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 今日は1件の取材も入っていないので、この前、コスモスイニシア「イニシアテラス目黒学芸大学」を取材したとき、「目黒区」は女性の人気が高いことを話題にしたので、その裏付けをとるため男女比の人口構成を調べてみた。

 令和3年1月現在の同区の人口は約28.1万人で、男性は約13.3万人、女性は約14.8万人だ。男性を1とした場合、女性の人口割合は1.116となっている。

 他区はどうかというと、比率が高い順では港区がトップで1.121となっており、次いで目黒区、以下、世田谷区(1.111)、文京区(1.104)、中央区(1.099)、杉並区(1.084)、渋谷区(1.082)の順。

 逆に男性が多いのは台東区(0.955)、中野区(0.983)、江戸川区(0.084)、新宿区(0.094)、千代田区(0.095)の順。23区平均は1.038で、10区が女性の比率が平均を上回っている。

 26年前の平成7年はどうだったか。女性比率が高いのは港区(1.121)、渋谷区(1.103)、中央区(1.094)、目黒区(1.094)、千代田区(1.091)、文京区(1.077)の順で、男性比率が高いのは江戸川区(0.950)、足立区(0.967)、大田区(0.974)、江東区(0.981)の順。23区平均は1.012)で、12区が区平均を上回っている。

 平成7年と令和3年を比較して、女性比率が高まったのは練馬区(0.068ポイント、以下同じ)、世田谷区(0.060)、江東区と大田区(0.051)、板橋区(0.044)などで、逆に女性比率が低下したのは千代田区(0.096ポイントマイナス、以下同じ)、中野区(0.045)、台東区(0.044)、新宿区(0.043)など。

 さて、皆さんはこの数値をどうみられるか。いい加減なことを言うと〝お前、それ差別だ〟と言われかねないので言葉を選ばないといけないが、女性比率が高い区は住宅地としても人気が高いエリアということは間違いなさそうだ。

 平成7年から女性比率を下げた千代田区は大学の郊外への移転が進んでいるためか、新宿、渋谷、中野区などは新型コロナ禍で外国人を中心に人口が減少しているのと関係があるのかどうか。

 いずれにしろ、目黒区の人口に占める女性の割合が高いことは証明できた。年代別では、14歳以下の年少人口の男女比は男性のほうが上回っており、30歳を超えると女性比率が目立って高くなっていることからも、生産年齢以上の女性が移り住んでいることは容易に推測される。目黒区に限ったことではないが、いわゆる〝おひとり様〟も圧倒的に多いことが分かる。

 どうして目黒区が女性に〝人気〟なのかは詳細な分析が必要だが、区内には中目黒、青葉台、駒場、鷹番、碑文谷、自由が丘、緑が丘など良好な住宅地を形成しているところが多く、交通便も東急東横線、東急目黒線などでターミナル駅まで十数分圏と近いのもその要因ではないか。

 また、良好な住宅地を形成し、都心に便利な割にはいかがわしい街が少ないことも挙げられるかもしれない。住居費は高くなっても安全・安心を優先する賢い選択(男性が愚かという意味ではない)をしていると記者は思う。

 蛇足だが、美しい地名のところに住んで、雄をおびき寄せる意図があるのかどうかは不明で、もちろん記者をごみのように捨てた彼女は目黒区に住んでいたことと関連があるのかどうかも分からない。

 行政サービスが他区とどう異なるかについては調べていただきたい。


 

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 三菱地所と長野大学は12月3日、東北信地域を中心とした長野県内の地域課題解決や地域活性化の促進に向け、連携協力に関する協定を2021年12月1日に締結したと発表した。

 両者は、2022年度以降に①先進的都市開発やまちづくりに関する講座等の開講②三菱地所が手掛ける都市開発プロジェクトなどのフィールドワークやインターンシップの実施③先進的なまちづくり事例や事業スキームに関する共同研究や情報交換――などを通じてまちづくり・観光・環境分野を中心に将来を担う高度職業人の育成のための教育プログラムを実施する。

◇       ◆     ◇

  昨日は、オリックス不動産と立命館アジア太平洋大学の産学連携に関する協定書締結の記事を書いたばかりで、先週も積水ハウスと琉球大学の共同検証プログラムを紹介した。みんな結構なことだ。地方なのがとくにいい。山林、漁業、観光資源が豊富なわが三重県の大学ともどこか連携していただけないか。

杉乃井ホテルの実地型学習を提供 オリックス不&立命館アジア太平洋大が協定(2021/12/2)

画期的 世界初の生物多様性定量化システム公開 積水ハウス&琉球大学(2021/11/27)

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左から深谷氏、米山氏、似内氏

 オリックス不動産と立命館アジア太平洋大学(APU)は12月2日、観光事業経営とグローバル大学の連携で地域活性化と人材育成を目指す「友好交流に関する協定」を締結し、2022年4月から同社が運営する「別府温泉 杉乃井ホテル」で有給型インターンシップを開始すると発表した。

 同社は、杉乃井ホテルをはじめ全国で47の旅館・ホテル・水族館などを運営しており、先に「うめきた2期」のホテル事業担当幹事会社として3つのホテル運営会社をヒルトン大阪と阪急阪神ホテルズに決定した。地域と施設の長期的なブランド価値を向上させる「地域共創プロジェクト」を各施設で推進していく。杉乃井ホテルは現在もAPUの学生アルバイト約100名を受け入れている。

 APUは、大分県別府市に2000年4月学部、2003年4月大学院をそれぞれ開学。学生数は5,744名(うち2,651名は国際学生)。教員数は166名(専任教員のみ)。

 「自由・平和・ヒューマニティ」「国際相互理解」「アジア太平洋の未来創造」を基本理念に掲げ、世界95か国・地域から学生を受け入れてきた。観光学分野の教育研究にも力を入れており、大分県と県内外22市町村と包括連携を結んでいる。2023年には「持続可能な観光と社会」を研究テーマとする「サステイナビリティ観光学部」の設置を予定している。

 協定締結式に臨んだオリックス不動産取締役社長・深谷敏成氏は、「APUの学生さんに実地型学習を提供する機会を設け、観光学の基礎学習とビジネス実務体験を一気通貫で感じていただけるよう、特徴あるカリキュラム作りをサポートしていく」と述べた。

 APU副学長・米山裕氏は、「本学では人材育成における実際の課題やその解決に取り組む実践を非常に重視しており、今回の協定によって学生が大きく成長すると確信している」と話した。

 杉乃井ホテル&リゾート代表取締役・似内隆晃氏は、「今回の産学連携は初の試み。今回の協定を通じ『他にはない体験価値』を提供するとともに、ホテル全体のホスピタリティの向上を図り、『訪れるお客さま』『地域』『当社施設』にとっての好循環を作ってまいりたい」と述べた。

◇       ◆     ◇

 別府温泉は、高校のとき修学旅行で行ったきりだが、もちろん「杉乃井ホテル」の名前は知っている。同社によると、ホテルの客室総数は802室、従業員数は900名。客室数:従業員数は1:1.12だ。

 旅館・ホテルといっても、ラグジュアリーホテルからビジネスホテルまであり、付帯施設も千差万別、まさに玉石混交の業界だ。一口には論じられないのだろうが、この杉乃井ホテルの従業員の多さにびっくりした。従業員全員ではないにしろ地域の雇用をホテルが支えていることなど考えてもみなかった。

 そこでネットで調べてみた。最高のホスピタリティを提供していると記者が思う「ザ・リッツ・カールトン東京」 は客室245室で、従業員数は420名とある。客室数:従業員数は1:1.71だ。これが伝説の「クレド」を生んだ源泉なのか。

 わが国トップクラスの客室数を誇るホテルはどうか。客室数:従業員数は1:0.15だ。客室料金を低く抑えられる秘密はこんなところにも表れている。

比類なきホスピタリティの高さリッツカールトン記者も初体験(2007/4/2)

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 新築分譲住宅市場も中古住宅市場も好調に推移している。新型コロナの影響が心配されたが、ウィズ・アフターコロナを見越した在宅勤務・テレワーク・フレックスの浸透により、郊外部のマンションや戸建ても売れ行きはむしろコロナ前よりよくなっている印象を受ける。

 このまま堅調な市場が続くのかどうかはいまひとつ読めないが、コロナの打撃を受けている飲食業、旅行・観光業、その他サービス業などの経済への影響はこれからと思われ、住宅ローン破綻が懸念される。

 別表は、住宅金融支援機構のここ10年間のリスク管理債権推移を見たものだ。住宅金融公庫時代の直接融資による既往債権貸付金残高は平成23年度は21兆4,972億円だったのが平成27年度には11兆4,692億円とほぼ半減し、年々積みあがっていた買取債権貸付金残高(12兆8,323億円)と逆転した。その後も、既往債権は減少し続け、令和2年度は6兆1,837億円となっている。買取債権は増加し続け、令和2年度は18兆64億円となっている。

 一方、既往債権のリスク管理債権額は平成27年度に1兆1,373億円となり、貸付金残高に占める割合は9.92%と10%を割り、その後も比率は徐々に減少していたが、令和2年度は9.14%と前年度の9.05%から0.09ポイント上昇している。

 買取債権のリスク管理債権比率は、平成28年度から令和元年度までは1%以下で推移していたが、令和2年度は1.53%と前年度より0.67ポイント上昇。

 令和2年度の既往債権と買取債権を合わせたリスク管理債権額は8,414億円(前年度比10.2%増)で、貸付金残高24兆1,900億円(同1.3%増)に占める割合は3.48%(同0.28ポイント増)となっている。

 この数字をどう見るかだが、東京商工リサーチの調査によると、全国107行の2021年3月期のリスク管理債権は7兆6,831億円(前年度比16.0%増)で、4年ぶりに7兆円台に乗せ、リスク管理債権比率は1.33%で、前年の1.19%より0.14ポイント上昇している。

 この東京商工リサーチの調査結果からして、同機構の既往債権のリスク管理債権比率は極めて高い水準にある。令和3年度がどうなるか注視する必要がありそうだ。一方の買取債権比率も令和3年度はコロナの影響で高まるのは間違いない。今後の景気・金利動向から目が離せない。

濃縮される住宅ローン 既往債権のリスク管理債権比率は11%台、2.2兆円 (2013/2/25)

歴史は繰り返す――バブルから何を学んだのか(2008/10/27)

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「都市の生物多様性フォーラム~『5本の樹』で実現する豊かな暮らし~」

 11月26日行われた「都市の生物多様性フォーラム~『5本の樹』で実現する豊かな暮らし~」で積水ハウスESG経営推進本部環境推進部部長・佐々木正顕氏は「今回のフォーラムは当社の自慢話をするために開いたのではありません。生物多様性を客観的、具体的に評価する方法が見つかったので、これを皆さんと共有し実践していくことが狙いです」と感極まった様子で語った。

 その通りだと思う。各氏もその姿勢を絶賛した。一つ気になったのは、オンライン参加の東北大学大学院生命科学研究所教授・藤田香氏が「もう1、2年の間にカーボン・ニュートラルと同じようにネイチャー・ポジティブという言葉は定着すると思います」と述べたように、皆さんは生物多様性の未来をポジティブにとらえていることだった。農学者は普段自然と接しているためか、大らかな人が多い。

 だが、しかし、日ごろマンションや分譲戸建ての現地取材を行い、街並みを眺めまわしていると、生物多様性は一顧だにされず、ただひたすらに自滅の道を突き進むのではないかとネガティブに考えざるを得ない。

 ついこの前だ。船橋市・二和向台の駅前商店街の樹齢数十年と思われるイチョウの街路樹が高さ6mくらいに強剪定されており、枝は瘤だらけ、葉っぱを広げることもできず、黄色く染まることも許されない無残な姿を見て、涙が出るほど悲しかった。行政と造園業者の暴挙愚行ではあるが、問題はそれを容認する住民がいるということだ。

 藤田氏が勤務する仙台は何度か取材したが、二和向台とは対照的に実に緑が豊富で美しい。だからこそ「ネイチャー・ポジティブは当たり前」などと言えないのではないか。写真を載せた。藤田氏にもぜひ見ていただきたい。人への誹謗中傷は厳しく糾弾されるのに、樹木虐待はどうして許されるのか。さっぱり分からない。

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二和向台のイチョウ(左)と墨田区向島のスズカケ

◇        ◆     ◇

 前段に関連することだが、記者は今から10年くらい前、危機的な状況にある森林・林業や、電信柱のように強剪定される街路樹を何とかしないと考え、取材対象に加えることにした。手始めに2012年5月から「街路樹が泣いている ~街路樹と街を考える~」記事を8回にわたり書いた。手ごたえはあった。アクセスは軒並み3,000件を超えた。その後、ことあるごとに自治体の対応を批判する記事を書いてきた。記録に残っている2012年以降の「街路樹」に関する「RBAこだわり記事」は111件ヒットした。

 記者の守備範囲であるマンションや分譲戸建ての取材では、積水ハウスの「5本の樹」の植栽計画は他を圧するのを目の当たりにしてきた。「5本の樹」「生物多様性」「緑被率」「緑環境」で記事を検索したらそれぞれ40本、34本、20本、19本ヒットした。合計で224本だ。

 記者は年間、RBA野球記事を除き住宅・不動産などに関する記事を400~500本書いている。8年間で3,200~4,000本だ。「街路樹」「5本の樹」「生物多様性」「緑被率」「緑環境」の記事の比率は5.6~7.0%だ。これが多いのか少ないのか判断する材料はないが、一定の読者の方の心を捉えたのではないかと思っている。主な記事を添付したので読んでいただきたい。

 どれくらい読まれているか少しチェックしてみた。もっとも多いのは「またまた『街路樹が泣いている』千代田区 街路樹伐採で賛否両論」(2017/9/8)の約9,400件だ。積水ハウス関連では「スマートコモンシティちはら台」「グランドメゾン狛江」「グランドメゾン仙川」などが5,000件を突破している。

 ◇      ◆     ◇

 もう一つ、データが異なるといえばそれまでだが、わが国の住宅着工統計には「敷地面積」「緑環境」の視点が欠落している。あるのは都道府県別の総戸数、総延べ床面積、総敷地面積だけだ。追っていけばどれだけ狭小敷地化が進んでいるか大雑把に捉えることはできるだろうが、どこがどのように変化しているか把握できないはずだ。

 都市計画法、建築基準法も考えたら不思議な法律だ。商業地域は一応建ぺい率は定められているが、耐火建築物にすれば建ぺい率は100%だ。ここにも緑環境の視点はまったくない。(自治体によっては建物をセットバックすることを求めているほか、地区計画や総合設計制度などはあるが)

 そして、何よりも記者が懸念するのは、1977年の三大都市圏の樹木・鳥・蝶の種数、多様度指数、個体数を100%とし、今後日本で新築される物件の30%に「5本の樹」計画が採用された場合、その回復効果は84.6%まで上昇する予測データ通りに推移するかどうかだ。植栽など全くない分譲戸建てが主流の現状のままだと、「5本の樹」に賛同しそうな同社を含めた大手ハウスメーカー・デベロッパーが束になってかかっても30%に届かないのではないか。

 これを何とかしないといけない。先に住宅着工統計には住宅の敷地面積に関するデータはないと書いたが、敷地が20坪以下の狭小敷地では「5本の樹」を植えるのは難しい。これを排除するために、金融機関や投資家にそのような住宅を供給する会社への投資・融資を控えるよう呼びかけることはできるのか、あるいはまたそのような住宅購入を考える消費者に対してどのような姿勢を取るのか、極めて難しい問題が立ちはだかっている。気候非常事態宣言や女性活躍も同様だ。強制力を持たせたりクオータ制を採用したりすることの是非は難しい。藤田氏が語ったようなポイント制、クレジットは可能なのか。

 この問題をクリアしないと、1977年に戻るのは難しいのではないかと思うがどうだろう。

画期的 世界初の生物多様性定量化システム公開 積水ハウス&琉球大学(2021/11/27)

怒り心頭 イチョウは殺していいのか 船橋・二和向台の無残な街路樹(2021/11/12)

緑の質量に圧倒 エントランスに樹齢100年巨木「江古田の杜」街びらき(2018/9/23)

またまた「街路樹が泣いている」 千代田区 街路樹伐採で賛否両論(2017/9/8)

いい加減にしてほしい モデルルームのケミカル製品・造花の氾濫(2017/5/23)

続「街路樹が泣いている~街路樹と街を考える」流山と越谷、三郷の差(2014/10/17)

異形のスカイツリーに怒れるスズカケ 押上の街路樹「街路樹が泣いている」(2017/3/20)

呉越同舟効果 「5本の樹」の本領発揮 積水「品川シーサイド」1期207戸!(2017/3/24)

農学、環境、家政学者の会合はおおらか 国交省「都市公園あり方検討会」(2015/3/17)

国分寺崖線の借景、「5本の樹」もいい 積水ハウス「グランドメゾン仙川」(2015/2/3)

積水ハウス「スマートコモンシティちはら台」に見た街づくりへの覚悟(2014/9/13)

積水ハウス 安藤忠雄氏発案の巨大緑化モニュメント『新梅田シティ』完成(2013/11/5)

〝宮脇檀さんにまた会えた〟 積水ハウス「コモアしおつ」(2013/9/14)

「里山を見るような見事な植栽 積水ハウス『グランドメゾン狛江』竣工(2013/9/12)

植栽が見事な積水ハウス「白金」タワーマンション(2013/8/20)

街路樹が泣いている(8) 奇形ばかり海浜幕張・電柱そのもの府中街道の街路樹(2012/6/5)

街路樹が泣いている ~街路樹と街を考える~ ①(2012/5/1)

貧弱な戸田市の緑・街路樹 市民の満足度が上がらないのは行政の責任(2012/3/13)

景観美に圧倒される積水ハウス他「グランドメゾン東戸塚」(2008/3/25)

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左から司会者の方か、佐々木氏、久保田氏、河口氏、仲井氏、道家氏、原口氏、オンライン参加の東北大学大学院生命科学研究所教授・藤田香氏

 積水ハウスは11月26日、同社の「5本の樹」計画の成果と琉球大学が研究・開発したビッグデータシステムを共同検証し、世界初の都市の生物多様性の定量評価の仕組みとして構築した「ネイチャー・ポジティブ方法論」を誰もが取り組めるよう公開したと発表した。

 「5本の樹」計画は、〝3本は鳥のために、2本は蝶のために、地域の在来樹種を〟という思いを込め、その地域の気候風土・鳥や蝶などと相性の良い在来樹種を中心とした植栽にこだわった庭づくり・まちづくりの提案で、2001年に開始して以来累計で100万世帯、樹木数にして東京都の街路樹100万本の17倍に該当する1,700万本超に達している。

 「ネイチャー・ポジティブ方法論」は、同社と琉球大学理学部久保田研究室・シンクネイチャーとの共同検証によって実現したもの。同大・久保田康裕教授が立ち上げ、シンクネイチャーが管理運営する「日本の生物多様性地図化プロジェクト:J-BMP」を基に、同社が20年間に植栽した樹木本数・樹種・位置情報の蓄積データを分析し、定量的な実効性評価を可能にした。この種の成果は世界初という。

 共同検証の結果、生物多様性の劣化が著しい三大都市圏の在来種は約10倍に、鳥の種類は約2倍に、蝶の種類は約5倍に増加したことが確認できたという。

 また、1977年の三大都市圏の樹木・鳥・蝶の種数、多様度指数、個体数を100%とし、2070年までの変動をシミュレーションした結果、「5本の樹」の効果は41.9%まで回復し、今後日本で新築される物件の30%について「5本の樹」計画が採用された場合、その回復効果は84.6%まで上昇する予測データを発表した。

 同日行われた「都市の生物多様性フォーラム~『5本の樹』で実現する豊かな暮らし~」で基調講演を行った同社代表取締役社長執行役員兼CEO・仲井嘉浩氏は、「私事だが、家の庭に枝垂れウメを植えたらウグイスではなくメジロが飛んできた。梅に鶯は嘘であることが分かった」などと紹介しながら、「(ネイチャー・ポジティブ方法論を実現できたのは)久保田先生との出会いが転機になった。その検証効果に大変驚かされた。ここまで成果を生むとは思っていなかった。コツコツやってきたことが実を結んだ。生物多様性を定量化、数値化できた世界初のイノベーション。大変意義深い。これを公開し、みなさんと一緒に共有したい」と語った。

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仲井氏

 その後行われたパネルディスカッションには、出席者が次のエンドースメントコメントを寄せた。(順不同)

立教大学特任教授/不二製油グループ本社CEO補佐・河口眞理子氏 生物多様性の定量化・数値化は、生物多様性の保全にむけて社会を動かすためのカギを握っています。「5本の樹の実効性評価」は、個人レベルの庭木植栽を国レベルの生物多様性の定量評価は待ち望まれてきた生物多様性の定量化に成功した画期的な取り組みです

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河口氏

国際自然保護連合日本委員会事務局長・道家哲平氏 「5本の樹」というアプローチは、都市開発から、個人住宅という多くの人々に生物多様性 のための行動の選択肢を提供する手段であるということも、注目すべき点と考えています

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道家氏

MS&ADインターリスク総研フェロー/MS&ADインシュアランスグループホールディングスサステナビリティ推進室TNFD専任SVP・原口真氏 住宅の省エネルギー基準の適合義務化、市民が生活実感を持って消費も含む生活様式を変えていければ、日本の都市はレジリエントでサステナブルな社会への移行に大きく貢献することになります。また、ESG投資家に対して情報開示義務を負う、都市開発、建設の事業セク ターにとっても希望をもたらすツールとなることでしょう

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原口氏

琉球大学理学部教授/シンクネイチャー代表取締役・久保田康裕氏 生き物の分布、生き物の遺伝子、生き物の機能、生き物の食う食われる関係を網羅した生物多様性ビッグデータは、積水ハウスの事例のように、ビジネス活動がダイレクトに自然資本の保全再生に貢献することを科学的に証明します。相反するように見える経済収益活動と生物多様性の保全再生活動は、お互い科学的に調和され、ビジネスを通じたネイチャー・ポジティブ、すなわち社会変革を推進します

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久保田氏

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 同社の「5本の樹」計画をずっと応援してきた記者もとても嬉しい。何が嬉しいかといえば、「ネイチャー・ポジティブ方法論」を独り占めしないで一般に公開したことだ。「5本の樹」計画は商標登録されているはずだが、その思想・取り組みは全てのハウスメーカー・デベロッパーに通用することだから、なんとか一緒に実践できないものかとずっと考えてきた。

 それが今回実現した。佐々木氏は、「これは知的財産でもあるので『それ公開していいのか』という論議が社内であり、社長にその話をしたら、『何せこいことを言っているんだ。これはうちだけがやってもイノベーティブに日本を変えることはできないではないか。であれば、これを広く公開してうちがやってきたことを一緒に取り組んでいくことが大事なんだ』としかられました」と舞台裏を明かした。仲井社長の英断にも拍手喝采だ。

 そして忘れてはならないのは、〝安かろう悪かろう〟のぺんぺん草も生えない住宅が蔓延している中で、高いものは1本数万円(もっと高いのもあるか)する在来種の樹木をお客さんに勧めてきた同社営業マンの苦労だ。

 その苦労を報いるため、20年間、1本1本、植えた樹木を緯度、経度に落とし込んでデータ化する作業を同社はずっと続けてきた。これまた凄い。

 今回の「ネイチャー・ポジティブ方法論」を編み出すのに久保田教授は10年かかったそうだが、それを実効あるものにしたのは同社の地道な取り組みだ。

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 どことは言わないが、心当たりのあるシンポジウム・フォーラム関係者は多いはずなので余談だが書く。スピーチ・プレゼンの話すスビートは1分間に300字が適切とされている。早口でまくし立てるとその瞬間は理解できても、心に残らない。右から左へ左から右へと頭の中を素通りしていく。

 先日、あまりにもひどい講演を経験した。ある講演者は20分間に70~80枚の文章・画像をプロジェクターに映しながら話した。1分間に3.5~4.0枚だ。記者は必至でメモを取り、読もうと思ったがあきらめた。そんな芸当誰ができるというのだ。前に座っていたメディア関係者2人は講演中ずっと眠っていた。

 これは例外ではない。1分間に300字のスピードで話す講演者・プレゼンテーターは10人に一人か二人くらいではないか。

 今回の仲井社長、久保田教授&積水ハウスESG経営推進本部環境推進部部長・佐々木正顕氏の講演は、計ったわけではないが、メモを取れるほどのスピードだった(NHKの講座なみ)。一語一語が理解できた。重要と思われるフレーズを何度も繰り返したので理解度はより高まった。「5本の樹」だけでなく、各社広報担当は今回の同社を見習ってほしい。(パネルディスカッションの各氏の話は省略した。1時間の話し言葉を書き言葉に変換するのは大変)

 もう一つ。佐々木部長は、同社には40人もの樹木医がいることを紹介した。記者は、同社の社外取締役を務めていた涌井史郎氏が語った「木の名前、虫の名前、鳥の名前を覚えると、一歩歩くごとに人生3倍楽しくなる」という言葉を思い出した。樹木医とはそんな人ではないか。機会があったら同社の樹木医にインタビューしてみたい。資格を取得すると医者や弁護士のような高収入を得られるのか、高額な手当はつくのか。記者は樹木や草花の図鑑を眺めるのだが、すぐ名前を忘れる。どうしたら覚えられるかも教わりたい。

 フォーラムで紹介された、239ページ、発行部数40万冊という同社の隠れたベストセラ―「庭木セレクトブック」はいい。木の名前と鳥の名前が一緒に覚えられるかもしれない。こんな本は他にないはずだ。注文を付けるなら実寸の葉っぱや実を載せてほしい。

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佐々木氏

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コジマ 創業50周年を祝うパーティー(サンケイホールで)

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小島会長(左)と小島社長

 埼玉県三郷市で不動産業、建設業、屋外広告業などを展開する株式会社コジマは11月14日、創業50周年を祝うパーティーを千代田区大手町の大手町サンケイプラザホールで開催。会場となったサンケイプラザホールにはお祝いの胡蝶蘭123鉢が芳香を放つ中、関係者ら200人超が集まり、「真心・感謝」をテーマとしたパーティーに同社の更なる発展を祈念した。RBA野球関係者も、同社社長・小島一茂氏(53)とほぼ同期の〝往年〟のスター選手が結集。昔話に花を咲かせた。

 冒頭、同社取締役会長・小島勲氏(78)は「昭和46年に会社を設立して半世紀が経過しました。これからも精進努力していきますので、どうぞよろしくお願いいたします」とあいさつ。

 息子で同社代表取締役社長・小島一茂氏(53)は謝辞で『野球というスポーツは人生そのものだ』という長嶋茂雄さんの名セリフと、『ピンチのあとにチャンスあり』という野球のセオリーを自分の人生にたとえ、長男が生まれた後に母が亡くなり、その翌月に会社を辞め、自分自身も家族も会社も世の中もそして業界もバブルの崩壊後長引くデフレで、野球で例えると無死満塁の大ピンチの状況。このピンチの状況の中支えてくれたのが親戚、先輩たち、同期生でした。そしてなんとかピンチを乗り越え、その後、お客様から様々なチャンスを頂戴し、教えられ、育てられ今日このようなパーティーを開催することができました。これからもお客様ファーストで真心と感謝を持って皆様と共に邁進していく所存でございます。と決意を表明。また、長男の隆寛氏を登壇させ、昨年立教大学を卒業し、現在六本木のケンコーポレーションで頑張っています。以後お見知りおきの上宜しくお願い致します。と次世代の紹介で締めくくった。

 来賓として登壇し乾杯の挨拶をした三井不動産リアルティ札幌代表取締役社長・江川尚志氏(54)は、「第3回RBA野球大会で一茂社長がサンケイビルのエースとして東京ドームの決勝戦で戦いました。7回終了して同点、2度の延長戦を行っても決着がつかず、時間切れでジャンケンをやってサンケイビルが優勝したんです」とエピソードを明かした。その他早大野球部出身者が2名参加していた。

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帝京高校時代、小島氏と二遊間コンビを組んだ楽天コーチ・奈良原氏の名前も

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長嶋茂雄氏直筆の色紙(左)と小島親子の大垣された書

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立教大学チアガールも応援に駆け付けた

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 この日出席したRBA野球関係者は前段の江川氏のほか、三菱地所ホームソリューション事業部長・鈴木正人氏(52)、サンケイビル事業本部関西営業部次長・三枝智氏(54)、ザイマックス防災テクニカ常務取締役・田村憲司氏(54)、テーオーシーTOC事業部課長・土屋彰氏(51)、元ケンコーポレーション藤田和茂氏(55)の6氏(順不同)。

 各氏は33年の歴史(一昨年と今年はコロナの影響で中止)を誇るRBA野球大会にどれほどの実績を残したか、ざっと紹介する。江川氏は早大野球部出身で、三井不動産販売の捕手として活躍。詳しいデータはないが、毎年60チーム、1チーム15人が出場したと計算すると、参加者は延べ28,000人に上るが、三冠王を獲得したのはこの江川氏のほかに〝ミスターRBA〟こと東急リバブルの岡住まさる氏、旭化成ホームズの現役・北寒寺氏しかいない。江川氏は長距離ヒッターではなかったが、シュアなバッティングは一級品だった。

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江川氏

 鈴木氏は上宮高校で一茂社長と同じ大会の甲子園に出場し、青山学院大-三菱地所ホームの主砲兼投手兼監督として活躍。チームの通算成績は26勝62敗、勝率0.295という数字が示す通り好成績を残せなかったが、「ハエが止まる60キロの速球」を開発した。本業では「うちはミリ単位で顧客対応ができる」と語ったのは今でも印象に残っている。記者はいつも鈴木氏を挑発したが、そのお詫びに別掲の記事を添付した。みなさんもぜひ読んでいただきたい。

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鈴木氏

 三枝氏はサンケイビルの捕手-監督としてチームを引っ張った。一茂社長の球を受けていたのも三枝氏だ。一茂社長が退社したあとはじり貧となり、やがて参加しなくなった。三枝氏は「野球好きもいる。声を掛ける」と復活に意欲を見せた。

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三枝氏

 田村氏は、同志社大-コスモスイニシア-ザイマックスの名遊撃手。守備力は現役の北寒寺氏と互角のプロ級で、西武・源田選手クラスだ。美しいのは守備だけでなく、記者はその美顔にほれぼれした(その手の趣味はない。念のため)。いまはしもぶくれが甚だしく往時の見る影もないが…。

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田村氏

 土屋氏は、RBA野球大会の1試合最多奪三振記録保持者だ。第10回大会の対安田不動産戦で、7回を投げ実に16個の三振を奪った。この試合を記者は取材していた。大会は7回または1時間半だから、双方とも強くても弱くても7回まで進むのは難しく、実力が拮抗していないとこの大記録は達成できなかったはずだ。運も味方した。土屋は屈指の好投手ではあったが、スピード一本で抑えるタイプではなかった。この日の三郷の河川敷のグラウンドは風が強く、投手に向かい風だった。変化球が面白いように決まった。

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土屋氏

 藤田氏は、日大三-日大-ケンコーポレーションで、第3回RBA日豪親善野球大会の遠征に日本代表として一茂社長と共に参加、この大会一茂社長がMVP、藤田氏が日本代表のキャプテン。豪遠征後、長崎慶一氏(元阪神)当時大京コーチの野球チームに二人はスカウトされ参加したこともある。この6氏と一茂社長を交えて歓談したかったのだが、一茂社長は200名を超える参加者にあいさつするのが忙しく、その機会はなかった。一茂社長は自らのプロフィールを同社ホームページで紹介しているので、そのまま転載する。

 「幼少期から高校野球の経験者で少年野球三郷ヤンガース創設監督の父に野球の教育を受け、帝京高校時代には現在東北楽天ゴールデンイーグルスの奈良原浩内野守備走塁コーチ(元侍ジャパンヘッドコーチ)と二遊間を組み甲子園に出場(1準優勝)。大学卒業後の91年、フジサンケイグループの不動産建設会社に入社。同年オーストラリアゴールドコーストで行われたRBA日本不動産野球連盟 第3回日豪親善野球大会に日本代表として出場しMVPを受賞。7年勤務後の98年、父の経営する株式会社コジマに入社。『Challenge for Change』『お客様ファースト』『スピード』をスローガンに『コジマにお願いして良かった』とお客様に思っていただき、喜んでいただける仕事をするのが生きがいです」

 一茂社長は、サンケイビルでは主に投手として活躍したが、本来は内野手だ。前出の田村氏と守備力は互角で、RBAでこの2人の守備は特別華麗だった。

 一茂社長は現在帝京高等学校野球のOB会会長を務める。

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 一茂社長の父・勲会長に話を聞いた。勲会長は小学3年のときから巨人ファンで、長嶋茂雄氏が好きだったという。茂雄氏の長男・一茂氏が誕生した3年後に長男が生まれた。「子どもをプロ野球選手にしたく、長嶋に負けるなと『一茂』と名付けた。1歳8か月から特注の巨人のユニフォームを着せていた。9連覇の最後の年の神宮球場の大学とプロの入れ変え時に当時の川上監督のサインが一茂氏のユニホームの左袖に書いてもらって」現在でもこのユニホームはあり、読売ジャイアンツ50周年記念特番でこのユニホームはテレビに映ったと語った。ご本人も元高校球児で二塁手だったそうで、「会長と一茂社長とどちらが守備うまいですか」と聞いたら「もちろん一茂」と返ってきた。

 小島会長は現在の球界について「ドラフトがバラバラにした」と話し、「歌は演歌が好きなのだが、女性が踏み台になっている。(男女平等を実現するため)法律を変えないといけない。『令和』の『令』は『冷たい』とも読める」と社会問題にまで踏み込んだ。

 会場に大書きされていた「真心」は自らが認めたもので、翠風という雅号で日展に入賞したこともあると話した。

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司会を務めたフリーアナウンサー・宇賀なつみさん

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左の小島氏の息子・隆寛氏はケン・コーポレーションの野球部員

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顧客のミリ単位の要望にこたえる三菱地所ホーム(2009/5/26)

 

カテゴリ: 2021年度

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「うめきた2期」開発現場

 大阪駅北口の開発面積約91,150㎡の再開発を進めている三菱地所を代表企業とする「うめきた2期」の開発事業者JV9社は11月24日、事業地内で計画しているスーパーラグジュアリーホテル(SLホテル)、ライフスタイルホテル(LS ホテル)、アップスケールホテル(USホテル」)のオペレーターについて、SLホテル、LSホテルをヒルトンに、USホテルを阪急阪神ホテルズにそれぞれ決定し、再開発のホテル事業の幹事社であるオリックス不動産はヒルトンと運営委託契約を締結し、SLホテルの名称を「ウォルドーフ・アストリア大阪」に、LSホテルの名称を「キャノピーby ヒルトン大阪梅田」に決定したと発表した。

 「ウォルドーフ・アストリア」はヒルトンの最上級ラグジュアリーブランドで、現在、30か所以上でアイコニックなホテルを展開しており、今後数年間の間に15か所で開業予定。「ウォルドーフ・アストリア大阪」は、同ブランドとしてはわが国では先に事業決定を発表した2026年度開業予定の「ウォルドーフ・アストリア東京日本橋」に次ぐ第2弾で、開業は「東京日本橋」より先の2025年度上期の予定。南街区賃貸棟・西棟の2階、28~38階に位置し、50㎡を中心とする252室の客室のほかラウンジ&バー、レストラン、フィットネス、スパ、屋内プール、チャペル、ライブラリー・ラウンジ、宴会場、会議室などを設置する予定。

 ライフスタイルブランド「キャノピーby ヒルトン」は日本初進出。「キャノピーby ヒルトン大阪梅田」は、北街区賃貸棟の10~25階に位置し、客室は32㎡を中心とする308室で構成。ラウンジ、フィットネス、会議室を設置予定。開業は2024年度上期の予定。

 USホテルは南街区賃貸棟・東棟の5~28階に位置し、客室は23 ㎡を中心とする482室で、レストラン、バー、フィットネスを設置予定。2024年度下期の開業を目指す。

 同日、ヒルトン大阪で行われた記者発表会には三菱地所執行役常務・木村透氏、オリックス不動産専務執行役員・高橋豊典氏、ヒルトン 日本・韓国・ミクロネシア地区代表・ティモシー・ソーパー氏が出席し、ヒルトン取締役社長兼最高経営責任者・クリストファJ.ナセッタ氏、 大阪府知事・吉村洋文氏、大阪市長・松井一郎氏などのビデオメッセージも披露された。

 「うめきた2期」の玄関口には現在のJRの「大阪駅」と直結する新駅が2023年に開業し、2025年4月から10月まで、「大阪・関西万博」が大阪市で開催されることから、関係者はホテルの開業に大きな期待を寄せた。

 ティモシー・ソーパー氏は、記者団からの「大阪のホテルは供給過多ではないか」という質問に対し、「供給過剰では全くない。それぞれが共存できる。ホテル市場は224年には回復に向かい、2030年までに訪日外国人6,000万人という政府の目標は達成できる。ファンダメンタルが伸びるのは間違いない」と否定的な見解を示した。

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左から木村氏、ティモシー・ソーパー氏、高橋氏

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「USホテル」完成予想図(提供:うめきた2期地区開発事業者)

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 記者は発表会の前日、東京建物が分譲中の「Four Seasons Hotel」との複合「Brillia Tower堂島(ONE DOJIMA PROJECT)」(463戸、うち一般分譲対象外住戸53戸含む)を取材した。第1期130戸は、これまでの市内の最高坪単価400万円をはるかに超える坪650万円だったにも関わらず平均4.2倍の競争倍率で即日完売した。

 「うめきた2期」の立地条件は「堂島」をはるかに超える。発表会で分譲棟について何らかのメッセージが発せられるのではないかと期待したが、まったくなかった。「堂島」の記事は稿を改めて紹介する。

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開発現場


 

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「CHILL CUBE(チルキューブ)」イメージ(実物のブースの外は本物の観葉植物)

 合同会社Endian、テレキューブサービス、三菱地所の3社は11月22日(月)~11月26日(金)、毎日忙しく働くビジネスパーソン向けにワークブースではなく休憩専用ブース「CHILL CUBE(チルキューブ)」を東京・新丸ビル地下1階に設置する。

 「CHILL CUBE(チルキューブ)」は、仕事の合間にほっと一息「チルする」=「♯チル休み」する習慣を身につければ仕事の生産性も上がるのではないかというEndianが展開するリラクゼーションドリンクブランド「CHILL OUT(チルアウト)」の想いから企画されたもので、これに賛同したテレキューブサービスと三菱地所がコラボし、「勤労感謝の日」を含めて期間設定した。

 Endianは「CHILL OUT」の提供のほか軽井沢の森林浴を楽しんでいるような気分に浸れる演出を行い、テレキューブサービスと三菱地所は休憩ブースのほか自主学習など新しい用途の可能性なども今後検討するとしている。

 ブースの寸法は、幅2254ミリ×奥行1067ミリ×高さ2009ミリ。ブース内は軽井沢ゆかりのシダ・コケ類、クレマチスなどのフェイクの植物が壁全面に貼られており、コブシの香りとコオロギなどの虫の声が聞こえ、明かりを消すと星空が浮かび上がり月光浴に耽っているような仕掛けが施されている。

 11月22日行われたメディア向け取材会でEndian共同代表職務執行者・渡邉憲氏は開口一番「地球と人からストレスをなくしたい。わが国のビジネスパーソンは働き過ぎ。パフォーマンスを上げるには休憩の重要性が指摘されている」と語った。

 三菱地所営業企画部・岡本拓仁氏は「多様な用途への可能性を探り、28万人が就業している丸の内エリアのビルと街の価値向上につなげたい」と話した。

 テレキューブサービス代表取締役社長・小山田佳裕氏は「ターゲットはストレッシブルな30代から40代の仕事で忙しい人。一息付けるオフの提案を行うことで設置個所を現在の200台から500台、1,000台へ普及させたい」と抱負を述べた。

 実施するのは2021年11月22日(月)~11月26日(金)、11:00~19:00 (体験時間は20分間)。新丸ビルB1F 個室型ワークブース「テレキューブ」(千代田区丸の内1丁目5−1)。

 人気は高く、すでに空きは6枠のみという。期間中体験した人限定のプレゼントキャンペーンを開催。「#オフィスで森林浴はじめました 」を付けてCHILL CUBEをSNS 投稿すると、その場でCHILLOUT6缶BOXがプレゼントされる。CHILL OUTはAI が開発したオリジナルのリラクゼーションフレーバーを採用している。値段は185ml缶で199円(税込)。

予約サイト:https://reserva.be/chillcube2021

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森林浴イメージ

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左から岡本氏、渡邊氏、小山田氏

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 2年くらい前か、「テレキューブ」なるものを駅構内などで見かけるようになったのは。どのような人が利用するのか不思議でならなかった。

 各氏の話を聞いて、働き盛りの人が利用するのはよくわかった。料金は個人会員で275円/15分だから、1時間で1,100円。空間を独り占めできるからこんなものか。軽井沢の森林浴は文句なしにいい。記者はずっと前からマンションに採用したらヒットすると思っていた。いろんなシーンが提案できる。天国だって地獄だって可能だろう。

 よく分からないのは、今回はストレスを発散するための企画ということだ。30分、1時間、フェイクの植物だらけのブースに入って仕事のストレスが消えるものなのか。ストレスを強いる経営の問題だろうが、ビジネスパーソンのストレスなんて所詮はその程度のものなのか。もっと深刻な生き死にの問題を抱えているのではないのか。

 三菱地所の岡本氏には意地悪な質問もぶつけた。同社の本社ビルには仮眠室も休憩室も、確かシャワー室もあった。わざわざお金を払ってまでそのようなブースに入る価値はあるのか、ブースに入って休憩する時間は勤務時間に含まれるのかどうかと。

 岡本氏は何のためらいもなく「当社の就業規則では休憩は勤務時間に含まれない。私は休憩申請をして利用したい」と答えた。

 記者は、出社しているときも自宅でもだいたい1時間くらい記事を書いて、息継ぎのためのタバコを吸う。時間にして3~4分くらいか。8時間労働として約30分だ。会社にタバコ休憩を申請したことなどない。タバコを吸いながら記事の推敲を行っており、これも仕事のうちだと思う。ビールやワインを飲むこともあるが、一杯飲んだからといって仕事に支障をきたすことはない。多くの人が甘いお菓子などを食べながら仕事をするのと一緒だ。

 取材・記事のことが気になって飛び起きたり、一睡もしなかったりすることも少なくない。だからといって〝これは仕事〟などと申請するほど厚かましくない。 

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「CHILL OUT(チルアウト)」
 


 

カテゴリ: 2021年度

 東京2020オリンピック・パラリンピック選手村となった用地を東京都が事業者に公示地価の10分の1の価格で売却したことの是非を問う裁判【事件番号 平成29年(行ウ)第388号】の判決が12月23日(木)15:00、東京地裁103号法廷で言い渡されることが決まった。2021年8月31日に結審していた。

 現在、「HARUMI FLAG」では、「SUN VILLAGE第一工区」1,089戸(A棟102戸、B棟277戸、C棟236戸、D棟130戸、E棟150戸、F棟194戸)の第1期465戸(価格:4,990万〜22,920万円、専有面積61.06~116.58㎡)と、「SEA VILLAGE」686戸(A棟179戸、B棟78戸、C棟78戸、D棟177戸、E棟174戸)の第2期166戸(価格:7,530万〜17,590万円、専有面積85.37~123.01㎡)の登録申し込みが行われており、抽選日は11月22日。

選手村裁判 不可解な調査報告書は2つ&掘削工事の事実ない 原告の準備書面(2021/9/19)

選手村裁判が結審 「HARUMI FLAG」利益は消費者(購入者)に還元すべき(2021/9/9)

 


 

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