三菱地所レジ・モリモト 自由が丘の1低層マンション 大規模緑化と既存樹木など保存

「ザ・パークハウス 自由が丘ディアナガーデン」
三菱地所レジデンスとモリモトは4月9日、両社のJVマンション「ザ・パークハウス 自由が丘ディアナガーデン」に三菱地所レジデンスが実施している生物多様性保全の取り組み「BIO NET INITIATIVE」(ビオネット・イニシアチブ)を導入し、大規模緑化や既存樹木の保存などを実施すると発表した。
物件は、東急東横線・大井町線自由が丘駅から徒歩9分、目黒区自由が丘3丁目の第一種低層住居専用地域の南傾斜地に位置する敷地面積約3,619㎡の地上3階地下1階建て全44戸(販売対象外11戸含む)。専有面積は74.72~175.46㎡。竣工予定は2022年6月下旬。設計・施工は東急建設。
目黒区自由が丘アドレスの新規分譲マンションで敷地面積1,000 坪以上の物件は1993年以降では初で、敷地はイヌ・オオカミ研究の第一人者として知られる故・平岩米吉氏の「白日荘」と呼ばれたお屋敷跡地であることから、従前の植物や在来種を保全、敷地の25%を緑地化し、生物多様性に貢献する面積29%超を確保するほか、公益財団法人日本自然保護協会と連携し、着工前の環境調査(家屋・植生・生態系を対象)を実施し、東京都区部で絶滅危惧II類にも指定されている希少種「ウマノスズクサ」などを保存する。「ウマノスズクサ」を食草とする「ジャコウアゲハ」や、「ハギ」を食草とする「キタキチョウ」などの飛来が期待できるという。
さらに、敷地の南側には最大390㎡以上の「ひとかたまりの緑地」を確保。「アラカシ」「スダジイ」「シラカシ」など260本(区基準の約2倍)、低木は「ムラサキシキブ」「アセビ」「ドウダンツツジ」など3,900株以上(都基準の約23倍)を植樹する。ABINC認証も取得済み。
建物は、自由が丘初の「ヴィンテージマンション」を目指し、外観は水平ラインを意識した木調軒天仕上げの大庇や、一枚ずつ丁寧に窯で焼かれ、緑にあふれた環境に馴染むアースカラーの外壁タイルなどを採用。平均専有面積100㎡超。大型車も格納可能な地下循環パズル式機械式駐車場32区画を確保する。
三菱地所レジデンスの「ザ・パークハウス」では、2015年2月以降、原則として全ての物件で「ビオネット・イニシアチブ」を導入している。
日本自然保護協会 自然のちから推進部部長・岩橋大悟氏は、「『ビオネット・イニシアチブ』のアクションによる生物多様性の保全にとどまらず、計画地の植生・生態系を対象とした環境調査を事前に行ない、一部の既存樹木や絶滅危惧種にも配慮した取り組みにつなげることができたことは、価値のある大きな一歩だと思います。また、販売にあたっても生物多様性の保全や持続可能な地域づくりにつながるツールを積極的に取り入れたことも大切な取り組みです」とコメントしている。
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この物件については、見学取材を申し込もうと思っていたが、両社は4月22日(木)、オンラインモデルルーム内覧会を行うのでこれ以上書かないが、自由が丘の1低層の地価公示は坪370万円くらいだと思う。今回の敷地は1,000坪以上で、1戸当たり土地持ち分は単純計算で約22坪。これに建物価格を足すといくらになるか。おおよその見当が立つ。記者の単価予想は的中するはずだ。
三菱地所レジデンスの1低層のマンションは「ザ・パークハウス代々木上原」を見学している。モリモトの「ディアナガーデン」もたくさん見学している。両社のJVは2011年の「上目黒」以来2度目。
保護実践、教育普及、子ども・学生3部門構成もいい 「日本自然保護大賞2021」視聴(2021/3/13)
大京・大和ハウス 市街地活性化の一環「岐阜」335戸 坪200万円台前半とか…

「ライオンズ岐阜プレ ミストタワー35」
大京と大和ハウス工業は4月10日、岐阜県最大全335戸の官民一体の複合タワーマンション「ライオンズ岐阜プレ ミストタワー35」のマンションギャラリーをオープンする。
物件は、名鉄名古屋本線・各務原線名鉄岐阜駅から徒歩11分(JR岐阜駅から徒歩13分)、岐阜県岐阜市徹明通二丁目に位置する35階建て全335戸(非分譲36戸含む)。専有面積は46.90~156.32㎡、竣工予定は2023年2月。施工は戸田建設。
建物は、柳ケ瀬エリアのランドマークとして中心市街地活性化の実現を目指す高島屋南地区第一種市街地再開発事業(柳ケ瀬グラッスル35)の一環として建築中のもので、高さ約130m、制振構造を採用。1、2 階は商業施設、3、4階は岐阜市が整備する公益的施設となり、分譲マンションは5階以上。
東・北側の上層階からは眼前に金華山を眺めることができ、西・南側は隣接建物がなく濃尾平野、名古屋方面見渡すことができる。間取りは1LDK、2LDK、3LDK、4LDK の全62タイプ。最上階35階には、スカイビューテラスを備えた100㎡超のトップグレード住戸を6 戸設けている。
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このマンションのメディア向け見学会が4月7日に行われた。岐阜県は記者の故郷・三重県に隣接しているのだが、一度も訪れたことはなく、取材したかったのだが、コロナが心配で申し込まなかった。
昨日(8日)の「NAGOYA the TOWER」見学の後にモデルルームを見せてもらえないか頼んだが駄目だった。
デベロッパー各社にお願いだ。地方で見学会を行うときは、各社で話し合って2件、3件取材できるようにしていただきたい。そうすれば首都圏からの見学者も増えるのではないか。
「岐阜」を取材した方から聞いたのだが、坪単価は200万円台の前半だとか。県都・岐阜市の一等地でこの単価とは…複雑な気持ちだ。
〝どえりゃあ高い〟坪単価400万円 総合地所など6社JV「NAGOYA the TOWER」

「NAGOYA the TOWER」
総合地所は4月8日、同社をはじめとする名鉄不動産、京阪電鉄不動産、大和ハウス工業、三交不動産、住友商事の6社JVマンション「NAGOYA the TOWER」のモデルルームプレス向け内覧会を行った。名古屋駅から徒歩13分の名古屋駅圏最高層の42階建て全435戸で、「職住近接」「都心居住」のニーズに応える名古屋のランドマークを目指す。坪単価も〝どえりゃあ高い〟約400万円になる模様だ。内覧会には予定を上回る35人が参加した。
物件は、JR名古屋駅から徒歩13分(名古屋駅ミヤコ地下街4番出入口から徒歩8分)、名古屋市中村区名駅南二丁目の敷地面積約5,898㎡、42階建て全435 戸。7月に分譲予定の第1期100戸の専有面積は54.25~135.45㎡、価格は未定だが坪単価は400万円になる模様。設計・施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は2023年4月。デザイン監修は光井純&アソシエーツ建築設計事務所。販売代理は長谷工アーベスト。事業比率は非公表。
現地は、長谷工コーポレーションが2018年、パナソニックから取得した全15,000㎡の敷地の一角に建設するもの。名駅南地区まちづくり協議会が発足してから約10年、再開発プロジェクトの第一弾となる。名古屋駅から徒歩圏で、広大な敷地と過去4棟しかない40階建て以上のタワーマンションとなることから、〝日本に誇れる名古屋のランドマーク〟を目指す。ABINC認証も取得している。
建物は制震構造で、主な基本性能・設備仕様は、無勾配排水工法「サイホン排水システム」、ガス発電システム、ロボット掃除、地下駐車場、専用エレベーター、100㎡のラウンジ、二重床・二重天井、リビング天井高2.5~3.0m、ディスポーザー、Low-Eガラス、コーナーサッシなど。
100㎡以上が98戸で、30階以上は顧客の要望に応えるフリープランとする予定。20~30戸ある35~50㎡プランは、投資用として不動産会社などに一括で分譲する可能性が高いそうだ。
これまで1,500件を超える反響を集め、300組の来場があるという。

空撮

スカイラウンジ

フラワーガーデン
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記者は名古屋弁をまねて単刀直入に坪単価について質問した。「同じ名古屋駅から徒歩12分の三菱地所レジデンスは坪270万円げな。こっちはそれと比べるとどえりゃあ高いと聞いている。どれくらいするんか、教えてちょう」と。これに対して、総合地所名古屋支店部長・有本光男氏は坪単価400万円であることを明らかにした。
記者は名古屋駅圏の将来性を考慮すれば、坪400万円は決して高くなく、三菱地所レジデンス、三菱商事都市開発、野村不動産の3社JV「ザ・パークハウス 名古屋」462戸の坪270万円が安すぎるから高く映るのだと思う。
その影響も聞いたが、コンセプトが異なるためかほとんど競合はしていないという。地所レジのマンションはモデルルームを観ていないので何とも言えないが、仕様レベルも異なるようだ。
3つのモデルルームのうちプレミアム住戸の150㎡タイプは鈴木ふじゑ氏がコーディネートしたもので間違いなく億ション仕様だ。価格はオプションを含めて4.5億円超というのも納得する。
それより注目したいのが67㎡のタイプだ。ほぼ正方形で間口は8.5m以上あり、廊下幅もメーターモジュールを採用している。価格は7,000万円台に抑えられるというから人気になりそうだ。
気になるのは、全体敷地約1.5haのうち今回のマンションの敷地を除く1ha近くの敷地の用途が未定ということだ。何になるのかユーザーも気になるのではないか。

現地

67㎡のモデルルーム
67㎡のプラン H-8タイプ図面.pdf
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コロナを避けるため、昼食は堀川沿いの公園で摂ることにした。スーパーで東京クラフトビール(これが実においしい)とハーフの白ワインを買い、三重県産とあったミニトマト(10個入りで550円だったか)と、これまた三重県産のミカンを自宅用に買った。
記者は毎日のようにトマトを食べるが、このミニトマトは最高においしい。OSMICが生産しているもので、三交不動産も提携企業になっている。三重が誇れるトマトだと思う。記者ならこのミニトマトをモデルルーム来場者に配る。間違いなく販促につながるはずだ。

堀川沿いのミニ公園(ここで食事)

堀川
三菱地所レジ他 名古屋駅圏の複合「ノリタケの森地区」第1期200戸に2.1倍登録(2020/11/13)
総合地所など6社 名古屋駅徒歩圏で42階建てタワーマンション441戸着工(2020/8/17)
野村不・阪急阪神不 JR平井駅前の再開発事業を着工 分譲マンションは約270戸

完成予想図
野村不動産と阪急阪神不動産は4月5日、JR総武線平井駅から徒歩2分の再開発「平井五丁目駅前地区第一種 市街地再開発事業」の新築工事を2021年3月23日に着工したと発表した。参加組合員として事業に参画しているもので、竣工は2024年度内を予定。
事業は、JR平井駅北口駅前広場に面した約0.7haの規模で、本再開発組合は2014年12月に再開発準備組合が設立され、2017年9月に都市計画決定、2018年11月に再開発組合の設立認可を受けていた。計画では、計画地の北西側に広場を設けるとともに、大規模災害時にも対応できる防災設備を設置し、都市型住宅の供給、地域拠点としての街づくりを進める。施工は前田建設工業。
建物は地上29階建て。1・2階は商業施設、3階は子育て支援施設(認可保育園)、5階以上に約370戸のマンションを配置する。
マンションは、免震構造、長期優良住宅の認定(一部住戸除く)を取得し、分譲戸数はファミリータイプ(3LDK)中心に約270戸(地権者住戸除く)を予定。3階共用部には多様化するライフスタイルに合わせたライブラリーラウンジ、個別ワークスペースなどを導入する。2022年度中に販売を開始する。
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「平井」は好きな街だ。ただ、プレス・リリースからすると、マンションは「亀戸」のように「床快full(ゆかいふる)」とZEHを採用しないようだ。なので、予想単価は350万円から340万円に下方修正した。そんなに安くないか。

共用部分ライブラリー
爛漫の春 多摩川のそば ZEH&免震 東京建物他「聖蹟桜ヶ丘」第1期は170戸


4月1日写す
記者の今春の最大の注目物件の一つ、東京建物・東栄住宅・京王電鉄・伊藤忠都市開発4社JVのZEH-M Oriented免震タワーマンション「ブリリアタワー聖蹟桜ヶ丘ブルーミングレジデンス」の第1期170戸の登録申し込みが4月3日から始まった。物件ホームページによると総来場数が延1,200組を突破したようだ。
物件は、京王線聖蹟桜ヶ丘駅から徒歩4分、多摩市関戸一丁目の第二種住居地域(建ぺい率90%、容積率452%)に位置する敷地面積約8,556㎡、33階建て全520戸。第1期(170戸)の専有面積は54.93~124.14㎡、価格は3,998万~12,598万円(最多価格帯5,000万円台)。登録受付は4月3日~4月12日。抽選日は4月12日。竣工予定は2022年9月中旬。設計・施工は三井住友建設。デザイン監修は光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所。
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取材をしていないので何とも言えないが、坪単価はずいぶん安いという印象を受ける。価格帯からして坪300万円には届かないようだ。駅周辺には生活利便施設が整っており、京王線初の免震でZEH、散歩に最適の多摩川がすぐそば…などを考慮すると、この値段は安い。
聖蹟桜ヶ丘駅も含め、どうも京王線は他の沿線と比べ〝割り負け〟していると思わざるを得ない。新宿から15分の調布駅圏でも坪300万円台の中盤から後半が相場だ。小田急線には圧倒的に負けるし、北千住にも勝てない。
記者は、多摩センターの住民だが、かつて、聖蹟桜ヶ丘駅の一駅先の百草園に住んでいたとき、聖蹟桜ヶ丘駅前の「ザ・スクエア」の中古や戸建ての購入も検討したことがある。交通利便性より子育て環境を重視したので多摩センターのマンションを選んだ。当時、調布は中古でも坪500万円を突破していた。
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爛漫の春だ。聖蹟桜ヶ丘ではないが、わが多摩センターの「春」を写真で紹介する。多摩市に住むとこんな風景が日常にある。

「旧富澤家」として多摩中央公園で公開されている江戸時代の名主富澤家の居宅

多摩グリーンライブセンター(右はボレロ)

ヤマブキ(左)とシャガ

竹林と公園トイレ

カモと遊歩道

わが家の専用庭
東急リバブル 営業職5年以上と遜色ない物件選定 AIマッチングシステム開発・稼働
東急リバブルは3月31日、AI技術を活用して投資用マンションと顧客を繋ぐ「投資用区分マンションAIマッチングシステム」を開発したと発表した。東京23区及び武蔵野市・三鷹市のマンションへの投資を考えている顧客を対象に4月1日から本格稼働する。
日本電気の精度の高い最先端AI技術群「NEC the WISE」の1つである「異種混合学習」を採用。東急リバブルが保有する約6年間分の過去取引に関するデータ(物件特性・希望条件・資金計画など)や営業担当者の経験値などに基づき、AI技術を用いて投資用マンションのおすすめ度を顧客ごとに分析し、スコア化する予測モデルを搭載している。
同社の事前検証により、営業経験5年以上の担当者が行う物件選定と遜色ないレベルを実現したという。
投資用マンションの顧客のニーズは、老後資金の確保だけでなく20・30代のミレニアル世代による新たな収入源確保や資産形成を目的とするなど多様化しており、そうしたニーズに応えるもの。
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ファミリーマンションの顧客ニーズは複雑で、沈殿・潜在しているものを引き出すのはAIでも難しいが、投資用は確かにデータ化を可能にするはずだ。リバブルの営業経験5年以上のベテランと遜色ないというから、これはいい。
しかし、この種のAIソフトがどんどん開発されたら、営業職の仕事が脅かされないか心配だ。AIシステムは宅建士の資格は必要ないのか。ミスをしたら営業マンが責任を問われるはずだ。これは不公平だ。
Sは10.5% 管理不全の恐れありDは0.5% マンション管理協 6.4万棟を仮評価
マンション管理業協会は3月30日、会員各社が受託するマンションを対象にした管理状態の仮評価調査結果をまとめ発表。建設年代が古いほうが管理に問題があることを調査結果は示している。
調査は、令和2年4月~12月にかけてアンケート形式で実施されたもので、回答会員社数は142社(会員社数358社)、回答総数は70,107棟(受託棟数118,386棟)。集計対象数は63,969棟(三大都市圏50,765棟、その他地域13,204 棟)。
仮評価ランクはS:特に秀でた管理状態、A:適切な管理状態である、B:管理状態の一部に問題あり、C:管理状態に問題あり、D:管理不全の恐れがある-の5段階で、調査の結果、全体評価ではS:10.5%(6,714棟)、A:54.6%(34,921棟)、B:27.3%(17,482棟)、C:7.1%(4,549棟)、 D:0.5%(303棟)となった。三大都市圏とその他の地域との差異はそれほど見られなかったという。
Sランクの年代別分布は、1979年以前:2.2%、1980年~1990年:10.9%、1991年~2000年:24.5%、2001年~2010年:31.8%、2011年以降:30.7%。Dランクの年代別分布は、1979年以前:30.4%、1980年~1990年:57.8%、1991年~2000年:7.9%、2001年~2010年:3.6%、2011年以降:0.3%。
1979年以前の6,790棟のS~Dの分布では、S:2.2%、A:39.4%、B:39.3%、C:17.3%、D:1.4%。
仮評価結果は、今後のマンションの管理の適切性が市場で評価される仕組みづくりのための基礎的データとなる。
坪単価496万円でも販売好調 伊藤忠都市開発「新宿若松町」/「渋谷富ヶ谷」も順調

「クレヴィア新宿若松町」
昨年12月から販売を開始した伊藤忠都市開発の「クレヴィア新宿若松町」が好調な売れ行きを見せている。都営大江戸線若松河田駅から徒歩3分の149戸(販売対象住戸71戸、事業協力者住戸78戸)で、坪単価496万円ながらすでに半分以上の40戸を成約している。
物件は、都営大江戸線若松河田駅から徒歩3分、新宿区若松町の商業地域、第1種住居地域に位置する13階建て全149戸(販売対象住戸71戸、事業協力者住戸78戸)。専有面積は25.50~80.85㎡。先着順で分譲中の住戸(5戸)の価格は4,098万〜7,398万円(専有面積25.50~54.01㎡)。坪単価は496万円。竣工予定は2022年2月下旬。販売代理は伊藤忠ハウジング。デザイン監修はレーモンド設計事務所。設計・監理・施工はアイサワ工業。
現地は、阪急阪神不動産が分譲した「ジオ若松河田」の隣接地。敷地北側は都市計画道路予定地。
建物は内廊下方式で、住戸プランは南向きの50~80㎡台の2LDKタイプと、25~53㎡台のワンルーム~2LDKのコンパクトタイプの混在型。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2450ミリ(Bタイプ1戸は3000ミリ)、ディスポーザー、食洗器、シーサーストーン天板など。
販売代理の伊藤忠ハウジング・大倉嘉隆氏は、「絶好調。昨年12月から販売を開始し、すでに折り返し点を過ぎた」と話している。
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単価を聞いて驚いた。2016年に日本エスコンの「Grand Le JADE若松町レジデンス」31戸を見学している。レベルの高いマンションだったが、坪単価は400万円台の前半だった。それより100万円近く高くても売れるとは…。
ただ、設備仕様レベルは高い。販売対象住戸はどちらかといえば、ファミリータイプよりコンパクト住戸のほうが多い。このまま順調に売れるのだろうか。
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取材の主目的は、同社の常設「ギャラリークレヴィア新宿」にある「クレヴィア渋谷富ヶ谷」のモデルルームを見学することだった。
この物件については、同社のプレス・リリースをコピペして記事にしているので参照していただきたい。「富ヶ谷」アドレスで、坪単価600万円にふさわしいレベルにあると思う。
細部にもデザインにこだわっているのが特徴だ。例えば、バルコニーの手すり壁の裏側もタイル張りにしており、住戸の玄関にはオリジナルのガラスアートを配している。オプションのテレワーク用の個室もよくできていた。
販売も順調で、伊藤忠ハウジングのプロジェクトマネージャー・尾林拓氏は「販売対象22戸のうち11戸を供給し、現在4戸を先着順に分譲中。2LDK、3LDK中心に予定通り進捗している。モデルルームはRBA野球チームの大倉が担当している『新宿若松町』と共通で、『新宿若松町』も好調」と話した。
尾林氏が「大倉」の名前を出さなかったら、そのまま取材を終え、「渋谷富ヶ谷」の記事だけに済ます予定だったが、予定を急遽変更して「新宿若松町」をメインにすることに決めた。
大倉氏は、RBA野球屈指の強打者でチームの主砲だ。記録は取っていないが、これまで5年くらいの通算打率は5割に達するのではないか。昨年、チームにはすごい投手も加入したというから、期待通りに活躍すれば優勝できる戦力があるとみた。いま伊藤忠都市開発(伊藤忠ハウジング)はマンション事業でもっとも〝元気〟がある会社の一つだ。

「クレヴィア渋谷富ヶ谷」

「クレヴィア渋谷富ヶ谷」(左上が玄関のガラスアート)
伊藤忠都市開発 建て替えマンション「渋谷区富ヶ谷」分譲開始(2021/2/24)
代々木上原の1低層 デザイン性高く借景見事 小田急不・大和ハ・地所レジ「上原」

「リーフィアレジデンス上原」
小田急不動産(事業比率40%)・大和ハウス工業(同30%)・三菱地所レジデンス(同30%)の3社は3月11日、分譲中のマンション「リーフィアレジデンス上原」の記者見学会を行った。代々木上原駅から徒歩9分の第一種低層住居専用地域の高台立地の4階建て全65戸。雁行設計と吹き抜けを多用することで居住性を高めているのが特徴。販売も順調に進んでいる。
物件は、東京メトロ千代田線・小田急小田原線代々木上原駅から徒歩9分(小田急小田原線東北沢駅から徒歩3分)、渋谷区上原三丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率150%)に位置する4階建て65戸。専有面積は62.03~125.10㎡、現在先着順で分譲中の住戸(3戸)の価格は10,990万~21,700万円(63.19~121.03㎡)。坪単価は非開示だが635万円くらいか。建物は2021年2月に竣工。設計・施工は第一建設工業。デザイン監修は西山建築デザイン事務所。
現地は、南側と東側(私道)に接道。高さ規制が10mの第一種低層住居専用地域だが、敷地四方に空地を設けたことから12mに緩和されており、建物は内廊下、逆梁ハイサッシ(2400ミリ)を採用、南側を雁行設計とし、中庭、吹き抜けを多用することで、全戸多面採光としているのが特徴。
住戸の主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、メーターモジュールの廊下、シーザーストーン天板、バックカウンター・収納(一部)、食洗器、ディスポーザーなど。
平均専有面積は88㎡、約4割が100㎡以上。昨年6月から販売を開始しており、これまでに7割が契約済み。購入者の8割が都内居住者で、うち4割が渋谷区居住者。

エントランス

「リーフィアレジデンス上原

中庭
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小田急不動産の都心部マンションの見学は久々だったが、デザイン性が高いのは昔のマンションと同じだった。レベルの高いマンションだと思う。皆さんはご存じないかもしれないが、記事に「モンドリアンの絵画のよう」と見出しを付けた、デザイナーズマンションの走りの一つといえる2003年竣工の「コアロード六本木フロンテ」30戸を思い出した。
デザイン監修の山建築デザイン事務所はどこかで聞いたことがあるような気がしたので、「RBA」で検索したら記者がほれ込んだモリモトの「ディアナコート浜田山」がそうだった。
今回は、水の流れ、ゆらぎを表現したエントランスの御影石トレンチ加工、1階のエレベータホール、ラウンジに面した中庭のデザイン・植栽、車寄せなどが秀逸だ。
もう一つ、大きな特徴は借景だ。南側の道路を挟んだ対面はエネオスの〝迎賓館〟で、まるで公園のようなクスの巨木などが植わっている。
単価は記者の予想だが、そんなに的を外していないはずだ。建築費は上昇しているが、同じ駅圏の最高レベルの三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス代々木上原」の647万円を上回ることはないと読んだからだ。
同社にこれから都心部のマンションの供給を増やすのかどうかは聞き忘れた。

1階エレベーターホール

1階ラウンジ
価格上昇・専有圧縮 質の低下…マンション市場データは消費者目線欠落していないか
先日、長谷工総合研究所の不動産総合情報誌「CRI(Comprehensive Real-estate Information)」最新号3月号(No.511)が届いた。昨年の首都圏と近畿圏の分譲マンション市場の総括が特集だ。
記者は、1994年に長谷工総研が設立されてから大変お世話になってきた。同社の研究員と一緒に民間の有料老人ホームなどを取材したこともある。「CRI」は、ページ数は25ページくらいだが上質紙を使用しており、不動産経済研究所のデータをリソースとしながらも独自の視点でマンション市況などをレポートしている。巻末の首都圏と近畿圏のDATAFILEは8ページにも及び、住宅着工動向についても毎月報告している。見城美枝子氏のコラムもいい。マンションを取材するメディア関係者にとって欠かせない情報誌の一つだと思う。
一方で、3月2日発売の住宅新報3月2日発売号(電子版)の1面は「首都圏新築分譲マンション市場の行方」と題する記事だ。
こちらは、トータルブレイン・杉原禎之取締役副社長、工業市場研究所・美濃部康之専務取締役、長谷工アーベスト販売企画部門市場調査部・林祐美子部長らのコメントを中心にまとめたものだ。
トータルブレインは設立時から小生もお世話になっており、杉原氏とは1か月くらい前にお会いし、いろいろ情報交換をした。一昨年暮れに急逝された久光龍彦社長の業務を引き継ぎ、43社を毎日3社のペースで訪ねていると聞き、とてもうれしくなった。美濃部氏とはしばらくお会いしていないが、リーマンショック前までは同社が主催する勉強会「さんもく会」などに出席していたし、長谷工アーベストはマンション販売現場のほかRBA野球大会でも楽しい取材をさせていただいている。
双方のレポート・記事についてはコメントを差し控えるが、この際だ。情報機関や記者の取材のあり方について以下に書くことにする。調査、取材は何のためか、誰のためかを考え直してほしいからだ。
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まず、第一に各調査機関のデータについて。マンション市場については、不動産経済研究所、CRI、東京カンテイ、工業市場研究所(コーケン)などが調査し、毎月レポートを発信している。
調査対象がそれぞれ異なるのでデータが一致しないのはやむを得なが、最近は住宅着工戸数との乖離が目立つような気がしてならない。
ここ3年間の住宅着工戸数と不動産経済通信(CRI)、東京カンテイ、コーケンの分譲戸数を比較してみた。
2018年から2020年までの首都圏マンション着工戸数は168,514戸だ。一方で分譲戸数は不動産経済通信(CRI)が95,598戸、東京カンテイが129,153戸、工業市場研究所が103,495戸だ。不動研の数値が少ないのは、同社は専有面積30㎡以下や投資向け1棟売り、定借物件は調査対象外としているのでこのような乖離が生じるのは納得できる。東京カンテイとコーケンはワンルームマンションなども調査対象としていると思われる。
それにしても住宅着工戸数との差は3年間で東京カンテイは約4万戸、不動研は7.3万戸の開きがある。住宅着工を100とすれば、捕捉率はそれぞれ76.6%、56.7%だ。着工戸数の半数しか供給されないのに、どうして「堅調」(新報)などと言えるのか。
〝疑ってかかる〟のは記者の基本だ。いったい捉えきれない残りの戸数はどうしたのか考えるべきだ。記者は、建て替え・再開発物件などの地権者用や事業協力者住戸も年間で数千戸あり、同業・リート・個人投資家向けへの1棟売りも数千戸に上るのではないかと推測しているのだが…これだと限りなく住宅着工の数値に近くなるはずだ。
いずれにしろ、需要は多様化している。デベロッパーも多様化するニーズに応えるよう開発を行っているはずだ。「分譲マンション」として一括りにするのは正確な市場を把握したことにならないと思う。調査機関はこうした動きに対応できているのか。
需給の多様化の一例を紹介する。三井不動産の2021年3月期第3四半期決算の分譲セグメントで、オフィス・物流・海外分譲の売上高2,769億円が国内の分譲マンションと分譲戸建ての売上高2,495億円を上回った。住友不動産も前期あたりから〝全国供給量ナンバーワン〟を目指さなくなった。この意味するところを考える必要がある。
もう一つ、こちらのほうが大事だと思う問題提起。調査機関はマンションの供給戸数、面積、価格、売れ行き、在庫などについては詳報しているが、その質や設備仕様についてはほとんど公表しない。量とともに質も大事にしないといけないのはマンションも同様のはずだ。
記者は、マンションの質とは基本的には面積だと思っており、ファミリータイプの専有面積が価格を抑制するために縮小されるのは時代が退行するようで残念でならないのだが、単身・DINKSなどの小規模家族向けの需要が増大していることを考慮すると、一概に面積圧縮=質の低下といえない側面もある。それを無視して平均値で示すマクロデータの欠点はここにある。
各調査機関のデータに欠落しているものはこのほかにもたくさんある。列挙するとレンタブル比率はどうか、リビング天井高はどう推移したか、免震は増えたのか減ったのか、直床の増加をどう見るのか、ワイドスパンはどうか、キッチンのグレードはどうか、フラット・ハイサッシの設置はどうか、バルコニーのスロップシンク、ディスポーザー、食洗器、ミストサウナ、ZEH、UD…書き出したらキリがない。
これらは分譲価格と不可分のものだが、マクロデータはこれらを拾いきれない。聖路加国際大学大学院看護学研究科教授・中山和弘氏の「か・ち・も・な・い」(書いた人は誰か、違う情報と比べたか、元ネタは何か、何のために書くか、いつの情報か)はマンション市場記事についても当てはまる。消費者目線が欠落したデータはそれこそ「価値もない」と言ったら失礼か。
