「音がしない」「静か」 三菱地所レジ エリア最高値「二子玉川碧の杜」に高い評価

「ザ・パークハウス 二子玉川碧の杜」完成予想図
三菱地所レジデンスが11月に分譲する予定の「ザ・パークハウス二子玉川 碧の杜」を見学した。全戸にマンション用全館空調システム「マンションエアロテック」を搭載した第一種低層住居専用地域に建つ全20戸で、坪単価はエリア最高値の500万円超を予定している。専有面積が最低でも85㎡あるのですべて億ションとなるが、戸建て検討者や三菱地所ホームの「エアロテック」を知っている富裕層からは〝音がしないね〟などと高い評価を得ているという。
「マンションエアロテック」は、24時間・365日、住戸内のすみずみまで換気冷暖房して快適な温度に保てる空調システム。三菱地所ホームが20年以上前に開発した戸建て用をマンション用に改良させたもの。これまで都心の高額マンションなど7物件に採用しており、今回が8棟目。
このほか、節湯型シャワー水栓・保温浴槽・節水型便器など高効率機器を採用することなどよって「低炭素建築物」認定を取得しているほか、人の健康を見守る緊急通報サービス「マイドクター」を全戸標準装備している。
販売担当者は「エアロテックのよさは短時間では実感していただけないが、グループの三菱地所ホームの戸建てを検討された方が結構多く、『音がしないね』『壁にエアコンなどの出っ張りがないね』と感心される方も多い。専有面積が広く、価格も飛びぬけているだけに即売れるというわけではないが、周辺物件は面積が狭いものが多い。広さを求めている富裕層にアピールできるはず」と語っている。

エントランスラウンジ(完成予想図)
◇ ◆ ◇
「エアロテック」の良さについてはこれまでかなり記事を書いてきた。それらを参照していただきたい。取材の目的は、お客さんの反応を聞くことと、モデルルームの出来、外観、植栽などをチェックすることだった。
お客さんの反応は予想通り。「音がしないね」「静かだね」と来場者は声を上げるという。同社もその効果をわかってもらうため音楽を流さないのだという。記者などはエアコンだろうが換気扇、テレビ、時にはかみさんのおしゃべりなど〝雑音〟には鈍感だが、一般の人はかなり不快感、ストレスを感じているのだろう。
その良さについては、そもそもどこのマンションでもモデルルームはエアコンをフルに動かしているので、なかなか実感できないのではないか。
外観、植栽は億ションにふさわしいもので、設備仕様レベルも高い。坪単価は高いような気がしたが、駒沢大学や武蔵小山などでも坪400万円の半ばから500万円近くする。特殊なエリア「二子玉川」ならこれもありかなと思う。

現地

ハナミズキ通り
三菱地所を、見に行こう。地所ホームで家を建てよう〟赤坂に素晴らしい施設(2017/7/13)
誰向けか 一般の人には難しすぎる 埼玉県住まいづくり協議会シンポ

「平成29年度 住生活月間シンポジウム」(埼玉コルソで)
埼玉県住まいづくり協議会は10月13日、「平成29年度 住生活月間シンポジウム」を開催。第一部として東洋大学教授・野澤千絵氏が「老いる家 崩れる街~住宅過剰社会から脱却に向けて~」と題し、第二部として慶應義塾大学教授・伊香賀俊治氏が「幼児から高齢者まで健康に過ごせる暖かな木の住まいの調査速報」をテーマにそれぞれ講演した。約250名の関係者・市民が参加した。
埼玉県住まいづくり協議会は、「埼玉を創る!埼玉で頑張る!」をスローガンに、県内の民間住宅産業関連企業と行政・公共団体とが一体となり、優良な住宅供給を行うことで、県民の生活基盤の安定とその住環境の向上を図ることを目的に平成8年10月に設立された。毎年、この種のシンポジウムを行っている。
◇ ◆ ◇
参加者に感想を聞いた。「マイクの音が聞きづらく、耳が痛かった。内容も難しい」「3411条例は個人的にもテーマ」「空き家問題に関心がある。ビジネスモデルができるといい」「自治体の都市計画担当なので参考になった。私どもも調整区域の規制強化に切り替えられない問題を抱えている」「うちの近くにも空き家があり、壊されているが、その後どうなるのか気になる」「私は50歳。82歳の父親の実家を相続することになったらどうするか心配」などの声が聞かれた。
◇ ◆ ◇
こんなことは書きたくないが、主催者も講演者も考えてほしいから書く。いったい誰向けのシンポジウムなのかということだ。参加者は協議会メンバーが中心だろうが、一般にも開放している。ならば、一般の人でも理解できるような内容にすべきだ。
最初に話された野澤氏のテーマは一般の人でも興味があるはずだ。しかし、その内容はかなり専門的で、「市街化調整区域」「都市計画法第34条11号」「線引き」「空き家トリアージュ」などの文言が入ったパワーポイント・画像が約1時間の間に30点くらい示された。1点につき約2分だ。これらを野澤氏独特の副詞の語尾を上げる話し方で機関銃のようにまくしたてられると理解不能、消化不良になる。都市計画法を一般の人にわかってもらうためには1時間あっても足らないはずだ。
記者は埼玉県の調整区域開発について取材したことがあるが、首都圏では間違いなくもっとも規制が緩やかな県だと思う。なぜそうなのか、深く追究し市民に知らせることも学者の役割ではないか。
野澤氏のフィールドワークを基にした川越市や羽生市などの都市計画、規制緩和に関する問題提起はすごく鋭く参考になったが、リップサービスが過ぎた。遅れた県の都市計画を徹底して掘り下げ、協議会や県や市に遠慮せず話してほしかった。
メディアにも一言。以前は弁当付きの協議会会長との会見に10人を超える記者が集まっていた。この日は片手に余る、参加するのが恥ずかしくなるほどの少数。これは何だ。埼玉県を応援するためにもちゃんと出席して、言うべきことをいうべきだ。
伊香賀氏の講演は、あるいは一般の人向けに話されたのかもしれないが分かりやすかった(記者は取材の関係で途中退席)。参考までに他のイベントで講演されたときの記事を添付する。
大和地所レジ 人気になった「大宮大門町」に隣接 坪300万円はないと見たが…

「ヴェレーナグラン大宮大門町 瑞景」完成予想図
大和地所レジデンスが近く分譲する「ヴェレーナグラン大宮大門町 瑞景」を見学した。大宮駅東口から徒歩5分の商業地域立地で、南西角地に建設中の全45戸。坪単価は未定だが、強気の設定でも売れると読んだ。
物件は、JR大宮駅東口から徒歩5分、さいたま市大宮区大門町三丁目に位置する13階建て全45戸(会員分譲住戸9戸含む)。専有面積は60.60~83.82㎡、価格は未定だが、平均坪単価は300万円を突破することはない模様。竣工は平成31年1月。設計・監理はオンズデコ。施工は大木建設。
現地は、商業エリアの一角で、南西角地。オフィス・商業・公共施設が入居する再開発事業に近接。
建物は南西向きで1フロア4戸。商品企画は、二重床・二重天井、廊下幅はメーターモジュール、キッチン、洗面などは天然御影石トップ、食洗機、ミストサウナ、天井高は2500~2600ミリ。南西角住戸の7階以上はコーナーサッシを採用。
同社は「氷川参道にも近く、北陸新幹線の延伸でさらに注目されている大宮駅」をアピールしている。
◇ ◆ ◇
どこかで見たような気がしたら、3年前、同社がまだ日本綜合地所の社名のとき取材した「ヴェレーナ大宮大門町」の隣接地だった。
「ヴェレーナ大宮大門町」の坪単価は220万円くらいだった。当時よりマンション適地と建築費は上昇しているので、坪単価は最低で270万円、最高で290万円と読んだ。
坪300万円も考えないではなかったが、もう一つ強気になれないのはやはり住環境だ。現地の用途地域は商業。いかがわしい店舗などはなさそうだが、飲食・サービス業が蝟集している。これはマイナス材料だ。
ただ、同じような浦和駅の商業エリアで駅近の三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス浦和タワー」は330万円台で早期完売し、地所レジはまた昨年、大宮駅西口から5分の「ザ・パークハウス大宮」第1期72戸を坪単価293万円で即日完売している。
これらを勘案すると、今回の同社の物件は上層階の住戸は坪300万円を突破しても不思議ではない。最上階の83㎡のタイプは四方八方が開けており、8か所に窓・採光部があり、ルーフバルコニーは18坪以上ある。1億円はしないと思うが、申し込みが殺到してもおかしくない。値付けに同社も悩んでいるはずだ。
商品企画はいつもの同社の物件とほぼ同じ。2スパンある中住戸のうちの60㎡台の間口は6mだが、もう一つの68㎡台は6.7m。廊下もメーターモジュールを採用しているのがいい。モデルルームは派手だが、これはこれでいい。非日常を演出するのもありだと思う。
隣接する「ヴェレーナ大宮大門町」の1階にはスーパー「マルエツ」が入居しているが、この店は1965年(昭和40年)4月開業のマルエツ創業2号店で、レジ付きのセルフサービス食品スーパー1号店だそうだ。
「環境振動」「施工検証」「耐力壁」などに高い関心 2×4協会「6階建て報告会」

「ツーバイフォー6階建て実験棟プロジェクト報告会」(発明会館ホールで)
日本ツーバイフォー建築協会は10月12日、「ツーバイフォー6階建て実験棟プロジェクト報告会」を行った。昨年3月、「ツーバイフォー6階建て実験棟」を建設し、その後国立研究開発法人・建築研究所と共同で耐震・耐火構造、施工性などの検証を進めてきており、今回はその成果、課題などを報告するもの。定員200名の会場は関係者らであふれ、関心の高さをうかがわせた。
◇ ◆ ◇
行儀が悪い記者などメディア関係者をくぎ付けにする意図はなかったのだろうが、案内された席は最前列だった。横見、居眠りしたら失礼だと思い、辛抱して話を聞いた。
テーマは、「環境振動」「施工検証」「耐力壁の開発」などそれぞれ魅力的なものだった。しかし、これが実に難解。建築に素人の記者などちんぷんかんぷん。
例えばこうだ。「せっこうボードは3,208枚」「積載重量は1回あたり30枚540キロ」「総施工人工の30%、建物の総重量119トンのうち実に43%がボード」「6階床では、基礎近傍地盤と比べて12.8倍から14.7倍の増幅が発生している」「常時微動記録には数十メートル離れた位置にある道路交通による振動も記録された」「構造的に問題となるレベルとは考えられないが、環境振動レベルでは注意が必要」
つまり、木造建築物でも外壁は「耐火・防火」基準を満たすために大量のせっこうボードが必要で、職人確保に大変であり、道路交通や家電製品などが発する微音・微震は共振するから注意が必要とのことらしい。
参加者にも感想を聞いた。ある戸建ての研究開発を行っている人は「内容は言えない。(環境振動はとても興味深いが)実はそれを研究している」と興味を示した。
別の大手不動産流通会社の方は「欧米と比べ我が国は木造の中層化の流れに大きく立ち遅れている。今後中層化の流れは加速するはず」と木造中層化の進展に注目していた。
また戸建てメーカーの商品開発担当者は「われわれも耐火・防火エリアでの住宅・非住宅の拡大を狙っている。せっこうボードの問題は考えないといけない。報告会は、構造担当の建築士でもよくわからない人が多いのではないか」と話した。
記者の持論である「木造は現しが美しい。耐火・防火の基準を緩和すべき」と質問したが、参加者は「現しはいいが、法律は守らないといけない」と規制緩和には同意しなかった。
なぜ80年間も持続できたのか 奇跡の街 入間市の「ジョンソンタウン」を歩く

「ジョンソンタウン」(ジョンソンタウン提供)
約80年の歴史がある街、埼玉県入間市東町の「ジョンソンタウン」が今年の日本建築学会賞(業績)、第11回キッズデザイン賞優秀賞(少子化対策担当大臣賞)をそれぞれ受賞した。一昨年の平成27年には国土交通省の都市景観大賞で「都市空間部門」大賞(国土交通大臣賞)も受賞している。西武池袋線入間市駅から徒歩18分、敷地面積は約25,000㎡(約7,500坪)。平屋が中心の賃貸・店舗併用住宅79棟が建ち、130世帯210人が暮らす。稼働率が95%にも達する〝奇跡の街〟だ。
この街のどこが素晴らしいのか、どうして80年も生き延びられたのか、大規模ニュータウンの再生・活性化やコミュニティ形成、空き家対策のヒントになるか-これらを自分の目で確かめるのが取材の目的だった。キッズデザイン賞の授賞式で「ジョンソンタウン」を経営する磯野商会の常務・磯野章雄氏(41、以下章雄氏)に取材を申し込み、今回実現した。
「私は昭和51年生まれ。53年に創業者である祖父が82歳で亡くなったので、祖父の記憶はまったくありません。祖父の三男で私の父がいまの社長。父は平成8年、ある大手電機メーカーを58歳で退職し、祖父の長男(伯父)から事業を引き継ぎました。79歳の現在も元気で『お前(章雄氏)にはまだ任せられない。死ぬまで現役だ』と頑張っています。現役で仕事をしていることが元気の源だと思います。私は平成13年入社。この街の繁栄と発展に引き続き取り組んでいきたい」章雄氏はこう話す。

「ジョンソンタウン」イメージ(ジョンソンタウン提供)
少し長くなり繰り返しになるが、この街の歴史をたどる。
創業は昭和11年。製紙会社の農園20万坪を磯野義雄氏(以下義雄氏)が競落し、「磯野農園」を開業したのに始まる。その翌年、日中戦争が勃発。義雄氏の夢であった農園経営は戦争の波に飲み込まれる。昭和13年、陸軍航空士官学校の将校住宅「磯野住宅」50戸を建設して賃貸。
終戦後の農地解放で20万坪あった土地は約7,500坪に縮小。米軍の駐留-朝鮮戦争をきっかけに「磯野住宅」のほかに「米軍ハウス」24棟を建設、日本人と米国軍人が同じ敷地内で暮らす街となる。昭和53年、米軍基地は日本に返還、自衛隊入間基地となり、「米軍ハウス」は日本人向けに賃貸されるようになる。
その後、義雄氏の死去に伴い、その長男が事業を引き継いだが、街は荒廃・スラム化が進行する。平成8年、義雄氏の三男で現社長の磯野達雄氏(79、以下達雄氏)が事業を引き継ぎ、街の復興・活性化に着手。約15年かけて米軍ハウスを改修、「平成ハウス」35棟を建設するなどして現在に至る。平成21年、街の名称もかつての米軍基地の名称にちなみ「磯野住宅」から「ジョンソンタウン」へ変更した。
用途地域は第一種中高層住居専用地域と第二種住居地域。いずれも建蔽率・容積率は60%・200%。

上空からの街なみ(ジョンソンタウン提供)

街並み(ジョンソンタウン提供)
◇ ◆ ◇
街並みは確かにわれわれが日常目にするそれとは異なっている。住宅・店舗のほとんどがトラス構造の平屋の木造で、しかも下見板張り、ペンキ塗り仕上げ、西部劇に出てくるようなウッドデッキ、カラフルな英語表記の看板…このような風景はまずないはずだ。
なぜこのような異質な環境が保持されてきたのか。最大の理由は分譲ではなく賃貸であることだと考えた。章雄氏も否定しなかった。「売ってくださいという方がたくさんいらしたが、全て断ってきた。1区画40数坪から50坪くらいで、不動産活用としての効率は悪いですが、祖父が残してくれた土地。売り払ったらこの環境は守れない。今後も売却するつもりはありません」ときっぱり。
住宅の面積は20~30坪だが、章雄氏が話したように1区画の面積が大きいのも、豊かな緑と環境を保持し続けてきた要因の一つだろう。ミニ区画だったらこうはならない。
低層住宅と店舗が混在する街は他にない。店舗は全部で55店。内訳は飲食が20、物販が20、その他サービスが15。章雄氏は「現在の店舗数は少し過剰ではないか?と考えている。住まいと店舗のバランスを見て、今後調整していきたい」と将来の算盤をはじく。
入居者の属性については、「30~40代が多く、職業はサラリーマンよりも、インターネットがあれば仕事ができるデザイナー、カメラマン、ライターなどが多い」という。「最寄駅からのバス路線がないので、バスの誘致を検討している」だそうだ。
樹木が多く樹種が豊富なのも大きな特徴だ。章雄氏が「父は木を大事にしていて、タウンに生えているどんな木でも『切るな』と言われている」と話したが、それを裏付けるかのように、テラスの真ん中にでんと座り、屋根を突き抜けている大きなヒノキもあった。樹種はスギ、ヒノキ、ヒバ、クリ、シュロ、キリ、ツバキ、マツ、サクラ、モクレン、キンモクセイ、カキ、オリーブ…樹齢は間違いなく数十年から百年以上だ。圧巻というほかない。

飲食店「カフェ&ダイニング ボンボンウェポン」
◇ ◆ ◇
「3年前に都内から引っ越してきたのですが、人工的でない景観が気に入りました。都内ではどこに行っても車などの音がしますが、ここは音が消える。これもいいですね」飲食店「east village OTHER」のオーナー・吉田政憲氏(43)がこう語った。
タバコを吸いたくて、コーヒーを飲みたくてこの店に入ったのは午後3時過ぎ。店内には壁時計が掛かっていたが、時間は9時20分で止っていた。吉田氏は「アメリカ製で電池が動かないんです」と笑ったが、ひょっとしたら時間がゆったり流れる雰囲気を表現する演出かもしれない。
この店をよく利用するという大学生3人組も「(木の)テラスがあって雰囲気がいい」「駅に遠いという不便さより、ほかにない価値がここにはある」「女の子に好かれるんです。犬の散歩もできるしショッピングもできる」と話した。

飲食店「イーストレッジ アザー」(高さ数メートルのキンモクセイが印象的。右の写真の左から3人目が吉田氏、他は利用客)

テラスの屋根を突き抜けるヒノキ
◇ ◆ ◇
章雄氏から祖父や父の話を聞きながら、記者は親-子-孫の3世代を描いた小説を考えた。真っ先に浮かんだのはマルケス「百年の孤独」だ。ケン・フォレット「永遠の始まり」、佐々木譲「警官の血」、さらには歴史的名著パール・バック「大地」、ロマン・ローラン「ジャン・クリストフ」など…。
「ジョンソンタウン」は戦争に翻弄される祖父、その資産を引き継ぐ子、孫の思い入れ、葛藤がお世辞にもきれいと言えない街並みに反映されている。農地解放で20万坪の土地のほとんどを買収されたとき義雄氏は何を考えたのか、同じ敷地で米国軍人と一緒に住んだ日本人は何を考えたのか、「木を切るな」「土地を売るな」という達雄氏の〝家訓〟を章雄氏はどう守っていくのか、入居者のコミュニティは今後どのような方向に向かうのか。興味は尽きない。
今年の春に発刊した16ページ建ての季刊誌「JOHNSON TOWN Style」は実に面白い。数人のライターが入居者をインタビューし、歴史をたどり、当時の建築技術や裏話を引き出し、コミュニティなどについて丹念な取材を行っている。写真がまたきれいだ。これからも80年の歴史の悲喜交々を追いかけてほしい。そして未来につなげてほしい。
一つの街ですべてが完結する-これが理想だ。現在の用途地域規制の限界も感じた。

住民同士のバーベキュー(ジョンソンタウン提供)

冬のOne Dayマーケット(ジョンソンタウン提供)

交差点(車のスピードを出させないための工夫か)

路地が網の目のように走っている(ネコはまるで大家の代理人のよう)
東急不動産ホールディングス 「Google Home」導入
東急不動産ホールディングスは10月5日、「進化する住まい」を目指し〝住まいのソフトウェア化〟に着手すると同時に、IoT(モノのインターネット)を活用した豊かな暮らしの実現に向け「人が中心のIoT」推進すると発表。
第一弾として,東急不動産が分譲中のマンション「ブランズシティ世田谷中町」で同社グループのイッツ・コミュニケーションズが提供するスマートホームサービス「インテリジェントホーム」と、それに連動したスマートスピーカー「Google Home」を導入する。
また、東急リバブルは、東京都・神奈川県の一部エリアの不動産を購入した顧客に対して「Google Home」を無償提供する。
「Google Home」は、「Googleアシスタントを搭載した音声で動作するスピーカーで、「OK Google」と声を掛けるだけで知りたいことややりたいことをGoogleがサポートする。音楽を流したり、検索したり、毎日のちょっとしたタスクをこなせるほか、自宅のスマートデバイスを操作することができる。
◇ ◆ ◇
いかんせん「Google Home」なるものがどんなものかさっぱりわからない。プレス・リリースを読んでもわからないので、そのままコピー&ペーストするほかないのだが、読者の皆さんは何の記事かお分かりだろうか。ネットで調べたら14,000円とあった。この価値もまたさっぱりわからない。
書いた記事の校閲を頼むとちゃんと校正してくれるのだろうか。大谷が渾身の力を込めて投げた球を大谷が打つとしたら果たして彼は打てるのか…などの問いに正解を出すことができるのか。聞く側の知識レベルに合わせないとちんぷんかんぷんの答えにならないのか。
蛇足。ずいぶん前だが、携帯などを売る店に会話が交わせるかわいいロボットがいた。記者も年齢あて遊びをした。散財させようと思ったのか、ロボットはかなり低めに記者の年齢を言った。そばにいた40歳代と思しき女性にも勧めた。ところがロボットは何と「60歳でしょう」と答えた。「失礼な」女性はまともに怒った。この女性は絶対二度とこの店を利用しないと思った。
三菱地所レジ・小田急不「二子玉川」 全館空調「エアロテック」 マンションに初装備

「ザ・パークハウス 二子玉川碧の杜」完成予想図
三菱地所レジデンスと小田急不動産は10月4日、マンション用全館空調システム「マンションエアロテック」を全戸標準装備した世田谷区の「ザ・パークハウス 二子玉川碧の杜」のモデルルームを10月7日にオープンすると発表した。
「マンションエアロテック」は、24時間365日、住戸内のすみずみまで換気冷暖房して、快適な温度に保てる空調システム。1995年、三菱地所ホームが三菱電機と共同開発して第1号棟を完成させている。マンション用の開発を三菱地所レジデンスと進めていた。
東急田園都市線・大井町線二子玉川駅から徒歩10分、世田谷区玉川四丁目に位置する3階建て20戸。専有面積は85.68~106.85㎡。価格は未定。施工は大豊建設。2017年7月に竣工済み。「低炭素建築物」の認定を取得している。
穴吹工務店 日本初のマンション入館&宅配ボックス顔認証システム導入
大京グループの穴吹工務店は10月3日、フルタイムシステムと共同で日本初のマンション共用部分のオートロックと宅配ボックスに顔認証技術を組み合わせた「サーパスエスコートサービス+“F-ace”(フェイス)」を開発、富山市と広島県呉市のマンションに先行導入し、順次導入していくと発表した。
従来の「サーパスエスコートサービス」は非接触IC カードの認証機能を利用したセキュリティシステムで、対応キーでマンション共用部分のオートロックを解除し、宅配ボックスの荷物取り出しができるものだったが、「認証キーをかざすのが面倒」「忘れて外出した場合に入れなくなる」などの意見があったことから、今回の「鍵を落とす・忘れる」「なりすまし」の心配のない入館システムを開発したもの。より強固なセキュリティを採用することで便利で快適な暮らしを提供するとしている。
鍵やカードを使うことなくエントランスホールのセキュリティエリアに入館でき、宅配ボックスが利用できるほか、子どもの帰宅を保護者にメールで自動的に知らせることも可能になる。従来のキーヘッドやカードも利用可能。
顔認証セキュリティシステムを採用したマンションは、2012年分譲の山万「ユーカリが丘 スカイプラザ・ミライアタワー」が首都圏初とされており、賃貸ではレオパレス21が今年7月、麻布のマンションに導入すると発表している。
長谷工コーポ 「長谷工版BIM」をバージョンアップ 販売ツールへも導入強化

「長谷工オリジナルBIMビューワー」による3次元CG画像
長谷工コーポレーションは10月4日、「長谷工版BIM」のデータから直接3次元CG化する「長谷工オリジナルBIMビューワー」をパナソニックのエコソリューションズ社の協力を得て開発、VRを利用してマンションの販売ツールとしても積極的に活用していくと発表した。
同社は 〝マンション特化〟と〝設計・施工比率の高さ〟という特徴を生かし「長谷工版BIM」の水平展開と関連技術の開発を進めており、今回の開発によってBIMで設計したマンションの住戸全タイプを〝迅速かつ安価、そして綺麗に〟3次元CG化することが可能になった。3次元CG化されたデータは、VR(ヴァーチャルリアリティ)体験機器を利用してマンションの販売ツールやホームページ等BtoC領域での援用が期待できるとしている。
その第1号として総合地所「ルネ八王子トレーシア」へ採用する。今後は、同社が設計・施工する物件の事業主に対し、グループ会社の長谷工システムズを通じて積極的に導入提案をしていく。
同社設計部門エンジニアリング事業部統括室長・堀井規男氏は「BIMを2014年に開発して以来67件のプロジェクトで採用してきた。バージョンアップも図ってきた。現在は全体の2割強の採用率だが、3年後には100%にする計画だ。設計・施工のリソースを使って販売や管理、大規模修繕にもつなげていきたい」と話した。
「BIM」(Building Information Modeling)は、コンピューター上にパーツを組み上げて作成した3次元の建物のデジタルモデルに、仕上げや管理情報などの属性データを追加した建築物のデータベースのことで、同社は2020年3月期中にBIMによる実施設計100%の体制とし、2021年3月期からは板状型の全物件がBIM化される予定。同社の設計・施工比率は2017年3月期末で95.0%に達している。
◇ ◆ ◇
これはこれで結構なことだが、記者は各階層からの眺望画像を見えるようにすることも実現してほしいと思う。現在、そのような対応を行っているのはごく限られた物件で、一定の階層からの眺望しか体験できないのがほとんどだ。
ユーザー側にしてみれば、自分が購入しようと考える住戸の設備仕様・仕上げなどはモデルルームで確認することができ、VR機器を使った疑似体験も当たり前のようになってきた。
しかし、青田売りがほとんどのマンションで、自分が購入したい住居からの眺望を体験するすべはない。その一方で、デベロッパーは1層ごとに価格を上下させ、物件にもよるが、最下層と最上階とでは数百万円、中には1層あたり100万円以上の差をつける物件もある。
それだけ眺望に「価値」をつけているからだ。ならば、誰がそのコストを負担するかという問題もあるが、ユーザーにきちんと眺望を体験させることくらいやっていいはずだ。
長谷工システムズ取締役常務執行役員・篠﨑松雄氏は「技術的には問題なくできる。中住戸と両端の住戸くらいは用意することはコスト的にも障壁とならない。うちがそれを最初にやりたい」と語った。長谷工に期待したい。日影図も含めて〝見える化〟に力を入れてほしい。

VR体験機器を用いた実演(新橋駅前ビル1号館で)
全国初の「次世代のコミュニティ形成」構築 八千代市・UR都市機構・PIAZZAが協定

協定を結んだ左から矢野氏、服部市長、由利氏(八千代市役所で)
千葉県八千代市、UR都市機構、PIAZZAの3者は9月29日、全国初の官民連携によるオンラインとオフラインをクロスさせたプラットホームを構築した「次世代のコミュニティ形成」に関する協定を結んだ。市はオンラインコミュニティ向けに行政サービスの情報を発信し、UR都市機構は市内の団地をコミュニティ活動の場としてオフラインで提供、PIAZZAはエリア単位でのSNS(オンライン)コミュニティ形成を行う。
市は行政サービス情報を積極的に発信し、UR都市機構は市内の賃貸住宅団地をコミュニティ形成の場として積極的に提供していく。URは現在、市内に昭和40~50年代に入居が始まった「村上団地」(2,489戸)「米本団地」(3,020戸)「高津団地」(3,013戸)などの管理を行っているが、建物の老朽化、入居者の高齢化、エレベータがないことなどによる空き家の増加などの課題を抱えている。
コミュニティアプリ「PIAZZA」は、勝どき、豊洲、流山などで展開している地域密着型プラットホームで、街のイベントや店舗・病院情報の共有、モノの譲り合いなどの情報を提供しており、子育てファミリー層を中心に人気になっている。
取り組みの一環として、10月15日(日)には村上団地でストリートペイントを行う。
また、市とUR都市機構は同日、UR賃貸住宅を活用して地域医療福祉拠点づくりやコミュニティ形成に連携・協力する協定を締結。両者は、団地内に介護用駐車場を整備するほか、団地集会所を活用した子育て支援事業などを実施していく。
協定締結式で服部友則市長は、「市はベッドタウンとしてURとともに発展してきた。一方で、昭和40年代~50年代の団地は入居者の高齢化が進み、(間取りの陳腐化など)ニーズに合わなくなってきており活性化が急務。〝子育てなら八千代〟といわれるよう環境整備に力を入れる」と述べた。
UR都市機構東日本賃貸住宅本部 東京東・千葉地域本部長・由利義宏氏は「ハード・ソフト両面でミクストコミュニティの形成を図り、新しいモデルとなるようにしたい」と語った。
PIAZZA社長・矢野晃平氏は「オンラインとオフラインを駆使してシームレスの取り組みを行い、街を盛り上げたい」と話した。
〝無斬〟丸裸 八千代市「ゆりのき通り」の街路樹341本 847万円でバッサリ(2017/9/30)

