首都圏マンション 28年ぶり3万戸割れ それでも市場は低調ではない その逆だ


【表・グラフの見方】着工戸数はA・青、このうち居住面積が40㎡以下がB・赤、供給戸数はc・緑で不動研調査による戸数。A-(b+c)は謎の数値
昨年(2020年)の首都圏マンション供給量が激減したことを各紙が報じている。1月25日付の不動産流通研究所のWeb「R.E.port」は「首都圏マンションの新規供給戸数は2万7,228戸(前年比12.8%減)となり、1992年以来となる年間供給戸数3万戸割れとなった」と発信した。翌日、朝日新聞は「20年の発売戸数は、春の緊急事態宣言で販売を一時休止したことが響き、前年比12.8%減の2万7,228戸と、92年以来、28年ぶりに3万戸を下回った」と記事にした。
双方とも不動産経済研究所(以下、不動研)のプレス・リリースをそのままコピペしたものだ。住宅新報も週刊住宅も2月1日発売号で同じような記事を発信するはずだ。(不動研のほかに工場市場研究所、東京カンテイも同様な調査を行っている)
記者は、調査や記事に異論を挟むようなことはしたくないのだが、記事は半分当たっているかもしれないが、コロナ禍で市況が低迷しているかのように印象付けるのは明らかに間違いだと思うし、何よりも一般の人の誤解を招くのではないかと危惧するので、以下に「事実」を記す。
別表とグラフを見ていただきたい。最近5年間の首都圏(一都三県)の分譲マンション着工戸数と、その戸数のうち居住面積が40㎡以下の戸数(非木造)、そして不動研が発表している年間の供給戸数を比較したものだ。
これによると、不動研調べによる昨年の供給戸数は着工戸数の半数しかなく、この5年間の数値もほぼ同様だ。着工時期と供給時期はタイムラグがあるので一致はしないのだが、着工戸数の半分しか供給(成約)できなかったら、間違いなく事業は破綻する。それなのに、悲鳴などは聞こえてこない。
なぜか。業界関係者ならお分かりだろう。不動研の調査対象は専有面積30㎡以下や投資用マンション、1棟売り、非分譲住戸などは含まれないはずだ。一方で、国交省の住宅着工戸数は確認申請の数字をそのままをデータ化したものだ。この溝を埋めない限り正確な分譲マンション市場を把握することはできない。
双方の数値の違いに大きな影響を及ぼしているのが、ここ数年激増している単身・DINKS向けコンパクトマンションや投資家向けマンションだ。これらがいったいどれくらいの戸数に達するのか、どこも把握できていないはずだが、着工戸数と不動研の供給戸数の差からして年間1万数千戸に達するのではないかと推測できる。不動研は投資向けマンションの調査も行っているが、その数は6~7,000戸台だ。これでもまだ着工戸数に届かない。
記者は、このほか賃貸への用途変更、リートへの売却、非分譲住戸(一般には分譲されないが「事業協力者住戸」などとして分譲される)なども数値を狂わしていると思う。「分譲マンション」市場はかつてないほど多様化している表れだ。
この推測が当たっていれば、着工戸数と供給戸数の差は埋められる。それどころか、昨年4~6月はマンション販売の営業活動を自粛し、その後も来場を制限するなどして供給も抑制し、なおかつ価格を上げている(一方で室・設備仕様レベルの低下は甚だしいのに)ことなどを考慮すると、決して〝低迷〟などしていないことがわかる。むしろ逆ではないか。デベロッパー各社の直近の決算発表によると、マンション事業進捗率は信じられないほど好調だ。
メディアには、表層的なデータばかりを見ていたら事実を見誤るといいたい。〝人のふんどし〟(下品でごめんなさい)で相撲を取ってはだめということだ。
2020年首都圏中古マンション成約は約3.6万戸 中古戸建ては過去最多 東日本レインズ
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は1月22日、首都圏の2020年(2020年1~12月)の不動産流通市場の動向をまとめ発表した。
中古マンションの成約件数は35,825件(前年比6.0%減)で2年ぶりに前年を下回った。
成約物件の1㎡当たり単価は首都圏平均で55.17万円(前年比3.2%上昇)で、8年連続の上昇。この8年で44.5%上昇している。
成約物件価格は3,599万円(前年比4.6%上昇)で、1㎡当たり単価と同様に8年連続で上昇。5,000万円超の各価格帯が成約件数、比率とも拡大している。
成約物件の平均専有面積は65.24㎡(前年比1.3%拡大)と2年ぶりに拡大、平均築年数は21.99年(前年21.64年)で、経年化が進んでいる。
中古戸建住宅の成約件数は13,348件(前年比2.4%増)と2年連続で前年を上回り、2016年(13,195件)以来4年ぶりに過去最高を更新している。
成約物件価格は首都圏平均で3,110万円(前年比0.2%下落)と2年連続で前年を下回った。
成約物件の平均土地面積は147.99㎡(前年比0.8%拡大)、建物面積は105.24㎡(同0.3%拡大)となっている。平均築年数は21.62年(前年21.38年)で、経年化が進んでいる。
新築戸建住宅の成約件数は6,334件(前年比7.9%増)と、2年連続で前年を上回った。
成約物件価格は首都圏平均で3,486万円(前年比0.7%下落)と、2年ぶりに前年を下回った。
成約物件の土地面積は122.95㎡(前年比0.3%縮小)、建物面積は98.40㎡(同0.5%縮小)となっている。
土地(100~200㎡)の成約件数は5,828件(前年比0.02%増)で、ほぼ横ばいながら前年を上回った。
成約物件の1㎡当たり単価は首都圏平均で19.41万円(前年比2.8%下落)と、2年連続で前年を下回っている。
成約物件価格は2,810万円(前年比3.0%下落)で、2年連続で前年を下回っている。
大和ハウス 湘南最大級全914戸の「プレミスト湘南辻堂」が完成

「プレミスト湘南辻堂」
大和ハウス工業は1月22日、神奈川中央交通と長谷工コーポレーションと共同で開発を進めている神奈川県藤沢市の大型分譲マンション「プレミスト湘南辻堂」全街区が同日完成したと発表した。
「プレミスト湘南辻堂」は、35 000㎡超の敷地に建設した総戸数914戸で、全16か所の多彩な共用施設を設けた湘南エリア最大級のマンション。2017年から分譲開始されている。

◇ ◆ ◇
この物件については、分譲開始時と第1街区が完成したときの記者見学会の模様を記事にしているので、こちらも参照していただきたい。
一つだけ、プレス・リリースにもあるのだが、辻堂エリアがARUHI presentsの「本当に住みやすい街大賞2021」で3位にランクされたことについて触れておきたい。
どこが「本当に住みやすい街大賞」として祭り上げるのは勝手だが、小生はどうして川口が2年連続でトップとなり、2位の大泉学園に次いで辻堂が3位になっているのか全然理解できない。どう読んでも根拠が希薄だ。
川口は商住混在の雑多な街だ。マンション価格も駅近は坪300万円をはるかに突破する。大泉学園も、同じレベルの街なら100か所くらいあるのではないか。
辻堂はどうか。〝海好き〟の記者は辻堂に限らず湘南の藤沢、茅ヶ崎、平塚、大磯…もいいと思うが、「住みやすいか」と問われても答えようがない。何をもって住みやすいか、それは人それぞれ〝住めば都〟だからだ。辻堂に住む人は、どうして川口や大泉学園に〝負ける〟のか理解できないのではないか。
その一方で、「本当に住みやすい街大賞2021」のシニアランキングは1位が武蔵小山で、2位は南大沢、3位は平塚だ。これも根拠はまったく不明。少なくとも南大沢よりわが街・多摩センターのほうがはるかに住みやすいと思うし、平塚と辻堂はどちらのほうがシニア向けで上位か知りたいものだ。
まあ、こんなことを書いてもARUHIの宣伝に加担するだけなのでこれくらいでやめる。
辻堂のマンションについては、大京の「湘南 C-X」と関電不動産他の「シエリア湘南辻堂」の記事などを添付するので参照していただきたい。
大和ハウス工業の大規模マンションでは「プレミスト船橋塚田」が素晴らしいので、こちらも記事を添付する。
実質10か月で300戸超の驚異的売れ行き 大和ハウス「プレミスト船橋塚田」(2020/10/20)
川口元郷-現地-川口 徒歩30分 街路樹は1本もなし 「本当に住みやすい街大賞」? (2020/2/25)
植栽計画がいい シニア層はもっと増やせるはず 大和ハウス「湘南辻堂」A敷地竣工(2019/3/20)
業界初の体力測定装置に狂喜 大和ハウス「プレミスト湘南辻堂」 同社は販売に自信(2017/9/11)
首都圏第1弾「シエリア湘南辻堂」第1~3期1次199戸が登録完売 関電不動産開発(2016/11/8)
大京 テレワーク想定した賃貸 入居開始/各社の「新しい生活様式」提案 一挙掲載

壁面レール収納(左)と壁面デスク
大京は1月22日、壁面レール収納や壁面デスクなどテレワーク機能付きの間取りを導入した新築賃貸マンション「ライオンズフォーシア秋葉原イースト」「ライオンズフォーシア築地ステーション」の入居を2021年1月下旬から開始すると発表した。
「ライオンズフォーシア秋葉原イースト」は、東京メトロ日比谷線秋葉原駅から徒歩6分に位置する全38戸。専用面積25.82~52.34(1K~2LDK)、賃料は127,000円~250,000円。5戸にオリジナルの壁面レール収納を導入した。
「ライオンズフォーシア築地ステーション」は、東京メトロ日比谷線築地駅から徒歩2分の全37戸。専用面積は25.89~57.51㎡(1K~2LDK)、賃料は156,000円~305,000円。10戸に壁面収納をアレンジしたデスクを標準装備しも上部にはプリンターなどを置ける2段の棚収納を設けている。
壁面レール収納は、壁面に設置したレールにカウンターデスク、棚板、ハンガー棚を自由に組み合わせてワークスペースを作ることができる。
壁面デスクは、幅86センチ、奥行き58センチ、高さ70センチ。部屋の畳数を損なわず、限られたスペースで集中できる環境づくりを目指している。上部に設けた棚板は高さを変更でき、プリンターや書類などデスク周りのものを収納可能。
同社はまた、昨年5月に実施した一都三県(一部エリアを除く)の新築マンション購入予定者935人を対象としたアンケート調査結果によると、約8割が在宅勤務を実施しており、「ワークスペースがほしい」「生活と仕事の空間を分けたい」などの声が寄せられたとしている。

◇ ◆ ◇
壁面レール収納も壁面デスクもいい提案だ。それほどコストもかからないだろうから分譲マンションにも採用できる。
アンケートで「ワークスペースがほしい」と答えた人が多かったのも当然だろう。この種のアンケート結果は出尽くした観があるが、総合住宅展示場ハウジングステージのアンケート調査では、「コロナ禍で今後の住まいや暮らしに欲しくなったもの」の男性1位は「自分専用の個室や間仕切りされたスペース」の52.6%で、女性1位は「遊べる広い庭・屋上・バルコニー」の52.2%となっている。戸建て志向の人は当然だろう。
記者が注目しているのは、三井不動産レジデンシャルが行った「三井のすまいLOOP会員(n=6,169)」と「三井不動産レジデンシャル販売物件資料請求者・来場者(n=1,343)」を対象とした「アフターコロナのすまいやくらしに関する意識調査」の結果だ。
この結果については「パークタワー勝どき」の記事でも書いたのだが、もう一度紹介する。
アンケートによると、回答者(うち約70%が共働き世帯)の73.2%がテレワーク(出社/在宅の併用を含む)を経験したと答え、75.1%が収束後には「オフィスとテレワーク」の併用を希望。
また、テレワークを経験した人に対して「今後のテレワーク場所の意向」を調査したところ、自宅内の「書斎」「自分の部屋」のニーズが高く、在宅勤務経験者の55.1%は「自宅・オフィス以外」のテレワークも希望していることが分かった。
さらに、共働き比率の高い住宅検討層にとってもっとも譲れないのは「生活利便性の高さ」(68.5%)、「住環境が良いこと」(54.9%)が高い数値を示した。
コロナ前後の住宅希望エリアの変化(2020年3月以前からの住宅検討者:n=1,590)を聞いたところ、「都心エリア希望で変わらず」は57.4%、「郊外エリア希望で変わらず」は16.5%、「都心エリア⇒郊外エリア希望に変化」は7.5%、「郊外エリア⇒都心エリア希望に変化」は1.3%だった。
つまり、戸建て派であろうとマンション派であろうと、自宅内の「書斎」「自分の部屋」を希望している人が極めて多いという結果が出た。
地価・建築費の高止まりで、デベロッパー各社はマンションの価格を抑制するためにダウンサイジングに懸命だが、専有面積の圧縮は当然居住性の低下につながる。現状の2LDKや3LDKにもう一部屋増やすのは容易ではない。
◇ ◆ ◇

コモリワーク
この難しい問題の解決のために各社は取り組んでおり、今回の大京もその一つだ。これまで記事にしたテレワークなどに対応した具体例を添付する。
記者が〝スグレモノ〟だと思ったのは、コスモスイニシアのリコーと共同開発した「コモリワーク」だ。これは、「エド・コモン西早稲田」(東西線早稲田駅から徒歩13分)をリノベーションした1室(専有面積約67㎡)に採用したもので、床から1段30cm×3段=90cmの部分に1.2×2.0mのスペースを設けている。腰掛けることも寝転ぶこともできるので仕事や趣味室として最適だ。その下部は収納などに利用できる。
大和地所レジデンス「ヴェレーナグラン赤羽北フロント」の提案もよかった。最上階8戸のリビング天井高3,050ミリとし、スキップフロアを採用。下段には約21畳大の床下収納を設置していた。収納部分の高さは740ミリなので仕事場にはならないだろうが、その上段部分は天井高が十分確保できる。
この「コモリワーク」と「赤羽北フロント」をかけ合わせれば素敵なプランが完成する。

「ヴェレーナグラン赤羽北フロント」モデルルーム(このスキップフロアの下部が床下収納)
もう一つ、東急不動産のコクヨと共同開発したインテリアオプションにも注目している。「ブランズシティ世田谷中町」と「ブランズ浦和別所沼公園」に導入したもので、写真のように収納や家具の一部にワークスペースを組み込み、居住性を損なわずインテリア性の高いワークスペース空間を提案している。収納の一部に化すのに抵抗を感じる人もいるだろうが、ユーザーはどのような反応を示しているのだろうか。
このほか、伊藤忠都市開発「クレヴィア小杉御殿町」の「離れ」、積水ハウス・清水総合開発「世田谷喜多見ザ・テラス」のメゾネットも時宜を得たプランだ。

東急不動産の提案
稀有な駅近で大規模な1低層 積水ハウス・清水総合開発「世田谷喜多見ザ・テラス」(2021/1/16)
東急リバブル 検温機能付き顔認証システム 賃貸マンションに導入(2020/12/21)
三井不レジ・鹿島・清水「パークタワー勝どき」第1期1次は237戸 坪単価425万円(2020/11/18)
6か所に「ボイド」 専有・共用に9室の「離れ」付き 伊藤忠都市「小杉御殿町」(2020/10/28)
天晴れ!大和地所レジ 仕入れの妙 商品企画にも生かす「赤羽北フロント」(2020/9/9)
大和ハウス工業 テレワークを想定した空間 戸建て用に提案開始(2020/6/1)
野村不 多様なニーズに対応する「DOMA-STYLE」×「つながROOM」開発(2020/8/1)
東急不動産 在宅テレワークに対応したインテリアオプション マンションに導入(2020/7/15)
「Doma(土間)」とLDK一体化 コスモスイニシア「日暮里テラス」企画秀逸(2020/6/26)
Afterコロナ先取り ポラス「東京5LDK@練馬光が丘」テレワーク想定した企画ヒット(2020/6/19)
コスモスイニシアとリコー共創 住空間×働き方テーマに新提案 リノベに採用(2020/4/3)
三井不レジ家の中まで宅配物を届ける「ナカ配サービス」第一弾は「月島二丁目」(2020/1/23)
不在時の受け取り・受け渡し可能 トランクルームサービス 「日暮里」に採用 野村不(2019/12/7)
ダウンサイジング流行りにぴったり 三菱地所〝部屋の中の小屋〟「箱の間」発売(2019/8/27)
穴吹工務店 日本初のマンション入館&宅配ボックス顔認証システム導入(2017/10/4)
稀有な駅近で大規模な1低層 積水ハウス・清水総合開発「世田谷喜多見ザ・テラス」

「世田谷喜多見ザ・テラス」
積水ハウス(事業比率80%)と清水総合開発(同20%)の「世田谷喜多見ザ・テラス」を見学した。小田急線喜多見駅から徒歩3分の全134戸で、積水ハウスの〝5本の樹〟計画を採用し、光と風を取り込んだプランが優れている。昨年末から第1期58戸が販売開始されており、現在約40戸が成約済み。50歳以上の購入比率が4割を超えているのが特徴だ。
物件は、小田急電鉄小田原線喜多見駅から徒歩3分、世田谷区喜多見9丁目の第一種低層住居専用地域に位置する敷地面積約6,300㎡、地上5階地下1階建て全134戸。専有面積は59.10~88.89㎡、現在分譲中の住戸(9戸)の価格は6,498万~8,798万円(61.90~84.64㎡)、坪単価は375万円。竣工予定は2022年1月中旬。設計・監理はINA新建築研究所。施工は東急建設。
現地は社宅跡地で、三方に接道。用途地域は西側道路に面した敷地の一部は第一種中高層住居専用地域だが、ほとんどが第一種低層住居専用地域。
建物は中庭を中央に配したロの字型で、三方に〝5本の樹〟計画による植栽を施し、住戸内に光と風を取り込むため吹き抜け(ボイド)を26か所に設置している。
4階部分の住戸プランは、南向きが10戸、西向きが7戸、東向きが5戸、中庭に面した南向きが9戸。29戸が1・2階のメゾネットプラン。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高は2450~2500ミリ、食洗器、ディスポーザー、御影石キッチン天板、メーターモジュール廊下幅など。共用施設としてコモン&ワークスペースを設置している。
積水ハウス東京マンション事業部部長・伊藤啓一氏は、「駅近の1低層でこれほどの規模の用地は、世田谷区内では今後まず取得できないはずです。地元の人はよくご存じの土地で、いよいよ始まったかと待たれていた方がかなりいらっしゃる。50歳以上の購入比率が4割強というのも特徴です。プランにはワークスペースやこどもの遊びスペースを設けたメゾネットやユニバーサルデザイン、キッズデザインなども採用しています」などと語った。


メゾネットタイプのテラス(奥行きは最大6m)
◇ ◆ ◇
住戸内に光と風を取り込む吹き抜け(ボイド)をこれほどたくさん設けたマンションを久々に見た。昭和50年代後半から60年代にかけて各社が競って採用したが、最近はめったにお目にかかれなくなった。建築コストを抑えるためだ。
メゾネットタイプが多いのも特徴の一つだ。コロナ禍で在宅勤務用の個室を求めるユーザーが激増しており、このプランはぴったりか。
価格について。ここが成城学園アドレスだったら坪単価は600万円でも安いと思うが、喜多見のこの場所でこの計画であれば決して高くない。トータルとしての質は間違いなく高い。これを訴えきれるかどうか。
記者は同社のマンションを結構見学しているので驚きはしないのだが、メーターモジュールの廊下幅、プッシュプル・壁面セットバックドア、指詰めストッパードアなどユニバーサルデザイン、キッズデザインをふんだんに盛り込んでいることを強調しておきたい。竣工したら〝5本の樹〟計画や出隅入隅を多用した外観は存在感を示すはずだ。
参考までに、積水ハウス「グランドメゾン狛江」と「グランドメゾン江古田の杜」の記事を添付する。これも伊藤氏から説明を受けた物件だ。

中庭

現地
三菱地所レジ 「朝霞台」に在宅ワーク用スペースなど「こだわりプラン」初導入

「ザ・パークハウス朝霞台レジデンス」
三菱地所レジデンスは1月14日、モデルルームを1月23日にオープンする「ザ・パークハウス朝霞台レジデンス」に在宅ワーク用スペースなど新しい需要を取り入れた「こだわりプラン」を導入すると発表した。
1階住戸に用意した専用テラスでは、水栓と作業台(カウンター)、防水コンセントを備えたアウトドアシンクを同社としては初めて設置。
1階住戸の一部タイプでは、リビングの床を一段下げたスペースを設け、段差をベンチ代わりにしたり、子どもたちのプレイスペースとして使えるようにしたりすることができ、さらに床を下げた分、天井が高くなるようにしている。ピットリビングの導入は初の試み。
また、必要な時だけワークスペースとして活用できる多用途に使用可能な「カスタムクローゼット」を導入する。ワークスペースの作業台となる棚板の仕様基準をロイヤルと共同開発したオリジナル商品。
物件は、東武東上線朝霞台駅から徒歩5分、JR武蔵野線北朝霞駅から徒歩5分、朝霞市浜崎2丁目に位置する8階建て64戸。専有面積は69.00~91.50㎡、竣工予定は2022年1月上旬。売主は同社のほか三信住建。設計・施工は川口土木建築工業。

「アウトドアシンク」

「ピットリビング」
◇ ◆ ◇
1階のアウトドアシンクは常識ではないかと思うが、同社が採用するのはかなり立派なものに見える。いかにも同社らしい。2階以上にはスロップシンクは付けないのか。ここ数年、デベロッパーはほとんど付けなくなった。あれば便利だと思うが…。
「ピットリビング」も戸建てでは常識だ。マンションでは皆無ではないが、珍しいはずだ。これを設置することで1階の天井高は最大でどれくらいになるのか。画像データからは20センチくらいか。とすれば、最大天井高は2700ミリくらいになるか。
気になる坪単価だが、周辺相場からすると255万円と読んだが、もっと高くなるかもしれない。

「カスタムクローゼット」
平均75㎡ レベル高いマリモ「昭和記念公園」 4カ月で半分以上の90戸超成約済み

「ポレスター昭和記念公園」
マリモが分譲中の「ポレスター昭和記念公園」を見学した。青梅線東中神駅から徒歩10分の全168戸で、昨年9月の販売開始からこれまで90戸以上が成約済み。極めて好調に推移している。
物件は、JR青梅線東中神駅から徒歩10分、昭島市もくせいの杜2丁目に位置する10階建て全168戸。現在販売中の第3期4次(14戸)の専有面積は64.87~82.95㎡、価格は3,668万~4,638万円(最多価格帯3,800万円台)、坪単価は185~190万円。(3戸)竣工予定は2021年3月末日。設計・監理は三輪設計。施工は松村組。売主は同社のほか三信住建。販売代理はグローバル住販。
現地は、開発面積約66haの立川基地跡地昭島地区区画整理事業地内の一角に位置。国営昭和記念公園までは徒歩8分。建物は、コの字型で、標準階1フロア21戸のうち南向きが13戸。共用施設は全戸駐車場、ゲストルーム、ラウンジライブラリー、スタディブース、コミュニティルームなど。
主な基本性能・設備仕様は、平均専有面積75㎡、リビング天井高2.65m、直床、床暖房、Low-Eガラス、食洗器、スロップシンク、プッシュプルドア、ハンズフリーキーなど。
◇ ◆ ◇
見学したこの日(12日)、同社のマンション見学は予定に入っていなかった。「パークホームズ昭島中神」のモデルルーム見学を終え、現地とその近くのスーパーに寄る目的で歩いていたら、この「ポレスター」の販売事務所が目に入ったので、見学を申し込んだ。
コロナ禍で完全予約制をとっているはずなので断られると思ったが、事情を話したら同社営業本部おもてなし課・目崎真美氏は快く応じてくれた。
特徴は上記に書いた通り。レベルが高いマンションだ。改めて強調したいのはワイドスパンだ。面積が最小の64㎡でも6300ミリ確保し、70㎡台で6800ミリ以上、80㎡台以上だと8000ミリ以上ある。6000ミリくらいのショートスパン幅を利かせている最近の市場からすると突出している。このほか化粧鏡付きの玄関収納扉を標準装備している物件は他ではそうないはずだ。細かいところにも配慮しているのは今も昔も同じだ。

ワイドスパンだから提案できるモデルルーム(奥に収納スペースを提案)
◇ ◆ ◇
モデルルームを見学してうれしいことがあった。販売代理のグローバル住販営業部主任の小田部奨氏と会えたことだ。同社はRBA野球大会に参加しており、記者は小田部氏のユニークな名前にふさわしいプレー・言動にほれ込んだ。興味のある方は「グローバル住販」「小田部」「RBA」で検索していただきたい。5つや6つはヒットするはずだ。
甲府駅北口で駅から最も近いマンション1カ月半で約7割を販売 マリモ「甲府駅前」(2017/12/19)
わが国初の太陽熱給湯システム「ポレソーラー」搭載マリモ「ポレスター玉川上水」(2012/2/10)
〝安さ〟売り「ザ・ビッグ」に近接 三井不レジ他「昭島中神」 収穫大の今年初の見学

「パークホームズ昭島中神」
三井不動産レジデンシャル(事業比率60%)・西日本鉄道(同20%)・総合地所(同20%)3社JVの「パークホームズ昭島中神」を見学した。マンション見学はほぼ1か月ぶりで、この日(12日)は小雪舞う中、鼻水が出るはメガネが曇るはでマスクに悪態をつきっぱなしだったが、終わってみれば収穫の多い1日だった。今年も極力現地に足を運びレポートしていきたい。コロナはもちろん怖いが、記者が現場を見なくなったらそれは死も同然だ。デベロッパーの広報担当の皆さん、そして現場の販売担当の皆さん、今年も馬鹿な記者に付きあっていただきたい。
物件は、JR青梅線中神駅から徒歩9分(昭島駅から徒歩16分)、東京都昭島市宮沢町の準工地域に位置する10階建て全313戸。1月下旬に販売予定の第1期3次(戸数未定)の専有面積は58.80~81.72㎡、予定価格は3,200万円台~5,100万円台(最多価格帯3700万円台)。坪単価は180~190万円。竣工予定は2022年1月下旬。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。
昨年12月から販売を開始し、これまで第1期1・2次58戸を供給し、50戸強が成約済み。
現地は、圧倒的人気を呼んだ2002年竣工の「プレイシア」(527戸)に隣接。用途地域からも分かるように工場跡地。周辺はマンション化も進んでおり、嫌悪施設は確認できなかった。〝安さ〟が売りのイオン「ザ・ビッグ昭島店」が徒歩2分、昭島駅前の大型ショッピングモール「モリタウン」が徒歩11分。
建物はF字型で、標準階1フロアの南西向きが14戸、南東向きが13戸、コミュニティガーデン・駐輪場に面した南西向きが8戸。住戸プランは各住棟の角住戸を除きほとんどが66㎡台。
主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2500ミリ、食洗器、エコガラスなど。
販売事務所所長で三井不動産レジデンシャル都市開発三部事業室主査・太刀川慶氏は「来場制限していることを考え合わせば、販売はまずは順調なスタート。わたしも担当するまで中神も昭島もよく知らなかったのですが、現地近くのスーパー『ザ・ビッグ』はとにかく安い。店がオープンする9時半にはレジに行列ができるほど。大規模『モリタウン』も徒歩圏というのが特徴。来場者の50~60%は市内です。青梅線での当社のマンション? 立川昭和記念公園と河辺の事例があります。昭島市では初です」と話した。
◇ ◆ ◇
販売事務所を訪れてすぐ太刀川氏から「北千住の取材でもお会いしている」と言われたとたん、その時の光景がよみがえった。「北千住」は太刀川氏も驚くほどの人気になったが、今回は果たしてどうか。
ほとんどの住戸が60㎡台で、床暖房がついておらず、引き戸もソフトクローズ機能付きでなかったのには驚いたが、生活利便施設が整っている立地第一次取得層にターゲットを絞り込み、価格4,000万円以下にして売る戦略が成功するかどうか。
三井不動産レジデンシャルが青梅線でマンションを分譲するのは今回が初めてではないかと思っていたが、事例はあるようだ。

モデルルーム
◇ ◆ ◇
太刀川氏の「安い」と強調したスーパー「ザ・ビッグ昭島店」がいかほど安いか確認することにした。
店内の至る所に「買えば買うほどに安さが分かります!」と大書きされた赤い垂れ幕(看板)が掛かっていた。
取り敢えずタバコを買った。値段は安くなかった。女性のレジ担当者に「タバコは安くならないんですか」と聞いてみた。「タバコは法律で安く売ってはいけないことになっています」と返ってきたので、「他の商品は他社と比べて安いんですか」と畳みかけたら、「当店は安さが売りですが、他店も安くしていますので…飲み物などは安いと思います」とのことだった。
そこで、1缶190円(+消費税10%)のサントリーのプレミアムモルツと東京クラフトビール(この生ビールはとてもおいしい)、特売品の1パック450円(+消費税10%)のイチゴ1パックを買った。ビールはコンビニなどで買ったら230~240円はするので間違いなく安いし、イチゴはこの前、友人にあげるためにスーパーで買ったのは2パック1,500円だったので、これも破格値でないか。太刀川氏の言葉に嘘はなかった。太刀川さんも飲んだことがなかったらぜひ東京クラフトを飲んでみてください。
このマンションを検討される方に一言。昭島市の新型コロナ感染者は1月7日現在315人(わが多摩市は285人)で、人口10万人当たりの感染者(率)は278人(多摩市は192人)なので、10万人当たり1,000人を超える新宿区や港区、渋谷区などの都心の物件を担当するよりはるかに感染リスクは低い。油断は禁物だが、郊外マンションのいいところだ。
もう一つ、途中で大変な僥倖に恵まれた。マリモ「ポレスター昭和記念公園」のモデルルームを見学できたことだ。この記事は後ほど紹介する。

「ザ・ビッグ昭島店」

ほぼ電柱の高さでぶった切られていたトチノキの街路樹
三井不レジ「パークホームズ立川」 「半ソト空間」だけでない魅力あり(2015//9/28)
なぜ現場を観ない お粗末に過ぎる 業界紙のマンション展望記事
軽佻浮薄、軽挙妄動を地で行く記者は今年6度目の年男を迎えた。これまでなら性格そのもの猪突猛進といきたいところだが、新型コロナは酒(どうしてわがパソコンは酒に変換するのか)なければならない。ここは自重して「牛歩」もありかと考えている。誰が何と言おうとわが道を行く。いちいち些末なことに反応しないことに決めた。
だが、しかし、性格は変えられない。舌の根が乾かぬうちに前言を翻す。新年早々のわが業界紙「住宅新報」と「週刊住宅」の業界展望〝特集〟記事には我慢がならない。〝ボーっと生きてんじゃねーよ! それでも男か!〟といいたい。
まず、住宅新報。マンション市場について次のようにある。
「例えば、新築マンション販売では、マンションギャラリーでモデルルームを案内しながらの対面接客が基本だが、〝3密〟回避のためウェブ商談を取り入れるディベロッパーが増加。更には顧客にVRでモデルルームを体感してもらう方法や、カメラを持った営業担当者がギャラリー内のモデルルームや模型室を歩き、実際に案内しているかのように顧客と対話する方法も登場し始めている。
こうした選択肢が加われば遠隔地で来場できない顧客にも情報提供が可能となる。もともとマンションギャラリーは、単なる情報提供だけでなく、購入に向かって気持ちを盛り上げる場でもある。住まいを手に入れるというワクワクする気持ちを、オンラインならではの方法でどう訴え掛けるかが今後の課題となる」
ウェブ商談、VRモデルルームは記者もありだと思う。しかし、基本性能・設備仕様レベルは双方ともまず消費者に分かりやすく伝えられない。2400ミリと2500ミリの天井高は全然異なる。床材、クロス、キッチン天板、建具家具などケミカル製品か本物か、しっかり見ないと区別がつかない(見ても分からないものもあるが)。数千万円もする商品を担当者とのやりとりや画像を見ただけで購入を決断する人など皆無だろう(バブル期にはいたが)。
デベロッパーだって苦肉の策としてウェブ商談、VRモデルルームを導入している。「住まいを手に入れるというワクワクする気持ちを、オンラインならではの方法でどう訴え掛けるかが今後の課題となる」-書いた記者の方は本当にモデルルームを「気持ちを高める場」と考えているのか。
コロナ対策のため、来場を制限し、自らも昼食などはコンビニで弁当を買い事務所で食べ、仕事が終わったら自宅に直帰している現場担当者のことを考えれば、そんなノー天気な記事など書けないはずだ。
記者はかつて〝わたしは空気だって売ることができる〟と豪語した口八丁手八丁の営業マンを知っているが、こんな人は例外中の例外だ。
週刊住宅はどうかと言えば、記事は自前の記者ではなく外注。中身は読者の方が判断することだからさておく。
どうして外注なのか。普段から担当記者がマンション現場に足を運び、自らの視点でものを見る努力を怠っているからこのようなことが起きる。こんなことを続けていたら読者から見放される。
そして、双方とも決定的に問題なのは、あれやこれやのマクロデータの寄せ集めで記事を構成していることだ。何度もいう。とにかく現場に足を運ぶことだ。コロナの感染拡大で取材機会は減るだろうが、プレス・リリースに頼ってばかりいたら絶対に記者として自立できないだろう。
取材は激減したが 話題に事欠かないマンション続々 関係者に感謝
候補はなかったわけではない記者が選ぶ「ベスト3」「話題のマンション」
コロナに突き落とされ翻弄された1年ベスト3・話題のマンション今年は断念
じわり浸透 ZEHマンション10物件 売れ行き総じて好調

「レ・ジェイド大倉山」

三菱地所レジ・近鉄不「ザ・パークハウス新浦安マリンヴィラ」
高層ZEH-M プラン秀逸 日本エスコン「レ・ジェイド大倉山」(2020/2/1)
隣接のサカタのタネのメタセコイア圧巻 大京のZEH-M「仲町台」 販売好調(2020/2/21)
蛍が湧き立つ川に隣接 基本性能・仕様レベル高い 大京のZEHマンション「長津田」(2020/2/28)
北区初のZEH 近鉄不「赤羽」/涙が出るほど嬉しかった「お父さん、頑張ってね」(2020/6/25)
三菱地所レジ・近鉄不 浦安市最大級ZEH-M装備の「新浦安」528戸始動(2020/4/14)
大和ハウス工業「平和台」 同社初の「ZEH-M Ready」 申し込み殺到 早期完売へ(2020/9/15)
約8.7haの〝緑〟に近接 明和地所 同社初のZEH「横濱綱島」分譲開始(2020/12/1)
総合地所 「高層ZEH-M」の「ルネ南柏駅前」第1期・第2期1次41戸を完売(2020/9/23)

大京「長津田」アルミサッシと樹脂サッシの比較体験コーナー(左の普通の窓ガラスは9.5度、右の樹脂サッシガラスは16.2度と表示されている)
認定制度が経済産業省と環境省それぞれに分かれているのは解せないが、ZEHマンションが10物件分譲された。このうち7物件を見学したのだが、野村不・三菱地所レジ「亀戸」934戸、大京「長津田」64戸、日本エスコン「大倉山」25戸、大和ハウス「平和台」60戸は樹脂サッシが採用されていた。アルミサッシと比較してはるかに断熱性能は高いはずで、ZEHでなくとも樹脂サッシを採用してほしい。
提供公園のあり方考えさせてくれた
トーセイ「相模原」

「THEパームス相模原パークブライティア」
地域との親和性重視したランドプラン優れる トーセイ「相模原」竣工完売(2020/8/1)
提供公園のあり方を考えさせてくれたのはトーセイ「THEパームス相模原パークブライティア」243戸だった。
車道・歩道合わせ幅員25メートルのさがみ夢大通りに面したスーパーの跡地。建物は1~2階にスーパー・店舗を配置し、スーパーの利用者の利便性と、地域との親和性を高めるためメインストリート・スーパーに面したもっとも条件のいいエリアに約270㎡の提供公園を設置している。
隣地のソメイヨシノの大木などの借景と調和するよう敷地四囲に緑地帯(歩道状空地)を巡らせ、提供公園(公開空地)と合わせ〝グリーンチェイン〟を実現したプランがいい。このようなマンションには容積率を割り増しにして誘導すべきだ。
感動的だった見学会 ポラス「ルピアグランデ柏 ココロリゾート」

「ルピアグランデ柏 ココロリゾート」
感動の金児氏vs宮崎氏トーク 全196戸のポラス「柏」3カ月で100戸成約(2020/10/10)
コロナ禍でも感染防止策を取りメディア向け見学会を行い、きちんと物件特性を伝えたのがポラス「ルピアグランデ柏 ココロリゾート」196戸だ。柏駅から徒歩15分の準工立地という難点を克服した商品企画が光った。
記事には「どのような優れたニュース・リリースを配信しようと、この種の現場見学会を上回ることはできない。見学会自粛が長引けば長引くほどメディアの発信力は退化・退行する。皆さんはメディアを育てる役割も担っているはずだ。どんどん見学会をやってほしい」と書いた。他のデベロッパーも考えていただきたい。
伊藤忠都市開発 プラン秀逸「小杉御殿町」
5つ星の「有楽町イトシア」総合ギャラリー

「クレヴィア小杉御殿町」.
.
「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」
6か所に「ボイド」専有・共用に9室の「離れ」付き伊藤忠都市「小杉御殿町」(2020/10/28)
伊藤忠都市開発マンション総合ギャラリー第2弾「有楽町イトシア」開設(2020/9/2)
これは凄いホテルなら5つ星伊藤忠都市「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」(2020/9/10)
伊藤忠都市開発はいつもいいマンションを供給する。「クレヴィア小杉御殿町」47戸は、武蔵小杉駅、武蔵中原駅ともにやや距離はあるが、等々力緑地に隣接する住環境と「ヴォイドガーデン」や「+HANARE」を設置した商品企画が抜群だった。坪単価はやや高いような気がしたが、このプランにほれ込む人はいるはずだ。
同社はまた10月、「CREVIA(クレヴィア)」ブランドの情報発信拠点となる総合ギャラリーの第2弾として「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」を開設したが、これがまた素晴らしい。
記者は「ホテルなら5つ星」と書いたのだが、一般にも開放してはどうか。時間貸しにしたら1時間1,000円でも安い。ここでビールやワインを飲んでゆっくり過ごしたい。頼んでみようか。それとも客のふりをするか。
進化するタカラレーベン〝高荒モデル〟売れ行き好調


「レーベン検見川浜GRANVARDI」モデルルーム

「レーベン戸田公園GRANVARIO」モデルルーム
〝タカラの宝〟進化する高荒モデル圧倒的な人気「レーベン検見川浜」(2020/10/9)
決め手は3LDK70㎡超中心の企画タカラレーベン「戸田公園」第1期40戸販売好調(2020/11/18)
タカラレーベンのモデルルームを見学したことがない業界記者は〝モグリ〟だ。その非日常の極みともいうべき演出に一瞬声を詰まらせたときから10年以上が経過した。
今年見学した同社のマンション4物件のなかで「レーベン検見川浜GRANVARDI」288戸と「レーベン戸田公園GRANVARIO」58戸のモデルルームでは一段と進化した〝高荒モデル〟を発見した。派手ではあるが、すんなり受け入れられそうな洗練されたデザインになっていた。決して年のせいではないと思う。
四囲を緑で囲いごみ置き場・受水槽を壁面緑化 アンビシャス「上尾」

「アンビシャス上尾」
郊外復権の一つになるか外構・壁面緑化が見事アンビシャス「上尾」(2020/7/18)
アンビシャスの久々の大規模「アンビシャス上尾」102戸が地域との親和性を重視した好物件だった。
建物をセットバックさせ、四方を緑で囲い、なおかつ長さ約40m、高さ約3mのごみ置き場・受水槽を壁面緑化。分譲開始時にコロナの直撃を受けたが順調なスタートを切った。.
穴中の穴の街は「南船橋」
三井不レジ「PHLaLa南船橋ステーションプレミア」

「パークホームズLaLa南船橋ステーションプレミア」
駅前4.5haの再開発も三井不グループに決定三井不レジ「南船橋」人気加速か(2020/10/23)
あの胸がキュンとなる吉永小百合さんと浜田光夫さんの「キューポラ」の街並みなどかけらもなくなった、雑多な無国籍のような「川口」が「本当に住みやすい街大賞」で2年連続トップにランクされたことに記者はあきれ果てたのだが、ならば価格が安く将来性もある穴中の穴の街として「南船橋」をあげる。
駅前再開発が決まった市有地に隣接する三井不動産レジデンシャル「パークホームズLaLa南船橋ステーションプレミア」231戸の坪単価は204万円。
高いか安いか、住みやすいか住みにくいか、判断するのは消費者だが、東京駅までは約20分。これほど安いところは皆無ではないか。オートレース場の跡地には三井不動産の物流施設のほか公園、スケートリンクが整備された。ららぽーとTOKYO-BAY、船橋競馬場に近く、谷津干潟も徒歩圏だ。
「Doma(土間)」とLDKを一体利用 コスモスイニシア「日暮里テラス」

「イニシア日暮里テラス」56㎡のプラン
「Doma(土間)」とLDK一体化コスモスイニシア「日暮里テラス」企画秀逸(2020/6/26)
三井不レジキッチンを動かせる画期的商品「Imagie(イマジエ)」開発(2015/9/8)
いつもきらりと光る商品企画提案を行うコスモスイニシアは、「イニシア日暮里テラス」54戸の2LDKモデルルーム(56㎡)で「Doma(土間)」とLDKを一体利用できるプランを提案した。
採用したのは角住戸だったが、これは中住戸にも採用できる。居室内が丸見えになるので嫌がる人もいるだろうが、エントランス入口にもう一つ玄関口部を設けてはどうか。かつて三井不動産レジデンシャルは玄関前の共用部分に「ウェルカムポーチ」を設けたことがある。

「イニシア板橋桜レジデンス」
1カ月未満で全戸の半分以上62戸販売コスモスイニシア「板橋桜」好調スタート(2020/2/24)
同社の他のマンションでは、「イニシア板橋桜レジデンス」152戸(分譲対象116戸)が一挙に62戸販売されたのも印象に残った。桜並木が美しい石神井川に面していた。
際立つ設備仕様レベル 大和ハウス「「プレミストタワー白金高輪」

「プレミストタワー白金高輪」エントランスホール
先行逃げ切りかまくり一発かレベル高い大和ハウス「プレミストタワー白金高輪」(2020/9/19)
高額マンションの見学が激減したが、大和ハウス工業「プレミストタワー白金高輪」280戸(非分譲住戸127戸含む)は設備仕様レベルの高い物件だ。第1期分譲で60戸を供給したように販売は順調に進むと見た。
共用・専有部だけでなく、販売事務所(サロン)にも力を入れている。白い色調のアールを多用したデザインがとても美しかった。
単価予想は大外れだが…同社広報が救いの手 三菱地所レジ「ザ・レジデンス四谷」

「ザ・レジデンス四谷 ガーデン」
「アベニュー」より安い「ガーデン」の理由三菱地所レジ「四谷」即完(2020/10/2)
モデルルームは見学していないが、購入した人はとても安い買い物をしたと思われるのが、四ツ谷駅前の再開発「コモレ四谷」内の三菱地所レジデンス「ザ・レジデンス四谷」24戸(「アベニュー」15戸、「ガーデン」9戸)だ、坪単価は「アベニュー」が674万円、「ガーデン」が657万円。
9月28日抽選分譲の結果、最高35倍、平均8.9倍で即日完売したのも当然か。
記者は分譲前の2月の段階で、「ガーデン」について「読者の皆さんからは『高い!たわけたことを抜かすな』と罵声を浴びせられそうだが…桜並木が美しい外濠公園が目の前のマンションなら坪750万円というのはむしろ安い」と書いた。
結果は大外れで大恥をかかされたが、同社からは「『ガーデン』の坪単価が低く見えますが、当物件は地権者さんも多く、今回販売対象となっている部屋は北向き中心であること、また南向きについてもオフィスがあるため眺望が良くないことなどがあり、このような単価になっています」(広報)と慰めてもらったのは救いか。
記者は白内障がややあるようだが、マンションの目利き力は衰えていない。白か黒か善か悪か美か醜かの選別だってできる。
記者の単価予想的中!旭化成不レジ「築地」 野村アーバンにも拍手喝さい

「アトラス築地」の共用部アート
〝敵に塩〟も必要旭化成不レジ「築地」の坪単価は505.5万円記者予想が的中(^2020/3/10)
〝目利き力〟が健全なのを証明したのが旭化成ホームズ「アトラス築地」161戸(事業協力者住戸37戸含む)だ。
1月に取材したとき、「競合物件担当者は一様に『アトラスさんは坪500万円を切る』と見ているようだが、記者(小生)は坪500万円を割ることはないとみた」と記事に書いた。
結果はどうかというと、3月に分譲開始した第1期50戸の坪単価は505.5万円だった。これは嬉しかった。旭化成不動産レジデンスにも販売代理の野村不動産アーバンネットに拍手喝さい。
巧みな用地仕入れ 立地難吹き飛ばすプラン 大和地所レジ「赤羽北」

「ヴェレーナグラン赤羽北フロント」
天晴れ!大和地所レジ仕入れの妙商品企画にも生かす「赤羽北フロント」(2020/9/9)
昨年は大和地所レジデンスの「ヴェレーナシティ上大岡」132戸を「ベスト3」マンションの一つに選んだが、今年の「ヴェレーナグラン赤羽北フロント」89戸は巧みな用地仕入れ力に舌を巻き、優れた商品企画力に圧倒された。
用途地域が工業地域で、しかも環八・埼京線路沿いなので、「本当に住みやすい街」の第2位にランクされるほどの街かどうか小生はコメントしないが、立地難を克服するのは間違いない。
地域に開放「シェアキッチン&シェアスペース」 大成有楽不「八王子」

「シェアキッチン&シェアスペース」イメージ図

ホームライブラリー
「シェアキッチン・シェアスペース」を地域にも開放大成有楽不動産「八王子」(2020/7/23)
安すぎないか中心市街地の一角で坪単価160万円大成有楽不「八王子」(2020/7/14)
大成有楽不動産「オーベルグランディオ八王子エアーズ」168戸は、八王子駅から徒歩16分とはいえ、中心市街地に立地しており、坪単価160万円というのはいかにも安い。
また、市の要綱「中心拠点の魅力向上を推進する」という趣旨に沿ってマンション1階に店舗スペースを設置、「シェアキッチン&シェアスペース」として居住者だけでなく地域にも開放するという取り組みがいい。あるようでそうないのではないか。
「9割がワイドスパン 最強の間取り」住友不動産「シティタワーズ東京ベイ」

「シティタワーズ東京ベイ」
「9割がワイドスパン、最強の間取り」全1,539戸の住友不「東京ベイ」入居開始(2020/3/28)
2017年の「話題のマンション」に取り上げた都内最大級のトリプル免震タワーマンション住友不動産「シティタワーズ東京ベイ」1,539戸が3月竣工し見学した。その時点で1,230戸が分譲され、契約済みは837戸だった。売れ行きも好調だった。
販売担当の吉野秀邦氏は『これほどの大規模で9割がワイドスパンのマンションなど他にない。最強の間取り』と自信たっぷりだった」と書いた。
その直後、記者はテレワークに突入したのだが、吉野さんに〝元気〟をもらったおかげで、その後も踏ん張って現場取材できた。
◇ ◆ ◇
いま1年を振り返り、それぞれの記事を読み返してみると、そんなに的外れの消費者の物件選好を誤らせる、デベロッパーにおもねる内容にはなっていないような気がする。
来年以降もあるので、デベロッパー各社にお願いしたいことが一つある。物件見学会などはブロガーも含めメディアに幅広く呼び掛けて実施してほしい。ブロガーもお客さんのふりをして情報を引き出すような失礼なことはしないで、営利を目的に不特定多数の人に情報を発信するのであれば、匿名ではなく名を名乗るべきではないか。
究極の隈研吾マンション豊島区庁舎と一体の東京建物「Brillia Tower 池袋」(2013/3/19)
なぜブロガーのことを書くかというと、記者は今年、嫌な経験をしたからだ。
〝パクリ〟は今に始まったことではないが、隈研吾氏がデザイン監修した東京建物「Brillia Tower池袋」の2013年3月19日付の記者の記事が、ほとんど一字一句異なることなくブロガーの記事として掲載されているのを発見した。小生になりすました人がいることに驚き、恐怖も感じたので、そのブログ記事を掲載していた情報サイトに抗議した。
記事はすぐ削除されたが、その情報サイトの回答は「掲載された内容は全て投稿者の方が権利を所有、あるいは所有権者から既に許諾を受けているものと認識しており、万一不正使用によりトラブルが発生した場合には、弊社は一切責任を負いかねます」とあるのみ。(その後もこのブロガーの方は何もなかったように記事を発信されていた)
参考までにもう一つ。記者は15年くらい前、山万の協力を得て1週間かけて取材し「ユーカリが丘」を「奇跡の街」として紹介した。同社のホテル「ウィシュトンホテル」のスイートに無料で泊めてもらった。(言っとくが山万の宣伝をするためでは断じてなかった)
その後、大作家もそう絶賛したのをはじめユーカリが丘=奇跡の街が独り歩きしている。奇跡かそうでないかは40年も取材してきたからこそ分かることだ。言葉を軽々しく扱ってほしくない。
以上、取り留めもなく書いてきたが、このあたりでやめておく。ここまで付きあっていただいた読者の皆さまにお礼申し上げます。
そして、コロナ禍にも関わらず取材をセットしていただいた各社の広報担当者と、そして何よりも現場の販売担当者の皆さまに感謝いたします。
記者は幸いコロナに感染せず、この1年間を締めくくることができそうです。皆さま、どうぞ来年はいい年をお迎えください。
