コロナ禍 メセナ活動を直撃 回答2割減 開催延期・中止など72件 企業メセナ協調査
企業メセナ協議会は3月30日、全国の企業・企業財団を対象に毎年実施している「メセナ活動実態調査」2021年度の結果をまとめ発表した。回答企業・財団は約2割減り、コロナの影響で活動に変更があったと回答したのは6割に達した。
調査の結果、コロナ禍前後でのメセナ活動の変更について60%以上の企業が「変わった点がある」と回答。変わったのは、「運営面」が107件のほか、「オンライン」が82件、「施設の休館・閉鎖」が6件、「開催延期・中止」が56件、「支援先の開催延期・中止」が16件だった。オンライン化の限界について言及する記述もみられたとしている。
メセナの取り組み目的については、「芸術文化支援のため」と「社業との関連、企業価値創造のため」に7割近くの企業が回答。
調査対象は国内企業2,085社、国内企業財団300団体で、回答があったのは企業503社、企業財団186団体で、メセナ活動総件数は企業が1,266件、財団が596件(前年度比:企業は383件減、財団は96件減)。メセナ活動費総額は企業が214億円(回答社数240社、1社平均8,930万円)、財団が448億円(回答団体数150団体、1団体平均2億9,929万円)。
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今回の調査結果は、コロナがメセナ活動も直撃したことがよく分かる。それでも多くの企業・財団が継続して活動しているのに敬意を表したい。
気になったのは、活動で重視している点について「SDGs」は28.4%(2016年は5.8%)へ大幅に伸びているのは当然として、「育児支援」「人権」「雇用創出・就労支援」「平和」などは7%台以下にとどまっていることだ。これらはSDGsの大きな柱の一つではないか。「人権」や「平和」に関与するのを嫌うわが国の国民性のためなのか。どれだけたくさんの人を合法的に殺すかが勝敗の分かれ目となる戦争を前にして、文化や芸術は何と無力なことか。いうべき言葉もない。
坪240万円で5000万円台の3LDK(70㎡台) 城東とも競合 コスモスイニシア「和光」
「イニシア和光」
コスモスイニシアが分譲中の「イニシア和光」を見学した。アドレスは「埼玉県和光市」だが、最寄り駅は板橋区の「地下鉄成増駅」で、隣接する公園とのとの生物多様性保全の取り組みを行い、居住棟と渡り廊下でつながっているクラブハウス付き共用ガーデンを整備しているのが特徴だ。
物件は、有楽町線・副都心線地下鉄成増駅から徒歩10分、東武東上線成増駅から徒歩13分、東武東上線和光市駅から徒歩21分、和光市白子2丁目の第1種住居地域、準住居地域に位置する敷地面積約3,839㎡、地下1階・地上8階建て全100戸。先着順で分譲中の住戸(6戸)の専有面積は68.38~90.15㎡、価格は4,948万~6,558万円、坪単価は240万円。建物は2021年11月に竣工済み。施工は大豊建設。
2020年9月から販売を開始しており、現在、残りは28戸。来場者は約700組。購入者の約6割が30代のプレファミリーだが、単身者も約1割。居住地は和光市が10%、板橋区と練馬区が各15%、その他、同じような価格帯の都心から同心円状のエリアに広がっている。
現地は東京都板橋区と埼玉県和光市の都県境に位置しており、「大坂ふれあいの森」公園に隣接。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2450ミリ、食洗機、ミストサウナ、浴室タオル掛け2か所など。共用施設として多目的に利用できる約90㎡のクラブハウスと共用ガーデン「もりラボ」を整備している。
同社分譲事業部分譲一部プロジェクトマネージャー・宮川香織氏は、「購入者の方に評価されているのは、70㎡以上の広い3LDKと都心への交通利便性、5,000万円台の価格。近接する物件のほか、価格帯がほぼ同じの都心部から同心円状の城東エリアなどとも競合しています。広さを求める単身者の購入も約1割に達しています」と語っている。
エントランスホール(木の香りと光の演出がなかなかいい。壁は左官仕上げ)
クラブハウス
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この物件について同社は竣工時にプレス・リリースを発表しており、記事にもしているのでそちらも参照していただきたい。これほどの規模で、別棟の約90㎡のクラブハウスを備えているのは価値がある。
嬉しかったのは、浴室にタオル掛けが2か所ついていたことだ。同社はタオル掛け2か所を標準としているようだ。こういうところに企業姿勢が表れる。ミストサウナもついていたのには驚いた。
宮川氏に聞けばよかったのだが、どうして物件名が「和光」なのかは不思議に思った。
不動産公正取引協議会連合会の自主規制「不動産の表示に関する公正競争規約」の物件の名称の使用基準には、「当該物件の最寄りの駅、停留場又は停留所の名称を用いることができる」とあるように、デベロッパーはポテンシャルにもよるが、物件の名称を物件が所在するアドレスより最寄り駅名を使用するケースのほうが圧倒的に多い。
典型的な例としては「ひばりヶ丘」がそうで、物件所在地は埼玉県新座市でも物件名に西武池袋線の「ひばりヶ丘」を使用するのがほとんどだ。ずいぶん昔だが、最寄り駅は東急東横線「二子新地駅」なのに、物件名に「二子玉川」を使ったマンションがあった。
今回のケースでは、記者が企画を担当したら「イニシア成増 和光の丘(あるいは森)」とでもする。公取規約に違反しないはずだ。「成増」と「和光」の訴求力は、「川口」と「赤羽」くらいの差があるのではないか。
本旨ではないので書かないが、マンション敷地と隣接公園の境には金網が張り巡らされていた。よくある光景だが、公園は地域居住者に開かれているはずなのに、どこも管理を優先して垣根を設け、居住者から遠ざけようとしている。
都市公園の利用実態調査報告などもほとんどない。国土交通省の平成26年度都市公園利用実態調査は273か所しかなく、しかもアンケートなどが主体だが、これによると「特に不満はない」は50%台で、街区公園、近隣公園などの公園利用率は10%前後にとどまっている。これを逆読みすると、都市公園を利用する人は利用想定圏内のわずか10%くらいしかいなく、しかも満足している人は半分しかないということになる。これが民間施設ならみんな破綻するのだが、指定管理者制度を導入しているのは46%しかなく、民間活力を活用しているのは18.2%しかない。
記者はコロナ禍でもっとも安心して飲食・喫煙できるのは公園だと思っているが、喫煙・飲食を禁止する公園はむしろ増えているはずだ…〝そして誰もいなくなった〟に限りなく近づいている。その一方で、公園とマンション・施設との垣根を取っ払った事例の記事も添付する。
浴室のタオル掛け
渡り廊下(その後方左の白い建物がクラブハウス、右後方は市民にも公開しているガーデン。そのガーデンと公園の間には金網が張られている)
隣接公園との生物多様性保全の取り組み コスモスイニシア「和光」完成(2021/12/25)
出来すぎだ!焼杉! 見どころ多い小田急バス×ブルースタジオ「hocco(ホッコ)」(2021/10/7)
「街のシンボルになる」来場者 公園との垣根なくしたフージャース「つくば」に感動(2021/4/28)
住宅満足度は95% プレハブ建築協会/非回答・選ばなかった人の声も聞きたい
プレハブ建築協会は3月29日、調査開始から28回目となる2021年度「信頼される住まいづくり」アンケート調査結果をまとめ発表した。同協会に加盟する住宅メーカー9社でマイホームを新築し、2020年に入居した1,200名が対象で、有効回答は636名(回答率53.0%)だった。
結果によると、メーカー選定の理由は、「安心できる会社だった」「品質・性能が優れていた」「営業担当者の説明に納得できた」など。
住宅に対しての満足度は前回(98%)より、やや低下しているものの、「とても満足」+「満足」+「まあ満足」の合計は95%と高い評価を維持している。
営業担当者に対する総合評価は、「とても満足」+「満足」+「まあ満足」の合計は95%と高い評価を維持している。
営業担当者への期待では、「迅速な対応」「報告・連絡・相談を密にしてくれる」「分かりやすく説明してくれる」といった回答が多かった。
役に立ったアドバイスとしては「商品の特徴」が68%と最も多く、次いで「間取り等のプラン内容」が54%、「資金やローン」が53%と多くなっている。
営業担当者に期待することは、「迅速に対応してくれる」が59%ともっとも多い。
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調査結果から、住宅メーカーや営業担当への評価がたかいことが分かる。記者は、この種のアンケートで重視するのは回答率だ。今回は53%に上っているので極めて高い回収率だと思う。
しかし、考えてみれば、顧客としては「信頼できる」「安心できる」住宅ローカーであり、営業担当も「期待に応えてくれる」と考え発注するのだから、結果が「満足できる」となるのは当然だ。
それよりも、回答しなかった残りの47%の顧客はどうして回答しなかったのか、その理由が気になる。質問に答えるのが面倒だったというのが大半を占めるのだろうが、回答することのメリットを感じていない人も相当数にのぼることが予想できる。
質問項目に「不満だった点」「改善すべき点」などを加えたら、また違った結果になるのではないか。
さらにまた、ハウスメーカー9社を選ばなかった(潜在的な)顧客の声も聞きたいものだ。むしろこちらが大事か。
三菱地所 駅徒歩1分、免震の「川越タワー」第1期1次~3次98戸に登録申し込み
「ザ・パークハウス 川越タワー」
三菱地所レジデンスは3月28日、2022年2月25日から販売開始した「ザ・パークハウス 川越タワー」(全173戸、うち募集対象住戸4戸)第1期1次~3次全98戸に登録申し込みが入ったと発表した。第2期は5月上旬の予定。
同社は、①駅徒歩1分、川越市最高層タワーの希少性と資産性②川越駅西口の生活利便性の高さ、健やかな学びを育む文化・教育環境③免震構造、平均75㎡のゆとりある間取りなどが評価されたとしている。
資料請求は約1,700件(2021年9月7日~2022年2月28日)、来場数は約500 件(2021年11月12日~2022年2月28日)、第1期1次~3次(98戸)の専有面積は44.36~117.16㎡、価格は4,588万~20,300万円。登録申込件数は107件、最高倍率3倍、平均倍率1.09倍。
登録者の居住地は川越市38%が最も多く、次いで川越近接エリア(鶴ヶ島市、坂戸市等)25%、東京都18%、その他埼玉県18%。年齢層は20代~70代と幅広く、40代、30代が最も多い。職業は会社員・公務員が36%、経営者・会社役員が32%、次いで医師が15%。
「ザ・ホール」
駅前の免震タワーは坪320万円 京王・聖蹟桜ヶ丘を抜き去る 三菱地所レジ他「川越」(2021/12/11)
「多様な100万人」の街へ 「Torch」へのブリッジ役「TOKIWA BRIDGE」三菱地所
岩本氏(左)と井上氏(「常盤橋タワー」3階「MY shokudo」で)
三菱地所は3月25日、新しいワークスタイルを実現するフレキシブルオフィス発表会・内覧会を開催。「丸の内NEXTステージ」を加速させるため、エリアでのフレキシブルな働き方や多様な企業・人の交流を促し、「多様な100万人」の街づくりを推進すると発表。同時に、その具体的な取り組みの一つとして同日にオープンしたスタートアップ向け新施設「TOKIWA BRIDGE」をメディアに公開した。
新しいフレキシブルオフィス提案の背景について、同社執行役員・井上俊幸氏は、「当社は2020年1月に『丸の内NEXTステージ』を、2020年7月には『ポスト・コロナ時代の街づくり』発表したが、その後2年間のコロナで環境は一変した。『就業者28万人×8時間』から『多様な就業者100万人×最適な時間、交流する』街への取り組みを加速させる必要性があることから、今回の再定義となった」と語った。
同社は2020年7月、「ポスト・コロナ時代のまちづくり」を公表したが、その後2年近くの間に環境が激変したことを踏まえ、同社が積み重ねてきた130年以上のまちのインフラを基盤に、具体化戦略として①多様な場の提供②多様なテーマ・コミュニティ③面でのつながり・発信④クリエイティブな活動⑤デジタルビジョン・スマートシティの実現-の5つを前面に掲げた。
「一人ひとりに即した1億通りの刺激・学びがある」「最適な仲間・コミュニティに参加できる」「協創・アウトプットが最大化する」まちの実現を目指す。
「TOKIWA BRIDGE」は、「TOKYO TORCH」の一角にあるオフィスビル「TOKIWAブリッジ」(旧・JFE商事ビル)の13階と地下2階に設けた約1,100㎡。創業間もないスタートアップや大企業からのカーブアウト企業を対象としているのが特徴で、いつでも共用施設を利用できる「ホットデスクプラン」と、共用施設も利用できる「個室プラン」を用意。個室プランでは月単位のほか曜日のみ利用できる「曜日貸し」を設け、様々な働き方に対応する。
入居企業は、「常盤橋タワー」3階「MY shokudo」のほか新東京ビル4階、大手町ビル7階などを利用でき、同社が手掛ける他の「EGG JAPAN」「Global Business Hub Tokyo」「FINOLAL Inspired Lab」のスタートアップ向け施設やビジネスクラブ「東京21cクラブ」が主催するイベント・セミナーの参加が可能。
また、入居企業の製品やサービスなどプロダクトを積極的に施設に導入し、製品・サービスの社会実装を進め、入居企業を支援していく。
4人4名で利用する場合、利用料金は月単位だと会員ID(2万円×4万円)+個室料金(20万円)=28万円となるが、曜日指定だと会員ID(2万円×4万円)+個室料金(6万円)=14万円となる。施設開設時現在、入居企業は23社。うち月単位企業は8社、12社が曜日特定入居。
新しい施設運営について、同社xTECH運営部ユニットリーダー・岩本祐介氏は、「これまで様々な国内外の成長企業やスタートアップ企業の成長ステージに合わせた施設を運営してきた。5拠点目となる今回の施設は、創業7年以内を対象としているのが特徴で、施設は常盤橋公園に生まれ変わるが、入居企業が『Torch Tower』(2027年竣工予定)に入居できるよう成長していただきたいし、当社もブリッジの役割を果たしたい」と話した。
記者発表会場(「常盤橋タワー」3階「MY shokudo」)
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記者は、コロナが発生して間もない2020年5月まで同社の「丸の内北口ビル」に通勤していた。その後、完全テレワークに移行したので、取材以外は東京駅に行くことはなくなったが、街の様子が一変したのを実感している。
コロナ禍では「常盤橋タワー」のレストランも〝閑古鳥〟が鳴いていたが、緊急事態・まん防解除後は、どこからこのような人が湧いてくるのだろうと不思議に思うほど、若いカップルや小さい子どもをベビーカーに乗せた女性の姿で溢れかえるレストランなどを目撃している。あり得ない光景だ。この前も「三菱一号館」に隣接するカフェ・バーを利用としたらテラス席は満席だった。丸の内だけでなく、渋谷などもそうだ。人の流れは完全に変わった。
同社が今回、「就業者28万人×8時間」から「多様な就業者100万人」の取り組みを強化すると発表したのは大正解だろう。
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「TOKIWA BRIDGE」もいい取り組みだ。発表会場で岩本氏から声を掛けられて記者はもうその段階で舞い上がり、いつもは最後列に座るのだが、この日は最前列(最前線)に座って必死でメモを取った。
岩本氏はどうして真黒に日焼けしているのか聞き忘れたが、説明はとても分かりやすかった。
だが、岩本氏は会見の真打・取りではなかった。それより感動を覚えたのは、施設をただ見学するだけでなく(そんなのは他にもたくさん見ている)、入居企業5社の代表者の声が聞け、質問もできる機会を設けたことだ。海のものとも山のものともつかない代物ではあるが、決して海千山千のしたたか者でなく、どこかダイヤモンドの原石のようにきらりと光る起業家に会え、その声を聞けたのが何よりの収穫だった。
例えばSoftRoid。この会社は独自に開発したデバイスを用いて建設現場のデータ収集し、施工状況を可視化・分析するソフトウェアを提供する社員4名の会社だ。2020年7月が創業だから、生まれたてほやほやだ。社員は4名。
職人にカメラを装着するそうで、仕事以外はカメラをオフにすることもできる。海外ではかなり普及しているそうだ。
話を聞いて、現場監督が必要でなくなる時代が到来するのではないかと考え質問したら、同社代表取締役CEO・野﨑大幹氏はその可能性を否定しなかった。用途は他にもありそうで、この会社は世の中をひっくり返す可能性があるのではないか。
マルチスクリーン、サラウンド音響システム、自然のアロマなどを駆使して没入自然空間を開発・提供しているフォレストデジタルも無限の可能性を秘めている。
スクリーンをどうするかだが、初期費用はそれほど掛からないとか。医療・介護施設、ホテル、商業・観光施設だけでなく、一般家庭へ普及するはずだ。居ながらにして世界の秘境を訪ねることも可能だろうし、小説や詩の朗読などと組み合わせればその利用範囲は拡大する。
顔認証による入館管理サービスを提供しているTRIBAWL(トライバル)のロボティクス事業には驚愕した。搬送ロボットは最速30キロメーター/1時間まで6段階に設定でき、重量は150㎏まで運べるのだそうだ。
これは平たんな道路などでしか利用できないのだろうが、そのうちに太陽光で自家発電し動力とし、ときには巨岩や倒木に擬態し、道なき道を匍匐前進して救援物資を確実に届けるロボットも開発されるのだろう。
TRIBAWL(トライバル)の顔認証による入館管理サービスを実装した「TOKIWA BRIDGE」エントランス
TRIBAWL(トライバル)の搬送ロボット
没入自然空間(フォレストデジタルのリリースから)
「古代甲州」お勧め 山梨ワイン飲み放題 「東急プラザ渋谷」3/27まで
「ニッポンのいいお酒。第8回山梨ワイン」イメージ
プレス・リリースをコピペして記事化するのは〝現場主義〟を看板に掲げる小生の沽券にかかわることであり、そしてまた1時間2,000円でワインが飲み放題という宣伝文句には抗えず、東京都のまん延防止措置も解除されたことも言い訳にして、「東急プラザ渋谷」で開催中の「ニッポンのいいお酒。第8回山梨ワイン」を昨日(3月23日)体験した。
訪れたのは昼間。お客さんでごった返していたソフトバンクロボティクスが運営する5階のカフェ「Pepper PARLOR」を尻目に、まだ馥郁たる木の香りに包まれている6階の会場にエスカレータで上った。
記者は馬鹿ではない。2杯も飲めば元は取れるし、後は飲みつぶれても血糖値が多少上がるだけだというそろばんを瞬時に導き出し、早速2,000円を払って〝飲み放題〟に挑戦した。
ところが、どうだ。試し飲みは何倍でも飲めるのだが、注がれるのは小さなプラスチック製グラスにほんの少しだけ。例えていえば三々九度の盃か起工式のお神酒しかなく、じっくり味わうことは能わず、飲み干したときはもう何を飲んだのかさっぱりわからず、次から次へと杯を重ねるほかなかった。
実をいうと、小生は酒なら何でも飲むのだが、糖尿病を悪化させないのは焼酎と聞かされているので、普段はもっぱら焼き芋焼酎「鬼火」をこよなく愛し、小生の名前かついている「司牡丹」(船中八策)や多摩市限定の「原峰の泉」の日本酒をこっそり飲んでいるのだが、ワインはどこか血や戦争の匂いがする「赤」は生理的に受け付けず、清く貧しく美しいわが故郷にピッタリの「白」なら何でもいい-つまり味など全然問わないただの呑み助だ。
それでも、スタッフには最高に美味しいのは泡盛の古酒であるとか、ウイスキーは「バランタイン」(17年)とか、モンゴルの馬乳酒は「処女の味がする」とかの蘊蓄を垂れながら心地よい約1時間を過ごした。20杯は飲んだか。
フェアは3月27日まで。まだ間に合う。皆さんもどうぞ。「古代甲州」がお勧めだ。これは間違いなくおいしい。
酒といえば、今季から西武球場の名前が「ベルーナドーム」になったのだが、そのベルーナが通販で720ml入り大吟醸10本を通常価格の半値以下の1万円弱(送料無料)で販売しているのをネットで知り、早速注文した。
会場
会場
山梨ワイン飲み放題&飲み比べ 2000円~ 東急プラザ渋谷 イベント3/11~3/27(2022/3/7)
〝渋谷・東急〟の新しい顔に 新生「東急プラザ渋谷」5日オープン(2019/12/4)
三井不など10社 日比谷公園とつなぐ延床約110万㎡「TOKYO CROSS PARK構想」
「内幸町一丁目街区」完成予想図
三井不動産など事業者10社は3月24日、都心最大級の延床約110万㎡の日比谷公園と一体となった「内幸町一丁目街区」の街づくり「TOKYO CROSS PARK構想」を発表した。
再開発エリアは北地区・中地区・南地区の3つの地区で構成。北地区の事業者は三井不動産と帝国ホテルで、敷地面積は約2.4ha、29階建て延べ床面積約15万㎡のホテル・宴会場棟と46階建て延べ床面積約27万㎡のオフィス・商業・サービスアパートメント・賃貸住宅を整備する。完成予定はホテル棟が2036年度、オフィス棟が2030年度。
中地区の事業者はNTT都市開発、公共建物、東京電力パワーグリッド、三井不動産で、敷地面積は約2.2ha、46階建て延べ床面積約37万㎡のオフィス・ホテル・ホール・宴会場・産業支援施設を整備する。完成予定は2029年度。
南地区の事業者は第一生命保険、中央日本土地建物、東京センチュリー、東京電力パワーグリッドで、敷地面積約1.9ha、43階建て延べ床面積約31万㎡のオフィス・商業・ホテル・ウェルネス促進施設を整備する。完成予定は2028年度。
事業者10社が共創し、隣接する約16haの日比谷公園と街区を道路上空公園でつなぎ、日比谷・内幸町エリアの回遊性を高め、緑と水の豊かな空間に人々が集まり、安心・安全に心地よい時間を楽しむことができる、ウォーカブルな街づくりを実現する。
また、分野横断型の「第三世代」スマートシティ実現に向けたDTC(デジタル・ツイン・コンピューティング)を活用した高度な都市OS(情報基盤)の実装に取り組むほか、国が掲げる「2050年カーボンニュートラルの実現」に向けた電気・熱エネルギーのCO2排出量実質ゼロの実現を目指す。
街区のマスターデザイン・空間づくりには、ロンドンを拠点に活動するPLP アーキテクチャーを起用する。このほか設計は日建設計、山下設計、NTTファシリティーズ。
基壇部上広場(完成予想図)
街区と日比谷公園を結ぶ道路上空公園
公園側からの完成予想図
天井高3m超、20畳大の床下収納など 大和地所レジ「赤羽北フロント」竣工見学会
「ヴェレーナグラン赤羽北フロント」(右側が「赤羽北ザ・マークス」)
大和地所レジデンスは3月23日、分譲開始からわずか6か月で全89戸を完売した「ヴェレーナグラン赤羽北フロント」が竣工したのに伴うメディア向け現地建物見学会を行った。駅から徒歩3分で坪単価300万円前後という立地・価格の安さが人気の要因だが、高さ規制がない工場地域立地を巧みに生かした天井高3m超のスキップフロア住戸、約20畳大の床下収納付きなど商品企画がユーザーに支持された。
物件は2020年10月から販売開始し、2021年3月までに全戸完売している。隣接する全96戸の「赤羽北ザ・マークス」は2021年9月に販売開始し、2022年2月までに完売。「フロント」と「ザ・マークス」の販売間隔は約6か月あるが、双方合わせて185戸をわずか1年余りで完売したことになる。
同じころに分譲された板橋区の三菱地所「ザ・パークハウス板橋大山楠ノ杜」187戸とともに城北エリアで圧倒的な人気を呼んだ物件だ。
基壇部の植栽
スキップフロア・ルーフテラス付き住戸
床下収納・スキップフロア住戸
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この物件と隣接する「赤羽北ザ・マークス」の現地・モデルルーム見学を含めて、今回が3度目の取材だ。物件特性などはこれまで書いた記事に修正を加える必要はないと思うので、そちらを参照していただきたい。
完成した建物を見学して確認できたのは、記者はてっきり擬石だろうと思っていた外壁(マリオン)や外構には本物の自然石を用いていることだった。東邦レオが施工した外構の植栽もよくできていた。
専有部では、案内役の同社建築企画第1部主任・山内康平氏は、「プレミアム住戸とスタンダード住戸で設備仕様レベルの差をつけていたが、スタンダードからプレミアム仕様に変更された方が目立った」と語った。
最初の取材では確認しなかった浴室のタオル掛けは2か所にきちんとついていた。ルーフバルコニーの人工芝は1㎡当たり約1万円する高額なものを使用していることも山内氏は明かした。
高さ740ミリ、広さ20畳大の床下収納は課題がないわけではない。高さは1歳児でも80cmを超えるそうだから、布団や衣服など軽いものはともく、大人が重い荷物を出し入れするのは相当骨が折れる。台車・滑車・リフトが必要かもしれない。
このことと関連するのだが、居住性能の高いマンションは床下やロフトの高さ規制1.4m以下を緩和し、容積率の割り増しを行うべきだ。
嬉しかったのは、小生のブログ記事を購入者の方が読んでくださっていることを広報担当者から聞かされたことだ。小生は、独断と偏見に満ちた記事かもしれないが、一般の人が読まれても誤った選択をしないよう心掛けてきた。嘘は書いていない。これからもプロパガンダそのものの歯が浮くような、目を覆いたくなるようなパブリシティ記事など絶対書かないことを約束する。
1階ラウンジ(外の水景の水音が聞こえるそうだ)
反響3000件超 ランドスケープ抜群 三菱地所レジ他「板橋大山大楠ノ杜」(2021/12/11)
天晴れ!大和地所レジ 仕入れの妙 商品企画にも生かす「赤羽北フロント」(2020/9/9)
大和地所レジ 早期完売「フロント」 隣接の「赤羽北ザ・マークス」坪300万円超えるか(2021/8/4)
「フロント」に続き「ザ・マークス」も分譲へ 大和地所レジ 必見の「赤羽北」(2021/7/14)
庭屋一如デザイン秀逸 阪神ファンにお勧め「虎石」 野村不G「庭のホテル」
「庭のホテル 東京」1階ロビー(右は光壁、床は手織りカーペット)
野村不動産グループホテルの「庭のホテル 東京」は3月25日、リニューアルオープンする。2009年の開業以来初の大規模改装を行い、2つの庭と「和」をコンセプトにした客室を新設したほか、リラグゼーションスペースの拡充、ニューノーマルに対応した設備強化を実施。リニューアルオープン前の3月22日、内覧会が行われた。〝プラウドに〟匹敵するレベルの高いホテルだ。
ホテルは、JR水道橋駅から徒歩3分、千代田区神田三崎町1丁目に位置する敷地面積約1,708㎡、免震15階建て全229室(リニューアル前は238室)。客室面積は18㎡~36㎡。このほか和洋2つのレストラン、ファンクションルーム、リフレッシュラウンジ、ワークアクトルーム、ランドリーコーナー、ビジネスコーナーなど。開業は2009年5月。設計は石井建築事務所(建物)、山田雄太郎造園事務所(庭園)施工は大成建設。リニューアル施工はベネフィットライン。
同ホテルは、1935年開業の日本旅館「森田館」をルーツとしており、従前の「東京グリーンホテル水道橋」を建て替えたもの。「美しいモダンな和」がコンセプト。2019年3月、野村不動産グループに入った。
今回のリニューアル工事では、顧客の声を反映させるため1年半前にプロジェクトチームを立ち上げ、客室や共有スペースなど既存施設の改装・改修に加え、旅館がルーツの「庭のホテル」にふさわしい2つの庭を新設し合計4つとしたほか、「和」のコンセプトルーム、リラクゼーションスペースの増強、ニューノーマルに対応した最新設備の充実を図っている。
22日のプレス説明会で、野村不動産ホテルズ代表取締役社長・青木秀友氏は、「創業が1935年、昭和10年というルーツを持つこのホテルは2019年に野村不動産グループ入りし、その直後コロナに見舞われたが、お客さまの応援が励みになり社員一丸となって頑張ってきた。リニューアルでは新しい時代に対応すべく様々なニーズを取り込んだ。更なる飛躍を目指す」と語った。
また、創業者の祖父母と両親とともにホテル・旅館業に携わってきた同ホテルズとホテル運営会社UHMの顧問・木下彩氏は、「ホテルを建て替えた後にリーマン・ショック、3.11などに襲われ、かなり苦戦した。リニューアルしたホテルは従前の基本的なコンセプトが守られており、自画自賛したい」と話した。
総支配人・海老沼悟氏は、稼働率やADRについてのメディアの質問に「現状はコロナの収束が見えない段階だが、5年後くらいには稼働率85%、ADR2万円を超えたい」と語った。
このホテルとともに2019年に野村不動産の傘下に入った「東京グリーンホテル後楽園」は昨秋閉店した。
「シグネチャーツインルーム」
3階「ラウンジテラス」(パース)
15階「ルーフトップテラス」(パース)
「庭のホテル 東京」
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説明会を含め約2時間施設を見学したが、野村不動産のマンションブランド〝プラウド〟にふさわしい質の高いホテルだと思う。
何から書いていいやら迷うほどだが、まず、最大の特徴の一つである4つの庭園について。1階の「中庭」、2階の「石庭」(新設)、3階の「ラウンジテラス」、15階の「ルーフトップテラス」(新設)とも素晴らしいのだが、庭とレストラン、ラウンジ、ファンクションルーム、リフレッシュラウンジなどをつなげたランドスケープデザインが秀逸だ。一つひとつ紹介する余裕はないが、「ラウンジテラス」は庭屋一如のコンセプトを見事に具現化している。室内側の52.7㎡の「リフレッシュラウンジ」はサッシを閉めても自然の水音が聞こえる仕掛けが施されている。
その意図は分からないが、1階の「中庭」には貴重石と言われる「虎石(トライシ)」があるのには驚いた。確かに阪神タイガースのユニフォームのような文様があった。これはタイガースファンにお勧めだ。前泊では頬擦りをして願掛けをするもよし、後泊では勝っても負けてもここに腰かけて祝い酒かやけ酒を飲むのに最適だ。相手のジャイアンツファンだって泊まる価値はある。足蹴にし、尻に敷くのもいいではないか。「東京ドームホテル」に負けないレベルだ。
客室では、新設した36㎡の「シグネチャーツインルーム」(6室)がいい。和がコンセプトで、玄関と水回り部分はナグリ床で、浴室はヒノキ風呂で、茶棚には組子細工が施されている。他のタイプも3点セットの水回り、建具・家具の面材、アメニティなどは宿泊特化型とは比較にならないほど上質だ。
もう一つ、強調したいのは全体的に本物志向の仕上げ・設備になっていることだ。客室カウンターには御影石、オリジナル特注マットレス、リフレッシュラウンジには組子細工の間仕切り、エレベーターホールの枯盆栽、ロビーの手織りカーペット…などだ。
このほか、「エコマークアワード2021」で「優秀賞」を受賞したように、脱プラ、無料ウォーターサーバー、節水型バスタブ、分別ごみ箱など環境配慮の取り組みも行っている。
コロナ禍でのリニューアルオープンであり、数えきれないほどあるホテルとの競合は避けられないだろうが、ラグジュアリーホテルに見劣らない設備仕様レベルの高さや共用施設の充実、旅館のよさを取り込んだランドスケープデザインなど他にはない優位性をどうアピールするかがポイントだろう。
2階「ファンクションルーム」(天井部分はアカマツ材)
「虎石」(堆積岩か)
格子細工をあしらった茶棚(左)と枯盆栽
「リフレッシュラウンジ」
2階「石庭」(手前のテーブル・オブジェはナグリ仕上げ)
3階自販機コーナー(手前の手洗いカウンターは御影石、右奥は無料のウォーターサーバー)
地価公示コメント 独創性の高い商品・サービス提供 野村不動産・松尾大作社長
今回の地価公示は、全国平均で全用途平均・住宅地・商業地のいずれも、2年ぶりに上昇に転じた。住宅地については3大都市圏・地方圏のいずれも2年ぶりに上昇に転じ、商業地についても、地方四市では上昇率が拡大、東京圏・名古屋圏で上昇に転じるなど、新型コロナウィルス感染症の影響が徐々に緩和されるなか全体的に昨年から回 復が進んだと考えられる。
住宅市場に関しては、需要が引き続き堅調である一方で供給が限られており、高値安定の状況が続いている。共働き世帯の増加やテレワークの浸透等による住まいへの関心の高さから、旺盛な需要は当面継続するだろう。
顧客のニーズは多様化しており、用地取得も都心・郊外や住宅地・商業地を問わず幅広く行う必要がある。ただし、用地取得競争は激しくなっており、このような環境下では以前にも増して再開発を含めた多角的な開発手法が必要となる。また中古住宅の売買についても、グループ会社における今期業績を上方修正するなど、強い需要が継続している。 ただし、金利の上昇、住宅ローン控除の縮小、原油や資材の高騰に伴う建築費の上昇については、注視しておく必要がある。
オフィス市場に関しては、市場全体で稼働率が下げ止まってきた一方、賃料はまだ下落傾向にある。好調な企業業績を受けオフィスの拡張移転を選択するケースも増えているが、働き方のニーズは多様化しており、オフィスに集まる意義 やオフィスが生み出す価値を再定義し、フレキシブルな働き方を実現するオフィスやサービスの提供を続けていく。
商業・ホテル市場に関しては、コロナの影響により厳しい事業環境が続いているが、商業施設は日用品を中心とした 地域密着型を中心に、ホテルは宿泊に留まらない新たな使い方を提示するなど、事業としての体力を蓄えながら需要 の回復に備える。
物流市場に関しては、eコマースニーズのさらなる拡大を踏まえ、コロナ下においても地価は上がり続けているが、旺盛な投資意欲はなお継続すると考える。
社会や人々の価値観はコロナ禍を経て大きく変化しており、不動産関連商品・サービスも同時に変化がしてゆく必要がある。当社は、グループ全体でDX やサステナビリティの取組みを強力に推進しながら、これまで同様、お客様に寄り添い、ニーズを的確に捉えた独創性の高い商品・サービスの提供を続ける。
地価公示は、不動産の取引動向や中期的な展望を反映したものであり、様々なマクロ指標と合わせて今後も重要指標のひとつとして注視していく。