東京ドーム15個分 大和ハウス 同社最大の物流タウン「DPL流山プロジェクト」完成

DPL流山プロジェクト(左から「DPL流山Ⅰ」「DPL流山Ⅱ」「DPL流山Ⅲ」「DPL流山Ⅳ」)
大和ハウス工業は4月24日、千葉県流山市で開発を進めてきた全4棟のマルチテナント型物流施設からなる同社最大の物流タウン「DPL流山プロジェクト」(総敷地面積316,716㎡、総延床面積737,346㎡)の4棟目の「DPL流山Ⅱ」が4月28日に竣工し、全体が完成すると発表した。2016年7月に第1号の「DPL流山Ⅰ」を着工してから工期は約7年となる。
同プロジェクトは、都心から25km圏内、常磐自動車道「流山インターチェンジ」から約2.5km、首都高速6号三郷線・常磐自動車道「三郷インターチェンジ」から約6.6kmに位置。「DPL流山Ⅰ」「DPL流山Ⅱ」「DPL流山Ⅲ」「DPL流山Ⅳ」の計4棟のマルチテナント型物流施設から構成。総敷地面積316,716㎡、総延床面積737,346㎡。延床面積は東京ドーム15個分に相当し、同社最大規模となる。
物流施設内に従業員の働き方改革の支援として、テナント企業の従業員専用の保育施設、ドライバーステーション、カフェテリアなどを完備しているほか、免震システム、非常用発電機、防災備蓄倉庫、マンホールトイレなどを設置するなどBCPにも対応。あわせて、全棟に太陽光発電システムを搭載(発電出力:約10MW)し、随所に「サクラ並木ゾーン」や「ツツジ・メタセコイア並木ゾーン」などを設け環境にも配慮している。
災害時対策として、「DPL流山Ⅰ」では同社と流山市は協定を結び、約500名分の防災用品を備蓄するほか、災害時に施設内のカフェテリアなどを一時避難場所として提供し、最大1,200名の受け入れを可能としている。また、「DPL流山Ⅳ」では地域の子ども食堂と連携し、近隣に住む小学生を対象としたイベントを開催するなど、地域共生活動をおこなう。
「DPL流山Ⅱ」は、地上4階建て、敷地面積約60,662㎡、延床面積約140,453㎡。構造・規模はプレキャスト・プレストレストコンクリート造一部鉄骨造・免震構造、地上4階建て。施工は西松建設。全区画が賃貸借契約締結済み。




8K3D映像で「光景となる象徴」表現 住友不「総合マンションミュージアム」

住友不動産は4月24日、8K3D映像など最新のデジタル技術を用いた映像体験型マンションブランド発信施設「総合マンションミュージアム」を汐留住友ビルディング内に5月8日(月)オープンすると発表。同日、施設をメディアに公開し、最近の分譲マンション市場、同社の今後の予定物件についてもレクチャーした。
「総合マンションミュージアム」は、同社が分譲マンション事業に進出してから来年に60年を迎えることから、同社のマンションづくりの考え方や思想、未来への取り組みなどを映像や光、音の演出を用いて広く“体験体感”してもらうのが目的。
開設した背景・狙いについて、同社住宅事業本部営業部新規第一営業所長・中村貴彦氏は「当社は1964年にマンション事業に進出して以来、一貫して業界の常識にとらわれない取り組みを行ってきた。完成販売、総合マンションギャラリー開設、オンライン接客-契約など、無理、不可能とされていたことを打破し、革新的な販売手法を確立した。ミュージアムはこうした当社の思い、こだわりを伝えよういうのが目的で、顕在・潜在・既存顧客のファンを増やしていく」と話した。
施設は、都営大江戸線汐留駅から徒歩1分、港区東新橋1丁目の東京汐留ビルディングB2階。床面積は約420㎡。営業時間は平日11:00~19:00/土日祝10:00~18:00、定休日は水曜、年末年始、入場料は無料で、事前予約制。
所要時間は約40~60分で、8K3D映像による「ムッシュ・コンシェルジュ」と「マダム・コンシェルジュ」が案内役となり、イントロダクション-シンボル-ギャラリー-デザイン-エントランス-ディティール-光景-マンションの未来-8つのコンテンツを紹介する。

供給物件1,600物件のうち235物件の写真が展示されているコーナー

案内役の「ムッシュ・コンシェルジュ」と「マダム・コンシェルジュ」
◇ ◆ ◇
同社が昨年1月、汐留住友ビル21階に広さ710坪の「総合マンションギャラリー新橋館」をオープンしたのに驚いたが、今回の「総合マンションミュージアム」は、中村氏が説明したように、同社の約60年のマンション事業で構築してきたブランド価値を映像によって分かりやすく伝えるものだ。
記者は40年以上にわたって同社のマンションを見続けてきており、ミュージアムで紹介されている物件のいくつかを取材しているが、完成した物件見学は「ワールドシティタワーズ」「グランドヒルズ三軒茶屋」「ドゥ・トゥール」「シティテラス加賀」「スカイティアラ」「シティテラス杉並方南町」「シティテラス横浜仲町台 壱番館」「シティタワーズ東京ベイ」など思い出しても20物件もない。同社だけでなく、マンションデベロッパーは完成物件の見学会などを行わないからだ。
その意味で、マンション購入検討者に映像で完成物件を紹介するのはとてもいい。同社のブランドメッセージである「光景(シーン)となる象徴(シンボル)」というのがよく表現できていると思う。S-マルチコア、デザインウォールキッチン、扁平梁、ガラスカーテンウォールン―ルなどがそうだ。
注文もある。8シーンのうち最後の「マンションの未来」では、記者も同感するSDGsがテーマだとしているが、環境問題、エネルギー問題などヒントになる具体的取組の一つや二つくらいは示してほしい。
もう一つは、〝住友ファン〟を増やそうとするなら、「総合マンションギャラリー」と「総合マンションミュージアム」を予約なしでも一般の人が自由に出入りし、飲食もでき、マンションに関する本などを読めるようにしてはどうかということだ。同業他社はどこもやっていないはずだ。スペースがもったいない。
◇ ◆ ◇
中村氏は、今後の供給予定の目玉物件「シティタワー千住大橋」466戸、「シティタワー綾瀬」427戸、「グランドシティタワー月島」1,285戸、「グランドシティタワー池袋」878戸、「シティテラス多摩川」905戸、「シティタワーズ板橋大山ノースタワー」88戸、「シティタワーズ板橋大山サウスタワー」239戸についても触れた。
記者は価格(坪単価)に注目しているのだが、「千住大橋」は坪350万円前後、「綾瀬」は坪400万円前後、「多摩川」は坪230万円くらいというのはよく分かる。しかし、中村氏が好評としている「月島」や「池袋」が坪500万円台どころか坪600万円台になる可能性があるのにびっくりした。
「大山」については、社内でも坪480万円の「十条」に勝てるかどうかで意見が分かれているそうだ(記者は、価格はともかく立地条件は「大山」に軍配を上げるが…)

「総合マンションギャラリー新橋館」(カフェ、飲食店とコラボすれば来館者が殺到するはず)
目を見張る710坪のマンションギャラリー 住友不「汐留」開設/第一弾は「虎ノ門」(2022/1/14)
「9割がワイドスパン、最強の間取り」 全1,539戸の住友不「東京ベイ」入居開始(2020/3/28)
駅1分、外観デザインがいい 住友不動産「シティテラス杉並方南町」(2016/4/22)
住友不動産 全621戸の「スカイティアラ」完成 外構が素晴らしい(2015/7/3)
住友不動産「シティテラス横浜仲町台 壱番館」外観・景観デザインが秀逸(2014/10/14)
住友不動産「シティテラス加賀」 山田氏が独演会 商品企画を熱く語る(2013/12/11)
住友不動産 晴海のツインタワー「ドゥ・トゥール」来春分譲へ(2013/11/22)
住友の注目マンション「グランドヒルズ三軒茶屋」分譲へ(2007/4/17)
住友不「ワールドシティタワーズ」が完成 残り72戸は完成販売(2007/3/8)
樹木医の果たす役割は何か (一財)日本緑化センターの回答

「健全木」が「枯損木」として伐採された千代田区神田警察通りのイチョウ
わが敬愛してやまない樹木医が街路樹を「健全木」と診断したにもかかわらず、東京都千代田区は「枯損木」として議会に報告し、伐採することを決めた。それは、生き物である街路樹を道路の附属物としてモノ扱いする無神経な行為であり、樹木医の尊厳を貶めるものだ。なぜそのようなことがまかり通るのか、ずっと疑問に思っており、澱のように心の奥深くに沈殿している。
その疑問を解くべく、樹木医制度を管轄する(一財)日本緑化センターに問い合わせたところ、同センター事務局から回答があった。質問と回答を以下に紹介する。
◇ ◆ ◇
【問1】自治体の財産である街路樹などの樹木を診断するのは、どのような法律的根拠があるのか。処分する場合は、必ず診断を受けなければならないのか
【回答】法的根拠はございません。自治体において、街路樹や公園樹木を伐採する際に「専門家による診断を実施し、その結果を見て判断する」というルールを定め、それに基づいて行っているかどうかということです。とはいえ近年は、樹木を自治体の判断のみで伐採を計画すると、地域住民から要望や苦情等を受けるケースが多いため、特に重要な樹木の場合は、専門家(樹木医)の判断を仰ぐケースが多いようです。
【問2】診断費用はいくらくらいか。目安をお聞きしたいと思います
【回答】樹木医報酬につきましては、「独占禁止法」に抵触するため一律に定められておらず、一概にはお答えできません。聞き取りや現場の実態を見ますと、国土交通省の定める設計業務委託等技術者単価(設計単価)を参考にしている方もいるようです。しかしながら、この金額も業務発注の方法(随意契約、一般競争入札)により、必ずしも一律ではありません。
また、当然のことですが、診断のメニューによっても大きく変動します。目視による診断だけなのか、樹木周辺の土壌条件も調べるのか、あるいは樹体内部の状況を特殊な機器で測定するのかなどにより、1本当たりの単価は大きく変動します。
【問3】樹木医が故意で誤った診断を行った場合、どうなるか
【回答】これは、当然あってはならないことです。例えば、発注者の意向を受けて、故意に実態と異なる診断書を作成したという明白な事実があれば、認定団体である当センターとしても免許剥奪等の措置を検討することとなります。
これまで当センターの実施する樹木医研修では、科学的試験と分析・評価に基づき、その結果を正しく施主へ伝えることが真の技術者であり、自らの意思に反した判定、判断を行うべきでないことを強く指導しています。
なお、これまでのところ、幸いにしてそのような事例の報告は受けておりません。
【問4】樹木医が「健全」と診断した樹木を、自治体が「枯損木」として処分した場合(その逆に「枯損木」として診断された樹木を自治体が対応しなかった場合)、樹木医は異議を唱えることはできるのかどうか
【回答】基本的に、樹木医が診断業務を受け、その後の結果(自治体の対応)までを継続して確認するケースはほとんどないのが実態ではないかと思われます。理由としては、樹木医の診断結果はあくまでも当該樹木について権限を有する自治体側が判断するための参考資料であり、そこに法的強制力はないからです。つまり、診断結果をみて、その後どのような対応をするかは、あくまでも自治体の判断に委ねられます。
以上のことから、樹木医が診断後に自治体の対応を確認し、異議を申し立てるといったケースはほとんどないか、極めて稀だと思われます。
【問4-イ】異議を唱えるとすればどのような手段を取られるのか
【回答】診断を発注した部署あるいは担当者に対し、「なぜそのような対応をしたのか」、「診断結果とは違う対応となっていないか」、その説明を求めることは可能であると思います。
【問4-ロ】異議が唱えられないとすれば、診断制度は有名無実化されると考えるがいかがか
【回答】多くの自治体が樹木医の診断結果に基づき適切な判断を行っていることは、全国の新聞やニュースで樹木医の活動が盛んに取り上げられていることからも確かであり、樹木の専門家が各地で樹木の診断を行うことで、適切かつ安全に維持されている樹木や街路樹は格段に増えていると考えています。
一方で、樹木医の質や技術者としての倫理を高めていくことは、今後とも引き続き認定団体として十分に力を入れていく考えです。
【問5】当初は、樹木医を国家資格にしようという考えがあったとお聞きしていますが、どうしてそうならなかったのか。今後、国家資格に格上げしようという動きはないのか
【回答】当センターとして、資格に国家資格も民間資格も差はないと考えております。樹木医制度の創設は1991年、全国各地にある巨樹・名木・古木林等の樹勢回復・保全に関する人材の育成と技術の開発・普及を図り、ふるさとや自然を愛する機運を高め、緑化の推進に資することを目的として、林野庁の補助事業である「ふるさとの樹保全対策事業」として、当初より民間資格として発足したものです。
従って、資格制度の発足当初から樹木医は国家資格ではありませんが、国(林野庁)の全面的なバックアップを受けて創設された資格であること、受験資格や合格基準が厳しく定められていること、関係各所からの評価や知名度及び信用度の高さなどから、国家資格への格上げは考えておりません。
◇ ◆ ◇
皆さんは樹木医をご存じか。(一財)日本緑化センターが平成3年度から実施している「樹木の調査・研究、診断・治療、公園緑地の計画・設計・設計監理などを通して、樹木の保護・育成・管理や、落枝や倒木等による人的・物損被害の抑制、後継樹の育成、樹木に関する知識の普及・指導などを行う専門家」(同センターホームページ)のことだ。令和4年12月現在、認定者総数は3,173名で、単純計算すれば毎年100人強が認定されていることになる。同センターのホームページによると、平成22年度は第2次審査に応募した461名に対して、合格者は116名(合格率25.2%)となっている。
認定を受けるための受験資格は、実務経験(業務経歴)5年以上で、第1次審査の業績審査と筆記試験(択一式試験&論述式試験)、第2次審査の樹木医研修として講義の動画配信(2週間程度)&6日間の実習及び資格審査(科目試験・樹種の識別に関する適性試験・面接試験)に合格した人が樹木医として認定・登録される。
試験の難易度はよく分からないが、合格するには、日本緑化センターが発刊している必須テキスト「最新・樹木医の手引き(改訂4版)」(B5判700ページ、定価:9,350円)を読みこなさないといけないうえ、幅広い知識が要求され、文章をまとめる能力も試されるので、かなりハードルは高そうだ。
わが国には樹木の種類は1,000くらいあるそうだ。樹木医の皆さんは一見して樹種と樹齢、健康状態を判断することができるのだろうか。人間技とは思えない。
これは事実か「枯損木記載は都の慣例に倣ったもの」千代田区の主張 住民訴訟(2023/1/17)
ポタジェ(家庭菜園)活用したワークショップ ポラス「北浦和みのりプロジェクト」

「北浦和みのりプロジェクト」
ポラスグループ中央住宅は4月22日、既分譲の戸建て住宅地「北浦和みのりプロジェクト」(全51棟)に設置したポタジェ(家庭菜園)を活用したワークショップを開催し、その模様をメディアに公開した。
同プロジェクトは、最寄り駅の武蔵野線東浦和駅、京浜東北線の北浦和駅からそれぞれ徒歩時間を含めてバス利用で20分前後かかる難点を逆手に取った「居・食・住」のコンセプトが奏功し、昨年3月に分譲した第1期分譲の34戸を即日完売するなど早期完売した。
今回のワークショップは、近くにある見沼田んぼの「こばやし農園」とコラボしたもので、春・夏・秋の3回予定されているうちの1回目で、午前・午後の2部構成で参加は任意。午前の部には、前日とは打って変わった寒さだったにもかかわらず、対象25世帯のうち11世帯が参加。それぞれ自己紹介を行い、配布されたミニトマト、シシトウ、レタスの夏野菜の特徴、植え方などをこばやし農園の小林弘治社長からレクチャーを受け、それぞれ持ち帰って自宅のポタジェなどに苗木を植えた。欠席した家庭にも苗と植え方、育て方などが書かれたこばやし農園作成の資料が配布された。

会場になった提供公園

配布された左からシシトウ、ミニトマト、レタス(このほかこばやし農園自家製の米ぬか、鶏糞が原料のボカシ肥料も配布された)
◇ ◆ ◇
昨年7月に行われた同プロジェクトの見学会でも記事にしたが、マンションも戸建ても、その地域特性にマッチしたコンセプト、ターゲットを明確にすれば、アクセスなど多少の難点があっても売れることを証明した物件だ。
ワークショップに集まった全世帯とも、小さな子ども1~3人の子育て世代だった。通学区の小学校まで遠い家でも2分とかからないのではないか。交通事故などの心配もいらないはずだ。周りには畑などもあり遊ぶには事欠かない。育児・教育環境は抜群なのをこの日も確認することができた。
記者自身も学ぶことが多かった。ミニトマトは育てたことがあるので知っているが、水遣りなどはあまりやらず、ストレスを与えたほうが美味しい。確か多年草のはずで、そのことを小林氏に聞いたらその通りで、わが国では冬の寒さに耐えられず枯れてしまうということだった。
シシトウもよく食べるが、辛いのが好きなのにスーパーで買うシシトウはどうして辛くないのか、また小林氏に聞いたら、シシトウもストレスを与えたほうが辛いものができるということだった。辛いか辛くないかは食べてみないと分からないという(記者は黄色味を帯びているのが辛いと思っていたが…)。1つの苗で、収穫期には毎日食べても食べきれないほど実がなるそうだ。
なるほど。野菜はストレスを与えたほうが美味しいものができる…人間はどうなのだろう。

「ポタジェの土壌を分析しました。pHは6.13。うちの農園と同じくらい非常にいい。トマトの水遣りは天気に任せて大丈夫。ほっとくと2mくらいに育ちますので、適当なところで切り、支柱で支えてください。わき芽は取ってください。かなり楽しめるはずです」小林氏

「シシトウは山のように育ちますので、本当は50cmくらい離して植えたほうがいいのですが…7月から11月ころまで収穫できます」小林氏
奇跡の「見沼たんぼ」に着想 立地難逆手に取った商品企画光る ポラス「北浦和」(2022/7/10)
ナイス 木造2階建て八角堂の保育施設「Rita School」完成 雄鶏も歓迎の時(鬨)の声

「Rita School(リタ スクール)利他の郷」
ナイスは4月21日、同社が施工を担当した横浜市戸塚区の保育施設「Rita School(リタ スクール)利他の郷」の完成現場見学会を開催した。同社グループが構造計算から施工(元請け)に至るまで一気通貫で対応した延べ床面積約340㎡の木造2階建て。内外装に同社オリジナル商品を採用するなど、自然素材をふんだんに用いているのが特徴だ。
物件は、横浜市戸塚区吉田町に位置する建築面積約245㎡、延べ床面積約340㎡木造2階建て。旧東海道に面している。工期は2022年10月~2023年4月。設計は小野建築設計室。事業主は大覚寺真言宗宝蔵寺。木造使用量は躯体材が75㎥(うち国産材24㎥)、内装材が国産材11㎥。炭素貯蔵量は69t-CO2(189人が1年間に呼吸で吐き出すCO2に相当)。
建物の1階は一般にも開放する三和土付きの「学びカフェ」、幼児用トイレ、フッドデッキ、八角堂(保育室)など、2階は八角堂(吹き抜け空間)、キャットウォーク、貸室2室、ルーフバルコニーなど。敷地の高低差を生かし、4層にも5層にも見えるよう設計されており、八角堂の天井高は9m、最大スパンは11m。
「みんなの寺」をモットーとし、子どもたちが日本の風土を感じられるよう、自然素材を多用してほしいという事業主の要望に応えるため、サイディング、ルーバー、床材、羽目板などには同社オリジナルの宮崎県産飫肥杉の赤身のみを商品化した「ObiRED」を採用し、強度の必要なところは特許商品の「Gywood(ギュッド)」加工を施している。柱材はヒノキ。躯体材は欧州赤松。
また、天井・壁面仕上げには、柿渋の抗菌・消臭・防腐力、漆喰の強さ、珪藻土の調湿力を兼ね備えるパーシモン社のパーシモンEウォールを採用しているのも特徴の一つ。

八角堂

薪ストーブ

1階(手前が三和土)
◇ ◆ ◇
同社が施工した木造建築物は結構取材している。みんないいのだが、今回は柿渋タンニンと米ぬか油、ごま油、桐油、ひまし油などの植物油を混ぜて壁などを仕上げているのに驚いた。
柿渋は、記者の田舎でも漁網や住宅のいたるところに使用されていたのを知ってはいたが、現在はどこのハウスメーカーもデベロッパーも使用していないはずなので、この日、実演を行ったパーシモン社エイブル・エンジニアリングラボの林育美氏に「高価だから使わないのですか」と聞いたら、林氏は「いえ、そうではありません。1㎡当たり250円。石油そのものの輸入製品はこの3倍の値段です。油も自然油、唯一無二の柿渋のよさをみんな理解していない、勉強していないだけです」と即座に答えた。
「石油そのもの」という言葉に頭をどやされた気がした。クロスには紙や布、まれに本革も採用されるが、ほとんどがケミカル製品の塩ビクロスだ。これは考えないといけない。
住宅リフォームにも最適で、ビニールクロスの上にそのまま塗るだけで済むそうだ。カラーバリエーションは25色もある。和紙クロスも販売されている。

パーシモンEウォール

塗り壁実演
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さすが寺院の「利他の郷」だと感服したのだが、刮目すべきことはほかにもあった。保育施設の奥まったところに本堂があるのだが、その一角にはヤギやニワトリの小屋のほか、1羽の雄鶏が飼育されていた。田舎で飼っていた玉子を産む雌鶏より一回り大きく、威風堂々そのもの。近づいても動じる気配はなく、頸を高く伸ばし、鋭い眼光で記者を睨みつけ〝コケコッコー(クックドゥードゥルドゥー)〟と一喝した。その時(鬨)を告げる声は気高く、寺院の雄鶏は格が違うと畏怖すら覚えた。
雄鶏だけではない。本堂の男子用トイレには水を流さない小便器が採用されていた。女子用トイレを利用した人にも聞いたら同じ無水の和式トイレだったそうだ(小水はどのようにして流れるのか、傾斜が掛かっているのだろうか)。
まだある。樹齢数百年と思われるイチョウの巨木には3匹のリスが生息していると教えられた。記者も目撃した。体長は尻尾を含めると30cmくらいあった。ほとんど真っ黒。樹皮にしがみつき移動する様はかわいいというより不気味。人間を恐れる様子もなかった。
図鑑や映像でみるニホンリスでも中国で見たリスでもなかった。どうやら、日本全国で大繁殖している2005年に特定外来生物に指定されたタイワンリスのようだ。
唯一無二の柿渋仕上げの八角堂で学び(英語も教えるそうだ)、ヤギやニワトリ、リスとも会話することができる「Rita School」は素晴らしいではないか。ただ、中国ではリスに近づいたら、現地の人に「人を襲うから危ない」と注意された。タイワンリスも狂暴化しないことを祈るのみだ。中国と台湾は違うのか。蛇足。

雄鶏

ヤギ(後方にニワトリ)

無水トイレ

タイワンリス(左の写真の立札の上の黒っぽいのがリス)
Low-Eの効果体験 じわじわと浸透する〝まじめな〟取り組み ポラス「大宮」

「ルピアコート大宮ザ・レジデンス」
ポラスグループ中央住宅が近く分譲する「ルピアコート大宮ザ・レジデンス」を見学した。駅から徒歩16分とややあるが、幼稚園・保育園、小・中学校、男女共学の大宮高校、区役所・図書館、氷川参道、大小の公園などが徒歩10分圏内にあり、子育てファミリー層をターゲットにしたマンションだ。
物件は、JR・東武線大宮駅から徒歩16分、さいたま市大宮区浅間町2丁目の第二種住居地域に位置する7階建て全51戸。専有面積は55.60~80.45㎡、価格は未定。竣工予定は2024年2月下旬。施工は川口土木建築工業。設計はエイツカ企画設計一級建築士事務所。販売代理は長谷工アーベスト。販売開始は5月の予定。
現地は、大宮駅からタカシマヤなどの商業エリア-氷川参道-低層住宅街を抜けた産業道路に面した住宅街の一角。
建物・住戸プランは全戸南西向きで全11タイプ。主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、食洗機、ピアキッチン(28戸)、おかえりクローク(23戸)、Low-Eガラス、かくれんBOX、変身クローク、FUTONクローク、アソボタス、まもるんスペースタオル掛け2か所、玄関収納に大型電動アシスト自転車充電器コンセント&下部内倒し窓など。
モデルルームをオープンして2週間で来場者は約180組。すべて満席。同社マンションディビジョン部・西牟田奈津子氏は「新たな商品企画として、ピアキッチン付きでないタイプに下足入れの隣に『おかえりクローク』を設けました。コート、カバンなどを収納できるもので、お客さまにはとても好評です。55㎡の中住戸でも3LDKとして使用できるようにしたのも特徴です。ルピアコートはどんどん進化しています」と語った。

ピアキッチン

氷川参道

氷川参道

氷川参道(ビールの宣伝ではない。テラスではタバコも吸える飲食店)
◇ ◆ ◇
基本性能・設備仕様レベルは、前回紹介した「ルピアコート和光本町」とほとんど同じで、坪単価も「和光本町」の坪321万円と同じくらいになるのではないか。問題は駅から徒歩16分がどう評価されるかのみだ。
感心した取り組みもあった。パンフレットなどに「しあわせにまじめなレジデンス」と謳っているように、同社オリジナルの設備仕様などを分かりやすく〝見える化〟していることだ。
例えばLow-Eガラス。遮熱性能が高く、冷暖房費は単板ガラスのほぼ半額で済み、複層ガラスと比べても相当の差が出るはずだ。Low-Eガラスを採用している物件はパンフレットなどでその旨を説明はしているが、モデルルームで体感できるようにしているものはごく一部しかない。
同社はどうしているかといえば、体験コーナーを設け、単板ガラスとLow-Eガラスにコールドスプレーをかけて温度差を比較できるようにしていた。西牟田氏に試してもらったら、単板ガラスは12度前後なのに対し、Low-Eガラスは見学した当日の室内温度と同じ18度くらいだった。
何でもないことと捉える人もいるかもしれないが、記者はこのよう真面目な取り組みがじわじわと消費者に浸透していくと考える。同社のマンションの歩留まり率は他社と比べて高いはずだ。今度聞いてみよう。

Low-Eガラスと単板ガラスの遮熱性能の違いが分かる体験コーナー

モデルルームで(漫画は同社のキャラクター「いくちゃん」)

Before&After(一般的なマンションと同社の商品企画の違いを来場者が問い、答えられるようにしているのが味噌)
自治体初 横須賀市のChatGPT作成リリースの粗探し 文法・用法の誤り発見
神奈川県横須賀市が地方自治体で初めてChatGPTの活用を開始したと、多くのメディアが報じた。ChatGPTなるものを一度も利用したことがない記者は、下案を作成し、職員が校正を行ったという市のプレス・リリースを読んだ。自分の拙い記事を棚上げにして、AIの文章の粗を探してやろうという魂胆が丸見えなのは承知のうえだ。
文章は651文字。A41枚に収まる分量で、誤字脱字など一つもない(はず)。文末を「職員は、人にしかできない、人だからこそできる仕事に注力することで、市民の幸福を実現する取り組みを、進めてまいります」と締めくくっているのには感心した。頭の悪い人間をからかうのか慮るのか、あるいは両方の意図が込められているとすれば、これは脅威だ。〝人にしかできないものなどない〟と言われているようで、背筋が寒くなった。
いったい、人間の手はどれくらい加わっているのか。市の担当者に聞いた。職員の指示を受け、ものの数十秒で下案を作成したというから、ChatGPTの能力の高さを率直に認めざるを得ない。ただ、前述した文末は職員が「心、思いを込めるため」(担当者)加筆したようで、AIが忖度して作成した文章ではないことも分かった。
記者はこれに少し安堵したのだが、重箱の隅をつつくように文章をチェックした。文法、用法などの誤りがいくつか見つかった。以下に紹介する。
①主語がない
書き出しは「横須賀市役所において」となっているが、「…おいて」は場所を示す連語だから主語ではない。主語は言うまでもなく「横須賀市」だ。主語を省いても意味は通じるが、行政文書だから、ここはきちんと「横須賀市は、市役所内において…」とすべきだし、そもそも「おいて」なる文言は古臭い。記者はほとんど使わない。
②5W1Hが欠けている
リリースを発表したのは4月18日だが、肝心のChatGPTをいつから活用するのかの記述がない。どこかに「4月20日から」を入れるべきだ。
③…たり…たりの用法が変
「AIと会話をしながら、質問に答えたり、文章を作ったり、言葉を翻訳したり、文章を要約することができます」という文章も変だ。会話をしながら質問に答えるのはAIだろうということは分かるが、ここは「質問を入力すると、ChatGPTは質問に答えたり…」とすべきだ。記者もそうだが、ChatGPTが何者か知らない市民だっているはずだ。本当に会話が交わせ、質問もされるのではないかと誤解する。
また、一つの文章に「たり」が3つもあり、しかも「言葉を翻訳したり、文章を要約する」の用法も間違っている。「たり」を用いるなら「言葉を翻訳したり、文章を要約したりする」とするのが正解。
④「自治体初!」の根拠が示されていない
ChatGPTを採用するのは横須賀市が全国の自治体で初めてとタイトルにあるが、その根拠は本文には示されていない。全国の自治体は2,000近くある。裏付けは取れているのだろうか。どうして調べたのか。OpenAI社が把握しているのだろうか。情報をリークすることに問題はないのか。
このほか、主体は市なのかChatGPTなのか分からない部分もあるが、指摘はこれくらいにしておく。ChatGPTは学習能力もあるようだから、進化したらわれわれメディア記者の仕事がなくなる時代がやってくるかもしれない。以下、横須賀市の4月18日付プレス・リリース。
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令和 5 年(2023 年)4 月 18 日
報道機関各位
横須賀市デジタル・ガバメント推進担当部長
自治体初!横須賀市役所で ChatGPT の全庁的な活用実証を開始
横須賀市役所において、「ChatGPT」の全庁的な活用実証を行います。
ChatGPTは、OpenAI社によって開発された、自然言語処理技術を活用し人工知能が自然な会話を行うことができるシステムです。AIと会話をしながら、質問に答えたり、文章を作ったり、言葉を翻訳したり、文章を要約することができます。
横須賀市では、(株)トラストバンクが提供する自治体専用ビジネスチャットツール「LoGoチャット」にChatGPTのAPI機能を連携させることにより、すべての職員が、普段業務で使用しているチャットツールにおいて、文章作成、文章の要約、誤字脱字のチェック、またアイデア創出などに活用できるようにします。これにより業務の効率化が見込まれるとともに、広く職員が活用していくことで、さまざまなユースケースを生み出していくことを期待しています。
なお、横須賀市では、ChatGPTへの入力情報が二次利用されない方式で使用し、また機密情報や個人情報は取り扱わない運用とし、情報の安全な取扱いを徹底します。
横須賀市では、「スマートシティ推進方針」、「横須賀市デジタル・ガバメント推進方針」に基づいて積極的にテクノロジーを活用し、様々な業務の効率的、効果的な実施を図っています。それにより、職員は、人にしかできない、人だからこそできる仕事に注力することで、市民の幸福を実現する取り組みを、進めてまいります。
なお、本リリースはChatGPTで下案を作成し、職員が校正を行いました。
有名店や予約困難店の料理が楽しめる食のプラットフォーム 三井不「mitaseru」

「mitaseru(ミタセル)」
三井不動産は4月19日、食材調達から調理人の確保、商品の製造代行までを担う食のプラットフォーム「mitaseru(ミタセル)」を4月から本格的にサービス開始すると発表。mitaseruは、2018年度に創設された同社グループの事業提案制度「MAG!C」の審査を経て生まれたもので、提案者の同社ビジネスイノベーション推進部事業グループ・松本大輝氏と佐々木悠氏のほか、参加店の菰田欣也氏(中華/ファイヤーホール4000)、松本一平氏(フレンチ/La Paix)、野永喜三夫氏(和食/日本橋ゆかり)が出席し、記者説明会・試食体験会・トークセッションを行った。
mitaseruを開発した経緯について松本氏と佐々木氏は、日本の飲食事業は、世界からも高い評価を受けていながら、①他産業と比べても人手不足が顕著②立地や客席数が売上の制約となっている③国内マーケットの縮小など3つの課題を抱えており、さらに家事時間の半数を占める料理の負担の課題を解決し、「美味しさ」「手作り」「安心感」のある料理をいつでも好きなときに食べられるようにしたと説明。
商品製造から販売までをmitaseruが請け負うため、飲食店は人材確保や設備投資などの負担なく事業拡大が可能で、店の料理と同じクオリティの味を多くの顧客に提供できるメリットがあり、顧客は予約困難店やミシュランガイドで星を獲得したお店の料理を取り寄せることを可能にしたと話した。
一般的な監修商品とは異なり、有名飲食店などで実際に提供されている料理と同じレシピ・味にこだわりながら、専門シェフが手作りで調理し、調理後すぐに最新の急速凍結技術を用いることで、保存料は使用していなくとも鮮度をそのまま保存可能としているのが特徴。
参加店舗は、「ファイヤーホール4000」(中華)「La Paix」(フレンチ)「日本橋ゆかり」(和食)のほか「Ata」(ビストロ)「牛タン焼専門店司」(和食)「後楽園飯店」(中華)「ざくろ」(和食)「讃岐うどん白庵」(和食)「JASMINE THAI」(タイ料理)「Series」(中華)など21店30品目でスタート。料金は800円台から5,000円台でレシピ付き。今後、顧客の意見を聞きながら店舗ラインナップやサービスの充実を図っていく。

左から佐々木氏、菰田氏、松本氏、野永氏、松本氏(三井不)
◇ ◆ ◇
試食体験会で提供された「具たくさんの豚汁」(日本橋ゆかり)「ビーフストロガノフ」(La Paix)「激辛!!火鍋肉団子」(ファイヤーホール4000)ともとてもおいしかった。それぞれのオーナー・シェフも「完成度の高さにびっくりした」(松本氏)「クオリティは高い。本格的なおふくろの味を体と心で満たせる味」(野永氏)「そんなことできるのかと半信半疑だったが、(mitaseruの)メンバーはみんな凄い」(菰田氏)などと絶賛した。
気になったこともいくつかある。一つは、記者は試食に供された店の料理は食べたことはないが、実際にシェフ・オーナーがつくった料理をその場で食べるのとどれほどの味の差があるのかということだ。
仮に、まったく味落ちがないとすれば、mitaseruが大量生産・大量販売したら価格は大幅に引き下げられる。店もその場でつくる手間はいらないから、冷凍食品を温めて提供することも可能になる。われわれは手間・暇をかけた料理だからこそ価値を認め、高額な料金を払う。店の味と冷凍食品の味が同じになったらどのような世の中になるのか。
もう一つは、特許の問題だ。調理レシピは特許も可能らしいが、門外不出の秘伝の調理レシピがわが国だけでなく全世界に流出しないかということだ。
まあ、しかし、料理は味はもちろんだが、もてなす人の心・愛情が伝わるものだし、その場の雰囲気、調度家具、什器、そえものも重要な役割を果たすから、記者の危惧などは当たらないことを祈ろう。

ファイヤーホール4000_激辛火鍋肉団子

La Paix_ビーフストロガノフ

日本橋ゆかり_具たくさんの豚汁
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リリースには「MAG!C」は、「当社グループ社員一人一人の『妄想』を起点に、会社を巻き込み『構想』『実現』へ昇華させ、そのイノベーションにより『不動産デベロッパー』の枠を超えた『産業デベロッパー』というプラットフォーマーを目指す」提案制度とある。
これら「妄想」「構想」「実現」「産業デベロッパー」の文言は、同社が昨年12月9日に行った社長交代記者会見場で、植田俊社長(当時同社取締役専務執行役員)が語ったフレーズそのものだ。つまり、「MAG!C」は植田氏の発意によるものだろうか。
今後、「MAG!C」から何が飛び出すか興味津々。

Ata 真鯛のブイヤベース

司_ほろほろ牛タン

千陽_心技体
「産業デベロッパー目指し、日々妄想」植田俊・三井不動産次期社長(2022/12/11)
多摩産の「木」を多用した共用部が美しい 三菱地所レジデンス「聖蹟桜ヶ丘」

「ザ・パークハウス 聖蹟桜ヶ丘」
三菱地所レジデンスが分譲中の「ザ・パークハウス 聖蹟桜ヶ丘」を見学した。駅から徒歩5分の1フロア3戸の全42戸だが、建物を全面道路と平行にではなく西側に振らせることで生まれた空地に植栽を施し、眺望に配慮するとともに、型枠に国産材を、共用部に多摩産の集成材を多用し、住戸プランも「ザ・パークハウス」仕様にしている。
物件は、京王線聖蹟桜ヶ丘駅から徒歩5分、多摩市関戸2丁目の商業地域に位置する敷地面積約621㎡、15階建て42戸。現在販売中の住戸(11戸)の専有面積は66.92~71.97㎡、価格は4,968万~5,988万円。坪単価は252万円。建物は2023年1月に竣工済み。施工は大末建設。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、食洗機、カップボード、ミストサウナ、タオル掛け2か所など。
昨年10月にホームページを開設し、これまでのエントリー数は500件超、モデルルーム来場者は約150件。建物が完成した4月から販売を開始し、これまで15戸を成約している。来場者・成約者は地元居住者が約3割、その他は京王線沿線居住者。

エントランス

エントランスホール壁面

風除室壁面
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風除室

エントランスホール
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小規模マンションではあるが、造り込みはしっかり行っている印象を受けた。写真をいくつか添付したので見ていただきたい。とても美しい。先日、野村不動産も国産材を多用した「プラウド参宮橋」(19戸)を分譲すると発表した。どこまで販売促進に結びつくかは不明だが、「木」は今後のマンションのキーワードのひとつに間違いなくなる。SDGsの観点からも必須要件となるはずだ。
商品企画にも手抜きはない。浴室にタオル掛けは2か所ついていた。これはずっと前から同社が標準仕様としているものだ。カップボードだって、オプションなら数十万円するはずだ。
この物件に近接する東京建物他「Brillia Tower 聖蹟桜ヶ丘BLOOMING RESIDENCE(タワー棟)」(520戸)「Brillia 聖蹟桜ヶ丘BLOOMING TERRACE(テラス棟)」(253戸)を見学していないので何とも言えないが、同社の物件の坪単価は「Brillia Tower」より20万円くらい安く、20坪で5,000万円以下というのがポイントだ。
同社も売主になっている、同じ坪単価252万円の「THE GRAND CROSS多摩センター(ザ・グランクロス多摩センター)」(289戸)との比較については、多摩市民の記者はコメントしない。双方とも単価は他の沿線と比べ割り負けしているとだけ言っておくことにする。

モデルルーム
約4,000戸 入居率98% 住友不「ラ・トゥール」28棟目「新宿ファースト」完成

「La Tour(ラ・トゥール)新宿ファースト」
住友不動産は4月18日、同社の最上級賃貸マンションシリーズ「La Tour/ラ・トゥール」の最新物件で28棟目の「La Tour(ラ・トゥール)新宿ファースト」が完成したのに伴うメディア向け完成内覧会を実施し、4月20日から入居を開始すると発表した。同シリーズは、今回で約3,900戸の規模となり、平均専用面積100㎡以上、平均賃料約70万円で、入居率は98%に達し、今回の物件も約半数が契約済み。24時間バイリンガル対応のフロントコンシェルジュサービスなどが富裕層に評価されている。
物件は、JR・小田急線・京王線「新宿」駅徒歩17分東京メトロ丸ノ内線・都営大江戸線中野坂上駅から徒歩6分、東京メトロ丸ノ内線西新宿駅から徒歩7分、新宿区西新宿五丁目に位置する敷地面積約7,980.01㎡、地下2階地上35階建て免震構造のオフィス・住宅複合施設で、延床面積約90,611㎡(うち住宅専有面積約21,958㎡)。住宅は19~35階で総戸数170戸(同社持分166戸)。専用面積は70.35~297.33㎡。21階の161㎡(49坪)の賃料は118万円/月、坪単価は2.4万円。35階の297㎡(90坪)の賃料は300万円超/月、坪単価は3.3万円。竣工は2023年3月。入居開始は4月20日。
現地は、同社をはじめ三菱地所、三井不動産が事業参画している西新宿の再開発エリアの一角。新宿中央公園、神田川に近接。
全住戸が地上80m以上の19~35階の高層エリアに位置(下層階にあるオフィスの天井高を高く設定しているため、19階でも平均的なマンションの27階相当の地上高)。2LDKは80~150㎡台、3LDKは100~170㎡台、ペントハウスは約300㎡超。24時間常駐のバイリンガルコンシェルジュが宅配物の一時預かり(冷蔵・冷凍含む)のサービスに加え、来訪者の一時対応(レセプションサービス)を行い、全5棟の新宿エリアで初となるヴァレーサービスも導入する。
内覧会で同社賃貸住宅事業所長・永山貴氏は「今回の物件は、2000年の第一号『芝公園』から数えて28棟目。奇をてらったものは入れていない。お客さまが志向しているものをグレードアップし、新宿エリアでトップレベルに仕上げた。粋を集めた自信物件。『ラ・トゥール』シリーズはトータルで約4,000室になるが、2023年3月末の入居率は98%。入居者サービスが実を結んだ結果だ」と話した。
また、同社賃貸事業所営業統括・鳴海智也氏は「ラ・トゥール」の顧客動向や高額賃貸マンション市場について説明。20年前の顧客は外国人が51%だったのが、現在は日本人が86%となっており、年代も60歳以上が43%を占めていたのが、現在は49歳以下が69%を占めている。坪単価は10年前の1万円台の半ばだったのが現在は2万円台の半ばに上昇。空室率は平均3.4%、主要3区の賃料は初めて2万円/坪を超え、面積が広いほど賃料単価は上昇しており「150㎡以上は供給事例が少ないことから飽和状態にある」などと語った。
鳴海氏は「ニッチな市場で競合はしていないが、ブランド価値を維持するため数値目標は掲げず、立地、環境に適したものを開発していく」とし、今後の開発物件として「目白御留山」「御殿山」「みなとみらい」「南青山」「渋谷松濤」「元麻布」などをあげた。
同社は同日、「La Tour(ラ・トゥール)」シリーズの「代官山」「大阪梅田」など5物件が日本政策投資銀行(DBJ)による「DBJ Green Building認証」の最高評価を取得したと発表した。省エネ性、入居者の快適性、防災・防犯性が評価された。

外観(今回の物件は中央)

天井高約8mのアトリウムイメージパース
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両氏の話を聞きながら、「ラ・トゥール」は高額分譲マンションとどこが異なるか、なぜ富裕層の圧倒的な支持を得ているかを考えた。
専用部の設備仕様・仕上げは、「奇をてらっていない」と永山氏が語ったように、億ションに負ける部分もあるが、空間設計、ホスピタリティは「ラ・トゥール」が勝る。
今回の物件のエレベーターは乗用4基、非常用兼荷物用1基、自転車用兼ペット用2基あり(この規模の分譲はせいぜい2~3基)、エレベーターホールは広く、廊下幅は3mもあった。21階のエレベーターを降りてから展望が開ける北東角の161㎡の住戸に着くまで約50mあり、専用部の廊下幅は1350ミリ、天井高は2650ミリ、35階の297㎡のペントハウスのLDKは55帖大、御影石キッチン天板は1200×3000ミリ、玄関、浴室はそれぞれ2か所あった。
24時間バイリンガルコンシェルジュサービス、宅配物の一時預かり、専用部サービス、来訪者のチェック、ヴァレーサービスなどは分譲にはまずないはずだ。鳴海氏が「ビル屋だからこそできる。入居率は驚異的」と胸を張ったのもよく分かる。
これらを総合的に評価すると、100㎡で賃料70万円(坪単価2.31万円)は分譲よりむしろ割安だと思った。法人契約にすれば賃料の少なくない金額は経費・損金として処理できるはずで、節税対策ともなる。分譲は法人による所有は可能だが、管理組合の「専ら居住」の制約があるため、法人登記はまず不可で、事務所などとしての利用も認められない。管理組合の役員就任を拒否することもできない(最近は第三者管理方式を採用するマンションは増えてはいるが)。
経営者や弁護士、医者などは1日十数時間働く人は多いはずで、煩わしい管理組合などの活動から解放され、都心に住むことで大幅に時間を節約できる「ラ・トゥール」の優位性を思い知らされた。
分譲マンションも法人登記を認め(法的な規制はないはず)、民泊のような不特定多数の人が出入りするのを認めるのはどうかと思うが、多様な利用を可能にしてもいいのではないか。

Zタイプイメージパース

