RBA OFFICIAL
 

IMG_7001.jpg
左から岡本理事長、最優秀賞を受賞した亀谷氏(すまい・るホールで)

 マンション管理業協会は12月14日、「マンションいい話コンテスト2017(管理会社編)」の公開最終審査・表彰式行い、1~3次審査を通過した6作品の中から最優秀賞に住友不動産建物サービス・亀谷和弘氏の「コミュニケーション、それが全てです。」を選んだ。管理会社編が設けられたのは今回が初めて。応募は全126作品だった。

 亀谷氏の作品は、「『転職したばかりでフロントとはなんぞやという事も理解していないペーペーだった』」僕が、いきなり『担当フロントを変えろ!はっきり言って力不足だ!』と100人近くいるマンション管理組合の定期総会で罵倒される場面から始まり、最後は「冒頭激しく責め立て(られた)方とは1年間みっちり向き合ってコミュニケーションをとったところ、一年後の総会の後に本人から『去年の総会はごめんね』と照れくさそうに言われました」と括っている。タイトル通り、コミュニケーションの大切さをストレートに綴った内容だ。

 最優秀賞を受賞した亀谷氏は「関さん(表彰式の前に野村不動産パートナーズ会長・関敏昭氏が講演した話を受け)もコミュニケーションが大事と話された。最後は人。わたしの考えは間違っていなかった。(管理業の)未来は明るい」と喜びを爆発させた。賞金として10万円相当の商品券が贈られた。

 コンテストではこのほか、優秀賞1点(商品券3万円分)、特別賞4点(5千円相当の賞品)、佳作6点(3千円相当の賞品)か選ばれた。

IMG_7005.jpg
管理協関係者、選考委員らと記念写真

◇       ◆     ◇

 表彰式の前に6作品のプレゼンテーションが行われたので、記者も採点することにした。作品は報道陣に配布されたが、プレゼン時間は1作品当たり5分くらい。作品を読む時間はほとんどなかったので、プレゼン力で評価した。

 ワンフレーズ、ワンイッシューで他を圧していた亀谷氏が最優秀賞を獲得すると思った。その通りの結果となった。

 同管理協理事長・岡本潮氏(東急コミュニティー会長)が「どの作品も皆さんの日頃の苦労がよく伝わってきた。差はほとんどなかった」と講評の中で話したように、限られた時間内で自分の言いたいことを簡潔に伝えたのが評価されたと思う。

 惜しかったのは、穴吹ハウジングサービス・杉町竜童氏の「退去したお子様からの手紙」。文章の半分近くを費やし、小学生の子どもが管理人に送った手紙を原文のまま紹介した。この子どもの作文がとてもよかった。(この作品が受賞したら、賞金・商品の半分は子どもが受け取る権利があると思った。杉町氏は特別賞を受賞。このお子さんと喜びを分かち合っていただきたい)

 岡本理事長、賞金・商品は少なくありませんか。まあしかし、この日のイベントは参加した人に最高の年末プレゼントになったはず。

IMG_6993.jpg

「ポプラ文庫」がすごい 「マンションいい話コンテスト2017」マンション管理協(2017/12/2)

カテゴリ: 2017年度

IMG_6987.jpg
「健康生活支援講習支援員養成講習」受講風景(日本赤十字社東京都支部で)

 大京グループのマンション管理事業を手掛ける大京アステージは12月13日、日本赤十字社が実施している「健康生活支援講習支援員養成講習」を活用し、「地域包括ケアシステム」の推進へ向けて協力していくことで合意に達したことを受けて、報道陣に講習の一部を公開した。

 同社社員が「健康生活支援講習」を受講、認定を受け、日赤と協力しながら、全国で42万戸を超える同社の管理受託物件を中心に自助・互助の輪を広げ、「地域包括ケアシステム」の推進に貢献する。また、習得した健康生活や介護に関する知識を生かしてマンション居住者の日常生活をサポートすることに加え、サービス品質の向上、新商品・新サービスの開発・提供を目指す。

 日赤の「健康生活支援講習」には一般の人中心に毎年約4,000名が受講し、約3,500名が「健康生活支援講習支援員」として認定を受けている。マンション管理会社がこのような取り組みを行うのは初めて。

 同社は当面、同社ライフサービス事業部のCA(カスタマーアドバイザー)推進室に所属する女性など34名が受講する。受講時間は12時間。講習終了後に試験を受け合格すると「健康生活支援講習支援員」の認証が交付される。支援員は日赤の指導員になる受験要件を付与される。

◇       ◆     ◇

 同社ライフサービス事業部長・中村忍氏、同部次長・似田稔氏が講習を受けるに至った経緯、取り組み内容などを記者発表会で説明した。

 同社が2015年、居住者宅を訪問し、住まいに関する〝お困りごと〟を解決する女性中心の「お客さま係」を設置したことはニュースリリースで知っていたが、担当者の数が32名に達しているのにはびっくりした。将来目標として「60名を目指す」とは聞いていたが、まさか2年でこれだけの人数に育てるとは。

 そして、さらに驚いたのが日赤事業局副局長兼救援・福祉部長 山澤將人氏と事業局救援・福祉部参事 大西浩子氏がそれぞれ日赤の「人間のいのち・健康・尊厳を守る」使命(理念)を話したことだ。「いのち」も「健康」ももちろん重要だが、日赤が「尊厳を守る」ことを理念に掲げていることを知らなかった。敬服するほかない。

 今回の両者の連携が、講習の目的・内容でもある〝自分のために、地域のために、家族のために〟力を発揮することを期待したい。それと、同社には性急な要求かもしれないが、適正なフィーを得られるビジネスに「お客さま係」を育ててほしい。30名ものスタッフが日々収集する情報は利益を産む源泉ではないか。

IMG_6984.jpg

大輪が咲くはず 大京アステージ 「お客さま係」新設 将来60名体制(2015/3/17)

 

 

 

 

カテゴリ: 2017年度

IMG_6977.jpg
左から宮島氏、高橋氏、小山氏

 都市再生機構、積水ハウス、医療法人財団健貢会 総合東京病院の3者で構成される江古田三丁目地区まちづくり協議会は12月12日、江古田の杜プロジェクト「リブインラボ(コミュニティ施設)」内施設の食堂・レストラン運営に東京・青山のレストラン「Casita(カシータ)」グループを運営するサニーテーブルの参画が決定いたことを受けてプレス向け説明会・試食会を行った。

 説明会・試食会に出席したサニーテーブル代表取締役会長・高橋滋氏(65)は「いまのレストラン業を始めて16年になるが、その前の20年間は貿易の仕事をしていた。仕事で世界中を飛び回り、あらゆるエアサービス、ホテル・レストランサービスなどを受けていたが、1994年、うわさの『アマンプロ』を初めて利用したとき、総支配人がわたしの名前を呼んでエントランスで迎えてくれたのに衝撃を受けた。これがヒントになった。〝サービス〟を切り口にするレストラン業は成功するのではないかと。

 『カシータ』も100%ではないが、お客さまの名前をお呼びして迎えることにした。お蔭さまで予約が取れないレストランになった。リブインラボは500円、1,000円のメニューかもしれないが、システムと情熱をかければ高いサービスを提供できる」と語った。

 積水ハウス 開発事業部 東日本設計統括部長・宮島一仁氏は、子どもを核に多世代の交流によって生まれるコミュニティ、地域の緑・環境の活用、防災拠点、充実した医療施設との連携などにより、街づくりのコンセプトである「コドモイドコロ」について説明した。

 積和不動産取締役・小山健氏は、これまでの同社の縦代交流施設事業について説明。「江古田の杜」プロジェクトは、これまでに例がない学生向け・就業者向け住宅を併設することで日本版都市型CCRC(Continuing Care Retirement Community)のモデルにしたいと話した。

 リブインラボ全体の運営・管理事業者には積水ハウスグループの積和不動産が決定しており、子どもから高齢者まで多世代で育む持続可能なコミュニティづくりを進める。

 「江古田の杜プロジェクト」は、「多世代により育まれる持続可能な地域をつくる」をコンセプトにUR都市機構、積水ハウス、総合東京病院が協働して進めている住宅、医療、保育施設などの複合プロジェクト。

 国家公務員宿舎跡地(約4.4㏊)に、積水ハウスが分譲マンション「グランドメゾン江古田の杜」531戸、子育て世帯向け賃貸マンション263戸、サービス付き高齢者向け住宅121戸、学生向けマンション85戸、医療従事者向けマンション56戸、介護付き有料老人ホーム94室を建設するほか、総合東京病院の病院棟、コンビニエンスストア、認可保育所、学童クラブなどが併設される。

IMG_6982.jpg
「リブインラボ(コミュニティ施設)」

◇       ◆     ◇

 高橋氏が受けた驚愕のサービスを記者も10年前、開業当日の「ザ・リッツ・カールトン東京」で経験しているので紹介する。

 「(宿泊の翌日)タバコを吸いたくなったので、ロビーで『タバコを吸う場所は外しかありませんか』と聞いたところ、『バーなら結構ですので、よろしかったらどうぞ』とスタッフが応えた。内心、真っ昼間から1杯2000円以上もするワインを飲まなきゃならないのかと思ったが、飲み物はオーダーしなくてもいいと言われた。こんなサービスをするホテル・旅館は日本中のどこを捜してもないだろうと思った」

 (皆さん、ロビーからピアノ演奏の美しい音楽が流れてくるリッツのバーで一人タバコを吸う光景を思い浮かべていただきたい。お金持ちだったら絶対、ビールかワインかウイスキーを注文するはずだ。あのときロビーにいたスタッフは記者が貧乏人であるのを見抜けなかったのか、それともこの〝もてなし〟について誰かにしゃべるその効果を読んでいたのか…今でも謎だ)

 IMG_6980.jpg
試食会で供された食事(同社が運営する「青山食堂」とほぼ同じメニューだそうだ。ハンバーグとから揚げがメイン。記者はご飯の量を減らしてもらったが、それでもから揚げは1個残した。カロリーは1200キロカロリーくらいか)

カテゴリ: 2017年度

名称未設定 1.jpg
「(仮称)北青山二丁目計画」

 三菱地所は12月11日、港区北青山二丁目の「青山ベルコモンズ」の建て替え計画「(仮称)北青山二丁目計画」の着工を行ったと発表した。竣工は2020年4月末の予定。

 地域のシンボルであった「青山ベルコモンズ」の歴史性を踏まえ、多種多様な人々が交流する空間を創出することを目指し、地上20階、延床面積約23,000㎡のオフィス・ホテル・商業ゾーンからなる複合ビルへ建て替える。

 外装デザインはガラスファサードによるデザインとし、低層部のデザインは緑豊かで開放的な空間を演出することで圧迫感を抑え、周囲の街並みや景観との調和を目指す。

 ホテルゾーン(17~19階)はPlan・Do・Seeが運営する。客室は42室。客室サイズは約30~60㎡。

 物件は、東京メトロ銀座線外苑前駅から徒歩3分、港区北青山二丁目に位置する敷地面積2,264.27㎡、地下2階地上20階建て延床面積22,910.61㎡。建築主は第6メック都市開発特定目的会社(三菱地所の100%出資子会社)。開発業務受託者は三菱地所。設計は三菱地所設計。施工は銭高組。

◇      ◆     ◇

 建築家・黒川紀章の設計で知られる「青山ベルコモンズ」は、記者がマンションの取材を始めた昭和60年代の初め、当時のビルの所有者で次々ヒット作を供給していたアサヒ都市開発の担当者と美味しい酒を飲みかわし歓談したのを思い出す。

 建て替えといえば、表参道駅前の「南青山第一マンションズ」の建て替えも来年あたりにはアウトラインが見えてくるはずだ。いったい坪単価はいくらになるか。1,000万円をはるかに突破するとみているが…。

カテゴリ: 2017年度

image002.png
「(仮称)銀座七丁目計画」

 東急不動産は12月11日、マルチテナント型商業ビル「(仮称)銀座七丁目計画」を着工し、リーシングを推進すると発表した。

 同社の商業ビルとしては、銀座エリアでは2016年3月に開業した「東急プラザ 銀座」に続き2件目。過去、銀座街並みを形成していたレンガ街風景を再解釈し、レンガというモチーフをシャープに表現するデザインにする。

 物件は、東京メトロ銀座線銀座駅から徒歩4分、JR山手線新橋駅から徒歩6分、中央区銀座七丁目に位置する敷地面積207.64㎡、地下1階地上10階建て延べ床面積1,488.17㎡。店舗数9店舗。基本設計・監修は東急設計コンサルタント、実施設計・施工は大本組。商環境デザインはサポーズデザインオフィス。開業予定は2019年春。

カテゴリ: 2017年度

20171211_04.jpg
建て替え後のイメージ図

 旭化成不動産レジデンスは12月11日、町田駅前の商業ビルとして運営されていた区分所有建物を等価交換方式で建て替え、再生後の区分所有建物の床の一部を自社で保有し賃貸運用すると発表した。

 事業物件は、小田急線・JR横浜線町田駅から徒歩2分、東京都町田市原町6丁目に位置する敷地面積約799㎡、築36年の4階建て延べ床面積約2,960㎡。建て替え後は8階建て延べ床面積約5,200㎡となる。2017年10月27日に本体工事に着手しており、2019年7月のテナントオープンを予定している。

カテゴリ: 2017年度

 三井不動産は12月11日、東京都中央区銀座五丁目の「(仮称)銀座五丁目ホテル計画」を12月8日付で着工したと発表した。三井不動産が所有する土地にホテルを建築し、竣工後、三井不動産ホテルマネジメントが三井ガーデンホテルとして運営を行う。開業は2019年(平成31年)秋を予定している。

 物件は、東京メトロ日比谷線・都営浅草線東銀座駅から徒歩1分、東京メトロ日比谷線・銀座線銀座駅から徒歩4分、中央区銀座五丁目に位置する敷地面積1,079.85㎡、延床面積13,441.25㎡、15階建て客室数338室(予定)。設計は東急建設・久米設計。施工は東急建設。

 三井ガーデンホテルズは現在、全国で20施設5,337室を運営しており、都内のホテルは2018年開業予定の「三井ガーデンホテル大手町」、「三井ガーデンホテル五反田」、「(仮称)三井ガーデンホテル日本橋プレミア」に続き10番目となる。

◇       ◆     ◇

 ついこの前、「マンションvsホテル 『銀座』の〝適(敵)地〟争奪戦 序の口の段階か」という見出しの記事を書いたばかりだ。ちょっとやそっとでは驚かない。「赤坂」のモリモトのマンション見学の際も2つの建築中のホテル現場を見た。

マンションvsホテル 「銀座」の〝適(敵)地〟争奪戦 序の口の段階か(2017/12/7)

カテゴリ: 2017年度

20171205_mimaru_1-thumb-300xauto-1674.jpg
「MIMARU東京 上野NORTH」客室イメージ図

 コスモスイニシアは12月5日、外国人旅行者の宿泊ニーズに対応する新しいアパートメントホテルの名称を「APARTMENT HOTEL MIMARU」に決定し、第一弾の「MIMARU東京 上野NORTH」を2018年2月8日(木)オープンすると発表した。

 「APARTMENT HOTEL MIMARU」は、キッチンやリビング・ダイニングスペースを備えた4名以上の宿泊にも対応するもので、1人当たりの宿泊料金を抑えることで、グループによる中長期宿泊ニーズに応える。運営は10月に設立した子会社コスモスホテルマネジメントが行う。今後、2020年までに1,500室の開業を目指している。

 「上野」は、JR山手線上野駅から徒歩8分、台東区上野7丁目に位置する敷地面積407.66㎡の8階建て全40室。客室面積は34.14~52.61㎡。

20171205_mimaru_6-thumb-600xauto-1686.jpg
「MIMARU東京 赤坂」(左)と「MIMARU東京 水天宮前」完成予想図

カテゴリ: 2017年度

 国土交通省は12月5日、所有者不明土地問題に関する制度の方向性などを論議する国土審議会土地政策分科会特別部会(部会長:山野目章夫・早稲田大学大学院法務研究科教授)を開き、中間とりまとめ(案)を示した。

 中間とりまとめ(案)は、バブル崩壊後の地価の下落や地縁・血縁関係の希薄化が進行し、資産としての土地に関する国民の意識も希薄化し、今後急速に進む人口減少、超高齢社会を迎えるわが国にとって、所有者不明土地問題は喫緊の政策課題と指摘。

 その対策として、現行法では難しい固定資産課税台帳、地籍調査票、インフラ業者保有情報を行政機関が利用しやすくするよう土地収用手続きの合理化・円滑化を行い、都道府県知事が裁定できるようにする制度が必要としている。

 具体的には、所有者不明土地の適切な管理のために財産管理人の選任申立権を地方公共団体の長に付与(民法の特例)するほか、登記官は長期相続登記未了土地の解消のための措置(不動産登記法の特例)を設けることなどを提言している。

 さらに、今後の検討課題として土地所有の在り方、土地所有者の責務、土地の放棄やその受け皿について幅広く検討するよう求めている。

 特別部会に提出された資料によると、平成28年度の地籍調査では不動産登記簿上で所有者の所在が確認できない土地の割合は約20%(所有者不明土地問題研究会の調査ではその面積は九州の368万㏊を上回る約410万㏊)にのぼっており、サンプル調査による探索の結果、最終的に所在が不明な土地は0.41%(最狭義の所有者不明土地)としている。

 探索には多大な時間・費用・労力を費やすことが強いられており、公共事業や民間事業を実施しようにも「直ちに使えない」状況になっているという。

◇       ◆     ◇

 緊急避難的、対症療法としての所有者不明土地問題は何らかの方策が示されるのだろうが、特別部会も指摘しているように「一般の財と異なる性格を持つ」土地の「所有者がどのような責務を負うべきかについて検討を行う必要がある」と思う。

 「一般の財と異なる性格」とは、諸外国と比較しても強いわが国の絶対的排他的私有権のことだろう。しかし、特別部会も「土地を持つことが負担となる場合も存在する」と述べているように、絶対的排他的私有権が手かせ足かせになっており、「負動産」(朝日新聞の造語か)が一般名詞として通用する時代になっている。

 このギャップをどう埋めるのか。権利と義務(責務)は等価のはずだ。だとすれば、所有権の放棄、寄付によって受け皿になる主体に負担がそのまま転嫁されたらどうなるのか…記者にはわからない。

カテゴリ: 2017年度

椿姫「乾杯の歌」.jpg
三井デザインテック懇親会(椿姫「乾杯の歌」演奏場面)

 三井デザインテックは11月30日、プレスセミナー・懇親会を綱町三井倶楽部で行った。

 第一部のセミナーでは、同社ワークスタイル戦略室マネージャー・大川貴史氏が「働き方改革」につながるオフィス事業について講演した。第二部の懇親会では、ベルディの代表作「椿姫」の「乾杯の歌」とプッチーニの名作「ラ・ボエーム」が演奏され、粋な演出に参加者から「ブラヴォー」の歓声が上がった。

◇       ◆     ◇

 同社常務取締役スペースデザイン事業本部長デザインマネジメント部長・飯田和男氏が「クライアントのニーズは複雑多岐にわたっている。足りないものは何か、残すべきものは何か-この当たり前のことにわれわれはきちん提案していく」と懇親会で締めの挨拶をしたとき、会場がシーンと静まり返ったのがとても印象に残った(三井倶楽部の雰囲気もそうさせた一因だろう)。

 同社のデザイン・意匠は、マンションやホテルなどでたくさんお目にかかっており感服させられるだが、最近はソリューション事業に力を入れているようだ。この日、大川氏が講演した東京大学大学院・稲水伸行准教授との共同プロジェクト「クリエイティビティに関する調査研究」もその一つだし、先に発表した職業能力開発総合大学校・橋本幸博教授との「オフィス空間における植物配置の好ましさに関する共同研究」も非常に参考になった。

 懇親会ではインテリアデザイナー・小野京子氏としばし歓談した。「小野」と聞けば記者はすぐ同じデザイナーの小野由記子氏を思い出すのだが、小野京子氏の〝作品〟もたくさん見ている。最近では「武蔵小山」がそうだ。「パークコート山下公園」も見学取材する予定だ。

◇      ◆     ◇

 同社によると、「椿姫」と「ラ・ボエーム」の演奏は、ソプラノ・髙橋絵理氏、テノール・所谷直生氏、ピアノ・松岡なぎさ氏、演出・大澤恒夫氏。企画・制作はオペラの普及活動を行っているNPO法人オペラ普及団体ミャゴラトーリ。

◇       ◆     ◇

 会場の三井倶楽部に着いたときは2部の懇親会が始まる直前だった。えっ、2部? 何のことはない。セミナーの開始時間を1時間間違えたのだ。恥ずかしいやら情けないやら。もう帰ろうと思ったが、関係者に勧められてほんの数分講義を聴いた。

 セミナーが終わり、せっかくだからワインを頂こうと宴会場に向かうとき、高校の同窓の後輩女性記者と出くわした。彼女が「帰る」というので、「馬鹿だね。ここの施設をきちんと見なければだめだ」と引き留め、まずロダンの彫刻を見せた。大した反応を見せないので、すぐ近くにあるルネサンス時代の裸婦像(記事参照)を紹介した。これも反応なし(刺激が強すぎたか)。

 なので「もっといいのがある」と、中庭を見せようとホールに向かったとき、正面に50号くらいのターナー(1775~1851)と思しき絵画が掛かっていた。「ほら、ひょっとしたらあれはターナーかも」と、近づいて銘板を確認した。確かに「ターナー」とあった。えっ? すぐ値段をはじき出そうと頭を回転させたが、見当もつかなかった。 

 懇親会の後で渋谷忠彦社長に聞いたら、ターナーの絵はもう1点あるそうだ。この日見た絵より小さい作品が50億円台で落札された事例があるようなので、2点で100億円はどうだろう。

 三井倶楽部にはいったいいくらの所蔵品があるのか。隣のアパのマンションは賃貸になった。

_U7A7571.jpg
昨年の懇親会 

三井レジ・JX日鉱「武蔵小杉」 第1期は409戸 単価は330万円(2015/6/24)

三井レジ他「パークコート渋谷大山町」 低層住宅街の大規模 単価は470万円(2014/12/3)

デザインが企業・経営者、住宅を変える 三井デザインテックが第2回セミナー(2016/10/20)

コンドルが設計した「綱町三井倶楽部」を観た 三井デザインテックがセミナー(2015/10/22)

「麻布霞町」を超えるか 三井不レジ「パークマンション三田綱町ザ フォレスト」(2014/7/4)

カテゴリ: 2017年度
 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン