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「ワークスタイリング八重洲」(左)と「ワークスタイリング東京ミッドタウン」の受付

 三井不動産は4月5日、新しい働き方の実現に貢献する法人向け多拠点型シェアオフィス「ワークスタイリング」の新サービス「ワークスタイリングFLEX」を4月からグラントウキョウサウスタワー、東京ミッドタウンで展開すると発表した。

 「ワークスタイリング」は、既存の法人向け多拠点型シェアオフィスサービスを「ワークスタイリングSHARE」とし、「ワークスタイリングFLEX」は目的や人数、期間により柔軟に対応するサービス。

 「FLEX」を導入するワークスタイリング八重洲は約250席(177,800円/席・月~)、ワークスタイリング東京ミッドタウンは約480席(134,800円/席・月~)。

 2017年4月に立ち上げた10分単位で利用可能な「ワークスタイリングSHARE」は今春30拠点となる。

カテゴリ: 2018年度

 Web版で独走する不動産流通研究所「R.E.port」

 一般紙もWebとの融合・連携に躍起になっている。NYタイムズがトランプ氏批判記事を増やしたことでネット会員を激増させたと報じられているが、経営的には苦しいようだ。わが国では、成功しているのは日経新聞くらいか。

 メディアとネットの融合・連携で成功しているのは「Yahoo!ニュース」だろう。記者もパソコンを立ち上げると「Yahoo!ニュース」が表示されるよう設定している。世界のニュース・情報が瞬時に手に入れられるのだからこんな便利なものはない。日経の記事は読めないので提携していないのだろが、その他の提携企業は一般紙、地方紙、専門紙、通信社・報道機関など数百社に達するのではないか。

 わが業界紙はどうか。記者は不動産流通研究所の無料のWeb「R.E.port」を毎日閲覧している。毎日午後6時に更新され、10本以上が掲載されている。その日に発表されたニュース・リリースや、記者見学会などの模様はほとんど網羅されている。女性記者が多いのも特徴で、取材先でよく一緒になる。他紙も女性記者が増えている。結構なことだ。

 閲覧が無料なのは、親会社・アットホームの顧客サービスの一環として考えているからだろう。業界を批判するような記事は全くないのは、〝黒子〟に徹しているからだろう。

 業界の若い方にも毎日、この「R.E.port」をチェックすることを勧めたい。3年間しっかり読めば先輩・上司を上回る業界通になれるかもしれない。

 これと比べると、住宅新報も週刊住宅(いまネット記事は配信されていないが)も〝情けない〟の一言に尽きる。

 住宅新報のWebの体裁そのものはよくできていると思うが、毎日4本くらい更新される記事はいわゆるゴミ記事ばかりで全く参考にならない。日々生起する重要な出来事について少しでもいいから記事にして、有料の購読に結びつけるようにしないと〝労多くして益なし〟にしかならないのではないか。

 不動産経済研究所の「日刊不動産経済通信」は記事見出しだけは読めるが、記事は有料だ。同社は新しい事業を模索していると聞く。

いずれにしろ、「R.E.port」に他社は圧倒的な差をつけられている。「R.E.port」にないもの(解説記事など)を加えないと勝負にならない。住宅系や建設系業界紙などとの連携も考えていいのではないか。

 「RBAタイムズ」は、記者一人で取材し、原稿を書き、校閲、画像処理、配信作業を行っている。他紙との競争意識がないわけではないが、Web版の「こだわり記事」は新聞と異なり紙数の制限はないし、締め切りもない。この点では圧倒的優位に立っているし、速さでも負けない。もちろん裃袴記事を書こうなんて考えは端からない。下品な言葉が頻々と飛び出すのは記者の品性そのものだ。

 Web版は昨年3月まで日経新聞のWeb「住宅サーチ」に転載されていたので、アクセス数は他の不動産業界紙を圧倒していたはずだ。これがなくなったのは残念だが、致し方ない。

 〝記事はラブレター〟-一人でも多くの方に読んでいただければありがたい。

欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するもの 新聞記事は鮮度だ③(2018/4/4)

欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するもの ビーンボール②(2018/4/3)

欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するもの ニュースを追うな①(2018/4/2)

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左から水谷氏、佐久間氏、橋本氏(「日本橋ムロホンビル」で)

 三井不動産が「日本橋ムロホン賑わいづくりプロジェクト」を本格始動させた。4月4日、「日本橋再生計画」の4つのテーマである「産業創造」「地域共生」「界隈創生」「水都再生」のうちの一つ「界隈創生」の取り組みを紹介する記者説明会&内覧会を行った。

 同社は、「残しながら、蘇らせながら、創っていく」をテーマに「日本橋再生計画」を推進しており、2014年の「福徳神社」社殿再建を含めた「日本橋室町東地区開発計画」完了以降を再生の第2ステージと位置づけ、「産業創造」「地域共生」「界隈創生」「水都再生」をキーワードに働く、暮らす、住まう、遊ぶ、憩うなどの様々な機能を複合した街づくりを目指している。

 今回は、そのうちの一つである「界隈創生」を紹介するもので、中央通り沿道の大規模なオフィスや商業施設などが立ち並ぶ再開発エリアに隣接する「日本橋室町一丁目」「日本橋本町一丁目」エリア(ムロホンエリア)にある老舗や路地などの風情ある街並みを残しながら、個性的な店舗を誘致し、賑わいづくりと景観美化を推進するプロジェクト。

 12店舗からなる地元有志による室町一丁目・本町一丁目のまちづくり検討組織「室一本一(むろいちほんいち)にぎわいの会」(以下、会)とともに街路樹のライトアップ、オリジナル行灯の設置、屋台イベント活動などを行ってきた。活動を理解してもらう景観づくりのルールを定めたリーフレット「室一本一の願い」を作成し、エリア全域のテナ ント各店に発信していく。

 今回公開されたのは、割烹料理店「割烹 ふた麦 麦酒庵(ばくしゅあん)分店」やベンチャーキャピタルが入居する5階建ての既存建物をリノベーションしたビル、新築2階建ての和食居酒屋「室町 美はま」、新築3階建てのHARIOの3店舗。

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「割烹 ふた麦 麦酒庵(ばくしゅあん)分店」(カウンターは100万円以上のヒノキの一枚板)

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和食居酒屋「室町 美はま」(福井の地酒が美味しい)

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3階建てのHARIO(手作りコーヒーも飲める)

◇       ◆     ◇

 記者はバブル発生のころ、都心部の狂乱地価を取材している。その筋も絡んだ猛烈な地上げによって地域のコミュニティが根こそぎ破壊されるのを目の当たりにしている。

 いままた、銀座などの都心部ではホテルやマンションなどの用地争奪戦が展開されていると聞く。狭小敷地の耐震性に問題がある建物などがターゲットになっているのは容易に想像できる。日本橋も例外でないと思う。

 そこで、記者は次のような質問をした。都心部の老朽建物の集約化、高層化は避けられないだろうが、一方で地価上昇による固定資産税、地代、賃借料の上昇、後継・相続問題も絡み、活性化は容易でない、大規模ビル化と地域コミュニティの継承は共存できるのかと。

 これに対し、発表会でプロジェクト説明を行った会・本一代表の佐久間一郎氏(繁乃鮨)は、「以前、この界隈は銀行が3時に締まるとシャッター街となった。もう一度、かつての賑わいを取り戻したい。地価が上がれば税金も高くなるが、それだけ土地の価値も上昇する。三井さんと手を取り合って街の再生・活性化に取り組んでいきたい。1日滞在型の街にすることで各店の売り上げも伸びるよう望んでいる」と語った。

 同会の室一代表・水谷弘氏(利久庵)は、「わたしもバブルを見てきたが、会はその時(土地を)売らなかった会員が中心。資産性を高めながら商売を継続したい」と話した。

 また、発表会の進行役を務めた同社日本橋街づくり推進部事業グループ・橋本健氏は「大規模な店舗だけでなく、歴史あるエリアの店舗をどう守っていくのか、商いとして成り立たせることが大事だと思っている。ポテンシャルを上げ賑わいを創出し、個性ある街にしたい」と語った。

 その道のりは決して平たんではないだろうが、都心部の街の再生・活性化のモデルとなるような取り組みに期待したい。

◇       ◆     ◇

 記者説明会場になっている、ベンチャー企業などが入居する「日本橋ムロホンビル」に入ったらすぐ、同社の木下豪介氏から声を掛けられた。名刺には「日本橋街づくり推進部 事業グループ主事」とあった。

 読者の皆さんはご存じないだろうが、〝三井の木下〟と言えば、RBA野球大会で元オリックスの強打者・庄司氏(当時、ケン・コーポレーションの野手)から三振を奪った投手だ。1球ごとに〝痛たっ〟と味方も欺く戦略なのか、それとも本当に痛かったのか判然としない悲鳴を上げながら気迫の投球を披露した。忘れられない選手の一人だ。守備もうまく打力もあった(過去形なのは残念)。

 肩痛を抱えており、今度、RBA決勝戦で対決することが決まった三井不動産レジデンシャル戦では投げられないだろうし、不摂生の祟りで走攻守どれでも同窓慶大の後輩山本遊撃手に勝てないだろうが、勝敗に関係ない圧倒的優勢、あるいは劣勢の展開になれば、細井監督から温情の代打が告げられるかもしれない。何が何でも出場すべきだ。

 もちろん、日本橋の街づくりにも全力で取り組んでいただきたい。

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木下氏(かつての三井不動産のエース)

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新聞記事は鮮度だ 空気や風を伝えよ

 住宅新報も週刊住宅も1面は行政ニュースが多い。最近では宅建業法改正、空き家、民泊、所有者不明土地、安心R住宅、インスペクションなどが入れ代わり立ち代わり登場する。たまに評論家などのコメントを盛り込んでマンションやホテル、サ高住、ITなどについての総花的な縮刷版のような記事でお茶を濁す。

 これはいかがなものか。行政の動きは無視できないが、新聞記事は鮮度だ。日々生起する出来事を活写し、空気や風を伝えるのが使命だ。欺瞞と打算に満ちた羽織袴と、腹黒の魂胆が透けて見える純白のウェディングドレスの結婚式のような記事に読者は辟易しているはずだ。

 そして何より問題なのは、住宅新報も週刊住宅も週刊紙でありながら一般紙と同じブランケット版の形態を墨守し、都はるみさんの「三日遅れの便り」どころか一週間遅れの〝旧聞〟ニュースをそのまま発信し、かつまた、読者の関心が高いはずの出来事を小さく扱ったりすることだ。これが解せない。

 例えば、3月22日に行われた「東京ミッドタウン日比谷」の記者内覧会。この商業施設は多くのテレビカメラも入ったように注目を浴びたが、3月27日号の住宅新報はわずか1段見出し扱いだった。前回書いた「今宵も一献」とスペース的には同じだった。

 新聞は、見出しや写真の大きさによって社としての記事の軽重を示すから読まれる。Webと唯一といっていいくらい差別化できている優位性だ。それをかなぐり捨てて、どうでもいいような記事(失礼)と、初日の入場者が10万人を超える施設を同列に扱うのが信じられない。しかも、この記事は主語、述語、掛かり受けがよくわからない。

 同紙はまた、3月20日号で、積水ハウスの土地取引詐欺事件に対応するガバナンス強化と木造強化の「ニュース」を報じた。他紙が10日前に報じた記事とほとんど同じだった。積水が記者会見を行ったのは3月8日(金)で、掲載しようと考えれば前号の3月13日号に間に合ったはずだ。

 どうでもいいことだが、某社の野球部のかつての主砲は、前夜の食べ残しのカレーやスパゲッティをそのまま翌日の弁当に詰め込まれても文句ひとつ言わなかったが、記者のかみさんは前夜の刺身を翌日も出すようなことは絶対しない。逆に〝大丈夫だから〟といっても食べさせてくれない。

 まだある。同紙は先日3月27日に行われた住友不動産の「シティタワー国分寺ザ・ツイン」の記者内覧会に欠席した。前号では同社の「八潮」を3段見出しの4面トップ記事にしていたのに…。当然のことながら、4月3日号には「国分寺」は1行も書かれていない。会社や記者の都合で取材を取捨選択すべきではない。重視すべきは読者の立場だし、企業存続の基盤であるスポンサーの意向を忖度しなければ、あとはもう飢え死にするしかない。

 もう一つ、マンションや戸建ての見学会記事について。

 〝講釈師見てきたように嘘を言う〟という諺がある。見もしないのに見たように講釈を垂れるという意味だ。それだけ〝事実〟が大事であるということでもあるが、業界紙は〝見たまま〟を伝えない。配布された資料をそのまま引き写したような内容のものも少なくない。

 見る目がなく、何を見ていいかわからないと言ってしまえばそれまでだが、そんな記事を書いていたらいつまでたっても一本立ちできない。マンションなどの商品について基本的な知識が欠如していると断言できる。

 当たり障りのない記事は、「客観報道」を心掛けているからと反論されるかもしれないが、そもそも「客観報道」などない。その会社の編集方針や記者のものの見方・考え方が記事に反映されるからだ。単に「事実」「真実」だけを伝えるなら新聞は1紙で十分だ。

 しかし、この「事実」「真実」も曲者だ。あの松本サリン事件で、被害者であるにも関わらず警察とメディアに容疑者にされた河野義行氏の例が端的に示している。朝日と読売・産経が対極にあるのもある意味で読者が期待する〝偏向報道〟に応えているともとれる。

 記者の私見だが、〝偏向報道〟は歓迎されるべきことだと思う。読者はそれが嫌なら読まなければいい。選択肢がたくさんあったほうがいいと思うから、記者は「業界紙頑張れ」とエールを送っている。独自性を発揮しろと。

欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するもの ビーンボール②(2018/4/3)

欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するもの ニュースを追うな①(2018/4/2)

 

 

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記者のビーンボールを受けてみよ

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2018年4月3日号「住宅新報」コラム記事

 いきなりビーンボールを投げる。「神スイング」稲村亜美さんの球速100キロにはるかに及ばず、キャッチャーミットにまともに届かないボールだが、これを読んだらのけぞるはずだ。

 その批判の矢面、先頭打者には、住宅新報の元編集長H氏に立っていただき、H氏の〝名物〟コラム「夢かうつつか 今宵も一献」を俎上にあげる。H氏こそが同紙の現状を如実に物語っており、コラムにも病巣が巣くっているような気がしてならないからだ。

 記者はどちらかといえば〝一匹狼〟で、他の業界紙記者とほとんど交流しない。敵になっても味方になることはまずないし、フリーハンドで記事を書きたいからだ。徒党を組むのも好きではない。

 そんな訳で、H氏ともあまり話をしたことがない。取材フィールドも異なっていたようだ。

 それでも、最初に登場していただくのには理由がある。一つは、記者より確か3日早く生まれた同い年の〝先輩〟記者として親近感があり、記事の書き手と読み手としてキャッチボールができるような相手に思えるからだ。

 もう一つ。これはあまり書きたくないのだが、書かざるを得ない。数年前だった。同社の当時の編集長が「うちには小姑が二人もいる」と、大勢の業界関係者がいる会合で冗談を飛ばした。その編集長は昨年会社を辞められ、後任の編集長もすぐ退社された。1年間に2人の編集長が辞めるのは異常事態だ。その後の展開は冒頭に書いた通りだ。

 その二人の〝小姑〟のうちの一人がH氏であることは業界関係者であればすぐわかる。

 いま〝小姑〟がどのような意味なのか問わないし、問題でもない。編集長を定年で辞め、いまも健筆を揮っていらっしゃる。ご同慶の至りだ。

 しかし、文字数にして225字(写真含む)の小コラムはいかがなものかと思う。タイトルからしてすでに寝言のような、まともな批判を遮断する予防線のような、安さが売りの醸造メーカーのCMのような露悪趣味そのものだ。

 これが〝全国の読者とともに71年〟の同紙の4本くらいしかない署名記事のうち1本というのは情けなさすぎる。それが「多くの方の声援に支えられている」というのだから、何をかいわんやだ。〝うつけ者の与太話〟と言っては失礼か。

 どうして過去の実績・栄誉を帳消しにして余りあるこのようなどうでもいい飲み屋の紹介記事を書くのか。飲み屋の紹介など、吹き溜まりのゴミのように無料紙やネットに巻き散らかされているではないか。

 夜な夜な、ぬゑか夜鷹のように場末の飲み屋街を徘徊し、とっくに賞味期限が切れた〝元編集長〟の印籠を振りかざし、熱燗一杯300円の安酒も身も心もすっかり芯まで冷めているのに、まさに羹に懲りて膾を吹くようにちびちびと飲み、酒の肴といえば、とっくに薹が立った蕗の薹か固くて歯が立たないスルメか、あるいは骨と皮だけの目刺しのような、誰にも相手にされない酌婦を口説くのならまだしも、そんな元気もなく、白内障の予兆のような白濁した胡乱な目で睨め付けるしかない、まるで記者と瓜二つの貴殿のそんな哀れな姿を想像するだけで腸が捩れるほど悲しくなるではないか。

 連載は100回を超えたというから2年以上だ。まさかライフワークにするつもりではないだろうが…。〝ご隠居〟〝小姑〟の攪乱、錯乱として見逃すわけにはゆかぬ。晩節を汚してほしくない。

 記者を見習いなさいよ。最近は量り売りよろしく計量カップでしか飲ませてもらえないお陰で糖尿の数値が劇的に向上し、トマトのアメーラを毎日のように食べている効果で血液サラサラの状態を維持している。

 記事だって質はともかく、量は年間600~700本書いている。単行本なら数冊になる量だ。RBA野球の試合も年間100試合以上こなす。酒は百薬の長を実践しているのが記者だ。

 貴殿はその真逆、つまり百害あって一利なしの酒におぼれる芥か病葉のような人生を送っているのではないか。このままだと業界妾だの御用評論家だのと不名誉な肩書を付けられるのがおちだ。これが心配でならない。

 そんな時間とカネ(飲み代はほとんど会社持ちと聞いたが)があったら、1週間で1物件でもいいから現場に赴きマンション記事を書いてほしい。年間で約50本、3年で150本にもなる。まっとうすればいっぱしの住宅評論家としてデビューできるかもしれない。それでこそ男H氏だ。そうなったら、がっぷり四つに組み、万感の思いを込めて100年古酒を飲み交わそうではないか、3日早生まれの先輩!

欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するもの ニュースを追うな①(2018/4/2)

 

 

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「ウッドガーデン」外観

 ポラスグループのポラスガーデンヒルズは4月2日、オリジナル構造部材を使用した木造3階建て新社屋「ウッドガーデン」を報道陣向けに公開した。

 新社屋は、JR常磐線・千代田線馬橋駅から徒歩1分、千葉県松戸市馬橋幸町の商業地に位置する3階建て準防火建築物で、延べ床面積約658㎡。構造は木造軸組工法。同社グループが設計・施工した。工期は約6カ月。総事業費は4億円。

 エントランスに流紋岩の滋賀石を用い、外観は内部の木が見えるようにガラスカーテンウォールを採用。1階のショールームは床材にオーストラリア産のヒノキの突板を敷き詰め、2階のオフィスはクルミ材の白木をそのまま見せ、設計部署が使用する3階は床にナラ材の突板を使用し、壁など全体として黒を基調とすることでデザインを変えているのが特徴。天井高は1階が3.3m、2・3階が3.1m。

 構造には、同社グループのポラス暮し科学研究所が開発した合せ柱、合せ梁、重ね梁、挟み壁(CLT耐力壁)を採用。住宅向けに流通している集成材を同社グループのプレカット工場で集束したり加工したりして耐震・耐火性能や強度を向上させ、コストを抑えているのが特徴。これによって約8.8mのスパンを実現した。柱はカラマツ、CLTは国産のスギ材を採用。

 同社代表取締役・坂倉利昌氏は、「当社はポラスグループで唯一千葉県に特化した木造分譲住宅事業を展開する会社。設立した21年前はグループ全体で200戸程度の供給量しかなかったが、昨年度はグループ全体で714棟、当社だけで317棟に増加している。これまで5,000棟の住宅を目標に掲げ、目標を達成したら新社屋を建てる予定でいたが、中内(晃次郎)代表から〝木造の会社だから木造にしたら〟という話があり、グループが木造の非住宅に力を入れていることもあり、RCから木造にすることに変更した」と経緯を語った。

 また、「今年度はグループ全体で800棟、当社は375棟が目標。工事の段階から〝何が建つの、今までとは違う〟などと地域の評判もよく、これを機会に新たなスタートを切り、デザイン性、耐震性、サービスにより磨きをかけ7~8,000棟を目指す」と述べた。

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坂倉氏

◇       ◆     ◇

 同社担当者は、CLTについてスギの3層クロスラミナパネルを開発し、一般的な耐力壁の約3.8倍の強度にし、表にビスを出さない工夫をしたなどとかなり難しい話をした。

 そんな難しい話をされても記者はさっぱりわからない。注目したのはデザインだ。木造建築物は、耐火・防火の規制を満たしつつ木の美しさをいかに見せるのかがポイントだと思っている。

 外観が木造に見えないのはいつものことながら残念だったが、内部は実によくできている。ポラテックの事務所や職業訓練校と比べ規模は小さいが、1階のヒノキ、2階のクルミ、3階のナラの突板が美しい。

 3階のカラーリングは黒が基調だったのには面食らったが、デザイン監修を担当したガーデンヒルズ事業部設計部部長・安藤欣司氏は「これは私の趣味。設計部署にはこれがふさわしい」とこともなげに語った。

 安藤氏とはどこかでお会いしたことがあると思ったら、学生コンペの実物化モデルハウスでお会いしていた。

 なるほどと思った。ものごとに集中するには、周囲が明るいより暗いほうがいい。安藤氏はそのあたりをきちんと計算しているのだろう。

 外構の滋賀石がまたいい。これも安藤氏が選んだもので、「星野リゾートで同じものが採用されていた」そうだ。

 同社には、今回の事務所やボラティックのオフィス、職業訓練校を木造にしたことで社員の生産性は高まったのか、ストレスは軽減されたのか、ビフォー&アフターを公開するよう願いたい。

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1階

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2階

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3階

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外構

ポラス 学生コンペ 実物件化モデルハウスを公開 ミニ開発の難点を解消(2017/8/12)

〝オールポラス〟の木造建築物先導モデル「ポラス建築技術訓練校」が竣工(2016/4/15)

ポラスグループのポラテック 国内最大の木質ハイブリッド構造ビル完成(2012/2/22)

 

カテゴリ: 2018年度

 数回に分けて不動産業界紙について書く。昨年3月、東急不動産ホールディングス・金指潔会長が「このままでは業界紙は生き残れない」と発言して以来、事態はその通りに展開している。「週刊住宅」は自己破産し、その後復刊したもののページ数は半減した。創業70周年の老舗「住宅新報」は今年2月、分社化し、出版部門を切り離し、新聞部門は社名も「住宅新報社」から「住宅新報」に変更した。紙面が一新さることを期待したが、記事を読む限りではむしろ退化、劣化しているとしか思えない。忸怩たる思いがする。業界関係者からも批判的な声が頻々と発せられている。

 批判記事を書くことは、さらに状況を悪化させないとも限らず、天に唾するようなものかもしれないが、M.J.アドラー/C.V.ドーレン「本を読む本」(講談社学術文庫)には「著者に語り返すことは、読者に与えられた機会であり、また義務でもある」とある。記者を育ててくれたのは不動産業界紙だ。書くことは業界紙への恩返しでもある。

 年間100~200件の分譲マンションや戸建ての現場取材を40年近くにわたって行ってきた記者の経験、取材姿勢を伝えることは若い記者の方々に参考になるはずだ。

 内容的にはかなり辛辣な言い回しもあるが、それは記者の品性の低さの反映であって、ためにするものではないことは読んでいただければ理解していただけるはずだ。なによりも業界の発展のための、記者なりのラブコールだと受け止めていただきたい。

 記事量は400字原稿用紙にして18枚を超えるが、一言で結論を言えば、業界紙に欠如しているのは「愛」だ。「愛」とは、言うまでもなく惜しみなく奪う欲望であり、全てを与えたいという献身だ。

ニュースを追うな 勝てない記事を書くな

 

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昭和60年11月7日号「週刊住宅」

 

 〝お前はどうなんだ〟と言われそうなので書くが、記者は前職も含めてニュースを追うような記事を書いてこなかった。今も昔も業界紙は行政、民間、大手、中小、デベロッパー、ハウスメーカー、流通などといった具合に分野別に担当が振り分けられている。

 記者が前職で最初に担当したのは行政だったが、当時、住宅新報には素晴らしい記者がいた。絶対勝てないと思った。なので、担当を外してもらい、〝遊軍〟記者にしてもらった。誰も競争相手がいなかった分譲マンションや建売住宅の取材をすることに決めた。

 それで掴み取ったのが昭和57年11月、第1期分譲が平均41倍で即日完売した「広尾ガーデンヒルズ」の記事だ。記者は抽選会場に張り付いて〝熱狂ぶり〟をレポートした。

 当時のデベロッパーは鷹揚なもので、会場には入れてくれなかったが、外で片っ端からインタビューするのを見て見ぬふりをしてくれた。

 霧雨が降る寒い日だった。抽選に当たった人などに出会うことはほとんどなかったが、夕方近くだったか、満面に笑みを浮かべたきれいな女性に出会った。当選者だった。見出しにこう書いた。「その時、銀座クラブの美人ママはトイレに駆け込み歓びをかみしめた」と。

 断っておくが、当時は、読売新聞などは平気で社会面の記事に「美人ママ」と書いた。記者が出会ったその銀座のクラブのママはぽっちゃりとした本当に美人(と記者は思った)だった。「今日はわたしの誕生日」とその38歳の独身美人ママは明かした。

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昭和57年11月25日号「週刊住宅」

 ニュースを追わなければこんな楽しい記事が書ける。もう一つ二つ紹介する。昭和60年11月の「出たァ!坪1億円」の見出しの記事も、担当を持たない軽薄短小の記者だからこそ書けたと思う。噂を聞いて銀座にすっ飛んだ。関係者に話を聞き、登記簿も調べた。確証は得られなかったが、この銀座の土地が初めて坪1億円で取り引きされたのは間違いなかったはずだ。

 もう一つ、20年間くらい毎月2回発表したマンションと建売住宅の販売状況に関する記事だ。今でもそうだが、マンションと建売住宅の販売動向は不動産経済通信(同様の調査機関はほかにもあるが)の独壇場だった。他紙は「不動産経済通信の調査によれば」と二次情報として書かざるを得なかった。

 ひねくれ者の記者は他人のふんどしで相撲を取りたくなかった。自らが情報発信者にならなければ記者として自立できないという自覚があった。意を決し自分で調べることにした。毎日、マンションの広告をながめた。

 最初は容易ではなかった。取材意図が通じないモデルルームの現場からは「何? 『週刊住宅』? 知らねえよ。どこの馬の骨ともわからないお前に、どうして販売状況を教えなきゃならないんだ。しかもフリーダイアルの電話を使いやがって」と罵られた。

 それでも、必死で訴えた。「コーヒー1杯分(新聞の料金)でお宅の物件も含めて全ての物件の販売状況が分かる。その数字が嘘か本当か、少なくとも1物件はあなたが知ることができる」と。訴えが通じたのか、協力してくれるデベロッパーが増えていった。

 調査表には販売日、売主、用途地域、物件名、販売戸数、契約戸数(即日完売は最高、平均倍率)、月間契約率、交通便、最多価格帯、坪単価を掲載した。物件数は多い月はマンション、戸建て合わせて300件を超えたときもあった。これを約1週間で調べた。不動産経済通信より1~2週間早く発表した。

 建売住宅の物件捕捉率は6割くらいに達した。不動産経済通信は今でも建売住宅の捕捉率は1~2割くらいではないか。

 経験を積むうちに物件概要を読むだけで売れ行きが予測できた。いまでもマンションの坪単価を言い当てることができるのは、この調査のお陰だ。

 ここに例示したのはバブルがはじけた平成4年3月の1面記事だ。見出しは「マンション市場に〝春一番〟」で、都内のマンション月間契約率は50.3%とある。白山が坪700万円、綱島が坪500万円、下総中山は坪370万円…、千葉県布佐の戸建ては6,000万円超だ。若い方は信じられないだろうが、それが〝バブル〟だった。

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平成4年3月19日号「週刊住宅」

カテゴリ: 2018年度

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「白金一丁目東部北地区第一種市街地再開発事業」

 長谷工コーポレーションは3月30日、同社が事業参画している1.7haの “住・商・工”複合の街づくり「白金一丁目東部北地区第一種市街地再開発事業」が東京都から権利変換計画認可の許可を受けたと発表した。

 東京メトロ南北線・都営三田線白金高輪駅に近接する市街地再開発事業として、超高層マンション1棟(地上45階)、高層マンション1棟(地上19階)を含む住宅約1,247戸のほか店舗、工場など “住商工一体”の街づくりを目指す。完成予定は平成34年度。

 同社は検討段階より事業協力者として参画しており、コンサルタントの佐藤不動産鑑定コンサルティング、梓設計、上野計画事務所、日本工営などとともに事業を推進してきた。

 参加組合員に東京建物、長谷工コーポ、住友不動産、野村不動産、三井不動産レジデンシャルなどが参画している。

カテゴリ: 2017年度

 モリカケ問題の対応に苦慮する政府関係筋は4月1日、一発逆転、怒髪天の打開策を検討していることを明らかにした。

 その目玉として、世界に冠たる国際都市にふさわしいプロジェクトを奨励するため都心の容積率を無制限にし、建物の絶対高さ規制もなくす。

 これを受け、三菱地所は「常盤橋再開発プロジェクト」に坪単価5,000万円のペントハウスマンションを追加することを表明し、三井不動産は「(仮称)日本橋空中都市構想」を打ち出し、東京制圧を目指す住友不動産は都心5区を「東京マッドタウン」として商標登録することを決めた。

 政府はまた、絶滅危惧種の大阪弁を臆することなく首都・東京で堂々と話し、戸建てでデベロッパーを圧倒している関西のハウスメーカー〝御三家〟の住友林業・矢野龍氏、大和ハウス工業・樋口武男氏、積水ハウス・和田勇氏を人間国宝として永久にその名誉を称えることを決定した。

 さらにまた、国民の厭世気分が広がっていることを憂慮し、その気持ちを〝忖度〟し、だれもが活躍できる社会を構築するため、太陽は東から西へ沈み、水は上から下へ流れるのと同じように、野球こそが人類を熱狂させる普遍の真理であることに着目、今年30周年を迎えるRBA野球大会に国民栄誉賞を授与し、大会参加チームに無課税の使途を問わない金一封を贈与することを検討する模様だ。

カテゴリ: 2018年度

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「川口栄町3丁目銀座地区第一種市街地再開発事業」

 野村不動産は3月30日、埼玉県川口市の「川口栄町3丁目銀座地区第一種市街地再開発事業」の市街地再開発組合を設立したと発表した。2023年3月の竣工を目指す。

 事業地は、JR川口駅東口から東へ約300mに位置した約1.1ha。不正形な敷地や老朽化建物が多く、耐震安全性に課題がある建物の更新が必要とされてきた。同社は2013年8月に事業協力者として参画し、事業協力を行ってきた。

 再開発事業により、川口の表玄関にふさわしい魅力ある商業業務機能の拡充や土地の高度利用を目指し、商業業務施設、都市型住宅などの施設整備を行う。住宅は約475戸の予定。

カテゴリ: 2017年度
 

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