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「渋谷ストリーム」完成予想図

 東急電鉄は11月17日、東横線隣接エリアの地権者などと開発を進めている「渋谷駅南街区プロジェクト」の大規模複合施設「渋谷ストリーム」のオフィス、ホテル、商業施設全て入居テナントが内定したと発表した。全てのオフィス区画にはグーグル合同会社の本社機能が移転入居する。

 現地は東横線渋谷駅の跡地。線路跡地を遊歩道として整備し、隣接する渋谷川を官民連携により清流復活水を活用した“壁泉”によって再生、水辺空間を創出するほか、賑わいを代官山方面まで広げていく約600mの新たなストリートを創造する。施設は地下と地上で東京メトロ、東急線の渋谷駅と直結する。

 1階から3階が商業施設、4階がサイクルカフェをサポートする育成・創造・文化施設、9~13階が約180室の東急ホテルズのホテル、14~35階が渋谷エリア最大級の約640坪(総賃貸可能面積約14,000坪)のオフィスとなる。収容人数約700人のホールも併設される。

 物件は地上35階建て延べ床面積約116,700㎡。用途は事務所、店舗、ホテル、ホール、駐車場など。設計は東急設計コンサルタント(デザインアーキテクト:小嶋一浩+赤松佳珠子/シーラカンスアンドアソシエイツ)、施工は東急建設・大林組共同企業体。竣工予定は2018年夏。

◇       ◆     ◇

 別表に渋谷駅周辺のプロジェクトをまとめてみた。トータルで延べ床面積は約1,075,000㎡。東京ドームの約23個分、丸ビルの約6.7棟分だ。どのような街になるのか想像もつかない。

  当面の関心事は、旭化成不動産レジデンスのマンションがいったいいくらで分譲されるかだ。計画が明らかになった段階で坪単価800~850万円と予想したが、グーグルが入居することでSOHOの需要が高まることを考えると1,000万円台に乗っても驚かない。

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カテゴリ: 2017年度

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優勝したみずほ不動産販売ナインと応援団

 みずほ不動産販売、三井住友トラスト不動産、三菱UFJ不動産販売の銀行系不動産会社3社による恒例の野球大会が11月15日、神宮軟式野球場で総当たりの3試合が行われ、それぞれ1勝1敗となったが、得失点差でみずほ不販が優勝した。2位は得失点差で同じだった三井住友トラストと三菱UFJ不。

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親子が敵味方 三菱UFJ片岡(中)の息子みずほ片岡捕手(右)と次男の11歳卓巳くん

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あいさつする三菱UFJ不動産販売・竹内社長

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左から三菱UFJ、みずほ、三井住友

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選手宣誓 三菱UFJ 中山

三菱UFJ不動産販売 4-8 三井住友トラスト不動産

  1 2 3 4     合 計
三菱UFJ不動産販売        
三井住友トラスト不動産        

 三井住友トラスト不動産が逆転勝ち。0-4と劣勢の3回、1死から2番吉川が四球で出塁、続く池田が両チーム通じて初安打を放ち好機をつくった2死後、5番佐藤紀が死球で満塁と攻め立て、ここで6番鈴木、7番大島、8番西井の3連打でこの回4点を奪い同点。

 勢いに乗る三井住友は4回、つかれの見える相手小守投手から3連続四球で満塁とし、ここで登板した2番手山口から4番松浦が四球を選び逆転。佐藤紀は内野ゴロで3塁走者は本塁封殺されたが、次打者鈴木が走者一掃の中堅越え3塁打を放ち突き放した。鈴木は4打点、左翼手として美技も披露した。

 PL-東洋大の松浦投手(23)は、立ち上がり制球が定まらず5連続四死球を与えるなど3失点し、3回にも自らの失策で1失点したが、徐々に調子を上げ7奪三振、ノーヒットに抑えた。

 三菱UFJはまさかの逆転負け。初回、いきなり5連続四死球と6番川島の犠飛で3点先制。3回にも敵失で1点追加し試合を優位に進めたが、同点に追いつかれてからは完全に抑えられた。

 帝京野球部出身の先発小守投手は初回、3四死球を与えるなど不安な立ち上がり。2回は三者凡退に切って取ったが、3回に痛打を浴びた。2番手の山口も守り切れなかった。

〇宮本監督 予定通り。(相手投手を)打てると思っていた。もちろん優勝を狙う。鈴木の美技? 昨年はあいつで負けた

〇鈴木 昨年は2つフライを落とした。今年は練習をしっかり積んできた

〇松浦 (野村不動産アーバンネットの中川さんはご存知か)知ってますよ、わたしより2歳上。守備がうまかった。(PLの)廃部はわたしが卒業して決まった

〇吉川 専修大学玉名高のとき、甲子園に出場しました。わたしは1塁コーチャー。試合は、準優勝校に負けて1回戦敗退しました

●竹内伸行社長 恒例の野球大会。快晴ではないが、皆さん練習の成果を発揮し、日々の仕事のストレスを発散していただきたい。ただし、労災は適用されませんのでケガには注意してください(試合前、幹事会社としてあいさつ)

●中山主将 難なく四死球で得点できたので、その後は早打ちになっちゃった。もっと厳しく攻めるべきだったか…

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三井住友 松浦投手(左)と鈴木

みずほ不動産販売 1-4 三菱UFJ不動産販売

  1 2 3 4     合 計
みずほ不動産販売        
三菱UFJ不動産販売        

 三菱UFJ不動産販売が快勝。初回、先頭の小守が先制弾を放ち、4回には敵失から決定的な3点を奪い逃げ切り。蒔井投手が好投。みずほ不動産販売は完敗したが、最終回敵失から1点を返したのが、終わってみれば値千金の得点となった。

 三菱UFJは初回、いきなり小守が本塁打。3回には敵失と7番中山の2塁打で無死2、3塁のチャンスを作り、9番川島が右翼越え3塁打し、敵失も誘って3点を追加。

 みずほは最終回、敵失で1点を返したが8残塁の拙攻。丸山投手の力投(自責は2点)も及ばず。

〇竹内社長 (相手片岡捕手の御社社員のお父さん片岡さんはどっちを応援しているんですかね)もちろんうち。給与の出どころですから

〇川島 スライダーは打てないから、ストレートだけを狙っていた

〇木下 …(この日、5打席1死球4三振)

△三井住友・宮本監督 みずほの木次谷はうちの部長の息子

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2点3塁打を放ち、敵失で生還した三菱UFJ川島

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この日4三振の木下

三井住友トラスト不動産 0-5 みずほ不動産販売

  1 2 3 4     合 計
三井住友トラスト不動産        
みずほ不動産販売        

 みずほ不動産販売が完封勝ち。丸山投手が3安打に封じた。打線が少ないチャンスをものにした。三井住友は1点が遠かった。

 みずほは初回、先頭の鈴木が四球を選び、2番木次谷が安打し、それぞれ暴投で進塁した1死満塁から死球と内野ゴロで2点先制。3回には2死から四球と6番頴川、7番宮里の連打などで貴重な3点を追加した。

 丸山投手は、この日2試合目にもかかわらず最後まで球威が衰えず完封。

 三井住友は2回の2死2、3塁、5回の2死1、2塁の好機生かせず。松浦投手は1試合目と同様、初回に制球を欠いた。

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三井住友 宮本監督

〇田中信哉社長 それぞれ実力が拮抗したいい試合ばかり。一番いいところをもらってとても幸せ

〇高畠専務 バッテリーの勝利(「専務はゴルフがうまい。シングル」と田中社長)

〇中根監督 あれはいい狙い(3回、この回先頭の片岡が死球で出塁し、2盗を決め、さらに3盗は失敗した場面で)

〇片岡 こんなの経験ない(この日、キャッチャーファウルフライを2つ落とし)

〇小森 野球は中学まで(初回の2死満塁、3回の2死2塁でともに三振。チームのムードメーカーとか)

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みずほ田中社長(右)と高畠専務

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みずほ丸山(左)と片岡

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みずほ 小森

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三井住友ベンチ

カテゴリ: 2017年度

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「エアキス」 実験住宅見学説明会(千葉大学 柏の葉キャンパスで)

 積水ハウスと千葉大学は11月9日、同社の空気環境配慮仕様「エアキス」のさらなる健康効果を医学的観点から検証を進める実証実験住宅群が完成したのに伴う発表・見学会を行った。

 「エアキス」は、子ども基準で室内の化学物質を大幅に低減するため、ホルムアルデヒドなど5つの物質の濃度を厚労省指針値の2分の1以下に抑制し、設計・竣工・引き渡しの3つのステップで検証を重ねているもので、同社のほとんどの戸建ての標準仕様にしている。2017年4月、同大学と共同して寄附研究部門を設立、今回の発表会となった。

 同大学は、2007年に環境改善型予防医学の実践の場づくりと成果を発信する目的で「ケミレスタウンプロジェクト」を立ち上げ、これまでフェーズ2まで様々な実験を行ってきた。

 今回の実証実験棟はフェーズ3に位置付けられており、向こう5年間で健康を増進するモデルの構築を目指す。実験棟は一般的な在来木造平屋建て(64㎡)と同社のエアキス実験住宅(64㎡)の2棟からなり、成人、子ども、アレルギー既往歴のある人など多様な対象者による滞在評価実験を行う。

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実験棟(エアキス仕様と一般住宅仕様)

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様々な機器で実証実験を行う

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 屋内の化学物質が人体へどのような影響を及ぼすか予備知識はないが、悪影響を与えることぐらい容易に想像できる。モデルルームやモデルハウスを見学する際には必ず床材、壁材などの素材をチェックする。ケミレスタウン構想は大賛成だ。

 先日も、三菱地所ホームの全館空調「エアロテック」を装備したモデルハウス「ORDER GRAN AKASAKA」に宿泊体験し、その良さを実感した。

 しかし、「素晴らしい」といくら叫んでも空気環境の価値を正確に伝えたことにはならない。そこで、同社と同大学関係者に次のような質問をした。

 環境価値をわかりやすく伝える指標はないか、たばこの発がんリスクも含めしきい値(しきいち)、閾値(いきち)はあるのか、温度や湿度を測れるように屋内で空気環境も簡単に測れる機器は開発されないのか-という3点だ。

 驚いたことに、この質問に対し同大学予防医学センター特任准教授・鈴木規道氏が「空気環境の〝見える化〟は重要課題で、今回の実験住宅棟でも研究を進めている。安価で測れるものを開発したい」と語った。これが実現したら空気環境への関心は飛躍的に高まるはずだ。

 閾値については、「エビデンスはどんどん積みあがってきているが、新しい物質が使われるのでわからない部分もある」と同大学予防医学センター長・森千里教授は語り、同大学予防医学センター准教授・中岡宏子氏は「閾値にチャレンジしたい」と意欲を見せた。

 予想はしていたが、森氏は「タバコはダメ」とにべもなかった。(後述する愛煙家だった森鴎外とはこの点は全然似ていない)

 なるほどと思ったのは同社執行役員 総合住宅研究所所長・石井正義氏の回答だった。石井氏は「空気環境もそうだし、快眠できる空間づくり、おいしく食べられるキッチン、緑の環境、ユニバーサルデザイン(UD)など総合的に研究することが大事」と語った。同社がUDの取り組みでは最先端をいく企業であることは確信を持って言える。

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森氏

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左から鈴木氏、中岡氏、石井氏

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 「キャンパスを歩いていたら、丸々としたキジが歩いていた。野生の野ウサギもいる…今日11月9日は〝いい空気の日〟。実験住宅のお披露目会にぴったり…100年前、日本家屋と健康に関する医学研究を私の曽祖父、森鴎外が…」登壇した森教授がいくらもしないうちに話した途端、思考が停止した。「…」森先生は少なくとも〝曽祖父〟というフレーズを4回は口にしたが、何を話したのかよく覚えていない。顔ばっかりを眺めていた。確かによく似ている。頭の禿げたところなど(失礼)そっくりではないか。

 そこで、もう一人、同じように頭の禿げあがった(たびたび失礼)千葉大名誉教授・古在豊樹氏(元千葉大学長)を思い出した。2012年の記事で次のように書いている。

 「古在氏は…われわれ団塊の世代で知らないものはいない哲学者『古在由重』(1901~1990)と顔がダブった。古在由重も頭の毛は薄かったし、丸顔で赤ら顔だった。豊樹氏はそっくりだった」(豊樹氏は息子さんであることが分かった)

効果てきめん 三菱地所ホーム 全館空調「エアロテック」記者も宿泊体験(2017/10/30)

内装木質化は熟睡長く、知的労働も向上 慶大・伊香賀教授が実証(2016/3/22)

みらい・三井不 国内最大級の植物工場「柏の葉スマートシティ」に完成(2014/6/6)

三井不動産・千葉大・パナソニック・みらい「ネットワーク型家庭用植物工場」の実証実験を開始(2012/5/28)

 

 

 

カテゴリ: 2017年度

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「(仮称)富士見2丁目ビル」解体現場(参加人数は最多300名でカットされた)

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青木氏

 ミサワホームと青木茂建築工房は11月9日、リファイニング建築手法を用いて築36年の専門学校を賃貸マンションに用途変更する「(仮称)富士見2丁目ビル」の解体現場見学会を行った。約250名が参加した。

 リファイニング建築は、リフォームやリノベーションと異なり、囲障設備仕様を更新するだけでなく、建物自体の耐震性や耐用年数を大幅に向上させて長寿命化を図る手法。既存の建物の80%を再利用することで、費用を新築の60~70%までに抑えることを目指している。

 今回の計画は、老朽化した専門学校の校舎とその土地をミサワホームが取得し、青木茂建築工房が設計・監理を行い、単身者や共働き世帯を対象にした賃貸マンションに用途変更するもの。

 再生に当たっては、既存室内階段室を解体し、鉄骨階段とエレベータを新設、バルコニー、自転車駐輪場を増築し、職員室と教室の一部を減築し、エントランスポーチを計画。また、既存建物の外装タイルを撤去し、新規化粧材は塗壁と板金貼りとして軽量化を図る。

 既存建物は、千代田区富士見2丁目に位置する4階建て延べ床面積約868㎡の専門学校。再生の事業主はミサワホーム。設計・監理は青木茂建築工房(建築)、木下洋介構造設計室(構造)、設備計画(設備)。施工は大末建設。竣工は2018年2月の予定。再生後は専用面積28.12~57.55㎡の賃貸住宅16戸となる。

 両者は、リファイニング建築を通じて安全で質の高いストック資産の形成に取り組むことで2015年に業務提携。渋谷区の築50年を超える職員住宅を賃貸住宅に再生する「初台」の案件に続き2件目。

 青木茂氏は「今回は学校から賃貸住宅への用途変更で、既存建物は大スパンでコンクリートの中性化もそれほど進んでおらず、比較的容易な案件」と語った。

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三井不&青木茂建築工房 築52年の市場性ない共同住宅をリファイニングで再生(2017/10/16)

 

 

 

 

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 三井不動産は11月6日、三井不動産レジデンシャルとの共同出資会社「MITSUI FUDOSAN (ASIA) PTE. LTD.」(所在地:シンガポール)と「MITSUI FUDOSAN ASIA(THAILAND)Co.,Ltd.」(所在地:タイ)を通じ、タイの有力な住宅デベロッパー「アナンダ社」とのパートナーシップにより新たに5物件(計約3,900戸)の分譲住宅の販売を2017年6月より開始するとともに、新たに2物件に事業参画したと発表した。

 新たに販売開始、事業参画を決定した7物件はいずれも住宅地として評価の高いエリアに立地。販売を開始した物件の販売は好調に推移している。

 これで同社グループのバンコクでの分譲住宅事業は合計20物件、約16,000戸となった。

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「(仮称)秋葉原ホテルプロジェクト」

 サンケイビルと伊藤忠都市開発は11月6日、共同で千代田区神田須田町二丁目の神田川に面したビジネスホテル「(仮称)秋葉原ホテルプロジェクト」の開発に着手したと発表した。

 JR秋葉原駅から徒歩3分、東京メトロ日比谷線秋葉原駅から徒歩2分、都営新宿線岩本町駅から徒歩1分で、神田川に面しているのが特徴。

 物件は、JR京浜東北線・山手線・総武線秋葉原駅から徒歩3分、千代田区神田須田町二丁目に位置する敷地面積425.02㎡、14階建て延べ床面積3,431㎡。客室数143室(ダブル130室、ツイン13室)。設計・施工は東レ建設。竣工予定は2019年2月末。

 

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「メセナ アワード2017」記者発表会(ユニゾ八重洲ビル:フクラシア八重洲で)

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左から中村氏、山本氏、江本氏

 企業メセナ協議会(理事長:尾﨑元規氏)は11月2日、「メセナアワード2017」の受賞活動7件を発表。「メセナ大賞」に三菱地所の「Shall Weコンサート(出張コンサート)」、優秀賞にアーバネットコーポレーションの「アート・ミーツ・アーキテクチャー・コンペティション(AAC)」が「アートの玄関賞」、ポラスの「南越谷阿波踊り」が「街が踊る賞」に選ばれた。

 「メセナアワード」は、企業による芸術・文化を通じた社会創造の観点で特に優れた活動を顕彰するもので、今回が27回目。選考対象は136件。住宅・不動産業界から一度に3社も受賞したのは初めて。三菱地所は3度目(過去2回は優秀賞)の受賞。

 大賞の三菱地所は、障がいのある子どもたちの音楽鑑賞・体験機会を創出する活動として、都内特別支援学校を対象としたきめ細やかな取り組みが評価された。同社は2004年に活動を開始し、これまで76校、1万人以上の児童・生徒が参加している。

 「AAC」は、彫刻分野で学生を対象にした前例のない活動であり、新たな才能を見出していることと、経営資源をいかした継続的な支援により、若手の育成に貢献していることが評価された。AACは今年で17回目、応募作品は117作品(94名)に上っている。

 「南越谷阿波踊り」は、一企業による地元・公共への貢献として、長年をかけてふるさとづくりに寄与し、地域祭礼へと成長し、祭りを通じて世代間や地域間をつなぎ、地域社会に活気を与えていることが評価された。1985年に第1回を開催して以来2016年で32回目を迎え、8月の3日間で約70万人の観客が訪れる。日本三大阿波踊りの一つになっている。

 受賞発表会で三菱地所環境・CSR推進部CSRユニット・中村可奈子氏は「文化・芸術・障がい者支援活動を継続して行っており、受賞は大変うれしい」と、アーバネットコーポレーション管理本部広報・IRグループ・山本文美氏は「継続は力なり。大変光栄」と、ポラス経営企画室室長・江本昌央氏は「始めたときは11連3万人だったのが、いまでは70万人が参加するようになった。今後も地域の文化、交流を発展させていく」とそれぞれ喜びを語った。

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三菱地所「Shall Weコンサート(出張コンサート)」

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アーパネットコーポAAC 2016年最優秀賞「GEMME」(古川千夏氏)

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ポラス 第32回南越谷阿波踊り フィナーレ

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 毎週の主催者から取材の案内状は届いていた。記者ももう30年くらい前集中的に取材したことがあるが、いまさら「メセナ」でもないだろうと見送りを考えた。ただ、案内メールには「本メールは建築・不動産・住宅関連メディア様を中心にお送りしております」との一文が添えられてあったので、ひょっとしたらデベロッパーやハウスメーカーが受賞するかもしれないと思い、また、事務所から会場までは歩いて10分もかからないので直線に申し込み、空振り覚悟で出かけた。

 会場についてすぐ、ポラスの広報担当者とぱったり出会った。すぐ受賞が読めたのでうれしかったのだが、何と大賞に三菱地所が、優秀賞にポラス、アーバネットコーポが名を連ねているではないか。

 受賞したのは、ほかに沖縄タイムズ、ジェイティービー(JTB)、東日本鉄道文化財団、富士ゼロックス(文化庁長官賞)などそうそうたるメンバーがそろっていた。

 こんなうれしいことはない。三菱地所のメセナ・CSR活動は結構取材しており、ポラスの南越谷阿波踊りはこの10数年間ずっと鑑賞(半分は酔っぱらって寝ているが)し続けている。アーバネットのこの活動も、始めるとき服部信治社長から話を聞いており、いいアイデアだと思っていた。

今年も南越谷阿波踊りを満喫 ハウスメーカーの住宅広報連絡会(2017/8/22)

三菱地所 企業メセナ活動で文化庁長官賞受賞(2013/11/21)

三菱地所 障がい者のアート作品展10月30日から全国6会場で開催(2015/10/29)

「第11回キラキラっとアートコンクール」表彰式(2013/2/22)

 

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ステキ信頼リフォーム推進協会 役員

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坂本会長

 一般社団法人・ステキ信頼リフォーム推進協会(会長:坂本雄三・東京大学名誉教授)は10月31日、住宅リフォーム事業者や業界の健全な発展と消費者の安全・安心、快適な暮らしを実現することを目的とした同協会を平成29年7月28日に設立し、事業を開始したと発表した。スタート時点の会員は、リフォーム事業者、工務店からなる「たくみ会員」80社など155社。「住宅リフォーム事業者団体」に登録申請する来年11月には300社を目指すという。

 同協会は、既存住宅の耐震化の推進や耐震改修技術者の普及を目指し活動しているNPO住まいの構造改革推進協会(最高顧問:平田恒一郎・すてきナイスグループ会長兼CEO)の事業を継承するとともに、既存住宅の性能診断(インスペクション)・流通、国産材の利活用などの幅広い事業を展開する目的で設立された。

 設立会見に臨んだ坂本会長は、「リフォーム=悪徳が浮かぶようじゃダメ。良質なリフォームが望まれる世の中にしないといけない。当協会は耐震だけではなく外壁、水回り、設備などを含めた建設、建材、流通などの幅広い分野を結集して構造改革を進め、消費者ファーストを目標に掲げ、社会の発展に貢献したい」などと話した。

 「たくみ会員」への入会資格は、建設業の許可を受けていること、常勤の建築士または建築施工管理技士が在籍していること、同協会の正会員2者からの推薦状を取得することなど。会費は3万円/1口以上。

 同協会は11月28日(火)、「健全なリフォームの実現と住宅ストックへの展望」と題するシンポジウムをKPP八重洲ビル7階で13:00~15:00まで行う。パネリストは坂本会長、平田氏のほか、五十田博・京都大学教授、長尾年恭氏、モデレーターは戸田俊彦・木と住まい研究協会理事。参加費無料。

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 坂本会長など関係者から「悪徳」のフレーズが2度3度飛びだしたように、リフォーム=悪徳というイメージが人口に膾炙している。だからこそ協会の名称にわざわざ「ステキ」(すてきナイスグループ)と「信頼」の2文字を入れたのだろう。とにかく玉石混交の業界だ。

 そこで、「どうしたら〝素敵〟も〝信頼〟もとれる業界になるのか」と質問した。坂本会長は「地道な活動を継続していくほかない」と答えた。また、事務局は「住宅リフォーム事業者団体登録業者であることを示すロゴマークも現状では普及していない」と話した。

 この、住宅リフォーム事業者団体登録制度は消費者が安心して事業者を選べる環境を整えるために国土交通省が平成26年からスタートさせた。これまで登録された団体は9団体で、事業者の数は「1万あるかないか」(住宅リフォーム推進協議会)のようだ。リフォーム業者は数万社あるともいわれているが、実態についてはどこも把握していない。

 この玉石混交の世界に同協会が一石を投じるわけだ。記者も「継続して頑張ってください」としか言いようがない。

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 写真は、本数は同じでも筋交いのバランスがいいのと悪いのとでは震災時にどれくらいの揺れの差が出るかを体験できる装置だ。左は住宅の南側の開口部を確保するために筋交いをなくし、北側に集中的に配した模型で、右はバランスよく配したものだ。

 関係者によると、新耐震基準になってからも平成12年度までは、筋交いの本数の基準はあったが位置の指定はなかったという。新耐震基準でも耐震性に問題はないとは言えない-初めてこんな恐ろしいことを聞いた。

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筋交い1本でこんなに揺れ方に差が出る

平成27年度のリフォームの契約金額は平均626万円 リ推協が調査(2016/3/25)

 

 

 

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「上野フロンティアタワー」完成予想図

 J.フロント リテイリング、大丸松坂屋百貨店、パルコ、TOHOシネマズの4社は11月4日(土)、大丸松坂屋が所有する周辺店舗などの総称として「シタマチ、フロント」を採用し、上野御徒町エリアの新たなランドマークとなる複合商業施設「上野フロンティアタワー」と「松坂屋上野店本館」リニューアルエリアをオープンする。10月31日、開業に先立ってプレス内覧会を行った。

 「上野フロンティアタワー」は、松坂屋上野本店に隣接する23階建て延べ床面積約41,000㎡。設計は三菱地所設計、施工は竹中工務店。事業主は大丸松坂屋百貨店。地下1階が松坂屋、1階から6階がパルコ「PARCO_ya(パルコヤ)」、7階から10階がTOHOシネマズ上野12階から22階がオフィス。

 「松坂屋上野店本館」も大幅にリニューアルして新たな文化やライフスタイルを創造し、活力を呼び込むという。

 大丸と松坂屋ホールディングスの共同持株会社J.フロント リテイリングの担当者は、①隣接の駐車場の容積を活用するなど資産の有効活用②〝脱百貨店〟ともいえる不動産賃貸事業③異分子結合-3点が開発のポイントなどと話した。

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お客さんを店先まで案内するロボット「Siriusubot(シリウスボット)」

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 商業施設のことはよくわからないので早々に引き上げたが、一押しは建築家の隈研吾氏が設計したPARCO_ya」1階の「厨otona くろぎ」だ。東京でも予約を取るのが困難と言われる日本料理店「くろぎ」の新業態で、和スイート&Barの店だ。

 暗い照明のなか、微小なしぶきのようなものがちりばめられた黒い壁が全面に張られ、黒いオーロラのようなすだれが間仕切りとして採用されていた。

 店のスタッフに問い合わせたら、壁は特注品の「落水和紙」で、しぶきは波紋を現しているそうだ。すだれはフェイクでなく本物の竹を採用しているとのことだった。酒は安くもなく高くもない。焼酎は「百年の孤独」「獺祭」が1,000円。圧倒的な人気を呼ぶのではないか。

 店の人と話していたら、「くろぎ」は東大本郷キャンパス内のダイワユビキタス学術研究館にもあるとのことだった。それで思い出した。2014年、「ダイワユビキタス学術研究館」の完成を祝うイベントを取材した際、この「くろぎ」で850円も払ってコーヒーを飲んだことを。もちろんそれだけの価値があると思ったが。

 記者を含め報道陣がたくさん見入ったのは、パルコと日本ユニシスが共同で開発した客を案内するロボット「Siriusubot(シリウスボット)」。6階の飲食フロアに配置されており、日本語、英語の呼びかけに応え、店舗まで誘導する。記者が「一番おいしい店はどこですか」と聞いたが、そのような質問には答えないそうだ。

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以上、「厨otona くろぎ」

表も裏も美しい 東大「ダイワユビキタス学術研究館」完成(2014/5/14)

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第20回「木の家・こんな家に住みたい!!」作文コンクール表彰式(すまい・るホールで)

 日本木造住宅産業協議会(木住協)は10月28日、小学生を対象にした第20回「木の家・こんな家に住みたい!!」作文コンクール表彰式を行った。各省大臣賞など18作品や木住協各ブロック賞の合計30作品が入賞。それぞれ賞状と副賞が手渡された。

 コンクールは、国土交通省・文部科学省・農林水産省・環境省・住宅金融支援機構・朝日小学生新聞社の後援を得て行われているもので、今回は過去最多となる海外6か国7校を含め国内外から1,733校の応募があり、応募総数も6年連続の2万点を超える22,778点に上った。

 冒頭にあいさつした木住協会長・市川晃氏(住友林業社長)は、「審査員の方々は素晴らしい作品ばかりで選ぶのが大変だったと仰った。私も読ませていただいたが、情景が目に浮かんだり、やさしい気持ちがよく表現されていたり、わくわくさせられたりして、とてもうれしい気持ちになりました。私たちは美しい自然や環境を未来に残す責任があります。来年のコンクールはもっと成長させる。楽しみにしてください」などと話した。

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 それにしても2万点超の数字がすごい。1点を400字原稿用紙2枚として4万枚超。小説に例えると、世界最長とされる900万文字のマルセル・プルースト「失われた時を求めて」、わが国最長の原稿用紙13,000枚の中里介山「大菩薩峠」をはるかに超える。積み上げると高さは2mくらいに達するはずだ。それを一つひとつ読まれた関係者には頭が下がるばかりだ。

 世の中にはこの木住協の応募数を超える作文コンクールがいくつもあるというから驚きだ。それなのにわが国のノーベル文学賞受賞者は川端康成と大江健三郎氏しかいない。ハルキストは歯ぎしりしているが、日本生まれのイギリス人、カズオ・イシグロ氏に先を越されてしまった。

 そこで木住協にお願いしたい。過去20年間を振り返って子どもの作文力は高まったのか退行したのか、木造住宅は進化したのか後退したのか、各分野の専門家を集めてぜひ検証していただきたい。

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市川氏

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 耳が遠くなったせいもあり、壇上で読まれた8人の子どもの入賞作文は聞き取れなかったものもあったが(以前はプロジェクターで紹介されたこともあった)、気が付いたことをいくつか。

 一つは、祖父母の木造住宅をテーマにしているものが多かったということだ。募集条件が「夏休み期間中の自由課題」なのでこれはこれで納得するのだが、逆に考えればいまの子どもたちが住む住宅は美しくないのか、木の香りがしないのか。木住協を含めたメーカー、工務店は考えないといけない。経済性優先のケミカル製品だらけの住宅を造っていないか。

 このことと関連するのだが、もう一つは、子どもたちが〝このように書けばほめられる、入賞できる〟と先生や主催者の意図を忖度してテクニックに走りすぎてはいないかということだ。朗読された作品は、会話文を巧みに挿入し、メタファー(暗喩)の技法をうまく取り入れているが、あまりにも美しすぎてその背後に〝大人の企み〟〝大人の匂い〟が見え隠れする。コンクールは美文・名文を顕彰する以外にも子どもの鋭い感受性、想像力を引き出すことにあるのではないか。

 記者は、小学1年生の圓山義久くんの「ぼくのつくる木のいえはかみ」がもっとも印象に残った。圓山くん、日本には本気で紙の家を普及させようとしている坂茂さんという建築家もいるよ。

 もう一つ。紹介された18作品のうち7作品が千葉県市川市の国府台女子学園の生徒さんだったことだ。先にも書いた〝大人の意図〟が感じられないでもないが、みんなしっかりした文章を書いていた。子どもの教育の基本は国語だ。この学校は国語教育に力を入れているのだろうと思った。受賞者の一人に尋ねたところ、書く機会は多いが、学校や親のからの特別の〝指導〟などはないそうだ。

木住協 第19回「木の家・こんな家に住みたい」作文コンクールに応募2万件超(2016/10/31)

 

 

 

 

 

カテゴリ: 2017年度
 

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