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「デュオヒルズつくばエンブレム」完成予想図

 フージャースコーポレーションが5月下旬に分譲するマンション「デュオヒルズつくばエンブレム」を見学した。つくば駅近の最後に残された一等地に立地する免震工法による352戸の規模で、デザイン監修は建築家の光井純氏。

 物件は、つくばエクスプレスつくば駅から徒歩4分、つくば市吾妻1丁目に位置する20階建て全352戸(他に管理事務室1戸、ゲストルーム1戸、フィットネスルーム1戸、キッズルーム1戸)。専有面積は75.79~100.40㎡、価格は未定だが、坪単価は170万円台にとどまる模様。竣工予定は平成29年2月下旬。施工は長谷工コーポレーション。

 現地は、つくば駅圏の一等地。計画的に整備されたセンター地区の一角にあり、オークラフロンティアホテル、常陽銀行、つくば中央警察署、大清水公園、筑波合同庁舎などが隣接・近接。周辺はペディストリアンデッキでつながれており、駅まで車道を通らず移動できる。

 建物は、つくば駅圏では初の免震工法を採用、デザイン監修は、都市的デザインが特徴で、多くの人気マンションを手掛けている光井純氏。ファサードは白の大きさがそれぞれ異なるフレームを縦横に配置して端正な表情を演出している。

 住戸プランはほとんどがファミリー向けで、高層階の天井高は2.8m(他は2.5m)、駐車場は100%自走式。

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 価格がいくらになるか注目していたが、かなり抑制気味で、第一次取得層向けをターゲットにしていることがうかがわれる。もう少し設備仕様のグレードを上げてもいいのではないかと率直に思ったが、マンション価格高騰の波はまだつくばには届いていないことを考慮したのかもしれない。

 光井氏を起用したのもいい。つくば市民に光井氏の実績がどう評価されるか分からないが、これまでの作品とはやや趣が異なる。同社が数年前に分譲した「府中」も光井氏がデザイン監修しており、今回が2物件目。

 国はつくば市内の公務員宿舎約2,500戸を処分することを決めており、その受け皿の一つとして注目されるのは間違いない。単価が低いことから、他の物件への影響は必至だ。

つくばの一等地 タカラレーベン「レーベン・ザ・TSUKUBA」が人気(2014/4/14)

カテゴリ: 2015年度

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「ウエリボ」くん(マンション模型の前で)

 NTT都市開発、日立ライフ、長谷工コーポレーションの3社は4月30日、現在分譲中の3社JVマンション「ウエリスつくば竹園」の案内係にロボットを起用すると発表。ロボットクリエーターの高橋智隆氏が開発した人を認知し、音声にも反応し、話もできる「ウエリボ」くんで、集客力アップに関係者らの期待は大きい。5月1日からマンションギャラリーで採用される。

 「ウエリボ」は、NTT都市開発のマンションブランド「ウエリス」とロボットを合わせた造語で、挨拶ができ、簡単な会話も交せるスグレモノ。

 物件は、つくばエクスプレス「つくば」駅より徒歩15分、茨城県つくば市竹園3丁目に位置する14階建て全327戸。専有面積は71.10~130.33㎡、坪単価は140万円。竣工予定は平成28年5月下旬。施工は長谷工コーポレーション。今年3月から分譲されており、約30戸が契約・申し込み済み。現地は公務員宿舎跡地。

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高橋氏と「エボルタ」くん

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 タレントならいざ知らず、ロボットがマンションナビゲーターを務めるというのは業界初で、この機会を逃してなるものかと、記者は発表会におっとり刀で駆けつけた…つもりだったが、思わぬ事故が重なったため、1時間近く遅れてしまった。会はほとんど終了時に差し掛かっていた。

 あせった記者は、「ウエリボ」くんが他の記者に愛嬌を振りまいているところに割り込み、「こっち向いてよ」とカメラを構え数10センチの近くから大きな声で呼びかけた。そのとたんウエリボくんはそっぽをむいた。声が聞こえなかったのかとまた声を掛けたが、また無視された。

 機嫌が悪かったのだろう、たかがロボットだろうとその場はあきらめた。そして高橋氏の一人トークセッション。高橋氏は自身が開発した「キロボ」を宇宙に送り込み、「エボルタ」でグランドキャニオンの登頂とルマン24時間完走に成功し、「ロボカップ世界大会」で5連覇を達成したロボット研究の第一人者だ。

 何を話すのか興味深く聞いていた。とくにキロボが宇宙から生還したときの第一声に注目した。「地球は青かった」を超える声を期待したのだが、何とキロボくんは「地球は青色LEDのようだった」としか発しなかったそうだ。

 先の記者を無視したことと、地球生還の第一声に落胆した記者は、高橋氏に食って掛かった。「わたしみたいな年寄りにはそっぽを向くのか。地球は青色LEDと似ているなどありきたりの言葉しか発せないその程度の想像力か、つまり高橋さんを超えることはできないのか」と。

 高橋氏答えて曰く。「肌の露出度の多いほうに反応するようにプログラミングしている。言葉はわれわれスタッフが考えたことで、残念ながらロボット自身がそれ以上のことを発することはできない」

 そこで納得。記者が醜いからそっぽをむかれたのではなく、カメラを構えたままで声をかけたのがいけなかったということだ。肌の露出度の大きいほうに反応するということは(記者もそうだし高橋氏もそうだろうと思うが)、ウエリボくんは女性が好きで、しかも表面積が大きいぽっちゃり型に鋭く反応するようだ。美醜を分けるのかは聞き逃した。

 語彙不足もやむを得ない。人間を超えたらそれはそれで恐ろしい。「バカ」などと返したら袋叩きにあいかねない。

 ひょっとしたら、関係者の入れ知恵で「ココハサイコウ」「カクヤス」「トチダイガタダデモコンナヤスネデハブンジョウデキマセンヨ」などと宣伝しないのか心配になったので聞いたら、「宅建の知識は認識していませんが、法令違反のないよう教えます」(NTT都市開発広報)とのことだった。

 記者は俳優・タレントが出席したマンション発表会はかなり経験しているが、今回のウエリボくんは世代を問わず人気が高い米倉涼子さんとか福山雅治さんクラスだと思うがどうだろう。販売を担当する長谷工アーベストの責任者O氏も格好いいが、やはり知性と体力では比較にならない。O氏は「ウエリボくんが集客してくれたら、物件特性はわたしに任せてください」と話したので大丈夫だろうが。

 高橋氏はトークセッションで「5年以内に一人一台小型ロボット端末を持ち歩く時代がくる」と衝撃的な発言をした。

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 発表会に1時間近く遅れたのは、この日事故があった東武伊勢崎線の電車内で1時間近く缶詰にされたのと、つくば駅に降りてから早く会場にたどり着こうとタクシーに乗ったのがいけなかった。現地までの地図を運転手に渡したにもかかわらず、その運転手は何を勘違いしたのか、タカラレーベンの建築中の前を通り過ぎたまではよかったが、左に曲がるべきところを右に曲がり、なんと完売しとっくに閉鎖されているタカラレーベンの販売事務所で「ここ」と降ろし走り去った。そこからまた20分くらい歩かされた。

 こんなことをやっていたら、外国人やロボットに職を奪われることになる。不動産流通近代化センターは呼称を変更し「近代化」はなくなったが、10数年前「近代化」の名称を変更したタクシー業界はまた「近代化」を復活したほうがいいかも。

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「ウエリスつくば竹園」完成予想図

カテゴリ: 2015年度

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「Brillia 日本橋三越前」

 「Brillia THE TOKYO YAESU AVENUE」と同じビルにモデルルームを設けた東京建物「Brillia 日本橋三越前」を見学した。

 物件は、東京メトロ銀座線三越前駅から徒歩6分、または東京メトロ日比谷線小伝馬町駅から徒歩2分、中央区日本橋本町3丁目に位置する12階建て44戸。専有面積は51.21~72.75㎡、価格は未定だが、坪単価は380万円強になる模様。竣工予定は平成28年10月下旬。施工は飛島建設。販売開始は6月下旬。

 現地は、先に完売した野村不動産「プラウド日本橋三越前」と目と鼻の先。元問屋街の一角。

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リビング・ダイニング

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 同社の女性を中心とした商品企画プロジェクトチーム「Bloomoi(ブルーモア)」のアイデアがふんだんに盛り込まれたマンションだ。意表をつく提案が随所に施されている。

 まず、「おそうじ浴槽」。浴槽に洗剤入れが付いており、洗剤を入れるだけで自動的に浴槽を洗う機能付きのものだ。担当者の話をよく聞いていなかったので、てっきり浴槽に浸かるだけで身体を洗ってくれるノーベル賞級の発明かと思ったが、そうではなかったのは残念だが、これはいい。主婦(主夫)の家事労働の負担を軽減してくれる。どこのメーカーか知らないが、ここまでやるなら浴室全体を自動的に洗う商品を開発すべきだ。

 プレミスト機能付きの便座もいい。便座に座るだけで便器にミストが噴(糞?)霧され、汚れが付きにくいものだという。これも掃除する人でないとそのよさは分からないはずだ。

 部屋干しスペースにもなる床に人工芝を張り、天井に物干しポールを設置したコンサバトリー(サンルーム)も業界初の提案だろう。パターの練習もできる。

 これらよりすごい提案は、土間スペースの提案だ。狭い空間に多目的に利用できるスペースを確保した大胆なアイデアがいい。

 もう一つ、玄関から直接キッチン、居室、趣味室に入れるよう工夫したプランもいい。逆梁を巧みに利用してカウンターをキッチン、リビング、居室に設けているのもなかなかのアイデアだ。

 ただ一つ気になることがある。最近の若い女性の間にはお酒を飲みながら調理をすることが流行っていると「Bloomoe(ブルーモア)」の責任者から聞いたが、これって単なる〝キッチンドランカー〟ではないのか。酒を飲みながら調理したら味など分からなくなるし、アル中にならないか。記者はそんな女性を何人も知っている。

 野村不動産の「プラウド日本橋三越前」に勝てるかどうかは書かない。これはユーザーが判断することだし、そんなことを書いたらそのうちにマンションの取材などできなくなってしまう。

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キッチンからリビング・居室の方向

驚!問い合わせ4500件突破 「プラウド日本橋三越前」(2015/2/27)

 

カテゴリ: 2015年度

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「Brillia THE TOKYO YAESU AVENUE」 

  東京建物は4月24日、東京駅徒歩圏初のタワーマンション、旧キリンホールディングス本社跡地プロジェクト「Brillia THE TOKYO YAESU AVENUE」と、同社の女性社員が中心の商品企画チーム「Bloomoi(ブルーモア)」の声を反映させた「Brillia日本橋三越前」のモデルルーム見学会を行った。

 双方とも見どころいっぱいのマンションだが、「日本橋三越前」より「東京駅徒歩圏初」の話題性と駅力に敬意を表して前者から先に紹介する。

 「Brillia THE TOKYO YAESU AVENUE」は、JR東京駅から徒歩16分、またはJR京葉線八丁堀駅から徒歩1分、中央区新川2丁目に位置する30階建て全387戸。専有面積は40.93~120.08㎡、価格は4,000万円台~2億円台、坪単価は450万円の予定。設計・施工は三井住友建設。管理は東京建物アメニティサポート。竣工予定は平成29年11月上旬。事業主は同社(事業比率80%)のほか三菱地所レジデンス(同20%)。

 物件の特徴は、何と言ってもまず東京駅から歩ける初の大規模タワーマンションであること。敷地面積は約3,000㎡。総合設計制度の適用を受け、地区の建築物の高さ規制(38m、または50m)を大幅に超える100mを実現。敷地の約50%を公開空地とするとともに、1階の外壁の半分近く約200㎡を壁面緑化した。建物は免震工法を採用している。

 昨年12月から物件ホームページを開設しているが、これまでに中央、港、江東区居住者を中心に資料請求は約5,000件にのぼり、4月25日のモデルルーム見学予約数は1,000件を突破している。

 コンパクトタイプは10%くらいで、海外からの投資は少ないという。「目黒」との競合もあまりないというのもうなずける。需要層は異なるはずだ。

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エントランスロビー

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 まず、坪単価から。記者は同社の「目黒」が坪600万円と聞いてから羅針盤を失った船のように相場観が狂ってしまった。

 なので自信はないが、見学前は坪480万円と予想した。「東京駅徒歩圏」と考えれば「目黒」をはるかに上回るだろうが、「八丁堀駅圏」とみれば、他の中央区の晴海などのタワーマンションと比較すればそんなに高値は付けられないし、同社はそこまで強気の価格設定はしないと読んだ。

 さて、本日の見学会。28階、29階の100㎡以上(18戸)プレミアム住戸でも坪単価は600万円、平均で450万円というのは新価格ではあるが、記者予想を下回った。相当安いと思った。

 規模が異なり、ランドスケープが素晴らしい「目黒」とは単純比較はできないが、住戸の設備仕様はこちらが上だと思った。キッチン天板はアフリカ・アンゴラの貴重な御影石「ステラブル」で、バックカウンターも標準装備。リビングドアなどは突板の浮造り仕上げ。天井高は2600㎜以上。他の標準タイプもキッチン天板はカナダの「カレドニア」御影石を採用しており、全体的にグレードは高い。

 キッチンも特徴の一つ。「Bloomoi(ブルーモア)」とキリンビールの女性社員とが「働く女性がもっと幸せになる住まい」グループインタビューを実施して編み出したのが「お酒が楽しめる空間」だ。3種のプランが提案されていた。バックカウンターも3種とも無償でセレクトできる。

 これは取材する時間が少なかったのでよく分からなかったが、女性も「(調理をし)ながら飲む」のが流行っており、その空間を提案したという(キッチンドランカーとどう違うのかは不明)。そのうちの「スマートスタイル」は天板の立ち上がりを30㎝強とり、様々な調理アイテムが収納できるように工夫されていた。これはいい。

 共用部分のデザインでは、今をときめく今井敦氏や2016年竣工の銀座松坂屋再開発「銀座6丁目プロジェクト」の使用行施設の内装デザイナーに決定しているグエナエル・ニコラ氏などを起用。力が入っていることが伝わってくる。

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壁面緑化

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 「丸の内」と言えば三菱地所であるように、「八重洲」と言えば東京建物だ。お膝元であるだけに、相当力が入っていることが伝わってくるマンションだ。それを示す余談をいくつか。

 まず、壁面緑化。200㎡という面積がどの程度のものか示すデータはないが、仮に高さを2mとすると100mだ。これほど大きい壁面緑化を施したマンションはまずないはずだ。

 販売センターは、グエナエル・ニコラ氏がデザインしたエントランスロビーをそのまま再現したもので、これもなかなかいいのだが、記者が驚いたのは報道陣にふるまわれたお茶だった。

 どこのマンション見学会でもお茶や水がふるまわれ、たまに「ボルヴィック」「エビアン」なども出されるが、ほとんどはペットボトルだ。今回もお茶のペットボトルだったのだが、いつものとはラベルが異なっていた。「キリン別格日本冠茶」(かぶせちゃと読むそうだ)とあった。

 記者は普段ペットボトルのお茶など飲まないし買ったこともないので、このお茶がどのようなものか全く分からなかった。すでに1.8キロ入りの水のペットボトルくらいはありそうな重いパンフレットをもらっていたので持ち帰るのも嫌だったが、いくらするのか調べようと持ち帰った。若い女性にあげたので飲まなかったが、普通のお茶の1.5倍くらいの216円だった。

 マンション建築費は数年前と比べ1.5倍くらいに上昇しているが、まさか同社はこのお茶の上昇分を分譲価格に上乗せしていないだろう。単価の安さからすれば、ひょっとしたらキリンからただでもらったものかもしれない。

 そういえば、おなじみずほグループの大成有楽不動産の「品川勝島」マンション見学会では〝“コーヒーメーカーのフェラーリ〟と呼ばれる「LA-CIMBALI(ラ・チンバリー)」で淹れたコーヒーを頂いた。マスコミ対応でも双方は競っているのか。

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ゲストルーム

カテゴリ: 2015年度

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「クレヴィア大船」完成予想図

 伊藤忠都市開発が先にニュースリリースした、新しいバルコニー空間「アウタールーム」を導入している第一弾マンション「クレヴィア大船」を見学した。すでに1組のお客さんが購入希望とか。親子隣居のニーズはあるはずで、他のマンションでも採用できそうだ。

 物件は、JR京浜東北線・根岸線本郷台駅から徒歩11分、横浜市栄区笠間五丁目に位置する5階建て全59戸。専有面積は64.05~74.86㎡、価格は未定だが坪単価は200万円強になる模様。竣工予定は平成28年2月下旬。施工は石黒建設。販売代理は伊藤忠ハウジング。

 「アウタールーム」とは、一般的なマンションのバルコニーは奥行き約1.8~2.0mで、隣の住戸との間には隔て板を設けているのに対し、図のように隣り合う住戸のバルコニーの隔て板を設置せず、双方の住戸をバルコニー空間でつなぐというもの。これにより、親子世代の「つかず、離れず」の関係が保たれるという。

 今回採用するのは、最上階タイプの6戸3組。モデルルームにも採用しており、バルコニー面積は幅約2.7m×奥行き約3.25m。双方を繋ぐと約17.55㎡(5.3畳大)の空間になる。

 設備仕様は、食洗機、ミストサウナ、床暖房が標準装備。

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 この種の隣居型提案は真新しいものではない。記者がよく覚えているのが、東急不動産がバブルのころに分譲した「プレステージ磯子」だ。1戸1億円以上した。分譲開始後バブルがはじけ、販売には苦労したはずだ。

 もう一つは、20年くらい前に洋伸不動産が分譲した「フォルスコート武蔵小杉」がそうだったと記憶している。全20戸と規模が小さかったが、隣り合う大小の2戸をワンセットで分譲したはずだ。

 今回の物件は、隣り合う住戸が同じ広さで、反転タイプとなっている。親子世帯が住むと仮定すると、一方はもっと狭くてもいいのではないかと考えるがどうだろう。

 単価的には割安感があるのではないか。大船駅前の再開発では東急不動産が約250戸のマンションを建設するが、坪単価は300万円くらいになるのではないか。それと比べれば、バス便だが相当安い。来場者も「安い」と感じているようだ。

カテゴリ: 2015年度

 東京都は昨年、住宅政策審議会にマンション部会を立ち上げ、8月から今年1月にかけ7回の会合を開いている。部会長は齊藤広子・明海大教授で、部会長代理は篠原みち子・弁護士。このほか委員が8名、それと不動産協会、マンション管理業協会、首都圏マンション管理士会などの専門委員8名から構成されている。

 部会は非公開だが、その都度、議事録が要約の形で公表されている。国交省には失礼だが、「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」とは中身が雲泥の差。変なことをしゃべれば、齊藤氏か篠原氏に一喝されるだろうから、男性委員も慎重にならざるを得なかったのではないか。議事録の一部を紹介する。

<管理状況の把握について>

◎マンションの実態がわからないと、講じるべき支援策など対応しづらい。任意のアンケートで把握しきれないとなると、例えば条例で、都の調査権限を位置づけた上で、豊島区のように届出義務を設け、情報を把握する必要があるのではないか。

<管理不全マンションへの対応について>

◎管理状況が悪いマンションは周辺の市街地環境に大きな影響を与えかねないが、その中には、建替えや解消により問題が解決するものもあれば、その道すら開かれず、管理を相当一生懸命行うしかないマンションもあるので、議論の対象となるマンションをもう少し絞った方がいいのではないか。

◎管理状況が悪いマンションがどの程度あるのか把握することは難しい。管理不全に陥る前、例えば管理規約も見直さず、修繕もきちんとしていない、修繕の仕方もわからないなどといった状況のマンションに、高齢化の波が押し寄せ、役員のなり手がいないなど、様々な問題が一度に発生しており、現場は大変である。

◎管理不全に既に陥っているマンション、管理不全に陥りそうな予備軍のマンション、もう少し後押しすればうまく再生・耐震補強・建替えが可能なマンションなど様々な段階があることを意識して議論すべき。

◎修繕もきちんとされており、修繕積立金もしっかり積み立てられているマンションは、日常的な管理組合の体制がきちんとできており、管理に対する意識も相当高い。一方で管理が全くされておらず管理不全に陥っているマンションがあることも事実である。そこに陥らないための東京独自の施策に取り組むべき必要があると感じている。

 ◎外部不経済を起こさないためには適切な修繕等が重要となるが、そのためには日常の管理組合の体制が機能していることが重要である。

 ◎管理不全に陥っているマンションに対し、どのような支援メニューを用意しても、支援を受ける側にそれを活用しようという意識がないと支援は難しい。管理組合の中には、行政が支援すると言えば、自分たちは何もしなくても支援が完結するようなイメージを持つ傾向があるが、決してそうではないことを啓発する必要がある。

◎どんな支援が必要かという議論よりも、管理不全状態に陥らせないようにするにはどうしたらいいかという議論の方が先である。これには、きちんと管理すれば市場で評価され、自分たちの資産価値を上げていくという仕組みが成り立っていることが前提となる。これをしたら必ず評価されるということがわかっていれば、区分所有者はそれを行うはずである。立地や間取りだけでなく、管理そのものがマンションの価値を決めていくという仕組みが確立しないと、管理を放置し続けるマンションが出てくるだろう。

<管理不全マンションへの対応について>

◎管理不全マンションの明確な基準がない。まずは判定基準について議論すべきではないか。

◎判定基準が重要事項説明書に追加されれば、売買時の障害となるのを避けるため、管理組合は改善に向けて動くのではないか。

◎約9割のマンションが管理会社に管理委託していることから、よほど劣悪な管理会社でなければ、管理不全マンションに陥ることは考えにくいのではないか。むしろ、自主管理や一部委託を行っているマンションの実態を把握すべきではないか。

◎マンションは戸建住宅に比べて固定資産税を3割程度多く負担していると言われている。道路や下水道等の整備費は戸当たりで見れば、戸建住宅の方が多くかかるほか、小規模宅地の固定資産税については、1/6まで軽減される効果もあり、受益負担率はマンションが戸建に対し2倍多いという試算がある。税制の改正は国の政策であり難しいが、戸建てではなくマンションに対して行政が支援することには税制面からも合理的な理由がある。

◎万一マンションが管理不全に陥った場合、周辺に与える影響が高いため、対象そのものは幅広く取っておいて様々な支援メニューを用意しておく必要がある。管 理不全を防ぐためには、再生に向けた普及啓発だけではなく、条例等で自治体への情報提供や計画修繕の実施などを義務付けし、管理組合の意識を高めるといっ た方法もあるのではないか。

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 都は、平成25年度に行ったマンション実態調査で回答のなかったマンションの中から、管理組合活動が不活発なマンションを5件選定し、マンション管理士を派遣して組合活動の活性化に向けた取組を支援するモデル事業を平成25年度に実施した。

 管理組合の組織体制の見直しや管理規約の策定など、各マンションにおいて一定の成果を得ることができたが、一方で、5件の支援マンション選定にあたり、管理不活性の兆候があるマンションを訪問したが、「必要ない」「居住者間の繋がりが無く不可能」などの理由により拒否されるケースが多かったとしている。

 これに対して都のマンション部会は、「管理組合が機能していないなど、調査への協力が得られにくいマンションについては、実態把握が極めて困難となっており、こうしたマンションがどこに存在し、どのような問題を抱えているのか、網羅的かつ継続的に把握することができない。仮に、何らかの方法で管理不全に陥っているマンションを把握できたとしても、現在は、行政が管理組合の活動に関与できる法的根拠はなく、管理組合に拒否されれば支援・指導することができないのが実情である」としている。

 この問題については、豊島区が2013年7月に施行した「マンション管理推進条例」の届け出の状況などがゴールデンウィーク明けには取材できそうなので、機会を改めて報告したい。

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片寄せ洗面ボウル+ボウルに合わせた鏡割り

 三菱地所レジデンスが「洗面室のモンダイ」を解決する新商品「洗面室シリーズ」3商品を開発した。

 同社の会員組織「三菱地所のレジデンスクラブ」(約21万世帯)、購入検討会員組織「ザ・パークハウスクラブ」(約18万件)や、お客さんとの相互交流が可能なWEBサイト「スマイラボ」などを通じてアンケートやグループインタビューを実施。とくに多かった5つの「洗面室のモンダイ」を、試作品での検証を経て開発したもの。

 「5つのモンダイ」は、①洗濯カゴを置くスペースがあったほうがいい②バスタオルをきちんと収納したい③入浴後の着替えを置くスペースがあればいい④ぬれたバスタオルは乾かしてから洗濯機に入れたい⑤洗面化粧台は2人並んでつかえたほうがいい-で、これらを3つの商品に具現化した。

 3商品は、4月以降に分譲する「ザ・パークハウス」マンションに原則導入していく。

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ドライエリアにも使えるオープンスペース

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 記者はマンション取材の際、洗面室・浴室・トイレ・キッチンの水回りは必ずチェックする。洗面室は全体の広さと収納の大きさを見る。

 お客さんから指摘された「5つのモンダイ」のうち②が各社のマンションで一番欠けているのではないかと思う。家族数にもよるが、バスタオルはかなりかさばるし枚数も多い。①と③もよく分かる。その通りだろう⑤はあればいいが、スペースを確保するのが難しい。同社は今回、狭いながらも2人で利用できるよう工夫している。

 個人的な意見だが、④はいかがなものかと思う。乾かしてから2度3度また使うほうが洗濯の手間が省けるし、きれいに洗った身体をふくのだからバスタオルはそんなに汚れないはずだ。同社はバスタオルハンガーを2本にするというが、これは2度3度使うのに丁度いい。

 ここでひとつ提案。家族どうして使い回しはしないだろうから、家族それぞれ専用のバスタオルであることが分かるように色分けしたほうがいいし、子ども用は小さくてもいい。高級なふかふかのものより、安物の薄っぺらいほうが耳の中もふけるのでいい。それとも端っこだけは耳の中がふけるように工夫してはどうだろう。浴室・浴槽の掃除がラクになるものも導入すべきだ。

 これまでの同社の商品では、浴室の2フック付きスライドバーがいい。他社はほとんど1つしかフックはついていない。

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幅30㎝×奥行き40㎝をミニマムサイズに設定(左)と2本のバスタオルハンガー

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「プラウドタワー大泉学園」

 野村不動産は4月13日、先に竣工した西武池袋線大泉学園駅直結の再開発マンション「プラウドタワー大泉学園」の記者見学会を行った。分譲開始からわずか3カ月で完売した人気物件で、再開発の協議会発足から約10年で竣工させた開発スピードと、地域の価値を最大限引き出した商品企画力は見事というほかない。

 物件は、西武池袋線大泉学園駅から徒歩1分、練馬区東大泉1丁目に位置する地下2階地上27階建て全168戸(非分譲3戸含む)。専有面積は55.04~103.42㎡、価格は4,560万~13,470万円、坪単価296万円。設計・監理はアール・アイ・エー、施工は清水・西武建設共同企業体。

 従前の現地は、駅前ロータリーが貧弱で、中小の雑居ビルなどが建ち並ぶ雑然とした雰囲気がしていた。それを解消するため北口地区まちづくり協議会が発足したのが平成17年。同社は同19年に事業参画。同23年に都市計画決定。同27年度に組合解散予定。施行面積は約0.8ha。

 駅と建物をペデストリアンデッキで結び、1階にはバス・タクシー乗り場、歩行者通路を整備し、1~3階は商業施設「Grand Emio(グランエミオ)大泉学園」、4階は練馬区の公益施設が入居する。東京都のマンション環境性能評価制度で同社としては3物件目の満点「星3つ」を獲得している(その後「立川」でも取得)。

 わずか10年で事業完了できたのは、地権者が個人5人、法人3人(同社と西武鉄道、JA東京あおば)と少なかったことも大きいが、公民の連携がスムーズに行われたのが最大の要因と思われる。ペデストリアンデッキには、同区がアニメーション発祥の地であることから手塚治虫などのアニメのモニュメントを区が整備した。

 建物は三角形の敷地形状を巧みに利用し、デッドスペースになりがちな部分にエスカレータと吹き抜けを設け、商業棟と住宅棟の1フロアの階高の差を利用した屋上庭園などを設置している。

 住宅棟では、24時間利用可能な「ライブラリー」4席(1席約1畳大)を設置し、エントランス部分には印象的な天然御影石の「ホワイトジー」のデザイン壁を設置している。3階の開放廊下側には、昼と夜とで表情が異なる鏡面仕上げのアルミのアートを設置するなど、細かな点にも工夫を凝らしている。

 購入者の約7割が地元練馬区居住者で、現金購入が33%、ほとんどが買い増しの持ち家層が46%。自己資金は平均1,960万円。これはすごい数字だ。

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エントランスホール

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 この物件については一昨年の夏ころだったか、見学を申し込んだのだが、すべて完売しておりモデルルームを閉鎖したあとだった。瞬く間に完売したのに驚いた。

 坪単価296万円も、今では安いのかもしれないが、西武池袋線で駅力№1と言われていた「ひばりヶ丘駅」でも西武不動産(当時)のタワーマンションは坪270万円もしなかったはずだ。当時はリーマン・ショックの後だったので環境は異なるが、今回は地元のアッパーミドル・富裕層が殺到したということだ。

 商品企画も芸が細かい。24時間利用可能のライブラリーは同社としては初めての試みだったが、他社も含めてそれほど例がないのではないか。エントランスホールに「ホワイトジー」と呼ばれる御影石が採用されているが、このように具体的な名前をお客さんに説明できる営業マンは他社にいるか。これが〝プラウド〟と他のブランドの違いだ。

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 もう一つ、これはマンションと全然関係ないのだが、今回の取材で大変うれしかったことがある。今年4月、野村不動産ホールディングスの広報IR部長に宇佐美直子氏が就任したと報告されたことだ。長い大手デベロッパーの取材の中で、女性の広報部長は初めてのはずだ。

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駅前の「OIZUMI ANIME GATE」

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 「ステーションツインタワーズ糀谷」完成予想図

 旭化成不動産レジデンスが先に第1期1・2次91戸が完売したと発表した、京急糀谷駅前の再開発マンション「ステーションツインタワーズ糀谷」を見学した。一般の方には「糀谷」(こうじや)はあまり馴染みがないかもしれないが、住みやすそうな街で、坪単価290万円強もリーズナブルなものだと思う。

 物件は、京急空港線糀谷駅から徒歩1・2 分、大田区西糀谷四丁目に位置する20階建て全268戸(非分譲132戸含む)の「フロント・ウエスト」棟と、18階建て全67戸(非分譲17戸含む)の「フロント・イースト」棟の2棟構成で、合計335戸(非分譲149戸)。専有面積は36.64~86.79㎡、第1期1・2次の価格は3,070 万~9,350 万円(最多価格帯6,400万円)、坪単価は290万円強。竣工予定は平成28年12月下旬。設計・監理は山下設計。施工は戸田建設。売主は同社のほか一般財団法人首都圏不燃建築公社。

 現地は京急線と環八に挟まれた地域。再開発計画は、15年くらい前から持ちあがり、平成20年に都市計画決定。事業面積は約1.3ha。事業費は約219億円。小規模木造老朽住宅と狭隘な通路の解消を図るとともに、駅前広場の整備や商業・福祉(高齢者支援、子育て支援)・住宅などからなる複合建築物。

 第1期1次(83戸)は3月21 日に抽選先分譲した結果、101件の登録申し込みがあり、第1期2次(9戸)は3月29日に抽選分譲し10件の登録があった。登録者の属性は30代・40代で50%、居住エリアは大田区が70%。品川へ7分、駅前の好アクセスが評価された。

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 この物件については、モデルルームが観られる段階になったら見学しようと思っていたが、早期完売のほうが先になった。坪単価は300万円を突破すると聞いていたので、290万円強というのは納得だ。京急蒲田駅前が320万円だから、糀谷で300万円を超えても不思議ではないが、これくらいがちょうどいい。

 糀谷は、昭和60年代に結構マンションの取材で訪れている。昔ながらの商店街があり、中小企業・町工場と住宅が混在していた。その後の不況でどんどん町工場は亡くなったが、それでも最先端技術が宇宙衛星に採用されたニュースが「糀谷」を全国区にした。

 糀谷か京急蒲田かの選択肢は悩ましい。品川から見れば京急蒲田が玄関だろうし、羽田から見れば糀谷が玄関口だ。住むのなら記者は糀谷のほうが住みやすいと思う。

 首都圏不燃建築公社(不燃公社)について。公的機関の不動産開発、住宅事業はバブルを境に環境が激変。各都道府県の住宅供給公社は一部を除きほとんど解散したか休眠状態に陥り、勤労者住宅協会、労栄協会なども破産・倒産した。

 しかし、不燃公社だけは再開発物件を中心にコンスタントにいい仕事を継続して行っている。

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カテゴリ: 2015年度

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「オーベルグランディオ品川勝島」完成予想図

 大成有楽不動産の「オーベルグランディオ品川勝島」を見学した。「品川勝島」といわれてもほとんど一般の方は知らないかもしれないが、圧倒的な価格の安さと、明快な商品コンセプトで地元だけでなく都下、さらには神奈川、埼玉、千葉方面からの需要も取り込む可能性を秘めている。〝価格表示〟はいかにあるべきかを問う物件でもある。

 物件は、東京モノレール大井競馬場前駅から徒歩7分(京急本線立会川駅から徒歩11分他)、品川区勝島1丁目に位置する20階建て全452戸。専有面積は62.38~85.59㎡、予定価格は3,200万円台〜6,200万円台(最多価格帯4,300万円台)、坪単価は未定だが200万円台の前半に落ち着く模様だ。竣工予定は平成29年1月上旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は大成有楽不動産販売、長谷工アーベスト。

 現地は、用途地域が準工業地域であることから倉庫街で、敷地北側には高速道路が走っている。敷地東側には東急不動産が昨年から分譲している「ブランズシティ品川勝島」が近接している。また、南方向には15階建ての官舎476戸が2016年に完成する予定。

 建物はL字形で、住戸プランはファミリー向けが中心。共用施設としてはユニークなカフェラウンジ、ソフトサービスのほか、コミュニティ支援プログラムなどを用意している。

 今年1月から予定価格をホームページで公開しており、これまで問い合わせ・資料請求は約2,000件に達している。4月18日から予約制でモデルルームを公開するが、すでに約300件の見学予約があるそうだ。反響は地元中心だが、神奈川県、埼玉県、千葉県からが約4割にのぼっている。

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カフェテラス

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「ファミリー・ラボ」(ウォールドアが付いている)

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 書きたいことがたくさんあるマンションだ。まず、価格の安さと価格の公開時期について。

 安さについては言うまでもないだろう。東急不動産の物件より明らかに安い。問い合わせが広域にわたっているように、ユーザーが敏感に反応したのだろう。坪単価200万円では相当の郊外・遠隔地でないと供給されないことが浸透している証拠だ。

 それよりも、ホームページを公開して間をおかずに予定価格を公表したのが嬉しい。このことについては、同社の「吉祥寺Ⅱ」の物件でも書いているので読んでいただきたいが、早めに予定価格を公表するのがデベロッパーの務めだと思う。「じらす(teases)」戦法は不動産に限らずあらゆる商品の常とう手段だが、この業界は半年も平気で「価格未定」と謳う。これほど消費者を馬鹿にした売り方はない。

 もう一つ強調したいのは、販売事務所の設営、アピールの仕方が巧みであることについて。ここ数年、同社のマンションの商品企画が劇的に変わったことは何度も書いてきたが、この物件もそうとう力が入っていることがすぐ理解できる。

 その代表的なものがカフェラウンジだ。コーヒーやパンのサービスを行うのは他社と同じだが、ここはパスタも販売するという。これは珍しいのではないか。コーヒーメーカーは〝コーヒーメーカーのフェラーリ〟と呼ばれる「LA-CIMBALI(ラ・チンバリー)」製だという。

 記者は、フェラーリもポルシェもレクサスも車のメーカー・車種であることくらいしか分からないし、ラ・チンバリーなんて初めて聞く言葉だ。その価値がさっぱり分からないのだが、助け舟を出してくれた人がいた。一緒に見学した同業の記者が「フェラーリはここのマンションの2LDKと一緒くらいの値段。ラ・チンバリーは高級ホテルで使われているマシーン」と教えてくれたのだ。確かに頂いたコーヒーはエスプレッソに近い味がしておいしかった。コーヒーの味は分かる。ある著名な有料老人ホームの食事は最低だったが、リッツ・カールトンと同じ豆を使ったコーヒーは抜群に美味しかった。

 これで終わらないのが今回の取材の面白いところだ。取材を終えてからその同業の記者と一緒に帰ったとき、何と赤いフェラーリ(フェラーリレッドと呼ぶのだそうだ)が走っているのをその記者が教えてくれた。なるほど、昔、子どもに買ってあげたおもちゃと一緒だった。

 それだけではない。販売事務所では、来場者にカフェラウンジを体験してもらうために無料でこの〝フェラーリ〟コーヒーやパンなどを振る舞うのだそうだ。そのため接客フロアはサロン風の造りになっている。これもいい。

 プロモーションビデオがまた面白い。デザイン処理された〝新品〟の文字がスクリーン上で乱舞した。記者はすなおだから当然〝シンピン〟と読んだ。ところが、これは〝シンシナ〟と読ませるのだそうだ。つまり、この「勝島」エリアはここ数年で約1,400戸ものマンション(官舎含む)が建設され、羽田や品川、大井町、大森にも近い住宅地に変貌することを強調するために、このような面白いプロモーションビデオになったようだ。

 このほか、ゲストルームのベッドはウェスティンホテルで採用されているものと同じ。コミュニティ支援では、地元のNPOなど5社・団体のサポートが受けられるようにしている。

 住戸プランでは、奥行き2メートルのバルコニー、同社オリジナルの収納のほか、多目的に利用できる1畳大のファミリー・ラボ、女性が化粧しやすいように照明の位置や鏡の位置を工夫した「オレンジドレッサー」を提案。食洗機は標準装備。オプションだが、和室のガラリ付きの木調扉がいい。防音性や断熱性にも優れた2重サッシを全窓に採用している。

 全体的には、東急不動産の物件をかなり研究した跡がうかがわれる。この日の見学会に同業や関係者にも声を掛けていることからも、力の入れようが伝わってきた。管理会社と一体となった体制の効果もでている。

 ついでに、競馬場の影響について。記者はかつて競馬ファンであった。大井競馬もよく行った。駅に降りるとすぐ厩舎があり、あの馬糞の臭いがたまらなく発走前の馬のように興奮状態になったものだが、マンションの現地まではその匂いはほとんど届かないそうだし、上層階からも馬が疾駆する姿も見えないそうだ。

 

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販売事務所

坪単価は“旧価格” 「オーベルグランディオ吉祥寺II」(2015/1/27)

東急不動産の省CO2推進プロジェクト第1弾 「ブランズシティ品川勝島」(2014/3/9)

カテゴリ: 2015年度
 

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