東京都 新型コロナ 経路不明率 1週間50%超 〝プライバシー〟は盾でも壁でもない
東京都の新型コロナ感染者が激増している。7月2日に2か月ぶりの3ケタ107人の感染が判明して以降、7月24日まで100人を下回ったのは1日のみで、この10日間は200~300人台が常態化している。
7月22日に行われた都の専門家会議でも、感染経路不明者の増加に懸念を示す声が以下のように寄せられている。
〇接触歴等不明者数は7日間平均で122名となり、緊急事態宣言下での最大値とほぼ同数となった。
〇7月21日時点の新規陽性者における接触歴等不明者の増加比は、約150%となり、先週よりも減少したものの、高い数値となっている。
○接触歴不明率の増加比がこのまま4週間継続すると接触歴等不明の新規陽性者が約5倍(約610人/日)程度発生する。さらに4週継続すると接触歴等不明の新規陽性者数は、現在の約25倍になる。
記者は4月以降ずっと新型コロナ感染者の属性を追ってきたが、やはり気になるのは感染経路不明者が減らないことだ。5月25日に非常事態宣言が解除されてからこの2か月間に不明率が50%を切ったのは30日くらいしかない。この1週間は全て50%を上回っている。
◇ ◆ ◇
メディアの報道によると、感染経路不明率がなかなか下がらないのは、〝身に覚えがない〟理由もさることながら〝感染者に調査協力してもらえない〟という理由が大きいようだ。
感染が落ち着いたら是非ともクラスター班の現場を取材してみようと思っているが、調べる側も聞かれる側もつらいのは容易に理解できる。聞かれる側にとって大きな盾に、調べる側には厚い壁になっているのが「個人の自由」「プライバシー権」だ。
日本国憲法には以下のように「個人の基本的人権」を「保障」している。
第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
第14条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
ここで問題になるのは「公共の福祉」なる厄介な文言だ。〝個人の人権か公共の福祉か〟の論議はこれまでも盛んにおこなわれてきたが、記者は「個人が最高の価値であるのならば、その個人の人権を制限できるものは別の個人の人権でなければなりません。つまり個人の人権を制限する根拠は、別の個人の人権保障にあるのです」「私たちが社会の中で生活をしていく以上、ときに、『ある人の表現の自由vs別の人の名誉権やプライバシー権』のように、人権と人権は衝突します。そしてその衝突の場面においては相手の人権をも保障しなければなりませんから、自分の人権はそのかぎりで一定の制約を受けることになります」(法学館憲法研究所ホームページ)を支持する。
つまり、何よりも最優先される「生きる」ために、感染者も非感染者も他者の権利・利益を守らなければならない。決して「公共の福祉」と、公権力に侵されたくない自己の私的な情報」と解されるプライバシー権は衝突しない。
感染者の皆さん、皆さんが進んでクラスター班の調査に応えていただきたい。それが感染拡大を防止しみんなの命を守ることにつながると記者は確信する。SNSなどで〝寄ってたかって叩かれる〟ことを恐れてはならない。〝それがどうした〟と居直ることも必要だ。
それにしても、都のクラスター体制はどうなっているのか。都は支援を約束しているが、その実態は全然知らされていない。米国・ニューヨーク州の濃厚接触者を追跡する「トレーシング」に従事するトレーサーは3,000人もいるというではないか。都はその10分の1もいないのではないか。
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東京都 新型コロナ感染者・率 区市町村別は新宿が断トツ 多摩地区は都平均下回る
別表は、都の新型コロナ対策本部が発表している区市町村別の感染者数から人口10万人当たりの感染率をまとめたものだ。
7月22日現在、感染者は10,054人。区市町村別でもっとも多いのが新宿区の1,550人で、以下、世田谷区775人、中野区503人、港区485人、練馬区444人、杉並区419人、足立区382人、豊島区360人、大田区346人、渋谷区345人と続く。
都平均の感染率は72.1人。区市町村別でもっとも高いのが新宿区で444.8人、以下、御蔵島314.5人、港区186.3人、渋谷区150.2人、中野区150.0人、豊島区124.0人、台東区117.6人、中央区101.6人が100人以上。多摩地区は全市町村が50人以下となっている。
感染者は、各保健所や病院で陽性と判明された人の累計で、必ずしも感染者の居住地ではない。
東京都 新型コロナ 20代を除く女性の感染率は都平均75人を大きく下回る(2020/7/24)
東京都 新型コロナ 20代を除く女性の感染率は都平均75人を大きく下回る
東京都の新型コロナウイルス感染者は昨日(7月23日)、過去最多の366人を記録した。〝正しく恐れる〟ために、年代別・性別の累計罹患者数と人口10万人当たりの累計罹患率を表とグラフにまとめてみた。(以下、罹患者・罹患率は感染者・感染率)
累計感染者は10,419人(都の公式発表者は10,420人)で、累計感染率は74.9人となった。7月22日現在の全国の感染者は26,303人で、累計感染率は20.9人だから、かなり高いことが分かる。
年代別では、感染者は20代が最多で3,233人。以下、30代の2,153人、40代の1,430人の順。この3世代で全体の65.4%を占める。累計感染率は20代が195.0人で他を圧倒。以下、30代の110.3人、40代の62.5人と続いている。
これを性別でみると、20代男性の罹患率は215.4人でもっとも多く、20代女性の173.8人、30代男性の134.7人と続いている。90代以上は男性も女性も100人を超えている。
興味深いのは10代、20代、90代以上を除く女性の感染率で、各世代とも男性と比較すると低く、70代は33.4人、60代は37.1人、40代は38.3人と平均を大きく下回っている。これは三密を避ける自衛策を講じているためか、就労条件が異なるためかよく分からないが、爆発的な感染増を防いでいるのはあるいは女性なのかもしれない。かといって、安倍首相や小池都知事の自粛要請の声が届いていると結論付ける根拠はない。
コロナ禍で唯一何が嬉しいかといえば、色とりどりのマスクをした街行く女性がとても頼もしく美しく見えることだ。マスクフェチになりそう。それにしてもアベノマスクを一度も見たことがないのはなぜだ。みんな私蔵・秘蔵しているのか。プレミアがつくとは思えないが…。
東京都 新型コロナ感染者 過去最多の366人 20代が6割 10代、40代も記録更新
東京都は7月23日、新型コロナウイルス感染者が新たに366人判明し、うち感染経路不明者は225人(61.5%)だったと発表した。1日当たり感染者は7月17日の293人を大幅に上回る過去最多。年代・性別では20~30代が225人で、全体の61.5%を占めた。累計では10,420人。以下、年代・性別の主な記録。
・20代の139人は2番目タイ(これまでの最多は7月17日の147人)
・10代の15人は過去最多(これまでは7月16日と22日の9人)
・30代男性の56人は過去最多(これまでは7月10日の53人)
・40代の51人は過去最多(これまでは4月11日の48人)
・40代女性の21人は過去最多(これまでは7月21日の16人)
・1日当たり不明者225人は過去最多(これまでは7月18日の158人)
新型コロナ 高齢者もじわり増加 〝逃げるが勝ち〟逃げて逃げて逃げまくろう(2020/7/23)
新型コロナ 高齢者もじわり増加 〝逃げるが勝ち〟逃げて逃げて逃げまくろう
激増する20~30歳代の新型コロナ感染者の陰に隠れている東京都の60歳以上の高齢者(データは10歳刻みなので便宜的に60歳以上を高齢者とする)だが、7月に入って数値そのものはじわじわと増加している。
別表は、7月1日以降の60歳以上の感染者と全感染者に占める割合を示したものだ。8日までは人数はほぼ10人以下で、比率も数%だったのが、9日に11人になると、その後は13日の4人を除き連日10~20人台で推移している。比率もこの3日間は10%台に乘っている。22日間の感染者は297人で、全体の3,829人の7.6%になっている。
ただ、緊急事態宣言が発令された4月7日から5月3日までの猖獗を極めた拡大期とはやや様相が異なる。この間27日間の感染者数は3,562人で、うち29.7%に該当する1,057人が60歳以上の高齢者だった。中野江古田病院、墨東病院、山田病院、光が丘病院、江東区の特養老人ホームなど院内・高齢者施設の感染が拡大したときだ。
この差異は、高齢者の感染を防止する医療体制の拡充にあるのか、高齢者自身の自衛策によるものかよく分からないが、このままの水準で推移するのを祈るのみだ。
高齢者の皆さん、我らは三密は言うまでもなく、妻または夫との蜜月も今は昔で、蜜腺に吸い寄せられるような蜜蜂でもなく、甘い蜜を吸うあこぎな商売とも無縁だ。そもそも麝香と死臭を嗅ぎ分けられる年齢でもない。
〝逃げるが勝ち〟だ。コロナから逃げて逃げて逃げまくろうではないか。小生は外食することを止めた。取材で外出するときはコンビニでおにぎり2個と飲み物を買って公園で食べることにしている。タクシーも乗らない。タバコは喫茶店も吸えるところがほとんどなくなり、若い人はスマホの充電のため頻繁に利用すると聞いているので入らないことにした。人がいないところで隠れて吸うが、コロナ禍のタバコ難民はどこに行くのだろうか。
新型コロナ 激増する20~30代の感染者 若者の琴線に触れるアプローチ必要
小計は6月1日からの数値。比率は20代男性・20代女性・30代男性の全感染者に対する比率
あと1週間でテレワーク6か月目に突入する。草花の旬も過ぎ暑くなってきたので散歩に出かけるのも億劫になってきた。救いなのは、このところ筋トレに励んでおり、2キロの鉄アレイを右手と左手に持ち、それぞれ100回くらい上下することで力瘤が復活した。いまなら同年代の女性と腕相撲をしたら勝つ確率は5割くらいあるはずだ。
今日もどこからも取材の誘いが入っていないのでやることがない。仕方なく新型コロナに関するテレビ報道を観るしかない。「エピセンター」やら「スーパースプレッダー」なる新しい専門語について解説がされている。「エピセンター」は〝夜の街〟新宿のような感染源のことだ。「スーパースプレッダー」は多くの人に感染させる免疫不全のウイルスが残り続ける人のようで、平たく言えば女王バチのような人のようだ。なるほど。
そこで、6月以降の東京都の新型コロナ感染者のうち20代男性・20代女性・30代男性の感染者の推移を別表・グラフに示した。このように年代と性別の数値を追っているのは小生だけだと思う。
まず、表とグラフを見ていただきたい。6月初めに小池都知事が連日のように〝夜の街〟〝ホストクラブ〟を連呼したために、若年層は蜂の巣状態となり爆発的に感染者が増加したことが見てとれるはずだ。
都のオープンデータから拾った全感染者9,815人(都が発表している感染者は9,816人)のうち20代男性の数値は驚異的だ。5月以前までの感染者は、猖獗を極めた4月10日の29人が最多だったが、7月3日に一挙に40人に増加し、19日には89人に達した。累計では1,690人で全体の17.2%を占めている。
不気味なのは20代の女性だ。20代の男性が鳴りを潜めていた5月の段階でも一定数の感染者があったが、7月に入って連日2ケタとなり、7月16日には30代男性を抜き、20代男性に次ぐ〝2位〟に浮上した。その後も30代男性との差を広げつつある。
20代の男性と女性に後塵を拝する形になった30代男性も数値そのものは決して少ないわけではない。7月2日に22人と4月16日の21人を超えると、その後も増加傾向にある。
不思議なのは30代女性の感染者だ。7月に入ってから増えてはいるが、累計では760人で、30代男性より40%近く少ない。なぜなのか読者の皆さんも考えていただきたい。決して生物学的な性差によるものではなくジェンダー性差に原因があると小生は考えている。
感染経路不明者が減らないのも気になる材料だ。都が数値の公表を開始した3月下旬から現在までほぼ50%前後で推移しており、累計で5,021人、不明率は51.2%に達している。小生が5月11日付で配信した「新型コロナ 感染経路不明者が減らない理由 〝闇社会〟〝二重就業〟も一因」のアクセス数は7月22日現在33,473件に達している。記録的な数値だ。
この地雷原に踏み込むべきで、貝のように口を閉ざす若者の琴線に触れるアプローチの仕方を考えるべきではないか。どこか人を見下した〝夜の街〟〝ホストクラブ〟発言は、若者の自尊心を傷つけ反感を買ったとしか思えない。
国のデータによると、全国の保健所数は平成元年の848カ所から平成28年には480カ所へとほぼ半減し、職員数も約35,000人から約28,000人へと18.8%減少している。東京都も調べようと思ったが、都は把握していないようだ。
ニューヨーク州には濃厚接触者の追跡「トレーシング」に従事するトレーサーが3,000人もいるというではないか。
東京都 新型コロナ感染者 過去最多の286人 累計で20代女性が2位〝浮上〟(2020/7/16)
新型コロナ 感染経路不明者が減らない理由 〝闇社会〟〝二重就業〟も一因(2020/5/11)
いかがわしい不動産投資を煽るのか 週刊住宅「空き家投資じわり〝加熱〟」記事
読まれた読者の方はいるだろうか。7月20日付週刊住宅のwebに「空き家投資じわり加熱 都心にも格安物件 DINKSに好感」という見出しが躍っていた。誤字・脱字を見つけるのが習性になっている小生の目は釘付けになった。「加熱」は明らかに誤植で、「過熱」とすべきところを誤ったのだろうとすぐ結論付けた。
しかし、記事をよく読むと投資は「過熱」状態にはないことが分かる。「空き家投資」とは「リフォーム代含め数百万円の投資で手にした物件が10%以上の高い利回りを実現する、これが空き家不動産投資のビジネススキーム」「空き家不動産投資の物件は、DINKS(夫婦共稼ぎで子どもいない)世帯を中心に人気を呼んでいる」(同紙)とあるのだが、どれほど「過熱」し、「人気」になっているのかの具体的な記述は全くなない。
そもそも、空き家を買い叩き、多少のリフォームをかけて賃貸する〝商売〟などまともな不動産会社や一般の人がやることではない。同紙も「デメリットもある。その最大のものは、物件購入の際、融資がまず下りないことだ。なぜかというと、再建築不可物件はローンの担保価値がほぼないものと見なされるからだ」と指摘するように、リスクもあるようだ。(空き家がどうして再建築不可なのかの説明はない=指南する不動産業者の存在が匂う)
なので、新型コロナの影響で書くことがなくなった同紙が〝受け〟を狙い、自ら〝火付け役〟になる馬鹿馬鹿しい記事と結論付けたのだが、空き家を加熱したらひょっとしたら自然発火して収拾がつかなくなる事態にも発展しかねないので、いつも取材先で一緒になる同紙記者を通じて「御紙はチェック機能が機能していない」とメールした。
「ご指摘ありがとうございます。誤りでした」というくらいの返事も返ってくるだろうし、訂正もされるだろうからことを荒立てるような真似は控えようと決めた。ミスはだれでもあるものだ。
ところが、先ほど(7月21日夕方)記事を見たら、何と「空き家投資じわり〝加熱〟」とあるではないか。さすがに「過熱」状態にはないことを言外に認め、〝 〟を付けることで「加熱」は洒落であることを言わんとしているようだ。
しかし、これは洒落、冗談では済まされない。オピニオン紙としてこの種の社会的に問題があるいかがわしい〝投資〟を止めるよう主張すべきではないのか。違法とまでは言えないものの、自らがそのような〝投資〟を煽りたてるようなものではないのか。
同紙は今年で創刊60周年を迎えた(旧週刊住宅は廃刊しているが)。6月29日付の同紙には編集長が「オープンソースの垂れ流しではない媒体としての面白さを追求しながら信ぴょう性を兼ね備えての情報発信と“常識”にとらわれない紙面づくりにご期待ください」と発信している。
「オープンソースの垂れ流し」は貴紙はやっていないのか。「“常識”にとらわれない紙面づくり」とは、この種の常識外の記事を今後も垂れ流すということか。
「じわり」の副詞にふさわしい言葉は「過熱」ではないが、〝 〟をつけても「投資が(じわり)〝加熱〟」は文法的に問題がある。念のため。
◇ ◆ ◇
厳しいことをストレートに書いたが、他意は全くない。全ては記者の皆さんも含めてこの業界に身を置く人を愛するが故だ。〝記事はラブレター〟と受け止めていただきたい。
レベル高い 天井高は3.5m コスモスイニシア レンタルオフィス第三弾「武蔵小杉」
「MID POINT武蔵小杉」カフェ&ラウンジ
コスモスイニシアは7月20日、レンタルオフィスの第三弾「MID POINT武蔵小杉」が完成したのに伴いメディア向け内覧会を実施した。施設は7月27日オープンする。
「MID POINT武蔵小杉」は、JR横須賀線・南部線・東急東横線・目黒線武蔵小杉駅から徒歩2分、川崎市中原区小杉町三丁目に位置する「コスギ サード アヴェニュー」内の1・2階部分の全52区画。1区画当たり面積は1.49~11.56㎡。利用料金はコワーキングが8,000円(共益費10,000円)/月、BOOTHプランが14,000~65,000円(同15,000~35,000円)/月、ROOMプランが49,000~155,000円(同15,000~55,000円/月。入居開始は2020年7月27日。
24時間利用、法人登記も可能で、気軽に利用できるラウンジには、入居者同士をつなぎコミュニティ形成を支援するコミュニティマネージャーが常駐。カフェが隣接する。
◇ ◆ ◇
複合施設「コスギ サード アヴェニュー」内にあるためだろう。立派な施設だ。天井高は約3.5m。隣接するカフェでは酒も提供するという。
難点はタバコが吸えないことだ。施設には至れり尽くせりの機能が備わっているが、敷地全体が「禁煙」なので喫煙者は近接する東急スクエアやララテラス武蔵小杉にまで足を運ばないといけない。
同社の第一弾の「目黒不動前」、第二弾の「大塚」にも喫煙スペースがあった。改正健康増進法により飲食店などから喫煙場所が消え、さらに新型コロナの拡大防止とやらで喫煙ルームや喫煙所も閉鎖されてしまった。このため喫煙者は世の中から弾き飛ばされた。
そんな愚痴を施設に隣接するカフェの店長に話したら、自らも喫煙者という店長は面白いことを言った。「タバコはコーヒー、砂糖、チョコレート、ラムと同じ歴史上にある」と。どういう意味かよく分からないが、同じ嗜好品であり、これなくして生きていけないということだろう。タバコが嫌いな人、〝受動喫煙〟を恐れる人の気持ちもわかる。withコロナと一緒だ。喫煙者は1,000万人をくだらない。共存する方策を考えないといけない。
◇ ◆ ◇
この日は、「コスギ サード アヴェニュー」に入居する川崎信用金庫武蔵小杉支店の店舗も報道陣に公開された。
「伝票レス」「印鑑レス」「スムーズな窓口応対」を可能にした「店舗タブレット」を導入するのが特徴で、7月13日に導入した登戸支店に続くもの。同金庫は2020年度に11店舗に、2021年度までに全56店舗に導入するという。
すでに一部の都市銀行などでも「印鑑レス」が実行されており、各企業にもどんどん広がっている。はんこ屋さんが世の中から消える日が来るのか。
川崎信用金庫 店舗タブレットコーナー
接客ブース
初期投資抑え安定賃料保証 コスモスイニシア 駐車場上空活用ソリューション第一弾
「SOLA CUBE横濱関内」
コスモスイニシアは7月20日、駐車場上空活用ソリューション「SOLA CUBE(ソラキューブ)」事業の第1弾となる「SOLA CUBE横濱関内」が完成したのに伴う報道陣向け内覧会を実施した。施設は7月31日から開業する。
施設は、JR関内駅から徒歩3分、横浜市営地下鉄関内駅から徒歩1分、横浜市中区常盤町3丁目に位置する敷地面積約319㎡、鉄骨造4階建て延床面積約953㎡。1階が1階コインパーキング、2階が店舗、3~4階がレンタルオフィス「MID POINT横濱関内」。オフィスは2.12~21.37㎡の全38区画。設計・施工はコスモスモア。テナント運営はコスモスイニシア、駐車場運営は大和ハウスパーキング。建物管理は大和ライフネクスト。
「SOLA CUBE(ソラキューブ)は、短期間で施工でき、施工費も鉄筋造より安価な鉄骨造とし、レンタルオフィスによる賃料保証型で10年間の長期契約とすることで、土地や駐車場を所有するオーナー向けに初期投資を抑え、安定収入が得られるようにしているのが特徴。
「MID POINT横濱関内」は24時間利用で法人登記も可能。フリーランスやスタートアップ企業向けにデザイン性の高い空間を実現。ラウンジには入居者同士をつなぎコミュニティ形成を支援するコミュニティマネージャーが常駐する。ブース・個室の利用料金は24,000円/月~、個室の共益費は15,000円/月~。
施設の工期は約6か月、内装工事は約2か月。建築費は約2.5億円。総賃料収入は約4,000万円/月。表面利回りは約15%。1階のコインパーキングと3~4階は賃料保証型、2階は賃料実績型。
同社は、今後1都3県で敷地面積が50坪以上、最寄り駅から徒歩7分以内を条件に年間4~5物件を目標に展開していくという。
同社のソリューション事業の2018年3月期売上高(宿泊事業含む)は539億円(全体の51.5%)、営業利益は53億円(同98.1%)。
4階ラウンジ
◇ ◆ ◇
いかにも〝頭脳集団〟の同社らしいソリューションビジネスだ。記者は車のこともこの種のビジネスが他にあるかどうか全く知らないが、〝駅近〟の駐車場を見るたびに〝もったいない〟と思ってきた。容積を余すことなど記者はまったく理解できない。(それでも駐車場事業は儲かるということか、それとも余裕のあるオーナーが多いということか)
同社によると、鉄骨造はコスモスモアが得意とする分野で、施工期間は半年くらい短縮できたという。施工費もRC造だと坪180万円くらいなのに対し坪110万円で済んだという。内装費は約20万円/坪。
それにしても表面利回りが約15%とは驚いた。これでも容積を余しているとか。
3階ワークフロア
東京都 新型コロナ感染者 過去最多の286人 累計で20代女性が2位〝浮上〟
東京都は7月16日、新型コロナウイルス感染者が新たに286人判明したと発表した。うち感染経路不明者は137人(47.9%)。1日当たりの感染者は7月10日の243人を上回り過去最多を更新した。年代・性別では20代男性が最多で71人。以下、68人の20代女性、36人の30代男性の順。20代の男女は全体の48.6%に上った。
累計では20代男性が1,401人で最多。この日で1,100人に達した20代女性が1,078人の30代男性を上回り〝2位〟に浮上した。
◇ ◆ ◇
もう何も言うことはない。このところの感染増から明日(金曜日)当たりは過去最多を更新するのではないかと思っていたが1日早まった。カギを握るのは20代女性だろうと数値に注目していたが、その通りになった。with&afterコロナの社会の趨勢を支配するのはこの20代を中心とする若者だと思えてならない。
幸い、重症化すると言われる免疫力・再生力が劣る70代以上のわれら高齢者の感染者はこの日も10人で、この2カ月以上概ね10人以下にとどまっている。高齢者の皆さん、徹底してコロナから逃げようではないか。
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