大京・大和ハ「ザ・スカイクルーズタワー」7割売れる
大京・大和ハウス「ザ・スカイクルーズタワー」
駅前再開発タワー すでに7割が売れる
「ザ・スカイクルーズタワー」完成予想図
大京(事業比率51%)と大和ハウス工業(同49%)が共同で分譲中の「ザ・スカイクルーズタワー」を見学した。風俗街に近接はしているが、駅前の再開発で買いやすい価格帯が人気になっているようだ。
物件は、京急本線日ノ出町駅から徒歩1分の横浜市中区日ノ出町1丁目に位置する22階建て全187戸(非分譲住戸49戸含む)の規模。竣工予定は平成27年1月31日。施工は五洋建設・馬淵建設。設計は松田平田設計。近く分譲する3期(戸数未定)の専有面積は 40.05~76.11㎡、予定価格は2,500万円台~5,000万円台(最多価格帯3,700万円台・4,900万円台)、坪単価は200~220万 円。
6月から分譲開始されており、現在まで約7割が販売済み。プレミアム住戸の21・22階の18戸は完売している。
現地は、日ノ出駅を降りてすぐで、敷地東南側に大岡川が流れ、親水護岸・親水広場も整備される。建物は容積・高さ規制の緩和を受けており、制震構造、逆梁ハイサッシ、SIを採用。基壇部に煉瓦風タイルを配し、5~7階は壁面緑化を施し、屋上には菜園も設置する。1階から3階までが店舗、4階から8階が有料老人ホームが入居し、住居は9階以上。住戸プランは単身者・DINKSからファミリーまで多彩で、天井高は約2,500ミリ。
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単価を聞いてかなり安いと思った。坪単価250万円は高くて230万円ぐらいではないかと思ったが、平均すると220万円もしないという。2カ月ぐらいで7割も売れているというのは、再開発の駅前タワーで買いやすい価格帯であるのが全てのような気がする。競合物件もあまりないという。
単価が安いのと関連があるのだろうが、いま一つよく分からないのが立地条件に対する評価だ。物件は市営地下鉄桜木町駅まで徒歩8分なので、桜木町駅圏のマンションとして考えるならかなり割安であるのは間違いない。しかし、住環境としてはやはり考えざるを得ない。
記者は、この日ノ出町から黄金町にかけてマンション取材のついでに街を歩いたことがある。風俗店が軒を連ねている一角があり、その光景は異様だった。成人向けの店舗であることを明示する極彩色の「18禁マーク」は、「放射線マーク」と同じかそれ以上のデンジャラスゾーンを連想させる。馬券売り場は嫌悪施設だとはあまり思わない。
最近は横浜市、警察、地元などが一体となって街の浄化作戦を展開しており、昔と比べてずいぶん良くなっているようだ。購入者は街の現状は百も承知で、将来を先読みしているということだろう。
物産本社ビル建替え 2haを三井不と共同で再開発
三井物産 本社ビル建替え 三井不と一体2haを再開発
三井物産と三井不動産は8月8日、大手町一丁目2番街区の一体開発事業を共同で行うことで基本合意書を締結し、事業の一環として三井物産は同街区内にある同社本社社屋の建替えを行なうと発表した。
事業は、大手町一丁目2番街区にある三井物産所有の「三井物産ビル」、三井不動産所有の「大手町一丁目三井ビルディング」、両社共同 所有の「大手町パルビル」を一体で開発する計画で、敷地面積は2万㎡を越える。三井物産は来年度中に仮事務所へ移転し、2015年に解体工事に着手、 2019年の新社屋完成を予定。
今後見込まれる本事業への投資額は三井物産が約1,200億円、三井不動産が約500億円を想定している。
東急不 会員制リゾート「熱海伊豆山&VIALA」開業
東急不動産 会員権リゾートホテル
「東急ハーヴェストクラブ熱海伊豆山&VIALA」 開業
眺望テラス
東急不動産は8月6日、同社の会員権リゾートホテル「東急ハーヴェストクラブ熱海伊豆山& VIALA」の完成披露内覧会を報道陣向けに行い、8月11日に開業すると発表した。
物件は、JR熱海駅から車で約5分、熱海市伊豆山字奥鳴沢に位置する敷地面積約28,507㎡。建物は地上4階地下4階建て客室総数 182室(「熱海伊豆山」133室、「VIALA」49室)。客室面積は「熱海伊豆山」が37~63㎡、「VIALA」が50~120㎡。会員権は共有制で、募集口数は「熱海伊豆山」が1,500口、「VIALA」が564口の合計2,064口(1室当たり約12口)、募集価格は「熱海伊豆山」が620万 円/口、「VIALA」が909.5万円/口。販売代理は東急リゾート。
会員には年間30枚の宿泊利用券が発行され、「熱海伊豆山」は1泊1名3,780円、「VIALA」はルームチャージ制で12,600~27,300円。無記名式のため、会員が署名捺印した利用券であればメンバー料金で利用できる。
外観
エントランスのクスの巨木
現地は、多くの文人が逗留したという老舗旅館「桃李境」の跡地。樹齢120年を越えるクスの大木がエントランスの中央に植わっているほか、既存樹を極力残した外構計画が特徴。海抜75mの現地からは相模湾、初島・熱海市街地が一望できる。
客室は洋室、和室、和洋室のほかペット対応などもあり、「VIALA」は全客室に温泉露天風呂が付き、専用プール付きや 120 ㎡のスイートルームもある。
レストランは和食とカジュアルダイニング、フレンチの3種。和食の営業時間は24時まで(ラストオーダーは23:30分)。共用施設は温泉大浴場、屋外・屋内・スパプール、エステサロン、ゲームコーナー、キッズルームなど。
内覧会に臨んだ同社リゾート事業本部ハーヴェスト事業部 事業企画グループ グループリーダー課長・中村賢氏は「1室12口の少数オーナー制にすることで予約が取りやすいようにしているほか、無記名式なので30枚の利用券も使いやすく、他の施設も利用できるのが特徴。今後も来年開業予定の『東急ハーヴェストクラブ京都鷹峯& VIALA 』を含めネットワークを全国に広げていく」と語った。
「ハーヴェストクラブ」は1988年、「蓼科」を第一号店として開業。今年で25周年を迎え、今回の施設開業により全国25カ所、客室数 2,740室、最大募集口数 27,132口となった。会員数は約2.2万人。2013年度の売上高は105 億円(前年度104億円)、稼働率は58.5%(同58.1%)を目指す。今回の施設の販売状況も好調で、募集率は「熱海伊豆山」が61%、 「VIALA」が86%。
「VIALA客室」 屋外プール(夜景)
眺望テラス
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同社の会員制リゾートホテルを見学するのは初めてだが、随所に天然石や無垢材が採用されており、設備仕様は都心の高級ホテル並だと思った。
熱海・伊豆は取材でも個人でもよく訪ねており、回数にすれば20回は下らないはずだが、坪単価400万円、500万円のリゾートマンションを含めこれほど眺望・施設が優れた施設は初めてだ。
関係者も「熱海は低料金の施設と隠れ家的な高級旅館とに二極化が進んでいるが、当社と戦う相手はいない」と話した。
レストラン 和食
石張りの廊下・壁
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熱海駅から徒歩2分の一等地に建設が中断したままのリゾートマンションがある。ジョイント・コーポレーションの30階建て「アデニウム熱海グランドタワー」(513戸)だ。同社が2009年6月に会社更生手続開始に伴い工事は中断したままになっている。分譲前のモデルルームを見学しているが、坪単価は250~260万円と見られていた。施工は五洋建設だった。
現在、土地の所有権はジョイント以外に移っているが、熱海市は「リゾートマンションより宿泊施設を希望している。その後、ポツポツ開発の話が入ってきているが、開発許可はジョイントさんのまま。登記簿がどうなっているのかは確認していない」と話している。
記者も、市の活性化にはリゾートマンションより、コンベンション機能を備えたワールドワイドなホテルのほうがいいと思う。リッツもハイアットリージェンシーも乗り気になるのではないか。駅前の既存ビルと一体開発すれば一大リゾート拠点になる。
中古リゾートマンションの売買は昨年より活発で、1,000万円クラスが動いていると話を聞いた。
熱海駅前(バブル前とはすっかり様相が変わってしまった)
積水ハウス 平成26年1月期第2四半期業績を上方修正
積水ハウス 平成26年1月期第2四半期業績予想を修正
積水ハウスは8月5日、平成26年1月期第2四半期(平成25年2月~7月)の連結業績予想を修正。売上高は8,400億円(当初予想比2.4%増)、営業利益は540億円(同17.4%増)、経常利益は560億円(同20.4%増)、四半期純利益は330億円(同26.9%増)とした。前年同期比では売上高は10.8%増、営業利益は62.3%増、四半期純利益は93.3%増となる見込み。
修正の理由として、全社的な収益構造改革が進み、戸建住宅、賃貸住宅の請負が堅調に推移しているためとしている。通期予想については、現在の好調な受注状況や今後の動向を踏まえ精査中としている。
優秀マンション表彰は総体で評価すべき
マンションは総体として評価すべき
週刊住宅「首都圏優秀マンション」表彰について
「週刊住宅」の平成24年度「首都圏優秀マンション」表彰で最優秀賞に三井不動産レジデンシャル「パークコート千代田富士見ザタワー」と野村不動産・三菱商事「プラウド船橋」が選定された。また、「都心中規模マンション」では野村不動産・三井物産「プラウド南麻布」、「都心小規模マンション」には野村不動産「プラウド高輪三丁目」、「郊外中規模マンション」では大京「ライオンズ立川グランフォート」、「週刊住宅新聞社賞」には東急不動産「ブランズ四番町」がそれぞれ選定された。「郊外中規模マンション」は該当作がなかった。
この受賞について異論を挟むつもりはない。それどころか、パークコート千代田富士見ザタワー」と「プラウド船橋」は2物件とも、記者も昨年の「ベスト3マンション」に選んだぐらいだから、もっともな評価だろうと思う。異なるのは記者は「甲か乙か」というような評価をしていないという点だ。都心の富裕層向けと郊外の第1次取得層向けの物件に点数を付けて比較することなど記者はできない。
残念なのは、都心、郊外、大規模、中・小規模ともほとんど全てが「大手」物件で、中小デベロッパーが得意とする「郊外中規模マンション」に該当物件がないことだ。これは、リーマンショック後、加速度的に進んでいる大手の寡占化市場の反映だろう。
しかし、それでも中小デベロッパーの事業、物件を顕彰する意味でも選定する努力をしてほしい。そもそも千葉や埼玉の物件というだけで基礎点が少ないというのも問題だし、都心に近い物件ほど、中小規模より大規模物件のほうが基礎点が高いという配点は再考の余地があるのではないか。これは不公平だ。
つまり、「立地」「専有部」「住環境」「建物・構造」などを点数化・ランク付けして評価すること自体に問題がある。マンションの性能をレーダーチャートに落とし込むことは簡単ではない。仮にそうしたところで、マンションを評価したことにはならない。
最悪の立地条件であっても、商品企画に工夫を凝らしユーザーの心を捉えた物件は数え切れないほどある。子育て環境を重視すれば、駅に近い商業地域のマンションより駅から遠い住居系用途地域のほうがいいことも考えられる。2,000万円台、3,000万円台の第1次取得層向けの中小規模マンションにコストアップ要因となる免震を採用し、共用施設・設備仕様を充実させることなどは極めて困難なことだ。
さらに言えば、マンションの評価は絶対評価でも相対評価でもない総体として評価すべきだと思う。記者がいつも念頭に置いているのは、その土地の特性を最大限に生かす工夫がなされているか、難点をいかにカバーするか、ユーザーの取得意欲を刺激するものかどうかだ。広い意味でデザイン性にも目を配る。
皇居が一望できる唯一無二の地所レジ「千鳥ケ淵」
皇居が一望できる唯一無二のマンション
三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス グラン 千鳥ヶ淵」
バルコニーからの皇居の眺め(完成予想図)
眼下に皇居が見渡せる唯一無二のマンション-三菱地所レジデンスは8月5日、「ザ・パークハウス グラン 千鳥ヶ淵」の記者発表・モデルルーム見学会を行なった。全住戸から皇居が見渡せるという分譲マンションとしてはわが国初で、おそらくこれが最後と思われる物件だ。一般の事前公開は8月24日からで、分譲開始は9月。
物件は、東京メトロ半蔵門線半蔵門駅から徒歩7分、千代田区三番町2番1(地番)に位置する敷地面積約2,300㎡、地下2階地上14階建て全73戸(事業者協力住戸51戸含む)。専有面積は72.26~179.17㎡、予定価格は16,000万円~54,000万円(最多価格帯27,000万円台)、坪単価は約800万円。施工は竹中工務店。設計監理は三菱地所設計、竹中工務店。インテリアデザインはメックデザインインターナショナル。竣工予定は2015年3月下旬。敷地は飛島建設の旧本社跡地。
同社のフラッグシップマンションシリーズ「ザ・パークハウス グラン」としては第3号物件で、バブル崩壊後の同社のマンションとしては最高単価マンション。また、リーマンショック後の首都圏マンションとしては最高単価でもある。
全住戸から千鳥ヶ淵越しの皇居の緑が一望できる配棟計画としているのが最大の特徴で、免震工法を採用。建物は「軒」「庇」などの伝統的な日本建築の特徴を継承したデザインとし、外壁などには濠の水面や緑と調和する色合いの御影石を使用。陰影のある外観や周辺環境と一体性を持たせ、各住戸はゆとりある開口部・高い天井高を実現した。
特別仕様のモデルルームは、床にキャンプブルーと呼ばれる大理石、建具・面材にブラジル産のパープルウッド、冷蔵庫はドイツ製で1,000万円もする造り付けのものを採用。上階2層の階高は3,710ミリで、リビングの折り上げ天井部分は2,800ミリ。通常階の階高は約3,400ミリで、建具・面材は桐材、床は大理石、キッチン面材には黒檀を採用している。
外観(完成予想図)
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記者の最大の関心事は、このマンションが三井不動産レジデンシャルの「パークマンション千鳥が淵」(2004年竣工、64戸)の坪単価778万円を越えるかどうかだった。坪単価そのものはリーマンショック前の三井不動産レジデンシャル「パークマンション六本木」は1,140万円だし、1戸あたり10億円超はたくさんある。バブル期にさかのぼれば坪単価2,000万円、3,000万円は当たり前だったし、1戸44億円のドムスマンションもあった。
しかし、三菱地所レジデンス副社長・瀬川修氏が「三井さんの物件は首をひねらないと皇居は見えない。全住戸から皇居が見えるのは当社のマンションと隣接の賃貸マンションしかない」と語ったように、皇居が一望できる唯一無二のマンションだ。そのマンションが三井不動産レジデンシャルのマンションに負けるようでは情けない。坪800万円は納得だ。
配棟計画図
◇ ◆ ◇
記者見学会で配布されたリーフレットには「この場所に居を構えるとき … その住み心地は、清々しいまでの心地よさに満ちている」とのコピーがあった。記者は「これは違う」と率直に思った。このマンションはありきたりのコピーでは表現できないマンションだ。
マンションの宣伝コピーには辟易させられるものが多いが、今回のマンションは「春、華咲くこの地から、また新しい時が動き出す」「冬、無垢なる雪景が、冴え冴えとした空の下に広がる」「この国の空は、美しい」などとそれなりに皇居が見渡せる光景を表現はしている。しかし、皇居を眼下に見渡したとき、「清々しい心地よさ」を感じるだろうか。否、もっと〝お前はまっとうな生き方をしているか〟が問われるような厳粛な気持ちになるのではないか。背筋をピンと伸ばし、それこそ皇居に向かって平伏するか、三跪九叩頭する人がいても不思議ではない。
そんな考えがあったからこそ、同社のマンションは〝唯一無二〟にふさわしい価格を設定してほしかったのだ。しかし、まあ、毎朝、皇居に向かって緊張を強いられるマンションなど他にはない。ふしだらな格好もできないだろうから、記者などはお金があっても絶対買わない。人格者に買って欲しい。成金や国粋主義者には遠慮していただきたい。そんなマンションだ。
モデルルーム エントランス ロビー
キッチン
西武立川 三井レジ&大和ハウス「アユモシティ」好調
三井不動産レジ&大和ハウス「アユモシティ」が好調
「ファインコート西武立川アユモシティ」
西武立川 マンション146戸・戸建105区画が半年で売れる
三井不動産レジデンシャルが西武拝島線西武立川駅前で開発中の戸建て「ファインコート西武立川アユモシティ」を見学した。7月に第1期40戸が分譲され、8月3日には第1期2次として12戸が分譲されるように好調なスタートを切った。
現地は、西武拝島線西武立川駅から住宅街区入口まで徒歩2分、立川市西砂町一丁目に位置する開発総面積が約6.7ha、総戸数259区画の「アユモシティ」の一角にあり、同社の持分は168区画(残りの91区画は大和ハウス工業)。第1期 2次の土地面積は100.10~ 113.92㎡、建物面積は98.02~106.90㎡、価格は3,890万~4,690万円(最多価格帯4200万円台)。建物は2×4工法2階建て。施工は西武建設、エステーホーム。建物は全て完成済み。
4月下旬からモデルハウスを公開。7月7日に第1期として40戸を供給、この8月3日には第1期2次として12戸が販売される。郊外の都市型戸建てとしては売れ行きは好調だ。
「ファインコート西武立川アユモシティ」
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三井不動産レジデンシャルが都市型戸建てシリーズ「ファインコート」の供給を開始したのが1995年。現在まで18年が経過するが、主な供給エリアは東京都多摩地区、横浜エリアが中心で、最近は準都心や都心部でもコンスタントに供給している。年間700~800戸で推移してきた。同社は今期1,000戸ぐらいの売上げ計上を予定しているが、この物件も売上げ増に寄与するのだろう。
今回の「西武立川」は最多価格帯こそ4,200万円だが、4,000万円を切る物件も結構ある。これほど低価格の「ファインコート」を見学するのは初めてだった。街並みも建物の設備仕様もこれまで見学したものとはやはり異なった。それでも3,000万円台がほとんどのいわゆるパワービルダーの建売住宅とは街並みや建物デザインは全く異なるもので、差別化はできている。
駅前の大規模開発で取得しやすい価格帯、駅前のスーパーも開業したことなどが人気の要因のようだ。
◇ ◆ ◇
三井不動産レジデンシャルより先行して停止条件付宅地分譲・戸建て分譲を行なっている大和ハウス工業の「フローラルアベニュー西武立川アユモシティ」も好調のようだ。全91区画のうち7月末現在、53区画が契約済みだ。太陽光発電システム、エネファームなども採用しているので三井不動産レジデンシャルの物件より価格は高いようだが、こちらも売れ行きはいい。
「フローラルアベニュー西武立川アユモシティ」
双方を合わせると100戸・区画以上が半年ぐらいの間に売れていることになる。名鉄不動産のマンション「ソルヴィエントメイツ西武立川」146戸も数カ月で完売している。もともとこの開発はコスモスイニシアが主導していたもので、リーマンショックの影響で開発を断念した。コスモスイニシアは複雑な気持ちで眺めているのではないか。
この西武立川より2駅手前の「玉川上水」では、野村不動産が「プラウドシーズン玉川上水」(全134戸)の第1期分譲45戸を明日(8月2日)から分譲開始する。こちらは最多価格帯は4,500万円台。売れるから供給するのだろ。郊外マンションも戸建ても絶好調だ。
スーパー「ヤオコー」 駅のホームから団地を望む
首都圏3棟目の免震&長期優良「カワサキ・ミッドマーク」
モリモト・大和ハウス「カワサキ・ミッドマークタワー」
首都圏で3物件目 免震で長期優良住宅
「カワサキ・ミッドマークタワー」完成予想図
モリモト(事業比率50%)と大和ハウス工業(同)の共同事業マンション「カワサキ・ミッドマークタワー」を見学した。川崎駅東口の物件としては15年ぶりで、しかも徒歩4分の免震タワー、全戸南向き、長期優良住宅という希少性の高いマンションだ。
物件は、東海道本線・京浜東北線・南武線川崎駅から徒歩4分、川崎市川崎区砂子2丁目に位置する20階建て全159戸の規模。専有面積は55.01~96.81 ㎡、価格は未定だが坪単価は250万円弱になる模様。竣工予定は平成27年8月下旬。設計・監理は安宅設計。デザイン監修はアーキサイトメビウス、カン・デザイニングオフィス。施工は東亜建設工業。販売代理はモリモト。
現地は、川崎駅東口の行政・金融・商業などが集積するエリアのど真ん中。建物は老舗店舗「ヌマヤ」の建て替え事業でもあり、建て替えだったからこそ繁華街の中心部でもこれほどの規模のマンションが建った理由のようだ。住宅は4階以上となる。周囲にはビルやマンションなどが建ち並んでいるが、南側は5~6階以上は抜けているのが特徴。
免震タワーではあるが、19~20階住戸を除く戸境壁は乾式間仕切り壁ではなく通常のマンションと同様のコンクリート壁を採用。また、逆梁アウトフレーム工法を採用しているためサッシ高は2200ミリを、リビング天井高は2500ミリをそれぞれ確保している。
分譲開始は9月からで、これまで問い合わせ件数は約1,200件。
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デザイン監修はアーキサイトメビウスが、モデルルームのデザインは鈴木ふじゑ氏がそれぞれ担当していることでも分かるように、商品企画は明らかにモリモトのものだ。最近の同社のマンションでもこのコンビの物件をたくさん見てきた。
今回の物件は、これまで同社があまり供給したことがない(蒲田の物件はあったが)商業地域のど真ん中に位置しており、この点がどうユーザーに評価されるか今ひとつ分からないが、物件そのものはいい物件であるのは間違いない。
同じ川崎駅圏に限れば、同社は「ラゾーナ川崎」の隣接地で「クレッセント川崎タワー」(365戸)を6年前に供給しており、圧倒的な人気を呼んでいる。単価は坪260万円を越えていた。もちろんファミリーが住むなら「川崎タワー」のほうだろうが、今回はまた違ったユーザーの関心を呼ぶのだろう。
川崎駅圏で免震工法を採用しているのは「川崎タワー」に次ぎ2棟目だ。市内の長期優良住宅としては川崎市住宅供給公社の「川崎ケートタワー」に次ぎ2物件目だ。免震でかつ長期優良住宅というのは三菱地所レジデンス・鹿島の「ザ・パークハウス晴海タワーズ」と、三井不動産レジデンシャル「パークタワー東雲」ぐらいしかないはずだ。今回が3物件目になる。
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中堅のデベロッパーにひと言。今回の物件は、モリモトが相対取引でマンション建設にこぎつけ、大和ハウスに共同分譲の話を持ちかけたようだ。大和ハウスといえば売り上げではわが国一のハウスメーカー・デベロッパーだ。そんな大企業と組めるのは中堅デベロッパーでは同社だけだ。地所レジの「晴海」も三井の「東雲」も素晴らしいマンションだが、免震・長期優良としては3件目を企画したのがモリモトというのは価値がある。
今回の現地販売事務所の担当者が「鈴木さん(ふじゑ氏)はいつも楽しみながらやってくださる」と話した。この言葉からもプロが同社のマンション商品企画に関わる意気込みが伝わってくるではないか。これからの時代、大手の隙間を埋めるだけのデベロッパーは生き残れない。大手と対抗できる、あるいはオンリーワンの企画力を武器にしなければならない。
最近、同社が分譲した「ディアナコート小石川播磨坂」(20戸)が即日完売したそうだ。単価は370万円ぐらいだったようだ。現地の場所を地図を確認したので人気になる立地であるのは理解できるが、同じ茗荷谷では野村不動産が分譲して人気になった「プラウド茗荷谷」(分譲戸数59戸)の単価と同じぐらいだ。戸数こそ少ないが〝プラウド〟と堂々と渡り合えるのも同社だけだ。
住宅着工 消費税にらんだ駆け込みで大幅増
6月の住宅着工 消費税にらんだ駆け込みで大幅増加
国土交通省は7月30日、6月の新設住宅着工戸数をまとめ発表した。総戸数は83,704戸で、前年同月比15.3%増、10カ月連続の増加となった。内訳は持家が30,699戸(前年同月比13.8%増、10カ月連続の増加)、貸家が30,504戸(同13.1%増、4カ月連続の増加)、分譲住宅が22,029戸(同24.3%増、2カ月連続の増加)。分譲住宅の内訳はマンションが10,274戸(同46.0%増、2カ月連続の増加)、一戸建て住宅が11,651戸(同9.4%増、10カ月連続の増加)。
首都圏マンションは、東京都が2,883戸(前年同月比6.5%減)、神奈川県が1,167戸(同142.1%増)、埼玉県が408戸(同142.9%増)、千葉県が525戸(同5.1%減)。
着工動向について国交省は「リーマンショックを受けた大幅な下落(平成21年度)以降、緩やかな持ち直しの傾向が続いてきたが、このところ、消費マインドの改善等もあり、堅調に推移している。今後の先行きについては、雇用・所得環境の推移、東日本大震災からの復興状況、建設労働者の需給状況、住宅ローン金利の動向等を引き続き慎重に見極める必要がある」としている。
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このところの着工戸数の増加は明らかに消費税率アップを睨んだ駆け込みだ。住宅の場合は、引渡し時期のいかんに関わらず今年9月30日までに契約すれば、消費税率は現行の5%に据え置かれることになっている。住宅は金融商品ではないから冷静な対応が必要だ。
住んでみたい街3位 脅威の売行き野村「武蔵小杉」
「住んでみたい街」3位に浮上した武蔵小杉
野村不動産・相鉄不動産「プラウドタワー武蔵小杉」
記録的な一挙分譲戸数
「プラウドタワー武蔵小杉」完成予想図
野村不動産と相鉄不動産の共同事業マンション「プラウドタワー武蔵小杉」を見学した。全分譲住戸433戸のうち5月に第1期310戸が供給済みで、この8月4日には第2期として85戸が抽選分譲される。分かってはいるが、信じられない売れ行きだ。
物件は、東横線・目黒線・南武線武蔵小杉駅から徒歩4分、川崎市中原区小杉町3丁目に位置する45階建て全450戸(非分譲17戸含む)。第2期85戸の専有面積は60.70~83.41㎡、価格は5,072万~6,773万円 (最多価格帯6,500万円台)、坪単価は280万円。竣工予定は平成27年1月下旬。施工は清水建設。
武蔵小杉のマンションについてはこれまでたくさん書いてきたので詳細は省略する。これまで再開発エリアはもちろん周辺物件も含めるとこの数年間で十数物件を取材している。ごく一部の物件をのぞきことごとく早期完売している。野村不動産にとっては初のタワーマンションだが、この4カ月で全分譲戸数の90%を越える戸数を供給するのだから驚異的だ。神奈川県下ではリーマンショック後では最多一挙供給戸数だろう。
人気の要因の第一は言うまでもなく「武蔵小杉」のポテンシャル。今年に駅ビルが完成してまた一段と人気が高まったようだ。長谷工アーベストが昨日発表した「住んでみたい街(駅)ランキング」の調査結果で、「武蔵小杉」は前年の17位から一挙に3位に浮上したという。トップの「吉祥寺」、2位の「自由が丘」に次ぎ、同じ3位が「横浜」だというから驚きだ。
もう一つは〝プラウド〟ブランドだろう。建物は清水の制震工法を採用したSIで、食洗機、ミストサウナが標準装備。居室の引き戸はソフトクローズ機能付き。74㎡のモデルルームは完全なPP分離型で、①家族の時間②夫婦の時間③各人の独立した時間-を提案したプランもいい。ミストサウナは体験コーナー付きで、共用施設については「いいね」ボタンを来場者が押すことで評価が高まるようになっていた。
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このマンションの早期完売は見えた。いよいよこれからはこのエリアの再開発は最終段階にさしかかる。これから分譲されるのは現段階で4プロジェクト残すのみとなった。
一番早く分譲されるのは、この秋に住友不動産が分譲開始する53階建て免震タワーマンション「シティタワー武蔵小杉」(800戸)だ。その次に供給されそうなのは、駅北側の三井不動産レジデンシャルとJX日鉱日石不動産の54階建てツインタワー「小杉町2丁目」(1,280戸)で、着工準備中だ。その次は今年度中に都市計画決定される予定の「小杉町3丁目東地区」で、三井不動産レジデンシャルと東急不動産が約520戸のタワーマンションを予定している。さらにもう一つは、駅北口すぐのホテル・ザ・エルシィの跡地開発で、三井不動産レジデンシャルとUR都市機構がタワーマンションを建設する予定だ。戸数は未定だが400戸ぐらいになるか。
この再開発エリアでどれぐらいマンションが供給されるか調べないと分からないが、8,000戸ぐらいになるのではないか。周辺マンションを含めるとあるいは1万戸ぐらいになるかもしれない。第一号の「THE KOSUGI TOWER 」(689戸)が分譲されたのは2006年だから、わずか7年しか経過していない。マンション単価も「THE KOSUGI TOWER 」は220万円ぐらいだったから、これまたすごい。これほどの街で立派なホテルがないのはどういうわけか。これが不思議だし、どうして150余年かけて街のポテンシャルを築き上げてきた「横浜」と肩を並べるのか。これまた記者には理解できない。