「日系ゼネコンはコストが高い」一木・海外事業本部長 大和ハウス「業界勉強会」
大和ハウス工業は2月24日、報道関係者向けの「第16回業界動向勉強会」をオンラインで開催。米国やオーストラリア、中国などの分譲・賃貸住宅事業が好調に推移していることから、今回は海外事業について同社取締役常務執行役員海外事業本部長・一木伸也氏が約30分説明し、メディアの質問にも約30分の時間をかけて丁寧に対応した。
一木氏は、海外に本格的に進出した2010年以降について説明。開発物件の売却やM&A済みの各社の事業が好調に推移していることから、2022年3月期の売上高は4,000億円(前年度は3,000億円)に達する見込みだと報告した。
海外進出のミッションについては、「共創」を重視し、①地域密着②顧客目線③グループ総合力の3点が伸長を支えており、マンション管理などオペレーションもできるのが同社の強みであると強調した。
重点エリアの一つである中国については、この10年間で7,400戸超の販売実績があり、開発案件3件のうち2件は販売が完了し、新たなマンション開発事業(蘇州)の社内決済を取得し、事業化を進めていると語った。
米国の事業については、「スマイルゾーン」での賃貸事業が中心で、住宅価格の上昇(2021年は前年比18%超)、ミレニアル世代の旺盛な戸建て住宅取得意欲の高まりを背景に、2021年度の供給実績は5,400戸になる見込みであることを明らかにした。
豪州では、小田急電鉄との共同事業で、シドニー郊外の「ボックス・ヒル・プロジェクト」(1,551区画)の開発を推進中で、2018年にグループ入りしたRawson Groupの2021年度の引き渡し戸数は1,127戸(売上高216億円)の見込みであると話した。
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わが国のハウスメーカー、デベロッパー、商社、電鉄会社などがこぞって海外に進出しており〝全員参加型〟のマーケットを形成しているようだ。
記者は不動産業の海外事業については全く知らないし、〝知らないことは聞くな〟をモットーとしているのだが、質問しないと主催者に失礼だとも考えているので、次のような質問をした。
一つ目は、「私は海外は中国、モンゴルしか知りませんが、建築物の施工現場を目視した限りでは、わが国のハスウメーカー・デベロッパーの住宅開発・施工技術・オペレーションは図抜けている印象を受けますが、いかがでしょうか。一木さんは先ほど『トップクラス』と仰いましたが、トップではないのでしょうか。なにが足りないのでしょうか」と。
これについて、一木氏は「トップクラスと言いたいが、日系ゼネコンは質は高いのだがコストがやや高い」と答えた。なるほど。質と価格は難しい問題だ。
もう一つの質問は、「カントリーリスクをどう考えていらっしゃるか」と。
この問題について、一木氏は「中国については、災害リスクもそうだが、突然の制度変更や外資ハラスメントも過去にはあった。これについては常にチェックし、モニタリングしている」と話した。(「戦争は経済の延長」と言われるが、どうしてみんな好戦的な動きをしているのか。第2次世界大戦が勃発してまだ80余年しか経っていない)
「素晴らしい」審査員激賞 マンション管理協「バリューアップ・アワード2021」
マンション管理業協会は2月22日、「マンション イノベーション フォーラム2021」を開催。第一部の①マンションライフ・シニアライフ部門②工事・メンテナンス部門③防災部門④管理組合運営部門の各賞を表彰する「マンション・バリューアップ・アワード(MVA)2021」のグランプリは、防災部門で「コミュニティの再構築とマンション自主防災力の強化」をテーマにプレゼンテーションを行ったつづじが丘ハイム管理組合理事長・久保田潤一郎氏が受賞した。グランプリ以外の各賞受賞者は次の通り。
①マンションライフ・シニアライフ部門 「自治体と地域住民(団体)および管理組合との連携による『街なか花壇事業(花植え活動)』の実施について」報告した東急コミュニティー マンション事業本部第一事業部 東京中央支店営業チームE所長・米藤健太氏
②工事・メンテナンス部門 「管種の異なる共用部分排水管全体の一斉樹脂化更新工事による長寿命化への試み」 野村不動産パートナーズ建築事業本部技術管理部商品開発課 一級建築士/一級施工管理技士/マンション管理士・桒原千朗氏
④管理組合運営部門 「建物の老朽化と居住者の高齢化に対処した管理組合の活性化対策構築および活動」 シャルム浦安管理組合支援委員会 島﨑齊氏
グランプリを受賞した久保田氏には、グランプリ30万円+部門賞10万円の合計40万円が、その他の受賞者にはそれぞれ部門賞10万円の副賞が贈られた。
久保田氏は受賞について「当初はこのような賞のことは知らず2か月間断っていたが、居住者などの勧めでぎりぎり応募した。防災マニュアルは著作権もありませんので、全国の管理組合の防災対策のひな型として使っていただき、一人でも多く助けられる防災に強い日本にしていただきたい」と語った。
マンション管理業協会理事長・岡本潮氏(東急コミュニティー特別顧問)は、「応募があった424作品の一部を読ませていただいたが、みんな素晴らしいものばかり。4名の方のプレゼンには感心させられたので、全員をグランプリにできないかと話したほどだ。ルールとのことでそれはできなかったが、各作品が広く業界に届くことを願っている」と述べた。
フォーラムは、2017年から行っていた「マンションいい話コンテスト」を2019年にリニューアルし、マンション管理の様々な取り組みや事例について新たなナレッジ共有を図りながら、次世代のマンション管理について考え、今後のマンション業界の課題解決とイノベーションを進める活動の一環として実施しているもの。2021年はコロナ禍のため開催されなかった。今回の4部門のエントリーは424事例だった。フォーラムは会場開催とともに、関係者向けにオンラインでも配信された。
このほかフォーラムでは、第二部として元アップル米国本社副社長兼日本法人代表のリアルディア代表取締役社長・前刀禎明氏による「学び続ける知性」と題した特別講演、第三部では岡本氏のほか同管理協副理事長・石﨑順子氏(大和ライフネクスト社長)、横浜市立大学国際教養学部教授・齊藤広子氏、マンションライフ継続支援協会理事長・三橋博巳氏、一級建築士・宮城秋治氏による「変わるマンションと、暮らす・生きる・考える」をテーマとしたスペシャルセッションが行われた。
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フォーラムは、2度の休憩時間を挟み午後13:30~17:00過ぎまでの長丁場。メモを取るのに必死だったが、審査員の方々が「夢と希望と勇気を頂いた」(齊藤氏)を筆頭に「素晴らしい」「感動した」「感心した」「分かりやすい」などを連発した第一部がとてもよかった。岡本理事長が「グランプリは4氏に渡したかった」と述べたのもその通りだと思う。このほか優秀賞、審査員特別賞、佳作を含めた他の応募作品にも苦労に報いる何かしらのご褒美があっていい。
グランプリ受賞の「つつじヶ丘ハイム」は築50年だが、住友商事が売主で竹中工務店が施工した最高のマンションだと思う。東急コミュニティーが受賞した「南千住」のマンションは記者も取材したことがある「ブランズタワー南千住」のはずで、取り組みによって路上迷惑駐輪が激減し、マンションの駐輪場収入が90万円/年増加したというのにびっくりした。
野村不動産パートナーズの「コープ野村東六郷」の改修提案力にも脱帽するし、「シャルム浦安」も外注すれば400万円/年の経費を削減できたという提案もまた凄い。
スペシャルセッションでは、岡本理事長の「将来価値が増加するのか減少するのかを織り込んで現在価格を評価すべきだが、現状はそうなっていない。DXを駆使してそれを〝見える化〟し、業界を根本的に変えたい」旨の発言に注目したい。
新築も中古もマンションの質に関する様々な評価制度はあるが、管理を含めた総合的な総合評価制度はない。マンション管理業協会が主導するかどうかはともかく国や不動産協会、不動産流通経営協会(FRK)などが一堂に会して論議すべきではないか。
グランプリは西京極大門ハイツ・佐藤氏 管理協 バリューアップ アワード2019(2019/12/14)
最終8戸は今後の展開見据えた個性的プラン ポラス 販売好調の「柏」
「ルピアグランデ柏 ココロリゾート」
ポラスグループ中央住宅は2月21日、販売好調の「ルピアグランデ柏 ココロリゾート」(全196戸)の最終販売8戸を社内外のスタッフやデザイナーが提案した空間として新たなコーディネートを施した「住まいコレクション」として1月27日から販売開始すると発表した。
「住まいコレクション」は、顧客ニーズを探るとともに、1棟リノベーションマンション事業などへのデザインの経験値を積むため。販売するのは以下の8戸。
①変化を楽しむ暮らし:スライドテーブルと収納BOXの組み合わせで変化を楽しむ部屋
「変化を楽しむ暮らし」
②ホームグランピング:ハンモックやテント、アウトドアチェアで、おうちでグランピングの部屋
「ホームグランピング」
③西海岸リゾート:リゾート感に満ちたインテリアを採用した非日常を味わう部屋
④TSU・NA・GUリビング:回遊性の高い家具配置、親子で楽しめる黒板クロスなど家族がつながる部屋
「TSU・NA・GU リビング」
⑤ぬくもりのヴィラ:軽井沢をイメージしたリゾートスタイルの部屋。電気暖炉で炎も演出
⑥快眠ウェルネス:エアウィーブのマットレス、森林浴アロマなど快適な睡眠環境を提供の部屋
⑦ソファラウ ンジ:床から壁まで、赤が際立つ3色のスタイリッシュな空間の部屋
「ソファラウンジ」
⑧夢見るクローゼット:洋室を一部屋まるごとクローゼットにした住まいの部屋
価格は3,998万~4,498万円、専有面積は70.06~73.45㎡。一般分譲(坪単価160万円)と比べて1戸当たり坪20~40万円くらい、グロスにして500~800万円くらい高い。
「ルピアグランデ柏 ココロリゾート」は2021年9月の竣工前完売が可能なほど人気を集めている。
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同社はコロナの感染拡大がなければメディア向け見学会を開く予定だったが、自重したようだ。実物を見学できないのが残念だ。この種のチャレンジは聞いたことがない。もともと商品企画が優れていたからできめる芸当ではあるが、コンセプトを明確に打ち出し、ターゲットを絞り込む販売手法は大賛成だ。一般分譲よりグロスにして500~800万円高いのもうなづける。
「SDGs考えるきっかけに」堀田真由さん アキュラ「木のストロー」ドラマ制作発表会
アキュラホームは2月21日、同社広報担当の西口彩乃さんが著した「木のストロー」(発行:扶桑社)をもとにフジテレビジョンがドラマ化した「木のストロー」制作発表会を行った。YouTubeで発表会の模様がメディアに公開された。
冒頭、同社・宮沢俊哉社長は「まさか『木のストロー』がドラマ化されるとは。当社は木造の家を作っておりまして、私自身も大工なので、新入社員の入社式には全員にカンナ削りを体験してもらっています。西口も体験したのを覚えており、感無量。とても嬉しく思っています。私の役を務められる小日向さん(文世氏)はファンでして、カンナも削ってもらいましたがとても上手でした」とあいさつした。
主人公の西口さん役を務めるのは堀田真由さんは、「お話を頂いたときは『木のストロー』が存在することなど知らず、驚きました。作品も実話だと聞き、身が引き締まる思いがしました。木のストローは洗って何度も使え、ほのかな樹の香りもします。ドラマがSDGsとかサスティナブル、持続可能などをひとり一人が考えるきっかけになってほしい」と語った。
著書では開発に猛烈に反対したとされる執行役員「鈴木役員」は鈴木保奈美さんが担当。「『木のストロー』はどこかで聞いたような気がしましたが、SDGsって言葉は知っていても何もわかっていませんでした。いい勉強になるとお受けしました。原作を読んで、社員のアイデアを事業に生かすなんていい会社だと思いましたし、『鈴木役員』は冷徹ではありません。『木のストロー』が完成していく過程をドラマで見ていただきたい」と話した。
ドラマは2月26日(土)の15:30~16:30(関東エリア)、フジテレビで放映される。
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「木のストロー」を読んでいらっしゃらない方はぜひ読んでいただきたい。フィクションならともかく、会社における上司と部下などの関係をこれほど赤裸々に綴った著作はないのではないか。
会社は何を目指すべきか、仕事とは何か、広報とメディアの関係、記者の役割などを考えるのにも最適だと思う。
ドラマでは、「鈴木役員」を鈴木保奈美さんはどのように演じるのか。〝悪役〟〝姑〟に徹するのか。「堀越課長」も見ものだ。上司と部下の板挟みになり、おろおろする「課長」を演じきれるか。ヒットするかどうかは脇役次第ではないか。抱腹絶倒の喜劇になってほしいのだが…。
アキュラホーム「木のストロー」開発秘話 フジテレビ2月26日にドラマ放映決定(2022/1/28)
大和ハウス 販売好調の「プレミスト王子神谷」 2期分譲開始
「プレミスト王子神谷」
大和ハウス工業は2月18日、販売好調の「プレミスト王子神谷」の第2期35戸の販売を2月19日から開始すると発表した。第2期の専有面積は66.91~82.58㎡、価格は5,698万~7,098万円。
第1期135戸の販売開始は昨年12月4日からで、2月13日時点で、総戸数227戸のうち57%にあたる131戸を成約。
契約者の属性は、東京23区在住が約90%を占め、北区以外は約半数。年齢層は20代~30代が約50%、40代~50代が約40%、職業は会社員が約70%、公務員が約15%。
同社は、契約者からは最寄り駅から徒歩2分の立地にありながら、遊具も設置されている広大な公園に隣接しているなど、自然を身近に感じられる住環境や、多くの商業施設、医療施設、教育施設が徒歩10分圏内にあり、日常の生活利便性が高い点が評価されているとしている。
これまでの資料請求数は2,300件超、2021年10月にオープンしたモデルルームへの来場も600件を超えている。
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添付した記事を参照していただきたい。昨年10月に見学した時点で、「人気は必至」とみて、そのように記事にも書いた。
単価設定は強気だと思ったが、駅近ながら表通りから一歩入った、隣接地を含め4つの公園が近接している住環境のよさ、商品企画による差別化をアピールできているのが評価されているようだ。
第1期は全227戸の約6割の135戸 大和ハウス他「王子神谷」圧倒的な人気(2021/12/3)
中高層マンション群の最前列 駅近の公園隣接 大和ハウス「王子神谷」(2021/10/27)
埼玉県産材の杉材を多用 SDGsの取り組み強化 三菱地所レジ「大宮吉敷町翠邸」
「ザ・パークハウス大宮吉敷町翠邸」
三地所レジデンスは2月18日、大宮駅圏の「ザ・パークハウス」第4弾となる「ザ・パークハウス大宮吉敷町翠邸」のメディア向けモデルルーム内覧会を行い、オンラインプロジェクト説明会を2月23日に開始すると発表した。
物件は、JR京浜東北線さいたま新都心駅から徒歩9分、JR大宮駅から徒歩13分、さいたま市大宮区吉敷町2丁目の商業地域に位置する19階建て全106戸(分譲対象外住戸12戸含む)。専有面積は57.74~73.20㎡、価格は未定だが、坪単価は305~310万円になる模様。竣工予定は2023年12月上旬。施工は川口土木建築工業。分譲開始は4月下旬の予定。これまで950件超のエントリーがあるという。
現地は、大宮駅とさいたま新都心駅の2駅が利用可能の旧中山道に面したマンションなどが建ち並ぶ商業地域の一角。敷地東側には、道路を挟んで2020年4月分譲済みの同社の「ザ・パークハウス大宮吉敷町」が立地する。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、ディスポーザー、食洗機、ミストサウナ、浴室タオル掛け2か所など。住戸は全戸南西向き。
「SDGs先進度」で全国1 位のさいたま市にふさわしいマンションを目指しているのが特徴。同社で初めてエントランス庇裏、ラウンジ天井・格子壁などに埼玉県産の準不燃加工を施した杉材を採用するほか、型枠コンクリートパネルには持続可能性に配慮した調達基準に合致した木材の使用、戸別宅配ロッカーの設置、地元産の食材を利用した地産地消の食配ステーションサービスなどの取り組みを行う。また、さいたま市職員による出張出前講座を開催し、販売員を対象としたSDGsに関するさいたま市の取り組みに関する出張出前研修会も実施した。パンフレットをなくすなど、ペーパーレス化にも取り組んでいる。
内覧会で同社第一計画部長・浦崎康弘氏は、「これまでの大宮周辺の開発で得られた実績や知見などを活かし、大宮のランドマークとなるような象徴的な建物を目指す」と語った。
エントランス
ラウンジ
モデルルーム
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三菱地所グループは長期経営計画「Sustainable Development Goals 2030」でESG経営をさらに強化することを打ち出しているが、このマンションもその具体的な取り組みの一つであることをアピールする内覧会だと理解した。SDGsをこれほど強調したマンション内覧会は同社も含めて記者の記憶はない。
価格と商品企画について。坪単価は隣接する「ザ・パークハウス大宮吉敷町」の260万円を突破するのは間違いないと思っていた。坪300万円以下もありうるとみていたが、前立ての影響をそれほど受けない立地条件を考えると300万円突破も頷ける。設備仕様レベルも低くないと思う。
71㎡のモデルルームは、キッチンと一体化したカウンター・テーブルの提案がいい。値段は数十万円(もっと高いか)だろうか。サッシ高は2100ミリか(確認するのを忘れた)。複層ガラスだが、一般的なサッシより値段は高いのは間違いない。浴室のタオル掛けもちゃんと2か所ついていた(マンション検討者に一言。最近、これを1つに減らしたり、全然付けなかったりする物件が増えている。細かいことだが、こんなところに〝ステルス値上げ〟が潜んでいる。しっかりチェックすることだ。三菱地所レジデンスの立派なのは、そんな姑息なことをしないことだ)
現地(右後方のマンションが「ザ・パークハウス大宮吉敷町」)
現地近くの氷川参道
JRさいたま新都心の男子トイレ入り口の観葉植物(説明書きには「JR東日本グリーンパートナーズで働く障がいを持つスタッフが手入れをしています」とあった)
最高の〝働く場・接遇スペース〟 積水ハウス「SUMUFUMU TERRACE 新宿」
「SUMUFUMU TERRACE 新宿」
先日見学した積水ハウスの「SUMUFUMU TERRACE 青山」に続き、同社の〝新拠点〟「SUMUFUMU TERRACE 新宿」を見学した。「青山」とはコンセプトがやや異なり、顧客と打ち合わせをする場でもあり、スタッフが働く場でもある。建具・家具、観葉植物などは全て本物で、デベロッパーのマンション総合ギャラリーとは比べようもないほどレベルが高い。
場所は、交通案内:JR新宿駅から徒歩11分、都営大江戸線都庁前駅から徒歩5分、京王新線初台駅から徒歩9分、新宿区西新宿3丁目の「西新宿KSビル1階・2階」。定休日は火曜・水曜。新宿マインズタワーから移転した同社東京営業本部と東京西支店の事務所が併設されている。
1階も2階も飲み物が振舞われるのは「青山」と同じ。コーヒーはSTARBUCKSだった。
小池
1階の受付カウンター
◇ ◆ ◇
同社は「SUMUFUMU TERRACE」を〝新拠点〟と呼んでいるように、単なるショールームでも普通のオフィスでもない。記者もこの種の施設を見学したことはなく、「青山」は〝驚嘆〟と表現するほかなかった。
今回の「新宿」は、その多くはガラス張りになっているので、スタッフと顧客接遇スペースをシームレスにつなぎ、あるいは緊張感も醸し出す不思議な空間だ。比較するものがないので表現は難しいのだが、〝働く場〟〝接遇スペース〟としては最高レベルではないか。
立地条件は申し分ない。目の前は新宿中央公園と都庁。徒歩1~2分内に「パークハイアット東京」と「新宿ワシントンホテル」。
1階には、直径十数メートルありそうな半透明の白いカーテンに覆われたラウンジ空間が配されており、大小の観葉植物と湧水池のように水面がゆらぐ小池も設置されている。受付カウンターに置かれている観葉植物「ジャボチカバ」は、天井のライトにより木漏れ日のように影がカウンターに映し出されるように工夫されていた。説明書きには「ParkERs」とあった。
2階の接遇スペースの設備仕様レベルが高いのにびっくりした。中央に据えられているカウンターは古材をガラスで加工したもので、値段にしたら、この前見た目[me]の〝ただの石〟の99万円とは比較にならないほど高いはずで、壁には熊野古道の無垢の百年杉が掲げられており、その背後から音楽が流れるような仕掛けが施されていた。接遇個室のソファー類は全て本革。
オフィススペースはガラス張りになっているので、仕事をしているスタッフの姿も見える。外部の人に〝見られる〟のはいい気持ちはしないだろうが、「ParkERs」が監修した観葉植物に囲まれて仕事ができるのは幸せだ。緑空間はストレスを解消し、労働生産性を向上させる効果があることは実証されている。
2階
2階
フージャースコーポ・日本エスコン いわき市の「並木の杜シティ」再開発を着工
フージャースコーポレーション(事業比率51%)と日本エスコン(同49%)は2月16日、参加組合員として事業参画している福島県いわき市の「いわき駅並木通り地区第一種 市街地再開発事業」(並木の杜シティ)を再開発組合とともに着工したと発表した。
同事業は、市街地の高度利用と都市機能の更新を図り、いわき駅周辺の賑わい創出するのがコンセプトで、総敷地面積約1.1ha。2つの街区から構成されており、1街区には4階建ての商業棟(店舗・事務所等)、2街区には21階建て216戸の住宅棟が建築される。住宅棟はいわき市最高層の免震構造タワーマンショ ンとなる計画で、バリアフリー仕様住戸(55 戸)を設けるなど多世代居住を見込んだ次世代型分譲マンションを予定。名称は「ミッドタワーいわき」で、販売開始予定は2022年9月頃。
設計は熊谷組・UG都市建築、ランドスケープ監修はスタジオゲンクマガイ。施工は熊谷組・加地和組・堀江工業特定建設工事共同企業体。竣工予定は2024年4月15日。
中央日土地 学生レジデンス 新ブランド「BAUS CROSS(バウスクロス)」で展開
中央日本土地建物グループの中央日本土地建物は2月16日、学生レジデンス事業を住宅ブランド「BAUS(バ ウス)」シリーズに体系化し、新ブランド「BAUS CROSS(バウスクロス)」として事業化すると発表した。
同社は1986年から学生レジデンス事業を展開しており、第1号の「ラフィーヌ駒沢」を皮切りに、これまで東京都内を中心に大阪、名古屋、仙台、福岡などで全26棟約2,600戸を開発・運用している。
2022年2月下旬には、新ブランド第一弾「北新宿」(東京都新宿区)、第二弾「相模大野」(神奈川県相模原市)の2物件が竣工するほか、2022年度末には第三弾「板橋区加賀」が竣工する予定。
2022年度末までに、首都圏18棟約1,800戸、全国で29棟2,900戸超となる。
三菱地所 ロイヤルパークホテルを吸収合併 保有と運営の分離進める
三菱地所は2月15日、同社と完全子会社ロイヤルパークホテル(RPH)、ロイヤルパークホテルズ アンドリゾーツ(RPH&R)の組織を再編し、4月1日付で同社を吸収合併存続会社、RPHを吸収合併消滅会社とすることを決定したと発表した。
同社は2021年8月にRPHを完全子会社とし、2022年1月27日にはRPHのホテル運営機能と不動産保有機能を分離し、ホテル運営機能を同社の完全子会社RPH&Rに承継させることを決定しているが、今回、不動産保有機能を同社が承継することにしたもの。
同社は今回の決定により、一体的・有機的なグループホテル経営を進化させ、運営・開発・アセットマネジメントの各分野の役割・機能を更に強化し、ホテル事業の成長拡大を図っていくとしている。
2021年3月期のRPH&Rの売上高は9,775百万円、営業損失は7,343百万円、RPHの売上高は3,063百万円、営業損失は2,841百万円。コロナの影響を大きく受けている。