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大月氏

 旭化成ホームズは8月4日、同社が建設した築1-30年の賃貸併用住宅オーナーを対象に実施したアンケート調査の結果をまとめ発表した。年の賃貸併用住宅の実態とオーナーの意識、家族変化への対応実態を明らかにするのが目的。同日、結果報告を兼ねた第19回「くらしノベーションフォーラム」を開催し、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授・大月敏雄氏が「併用で高まる価値」と題する講演を行った。

 冒頭、同社取締役兼常務執行役員・大和久裕二氏は、「当社は今年創業50周年を迎え、賃貸併用住宅の提案開始から40年が経過した。多様化するオーナー、入居者ニーズに今まで以上の価値を提供できるか再考する目的で、今回の調査を行った」と挨拶。

 調査は、2021年7月から8月にかけて賃貸併用住宅オーナー1,200人に郵送によるアンケート方式で行ったもので、有効回答は685人(回答率74%)。報告書は78ページに及ぶ。以下、主な特徴。

 1)築1-10年の賃貸併用住宅の調査では、平均して敷地面積の1.38倍の延べ床面積で建築されており、都市の高度利用が求められている中で、都市の特性を活かせていることが確認できた
 2)階数が高いほど最上階自宅型が増え、3階建ての約7割が最上階自宅型
 3)くらし価値1:ワンフロアライフ対応住戸は91%、そのうち71%が主要な生活空間が1階、または主要な生活空間にEVでアクセスできるフラットアクセスであり、高齢期も住みやすい住居となっている実態が明らかに
 4)くらし価値2:築21-30年のオーナーの家族人数は、平均3.8人から2.5人まで減少し、年数の経過による家族減への対応が課題。一方ですでに約40%が賃貸住戸に家族・親族が住むことを想定済みで、当初賃貸住戸に家族が居住し、家族減少時に賃貸へ戻す、または賃貸住戸を取り込み家族住戸を拡大する実例も
 5)くらし価値3:賃貸居住者に挨拶をするオーナーが8割。入居者の顔が分かるオーナーは7割で、80代の高齢オーナーでは50代の4倍以上立ち話をするなどの交流をしている実態も
 6)経済価値:賃貸併用住宅メリットとして、ローン返済の軽減(87%)や安定収入、私的年金が得られる(85%)、子どもに将来収入を生む資産が残せる(85%)などの経済的価値が認識されている

 同社は1982年に賃貸併用住宅の仕様化を開始してから2021年度まで累計12,310棟の引き渡しを行っている。

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左から同社二世帯住宅研究所所長・松本吉彦氏、大月氏、大和久氏、同社くらしノベーション研究所所長・河合慎一郎氏(写真提供は旭化成ホームズ)

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左から松本氏、大和久氏、河合氏(写真提供は旭化成ホームズ) 

◇        ◆     ◇

 報告書は78ページもありなかなか読みごたえがある。まず、40年間で累計12,310棟の実績について。単純計算すると年間約308棟超だ。国土交通省の2021年度の住宅着工統計の戸建て併用住宅は2,595棟だから、約12%は同社ということになる。これは同業他社と比較して圧倒的に多いのではないか。

 敷地面積は平均219.5㎡、延べ床面積は平均301.8㎡、自宅住戸面積は平均118.7㎡、賃貸住戸面積は平均37.7㎡×3.81戸=143.9㎡、レンタブル比(賃貸住戸面積÷総面積)は、40~60%未満が多いというのはなるほどという数値だ。

 オーナーとテナントとの関係性では、共同型はお茶食事・手土産・立ち話32%(分離型は25%)、挨拶あり58%(同49%)、挨拶なし8%(同17%)となっており、コミュニティが満足度を高めているとしている。これは、一般的な賃貸マンションや分譲マンションにはないはずだ。

◇        ◆     ◇

 一つだけ不思議に思ったのは、アンケートの回収率が57%と極めて高く、家賃収入・節税対策・土地活用の経済価値と、ワンフロアライフ・家族変化対応・自由なコミュニティのくらし価値が両立しており、総じてオーナーの満足度が高いのはよく分かるのだが、賃貸入居者の声は紹介されていないことだ。

 後述するように、賃貸住宅は分譲住宅と比べて相対的に質は劣るし、家賃負担も大きい。施主のオーナーも請負の同社も賃貸居住者も満足するという三方良しの構図が成立しているのかということだ。(だから同社の賃貸併用が伸びているのだろうか)

 この点について同社に質問した。入居者アンケートを実施する方向で検討するという回答を得た。一般的な賃貸アパート・マンションとどのように異なるか、オーナーと緩やかにつながる関係をどのように考えているのか、面白い回答に期待したい。

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 大月氏は、上田篤氏の1973年に朝日新聞に掲載された「現代住宅双六」、2007年の日経新聞の「新・住宅双六」から語り始め、分譲戸建ても分譲マンションも入居者の高齢化が急速に進む一方で、賃貸住宅は〝住まわざるを得ない〟事情もあるが、築30年を経ても各世代が一定の割合で入居している数字を示した。

 また、最近は自治体のワンルーム規制によって若年層向けの賃貸マンションが建てづらくなっている一方で、若い人を呼び込もうとする自治体間の〝人口争奪戦〟も演じられており、これまで賃貸と戸建ては異なったカテゴリーとしてとらえられているが、これからは融合させていく必要があると語った。

 そして、同潤会アパートや自らの経験、大規模住宅地内での親子近居・隣居の事例紹介や、地方への移住、十津川村の「高森の家」、寒冷地の「越冬プラン」などの慣らし住み、喜連川の戸建て団地に隣接する雇用促進住宅を町の活性化に活用した事例などを紹介。

 さらに、生業を生むリッチライフの「分離型マンション」、韓国の「連立住宅」、NPO法人による地域の空き家活動、シェアハウス、更には賃貸・シェアハウス・コンビニ・障がい児保育・カフェなど近隣とのコミュニティを緩やかにつなぐ賃貸住宅など多様な住まい方の可能性について語った。

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 記者も、大月氏が賃貸と戸建て(マンションも含めて)複合の街づくりを進めるべきという主張に大賛成だ。もともとわが国の街は、金持ちも貧乏人も若者も高齢者も多様な人々が住み、それぞれが助け合うコミュニティの機能を有していた。

 しかし、高度成長期をきっかけに経済最優先の核家族を基本とする〝nLDK〟という均一的な住宅供給によって都市と地方は分断され、コミュニティは破壊された。バブルの発生・崩壊によって〝住宅双六〟は昭和の遺物として死語となった。核家族そのものも崩壊の危機にあるのが現状だ。

 ごく一部の富裕層を除き、一般的な世帯には多様な選択肢はない。国の持家偏重政策を改めない限り、賃貸と戸建ての融合は絵空事に過ぎないと記者は思う。

 マンションなどの持家は、最近の地価・建築費の上昇で基本性能・設備仕様レベルの退行がどんどん進んではいるが、低金利を背景に住宅ローン控除、税制など手厚い住宅取得支援策によって支えられている。

 賃貸はどうか。オーナーの利回りを最優先するため基本性能・設備仕様は後回しになり、耐震性、断熱性、遮音性などあらゆる面で分譲より劣り、その割には入居者の家賃負担は重い。崩れつつあるとはいえ、いまだに絶対的な住宅不足時代の悪しき商慣習〝礼金〟を墨守し、高齢者の入居を拒否するところも少なくない。賃貸脱出⇒住宅取得志向は強まることはあっても弱まることはないと考える。

 端的な例が、生活困窮者や高齢者、子育て世帯などの入居を拒まないセーフティネット住宅だ。今回のテーマではないのでここでは詳しく書かないが、記者は貧困ビジネスとなんら変わらない住宅が登録されているのを取材したことがある。この制度は、最貧者を閉じ込め、生活再建の道を断つ危険性もはらんでいると思う。

 もう一つ、大月氏が紹介したリッチライフプランについて。これは記者も同社が分譲開始したころ取材したことがある。素晴らしいと思った。しかし最近、同社は供給していない。

 地価・建築費の上昇などで土地が仕入れられないからだろうと思うが、考えてみるとそのような賃貸用のスペースを備えたリスクも伴ったマンションを購入する余力は一般的な需要層にはない。

 仮に分譲坪単価を300万円としよう。自宅用に20坪確保すると6,000万円だ。隣に8坪の賃貸用のスペースを併設すると2,400万円だ。合計で8,400万円。そんなお金を出す余裕があれば自宅用スペースを優先するはずだ。

 かつて、UR都市機構も同じようなαルーム付きマンションを分譲したことがあるが、長続きしなかった。生業として機能するサポート体制がないからだ。

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大月氏(写真提供は旭化成ホームズ)

大東建託 セーフティネット住宅の登録住宅は約45万戸 全国の90%超か(2021/7/14)

激増セーフティネット住宅1年で政府目標の2.8倍 大東建託がけん引/必読の平山論文(2021/7/12)

坪3.5万円!億ション以上 現地見ずに家賃判断 審査は適正か セーフティネット住宅(2018/11/9)

 東急リバブルは8月3日、マンション管理業協会が運営する「マンション管理適正評価制度(★の数)」における管理評価の掲載を同社ホームページ「中古マンションライブラリー」で開始したと発表した。管理評価の掲載は同社ホームページが第一号。

 「中古マンションライブラリー」は現在、88,000 棟を超える分譲マンション情報を掲載している。

サイトはhttps://www.livable.co.jp/mansion/library/

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 早速、東急リバブルのホームページで検索してみた。「★」でも「特に優れている」でもヒットしなかった。

 そこでマンション管理協に問い合わせたら、同協会のマンション管理適正評価サイトhttps://www.mansion-evaluationsystem.org/を紹介してもらった。このサイトで検索したら19件がヒットした。内訳は★5つが6件、★4つが8件、★3つが5件。★5つは「プラウドタワー武蔵小杉」「シティーナ神立」「プラウド大阪同心」「プラウド葛西」「プレミアムフォート柏」「東京フロンティアシティパーク&パークス」だった。

 つまり、東急リバブルのホームページにアクセスし、★5つのマンションを探そうとしても現段階では無理ということのようで、管理協のホームページから探して、リバブルのホームページで詳細を知るという2段階かかるということだ。これは課題だ。ワンストップで探せるようにすべきだ。

マンション管理適正評価3年間で12,000組合登録が目標 マンション管理協(2022/7/15)

「マンション管理適正評価制度」スタート 第1号は東急リバブルのサイト(2022/7/5)

 


 

 

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「Marunouchi  Street Park 2022 Summer」イメージパース

 大丸有エリアマネジメント協会、大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会、三菱地所の3者は8月2日(火)~9月11日(日)、社会実験「Marunouchi  Street Park 2022 Summer」を丸の内仲通りで実施する。8月2日には小池百合子・東京都知事、樋口高顕・千代田区長、小林重敬・大丸有エリアマネジメント協会会長、吉田淳一・三菱地所社長などが参加したオープンセレモニーが行われた。

 社会実験「Marunouchi Street Park」(MSP)は、2019年かから実施しているもので、今回は6回目。全長1.2㎞、幅員21m(車道7m+歩行空間各7m)の丸の内仲通りのうち行幸通りから馬場先通りまでの区間を「MSP Refresh Space(丸ビル前ブロック)」「MSP Music Restaurant(丸の内二丁目ビル前ブロック)」「MSP Garden(丸の内パークビル前ブロック)」の3つのブロックに分け、それぞれテーマを設けて社会実験を行う。

 「MSP Refresh Space」は軽い運動や読書ができるリフレッシュ空間として、道路と歩道を一体的に活用した「みんなのライブラリーベンチ」を設置。利用者が「丸の内仲通りで読みたい本」を持ち込み、気に入った本と交換もできるようにしている。「こどもライブラリー」では、夏休み期間に子どもたちが楽しめるよう、絵本が子どもの目線に入るよう工夫されている。車椅子利用者も利用できる卓球台も設けられている。

 「MSP Music Restaurant」は緑を感じながら、音楽と食事が楽しめる空間がテーマ。誰もが弾くことのできる「みんなのストリートピアノ」を設置。また、丸の内仲通り沿道に店を構える「GARB Tokyo」の特設屋外客席として、飲食を楽しめるようにしている。「みんなのテーブル」は、様々な素材・機能・形の椅子と机によって構成された丸テーブルで、子どもから大人、障害のある人まで、みんなが利用しやすいデザインとなっている。

 「MSP Garden」は自然を感じられる丸の内の庭空間として、清涼感ある北海道滝上町産の和ハッカ精油を使用した香り付きドライ型ミストを設置しているほか、芝生でくつろげる休憩所「ごろごろベンチ」や充電スポットを設けたソロワークスペースを設けている。

 オープンセレモニーに参加した小林・大丸有エリアマネジメント協会会長は、「ワークスタイルは、これまでの室内のワークに加え、外部空間にグリーンを配置し、まちなかで働くように変化している。Marunouchi Street Parkはウォークすること、ワークすることを促すための恰好の場所。空間的にも機能的にも日本のオフィス街のこれからのあり方を示していくために、さらに本格的なストリートパークの取り組みを実践していく」と語った。

 続いて登壇した小池都知事は、「都は、『車から人』への街づくりのPark Street TOKYOの活動を後押ししている。この丸の内仲通りは、道路空間に緑を敷き詰め、ファニチャーも車椅子利用の人も楽しめる卓球台もある。いろいろな工夫を取り入れていることに敬意を示したい。東京を持続可能な都市へと高めるためにも、環境に配慮した取り組みHTP(H=House T=Tree P=Person)を進めていきたい。すぐれた環境での生活は安心、心地よさ、活力を与えてくれる」と述べた。

 樋口千代田区長は、「本年6月、千代田区ウォーカブルまちづくりデザインを策定した。Marunouchi Street Parkなどの先駆的な事例を参考にさせていただき、千代田区内の道路を公園に、居心地のよい空間にする取り組みとして今年度は実証実験を展開していく」と話した。

 実験では、サステナブル(持続可能)な空間作りを実践するため、都心の広場・公園的空間の在り方と運営管理方法、都市観光としての場づくりについて検証する。酷暑対策として一部にドライ型ミストを設置するほか、気化熱を利用して表面温度が下がるハイテク芝「COOOL TURF(クール ターフ)」を導入し、天然芝と人工芝(ハイテク芝)での表面温度について比較検証も行う。また、企業のプロモーションに使用できるPRスペースを設け、東京會舘などのキッチンカーに加え、「東京ステーションホテル」と「ザ・ペニンシュラ東京」も期間限定で出店する。

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左から大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会理事長・矢澤淳一氏、小林氏、小池氏、樋口氏、吉田氏

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「みんなのライブラリーベンチ」イメージパース

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「GARB Tokyo」特設屋外客席 イメージ

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丸の内パークビル前ブロック イメージパース

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 このような取り組みが3年前から始まり、今回で6回目を数えることなど全く知らなかった。セレモニー会場となっていた丸ビル前の丸の内仲通りの車は遮断され、ベンチなどで〝占拠〟されていた。70年安保のとき、道路にバリケードを築き、歩道のレンガブロックを砕いて警官に投げる光景は日常茶飯だったし(小生はやっていない。そんな勇気はなかった)、道路占用許可を得て様々なイベントが行われているのは承知しているが、よくぞ警視庁は1か月以上も道路占用を許可したものだ(2019年は100時間限定だったそうだ)。

 ここまでできるのは、三菱地所を中心とする「大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会」や「リガーレ(大丸有エリアマネジメント協会)」、三菱地所の活動があったからだろう。

 協議会のその前身「大手町・丸の内・有楽町地区再開発計画推進協議会」が設立されたのは1988年。今では正会員66社・団体、準会員10社・団体、賛助会員9社・団体を数える。そして、2002年に設立された「リガーレ」は今年20周年を迎える。

 三菱地所もまた、2020年から大手町・丸の内・有楽町エリアの街づくりを「丸の内 NEXT ステージ」として位置づけ、〝人・企業が集まり交わることで新たな「価値」を生み出す舞台〟構築を目指す「丸の内Re デザイン」の取り組みを加速させている。

 今回もそうだが、同社はコロナ禍でもメディア向け見学会などを積極的に行っている。数えたわけではないがこの3年間で十数回に上るのではないか。デベロッパーの中で情報発信回数は飛びぬけて多いはずだ。

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「みんなのライブラリーベンチ」

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オープンセレモニー会場になった丸ビル前の丸の内仲通り

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 街路樹について。読売新聞社は1994年、「新・日本街路樹100景」を編纂した。都道府県ごとに10景(計470景)を選び、その中から100景を厳選したものだ。関東圏では以下の17か所が選ばれている。

 学園東大通り(茨城県つくば市)、昭和通り(茨城県ひたちなか市)、日光杉並木(栃木県今市市、日光市)、県庁前のトチノキ並木(栃木県宇都宮市)、前橋駅前通りケヤキ並木(群馬県前橋市)、いずみ緑道(群馬県大泉町)、国道463号線(埼玉県浦和市~所沢市)、東京外郭環状道路環境施設帯(埼玉県三郷市~和光市)、あすみ大通り(千葉県千葉市)、常磐平けやき通り(千葉県松戸市)、桜田通り(東京都千代田区)、表参道ケヤキ並木(東京都港区・渋谷区)、絵画館前イチョウ並木(東京都港区)、馬場大門ケヤキ並木(東京都府中市)、山下公園通り(神奈川県横浜市)、国道16号線(神奈川県相模原市)、東海道松並木(神奈川県大磯町)

 記者はこのうち国道沿いの街路樹などを除いた12か所を訪ねたことがある。選定に異論はないが、いま選ぶとしたら、ケヤキを中心とする丸の内仲通りを真っ先に挙げる。単に街路樹が美しいだけでなく、周囲の高層ビルの公開空地や店舗などとしっくり溶けあっており、街の潤いと賑わいを演出している点からみれば、極めて稀有な事例だと思う。

 もう一つ。ウォーカブルな街づくりについて。国は官民連携街づくりを推進しているが、道路や河川、公園などの占用許可制度を抜本的に見直し、もっと簡便な申請制度にすべきだと思う。そして、何よりも地域住民やワーカーのための街づくりであることを忘れてはならない。

 ここでは詳しく書かないが、例えば千代田区の神田警察通り整備計画。樋口区長は、多くの住民の反対を押し切り、「苦渋の決断」として30本のイチョウ並木の伐採工事を強行した。街づくり協議会の原理・原則である公平性、公開性、独立性を無視し、地域のコミュニティを破壊した。

 開発に伴う提供公園を含めた都市公園もしかり。コロナ禍で飲酒・飲食、喫煙を禁止し、どんどん利活用が難しくなっている。まったく利用されない都の都市公園は2割くらいあると記者はみている。実態調査を行ったら驚くべき実態が浮き彫りになるはずだ。

街路樹に溶け込むアート 三菱地所&彫刻の森 第43回「丸の内ストリートギャラリー」(2022/6/29)

壮大な街づくりの一環 501㎡の「新国際ビル」路地裏を多目的空間にリノベ 三菱地所(2022/5/27

イチョウ伐採に「精神的苦痛を受けた」 住民訴訟の第1回公判 原告が意見陳述(2022/7/12)

 

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「小山三丁目第1地区第一種市街地再開発事業」

 三菱地所レジデンス、日鉄興和不動産、大林組の3社は8月1日、「小山三丁目第1地区第一種市街地再開発事業」が都市計画決定されたと発表した。3社は事業協力者として参画している。

 事業地は、東急目黒線武蔵小山駅前の「パルム商店街」の入り口に位置する区域面積約約1.4ha、延べ床面積約127,000㎡。主な用途は住宅約850戸のほか店舗・生活支援施設・駐車場など。竣工予定は2030年ころ。

◇        ◆     ◇

 最高の立地だ。駅の反対側では三井不動産レジデンシャルと住友不動産の双方で1,000戸超のタワーマンションが2~3年前に竣工しているが、それ以降の新築マンションはないはずだ。仮に、現状の新築相場を550万円とし、このまま大きな天災・人災がなく、年率2%の経済成長が続くとすれば、竣工までの向こう8年後の坪単価は約644万円だ。これは納得の価格だ。年率5%だとすると坪813万円。これはありえないような気がする。そんな成長率をたどるとはとても思えないからだ。

 これも凄いが、記者が注目しているのは日鉄興和不動産と野村不動産が事業参画している「赤坂七丁目2番地区第一種市街地再開発事業」だ。事業区域は高橋是清翁記念公園に隣接する約1.2haで、46階建て約640戸の住宅が予定されている。竣工予定は2027年度だ。

 こちらも最高の立地だ。いま分譲されたら坪単価は1,000万円でも安いと思う。

三井不レジ他 武蔵小山駅前の再開発タワーは坪単価470万円 第1期は204戸(2017/11/20)

 

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昭和の商店街が残る十条駅前の「銀座通り」

 三菱地所レジデンスの「ザ・パークハウス十条」の取材を申し込もうと思い、ホームページを見たら「お陰様で全戸完売となりました」とあった。

 そこで、同社に確認した。ホームページ開設は昨年9月、12月にオンライン事前案内開始を開始し、3月に第1期、5月に第2期をそれぞれ販売し、5月末で完売した。反響は1,926件、来場は297件だった。

 物件は、JR十条駅から徒歩4分、北区上十条1丁目に位置する11階建て全64戸(販売対象は41戸)。専有面積は25.74~70.30㎡、坪単価は353万円。竣工予定は2023年2月中旬。売主は同社のほか首都圏不燃建築公社。施工は村本建設。

 同社によると、当初は8月完売を目指していたが、東急不動産・日鉄興和不動産の駅前再開発タワーマンション「ザ・タワー十条」578戸(事業協力者住戸184戸含む)との相乗効果があったという。

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 なぜ「ザ・パークハウス十条」を取材しようと思ったのかといえば、昨年末、同社の「ザ・パークハウス板橋大山楠ノ杜」を取材したとき、同社担当者がこの「十条」にも触れ、単価は360万円くらいになりそうなことを聞いていたからで、小生もそのとき「板橋大山」のほうがいいとは思ったが、単価的には「十条」もほぼ互角だろうと予想した。

 前段で紹介した「ザ・タワー十条」と一緒に取材を申し込もうと考えていたのだが、「ザ・タワー十条」は、個別取材には対応しないとのことだった。(見学会を行う場合は声を掛けてくれるとのことだった)

 ならば、三菱地所レジだけでもと見ようと考えたら上段の結果だった。

 業界関係者内では周知の事実のようだが、みなさんは「ザ・タワー十条」の予定価格をご存じか。東急不動産に聞いても「価格は未定」としか返ってこないはずだから。ここでは書かない。

 小生はその予定坪単価を聞いて、東京建物の2015年分譲の「Brillia Towers目黒」を思い出した。添付した「目黒」の2つの記事を読んでいただきたい。

 恥をさらすようだが、最初に書いた2014年8月の段階では坪単価は550万円がアッパーだろうと予想した。記事にはアクセスが殺到し、1万件をはるかに突破した。その当時、業界紙の記者のみなさんは坪400万円台の半ばを予想していた。小生の予想は桁外れに高かった。

 それでも実際の分譲単価600万超を大幅に外した。あれから首都圏のマンション単価は軒並み高騰した。

 さて、「十条」に戻る。三菱地所レジと駅前再開発タワーは比較にもならないかもしれないが、タワーが噂されている単価通りになったら、その周辺の再開発物件だけでなく、準都心部のマンション単価設定に大きな影響を与えるのは必至だ。台風の目だ。

 皆さんは小生の単価予想など歯牙にもかけないかもしれないが、結構当たる。東急不動産の「豊洲」だって、業界関係者は〝坪単価400万超えは絶対無理〟と言われていた時から400万円超はありうると思っていた。モデルルームを見学した時点でそれを確信した。ものの見事に的中した。

東京建物「Brillia Towers目黒」の坪600万円が意味するもの(2015/4/2)

東京建物 目黒駅前の再開発マンション 坪単価は500万円超か(2014/8/22)

反響3000件超 ランドスケープ抜群 三菱地所レジ他「板橋大山大楠ノ杜」(2021/12/11)

「愛」をテーマに坪400万円に挑戦 7月下旬にモデルオープン 東急不ほか「豊洲」(2019/6/14)

 

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積水ハウス物件ホームページから

 別掲の通り、多摩市は市制50周年を迎えたのをきっかけに主に若年層向けのコンセプトムービーを作成し、多摩ニュータウンの魅力を発信した。それより少し前、9年ぶりに「多摩ニュータウン東山」を訪ねた。積水ハウスと大和ハウス工業による総区画681区画の大規模住宅地だ。

 訪れた7月15日はあいにくの大雨で、隣接する愛宕神社では蚊にあちこち刺され往生したが、むせかえるような緑に圧倒された。利便性を優先するか、豊かな緑の環境を重視するか、人それぞれだが、住宅選好の選択肢の一つとして子育て世代にお勧めだ。街並みは熟成しているが、敷地内外の中高木はまだまだ成長段階だ。もっとよくなる。

 「多摩ニュータウン東山」の最寄り駅は京王相模原線堀之内駅。ニュータウン入口までは徒歩圏だが、現在分譲中の区画はバス便と思われる。

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大和ハウス工業提供

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大和ハウス工業提供

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積水ハウス 物件ホームページから

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 両社には区画の特徴、販売状況、コロナ禍で変わったことなど同じ質問をした。その回答を紹介する。

 積水ハウスの持ち分は339区画で、分譲開始は2012年3月。分譲戸建ては残3区画のみ。土地面積は185㎡、建物面積は130㎡、価格は7,500万(税込み)。建築条件付土地分譲1区画の土地面積は約185㎡。敷地165㎡(50坪)のゆったりした区画が特徴。

 大和ハウスは341区画。分譲開始は2012年3月。分譲戸建てと建築条件付の比率は4:6で、分譲戸建ては土地面積約185㎡、建物面積約108㎡(33坪)、価格約6,000万円~8,000万円。建築条件付き区画の土地面積は約185㎡。自然と共存する“回廊緑地”で周囲の公園や緑をつなぎ、生活利便性の向上と動物たちの生活範囲の確保の両立を図っている。

 購入者の属性については、「30~40代の子育て世代がメイン」(積水ハウス)「上場企業・公務員の共働き世帯、定年退職後のご夫婦が多く、世代、前居住地など属性が絞られないことが特徴」(大和ハウス)と回答があった。

 コロナ禍については、「リモートワークの普及で、都心から郊外へという流れが起こり、一気に分譲が進んだ。特に、広い土地、4LDK以上の間取り、住環境の向上という価値観が浸透し、販促に繋がった」(積水ハウス)「この2年は、在宅勤務の共働き世帯の購入者が多くを占めている」(大和ハウス)としている。

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雨に煙る愛宕神社

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愛宕神社の森

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愛宕神社のヤマユリ(記者の田舎の田んぼや山には無尽蔵に咲いていた。摘んで活けた)

多様な価値観生かせる多摩ニュータウン 多摩市市制50周年 コンセプトムービー(2022/7/24)

小田急不「リーフィア南大沢」第1・2期47区画完売 第3期モデルオープンへ(2020/6/16)

積水ハウス キッズデザイン体験施設 多摩NT「東山」にオープン(2013/4/30)

 

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「ザ・サーパスタワー新潟万代シテイ」

 穴吹工務店は7月29日、同社の〝サーパス〟シリーズ最大級で、新潟市初の「ZEH-M Oriented」仕様を採用、「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」を取得した「ザ・サーパスタワー新潟万代シテイ」のウェブサイトを公開したと発表した。

 物件は、JR新潟駅から徒歩10分、新潟市中央区万代二丁目に位置する20階建て全329戸。専有面積は45.41~158.31㎡、価格は未定。竣工予定は2024年10月中旬。設計は安宅設計。施工は穴吹工務店・加賀田組特定建設工事共同企業体。

 現地は、「ラブラ万代」「新潟伊勢丹」「ビルボードプレイス」などの大型商業施設が立ち並ぶ、飲食・ショッピング・文化の中心地「万代シテイ」内に位置し、徒歩2分に「信濃川」が流れる中心市街地の一角。

 敷地内には、木調の空間「シティデッキ」を設置したほか、外観にはガラス素材を随所に採用。共用部には「オーナーズラウンジ」や「フレックススペース」、ゲストルームなどを設置。

 専有部の最上階の住戸(10戸)は、プレミアム住戸として海外のブランド設備・仕様を標準採用している。

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オーナーズラウンジ

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 この日は、プレス向け内覧会が行われ、同社徳田善昭社長も出席して質疑応答も行われたようだ。記者は「金沢」の取材が入っており、参加できなかった。金沢から新潟は近いようで遠い。4時間もかかる。もう少し早く案内が届いていたら「新潟」を最優先した。

 内覧会では価格についての質問が飛んだはずだが、徳田社長は何と答えたのか。小生は新潟には一度も行ったことがないので、皆目見当がつかないが、大京が金沢駅前で2017年に分譲した「ザ・レジデンス金沢」は坪250万円くらいだったはずだ。それよりは安いか同等と見るのが妥当だが…どうだろう。

 

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イメージ図

 リストグループのリストデベロップメントと京王グループのリビタは7月27日、神田のシェアオフィス「12KANDA」を7月1日に着工したと発表した。

 物件は、JR秋葉原駅から徒歩5分、都営新宿線岩本町駅から徒歩4分、神田須田町2丁目に位置する敷地面積約352㎡、地下1階地上10階建て延べ床面積約1,944㎡。竣工予定は2023年11月。「12KANDA」として2024年1月に開業する予定。

 2~10階はシェアオフィス、1階には飲食店を誘致し、B1階には小商いキッチン・スペース等を設置する予定。デザインは、新宿駅新南エリア一帯(コンコース・駅前広場・商業施設「NEWoMan」)などで知られるシナト(sinato)を起用する。

 リビタの新築でのシェアオフィス開発への参入は今回が初で、「暮らしを自由にする」をコンセプトとしたシェアオフィス「12(ジュウニ)」を導入する。オフィス内にリビング、キッチン、イベントスペースなどの住まいの機能を備える。

 

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「サーパス富山三番町レジデンス」

 穴吹工務店は7月28日、富山県で同社初のZEH-M Oriented仕様&オール電化マンション「サーパス富山三番町レジデンス」のギャラリーを7月29日(金)に一般公開すると発表した。同社が富山市で分譲するマンションは24棟目、富山県では25棟目。

 物件は、富山地方鉄道市内電車「西町」電停から徒歩4分、富山市三番町の商業地域(建ぺい率80%・100%、容積率477%)に位置する敷地面積約860㎡(住宅部分)・431㎡(駐車場部分)の15階建て全54戸。専有面積は65.91~96.29㎡。第1期(22戸)の価格は3,420万円~5,500万円(65.91~85.51㎡)。駐車場は54区画。竣工予定は2023年12月上旬。設計・施工は穴吹工務店。

 現地は、市の中心市街地「総曲輪(そうがわ)エリア」に位置。敷地は南側と北側道路に接道。建物は全戸南向きで、外観デザインには富山の伝統的技術であるガラスや組子細工を取り込んでいる。

 主な基本性能・設備仕様は「ZEH-M Oriented」、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、食洗機、Low-E複層ガラス、LED照明、オール電化、全戸駐車場、顔認証セキュリティなど。

 同社北陸支店マンション営業課課長・向井裕二氏は、「富山駅圏ではこの2~3年間に3棟150戸くらいが文治陽されており供給過剰気味だが、商業・文化の中心地という立地を生かし、60歳前後のミドル層やシングル・DIMKS、子育てファミリー層に訴求していく」と話した。

 オリックスグループの大京は2019年竣工の「ライオンズ芦屋グランフォート」でわが国初の「Nearly ZEH-M」を取得したほか、これまで穴吹工務店を含めグループ全体で26件のZEH仕様の実績がある。

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エントランス

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 既報の野村不動産他「プラウドタワー金沢」の取材目的もあったので、初めて富山市のマンションを見学した。駅からマンションギャラリーが設けられている「ユウタウン総曲輪」までの街並みは路面電車が走り、イチョウ並木が美しく、城下町らしい佇まいを見せていた。現地の平和通り沿いは人通りが少なく、中心市街地活性化の課題もあるような気がした。

 金沢もそうだったが、驚いたのは単価の安さだった。同社は単価を公表していないが、坪180~190万円くらいではないか。首都圏なら埼玉、千葉の郊外部でもあるかないかだ。富山県は全国持ち家率で全国2位、延べ床面積は全国1位として知られる。まだまだ戸建て志向が強いのか(火災の少なさでは全国1、2位)。

 気になったのは、一般紙など地元メディア向けのプレス・リリースと内覧会だった。小生などの業界紙記者はZHEマンションの素晴らしさはよくわかっている(記者は大京の「芦屋」も含めて30物件くらい見学取材している)。しかし、地元紙の記者にとっては同社初(他にタカラレーベンの2物件がある)のZEHやLow-Eと言われても、どのようなものかさっぱり分からないはずだ。丁寧な説明が必要ではなかったか。〝夏暑く、冬寒い〟富山のだからなおさらだ。

 その点、同社と大京は26件の実績があるではないか。調べてはいないが、事業主別のZEH取得件数は断トツで、快適な住まい心地に関するデータも居住者からたくさん集まっているはずだ。先行者利益を享受できるはずだ。

 イニシャルコストはかかるが、光熱費の削減はもちろん、快適性の価値を〝見える化〟〝見せる化〟すれば、訴求力は飛躍的にアップする。

 さらに言えば、サッシも樹脂サッシを採用してはどうか。そうすれば冷暖房費は普通の複層アルミサッシなどの半分か3分の1に抑えられるはずだ。居住面積が広いほどその効果も大きいので、富山県には最適だ。

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現地

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駅前のホテルと商業施設の複合ビル「MAROOT(マルート)」の「バール・デ・美富味」(隈研吾氏が酒蔵IWAを手掛けたことで知られる桝田酒造店の「満寿泉」など富山の蔵元の酒が勢揃い。店内は見事な香しいスギ材のカウンターもあり、木と酒の香りが鼻腔を蕩かす)

単価の安さに驚愕 立地よく設備仕様レベル高い 駅圏最大級の野村不他「金沢」287戸(2022/7/30)

蛍が湧き立つ川に隣接 基本性能・仕様レベル高い 大京のZEHマンション「長津田」(2020/2/18)

わが国初の大京NearlyZEHマンション 坪単価は東急「芦屋」の3分の1(2017/7/29)

 

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「プラウドシティ金沢」

 野村不動産(事業比率40%)・フージャースコーポレーション(同30%)・JR西日本不動産開発(同30%)3社JVマンション「プラウドシティ金沢」を見学した。路線価上昇率は東口を上回るという駅西口の一等地。中心価格帯の坪単価220~230万円という安さに驚いた。

 物件は、JR金沢駅から徒歩6分、石川県金沢市北安江三丁目の商業地域(建ぺい率90%、容積率600%)に位置する15階建て全287戸。専有面積は54.32~167.70㎡。中心価格帯の坪単価は220~230万円。竣工予定は2023年12月中旬。設計・監理はINA新建築研究所・エノア総合計画事務所(構造)。ファサードデザインは南條設計室。施工は熊谷組。駐車場は183台だが、敷地外を含めて全戸分確保している。

 4月末から販売を開始しており、これまでエントリー数は約800件、来場者は約300件。すでに50戸以上が成約済み。

 現地は、JR西日本グループによる北陸エリア最大級の延床面積27,500㎡のオフィスのほか日銀金沢支店、立体駐車場などが建設中の大規模複合事業地に隣接。敷地は従前は結婚式場だったところで、東側(幅員25m道路)、南側(隣接建物を含めた距離は21m)、西側(幅員8m道路)の三方に接道。

 建物は西向きA棟(71戸)、南西・南向きB棟(134戸)、東向きC棟(82戸)の3棟構成で、主な基本性能・設備仕様は、直床(最上階のプレミアム住戸は二重床・二重天井)、天井高は2450~2500ミリ(最上階は2600ミリ)、Low-Eガラス(一部の居室)、ディスポーザー、食洗機、フィオレストーンキッチン天板、IH・ガス選択制(セレクト期限あり)、ホーローキッチン・浴室など。共用施設はゲストルーム、パーティルーム、ライブラリー、ワークスペースなど。共用部には金沢に縁のあるアーティストによる金箔、漆、陶器、ガラスなどアート・オブジェを配しているのも特徴の一つ。

 販売を担当する野村不動産・佐藤氏は「契約者の7割が地元。2割は金沢に縁がある首都圏居住者の投資・セカンドユース。当社のプラウドとしては金沢初ですが、ゲストルームとパーティルーム双方を備えているのは金沢市では珍しく、首都圏のプラウドと遜色ない設備仕様で、お客さまからは『さすがプラウド』と高い評価を頂いています」と話した。

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モデルルーム

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浴室

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 金沢のマンションを見学するのは2017年の三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス金沢城公園」以来だった。その時は、オリックスが手掛けた「金沢駅西口大規模複合開発プロジェクト(クロスゲート金沢)」は完成していなかったが、翌年の大京「ザ・レジデンス金沢」114戸の第1期1次70戸が即日完売するなど人気を呼んだ。

 今回のマンションは、駅西口の一等地なのだろう。それにしても坪単価はべらぼうに安いと思う。地方の中核都市では坪300万円をはるかに突破しているのに、どうして人口45万人の城下町・金沢はこんなに安いのか。

 77㎡と115㎡のモデルルームはよくできている。とくに115㎡は同社の得意とするオーダーメイド対応で、玄関は1800ミリ×2500ミリの広さがあった。内装費に約1,500万円かけたそうだ。最高価格の住戸は成約済みというのもよく分かる。

 浴室の壁面全面をホーロー仕上げにしているのもいい。この種の浴室は初めて見た。掃除が楽だし、風呂嫌いの子どもを誘導しおもちゃで遊ばせたり落書きさせたりするのにもいい(小生は小さいころブリキの金魚などでよく遊んだ)。

 小生はマンションを投資商品として観ることはほとんどないが、頂いたパンフレットの購入者の声には「今ある不動産会社の中で一番だと思います!将来性・信頼性はもちろんですが、全国の各所に建設されている野村さんのマンションを見ると、どの物件も洗練されていてすてきで魅力的です。出会えた運命に感謝しています」(金沢市40代)とあるではないか。

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建設現場

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クロスゲート金沢

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 さすが観光都市・金沢、人々のホスピタリティの高さを目の当たりにした。タクシーの運転手さんはいろいろ説明してくれたし、あるホテルではコーヒーを飲もうとしたら時間外だったので、タバコが吸える喫茶店を紹介してくれた。別のホテルでも宿泊者のみ利用可の喫煙室を利用させてもらった。

 極めつけは「金沢百番街あんど西百番キッチン」の「カンパーニュ クチーナ&バール」だ。この日の外気温は36度(湿度も高かったはず)。くたくたに疲れたので、取材後、一杯飲もうとこの店に立ち寄った。

 喫煙室がないのを承知のうえで、「タバコを吸いたいのですが、ないでしょうね」と女性スタッフの方に聞いたら、「館内は禁煙ですが、当店は屋外の喫煙所にもっとも近い。30秒です」とわざわざ案内してくれた。一服吸って店に戻ったら「どうでしたか。時間に間違いはありませんでしたか」と声を掛けられた。

 「1分は80m」は記者のイロハだ。今度は店の出入り口から喫煙所まで歩測した。78歩だった。小生の1歩は55cm、55×78=4,290cm≒43m。「喫煙所まで30秒」は店の指示ではなかった。「仲間にも喫煙者がいますので」という彼女の気遣いだった。これに感動した。もう一杯ワインを注文した。とてもおいしかった。

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「カンパーニュ クチーナ&バール」

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以上、金沢城公園

駅前の一等地 大京「金沢」第1期1次70戸が即日完売 4割は地元以外(2018/11/2)

三菱地所レジ 北陸初マンションは北國銀行本店跡地 坪単価は最高峰の200万円超か(2017/6/5)

 

 

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