エントランスの切り花が持ち帰れる コスモスイニシア「Living With Green」サービス
「イニシア横浜天王町」エントランスホール
コスモスイニシアは3月13日、3月に入居開始となったマンション「イニシア横浜天王町」(65戸)で、空間デザインブランド「parkERs(パーカーズ)」監修による暮らしに緑や花を取り入れる「Living With Green」サービスの提供を開始したと発表した。
「Living With Green」サービスは、①切り花一輪お届けサービス(毎月一度、エントランスに配置した生花の中から一輪を自由に持ち帰れる)②専有部内植物育成相談サービス(毎月二度、エントランスホールで専有部内の植物についての育成相談ができる)③建物共用部内の植栽メンテナンスサービス(毎月二度、エントランスホールに配置した植栽のメンテナンスを行う)などからなる。
物件は、相鉄線天王町駅から徒歩3分、横浜市保土ケ谷区天王町2丁目の近隣商業地域に位置する7階建て65戸。現在分譲中の住戸(5戸)の価格は3,658万~6,398万円、専有面積は35.00~62.15㎡。建物は2022年2月竣工済。施工は木内建設。
建物共用部内の植栽メンテナンスサービスイメージ
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いいサービスだと思う。同業他社はこのようなサービスを行っていないのだろうか。観葉植物のレンタルサービスもありうるし、嫌われものの雑草を生かすことはできないのだろうか。
ただ、月に一度、全65戸の家庭が持ち帰れる生花はどんな花なのか。1か月も枯れない花などあるのだろうか。
「これからはV・I・Pだ」沓掛社長 海外事業拡大に意欲 野村不動産DH 記者懇
野村不動産ホールディングスは7月13日、コロナ禍で中断していた恒例の「記者懇談会」を3年ぶりに開催した。会場となったYUITO日本橋室町野村ビル6階の野村コンファレンスプラザ日本橋に用意された6つの円卓に18人の同社役員が3人ずつ席に着き、10分ごとに席を移動して参加した約40名のメディアに対応した。テーブルはお茶と水のみで、お酒、料理などの提供はなかったが、希望者には同ビル内のレストランでの昼食が懇談会後に振舞われた。
冒頭、同社代表取締役社長兼執行役員グループCEO・沓掛英二氏が今期を初年度とし、2031年3月期を最終年度とする中長期経営計画「まだ見ぬ、Life&Time Developerへ」について説明。続いて同社代表取締役副社長兼副社長執行役員グループCOO・松尾大作氏が8つの部門を担当する役員と直近のトピックスなどを紹介。大トリは同社取締役兼執行役員グループCFO・黒川洋氏で、三本締めでピシャリとお開きとした。
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18人すべての役員の方と話すことはできなかったが、最大の収穫は沓掛氏から直接話を聞けたことだ。3年前とほとんど変わらず、住宅や都市開発事業だけでなく資産運用、仲介、海外事業も伸長していることから、中計目標達成に自信を見せた。
沓掛氏は、同社執行役員海外部門長 海外事業統括・賀来高志氏と一緒に小生などの席に着くと、「賀来が旗を振る。一回だけでなく、二回、三回、フィリピンやベトナムの見学会をやりたい。フィリピンでは現地デベロッパーと1億円の合弁会社(同社持ち分34%)を設立した。中長期にわたって7,700億円規模の事業を行う。ベトナムはハノイとプノンペンに絞る。両国ともわが国の昭和30年代から40年代の高度成長期によく似ている。それとインド。この三か国V・I・P戦略が重要になる。タイ? タイは競争も激しい。カントリーリスク? もちろん考えている」と、同業他社と比べて立ち遅れている東南アジアを中心とした海外事業の展開に意欲を見せた。
同社の中計では、2025年3月期の海外事業利益割合は3%だが、年平均8%の成長を見込んでおり、最終年度の2031年3月期は全体利益1,800億円以上のうち海外は住宅部門と肩を並べる20%近い比率を目指す。
このほか、同社執行役員住宅部門長・中村治彦氏からは「プラウドタワー目黒MARC」と「プラウドシティ豊田多摩平の森」の見学取材のOKを頂いたし、同社執行役員開発事業担当・山本成幸氏からは地方再開発の見学お勧め物件を紹介してもらった。松尾氏だったと思うが、松尾氏は「芝浦プロジェクト」での分譲マンションの可能性を否定しなかった。
同社唯一の女性役員で執行役員グループダイバーシティ&インクルージョン推進担当兼グループ人材開発部長嘱託・宇佐美直子氏も元気な姿を見せた。野村不動産野球部の主砲にしがみついている同社常務執行役員芝浦プロジェクト本部長・松﨑雅嗣氏とは野球の話をしたかったが、その暇はなかった。
同社が他社に先駆けて記者懇を再開したことで、他社も再開するのは間違いない。楽しみだ。
イチョウ伐採に「精神的苦痛を受けた」 住民訴訟の第1回公判 原告が意見陳述
千代田区・神田警察通りのイチョウ並木の伐採の是非を問う住民監査請求中に千代田区が2本のイチョウを伐採したことに対し、伐採に反対する住民が「精神的苦痛を受けた」として22万円の損害賠償を求めた住民訴訟の第1回公判が7月12日東京地裁で行われ、原告側2人が意見陳述を行った。
裁判を提起した経緯は省略する。以下、原告の意見陳述を紹介する。
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1 私は、神田警察通りの沿道に親の代から住んでおります●●です。
自宅前にもイチョウの木が3本あり、親しみを持って世話をしてきました。
2 昨年12月に突然、神田警察通りⅡ期工事区間のイチョウの伐採告知があり、びっくりして、住民は皆、寝耳に水の状況でした。区の広報などにも書かれていませんでした。
そのため、住民がⅠ期工事と同様に既存のイチョウを生かして道路整備をするよう申し入れをしたにも関わらず、1月にはイチョウ一本一本に伐採のお知らせが貼られました。
3 その後、神田警察通り沿道の住民の多くが伐採反対であることがわかり、皆さんと「神田警察通りの街路樹を守る会」を作り、署名、陳情、要望などいたしました。
しかし、今日まで、区役所は「決まったことだ」「10年間話し合いをしてきた」「Ⅲ期からの工事をやるときは意見を聞く」というのを繰り返すだけです。
4 その後、住民にもイチョウ保存への賛同者が増え、ネット署名でも1万3千人ほどが賛同し、新聞やテレビにも取り上げられました。
本年4月21日には住民監査請求を提出しました。そして、その監査請求の審査中にもかかわらず、本年4月27日未明に区役所は、伐採を強行しました。区の要請で出動した警察は区側に対し、工事を中止して住民側と話し合いをするようにという提案をしました。しかしながら、区は話し合いを拒否して、工事を続行し、住民が抗議する中、無理やりに2本のイチョウを伐採しました。
そのことは今も、強いショックが残っています。
5 神田警察通りのイチョウは街路樹として、70年以上も地域とともに成長してきました。
春を告げる芽吹きから新緑、元気に茂った樹々は陽射しを防ぎ緑陰を提供し、雨の時には、雨宿りできる傘にもなります。そして、秋には見事なゴールデンリーフとなり、冬の訪れとともに落葉して暖かな陽射しが降り注ぎます。これらの利点は、車イス利用者、ベビーカー利用者をはじめ全ての通行する人々の役に立っています。
さらに、大気の浄化にも大きな役割を果たしています。
イチョウという樹は、病気や虫の害に強く、防災効果が高い利点もあります。
大木になり、管理には費用がかかりますが、区民の納める税金から捻出できる区役所だからこそ、維持管理が可能であり、いまあるイチョウを街路樹として活用する利点は充分あります。
6 千代田区が自転車整備道路計画を立てた当初の予定どおり、白山通りのプラタナスと神田警察通りのイチョウ並木の緑の十字は戦後の歴史とともに育った既存の街路樹を生かしての素晴らしい景観であり、神保町、一ツ橋、錦町と、他所にはない歴史学術ゾーンであり、訪れた人々に落ち着いた印象を与える都心の貴重な存在になると思います。
私たちは「歴史あるイチョウの街路樹を残して道路整備をしてください」とお願いしているだけなのです。
7 切られてしまった2本のイチョウの樹は、神田警察通りのⅡ期の工事区間のシンボルとなり、私たちに、住民自治の基本である情報公開、民主主義の基本であるそれぞれの意見を尊重して、違いがあれば充分な話し合いをして、決して一方の都合により打ち切ったりしない教訓の象徴として訴え続ける所存であります。
8 今回、私たちが、千代田区の監査委員に対して、監査請求をしたにもかかわらず、その審理が始まろうとしている段階で、2本のイチョウの樹が伐採されてしまいました。
この裁判は、それに対して、千代田区の責任を追及するための裁判であり、裁判所に置かれては、以上のような事情を十分にご理解いただいた上で審理をお願いしたいと思います。
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1 私は、正に、今回の第Ⅱ期工事区間に居住している者で、このたびイチョウの木を伐採するという寝耳に水の話に大変驚いております。
我が家には工事に関するアンケートが配られることもなく、千代田区や町会長からのアナウンスもまったくありませんでした。そこで千代田区や千代田区長に対して陳情や要望書を提出し、なお且つ、千代田区の担当者へ電話をしたり、千代田区長への面会を何度も依頼してきましたが、すべて無視され、我々の気持ちを伝えて、理解を求めることができませんでした。
2 それどころか、住民監査請求を提出中であるにもかかわらず、4月27日の深夜0時30分頃、イチョウを見守る私たちを騙し討ちにするべく、区から依頼を受けた業者が2本の元気なイチョウの木を切り刻みました。その悲しい有様はその場に居合わせた住民たちを大いにいたぶり、失望させ、心を深く傷つけました。
その光景は今も頭から離れることなく、大型車両の走行音で反応したり、工事作業車を見ては指先が震え、フェンスに囲まれている自分の夢を見たり、毎日があの日のトラウマとなって私たちを苦しめております。
3 私たちは神田警察通りに歩道拡張工事の計画があることは以前から知っておりました。共立学園前のイチョウが伐採されることなく、無事に立派な歩道と自転車道が完成したのは誰もが知る話です。ですから、その後の工事も引き続き同じ工法で進められていくものと信じて疑いませんでした。
しかし、昨年12月、千代田区がイチョウの伐採を始めようとしていること、そして、それを後押しする町会長たちを取りまとめているのが、我が町の町会長、副町会長であることを知り、この方々への説得は困難であることを承知している私たちは、錦町三丁目町会を脱会し、「伐採反対」を前面に出て訴える決意をいたしました。
これは娘共々、大好きな「神田祭」にも参加できなくなるという、私たちにとっては非常に大きな決断でもありました。
4 ところが、私たちは2本のイチョウを守り切ることができませんでした。あの日、4月26日の夜は風の強い日で深夜からは雨の予報も出ていました。おそらく今夜の工事は無しだろうということで、午前0時、4人の住人を残してほとんどの仲間が帰宅していきました。
そして、その30分後にとうとう区の騙し討ちが強行されたのです。私たちが見守っていた当初の工事区間ではなく、思いもよらぬ場所に作業車を止め、伐採の準備を始めていました。気づいた時には時すでに遅く、歩道にフェンスが置かれ私たちは一歩たりとも足を踏み入れることが許されませんでした。それでも、私の娘二人と駆けつけた仲間の1人がフェンス内に入り工事を止めさせるべく前進しようとすると、区の職員がフェンスを使って押し返すというようなやり取りが続きました。
この間にチェーンソーは轟音とともに1枝、2枝とイチョウを切り刻み始めたのです。いつの間にか警官たちも中の3人を取り囲み、フェンスの外からの「止めて!」「切らないで!」という叫びも虚しく、あっという間に2本の元気で立派なイチョウの木を切り落としてしまいました。
5 私は、もう二度とこのような悔しく悲しい思いはしたくありません。これはまさに住民や署名・陳情を出してきた人々を無視する騙し討ち行為であり、これを行った区や区の職員、またそれを指示した区長を訴えるに値するものと思います。
街のシンボルである2本のイチョウを伐採し、なおかつ住民を無視して苦しめる千代田区に対し、損害賠償を請求いたしますので、そり審理をお願いします。
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これまでも何度も書いてきた。記者は原告の側でも被告の側でもなく、ましてやそれを裁く清廉潔白・公平無私の裁判官でもない。この20年間〝街路樹が泣いている〟の見出し記事を書き続けてきた街路樹の味方だ。
だが、しかし、今回の問題は、街路樹の立場を抜きにしても、どう贔屓目にみても落ち度は千代田区にある。住民合意のイロハである地域住民の声を聞いていないことが明々白々だ。当然踏むべきプロセスを全く経ていない。第Ⅰ期工事で「説明不足」と認めイチョウを残しながら、その意趣返しのように第Ⅱ期では〝伐採ありき〟を貫いてきた。
専門家の声を「聞き置く」にとどめ、町会組織を下請け機関のように扱い、子供だましのような恣意的なアンケートを実施し、ひたすらアリバイ作りに狂奔してきた。SDGsやESGの視点は欠片もない。
裁判官がどのような決断を下すか。その行方は分からないが、原告側の今回の訴えは今後の街路樹のあり方に一石を投じる、エポックメーキングになるような気がする。街路樹をどうするかの問題は、マンション管理でいえば、全員合意か5分の4の賛成が必要な重要な事案ではないか。
ただ一つ、イチョウの立場からすれば、原告側が損害賠償額を2本で22万円としたのは理解できない。小生の1年間の酒代とたばこ代を合わせた額より少ない。損得を抜きにしたけなげな姿勢には涙が出るほど嬉しいが、どうしてそんな安値なのか。閉店間際のスーパーの食材と一緒にしていいのか。
神田警察通りのイチョウが東京オリンピックの1964年に植えられたとすれば、その後58年間、異議を唱えることも推進派と反対派を差別することなく、ひたすら役に立つことだけを考え立ち尽くしてきたことに対する評価は、1本当たり年間約1,900円、月額で158円、1日当たり5円だ。1日少なくとも1,000人に恩恵を施してきたとすれば、1人当たり0,005円だ。毛ほどの価値もないことになる。
損害賠償額は、皆さんの精神的苦痛を金額に換算した額ではあることは承知しているが、皆さんの苦痛はイチョウも同じだ。どう考えてもこれは間尺に合わない。それだけではない。イチョウはこの先、よほどのことがなければ日々成長し100年、200年生きられる。将来利益を考慮すれば、1本1,000万円、2,000万円の評価だってありうる。わが国も街路樹の価値を定量的に計る物差しをつくる必要がある。
間伐材・端材を積極活用 三菱地所ホーム 新オフィス/七夕に愛と死と街路樹を考える(2022/7/7)
街路樹伐採やめて 住民の監査請求棄却 千代田区監査委員 区のアリバイ作り追認(2022/7/1)
「見事」「素晴らしい」監査員弁護士 女性陳述を絶賛 街路樹伐採 住民監査請求(2022/6/11)
住民監査請求の行方 街路樹の価値の可視化必要 千代田区の「街路樹が泣いている」(2022/5/18)
「苦汁」を飲まされたイチョウ 「苦渋の決定」には瑕疵 続「街路樹が泣いている」(2022/5/14)
民主主義は死滅した 千代田区のイチョウ伐採 続またまた「街路樹が泣いている」(2022/5/13)
千代田区の主張は根拠希薄 イチョウの倒木・枯死は少ない 「街路樹が泣いている」(2022/5/12)
ぶった斬らないで 神田警察通りのイチョウの独白 続またまた「街路樹が泣いている」(2022/5/11)
なぜだ 千代田区の街路樹伐採強行 またまたさらにまた「街路樹が泣いている」(2022/5/10)
信じられない安さ 東千葉駅から徒歩3分で坪200万円 大成有楽不「千葉」
「オーベル千葉エアーズ」
大成有楽不動産が分譲中の「オーベル千葉エアーズ」を見学した。東千葉駅から徒歩3分、千葉駅からでも徒歩11分の立地でありながら坪単価は200万円。即日完売してもおかしくない価格だが…。
物件は、JR千葉駅から徒歩11分、東千葉駅から徒歩3分、千葉市中央区要町3丁目の商業地域に位置する14階建て全78戸。現在先着順で分譲中の住戸(10戸)の専有面積は66.12~74.10㎡、価格は3,298万~4,758万円(最多価格帯3,900万円台)、坪単価は200万円。竣工予定は2023年10月中旬。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。
現地は、地元の人に良く知られた駅弁・弁当屋の万葉軒の工場跡地で、椿森陸橋に近接。敷地の南側は道路を挟んで葭川が流れ、西側は小公園・要町公園に隣接。2階以上の住戸は全戸南向きで1フロア6戸。66㎡が中心。
主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2450~2500ミリ、全窓二重サッシ、食洗機、同社オリジナルの収納「O-rangeLABO(オレンジラボ)」、ホームライブラリー、クローゼット一体型スタディインクローゼット(選択制)、浴室タオル掛け1か所など。
販売状況は、2月にホームページを開設、ゴールデンウィークにモデルルームをオープン。エントリー数は約400件で、来場者は89組。5月30日から第1期20戸を販売開始。これまでに10戸が成約・申し込み済み。
契約者の約6割が地元居住者、他は市内や船橋市など。DINKS・プレファミリーが多く、3人家族は少ないという。
ホームライブラリー(左)とクローゼット一体型スタディインクローゼット
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今年に入って千葉駅圏のマンションを見学するのは、マリモ「グラディス千葉駅前」、新日本建設など5社JV「エクセレント ザ タワー」に次いで3物件目だ。マリモの物件は駅から徒歩2分、新日本建設の物件は千葉パルコの跡地。それでも坪単価は300万円に届かない。埼玉県の浦和駅や大宮駅では坪400万円をはるかに超えているのに、どうして千葉県の県都は取り残されているのか不思議だ(以前から千葉県の物件はそのような評価をされていたが…)。
今回の物件も、現地を見るまでは信じられないような価格の安さだった。なぜ安いか。ヒントは、椿森陸橋に近接しているため二重サッシを全窓に採用していることと、中央区栄町に近いことだ。記者は名前だけは聞いていたが、栄町に足を踏み入れるのは初めてだった。ファミリー層が二の足を踏むのはよく分かる。しかし、物件を評価するのはマンション購入検討者だ。これ以上書かない。
もう一つ、タオル掛けについて。小生と一緒に見学した他社の女性記者の方は千葉が地元で5人家族。浴室にはタオル掛けがないが、「使ったら洗濯機に投げ込むだけだから全然平気」とこともなげに話した。1日20枚くらい洗うこともあるという。
なるほど。人はそれぞれだ。風呂に入る回数を減らす、バスタオルはもっと小型にする、使い回しをする、2度3度使う-こういう習慣のほうが合理的だと思うが、皆さんはいかがか。
現地
坪270万円 第1期1次100戸 即完スタート 新日本建設など5社JV「ザ タワー」(2022/4/1)
坪300万円の壁厚く…駅2分のマリモ「千葉駅前」はいくらか 競合物件は早期完売狙う(2022/1/17)
最高7倍、平均1.5倍 75戸のうち64戸に申し込み 大和地所レジ「門前仲町」
大和地所レジデンスが先週7月4日抽選販売した期間72年の定期借地権付きマンション「ヴェレーナグラン門前仲町」(75戸)は、64戸に申し込みが入った。最高倍率は7倍で、平均倍率は1.5倍、坪単価410万円だった。申込者の6割が江東区居住者。
現在、再登録受付中の住戸(11戸)の価格は7,148万~8,598万円(権利金4,043万3,000円~4,863万5,000円含む)、専有面積は62.54~70.06㎡。
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現地は見学していないが、近くのホテルには宿泊したことがあるので、おおよその見当がつく。表通りから一歩入った大横川に面しており、住むにはいいところだ。
同社は7月26日にメディア見学会を行うので、取材してレポートしたい。
中古マンション価格上昇続く 坪単価は前年比+12.8%の221万円 東日本レインズ
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は7月11日、2022年6月の首都圏の不動産流通市場の動向をまとめ発表。中古マンションの成約件数は3,003件となり、6か月連続で前年同月を下回り、成約㎡単価は66.99万円(坪単価221万円)となり、前年比12.8%の2ケタ上昇、26か月連続で上昇。成約価格も同9.2%上昇、25か月連続で前年同月を上回った。
地域別動向では、成約件数は東京都区部以外の各地域が前年比で減少が続き、横浜・川崎市、神奈川県他、埼玉県、千葉県は6か月連続で前年同月を下回った。成約㎡単価はすべての地域が前年比で上昇が続き、東京都区部は26か月連続、横浜・川崎市と埼玉県は25か月連続、千葉県は23か月連続、神奈川県他は 19か月連続、多摩は16か月連続で前年同月を上回った。
中古戸建住宅の成約物件は前年比13.8%減となり、6か月連続で前年同月を下回った。成約価格は同7.9%上昇し、20か月連続で前年同月を上回った。
奇跡の「見沼たんぼ」に着想 立地難逆手に取った商品企画光る ポラス「北浦和」
「北浦和みのりのプロジェクト」(左側は小学校の敷地)
ポラスグループ中央住宅は7月8日、「農と住まい・ヒト・モノ・コトがつながる暮らし」をテーマにした全51戸の「北浦和みのりのプロジェクト」記者見学会を行った。浦和駅、北浦和駅、浦和美園駅、東浦和駅4駅が最寄り駅ではあるが、バス便の立地難を逆手に取った商品企画がヒット。3月に分譲した第1期34戸が即日完売するなど、これまで42戸が成約・申し込み済みだ。
物件は、JR浦和駅からバス12分バス停徒歩7分、北浦和駅からバス11分バス停徒歩7分、さいたま市緑区松木1丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する全51戸。土地面積は約110~115㎡、建物面積は100㎡前後、価格は2,980万~4,850万円。建物の構造は在来工法2階建てで、一部を除き完成済み。施工はポラテック。
プロジェクトは、「見沼の田んぼ」と呼ばれる1200ha以上の農地が近くに奇跡的に残っていることに着想、〝庭で野菜を育てたい〟〝自然が豊かなところで暮らしたい〟〝自分らしい生活をしたい〟など自然・農業・コミュニティを「居・食・住」としてとらえ、分かりやすく具現化しているのが特徴。
「居」では、自然が多いエリアであることから、ポタジェや緑のカーテン、実のなる木、灯りのいえなみ協定を、「食」では見沼田んぼでの農業体験、ワークショップ、食育・地産地消を考える機会を、「住」では、木の内装材を多用し、安心・安全の住まいをそれぞれ提案。これらが円環となって新たな価値をクリエイトしょうというメッセージを発信している。
物件のホームページを2月に開設し、3月10日に分譲した第1期34戸は最高4倍で即日完売するなど、これまで42戸を成約・申し込み済み。46%が共働き世帯で、教員など公務員、病院関係者が目立つという。来場者は200組超。購入者の居住地は21%が地元、そのほかは県外を含み中広域に広がっている。
ポタジェ(背後に隣家の雨水ポンプが見える)
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現地見学は、東浦和駅から車で案内してもらったので、いったいどこを走っているのか全く分からなかったが、東浦和駅前通りの街路樹はとても美しく、それを車窓から眺めながら、戸建ての価格は、マンションなら浦和、大宮駅圏は坪単価400万円を突破しているので5,000万円くらいではないかと見当をつけた。
ここで横道にそれる。緑区の道路維持課によると、植えられている街路樹はユリノキ、クスノキがほとんどで、南部建築事務所が管轄する中央区、桜区、浦和区、南区、緑区の5区の街路樹は約13,000本で、中低木を含めると約16,000本。樹種はこのほかニセアカシア、トウカエデ、ハナミズキ、ケヤキが多いという。年間の維持管理予算は約4億円。とくに緑区は他区と比較して圧倒的に緑被率が高いそうだ。
話を聞いて課題もあると思った。道路維持課は街路樹などの維持管理を担当し、樹種を決めるのは他の部署とのことだ。ここに街路樹が道路の附属物としか位置づけられていない問題がある。街のポテンシャルを左右する街路樹の選定は、専門家を起用し、部署間連携は当然ながら市民も含めて行うべきだ。街路樹をめぐり市民の苦情が多いのは、市民ほの説明が不足し声を聴いていないからだ。市の街路樹に関する公表データも少ない。
話を元に戻す。予想は大外れ。信じられない〝安さ〟だった。モデルハウスの質は決して低くない。床、壁、建具・家具は本物の木の挽板が採用されている。
売れ行きにはびっくりしたが、さもありなんとも思った。2年前、同社が春日部市の調整区域内で分譲した「ハナミズキ春日部・藤塚」(全22戸)の見学会でも感じたのだが、駅に近いとか商業施設が整っているとか、そのような利便性に価値を見出す人は圧倒的に多いのだろうが、そうではないと考えている人も一定存在する。そのような人にフォーカスした今回の商品企画がヒットしたということだろう。
プロジェクト責任者の中央住宅戸建分譲設計本部設計一部部長・野村壮一郎氏は、「従前は自然の森だった用地を取得し、34棟を当初は計画したが、その後隣接地を買い増しして全51棟に変更。生活利便施設は揃っていたがバス便であることから、何かできないかを考え、『見沼たんぼ』に車で5分の立地でもあることから、地元で農業を営むこばやし農園とコラボし、建物だけではなく暮らしをデザインした」と語り、「こばやし農園の小林さんにアドバイザーになっていただき、日常的に『農』を取り込めるように企画した」と同部営業企画設計課係長・酒井かおり氏が話した商品企画が光った。
同社が3年前に近隣エリアで分譲したときは購入者の47%が地元だったことを兼ね合わせ考えると、コロナ禍で消費者の住宅選好基準は間違いなく変わっている。そのヒントは、さいたま市は人口流入が全国でもっとも多いことにある。
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見学会で紹介された見沼田んぼは、さいたま市、川口市の2市にまたがる南北約14km、外周約44km、面積約1,258ha。江戸時代に水田確保のために開発されたのが奇跡的に現在まで残り、野菜などが栽培されている。広さは、東京23区内の農地約95ha、皇居の115haとはケタ違いで、千代田区の1,164haにほぼ匹敵する。
「こばやし農園」は2014年営農開始、2017年株式会社を設立。年間50~60種類の野菜を無農薬で栽培し、「見沼野菜」として販売している。
社長を務める小林弘治氏は1996年、さいたま市生まれの55歳。浦和高校-慶応大学を卒業後、広告代理店に勤務していたが、「農業には全く縁がありませんでしたが、突然(天から)降りてきた。これが天職だと思い、脱サラを決意しました。今はパートさんを8人雇い、約2haの農地に50~60種の野菜を栽培しています。今年からコメの栽培も開始しました。獣害? クマやサルはいませんが、カラス、タヌキ、ハクビジン、イタチ…それと人間」と話した。
取材後、現地を案内してもらった。武蔵野線から眺めたことは何度もあるが、そこが見沼たんぼだとはまったく知らなかった。栽培されている野菜はサトイモやナスなどが多く、小林氏も話したように耕作放棄地も多く、目視したところでは2割くらいあるのではないか。営農者の高齢化、後継者難が課題であるのがうかがわれた。
小林氏は「ロールモデルにしたい」とも語った。難しい問題が立ちはだかっている分だけ「見沼野菜」の可能性もまた大きいと思った。
小林氏
見沼田んぼ
サトイモ畑
調整区域の市民農園付き200㎡邸宅 ポラス「ハナミズキ春日部・藤塚」企画秀逸(2020/7/3)
間伐材・端材を積極活用 三菱地所ホーム 新オフィス/七夕に愛と死と街路樹を考える
カフェ空間「Ground」
三菱地所ホームは7月7日、本社を国際赤坂ビルから新宿イーストサイドスクエアに移転したのに伴う、様々な機能を実装した新オフィス「TOKYO BASE」をメディアに公開した。
新オフィスは、三菱地所グループとしては初めてABW(Activity Based Working)を採用し、座席は固定席から自由に選択できるフリーアドレスに変更。全ての社員のパフォーマンスを最大化する「MJH10のワークポイント」を設けた。
また、カフェ空間や執務エリアに社員が休息するリチャージスペースを設け、構造材を産出する取引先から提供を受けたスギ、ヒノキ、カラマツの間伐材の原木を設置している。
社会課題への関心・具体的な取り組みを促進できる機能として、国産材、端材を活用したカフェ空間「Ground」、原木5本と人工芝を施し、自然音をハイレゾ音源で再生する音響効果による仮想の外部空間「Mori」、執務エリアと「Ground」を仕切る全面ガラスウォールを採用している。
さらに、オフィス内でカラマツの苗木を育てる「(仮称)苗木の循環プロジェクト構想」をスタートさせた。
新本社は、都営大江戸線・東京メトロ副都心線東新宿駅に直結する新宿イーストサイドスクエア7階の延べ床面積571坪(1,890㎡)。デザイン企画は三菱地所ホーム。設計監理はイトーキ。施工はイトーキ、三菱地所ホーム。
カフェ空間「Ground」受付カウンター
スギの原木
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この日(7月7日)、小生は糖尿病の定期検診があり、取材時間には間に合わなかったが、リリースをコピペしたくなかったので、少しは見せてくれるだろうと若松河田駅近くの病院から隣駅・東新宿駅にある同社新オフィスに電車で駆けつけた。
受付カウンターなどいたるところに木を活用した空間が演出されているのを眺めていたら、広報担当の女性から声を掛けられ、「皆さん、このように願いごとを書かれています。『糖尿が治りますように』とでも書いて下さい」と勧められた。
七夕といえば中学生のころだ。お金持ちの娘の彼女と貧乏百姓の息子の自分が結ばれるはずがないと思いながらも、満天に広がる天の川の星空を見上げながらはらはらと落涙したものだ。
そんな甘くて切ない遠い思い出を呼び覚ませてくれた彼女の勧めを無粋に断るわけにもいかず、治るはずもないのに「糖尿が治りますように」と短冊に書いた。
笹の葉には、「仮想通貨が値上がりしますように」「プードルを飼いたい」「楽しい旅行がしたい」「娘と仲良くしたい」などと、夢も希望も愛の欠片もない我欲に満ちた言葉が書き連ねられていた。書いたのはメディアの方か社員の方か知らないが、七夕はもはや死語だ。東京の空から星が消えてからどれくらい経つのか。
「Mori」
「Mori」に設置されているプロダクト
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彦星と織姫の続き。皆さんは西田佐知子さんの「アカシヤの雨がやむとき」をご存じか。60年安保と同じ1960年にリリースされた歌謡曲で、当時の世相を反映した曲として大ヒットした。70年安保の世代の小生ではあるが、この曲はよく歌った。
なぜ、こんなことを書くのかというと、先日、三菱地所が新国際ビルに設けた「有楽町SLIT PARK(スリット パーク)」を取材したとき、近くの道路の街路樹にアカシヤ(ニセアカシア)が植えられており、そこからこの曲と清岡卓行の1970年の芥川賞受賞作「アカシヤの大連」を思い出した。太平洋戦争前後の青春期に過ごした中国・大連を舞台に描いた私小説だ。その小説の一部を紹介する。
「五月の半ばを過ぎた頃、南山麓の歩道のあちこちに沢山植えられている並木のアカシヤは、一斉に花を開いた。すると、町全体に、あの悩ましく甘美な匂い、あの、純潔のうちに疼く欲望のような、あるいは、逸楽のうちに回想させる清らかな夢のような、どこかしら寂しげな匂いが、いっぱいに溢れたのであった。
夕ぐれどき、彼はいつものように独りで町を散歩しながら、その匂いを、ほとんど全身で吸った。時には、一握りのその花房を取って、一つ一つの小さな花を噛みしめながら、淡い蜜の喜びを味わった…そして彼は、この町こそやはり自分の本当のふるさとなのだと、思考を通じてではなく、肉体を通じてしみじみと感じたのであった」
「彼女の出現は、急激に、彼の心の奥底に眠っている何かを揺さぶり起こしたようであった…あの不定形な女のイメージが、しだいに輪郭をはっきりさせてきて、まさしく彼女の面影と一致するようになってきたのであった。…それは、彼にとって、生まれて何回目に経験する、大連のアカシヤの花盛りの時節であっただろう。彼は、アカシヤの花が、彼の予感の世界においてずっと以前から象徴してきたものは、彼女という存在であったのだと思うようになっていた」
「『彼女と一緒なら、生きて行ける』という思いが、彼の胸をふくらませ、それは、やがて、魅惑の死をときどきはまったく忘れさせるようになっていた」
清岡がこの小説を書いたのは、「アカシヤの雨がやむとき」から9年後の1969年、愛妻(小説に登場する「彼女」、とても美人だったとか)を亡くした47歳のときだった。そして、彼女との別れに踏ん切りがついたのか、その翌年に再婚した。
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アカシヤの並木と「彼女」を重ね合わせた何と美しい詩的な小説であることか。記者はいま、千代田区の神田警察通り道路整備事業で街路樹のイチョウが伐採されることに対する批判記事を書いているのだが、25歳の女性が住民監査請求を行い、その陳述を監査弁護士が絶賛した。その一部を紹介する。
「4月27日の深夜、大林道路の職員は私たちの目の前で無残にもイチョウを切り落としました。私たちはその間、区職員と警察に囲まれ、木に近づくことができませんでした。あの日の光景がトラウマとなり、一ヶ月以上が経った今でも工事車両を見ると手が震えます。伐採の瞬間の動画を見れば、胸が締め付けられ苦しくなります。工事をするはずのない日中でさえ、バイクの音がチェーンソーの音に聞こえ、現場に行って木の無事を確認せずにはいられません。もちろん仕事にも支障をきたしています。先ほど述べた、夏の暑さを感じやすい車椅子利用者の方の意見も然り、『イチョウを伐採しないことによる危険性』だけでなく、『イチョウを伐採することによる危険性』も考慮すべきです。
私は千代田区に生まれ育ち、これまで神田っ子として自分の故郷に誇りを持って生きてきました。神田祭は二年に一度の楽しみであり、生き甲斐でした。しかし、伐採に反対することは同時に、伐採を推進する町会長が治める町会を脱退しなくてはいけないことを意味していました。もちろん神田祭に出ることも許されません。神田っ子にとって神田祭は本当に大切な行事であり、それに出られない、自分の町会の神輿を担げないということを受け入れるには相当な覚悟が必要でした。そもそも町会云々、祭云々以前に、伐採推進派である町会長たちはご近所として私が生まれる何十年も前から家族ぐるみで付き合いのある方たちで、私のことはもちろん赤ん坊の時から知っているような方たちです。私も親のように慕っていたので、このような形で縁を切らざるを得なかったことを非常に残念に思います。これも千代田区が生んだ地域の分断です。千代田区環境まちづくり部は、環境とまちを壊しただけでなく、私たち住民の関係性も、心も全てを壊しました。これ以上大切な故郷を壊されるのは許せません。どうか私たちの声を聴いて頂けないでしょうか。私は一人になっても最後まで闘う覚悟です」
長々と引用したが、アカシヤもイチョウも同じだ。雨にも風にも負けず、車が撒き散らす排気ガスや騒音、高層ビルによる日陰などに屈せず、まっすぐに伸び、老若男女、金持ちも貧乏人も賢者も愚者も別け隔てなく樹陰を降り注いでいる。人間の数倍は生きられる。そんな伸び盛りの街路樹を「枯損木」などと勝手に決めつけ、死刑宣告をし、処分しようとしている。そんなことが許されていいのか。
七夕の今日、皆さんも考えていただきたい。同社が目指す「『TOKYO BASE』を起点に地域とつながり再造林や森林保全の大切さを社会に浸透させていく試み」に通じるものがあるのではないか。
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首都圏マンション 郊外部の着工増をどう見るか 販売は好調なのか
先に国土交通省が発表した2022年5月新設住宅着工戸数に注目している。利用関係別では、持家は21,307戸(前年同月比6.9%減、6か月連続の減少)、貸家は25,942戸(同3.5%増、15か月連続の増加)、分譲住宅は19,595戸(同8.5%減、4か月ぶりの減少)となり、分譲の内訳は、マンションが7,569戸(同19.9%減、4か月ぶりの減少)、一戸建住宅が11,905戸(同0.9%増、13か月連続の増加)となっている。
2022年1月~5月の持家は99,981戸(同7.2%減)で、分譲住宅の107,553戸(同5.2%増)を下回っている。このまま推移すれば持家は年間で2020年の26.3万戸を下回り、分譲住宅が2006年以来16年ぶりに持家を上回る可能性がある。(2006年の持家は358,519戸で、分譲住宅は379,181戸)。
持家より上回っている分譲住宅ではあるが、戸数そのものは増えているわけではない。1~5月の着工戸数は10.8万戸(前年同期比5.2%増)で、年間で前年の24.8万戸に届くかどうかた。しかも、この数字は分譲戸建てが数字を引き上げているためで、首都圏マンションは21.898戸(前年同期比8.9%減)となっており、令和3年の48,819戸(前年比11.2%減)をさらに下回りそうだ。
この数字が高いか低いかよく分からないが、コロナ禍で首都圏人口が減少に転じたことなどを考慮すれば、これが常態化すると見るのが正解ではないか。
1~5月の首都圏マンション着工戸数を都県別にみると、東京都は11,126戸(前年同期比25.8%減)、神奈川県は5,304戸(同10.0%減)、埼玉県は3,183戸(同78.3%増)、千葉県は2,285戸(同65.3%増)となっており、相対的に価格水準が高い東京都と神奈川県の減少が目立ち、郊外部の埼玉、千葉で増加している。
これは、コロナ禍でファミリー層は広さや住環境などを重視する層が増えたことを受けて、デベロッパーが用地取得を郊外部へシフトしていることをうかがわせる。郊外部の着工増がどのような影響を及ぼすかだが、かつて埼玉や千葉では年間8,000戸くらい供給されていたことを考えると、直ちに市場を乱すことにはならないのではないか。郊外部を得意としてきた中堅デベロッパーの出番ということもいえる。
マンションの販売動向についても触れたい。不動産経済研究所の2022年5月の首都圏マンション市場動向調査によると、発売物件は146物件で、供給戸数は2,466戸、当月売却戸数は1,732戸、月間契約率は70.2%だ。
つまり、1物件当たり平均供給戸数は16.9戸で、このうち70.2%に該当する11.9戸が売れたということになる。1棟当たりの総戸数を50戸とすると、完売まで6期かかるという計算だ。
このことからも、「月間契約率70%以上が好調ライン」というのはあてにならない。
同研究所の調査による5月末の販売在庫数が5,881戸という数字からも、必ずしも好調でないことをうかがわせる。この数字は決して適正在庫とは言えない。年間供給戸数を3万戸とすると2割近くが残っていることになる。「4月以降売れ足が鈍っている」というデベロッパーの声もある。
売れるものとそうでないものの二極化が進行しているとも読み取れる。年間3,775戸を計上しながら完成在庫は82戸(2022年3月期)しかない三井不動産もあれば、2,194戸の計上戸数に対して完成在庫は661戸(同)の東急不動産のような例もある。右肩上がりの市場であれば、完成在庫増そのものは懸念材料にはならないが、周辺物件との競争力を失えば販管費の増大などで収益を圧迫する。優勝劣敗の市場は今も昔も変わらない。
先ほど、中堅デベロッパーの出番とも書いた。大手デベロッパーにはブランド力で劣る。価格にして10%も20%も差があるのではないか。しかし、その分を補って余りある商品企画を武器にする中堅(失礼)デベロッパーは少なくない。詳しくは書かないが、大和地所レジデンス、モリモト、タカラレーベン、ポラス、新日本建設などがそうだ。記者がいまもっとも興味があるのは、そうしたデベロッパーの出現だ。
「マンション管理適正評価制度」スタート 第1号は東急リバブルのサイト
マンション管理業協会は7月5日、マンションの管理状態を★6つの段階で評価・表示する不動産情報サイトの第1号は東急リバブルとなったと発表した。
同協会が令和3年に開発に着手した「マンション管理適正評価制度」に基づいて評価されるもので、中古マンション取引は、立地や間取り、築年数といった情報が評価・購入形成要因の主流となっており、管理状態のレベルはあまり重要視されていないのが実情。購入検討の早い段階から対象物件の管理情報が開示されることにより、適切に管理されているマンションが市場で評価されるようにするのが目的。
評価制度は管理体制、建築・設備、管理組合収支、耐震診断、生活関連の5つのカテゴリーから構成され、総合点を「特に優れている」★5つから「優れている」★4つ、「良好」★3つ、「改善の必要あり」★2つ、「問題はあるが情報開示あり」★1つ、「(情報開示がなく)管理不全の疑いあり」★なしの6段階で表示される。評価を受けるかどうかは管理組合の任意。
東急リバブルのホームページ「中古マンションライブラリー」(URL:https://www.livable.co.jp/mansion/library/)では常時88,000 棟以上の分譲マンションデータが公開されており、6段階評価の公表は今夏から。
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いよいよ「マンション管理適正評価制度」がスタートする。興味深いのはどれくらいの管理組合がこの制度を利用するかだが、同協会は「普及してみないと分からない」としている。
そして、さらに注目されるのは、6段階の分布だ。これも始まってみないと分からないが、マンション管理問題に詳しい横浜市立大学教授・齊藤広子氏は「わたしの調査では、横浜市の築30年以上のマンションのうち4%は管理不全の兆候があり、その一方で『優』(★4つ)以上は45%以上。二極化している」と報告している。だとすると、「管理不全の疑いあり」とレッテルが張られるマンションは、任意である制度を利用しない可能性もある。
だが、しかし、そのようなマンションを積極的に購入しようという消費者は果たしているのか。結局、情報開示しないマンションは市場からパージされるのか。