大京リアルド 1棟リノベーションに参入「稲毛」で分譲
大京リアルド リノベーション事業に参入 「稲毛」で分譲
「グランディーノ稲毛海岸」完成予想図
大京グループの不動産流通事業、賃貸管理事業などを手掛ける大京リアルドが1棟マンションのリノベーション事業「グランディーノ」を立ち上げ、第1号となる「グランディーノ稲毛海岸」の棟内モデルルームを6月8日(土)にオープンする。販売開始は6月下旬。
物件は、京葉線稲毛海岸駅から徒歩5分の4階建て全23戸の元社宅。専有床面積は79.37㎡。既存建物竣工は1986年2月。既存建物設計・監理は梓設計。既存建物施工は東亜建設工業。改修工事設計・監理はアルコデザインスタジオ、セキスイインテリア。改修工事施工は大末建設、セキスイインテリア。
約1,600㎡の敷地にわずか23戸、空地率約62%という恵まれた既存建物・既存樹を生かし、パッシブなエネルギー環境を実現したのが特徴。保水機能のあるインターロッキング、沿道緑化フェンス、グリーンカーテン、換気框付サッシなども採用した。
同社は、このほか多摩地区で1棟を取得済みで、年間4~5棟を目標に展開していく。
モデルルーム
4月の住宅着工 前年同月比5.8%増の78,000戸
4月の住宅着工 前年同月比5.8%増の約78,000戸
国土交通省は5月31日、平成25年4月の新設住宅着工戸数をまとめ発表。総戸数は77,894戸(前年同月比5.8%増、8か月連続の増加)となった。内訳は持家が28,357戸(同17.5%増、8か月連続の増加)、貸家が27,842戸(同7.8%増、2か月連続の増加)、分譲住宅が21,388戸(同6.9%減、2か月連続の減少)。
分譲住宅のうちマンションは10,718戸(同 22.0%減、2か月連続の減少)、一戸建住宅は10,559戸(同15.4%増、8か月連続の増加)。マンションが大幅に減少したのは、前年同月が前々同月比38.0%増の11,704戸と大幅に増加していたためで、特別な要因はない。比較的高水準で推移している。
首都圏マンションは5,860戸(同18.5%減)で、内訳は東京都が3,607戸(同9.2%減)、神奈川県が1,240戸(同32.2%増)、埼玉県が390戸(同28.4%減)、千葉県が623戸(同64.2%減)。
細田工務店 注文住宅の新商品「木ここち 杢」発売
細田工務店 「本物の気のよさ」を提案した
新商品「木ここち杢(きここちもく)」発売
「木ここち杢(きここちもく)」
細田工務店は6月1日、注文住宅の新商品「木ここち杢(きここちもく)」の販売を開始する。発表に先立ち5月18日、「木ここち杢」を体感できるショールームを杉並区の同社本社内にオープンした。
「木ここち杢」は、創業以来60余年、「木造軸組工法」「直営責任施工」を貫いてきた木造住宅のエキスパートとしてその伝統と技術を世に問うもの。「杢」は「木を扱う匠」と「木目の中でも特に美しい紋様」を表す言葉。「本物の木のよさ」に、最新の「安全・安心」の技術を加え、珪藻土クロスなど自然素材を用いた「ここちよい空間」を提供する。
130mm巾広の無垢材を床に使用したほか、「ウォールナット」「ブラックチェリー」「メープル」の3タイプを厳選。同社の耐震住宅(6面体構造)に制振装置「ガーディアン・フォース」を搭載した。また、書斎やキッチン、リビングなど、家族一人ひとりにあるお気に入りの場所、絆を深めながら個を尊重する心地いい場所を提案している。
参考価格(標準仕様)は61.5万円/坪(延床面積30坪、税別)。販売目標は20棟(平成25年度目標)。
地所レジ 全1744戸の「晴海」 2棟目の「ティアロ」分譲
三菱地所レジデンス 全1,744戸の「ザ・パークハウス 晴海タワー」
2棟目「ティアロレジデンス」も分譲へ
「ザ・パークハウス 晴海タワー」全景(左が「クロノ」、右が「ティアロ」)完成予想図
三菱地所と鹿島建設は5月29日、両社が共同で開発を進めている中央区晴海2丁目の大規模開発「ザ・パークハウス 晴海タワーズ ティアロレジデンス」プロジェクト発表会と「ザ・パークハウス 晴海タワーズ クロノレジデンス」の施工現場見学会を報道陣向けに行なった。5つあるモデルルームのうち1つをリニューアルし、「ティアロレジデンス」のモデルルームとして6月1日からオープンする。分譲は7月上旬。双方で1,744戸の規模となる。
「ティアロレジデンス」は、東京メトロ有楽町線月島駅から徒歩13分、中央区晴海2丁目に位置する49階建て全861戸。専有面積は43.33~127.79㎡、価格は未定だが、単価は「クロノレジデンス」の既分譲単価273万7,000円より若干高くなる模様。施工は鹿島建設。竣工予定は2016年4月上旬。
小野社長
プロジェクト発表会で同社・小野真路社長は、「今期の分譲の売上げ予定戸数は6,100戸(前期比34.0%増、今期売上高は2,8880億円で前期比46.6%増を予想)で、三菱地所グループ全体の売上げへの貢献度は高くなると予想している。フラッグシップは千鳥が淵でも予定している。支店も仙台などの免震が好調。海外は私が率先して行なってきた事業。製・販・管のバリューチェーンも一層強化する。『晴海』の1期(クロノレジデンス)は60%の600戸が契約済み。年明けから従来の2倍のピッチの反響がある」などと意気込みを語った。
「クロノ」はエスペラント語の「王冠」、「ティアロ」は「ティアラ」の意で、都心の輝きという想いが込められている。
左が建設中の「クロノ」、その右が「ティアロ」、その右隣が三井不動産レジデンシャルのマンション予定地(三井も〝頑張って〟とエールを送っているのではないか)
◇ ◆ ◇
新たに2期として発表された「ティアロ」と、建設中の「クロノ」とはデザイン監修が同じ世界的な建築家、リチャード・マイヤー氏であるためよく似てはいるが、微妙に異なる。「クロノ」は「織り布」をイメージしており、「ティアロ」は「折り紙」がコンセプト。頭頂部のデザインもやや異なっており、外観も「クロノ」は透明なガラス素材を多用しているのに対して、「ティアロ」は反射ガラスを採用、バルコニーをやや外側に前傾させ、空や景色を映し込めるようにしているのが特徴。
プランも「クロノ」のお客さんの動向、ニーズを踏まえ4LDKタイプを採用し3LDKタイプも増やした。超高層ならではのワイドスパンも特徴で、60~70㎡タイプでも7~10mぐらいあるものが多い。ビューバスタイプもある。
◇ ◆ ◇
シアターで最初に登場したのは「クロノ」のナビゲーターを務めた石川遼選手ではなかった。どこにでもいるような青年だった。記者は俳優やタレントはほとんど知らないが「まさか普通の青年であるはずがない」と思い、同業の記者に聞いたら瑛太氏だった。女性記者などは「石川くんよりずっといい」と話していた。記者が宣伝担当だったら、「ティアロ」にぴったりのオードリー・ヘップバーンの版権を採用する。費用もずっと安く済むはずだ。
価格・単価については、小野社長は「未定」としか話さなかったが、瀬川修・副社長は「高額住戸を増やしたので、全体としては若干高くなるのどはないか」と語った。
記者もそうなると予想する。お客さんの評価も「中央区アドレス」というのがもっとも高いということのようだが、記者は中央区アドレスよりも「現時点でもっともレベルの高い」マンションというのが最大の特徴だと思う。駅からやや距離があることを除いて、①南側が運河②ランドスケープデザインが優れている③鹿島の施工で免震④長期優良住宅認定、都の「マンション環境性能評価」制度で満点に星1つ欠ける14個獲得⑤周辺の月島や新豊洲などとの比較からして割安感がある--などだ。利用料金50円を想定しているシャトルバスも武器になるのではないか。
免震装置
こうした利点が多いことを考慮すると販売スピードはやや鈍いとも考えるが、「クロノ」は竣工する今年の11月までに売れるのではないかと見ている。販売スピードが鈍いのは、2016年の東京オリンピック招致に失敗し、物件ナビゲーターに決まってから石川選手は全然勝てなくなり、東日本大震災による風評被害が直撃したことなど〝三重苦〟を背負わされたからだ。東京オリンピック招致が決まったらそれこそお客さんが殺到する人気になるはずだ。
施工現場見学会では、ビルも含むわが国の建築物では最大となる1.6m四方の免新装置などが公開された。免震装置は丸型もあるが、四角のほうが面積も大きくなり、効果も大きくなるという。従来の免震装置の大きさは1.2~1.4mぐらいだという。免震装置は 56 基、ダンパーは12基設置される。
晴海ストリートライフ号。7月末までの毎週土日、有楽町~晴海間を運行する
東京建物「Bloomoi/ブルーモア」第一弾「大山」公開
東京建物「Bloomoi (ブルーモア)」 第一弾プロジェクト発表
「ウォールキッチン」×「コダワリスタイル」
66㎡のモデルルームに5.5畳大の「ウォールキッチン」提案
東京建物は5月29日、働く女性のニーズを商品企画に反映した「Bloomoi(ブルーモア)」プロジェクト第一弾マンション 「Brillia 大山 The Residence」「Brillia 下丸子」のモデルルーム事前案内会を6月8日から開始すると発表した。発表に先立つ28日、報道陣向けに「大山」のモデルルームを公開した。
「Bloomoi (ブルーモア)」は、多様化する女性の、特に働く女性のニーズに現在の分譲住宅は必ずしも応え切れていないことに着目し、「働く女性のニーズをそのまま商 品・サービスとして形にし、働く女性の幸せを実現するプロジェクト」として昨年10月、同社女性社員6人を中心に立ち上げたもの。「Bloomoi」は、 「Bloom(咲く)」と「moi(私)」からなる造語で、働く女性のたくさんの笑顔や才能がしなやかに咲き誇るという意味が込められている。
記者内覧会に臨んだ「ブルーモア」のプジェクトリーダーを務める同社住宅商品企画部課長代理・野口真利子氏は、「働く女性の幸せな提 案を行なうことで、当社のマンションブランド『Brillia』の企業価値を高めたいし、働く女性の社会環境を変えられるようにもしたい。取り組みについ ては役員も見守ってくれている。『これがいい』という答えは出ない。Facebookを通じてお客さんとも対話をしながら、働く女性の声をそのまま形にす ることを最優先した」と語った。 66 ㎡タイプのモデルルームには5.5畳大の「ウォールキッチン」×「コダワリスタイル」が提案されているが、野口氏は「対面キッチンがいいと思っていた私た ちも目からうろこのプラン」と話した。
「Brillia 大山 The Residence」は、東武東上線大山駅から徒歩6分、9階建て全48戸。専有面積は40.22~76.10㎡、価格は未定だが、3LDK(66㎡)で 4,500万円台になる模様。竣工予定は平成26年6月下旬。施工は飛島建設。6月8日からの事前案内回の予約は「目標を超える」90件に達しているとい う。
リビング
◇ ◆ ◇
完璧とは言えないまでも「主夫」として約10年間、食事、洗濯(掃除はあまりしなかったが)などの家事労働をこなしてきた記者は期待と不安を織り交ぜながら発表会に臨んだ。野口氏には「Bloomoi」を立ち上げたときに話しを聞いているし、プロジェクトメンバーの一人、田所氏には田所氏が独身のときインタビュー取材もやっている。お二人とも間違いなく同社の幹部になれる人材だと思った。
そんな二人に対する思い入れもあり、「どこにも負けない商品企画を提案してほしい」という期待が膨らむ一方で、コストなどを考えて「たいしたことはできないのではないか」という不安も頭によぎった。
結果は期待通りでもあり、ちょっぴり不満も残るものだった。期待通りというのは「ウォールキッチン」だ。働く女性だろうが「専業主婦」だろうが男だろうが女だろうが、調理好きにはたまらない企画が提案されていた。まず広さ。キッチンの広さは家族数でも異なるが、記者はプロから「4人家族なら最低4.5畳大、理想は6畳大」と聞いたことがある。そのプロは「独立型がいい」とも語った。
今回の提案はその理想の広さに近い。「よくぞ20坪のマンションに5.5畳大のキッチンを提案した」と喝采した。カウンターの幅は約4500ミリもあった。これだけすスペースがあると十分だ。框つき扉もいい。実際に調理してみると、皿やら茶碗やら鉢やらまな板、調味料、食材などを並べるためには、今の一般的な3~3.5畳大ではまず楽しく調理することは不可能だ。
左からプロジェクトメンバーの岩谷、田所、佐々木、野口、久江の各氏
対面キッチンもいいが、和食でも中華でもイタリアンでも調理に夢中になると、子どもや家族と対話しながらというのは相当の技術がないとできない。臭いなどもオープンキッチンは問題だ。記者はニンニクが嫌いだからあまり使わなかったが、好きなクサヤを焼いて大騒ぎになったことがある。ニオイは2日間ぐらい部屋中にこもる。独立型だと煙草を吸うスペースにもなる。記者は独立型がいいと思う。
もう一つ、「これはいい」と思った提案はオプションだが、こあがりのリビングスペースの提案だ。広さは1.5畳大はあったはずだ。限られたリビングスペースを多目的に利用できるようになっている。
6畳大の主寝室についている3畳大の「スタイルクロゼット」のドアは透明ガラスだったのには驚いた(クロゼットの中には全身が映るカガミがあったがこれは分かる)。プロジェクトメンバーに聞くと「ガラス越しに明日着ていく洋服を眺めるのにいい」とのことだった。ダイニングテーブルは引き出し付で、椅子と化粧道具などを入れられるワゴンを取り替えられるようになっていたのにも驚いた。
不満だったのは、食洗機も物干しポールもオプションになっていたことだ。「働く女性」は食べ物の後片付けや洗濯に要する「労働」は苦にならないのだろうか。コスト計算をしたら大変な額になるはずだ。
もう一つ二つ、提案したい。同社も含め働く女性の労働環境を改善することだ。優秀な女性をどんどん幹部に重用すべきだ。上場デベロッパーの中には社長どころか役員は一人もいないのが現状だ。「住生活総合サービス業」を標榜する業界がこれでは情けない。商品企画部門は勿論だが、用地取得の部署にも女性を起用すれば、また違った土地の魅力を引き出してくれるのではないか。「夫婦仲が良くなるマンション」の提案も行なってほしい。
「働く女性」「専業主婦」などの呼称も改めるべきだ。働く女性を強調するのは、負担が大きく理解されていない側面があるから分からないではないが、本来は働く女性も男性も同じであるはずだ。働く女性の対にあるのは専業主婦なのだろうが、この言葉には一種の羨望や侮蔑の意味が込められている。そもそも「兼業主婦」「専業主婦」などありえない。働くことと家事労働を対立的にとらえる概念がなくなるのが理想の社会だ。もちろん男と女の差別などあってはならない。
クロゼット
野村「北戸田」1期145戸 住友「戸田公園」は497戸
埼京線・戸田市のマンション大激戦 新規・継続含めて1,000戸超
住友不動産「シティテラス戸田公園」 「平井」の経験生きる

「シティテラス戸田公園」完成予想図
先に野村不動産の「オハナ北戸田ガーデニア」を紹介した。今度は住友不動産「シティテラス戸田公園」。概要は先の記事を参照していただきたいが、広告表示では駅から徒歩15分でネックになりそうだが、ネックを解消するため戸田公園駅とマンションまでに無料のシャトルバスを運行する。時間は約5分。大規模だからこそできることだが、これは逆に大きなインパクトを与えるかもしれない。グロスを圧縮した67㎡台も評判がいいようだ。
まず、同社住宅事業本部 埼玉事業所 営業課主任でマンションパビリオンの所長・堤田晃生氏の話から紹介しよう。
「ゴールデンウィークから事前案内会を行なっているが、出足はまずまず、土日は1日20組弱、平日でも途切れなく来場者がある。価格? 価格は決まっていない。『北戸田』との競合? 戸田公園と北戸田はちがう。『平井』でも導入したシャトルバスを運行されるから、駅まで5分に短縮できる。ラッシュ時も混まないで分散されることが『平井』の経験から分かってきた。ストレスなく乗れるのが大きい。バスにしろタクシーにしろ、それなりのお金がかかる。バスの運行経費は管理費に含まれるが、大規模だからこそできること。戸田市の子育てマンションの認定も5月1日付で取得した。67㎡のタイプはお客さんも同業の関係者からも評判がすこぶるいい」
◇ ◆ ◇
記者も、この自信たっぷりの堤田氏の話を聞いていて、徒歩15分はネックになるどころか、大きなプラス材料として作用するのではないかと思えてきた。シャトルバスの運行そのものは以前から遠隔マンションにはデベロッパー各社が採用している。同社のミソは「無料」であることだ。これは、4年前に同社と新日鉄都市開発が分譲して早期完売した江戸川区平井のマンション「AQURAS (アクラス)」(全567戸)の経験が生きているのかもしれない。「AQURAS(アクラス)」も駅から15分だったが、やはり駅まで約5分のシャトルバスを採用した。単価も170万円と安かった。
もう一つ、グロス抑制策が功をを奏すのではないかということだ。67㎡のモデルルームは動線がよく、なかなか機能的にできていた。「AQURAS(アクラス)」でも主力は60㎡台だったのがユーザーに評価されたように、このタイプは一定のユーザーに支持されるのではないか。同社はしっかり学習したということか。今回も半数以上がこの67㎡タイプだという。
建物は総合設計制度の適用を受けており、敷地面積約12,000㎡に対して延床面積は約41,000㎡。南向きを中心に建物形状は南北軸が3列に並んだ4棟構成。維持管理費を抑制するため〝過剰〟な共用施設がないのも特徴の一つ。
◇ ◆ ◇
こうしてみると、戸田市内で1,000戸超のマンションが競合することは共食いも見られるが、それぞれがコンセプトがしっかりしており、広域から集客できるのではないかとも思える。市況も追い風だ。肝心なのは誰に売るかだ。
埼京線・戸田市大激戦 マンション1000戸超が激突
埼京線・戸田市のマンション大激戦 新規・継続含めて1,000戸超
野村不動産「北戸田」は 1 期一挙に145戸供給
「オハナ 北戸田ガーデニア」完成予想図
JR埼京線の戸田市内でマンションの販売合戦が激化している。新規物件では先行した伊藤忠都市開発「クレヴィア戸田公園」(117戸)のほか、野村不動産「オハナ北戸田ガーデニア」(277戸)が今週末から販売開始となり、住友不動産の大規模マンション「シティテラス戸田公園」(497戸)も6月末に分譲開始される。3物件だけでも約900戸。その他の継続物件や小規模物件を含めると1,000戸を突破する。常識的に考えて5年分ぐらいの需要量に相当する。伊藤忠都市開発の物件はすでに記事にしたので、今回は野村不動産と住友不動産の物件を紹介する。
野村不動産の「オハナ」は、埼京線北戸田駅から徒歩9分、戸田市美女木東1丁目に位置する10階建て全277戸の規模。専有面積は68.13~85.41㎡、第1期1次145戸の価格は2,638万~4,053万円(最多価格帯3,200万円台)、坪単価は142万円。竣工予定は平成26年6月下旬。施工は長谷工コーポレーション。販売代理は野村不動産アーバンネット、長谷工アーベスト。5月31日(金)に登録が締め切られる。
住友不動産の「戸田公園」は、埼京線戸田公園駅から徒歩15分(シャトルバス5分)、戸田市新曽南三丁目に位置する全497戸の規模。専有面積は64.18~76.72㎡、予定価格は2,800万円台~4,900万円台(最多価格帯3600万円台)。竣工予定は平成26年2月中旬。施工は長谷工コーポレーション。
◇ ◆ ◇
野村と住友の物件は大規模で、単価水準が近い(住友は「未定」で野村よりは高くなりそうだが、それほど差はないはずだ)ことと、野村は敷地に隣接して東京外環自動車道(外かく環状道路)が走っており、住友は徒歩15分というそれぞれ難点を抱えていることでよく似た物件でもある。ターゲット層はもちろんぴったり重なり合う。
ところが、訴求方法はある意味で間逆、対照的といえるものだ。シアターがそれを端的に物語っている。野村の上映時間は約10分。対して住友は約30分。10分というのは普通の長さだが、住友はかつてないほど長い。このあたりにも両社の差が現れている。
内容そのものも大きな差がある。野村は女性のナレーターがエコーがかかったような声でひたすら「家族の絆」「優しさ」をアピールする。総合地所が花小金井のマンションで演じた「泣かせるシアター」ほどではないが、感性に訴えるホームドラマ風だ。
住友は時間の長さでも分かるように、映画でいえば大河ドラマ、音楽でいえばショスタコーヴッチの長大な、第4楽章どころか第6楽章までありそうな交響曲だ。最終章は戸田公園花火大会が3D風に映し出され、花火の大音響とともにフィナーレを迎える。物件特性をしっかり心の髄まで浸透させようという戦略のようだ。
どちらが奏功するかはお客さんが決めることだから何もいわない。
野村「北戸田」リビングダイニング
◇ ◆ ◇
すでに分譲スケジュールが決まっている野村だが、第1期1次145戸を供給するということだけでもすごい人気だ。まだ全ての住戸に要望が入っているわけではないが、供給量が多い外環道側の住戸にはかなりの「バラ」が付いている。
販売を担当している野村不動産アーバンネットプロジェクト営業本部住宅販売部販売二課主任・加藤早苗氏は、「オハナ担当は初めて。コンセプトがしっかりしているから訴えやすい。バルコニーの物干しも、お客さんの声を反映して1本増やしました。供給が増えてオハナ同士の競合が見られるようになったのも最近の傾向」と話していた。
参考までにこれまでの「オハナ」の供給状況を記しておく。「物件名」(戸数) 坪単価 販売開始の順。住友の物件は機会を改めて紹介する。第1次取得層をターゲットに絞り込み、圧倒的な価格の安さと水準以上の設備・仕様であることが人気の要因だ。「14×18」サイズの浴槽を「親子風呂」とネーミングする気配り・心配りは他社も見習っていい。
・「オハナ八坂萩山」(141戸) 133万円 平成23年10月
・「オハナ平塚桃浜」(134戸) 127万円 平成24年1月
・「オハナ豊田多摩平の森」(151戸) 150万円 平成24年9月
・「オハナ玉川上水」(322戸) 130万円 平成24年12月
・「オハナ草加谷塚」(127戸) 129万円 平成25年1月
・「オハナ北戸田ガーデニア」(277戸) 142万円 平成25年5月
・「オハナふじみ野上野台ブロッサム」(381戸) 平成25年5月
・「オハナ平塚袖ケ浜」(89戸) 平成25年6
建設技能労働者の不足率が拡大 国交省調査
建設技能労働者不足率が拡大 国交省調査
建設関係の職人不足率が拡大し、建設資材は被災3県で価格が「やや上昇」し骨材が「やや逼迫」--国土交通省は5月24日、4月の建設労働需給調査結果と5月の主要建設資材需給・価格動向調査結果をまとめ発表した。
建設労働需給調査は、型わく工、左官、とび工など8職種について全国調査しているもので、過不足率は3月の0.3%から4月は1.0%へ0.7ポイント不足率が拡大。とくに鉄筋工(土木)の不足率が2.7%と大きい。
全国の建築資材動向は、価格ではアスファルト合材が「やや上昇」し、その他は「横ばい」となっている。需給動向では全ての資材が「均衡」となり、在庫も「普通」となっている。被災3県では価格、需給、在庫とも「やや上昇」「ややひっ迫」「やや品不足」が目立っている。
◇ ◆ ◇
調査によると技能労働者の不足も資材の値上がりもそれほど深刻な事態でないようにも受け取れるが、じわじわと人手不足、資材不足・値上がりが進んでおり、マンションや戸建て価格への影響は必至だ。
売れ行きが悪ければデベロッパーも上昇分を価格に吸収せざるを得ないが、最近は売行きも好調なだけに、価格にオンするのは間違いない。
消費税の値上げは何らかの形で消費者に還元されるが、その分は分譲価格の上昇で消えることになりそうだ。
三菱地所レジ フラッグシップの〝グラン〟「三番町」
三菱地所 フラッグシップマンション〝グラン〟
第2号の「ザ・パークハウス グラン三番町」
「ザ・パークハウス グラン三番町」完成予想図
三菱地所レジデンスの都心のフラッグシップマンション「ザ・パークハウス グラン」の第2号物件「ザ・パークハウス グラン三番町」を見学した。同社としては「番町エリア」11物件目で、148戸という規模は過去最大。1月に物件ホームページを開設して以来約3,000件の問い合わせがあり、事前案内会への来場も約400件にのぼっており、早期完売する可能性が高い。
物件は、東京メトロ半蔵門線半蔵門駅から徒歩5分、千代田区三番町に位置する15階建て全148戸の規模。専有面積は60.68~134.78㎡、価格は未定だが、70㎡台で9,000万円台、90㎡台で1億2,000万~1億3,000万円台になる模様。竣工予定は2014年8月上旬。設計・監理は三菱地所設計、大林組。施工は大林組。販売開始は6月中旬。
現地は、中高層のマンションやビルなどが建ち並ぶ一角。1,000坪超の整形敷地を生かした植栽と水景を融合させたランドスケープデザイン、免震工法、ICキーケースの携帯により自動解錠される5重セキュリティなどが特徴。
外観は彫りの深い立体的なデザインが特徴で、角度や光の加減で表情が異なるようにしており、大小のマリオンと黒枠のサッシ、黒のアルミルーバーを組み合わている。共用部には左官壁や木のアートも設ける。住戸内は梁背を抑えたアウトフレーム順梁の建具はウォルナットの突き板、キッチン天板にはシーザーストーンを採用している。建具ドアはイタリア製。
水景
◇ ◆ ◇
同社が「番町エリア」で過去10物件も供給しており、同エリアでは40%を超える供給シェアを占めていることは知らなかった。ただ、「パークハウス・ジオ六番町」(2001年竣工)、「ルクセンブルグハウス」(2003年竣工)、「三番町パークテラス桜苑」(2005年竣工)などいくつかは見学している。物件名に「ジオ」がついている「六番町」は阪急不動産との共同事業で、阪急不動産の首都圏初のマンションだ。
どの物件だったか忘れたが、キッチン調理台にガスとIHが併用可能なものを設置していたのに驚いたことがある。販売事務所から現地までの番町文人通り沿いにも同社の植栽計画が見事な竣工済みマンションがある。
坪単価は「未定」とのことだが、記者が予想した単価にぴったりになるはずだ。
120タイプ リビング
総合地所「八千代台」第1章74戸が即完 高齢者も動く
総合地所「ルネ八千代台」第1章74戸が即日完売
50~60歳代の来場者45%に達する
「ルネ八千代台」完成予想図
総合地所は5月23日、全129戸のうち第1章(期)74戸が即日完売したマンション「ルネ八千代台」の記者見学会を行なった。人気もさることながら、来場者の年齢層は60歳代が35%、50歳代が10%、双方で45%にのぼり、30歳代と40歳代の53%とあまり変らないことが注目される。実際の申込者もほぼ同じ傾向のようで、キャッシュで購入する人が目立つという。
物件は、京成本線八千代台駅から徒歩4分、八千代市八千代台南1丁目に位置する11階建て全129戸の規模。第1章74戸の専有面積は73.80~85.20㎡、価格は2,690万~3,510万円(最多価格帯2,800万円台)、坪単価は126.5万円。竣工予定は平成26年3月上旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。
4月26日から事前案内会を開始し、5月21日に抽選分譲した結果、最高6倍、平均1.15倍で即日完売した。来場者は約290件。
現地は、駅南口からまっすぐ伸びる商店街の中にあり、敷地は商業施設「NSプラザ(旧ナリタヤ)」の跡地。全戸南向きで敷地南側には第一種低層住居専用地域が広がる。舗道に面した敷地内には物件のさきにあるイチョウ並木と連続性をもたせるようイチョウ10本を植え緑化を図る。
商品企画としては、長谷工コーポレーションが独自に開発した居室ドア把手の出っ張り部分をなくした「プッシュ・プル・プレート」を初採用しているほか、ディスポーザも標準装備。布団クローゼットもある。
見学会で説明した同社分譲事業第一部副部長・鹿谷泰広氏は、「八千代台駅圏では8年ぶりの新規供給。広告は、折込チラシや誌面媒体などはほとんど行わず、マンションから半径2キロ圏の2万から2.5万世帯へのポスティングを重点的に行った。現地が商店街で、地元の方がよく利用されていた商業施設だったので、みなさんよくご存知だった。来場者は60歳代以上が最多の35%を占め、特にキャッシュでの購入が多いのが特徴」などと語った。6月に第2章を分譲するが、鹿谷氏は「第1章では68㎡台の22戸は未供給。購買力の低い層からの集客も期待できる」と早期完売に自信を見せていた。
ラウンジ
◇ ◆ ◇
第 1 章の即日完売はあまり驚きはしなかった。都心部の高額だけでなく、郊外の分譲単価が低いマンションも最近は総じて好調だからだ。駅から徒歩4分で、全戸南向き、敷地南側が第一種低層住居専用地域で将来的に環境が担保されているのが人気の最大の要因だ。8年ぶりの供給というのも見逃せない要因だ。それだけ購買エネルギーが蓄積されていたかと読める。
記者が驚いたのは高年齢の来場者・申込者の比率の高さだ。わが目と耳を疑った。郊外マンションといえば、子育てファミリーが中心というのが通り相場だ。50歳代、60歳代で45%に達した最近の郊外マンションの例を記者は知らない。
その理由は分からないが、考えてみるとなるほどと思えなくはない。八千代台駅圏はこれまでマンションもそうだが、アッパーミドルをターゲットにした質の高い戸建てもかなり供給されてきた。5,000万円から6,000万円台もよく売れた地域だ。ローン返済も終えた当時の購入者が〝駅 近〟のマンションに移り住むのはどこにでも見られる傾向だ。今回のマンションは立地の上でも同駅圏では一等地だ。
最近の株高もフォローの風となっているのは間違いない。アッパーミドル層なら最近の株高で数百万円どころか、千万円単位で儲かっている人は少なくないはずだし、塩漬けにしていた株も買値に戻りつつあるのではないか。鹿谷氏も「確かに株で儲かったというお客さんもいらっしゃる」と話していた。
今回の同社のマンションだけでなく、立地条件に恵まれた郊外マンションは高齢者の購入比率が今後高まるのではないか。
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