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〝やっとさー やっとさー〟宴会場で練習(住宅広報連絡会幹事・アキュラホーム堀越氏撮影)

 ハウスメーカー16社の広報担当者らで組織する「住宅広報連絡会」は8月19日、「南越谷阿波踊り」鑑賞会を兼ねた記者懇親会を行った。

 「南越谷阿波踊り」は、徳島県出身のポラスグループ創業者・中内俊三の呼びかけで始まった夏祭りで、今回が33回目。見物客は年を追うごとに増え、ここ最近は3日間で70万人を超える人気となっている。本場徳島県の「徳島市阿波おどり」と「東京高円寺阿波おどり」とともに日本三大阿波踊りの一つと言われている。

 記者懇親会はここ10数年恒例となっており、この日は44名が参加。飛び入りで踊る「にわか連」に参加するため、ポラスグループの女性広報担当者の鉦を合図に〝やっとさー やっとさー〟と千鳥足で男踊りの練習をしたあと、舞台会場へ繰り出した。あいにくの豪雨のため「にわか連」は中止になったが、その分だけ酒の量がみんな増えた。

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記者は参加しておりません(踊る阿保にも見る阿呆にもなれないのです)

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 記者は、この南越谷阿波踊りと高円寺阿波おどりをここ10数年欠かさず鑑賞している。見終わった後、いつも千鳥足で帰るのは酒だけのせいではない。

 とにかく女踊りが美しい。浴衣の裾よけ(けだし)は赤やピンクが多く、鉦や太鼓に合わせピョンピョンと跳ねるたびに白いふくらはぎが見え隠れする姿がなんとも妖艶だ。久米の仙人が神通力を失うのもよくわかる。深い編み笠からほのかにのぞくうなじや首筋も実に美しい。

 諸説あるが、〝小股が切れ上がった女〟とは、このうなじが美しい女性のことを言う説を記者は支持する。普段和服は首筋を隠して着るのに対し、阿波踊りの浴衣は遊女のように首筋を大きく開けて着るのが江戸の人に受けたといわれている。

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ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その4(フォトページ)(2017/4/29)

高円寺阿波踊りの有名連「江戸っ子連」RBAの交流会に友情出演 喝さい浴びる(2016/12/7)

3大阿波踊りの南越谷と高円寺を見続けて10年(2013/8/28)

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「天冠」のように「伐採」の張り紙が巻かれたユリノキ

 東急電鉄他が分譲中のマンション「ドレッセWIZEたまプラーザ」を見学した。その記事を書く前に、信じられない事態が進行していることを紹介する。「ユリノキ通り」「ユリノキ商店街」の名に記されているように素晴らしいユリノキが街路樹として植えられているのだが、そのユリノキが伐採されるというのだ。

 売れ行きがすこぶる好調の「ドレッセWIZEたまプラーザ」のモデルルームを見学するため、たまプラーザ駅北口からまっすぐ伸びるユリノキ通りを歩いた。

 ふと見ると、樹齢数十年と思われるユリノキの大木に「街路樹伐採のお知らせ」の張り紙が巻かれていた。1本や2本ではない。10本くらいはあった。樹勢が衰えているようには全然見えなかった。張り紙にはどうして伐採するかの理由は書かれていなかった。店先にユリノキが植わっている一軒の商店主は「張り紙が張られるまで知らなかった」と話した。

 街路樹を管轄する横浜市青葉区の土木事務所によると、ユリノキ通りの街路樹は土地区画整理事業によって40~50年前に植えられたもので、伐採するのは、〝倒木の恐れがあるから伐採してほしい〟という地元商店街の要望があったからだという。ユリノキの倒木事例は全国的に多く、たまプラーザでも過去に事例があると補足した。

 すべて伐採するには1千万円単位の費用が掛かるため、市ではとりあえず今年度は11本を伐採する計画だ。どの樹種に変更するかは未定。

 街のポテンシャルを構成する要因には美しい街並み・緑があるのではないかという記者の質問に、市の担当者は「その通りで、地元の方たちには全部伐採してもいいのか、『ユリノキ通り』『ユリノキ商店街』でなくなっていいのかと聞いたが、『それでもいい』という返事だった」と話した。伐採する告知はしっかり行ったという。

 また、「青葉区は市18区の中で飛びぬけて街路樹が多い。他区は4,000~5,000本なのに、青葉区は15,000本くらいある」そうだ。

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 市の現在の街路樹設置基準には、交差点から10m以内には高木を植えない、間隔は10m以上、枝葉が張るものは15m以上などと定められている。

 たまプラーザの「ユリノキ通り」は、明らかにこの基準に合致しない。歩測だが、間隔は7~9mくらいしかなく、大げさに言えば櫛比している。中層住宅街に植える樹木でないのも確かだ。

 しかし、だからこそ美しい街並みを形成しており、坪単価が400万円近くても売れるのがたまプラーザではないのか。

 記者は〝土地区画整理事業は都市計画の母〟と教わった。ユリノキ通り街路樹は植えられてから40~50年。ユリノキにしてみれば妙齢期だし、人間にとっても女性はもっとも美しくなる年齢だ。なのに〝疎ましい〟〝伐れ〟と言われる。

 〝ミンミンミン〟-ユリノキの巨木で鳴くニイニイゼミは〝都市計画の母〟の泣き声に思えてきた。あの張り紙は死者につける天冠か。

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たまプラーザ「ユリノキ通り」(左が建築中の「ドレッセWIZEたまプラーザ」)

またまた「街路樹が泣いている」 千代田区 街路樹伐採で賛否両論(2016/9/8)

 

 

 

 

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 キッズデザイン協議会は8月21日、子どもの安全・安心と健やかな成長発達に役立つ優れた製品・空 間・サービス・研究活動などを顕彰する「キッズデザイン賞」の第11回受賞作品298点を発表した。総理大臣賞など優秀作品は9月25日に発表される。

 応募総数は4,081点で、アプリ・IT・テクノロ ジー系の分野の応募が増加傾向にあり、教材・学習サービス部門の応募は昨年度の約3倍となった。

 住宅・不動産業関係では、積水ハウス(6点)、LIXIL(4点)、一条工務店(3点)、東急ホームズ(3点)、ミサワホーム(2点)、三井ホーム、住友林業、コスモスイニシアなどが選ばれた。

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 野村不動産アーバンネットは先に不動産情報サイト「ノムコム」(http://www.nomu.com/)の会員を対象とした「住宅購入に関する意識調査(第13 回)」の結果をまとめ、「不動産は買い時」との回答は41.1%と前回調査より3.5ポイント減少し、「不動産は売り時」と考える理由1位は「今なら好条件での売却が期待できるから」などと発表した。調査は、不動産の購入検討者であるノムコム会員に年2 回(1月・7月)実施しているもの。

 不動産の買い時感については、「買い時だと思う」「どちらかと言えば買い時だと思う」の回答が41.1%(前回比3.5ポイント減)で、2013年7月の63.3%と比較して22.2ポイント減少。この5年間で最低となった。

 一方、「買い時だと思わない」の回答が37.6%(同6.4ポイント増)で、この5年間でもっとも少なかった2013年7月の36.7%を0.9ポイント上回った。

 今後の不動産の価格については、「下がると思う」の回答が34.4%(同7.1ポイント増)となり、「上がると思う」の回答は22.9%(同0.3ポイント減)となった。

 売却意向のある人に不動産の売り時感について聞いたところ、「売り時だと思う」「どちらかと言えば売り時だと思う」を合わせ75.8%となった。その理由は「今なら好条件での売却が期待できるから」の回答が最も多く51.4%、次いで「不動産価格が上がったため」の回答が47.7%となった。

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 「不動産は買い時」感が過去5年で最低となったのは今のユーザーのムードを反映してはいるが、記者はこの種の「売り時」「買い時」調査をあまり重視しない。住宅を投資の対象にしている人や住宅に困っていない富裕層などはともかく、圧倒的多数派を占める住宅困窮者にとって「売り時」「買い時」などと考える余裕はないと考えるからだ。

 住生活基本計画における居住面積水準では子育て世帯の63.8%が最低居住水準以下・誘導居住面積以下となっており、その他、耐震性、住環境、最寄り駅からの距離、通勤時間などの不満を合わせれば、住宅困窮者は圧倒的多数派を形成する。

 このような層はいつも「買い時」であり、ステップアップが可能ならいつも「売り時」であるはずだ。

 「買い時」と感じていない人が増加しているというのは、それだけデベロッパーや不動産流通会社の提案力・需要喚起策が低下しているということだし、ユーザーの将来不安に対する解消策を示せない国の責任は大きい。

「分譲か賃貸か」の記事は“読まない書かない売らない”一般サラリーマンには「分譲か賃貸か」の選択肢などない(2012/2/29)

 

 

 

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「Refio成増」

 近鉄不動産は8月9日、同社のリノベーション賃貸レジデンス事業第一号物件「Refio成増」が完成したのに伴う報道陣向け内覧会を実施した。内外装に天然木をふんだんに用いデザインにこだわったほか、コミュニケーション不足になりがちな都会の単身生活に、入居者同士の情報交換、ライフスタイルの共有ができるよう1戸分を「コモンスペース」に充てるなど、かなり力を入れていることがうかがわれた。すでに全28戸のうち25戸が成約済みだという。

 物件は、東京地下鉄副都心線・有楽町線地下鉄成増駅から徒歩5分、板橋区成増1丁目に位置する4階建て全28戸。専用面積は21.76~25.93㎡。賃料は70,000~88,000円。建物は1992年竣工で、従前は近鉄グループが所有していた社宅。大規模修繕工事は近鉄ビルサービス。

 ブランド名「Refio」は、RenovationやRenaissance(再生・復活を表す)の〝Re〟とイタリア語の花を表すFioreの〝fio〟を組み合わせた造語で、「築年数の経った建物をリノベーションして、新しい花を咲かせるように再生させる」という意味が込められている。

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Before

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 「Refio成増」は敷地面積が約125坪、戸数28戸の規模しかない。取得に要した費用やリノベ費用がどれくらいかわからないが、近鉄グループホールディングスの売上高1兆2,048億円(平成29年3月期)、不動産事業の売上高1,521億円(同)億円からして微々たるものでしかないはずだ。

 にもかかわらず、わざわざメディア向け内覧会を行ったのは「今後も築年数の経過した物件を再生するリノベーション賃貸レジデンス事業を積極的に推進し ていきたい」(同社プレスリリース)という強いメッセージを発したかったからに相違ない。

 その意思がストレートに伝わってきた。居室の床は無垢材のフローリングとし、ベッドも備えている。また、入居者同士の親睦を深め交流会や友人を招いたホームパーティなどが行えるように、1戸分(25㎡)をつぶしてIHキッチン付きのコモンスペースを設置した。外壁にも大きな無垢材の壁を配した。同社によると1戸当たり300~400万円の費用をかけたそうだ。

 リノベーション事業は大手・中小が入り乱れて大激戦の様相を呈している。ここに近鉄不動産が参入した。これからどのような展開を見せるか。

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コモンスペース

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 それにしても、ここ数年の電鉄会社&グループ不動産会社の首都圏への攻勢がすさまじい。近鉄不はもともとマンションや戸建て・仲介事業を展開し来たが、最近は阪急不動産が凌ぐ勢いだ。京阪電鉄(不動産)も昨年は1,000戸を超えるマンションを分譲して話題になった。西鉄(不動産)も本格的に首都圏進出を決めた。

 攻め込まれている既成勢力の東急(不動産)や小田急(不動産)、西武(プロパティーズ)、京王(不動産)、相鉄(不動産)、京急(不動産)も指をくわえて眺めているわけではない。住宅だけでなくビルやホテル事業、その他生活関連事業を積極的に展開しだした。

 少子・高齢社会を迎え、鉄道事業だけでは伸びが期待できず、それこそ〝ゆりかごから墓場まで〟(福祉政策のことを言っているのではない)都市居住者のあらゆるニーズを取り込もうという戦略だ。不動産業界と比べてだが、潤沢な資金を背景にデベロッパーとの競争に拍車がかかる。首都圏が主戦場になる。

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居室

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 元週刊住宅新聞社社員と読者有志の小口出資によって設立された株式会社週刊住宅タイムズが「週刊住宅」を8月下旬から復刊する。

 同タイムズは、同新聞社の代理人弁護士との協議によって、有償で「週刊住宅」の譲渡を受けたもので、代表取締役には元週刊住宅編集長の山口卓哉氏が就任した。

 事務所は〒101-0061 東京都千代田区三崎町3-3-4 巴ビル2階 電話03-3234-2050 FAX03-3234-2070。

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 うれしいニュースが飛び込んできた。本日(8月10日)、取材先から戻ったら「週刊住宅」の復刊を知らせる封書が届いていた。実は、この日の午前中、取材先で「株式会社週刊住宅タイムズ 編集企画室 記者」の肩書が付いた名刺を女性記者Oさんから渡され、山口さんを含め記者3人と女性スタッフ1名で再出発することを聞かされた。飛び上がらんくらいにうれしかった。そして封書だ。二度おいしいグリコのようなものだ。

 山口さんとOさんとはいつも取材現場で一緒だった。もう一人のN記者とは取材分野が異なるのであまり話したことはないが、不動産金融分野で鋭い記事を書かれていた。そして何よりも女性スタッフのSさんには前職時代にいろいろお世話になった。

 新しい新聞は「週刊住宅」のロゴもそのまま引き継ぐそうだ。前途は容易ではないと思うが、お金以外のことなら何でも支援したい。それにしても代理人弁護士の方はなんと理解のある方か。元「週刊住宅」の記者としても感謝申し上げたい。

「週刊住宅」破たん わたしはこう考える ① (ハウスメーカー広報担当)

週刊住宅」破たん わたしはこう考える ②(デベロッパー広報担当)

「週刊住宅」破たん わたしはこう考える ③(不動産流通会社広報担当)

「週刊住宅」破たん わたしはこう考える ④(建築家)

 

 

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〝白雲なびく駿河台…おーお、明治〟百瀬恵夫・明大名誉教授の受賞を祝う会(京王プラザホテルで)

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百瀬氏と幸子夫人

 明治大学名誉教授の百瀬恵夫氏(82)が今年の春の叙勲で「瑞宝中綬章」を受章したことを祝う会が7月28日、都内のホテルで行われ関係者約300名が参加した。

 「瑞宝章」は公務などに長年にわたり従事し、成績を挙げた人に贈られるもので、百瀬氏は明大教授としての「教育研究功労」のほかに、中小企業の育成と協同組合の理論的支柱として実践に携わり、さらに沖縄泡盛の酒造協同組合の設立などにも深くかかわったことなどに対する「沖縄産業振興功労」の功労に対して綬章した。

 百瀬氏は、受章の喜びを「感無量」とし、「私の沖縄への思い入れは、特攻隊員として沖縄戦に参加し、捕虜になりながら生き残った兄の悲しみと、その兄に注いでくださった沖縄の方たちの限りない愛情に対する恩返し」などと語った。

 当日は、明大卒で元内閣総理大臣・村山富市氏や明大理事長・柳谷孝氏、同学長・土屋恵一郎氏、同校友会会長・向殿政男氏、明大時代の同級生で元衆議院議員・元厚生労働省副大臣・中野清氏など明大関係者のほか、百瀬氏の幅広い活動を示すように内閣府沖縄振興局長・槌谷裕司氏、明大卒で台湾 環球科技大学の創設者・許文志氏、協同組合ジェプラ理事長・大木勝志氏なども参加。

 発起人を代表して明大常勤理事で明大政治経済学部教授・飯田和人氏と明大評議員会議長で明治大学校友会相談役・山口政廣氏が挨拶した。沖縄県知事・翁長雄志氏からのメッセージも届いた。

 このほか、百瀬氏が会長として30数年間、継続して毎月1回「例会」を行っている「中小企業研究会」や、沖縄の自然保護、環境保全及び自然と人間との調和が全てに優先することを基本理念に掲げ、勉強会を行っているNPO法人OSI(沖縄環境・観光産業研究会)、さらに明大体育会柔道部明柔会(OB会)名誉顧問、明大マンドリンOB倶楽部最高顧問などを務めていることなどから各界から多くの関係者が参加した。

 百瀬氏は、明大マンドリンOB倶楽部の生演奏が行われる中、ほとんどすべての参加者の席を回り、ともに受章の喜びを分かち合った。

 参加者には記念品として、百瀬先生と篠原勲氏との共著「明大魂と人間力」、先生が作詞された「もののふ」「沖縄讃歌」のCD、川越菓匠「くらづくり本舗」の菊の紋章入りどら焼き、先生直筆「道」のオリジナルラベルの10年古酒泡盛「海乃邦」が贈られた。

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会場で披露された「瑞宝中綬章」額装

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 百瀬氏は来賓各氏からのお祝いの言葉を受けて、次のようなお礼の言葉を述べた。

 「感無量でございます。言葉になりません。本当にありがとうございます。もっとも尊敬申し上げている村山先生、怪我にも関わらず駆け付けてくださいまして本当にありがとうございます。皆さんにも心からお礼申し上げます」

 「私は長野県松本の生まれであります。9男2女の11人兄弟です。村山先生のご兄弟の数と一緒だと思います。

 私が5歳の時父親を、15歳のとき母親を亡くしました。(百瀬家は素封家だったそうだが、家計が一挙に苦しくなり)以来、私は高校も大学もいわゆる苦学生になりました。

 その中で守ってきたのは『人様に迷惑をかけるな、他人から後ろ指をさされるようなことはするな、教育が全て』という母親の教えでした。

 松本出身のわたしがどうして沖縄に力を入れるのか、たくさん質問がございます。その理由を少しだけお話しさせていただきます。

 私の5番目の兄は沖縄戦の終戦の直前(昭和19年)、沖縄に特攻隊員として行きました。『震洋』というベニア板で作られた一人乗りの魚雷艇に魚雷を積んで特攻攻撃をしました。

 幸か不幸か、その当時は他にもたくさんあったようですがエンジンの故障で『震洋』は不発となり、兄は米軍の捕虜、いわゆるPW(Prisoner of War)になりました。

 兄は、戦時下の沖縄を目の当たりにし、『沖縄の人たちは自分が生きるだけで精いっぱいなのに軍人にも一生懸命尽くしてくれた。このご恩は忘れられない。恵夫も何か沖縄の役に立ったらどうか』といつも聞かされていました。

 41年前、沖縄から講演の依頼がございました。私の専門は中小企業と協同組合研究ですが、沖縄(の会社)は99.9%中小企業、零細企業です。この沖縄の中小企業を救うのが私の使命と固く決意し、この30年間、ここ10年間はやや少なくなりましたが、毎月のように沖縄に参りました。

 わたしの沖縄への思い入れは、兄の悲しさと、沖縄の方々の限りない愛情に対するご恩返しだと思っているからであります。このことを評価してくださったのが内閣府の槌谷局長です」

 続いて百瀬氏は家族についても次のように語った。

 「家内は同級生であります。結婚する相手は同級生が一番いい。当たりはずれがないのです(爆笑)。私は的を外しません。私みたいな人間をうまく操縦してくれたのは女房です。皆さんご存知のように、私はやりたい放題をやってきましたが、女房の言うことだけは聞く。女房にとても感謝しています。

 私には2人娘がいます。婿が2人、孫が3人。すべて教職についています。家内も教職についておりましたので、家族は二人の背中を見て育っています。 

 これまでただ一つ、きつくみんなに言ってきたのは時間を守れということです。時間を守れない人間は約束を守らないと。これが私です。

 これからの残された人生は「利他」の言葉がありますが、人さまの役に立ちたい、ご鞭撻を賜り頑張ってまいります」

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百瀬氏

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 以下、百瀬氏の叙勲を祝う来賓各氏のあいさつ。

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乾杯の音頭を取った北野大氏と司会を務めた松永二三男氏(元日テレアナウンサー)

 明大政治経済学部教授・飯田和人氏 先生の今回の受章は中小企業とその協同組合の育成、沖縄の産業振興に貢献されたことに対する内閣府の推薦と長年の教育研究に尽力されたことに対する文科省からの推薦という2つの省からの推薦によるものです。

 私は8人の発起人の一人で、先生の後輩であります。今回の祝賀会には大学の最高決定機関から中小企業関係団体まで幅広い様々な分野の方々がいらっしゃいますが、大学の柔道部やマンドリンクラブなどスポーツ・文化分野からも大勢の方がいらっしゃっています。先生が様々な分野で指導力を発揮されたことが参加者の顔ぶれからもよくわかります。

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飯田氏

 明治大学評議員会議長・明治大学校友会相談役・山口政廣氏 先生は余分なことを話されない。単刀直入、ズバリと要所を指摘される。本質、核心をついた言葉をしかも心を込めて話される。

 この先生のお人柄と姿勢にわれわれが教えられてきた。

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山口氏

 元内閣総理大臣・村山富市氏 (車椅子から杖を突いて立ち上がり)こういうぶざまな格好で申し訳ございません。1週間前まではぴんぴんしていましたが、元気を出しすぎて踵を骨折してしまった。

 百瀬先生は大変ユニークな方で、私も評議員会などでお会いするのを楽しみにしていた。いつも遠慮なく発言されていた。その言葉に敬意を払っていた。なくてはならない存在。これからも大学、社会のために活躍していただきたい。

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村山氏

 内閣府沖縄振興局長・槌谷裕司氏 先生の教育研究の功績は山ほどあるようですが、(これまで受章されなかったのは)勤続年数が足りなかったということのようです。いかにもお役所的と言われそうですが、そこで我々内閣府は文科省にお口添えをいただき、それなりに忖度いたしまして、一計を案じて今回の受章につながったわけでございます。

 今年は沖縄復帰45周年の節目の年ですが、叙勲が間にあったことと、宮中で今上陛下に叙勲者代表としてお礼の言葉を言上されたことをともに喜びあいたいと思います。沖縄の地場産業の育成や泡盛の普及などに尽力された。先生は沖縄版アベノミクスだと思います。

 ここで一句。「恵夫飲む クースで広がる 好景気」

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槌谷氏

 沖縄県知事・翁長雄志氏(代理 沖縄県東京事務所長・比嘉徳和氏代読) 知事は岩手県の全国知事会議に出席のため、私が熱いメッセージを預かりましたので代読させていただきます。

 先生は沖縄県の中小企業の発展、とりわけ生コン業界の経営に対する指導、助言に多大な尽力をされました。

 また、県の重要な地場産業である泡盛の普及のため紺碧会の会長を長年務められ、在京県人会ネットワークの構築にも多大な貢献をされております。

 今回の綬章はご自身の栄誉であることはもちろんのこと、県民関係者の誇りでもあります。深く敬意を表するとともに心からお祝い申し上げます。

 今後とも高い見識と豊かな経験を生かし、後進の育成と県勢の発展にご支援賜りますようお願いいたします。

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比嘉氏

 明大理事長・柳谷孝氏 叙勲の記念品の一つとして渡されている篠原勲先生と百瀬先生の共著「明大魂と人間力」(第三企画出版)を拝読いたしましたが、キーワードであるオンリーワン、モノノフ、武士道精神は実は先生の人生そのもの。国内外の明大の講演などのゲストとして依頼が多いベスト3を私の独断と偏見で選べば、まず百瀬先生、次に北野大先生、そして土屋学長と言いたいのですが、土屋学長は公務でありますので除外しますと、マンドリンOB倶楽部であります。

 先生の古武士然とした姿が大好評でして、そして「筋を通せ」「卑怯を許すな」「悪いことは悪い、正しいことは正しい」「覚悟を持て」というメッセージが共感を呼ぶのであります。

 先生にはこれからも明大の建学の精神を未来に引き継いでいただきたい。

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柳谷氏

 明大学長・土屋恵一郎氏 昨日、800名くらい入る明大リバティホールで坂東玉三郎さんと対談したのですが、坂東さんと百瀬先生は共通するものがある。そこにいるだけで花がある、存在感があるということです。これほど存在感がある人は先生を除いていません。

 先生と私は悪縁の関係。私は法学部出身、先生は政経学部。学内では法学部と政経学部はいつも選挙などで反対側にいる。先生の悪口をいうとわっと沸くのです。

 ところが先生は私のことを気に入ってくれているようでありまして、悪口を言わない。私の名前は「恵一郎」ですが、先生は「恵夫」。先生は「土屋はいいやつだ。恵という字がついている人間には悪人はいない」とおっしゃる。ご自分のことだろうと思うんですが(笑)。

 歳を経るごとに人間の花を咲かせる、これが誠の花です。男ここにあり、それが先生です。皆さんとご一緒に確認しましょう。

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土屋氏

 明大校友会会長・向殿政男氏 私の名前は「向殿」ですが、先生は〝バカ殿〟と呼ばれる。実に口が悪い。しかし、先生ほど信念を持っていらっしゃる方は明大にいません。言いづらいことを平気で言う。度胸がある。これは信念がないとできないことです。

 先生がお書きになった本にも「人間力」が出てきますが、無骨でもいい、迎合しない、正しいことは正しいとはっきり言う、これが明大の精神です。これを先生は体現されている。これからも明治の柱として頑張っていただきたいと思います。

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向殿氏

 元衆議院議員・元厚生労働省副大臣・中野清氏(明大時代の同級生) 先生は私の生涯の誇りであります。先生には市会、県会、国会議員として38年間、先生のお世話になった。特に中小企業政策、金融政策について大きな教えをいただいた。以前の金融政策論は貸し手側から書いたものばかりでした。例えば銀行。天気のいいときは金を貸すが、雨が降れば傘を取り上げる、そんな金融行政は間違いだと先生はおっしゃった。借り手側から考えないといけないと仕込んでいただいた。改めてお礼を申し上げたい。

 余談ですが、私の長男は明治に入れなくて他に入ったのですが、孫がやっと法学部に入れてもらった(爆笑)。

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中野氏

 台湾 環球科技大学の創設者・許文志氏 百瀬先生と伊藤(正昭)先生は私の恩師です。百瀬先生は1960年代以降の台湾の発展に大きな影響を与えられました。2004年以降、324名の学生がマスターコースで百瀬先生と伊藤先生の講義を受け、683名の東南アジアの国際学生が講義を受けました。

 もう一つ、2005年から今日まで台湾の5カ所で明大マンドリンOB倶楽部の演奏会が行われました。これは台湾の音楽史に残る珍しいものです。

 先生は日本と台湾をつなぐ経済・教育・文化の民間大使です。

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許氏

 協同組合ジェプラ理事長・大木勝志氏 先生に1987年(昭和62年)、包装資材ディーラーの協同組合ジェプラ設立時に顧問として参画していただいてから30有余年。売上高は当時300億円から現在700億円の企業体になり、数年前の株式会社設立へと至っています。これが先生の指導の証です。

 人間力を基盤に相互扶助の精神をど真ん中に据え、会員の人格を尊重し、組合の経済的、社会的地位の向上を目指してきました。われわれは中小企業と協同組織のシンボルだと自負しております。

 先生を長年観察しております私の「人間・百瀬恵夫」像を一言で言わせていただければ、学者の域を超越しているということです。

 「バカヤロウ」の毒舌の裏にはものごとへの確信と人への愛、思いやり、心配りがあります。文武両道、行動力と実行力、徹底した現場主義は高邁な理論の裏付けがあります。さらに付け加えるなら、一線は超えないが女性が泡盛と同じくらい大好き-こんな人は先生以外いません。「人間力」そのものです。

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大木氏

 第三企画社長・RBAインターナショナル会長・久米信廣氏(中締め挨拶) 先生は多くの俊秀を育てていらっしゃいましたが、私は俊秀でも何でもありません。しかしながら、私は先生の弟子の一人として、先生を思う気持ちにおいては人後に落ちないと自負しております。

 先日、先生から(文化勲章受賞者)平櫛田中の書の扁額を頂戴しました。『今やらねば いつできる、わしがやらねば だれがやる』という言葉が書かれています。先生からの叱咤激励の声そのものであり、ありがたく頂戴いたしました。そのとき、先生から『平櫛田中の旧姓は〝たなか〟。平櫛家に養子に入ったとき、旧姓を取り入れて田中と名乗った』というお話しもお聞きしました。そこで、『私は先生の養子ではありませんが、百瀬久米(きゅうべい)と名乗らせてください」とお願いしました。田中をでんちゅうとしたように、久米をきゅうべいと読み直したのですが、先生はこころよくご了承くださいました。本当にありがとうございます。

 私は先生の最後の弟子を自認しております。最後というのは『今現在も弟子であり続けて教えを受けている』という意味であります。

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久米氏

明大 柔道部 メダリストも勢ぞろい

〝文武両道 全うできたのは先生のおかげ〟吉田氏

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左から園田氏、百瀬氏、小川氏

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左から小川氏、吉田氏、海老沼氏

百瀬氏受賞に花添える明大マンドリンOB倶楽部

古賀メロディーなど1時間近く熱演

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女性にも人気〝でも一戦も交えておりません〟

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〝はい、バター〟〝はい、チーズ〟〝はい、キムチー〟

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「感謝の言葉以外ございません」幸子夫人

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百瀬氏ご家族の皆さん

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 百瀬氏はお礼のあいさつで〝兄の悲しみ〟〝沖縄の人への恩返し〟を語った。兄の悲しみとは戦争に対する憎しみであり、怒りだ。沖縄への恩返しとは、沖縄戦で14万人もの民間犠牲者を出し、その後も様々な犠牲・格差を強いられてきた不公平に対する憤りであり、社会的弱者に対する愛だ。

 以下、2005年(平成17年)2月7日発行の「RBAタイムズ」百瀬恵夫特集号の1部を紹介する。

百瀬教授を沖縄に駆り立てる愛と憎しみ

「生きて虜囚の辱めを受けた」兄への複雑な想い

 百瀬氏を沖縄に駆り立てるのは「生きて虜囚の辱めを受けた」実兄(87)への複雑な想いだ。一言でいえば、戦争に対する憎しみと肉親への愛だ。

 お兄さんは、日本軍の敗色が濃厚だった昭和19年、命と引き換えに米軍艦に突撃する魚雷艇・震洋の搭乗員として死地の旅についた。

 ところが、当時の日本軍の魚雷艇はベニア板製で、エンジンの性能も低く、事故や誤爆で本来の目的を達成できたものは少なかった。成功率は1割で、死亡率は9割と言われている。お兄さんの魚雷艇も体当たりできずに負傷、米軍の捕虜となり終戦を迎えた。

 命からがら帰ってきた故郷・長野県松本市でお兄さんを待ち受けていたのは、住民の冷たい視線だった。長野県でただ一人生きて帰ってきた特攻兵を見ようと、至るところから〝見物人〟が訪れた。

 当時10歳の百瀬氏も「軍国教育を受けていた私も、兄は返ってこなかったほうがいいと思った」そうだ。

 「生きて虜囚の辱めを受けた」お兄さんは、「生きて帰ってきて恥ずかしい。死んだほうがよかった」と自殺を図る。が、死ねなかった。

 その後、お兄さんは警察予備隊(のちの自衛隊)に入り、現在も健在だ。

 百瀬氏は「沖縄に来るよう何度も兄を誘ったが、本人は首を縦に振らなかった。兄を見ていると、悲惨な戦争はあってはならないとつくづく思う」と語る。

 (後略)

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金融排除問題がわが国でも浮上する可能性(2013/9/25)

「〝福島原発〟ある技術者の証言」著者・名嘉幸照氏がリスク管理を語る(2014/12/18)

武士道精神で日本再生を図ろう 「武士道と体育会系」出版を祝う会(2012/11/9)

 

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最後の屋根の組み立てを行う昭和女子大の学生

 昭和女子大学の学生が8月2日~4日、地震に強く合理的なツーバイフォー工法による実際の建築作業に挑戦した。生活科学部環境デザイン学科中山榮子教授の「枠組壁工法を用いて自分たちの手で建物を建ててみよう」プロジェクトのキャンパス内の実習で、建築を学ぶ2、3年生14人が参加。床の製作(2日)から壁の製作・立ち上げ(3日)、屋根の製作(4日)まで、フレーマーの指導を受けながら3畳大の平屋建てを完成させた。

 女子大学でこのような実習を行うのは初めてで、日本ツーバイフォー建築協会(2×4協会)が建材やフレーマーの手配に協力した。

 同大学では、建設業界を目指す女子学生にとって、工法や技法を学びながら、建築現場を体験する貴重な機会となると企画した。中山教授は「一人も怪我なく無事終了した。楽しそうに作業してくれたのがうれしい。楽しくなければ前に進めない。みんな建築士を目指してほしい」と語った。

 同協会は、ツーバイフォー工法に関心を持ち、工法に関する理解を深めてもらうことを目的にこの種の取り組みを行っている。

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完成した建物

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 最終日の4日、取材した。作業開始は午前9時30分。朝が弱いのか、連日の作業で疲れ切っているのか、はたまた建築現場ではありえない各人各様の姿であるせいか、元気がないように映った。

 大丈夫かと不安になったが、作業に入ると不安は一掃された。彼女たちは生気がみなぎっていた。フレーマーの指示に従って数人が同時に釘を打つ「カン、カン、カン」の音が周囲を圧した。指導したフレーマーは「初めてにしてはみんなよくできた。100点満点で60点」と合格点を出した。

 午後4時に作業は終了。完成した建物を背景にした記念撮影では笑顔がはじけた。

 作業をやり遂げた学生は「手の皮がむけた」「手に豆ができた」「場所によって釘の長さや間隔がきちっと決められているのを改めて知った」「わが家と違い、柱がないので強度が保たれることがよく分かった」などと話した。

 そのそばを、カラン、コロンと爽やかな下駄の音をさせながら渋谷のイベントに参加するカラフルな浴衣姿の学生が手を振りながらたくさん通り過ぎて行った。

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作業前の準備体操(左)と組み立て方法を教えるフレーマー

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釘打ち作業

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キャンパス内の「昭和の泉」

「女性のほうがコミュニケーション能力高い」 「じゅうたく小町」参加者の声(2017/5/31)

“女性だからこそ”安心・安全の居住環境づくりを 女性建築士が全国大会(2015/3/2)

 

 

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「Intelligent Logisticsの実現に向けた大和ハウス工業の取り組み」セミナー(同社東京本店大ホールで)

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浦川氏

 大和ハウス工業は8月3日、物流業務の効率化および有効活用、今後の物流戦略について課題をお持ちの企業向けに「Intelligent Logisticsの実現に向けた大和ハウス工業の取り組み」と題するセミナーを開催。約300名が参加した。

 同社取締役常務執行役員 建築事業担当・浦川竜哉氏がIoTを活用したマルチテナント型物流センターDプロジェクト流山を紹介したほか、フレームワークス代表取締役社長・秋葉淳一氏、GROUND代表取締役社長・宮田啓友氏、Hacobu代表取締役・佐々木太郎氏、アッカ・インターナショナル 代表取締役社長・加藤大和氏がそれぞれ物流センターの高度化、物流ロボット活用、物流ソリューションの未来像などについて語った。

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 先日、三井不動産が行ったロジスティクス事業に関する記者発表会に大勢のメディア関係者が詰めかけた。今回は企業向けセミナーではあったが、用意された約300席はほぼ満席。関心の高さに驚いた。

 浦川氏が紹介したDプロジェクト流山は、Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ全体で約20万坪、総延床面積は約30万坪にのぼる規模。そのうち4階建て延床面積約45,000坪のⅠは来年2月に竣工する。物流タウンの実現を目指す。

三井不動産 ロジスティクス事業拡大28棟、延床240万㎡、投資額4,000億円に(2017/7/20)

 

 

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 「4人家族が幸せに暮らす住宅の広さは89㎡」-こんなアンケート調査結果を不動産情報サービスのアットホームが7月31日、まとめ発表した。

 首都圏で暮らす夫婦二人と子ども二人の4人家族628 名を対象に行ったもので、「4人家族が幸せに暮らす」には、少なくとも89㎡必要との回答があった。もっとも多かったのは「80~100㎡未満」で28.9%、以下、「100~120㎡未満」22.1%、「60~80㎡未満」21.6%だった。「120㎡以上」も全体で13.7%を占めた。間取りは4LDKが40.8%ともっとも多く、3LDKLが次いで33.6%だった。

 リビングの広さについては、10畳大~15畳大と答えた人が47.8%。「駅徒歩の限界」平均は18.4分、「通勤時間の限界」平均は57.1分、「年収」平均は882.5万円、「子供との会話時間」平均は68.7分、「夫婦の会話時間」平均は53.8分だった。

 「父親がやるべき家事」1位は「ゴミ出し」、「母親がやるべき家事」1位は「料理」、「子供がやるべき家事」1位は「食器を流しに運ぶ」だった。

 「必要最小限の設備・仕様」では、トップが「独立したバス・トイレ」の89.3%、以下「エアコン」87.4%、「インターネット回線」79.5%、「追い炊き機能付きバス」70.1%、「2口以上のコンロ」69.3%、「駐車場」68.9%、「モニター付きインタホン」61.3%など。「食洗機」は32.6%、「床暖房」は31.2%、「オートロック」は29.3%だった。

 「どんな住まいでも愛さえあれば幸せに暮らせる」と回答したのは33.0%で、現在の住まいが4人家族にとって最低限必要な条件を「満たしている」という人は約8割にのぼった。

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 いつも面白いアンケートを行う同社だが、今回は「幸せに暮らせる」というテーマは非常にいいが、そもそも「幸せ」とは何かを問うものでないので、回答は極めて常識的なラインに落ち着いたような気がする。個人的には100㎡が4人家族の理想の住宅の広さだとずっと考えてきた。

 「愛があれば」が33%にとどまり、現在の住まいが必要最小限の条件を満たしている人が8割に達したのには驚いた。8割の人は本当に「幸せか」、愛はあるのかないのかも聞いてほしかった。

 全体的には、ものすごく保守的で自己肯定的、現状是認型の人が多い世相を反映していると思う。

 出勤の行き帰り、いつも「お前、幸せかい」と声を掛けあっていた野良猫の姿が見えなくなって久しい。

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