氏はすでに有力なアジア市場で手を組むことを考えているのではないか。わが国は圧倒的に負けているからだ。
その資料の一つを示す。国土交通省が作成した「世界の港湾取扱貨物量ランキング」がある。2001年と2016年を比較したもので、2001年のランキングはトップがロッテルダム(オランダ)で313,764千トン、以下、シンガポール313,487千トン、サウスルイジアナ(米国)252,819千トンがベスト3。ベスト10は上海(中国)、香港(同)、ヒューストン(米国)、千葉、名古屋、ウルサン(韓国)、クァンヤン(同)の順。ちなみに横浜18位、大阪26位、北九州27位、東京29位、神戸30位とベスト50にわが国の港湾は7つ入っている。
ところが、2016年になると、上海が2001年比2.9倍の647,446千トンに増やしトップに踊り出ており、3位広州、5位寧波、7位青島、8位天津、10位大連と中国勢がベスト10のうち6港湾を占めている。ロッテルダムは47.0%増の461,177千トンながら7位に後退。シンガポールは2001年比2倍近く伸ばし2位を確保している。
わが国は、18位の名古屋が最高で、2001年比26.9%増の193,257千トンながら世界には大きく水をあけられ、24位千葉、40位北九州、41位神戸、47位東京、50位大阪と大幅に順位を下げている。
このまま地盤沈下が進むのか、巻き返しがなるのか。
「カフェテリア」
内覧会で説明担当者は「カフェテリアに緑を配した」と話した。写真ではよく分からないが、本物の観葉植物ではなく、フェイクそのものだった。流行らない飲食店のトイレに置いてあるものとほとんど変わらない。
〝三木&御酒〟さん、これはない。働く人をコストとしか考えていないとわたしは受け取った。本物を置けばお金がかかると思えばなくしたほうがいいし、気持ちよく働けて、その癒し効果を考えればこれは絶対本物にすべき。わたしは、オフィスのポトスを定期的に剪定しに来る業者の方から枝葉を貰い、自宅と会社のデスクに置いている。ただ水をやるだけでどんどん増殖している。10年だって20年だって持つはずだ。
ヒートショック予備軍 最多は千葉・宮崎 最少は長野 リンナイが都道府県ランキング
リンナイが11月1日、全国47都道府県の20~60代の男女計2,350名を対象にした「入浴」に関する同社初の「全国47都道府県別徹底調査」結果を公表した。調査で分かったことは次の通り。
①ヒートショック予備軍がもっとも多い県は千葉県・宮崎県、もっとも少ないのは長野県②ヒートショックの内容・対策法を知っている人はわずか2割未満③日本人の平均入浴時間は12.6分、日本一の長風呂県は千葉県④ヒートショック危険度の高い「41°C」以上の温度で入浴している人は半数以上、日本一の熱風呂県は愛媛県⑤深夜の1人風呂がもっとも多かったのは茨城県⑥母親より父親が子どもをお風呂に入れる「パパ風呂家庭」がもっとも多いのは青森県⑦風呂の掃除を担当するのは「父(夫)」がもっとも多い県は三重県⑧浴室暖房機の設置率は関西地方が一番高い—など。
入浴科学者の東京都市大学人間科学部教授・早坂信哉氏は早坂教授は結果について、「ヒートショック危険度の高い県は意外にも暖かい と考えられる千葉県、宮崎県、沖縄県などでした。西日本でヒートショックの危険度が高いのは、暖かいからと油断をしているせいかもしれません。逆に危険度の低いのが長寿で有名な長野県、埼玉県、寒いと思われる北海道などでした。温かい地方だからと言っても冬は脱衣室の室温は下がりますので油断せず、備えをしてもらいたいものです。ヒートショックの認知度が高いにも関わらず、危険度が高い県もあり、認知と対策の実行に差があるのは意外な結果でした」とコメントしている。
ニュースリリースには早坂教授による「ヒートショック危険度チェックシート」やコメント、ヒートショックから身を守る「入浴前準備呼吸」も紹介されている。
「ヒートショック危険度チェックシート」は10項目あり、チェック数が5個以上ある人は「ヒートショック予備軍」だそうだ。シートは次の通り。
①メタボ、肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症、心臓・肺や気管が悪いなどと言われたことがある②自宅の浴室に暖房設備がない③自宅の脱衣室に暖房設備がない④一番風呂に入ることが多いほうだ⑤42度以上の熱い風呂が大好きだ⑥飲酒後に入浴することがある⑦浴槽に入る前のかけ湯をしない、または簡単にすませる⑧シャワーやかけ湯は肩や体の中心からかける⑨入浴前に水やお茶など水分をとらない⑩1人暮らしである、または家族に何も言わずにお風呂に入る
「入浴前準備呼吸」は①脱衣室で下着になる②両手をへその上に置いて、お腹を膨らませながら鼻から3秒で息を吸う③口から5秒で息を吐く。②-③を5回繰り返す。④浴室にはいって下着を脱ぐ
詳細は次の同社ホームページへ。
PDF
https://www.rinnai.co.jp/releases/2018/1101/images2/releases20181101.pdf
Web
https://www.rinnai.co.jp/releases/2018/1101/index_2.html
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興味深い結果だ。記者も予備軍は寒冷地のほうが圧倒的に多いのではと思っていたが、そうではないのが意外だった。
予備軍の割合がもっとも多いワーストワンは千葉県(宮崎県も同じ値)なのに、隣接の埼玉県はベスト2位なのはどうしてか解せないが、こんなデータが公表されたら、千葉県のポテンシャルがまた下がるのではないかと心配だ。
サイトで調べた。千葉県がランキング上位なのは、読売新聞、日経新聞の販売部数、15歳以上買い物時間、自動車盗認知件数、女性の家事労働時間、非正規労働者数など。逆に下位にあるのはホテル軒数、名勝数、睡眠時間、1世帯あたり負債額に占める住宅ローン比率(首都圏マンションの価格は一番低いのになぜか)などだ。
長野県はどうか。長野県は死亡率が低い県でソープやギャンブルがないことは記者も知っているが、相対的貧困世帯率、生活保護受給世帯数も全国トップレベルで少なく、2017年衆議院比例代表:自由民主党得票率がもっとも低く(一番高いのは安倍総理の地元山口県)、インスタントラーメン消費量、労働時間、プロ野球選手出身地、殺人事件被害者数、待機児童数、殺人事件被害者数なども少ない。
まだある。これは最近知ったのだが、長野県民のほとんどが歌えるという県歌「信濃の国」について。明治時代につくられたもので、「海こそなけれ 物さわに 万足らわぬ 事ぞなき」「山と聳えて 世に仰ぎ 川と流れて 名は尽きず」などと韻を踏んだ七五調で、気候風土が豊か、学問、武芸でも秀でた人を輩出しているという「県民意識」を高揚させる歌詞になっている。6番まである。みんなが歌えるというのが信じられない。
そこで、生まれてから離れるまで18年間、一度も聞いたことがないわが故郷三重県歌を調べてみた。1番は「明けゆく朝の陽に映(は)えて むらさき匂う吉田山 展(ひ)らける街に 野に山に みんな明るく 呼び交わす ああ三重県は 躍進の 希望にもえる ふるさとよ」だ。3番まで同じ調子だ。
伊勢出身の記者は「むらさき匂う吉田山」が理解できない。「吉田山」は聞いたことがあるような気がするが、津市の県庁が所在する高台一帯のことのようだ。しかし、このことを知っているのは地元の人だけだろう。「むらさき」はムラサキツユクサかムラサキシキブか。しかし、この花は匂わないし、におい立つような花ではない。ひょっとしたら醤油のことかもしれないが、醤油は伊勢醤油のほうが有名だ。「躍進の 希望にもえる ふるさとよ」などと言われると赤面するしかない。これはもう完全に長野県にかなわない。
参考までに。記者もチェックシートに添って数えたら6~7つあった。糖尿だし脱衣場、浴室に暖房設備はないし、風呂は嫌いだから冬以外は浴槽に入らないし、浴槽に入ると寝入ってしまい、たたき起こされることもしばしば。だいいち毎日酒を飲む。飲む前に風呂に入るのは温泉旅館くらいだ>