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野村不動産アーバンネット 「おうちに帰ろ」川柳投稿キャンペーン

 野村不動産アーバンネットは5月20日、同社の不動産情報サイト「ノムコム」の公式 Facebook ページ「おうちに帰ろ」 (http://www.facebook.com/ouchinikaero) の「いいね!」数が2万人を突破したのを記念して川柳投稿キャンペーンを本日(20日)から6月30日(日)まで行なうと発表した。

 応募があった川柳の中から同社キャンペーン事務局が入賞作品を選定し、入賞者には最高3万円分のJCBギフトカードがプレゼントされる。

 応募条件その他はキャンペーンサイト http://www.nomu.com/ouchi/enjoy/senryu/ へ。

 不動産情報サイト ノムコムの「おうちに帰ろ」は、毎日の暮らしの中から「新しいふつう」を見つけ、「おうち」の楽しさ、魅力を再発見してもらうためのサイト。

三井不動産レジデンシャル「パークホームズ横濱山下公園」

立地絶好、即日完売へ

 


「パークホームズ横濱山下公園」完成予想図

 

 三井不動産レジデンシャルが5月25日から登録申し込みを受け付ける「パークホームズ横濱山下公園」のモデルルームを見学した。ジャーナルスタンダードファニチャーが家具をコーディネートしたマンションで、全79戸のうち「登録要望」が入っていないのは数戸のみ。登録即日完売の可能性が大きい。

 物件は、横浜高速鉄道みなとみらい線日本大通り駅から徒歩2分、またはJR根岸線関内駅から徒歩10分、横浜市中区山下町に位置する14階建て全79戸。専有面積は40.00~82.10㎡、予定価格は2,700万円台~7,400万円台(予定最多価格帯2,800万円台・2,900万円台)、坪単価は250万円。竣工予定は平成26年1月下旬。施工は三井住友建設。

 現地は、神奈川県庁、横浜市庁舎、山下公園、ホテルニューグランド、横浜中華街などが全て徒歩10分圏内の商業地。「山下町」の一等地だ。物件は日本大通りから一歩入ったところで、東南の角地に立地。周囲にはホテル、マンションなどが建ち並んでいるが、建物は道路からセットバックされて建てられており、かなり開放感もある。

 プランは80㎡台の4戸を除き、ほとんどが単身者・DINKS向け。モデルルームはジャーナルスタンダードファニチャーが家具をコーディネートしており、ヴィンテージもののトランクや家具などがセットされている。

 4月13日からモデルルームをオープンしており、これまで約330件の来場があり、数戸を除く住戸に登録要望が入っている。即日完売する可能性が大きい。


モデルルーム

 

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 記者は、横浜の一等地は横浜駅周辺でもなくみなとみらいでもなく山下町だと思っている。山下町は瀟洒なビルもたくさんあるが、歴史的建造物もたくさん残っている文化の香りがする街で、単身者やDINKSが住むにはいいところだ。同社は「山下町」で分譲するのはこの3~4年の間で今回が3物件目。立地は今回がもっともいい。坪単価もリーズナブルだ。

 ジャーナルスタンダードファニチャーは30歳代によく知られているブランドのようだ。記者は全く知らなかったが、アンティーク家具を飾りたくなる気持ちは分からないでもない。幅広い世代の支持を得るのではないか。

 
モデルルーム


現地

東急ホームズ 輸入住宅の「ミルクリーク」新商品

ゴールデンウィークに前代未聞の来場者400組

 


「ミルクリーク マスターズ グレイス」

 

 東急ホームズは5月16日、開業したばかりの渋谷区の住宅展示場「TBSハウジング渋谷 東京ホームズコレクション」に出展した輸入住宅<ミルクリーク>の新商品「ミルクリーク マスターズ グレイス」のモデルハウスを報道陣向けに公開した。

 インテリアコーディネーターの第一人者である町田ひろ子氏のプロデュースのもと、伝統と革新を融合させた英国の都市型住宅をモチーフに、英国の高級ファブリックブランドであるデザイナーズ・ギルドや英国・欧州のアンティーク家具を用いた3階建て。機能面では、「美・防災」をテーマに組込型防火シャッターと木製サッシの組合せによる防火・防犯性能や、東日本大震災の1.5倍の水平力にも耐える約4.3畳大の「パントリーシェルター」も提案している。

 モデルハウスは延床面積約408㎡(123坪)、坪単価は130万円。ゴールデンウィーク期間中に通常の2~3倍の約400組が来場した。関係者は「前代未聞」とその数を形容した。

 

 

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 記者内覧会には町田氏のほか、同社・金子健彦専務、設計を担当した同社ミルクリーク事業本部商品開発部商品開発課課長・佐藤崇氏などたくさんの関係者が出席。同社広報は「これまで新商品は資料配布だけだったが、当社のスマートハウスを体験していただくために内覧会を行なった」と説明し、町田氏や佐藤氏がそれぞれ熱っぽく語ったように今回の新商品にかける意気込みがうかがわれた。

 モデルハウスの仕掛け・提案に見学者から〝素敵〟の歓声があがったというのもうなづける。外観は彫りの深い窓周りの陰影や「キーストーン」が印象的だ。バルコニーに植えたゼラニウムはわざわざスイスから種を取り寄せたという。

 内装は、デザイナーズ・ギルドの壁紙が圧巻。20色も使っているそうで、ビニールクロスでは味わえない手触り感と微妙な文様や色使いに記者も驚いた。幅53センチしかないその壁紙を寸分の狂いもなく張った職人の技術も相当なものだ。

 照明は、地震による転倒を避けるためフロアスタンドではなく壁掛けにし、シャンデリアも紙製のペンダントにするなどの工夫を凝らしている。主寝室のカーテンは王室の御用達と同じ刺繍製。床はコルク材を多用、リビング床はウォールナットのヘリンボーン仕上げ。階段はサーキュラー階段。電気式の暖炉も提案している。

 パントリーシェルターは、通常は60本が貯蔵できるワインセラーなどとして利用できるが、非常時には10日分の食料などが保管でき、テレビ、蓄電池、金庫、寝るためのマットなども備えられるものだ。

町田氏 佐藤氏

 

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 記者は初めて同社のモデルハウスを見学したが、「ミルクリーク」そのものは、20数年前に東急不動産の大規模団地「あすみが丘」で建売住宅として分譲されたのを見学している。圧倒的な人気を呼んだ。

 その後、東急不動産も同社も建売住宅の供給を減らしており、見る機会はあまりなかった。同社の2012年度の売上高は362億円、注文住宅の契約戸数は569棟、法人建売住宅他が221棟だ。この売上高、契約戸数が多いのか少ないのかは判断が難しいが、〝街づくりの東急〟の看板からして記者はこの2倍はあってもいいと思う。今後伸ばすのではないかとみている。先に東急不動産が分譲し、人気になった淵野辺の建売住宅も同社の施工だった。

 今回のモデルハウスの坪単価は富裕層向けとしてはむしろ安いぐらいだと思う。坪200万円のモデルハウスを見たことがあるし、マンションだって豪華なものは建築費だけでも坪200万円はする。

建築中のパントリーシェルター

 

多摩ニュータウン学会 「みどり」について意見交換会

〝愛でるみどりから関わるみどりへ〟

 


「次世代にみどりをつなぐ行政と市民の連携、その仕組みづくり検討会」

 多摩ニュータウン学会(会長:吉川徹・首都大学東京教授)は5月11日、「次世代にみどりをつなぐ行政と市民の連携、その仕組みづくり検討会」をテーマに例会を開催。学会員や多摩市みどりのあり方懇談会委員、NPO、ボランティア団体、市民など約30人が参加して意見交換を行った。

 例会では、多摩市みどりのあり方懇談会委員を務めた大石武朗氏が多摩市のみどりの現状や課題などについて報告。「人の目線で見ると市のみどりは豊かとはいえない。財政難の現状を考えると後継者を育てられない。愛でるみどりから関わるみどりへ政策転換し、市民のネットワークづくりが必要」などと語った。 

 また、NPOあしたや共働企画・滝口直行氏と市民団体「きりんの会」・松原友子氏がそれぞれ事例紹介を行った。滝口氏は「地域住民・自治会・老人会などによる公園の清掃などを行っている公園愛護会には71団体が参加して活動しているが、横のつながりがない。交流できる場が欲しい」と団体間の連携を訴えた。松原氏は「市と協力して永山南公園の再生に取り組んでいる。公園内の樹林地でボランティアとして樹木の手入れなども行っており、端材で樹名板や案内板、ベンチなどもつくった。今年はキンラン、シュンランなど絶滅危惧種の草花もたくさん咲いた」などと報告した。

 参加者からは、「多摩市のみどり率は54%もある。これはすごいこと。貴重な資源」「(みどりの将来を考えると)絶望的だが、孤独な活動を続けている」「重装備で活動している人の姿を見ると、素人は参加しづらい」「活動するにはワクワク感が必要」「ネットワークづくりが重要」「公園のたけのこ掘りがしたい」「遠くから眺めたり高い所から見下ろしたりすみどりは美しいが、隣のみどりは鬱陶しく感じる人が多い」などの意見が出された。

 多摩市は先に「みどりの基本計画」を策定し、街路樹などの「みどり」を含めたみどりの質的向上(量から質へ)や愛でるみどりから関わるみどりへ方向を転換し、計画の推進には市民や事業者、市民団体などとの協働の取組みが前提とする考えを打ち出した。

左から大石氏、滝口氏、松原氏

 

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 記者は田舎育ちだから多少は樹木のことを知ってはいるが、まったくの素人だ。それでも、涌井史郎氏から教わった名言「木の名前と虫の名前と鳥の名前を覚えると、一歩、歩くごとに人生3倍楽しくなる」を少しでも実践すべく、20年も前から外に出ると街路樹の剪定具合を眺め草花を摘み、自らが住む団地では仲間と一緒に高木にも登り樹木剪定を行っている。涌井氏の名言は、自然を大切にすることと虫の視点(現場主義)と鳥の視点(鳥瞰)を併せ持つことが大事だという意味だ。ここ数年は森林・林業の再生こそ喫緊の課題だと考え、取材もするようになった。
 
 今回の例会も楽しみにしていた。時間が1時間半しかなく趣旨が「それぞれが意見を出し合うサロン」であったため議論があまり深まらなかったのは残念だったが、今回の例会をきっかけに市と市民団体などの連携が深まり、どこにも負けないみどりのネットワークが構築されることに期待したい。
 
 一つだけ行政に注文をつけるとすれば、立派な「みどりの基本計画」を確実に実行するために情報をどんどん公開して欲しいということだ。
 
 市も打ち出しているように、①大学や市民団体等と連携したみどりのホームページ立ち上げ及び運営支援②市民団体などや事業者、行政などの連携による情報ネットワーク体制の構築③ホームページや広報の活用によるみどりの活動の普及啓発④コンテストや表彰制度の実施-などが望まれる。この点については、これまで市が運営していたグリーンライブセンターを恵泉女学園やNPOなどと協働して運営するように再編したのはいいことで、他にない大きな武器になるはずだ。
 
 もう一つ付け加えれば、多摩市に限ったことではないが、道路法の「道路の付属物」という街路樹の規定を改めて欲しい。多摩市は平成20年に策定した「街路樹よくなるプラン」で「街路樹は単に『道路の付属物』ではなく街路を構成する素材の中で、唯一の生き物である特徴を生かした『うるおいとゆとり』のある快適な道路空間の創出」とうたっていることを実践して欲しい。
 
 情報公開・共有とも関連するが、多摩市のように緑があふれている地域はともかく、一般市民が緑をいちばん身近に感じるのは街路樹だ。その街路樹の維持管理に1本当たり年間1~2万円(多摩市は街路樹1万本に対して年間予算は約1億円。調布市は半分以下の3,860本に対して約8,500万円=平成18年度)の経費を掛け、電信柱のようにぶった切られている実態をみんなで知るべきだ。もちろん、街路樹だけでなく公園の維持管理費を含めると、多摩市の場合は年間で5億円ぐらいの経費がかかっている。街路樹を含めた「みどり」全体では4人家族で年間約16,000円の市税が投入されている勘定だ。それだけ税金を払っているのなら「みどり」に関わろうと考える人も出てくるのではないか。

鹿島建設・住友林業

国内初のスギ耐火集成材を採用した「oto no ha Cafe」

 


「野菜倶楽部 oto no ha Cafe」

 鹿島建設と住友林業は5月15日、国交省の平成24年度木造建築技術先導事業に採択された、国産スギ材の耐火集成材「FRウッド」を国内で初採用した3階建て耐火建築物「野菜倶楽部-oto no ha Cafe」の完成見学会を行なった。集成材は無処理の荷重支持部分の外側に難燃処理した燃え止まり層、表面に無処理の化粧材を施した3層構造で、都心部の木造耐火建築物のプロトタイプとして普及が見込まれている。

 建設地は目白通りに面し、東京カテドラル、講談社野間記念館、椿山荘に隣接した都心の一等地。敷地面積は約677㎡、建物は3階建て延床面積約243㎡。防火地域(道路から20m)に対応した耐火認定軸組工法建築に耐火集成材の柱、梁を組み入れた耐火建築物で、木製サッシ、無垢材フローリング床、スギのルーバー天井などの木質化を図ったのが特徴。事業の提案者は講談社グループの音羽建物グリーン事業本部、設計は鹿島建設、施工は住友林業。補助金額は1,580万円。有機野菜の販売と料理を提供する店舗として5月25日オープンする。

 見学会で挨拶した音羽建物ファシリティマネジメント部部長で1級建築士の塚本平一郎氏は、「当初は鉄骨造として企画したが、鹿島さんや住林さんの提案があり、無農薬の野菜を売る店舗にふさわしいと考えてコストはかかっても木造がいいと決断した。防火地域のハードルを乗り越えて立派な建物が出来上がった」と話した。

 また、住林の住宅事業本部木化営業部設計チームマネージャー・西出直樹氏は「国産材の自給率を50%に引き上げようという国の目標もあり、今年はそのスタートの年となるよう可能性を追求していく」と語り、鹿島の建築設計統括グループチーフアーキテクト・比留間基晃氏は、「実大加熱実験を行い、個々の耐火認定の組み合わせで耐火性能を有することを確認して耐火建築物の壁を乗り越えることができた。5本のFRウッドの柱・梁を使用し、外壁は塗装仕上げ、内装は木肌がそのまま体感できるよう工夫を施した」と述べた。


スギの木肌が美しい内部

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 建物の外観は塗装仕上げなので木造か鉄骨か判別は難しいが、建物内に入ると本物の木の美しさが実感できる。構造材は岩手県産のスギ、床は厚さ20ミリ、幅25センチのナグリ仕上げのナラ材、階段はタモ材、窓はベイマツの木製サッシを採用している。天井にはスギのルーバーを採用し、排煙を兼ねるトップライトを3カ所に設けている。隣接する野間記念館の借景も眺められる。

 このような木造の耐火建築物がどんどん建設されることを期待したい。鉄やコンクリートより木が美しいのはいうまでもない。

天井のルーバー テラス(左が野間記念館)

三井不動産レジデンシャル「パークホームズ目白ザ・フォレスト」

来場予約 土・日曜は6月上旬までほぼ満席

 


「パークホームズ目白ザ・フォレスト」完成予想図

 

 三井不動産レジデンシャルが6月中旬に販売開始する「パークホームズ目白ザ・フォレスト」を見学した。4月27日に予約制でモデルルームをオープンしたが、6月上旬まで土・日曜は約50席が全て満席で、平日でも20~30組が訪れているとか。人気は必至だ。

 物件は、JR山手線目白駅から徒歩9分、又は山手線池袋駅から徒歩9分、豊島区西池袋2丁目の第1種中高層住居専用地域に位置する5階建て全71戸。専有面積は38.49~89.11㎡、価格は未定だが坪単価は304~305万円程度になる模様。竣工予定は平成26年3月下旬。施工は三井住友建設。

 物件の特徴は、目白駅からほぼ一直線の閑静な住宅街を通れることと池袋駅も徒歩圏であることだが、それよりも道路を隔てて敷地南東側全面に江戸時代に狩場の休憩所になっていたと言われる「上り屋敷公園」があることが最大の特徴だ。公園内には見事なムクノキのほかケヤキ、サクラなどの大木も植わっている。38㎡のタイプを除く70戸の住戸がこの公園に面しており、将来にわたって南側の環境が担保される。また、現地は立教大学などとともに第一種文教地区にも指定されている。

 価格も割安感がある。記者は現地をみて〝これなら坪単価は320~330万円〟とはじいたが、冒頭に書いたように304~305万円に収まりりそうだ。単価が低く抑えられるのは、敷地北側の住棟以外の部分に都市計画道路が計画されていることもあるようだ。

 建物は白を基調とした外観で、梁内蔵耐震壁を戸境壁に採用することで居室内の梁型を少なくした三井住友建設のオリジナルスキット構法が採用されている。

 モデルルームの来場が多いことから、現地の販売責任者は「一挙販売もありうる」と話していた。

現地(右がマンション敷地) 公園のムクノキ

 

1時間にリンゴ800個、数時間に10万円の農産品が売れる

新宿区西早稲田の「こだわり商店」


安井氏

 近江商人の商法の基本とされる「三方良し(さんぽうよし)」という言葉がある。「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの「良し」を満足させるのが肝要という意味だ。この究極の顧客満足ともいうべき商売を実践している新宿区西早稲田の「こだわり商店」店主・安井浩和氏(35)に話を聞く機会があった。

 「こだわり商店」は、早稲田大学に近接した約400の店が加盟する「早稲田大学周辺商店連合会」の一角にある。麻雀屋だった空き店舗を改装した店舗の面積は約7坪。開業は平成19年10月。

 屋号にもあるように、商品の安全性、本物志向に徹底してこだわっているのが特徴だ。狭い店には宮城県南三陸町から栃木県茂木町、東京都桧原村などの産直品から米、野菜、魚、肉、調味料、酒、菓子類まで全国のあらゆる農産物や加工品が並べられている。業種としては食料品販売業と呼ぶのだろうが、いわゆるアンテナショップでもある。

 特徴はそれだけではない。ものを売るだけではなく、環境問題やバリアフリーの街づくり、地域の活性化などにも積極的に取り組んでいることだ。環境問題は15年前から早大と連携して早稲田商店会が取り組んでいるもので、安井氏もメンバーの一人として参加している。ハワイ旅行券をつけたり地域通貨などを発行したりなどして大ヒット。「街中から空き缶やゴミがなくなりました。子どもたちが旅行券や地域通貨ほしさにゴミ箱をあさる光景もみられました」

 バリアフリーの取り組みでは、当時、早大生だった乙武洋匡氏が電動椅子に乗り、いかに街にはバリアが多いかを訴えた。これも話題になった。

 修学旅行生の店頭販売・販売体験の手伝いを行なっているのも社会教育・ 地域貢献活動の一環だ。年間に受け入れる修学旅行生は約20校、約1,000人にのぼる。 商品の並べ方、名札の付け方、接客マナーなど販売のイロハを安井氏は手ほどきする。

 「ここの商店街はそれほど人通りが多いほうではありません。それでも、この前、青森の修学旅行生がリンゴを売ったら1時間で800個売れました。800個? 尋常じゃない数字。大きなスーパーの1日の売り上げと同じぐらいです。何が嬉しいかといえば、全然ものを売る経験などない子どもたちが最初は戸惑い、声も掛けられない状態から残り30分ともなると大騒ぎになる。その笑顔を見るのが嬉しいんです。学校だから利益を出しちゃまずいから、金額は赤十字などに寄付するんですが、社会貢献にもつながるわけです」

 こうした一連の活動がマスコミなどで取り上げられるようになり、いまでは全国から視察団が訪れるようになった。これまで約260団体に達している。

  
店頭販売する度会中学校の生徒

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 店を始めたきっかけが面白い。「父(潤一郎氏)がスーパーを経営しておりまして、私はその手伝いをしていました。3歳ぐらいのときから手伝わされていました。父は早稲田商店会の会長を務めており、その街づくりの活動から小泉チルドレンに走り、衆議院議員になったとき(平成17年の東京ブロック比例区で当選)、私に跡を継げと言ったのですが、スーパーの将来性なども考えて独立してやろうと決めました」「開業するに当たっては全国20~30カ所を見て回りました。自分で食べておいしいと感じたものしか売らないと決めました」

 栃木県茂木町の100アイテムを販売したのを皮切りに現在では32都道府県1,200アイテムに増えている。「全て産地直送。90%が無添加です。私が納得するものしか売らないので、食べてばかり。ウエストはこれごらんの通り」と大きな腹を抱えて笑う。


店頭に掲げられたPR看板

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 記者が安井氏と出会ったきっかけは次の通りだ。

 三菱地所が協力企業となっていた農水省のキックオフイベント「ジャパンフードフェスタ 2012」を昨年11月に取材したとき、わが故郷の三重県度会(わたらい)町が「度会茶」と「鹿のコロッケ」の販売をしており、そのとき町役場の方と話しをした。

 その町役場の方から「度会中学校の就学旅行で町の特産品の販売体験を早稲田の『こだわり商店』で行なうので取材してほしい」との連絡を受けた。

 正直、〝不動産に全然関係ない修学旅行生を取材して記事など書けない〟と思ったが、安井氏から話しを聞くうちに〝これは地域の活性化、環境問題、バリアフリーの視点から面白い記事になる〟と考え記事にした。 

 安井氏によると、「度会中学校さんはネットで当店のことを見つけてくれて来られました」とのことで、当日の模様は安井氏がブログで次のように書いている。

 「お陰様で、無事に事故もなく度会中学校の修学旅行地元産品PR販売が終了しました!過去最高売上の108,300円を記録しました!!最後に大隈講堂で売上発表してお決まりの一本締め!生徒代表から御礼の言葉を頂きました。『ビラ配りから販売に入り、売れなくても皆で頑張ろうと声を掛け合った結果、全ての椎茸を売り切ることが出来たのは本当に嬉しかったです』 この言葉を目をキラキラしながら皆の前で言ってくれたんです。今まで頂いた言葉の中で一番嬉しかった。販売始めの時間帯はやらされてる感があったのに帰り際にはこう変わるんです。もう見ていてゾクゾクするくらい気持ちのよい瞬間です」


販売風景

幟や看板で宣伝告知もする生徒

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 度会中学校の修学旅行生は3年生の82人。その生徒が3時間半ぐらいの間にしいたけ、お茶、あられなど金額にして10万円以上を売ったと地元の人が聞いたら仰天するのではないか。度会町は伊勢市に隣接した人口約8,500人の町。鎌倉時代、伊勢神宮の神官、度会氏が唱えたとされる「度会神道(伊勢神道)」発祥の地とされている。

 冒頭に近江商人の「三方良し」を取り上げたが、「近江泥棒、伊勢乞食」という言葉がある。これは県民性を示す言葉で、窮したときに取る行動を対比したものだと言われているが、そうではなくて高飛車な態度を取る近江商人と、手すり足すり低姿勢で臨む伊勢商人の商法の違いを意味する言葉だと記者は考える。数時間で過去最高の10万円の売り上げを達成できたのも「伊勢商法」のお蔭かもしれない。


全国から寄せられた感謝の手紙類

法被を着て宣伝する生徒


生徒と一緒に記念写真に納まる安井氏

ポラスグループ 木材プレカット工場 4カ所目の東北工場が稼動


右から中内代表、話を聞く村井知事、北大路プレカット事業部長


挨拶する中内代表

 ポラスグループは5月10日、木材プレカットの生産で国内トップを誇るポラテックの子会社のポラテック東北が宮城県加美町に建設した東北工場が今年2月に稼動したのに伴い竣工披露パーティを行なった。震災後初めての宮城県外からの大型立地案件で、村井嘉浩・宮城県知事、猪股洋文・加美町長らも参加し竣工をを祝った。

 東北工場は構造材が月産10,000坪(30坪換算で約330棟分)、垂木や間柱などの羽柄材が月産8,000坪で、将来的には加工機を増設して月産15,000坪(約500棟分)まで構造材の生産能力を高める。5月現在で工場の稼働は月産4,500~4,700坪。夏にはフル稼働を目指す。工場の敷地面積は約27,000㎡。地元採用は16名(新卒4名含む)。

 冒頭挨拶したポラテック東北の社長も兼ねるポラスグループ代表・中内晃次郎氏は、「震災後、当社にできる支援は何かと考えたが、確実に復興に役立つものとしてプレカット工場の建設にたどり着いた。地元の優秀な人材も16人確保できた。加美町の魅力の一つといわれるようにしたい」と語った。

 村井知事は、「震災後の住宅需要が逼迫しており、人がいない、材料が足りないという問題もあるが、工場建設は時宜にかなった事業。雇用も確保していただいたし、フル稼働するよう手伝っていく」と挨拶。猪股町長は、「雇用していただいた社員の一人は結婚したい人がいたが、非正規雇用だったため相手方の親御さんが首を縦に振らなかった。採用が決まってご両親に報告に行ったところ、その場で娘さんとの結婚の許可をもらった」と、工場建設に伴うエピソードを披露し会場を沸かせた。

 新卒採用の一人、後藤涼太氏(18)は、「震災で多くの家をなくされた方がいるので手助けしたい。両親も就職を喜んでくれた。まだ分からない部分も多いが、先輩に学んでしっかり技術を身につけたい」と話した。

 ポラテックは今回の工場の稼動により、茨城県、滋賀県、静岡県とあわせ4拠点で月産146,000坪(約4,800棟)の構造材加工能力を持つプレカット最大手としてシェア拡大を目指す。中内代表は「消費税の動向を見守りたいが、空白エリアの九州あたりが工場新設の候補」と、さらに拡大する意向を示した。


壇上で手を結ぶ関係者


後藤氏

ポラス プレカット日本一ポラテックの富士工場稼動(2013/3/7)

有為転変、諸行無常 …プロパストは再び輝きを取り戻すか


「ワザック流山おおたかの森」完成予想図

 プロバストが販売代理をしている東日本ハウス「ワザック流山おおたかの森」を見学した。もともとプロパストが企画した物件で、東日本ハウスが事業を継承し、突き板フローリング、ソーラーパネル、活水化システムを付加して分譲するものだ。

 物件は、つくばエクスプレス/東武野田線流山おおたかの森駅から徒歩3分、流山市流山都市計画事業新市街地地区一体型土地区画整理事業施工区域内に位置する10階建て全27戸の規模。専有面積は67.10~76.13㎡、1期(13戸)の価格は3,240万~4,120万円。竣工予定は2013年6月下旬。施工はりんかい日産建設。

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 モデルルームを見た瞬間、同社が一世を風靡した一連のマンションがよみがえった。冒頭の突き板フローリング、ソーラーパネル、活水化システムを除けば、商品企画はプロパストのそれだった。

 カラーリングはデザイン性を重視。リビングドアはソフトクローズ機能付き。キッチンの天井高はリビングと同じ 2420 ~ 2450 ミリ。洗面・トイレ手洗いカウンターもおしゃれなものを採用している。

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 同社のこれまでの足跡をたどるとまさに有為転変、諸行無常の言葉がぴったりだ。

 記者が同社のマンションを最初に見学したのは2002年竣工の「コンパートメント東京中央」(208戸)だった。まるでブティックのような販売事務所の造作や白と黒、赤を基調としたカラーリングに仰天した。

 以来、「レゾンデパン大磯」(48戸)「プラティーク日本橋」(86戸)「ラ・マーレ白金」(67戸)「レジデンシア春日安藤坂」(105戸)「ラ・プラース ウエスト」(120戸)「オリゾン マーレ」(396戸)「ガレリア グランデ」(413戸)「リヴィエ マーレ」(207戸)「プラーサ ヴェール」(524戸)など主だったものを全て見学してきた。

 同社はモデルルームの飾る花1本を探すのに都内の花屋を駆けずり回り、パンフレットを入れる紙袋は手垢の跡が目立たないようコーティング加工までした。敷地内の松の大木を残すため建物の形状を変えることもためらわなかった。記者はそうした同社のこだわりとマンション事業に対する熱い思いに共感するものがあった。

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 同社は2006年12月、ジャスダックに上場。株価が暴騰した。その矢先、サブプライム、リーマン・ショックが同社を襲った。マンション事業だけでなく流動化事業などにも手を広げていた同社の経営を直撃。瞬く間に〝死に体〟状態に転落。2010年には法人税などの滞納により同社の銀行口座や保有する販売用不動産などが都や国税局から差し押さえされ、同年5月、民事再生法の適用を申請した。負債額は554億円だった。上場は廃止せず、その後、債務の株式化、債務免除などで2011年2月18日付で民事再生手続の終結決定がなされた。

 今後の事業展開については、同社の強みであるデザイン力やプレゼンデザイン力を生かして不動産企画事業や販売代理業務を展開し、事業規模の大きなプロジェクトに関しては、共同事業のスタイルによりコスト負担を抑制しつつ事業拡大を図るとしている。

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 デザイナーズマンションの草分け的な存在である同社が再び輝きを取り戻すことができるのか見続けたい。現在、自社分譲の「レジデンシア新横浜」(40戸)は1カ月も経過していないにもかかわらず約半分が売れているという。

プロパスト 民事再生手続き 上場維持しながら再建へ(2010/5/14)

三井不動産 今期戸建て分譲 過去14年間で最多の950戸


同社が昨年分譲した「ファインコート目黒」

 三井不動産の平成25年3月期決算は、「賃貸」「分譲」「マネジメント」の主要3セグメントで増収増益となったことから売上高は過去最高の1兆4,456億円、前期比1,075億円(8.0%)の増収、営業利益は1,481億円、同比221億円(17.6%)の増益、経常利益は1,230億円、同比205億円(20.1%)の増益、当期純利益は594億円、同比93億円(18.6%)の増益となった。

 次期は売上高1兆5,300億円(前期比5.8%増)、営業利益1,600億円(同8.0%増)、経常利益1,320億円(同7.3%増)、当期純利益650億円(同9.3%増)を予想している。

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 同社の売上高が過去最高となったのは、ここ10年ぐらい賃貸ビルや商業施設を積極的に増やし、マンションや戸建て分譲もコンスタントに販売してきたので当然の数字だと思う。有利子負債は2兆1,202億円と2兆円を突破したが、金利安が続いており業績を圧迫するまでにはいたっておらず、首都圏オフィスビルの空室率も3.8%(前期末4.4%)と低下しており、分譲住宅の完成在庫もマンション223戸、戸建て57戸の合計280戸(前期末404戸)と大幅に減少している。

 売上高の過去最高は平成21年3月期の1兆4,189億円で、営業利益と経常利益の過去最高は平成20年3月期のそれぞれ1,792億円、1,628億円だ。このまま推移すれば来期あたりに営業利益、経常利益とも過去最高を達成しそうだ。

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 記者が注目したのは戸建ての収益と戸数だ。当期は464億円(前期比30億円増)、795戸(同9戸減)で、戸当たり単価は5,848万円(同450万円増)となったが、次期の戸数は950戸(同19.5%増)を予定している。

 以下に同社の戸建の収益と戸数を紹介する。

・ 2000年3月期  475億円  821戸
・ 2001年3月期  432億円  769戸
・ 2002年3月期  462億円  900戸
・ 2003年3月期  469億円  921戸
・ 2004年3月期  396億円  841戸
・ 2005年3月期  330億円  676戸
・ 2006年3月期  355億円  706戸
・ 2007年3月期  354億円  707戸
・ 2008年3月期  353億円  713戸
・ 2009年3月期  301億円  572戸
・ 2010年3月期  444億円  829戸
・ 2011年3月期  502億円  925戸
・ 2012年3月期  434億円  804戸
・ 2013年3月期  464億円  795戸

 つまり950戸という戸数は過去14年間で最多になる。2000年3月期以前の数字は把握していないが、同社はバブル崩壊後、自社開発による面開発は行なっておらず、あるいはバブル崩壊後でも最多となるかもしれない。

 マンションほど戸建ての販売戸数はマスコミも注目しないが、一建設グループを筆頭とするいわゆるパワービルダーやハウスメーカーを除いたデベロッパーの中では同社が断トツの多さだ。2位の野村不動産は2013年3月期で売上高353億円、638戸を計上し、三井不動産を追撃する態勢を敷いているようだが、この差は詰まるのかつまらないのか。他のデベロッパーも戸建てを増やす意向で、戸建て市場が面白くなる。

〝オール三井〟の記念碑的都市型戸建 三井レジ「目黒」(2012/5/25)

 

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