総合地所「八千代台」第1章74戸が即完 高齢者も動く
総合地所「ルネ八千代台」第1章74戸が即日完売
50~60歳代の来場者45%に達する
「ルネ八千代台」完成予想図
総合地所は5月23日、全129戸のうち第1章(期)74戸が即日完売したマンション「ルネ八千代台」の記者見学会を行なった。人気もさることながら、来場者の年齢層は60歳代が35%、50歳代が10%、双方で45%にのぼり、30歳代と40歳代の53%とあまり変らないことが注目される。実際の申込者もほぼ同じ傾向のようで、キャッシュで購入する人が目立つという。
物件は、京成本線八千代台駅から徒歩4分、八千代市八千代台南1丁目に位置する11階建て全129戸の規模。第1章74戸の専有面積は73.80~85.20㎡、価格は2,690万~3,510万円(最多価格帯2,800万円台)、坪単価は126.5万円。竣工予定は平成26年3月上旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。
4月26日から事前案内会を開始し、5月21日に抽選分譲した結果、最高6倍、平均1.15倍で即日完売した。来場者は約290件。
現地は、駅南口からまっすぐ伸びる商店街の中にあり、敷地は商業施設「NSプラザ(旧ナリタヤ)」の跡地。全戸南向きで敷地南側には第一種低層住居専用地域が広がる。舗道に面した敷地内には物件のさきにあるイチョウ並木と連続性をもたせるようイチョウ10本を植え緑化を図る。
商品企画としては、長谷工コーポレーションが独自に開発した居室ドア把手の出っ張り部分をなくした「プッシュ・プル・プレート」を初採用しているほか、ディスポーザも標準装備。布団クローゼットもある。
見学会で説明した同社分譲事業第一部副部長・鹿谷泰広氏は、「八千代台駅圏では8年ぶりの新規供給。広告は、折込チラシや誌面媒体などはほとんど行わず、マンションから半径2キロ圏の2万から2.5万世帯へのポスティングを重点的に行った。現地が商店街で、地元の方がよく利用されていた商業施設だったので、みなさんよくご存知だった。来場者は60歳代以上が最多の35%を占め、特にキャッシュでの購入が多いのが特徴」などと語った。6月に第2章を分譲するが、鹿谷氏は「第1章では68㎡台の22戸は未供給。購買力の低い層からの集客も期待できる」と早期完売に自信を見せていた。
ラウンジ
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第 1 章の即日完売はあまり驚きはしなかった。都心部の高額だけでなく、郊外の分譲単価が低いマンションも最近は総じて好調だからだ。駅から徒歩4分で、全戸南向き、敷地南側が第一種低層住居専用地域で将来的に環境が担保されているのが人気の最大の要因だ。8年ぶりの供給というのも見逃せない要因だ。それだけ購買エネルギーが蓄積されていたかと読める。
記者が驚いたのは高年齢の来場者・申込者の比率の高さだ。わが目と耳を疑った。郊外マンションといえば、子育てファミリーが中心というのが通り相場だ。50歳代、60歳代で45%に達した最近の郊外マンションの例を記者は知らない。
その理由は分からないが、考えてみるとなるほどと思えなくはない。八千代台駅圏はこれまでマンションもそうだが、アッパーミドルをターゲットにした質の高い戸建てもかなり供給されてきた。5,000万円から6,000万円台もよく売れた地域だ。ローン返済も終えた当時の購入者が〝駅 近〟のマンションに移り住むのはどこにでも見られる傾向だ。今回のマンションは立地の上でも同駅圏では一等地だ。
最近の株高もフォローの風となっているのは間違いない。アッパーミドル層なら最近の株高で数百万円どころか、千万円単位で儲かっている人は少なくないはずだし、塩漬けにしていた株も買値に戻りつつあるのではないか。鹿谷氏も「確かに株で儲かったというお客さんもいらっしゃる」と話していた。
今回の同社のマンションだけでなく、立地条件に恵まれた郊外マンションは高齢者の購入比率が今後高まるのではないか。
リビング
管理協が総会 「コミュニティ不在なくそう」山根理事長
マンション管理業協会が総会
「コミュニティ不在は災害時の被害を増大させる」山根理事長
山根理事長(写真提供:不動産流通研究所)
マンション管理業協会(理事長:山根弘美・ダイワサービス社長)は5月22日、第34回定時総会を開き、平成24年度事業報告、同収支決算を承認し、新役員などを選任した。副理事長を退任した池田孝氏(前三井不動産住宅サービス会長)、土橋隆彦氏(前東急コミュニティ会長)の後任には小佐野台氏(日本ハウズイング社長)、関敏昭氏(野村リビングサポート社長)を選任した。
総会後の懇親会で挨拶した山根氏は、「様々な枠を超えたチャレンジ精神こそが住生活総合サービス業を目指す業界の価値・評価を高めていく。そのために第一に法令順守。違反件数は減ってはいるが道半ば。さらに強化していく。第二は安心・安全・快適の取り組みだ。マンションの耐震診断の取り組みを一層強化する。コミュニティ形成については今年に入って2度マンション適正化法の改正について国交省に要望活動を行なった。地域コミュニティとマンションコミュニティが連携することがきわめて重要で、われわれ業界も全面的にサポートしていく。活動を担保するためにもマンション標準管理規約の改正をお願いしたい」などと語った。
◇ ◆ ◇
山根氏は自らの住むマンションにもついて触れ、マンションコミュニティ形成の難しさ、重要性について訴えた。山根氏は「私の家族は博多ですが、18年間、単身赴任で東京に住んでいます。500戸の大規模超高層マンションに賃貸で住んでいますが、皆さん、表札、メール受けに名前を出している人は何人いると思いますか」と問いかけ、「一人だけです。山根弘美という男だか女だか分からない名前だけです」と笑わせた。
山根氏は、「マンションのセキュリティはどんどん高まっているが、その結果、誰が住んでいるかも分からないコミュニティ不在という皮肉な状況を招いた。コミュニティ不在は災害時の弱者となる高齢者や乳幼児、子どもたちの被害を増大させる。未来の子どもたちのためにもわれわれは何ができるかを考えないといけない」と呼びかけた。
全国590万戸のマンション居住者の安心と安全を守るための業界の活動が益々重要性を増す。命綱の役割を果たすかもしれない。
旭化成ホームズ 成城に富裕層向けモデルハウス
旭化成ホームズ 富裕層向けの新商品「フレックスレジデンス」
外観
旭化成ホームズは5月21日、先に「ABCハウジング 成城住宅公園」(世田谷区成城、東宝スタジオ内)にオープンした富裕層向けの新商品「ヘーベルハウス FREX RESIDENCE (フレックス レジデンス)」のモデルハウスの見学会を行なった。同社の都市型3階建て住宅のトップブランドである「ヘーベルハウス フレックス」シリーズ」(重量鉄骨システムラーメン構造)に「邸宅」スペックを装備したもので、ブランド強化と市場シェアアップを狙う。
これまで同社は富裕層向けの商品は設定していなかったが、年間50棟ぐらいの受注があることから、ブランドを強化する狙いで75坪か ら100坪ぐらいの単世帯を想定した今回の新商品となった。富裕層向け市場のサーベイの狙いもあり、本社内に設計業務を支援する体制を整えた。
新商品は、外壁ヘーベル版の新デザイン「PT目地」や大空間設計を支える22mm厚の鉄骨柱、天井高バリエーションを拡充する床下げ 仕様などを導入。内部空間は白を基調にチークの無垢材、大判のタイル、大理石、ガラスなどを多用して「邸宅」と呼ぶに相応しい佇まいとした。延床面積は約 456㎡(138坪)。販売目標は年間100棟で、販売単価は坪200万円。
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| ラウンジ | リビング |
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同社を含めプレハブメーカーはこれまで富裕層向け商品をあまり展開してこなかったと聞いてやや驚いた。マンションではかつてバブル期 には10億円超のスーパー億ションがたくさん供給され、1戸(1棟ではない)43億円の物件も供給された(1戸43億円というのはわが国のマンションの最 高価格記録で、海外のコンドミニアムを含めてもトップクラスだと言われている)。さすがにバブル崩壊後はそのような物件は供給されなくなったが、それでも 坪単価にして500万円超の数億円から10億円ぐらいの物件は結構供給されている。
個人住宅も相当数の豪華な建物が建てられているはずだが、施主としては〝プレハブ〟のイメージを嫌い専門の建築事務所に依頼するほうが多いのだろうか。
しかし、今回、同社のモデルハウスを見学して、十分富裕層向け商品として訴求できると思った。先日見学した東急ホームズの富裕層向けモデルハウス同様、坪単価200万円も驚きはしなかった。価格以上に価値のあるモデルハウスだと思う。
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| エンスイート | ベランダ(ハンギングチェアは50万円とか) |
スペックそのものは目を見張るような豪華なものは採用されていないが、空間デザインの提案が抜群だ。従来の鉄骨柱は標準で9㎜、厚めのもので12㎜なのを22㎜にしたことで大無柱空間を実現した。鉄骨柱の重量は1本900キロぐらいで、20本採用。サッシは幅2300㎜、高さ2700㎜のものもある。天井高もスキップフロアを多用することで最大5.27m確保している。
ガレージ、リビング、階段などに使用されているタイルは1枚3m四方のものを1m×1.5mぐらいに切って使用しているが、薄くても傷が付きにくく車を載せても割れない強度があるという。アルコールを燃料とする暖炉つきのラウンジは約43.1畳大。天井高は2700㎜。大型サッシを開放すればテラスと一体となった大空間が広がる。チーク材を張った玄関ドアは内開き。
3階のパウダールームはガラス越しにベランダが眺められるようになっており、自然採光も取り込む工夫がされている。
三井不VS野村不 戸建て分譲2強マッチレースに突入
三井不動産 VS 野村不動産
熾烈な戸建て分譲マッチレースに突入
この前、三井不動産レジデンシャルが今期戸建てを過去14年間で最多の950戸を売上げ計上する予定と書いた。対する野村不動産はどうか。
5月21日の「プラウドシーズン船橋森のシティ」の記者発表会に臨んだ同社戸建事業部長・市原幸雄氏は、「今期は700戸強。来期は1,000戸超を目指す。(三井さんを)意識しているわけではないが、結果的に超えることになるかもしれない。これまで大規模を中心に展開してきたが、今後は幅を広げて3,000万円台の郊外型から1億5,000万円ぐらいの高額までメニューを増やす。ただ、街並みを重視するのが基本で、10戸未満の小規模まで手掛ける考えはない」と話した。
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野村不動産が三井不動産レジデンシャルを超えそうだという情報は1年前ぐらいから聞いていたが、市原氏は公式の場で「来期は1,000戸超を目指す」と明言した。
一方の三井不動産レジデンシャルは「他社と戸数を競っているわけではない。一つひとつ積み上げてきた結果」(経理部経理グループ長・富樫烈氏)と、本心はともかく受け流した。
これまで大手デベロッパーの戸建て事業は三井不動産が独走、〝一人勝ち〟の状況がずっと続いてきた。野村不動産が来期に1,000戸超ともなれば、両社の熾烈なトップ争いが演じられる。両社のマッチレースは見ものだが、2強に続くところがなかなか出てこない。影すら踏めない情けない状況が続く。
野村不 戸建てパイロット事業「船橋 森のシティ」竣工
野村不動産「プラウドシーズン船橋 森のシティ」
戸建てのバイロットプロジェクトの位置づけ
「プラウドシーズン船橋 森のシティ」
(一部に太陽光パネルが見えるが、屋根勾配を緩くすることで見えにくくする工夫も行っている)
野村不動産は5月21日、千葉県船橋市で開発を進めている駅前大規模複合開発「ふなばし 森のシティ」内の戸建住宅「プラウドシーズン船橋 森のシティ」(全42戸)が竣工したのに伴い、記者見学会を行なった。先ごろ策定したコンセプト「プラウドスマートデザイン ~ SMART&GROWING ~」を戸建住宅に初採用した次世代スマートハウス。1カ月ですでに約1,000件の反響があり、人気になるのは必至だ。モデルハウスは6月15日から予約制で公開する。
「プラウドスマートデザイン ~ SMART&GROWING ~」は先進設備、環境との共生をテーマとした「スマートデザイン」と、生活の安らぎを育み、持続的な不動産価値の維持を目指す「グローイングデザイン」で構成されており、「スマートデザイン」として全42戸に約3.0kwの大型太陽光充電パネルを設置したほか、電気・水道・ガスの使用状況の「見える化」、 HEMS (ホームエネルギーマネジメントシステム)を採用した<アクティブデザイン>と、通風や採光など環境共生の工夫で快適な住まいを実現する<パッシブデザイン>の考えを商品に具現化した。
また、「グローイングデザイン」として採用した「グリーンシェア」はそれぞれ一戸一戸で緑豊かな庭を所有しながら、住民の方同士で共同管理を行う植栽を配することで豊かな景観と心地よい気候を実現した。
物件は、東武野田線新船橋駅から徒歩5分、千葉県船橋市北本町1丁目に位置する全42戸の規模。敷地面積は135.00~151.67㎡、建物面積は95.69~108.48㎡、予定最多価格帯は5,000万円台の後半。建物は2×4工法2階建て。施工は東急建設、西武建設、細田工務店。造園は石勝エクステリア。販売開始は7月下旬。物件は環境省の「平成25年度 節電・CO2削減のための実践促進モデル事業」に採択されている。
全戸電気自動車対応(パソコン、タブレットなどで徹底した「見える化」も進めている)と外構の植栽
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これまで同社の戸建てはたくさん見学してきたが、同社が「今後の戸建てのパイロットプロジェクト」と位置づけているようにこれまでの「プラウドシーズン」ブランドの到達点を示すものであり、今後の同社の展開を探る意味でも極めて示唆的な物件だ。
<アクティブデザイン>については各社も積極的に取り組んでいることだが、記者がとくに注目したのは<パッシブデザイン>と<グリーンシェア>の考えだ。
アクティブデザインでは、カード式開閉方式を採用した玄関ドアは通気口付となっている。マンションとはまた異なったもので、記者は建売住宅では初めて見た。リビングの電動シャッターもまたスグレモノだ。電動式そのものは珍しくないが、ブラインドのようになっており、電動で日射や視線をコントロールできるようになっていた。 2 階天井には天窓もきちんと付けられていた。
<グリーンシェア>の考えを取り入れたランドスケープデザインがまた秀逸だ。驚いたのは駐車スペースだった。一般的に駐車スペースは道路面と直角に配されるが、多くの住棟では斜めに配されており、写真のように植栽スペースを設けていた。これは、北側にある背割り住戸のリビングから自宅の庭先、さらにはその南側の緑の借景を取り込もうという考えだ。このような駐車スペースもまた初めて見た。同社住宅事業本部副部長兼推進一課長・大澤広明氏が「住棟配置より先にみどりの景観を決めた」と話したのには絶句した。
さらに驚いたのは団地全体で19種80本の中木を各住戸の敷地内外に植えているが、これを維持管理するために「グリーンシェア憲章」を定め自治会で運営することにしていることだ。グリーンゾーンを管理組合を設立してグリーンゾーンを管理するのは他の事例でもあるが、ここまで徹底しているのはないと思う。同社住宅事業本部戸建事業部推進一課長・小島光弘氏は「当社の従来の戸建て団地と比較して約1割から1割5分増ぐらいはコストをかけているが、みんな(価格が)高い樹木ではない。樹木は総勢14人で1本1本選んできた」と話した。1本1本に心が込められているということだ。
外構のグリーンポケット 樹木には名札
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「みどり」の効用については、当欄でこれまでもかなり書いてきた。自分も樹木剪定をする。樹は知れば知るほど難しい。カシ類は切ると枝が荒れるし、サルスベリはコブを作るべきかどうかで悩む。モミジは「刃物を嫌う」とかで指で折ったりする。ハナミズキも下手をすると枯れてしまう。
そうならないよう自治会で管理するのは大正解。そのうちみんな樹木のプロになるのではないか。みどりが団地や戸建ての価値の維持向上に大きな役割を果たすのはいうまでもない。
同社の今後の戸建ての展開については稿を改めるが、今期は約700戸だが来期は1,000戸超を目指すという。これまで書いたようなキメ細かな商品企画であれば十分目標達成は可能だとみた。
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駐車スペースの植栽ゾーン |
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| 隣り合う住戸の駐車スペースの中央にも植栽帯 | 通風機能付き玄関ドア |
野村アーバン 「おうちに帰ろ」川柳投稿キャンペーン
野村不動産アーバンネット 「おうちに帰ろ」川柳投稿キャンペーン
野村不動産アーバンネットは5月20日、同社の不動産情報サイト「ノムコム」の公式 Facebook ページ「おうちに帰ろ」 (http://www.facebook.com/ouchinikaero) の「いいね!」数が2万人を突破したのを記念して川柳投稿キャンペーンを本日(20日)から6月30日(日)まで行なうと発表した。
応募があった川柳の中から同社キャンペーン事務局が入賞作品を選定し、入賞者には最高3万円分のJCBギフトカードがプレゼントされる。
応募条件その他はキャンペーンサイト http://www.nomu.com/ouchi/enjoy/senryu/ へ。
不動産情報サイト ノムコムの「おうちに帰ろ」は、毎日の暮らしの中から「新しいふつう」を見つけ、「おうち」の楽しさ、魅力を再発見してもらうためのサイト。
三井不レジ「パークホームズ横濱山下公園」 即完へ
三井不動産レジデンシャル「パークホームズ横濱山下公園」
立地絶好、即日完売へ

「パークホームズ横濱山下公園」完成予想図
三井不動産レジデンシャルが5月25日から登録申し込みを受け付ける「パークホームズ横濱山下公園」のモデルルームを見学した。ジャーナルスタンダードファニチャーが家具をコーディネートしたマンションで、全79戸のうち「登録要望」が入っていないのは数戸のみ。登録即日完売の可能性が大きい。
物件は、横浜高速鉄道みなとみらい線日本大通り駅から徒歩2分、またはJR根岸線関内駅から徒歩10分、横浜市中区山下町に位置する14階建て全79戸。専有面積は40.00~82.10㎡、予定価格は2,700万円台~7,400万円台(予定最多価格帯2,800万円台・2,900万円台)、坪単価は250万円。竣工予定は平成26年1月下旬。施工は三井住友建設。
現地は、神奈川県庁、横浜市庁舎、山下公園、ホテルニューグランド、横浜中華街などが全て徒歩10分圏内の商業地。「山下町」の一等地だ。物件は日本大通りから一歩入ったところで、東南の角地に立地。周囲にはホテル、マンションなどが建ち並んでいるが、建物は道路からセットバックされて建てられており、かなり開放感もある。
プランは80㎡台の4戸を除き、ほとんどが単身者・DINKS向け。モデルルームはジャーナルスタンダードファニチャーが家具をコーディネートしており、ヴィンテージもののトランクや家具などがセットされている。
4月13日からモデルルームをオープンしており、これまで約330件の来場があり、数戸を除く住戸に登録要望が入っている。即日完売する可能性が大きい。

モデルルーム
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記者は、横浜の一等地は横浜駅周辺でもなくみなとみらいでもなく山下町だと思っている。山下町は瀟洒なビルもたくさんあるが、歴史的建造物もたくさん残っている文化の香りがする街で、単身者やDINKSが住むにはいいところだ。同社は「山下町」で分譲するのはこの3~4年の間で今回が3物件目。立地は今回がもっともいい。坪単価もリーズナブルだ。
ジャーナルスタンダードファニチャーは30歳代によく知られているブランドのようだ。記者は全く知らなかったが、アンティーク家具を飾りたくなる気持ちは分からないでもない。幅広い世代の支持を得るのではないか。
モデルルーム
現地
東急ホームズ新商品「ミルクリーク」前代未聞の来場
東急ホームズ 輸入住宅の「ミルクリーク」新商品
ゴールデンウィークに前代未聞の来場者400組

「ミルクリーク マスターズ グレイス」
東急ホームズは5月16日、開業したばかりの渋谷区の住宅展示場「TBSハウジング渋谷 東京ホームズコレクション」に出展した輸入住宅<ミルクリーク>の新商品「ミルクリーク マスターズ グレイス」のモデルハウスを報道陣向けに公開した。
インテリアコーディネーターの第一人者である町田ひろ子氏のプロデュースのもと、伝統と革新を融合させた英国の都市型住宅をモチーフに、英国の高級ファブリックブランドであるデザイナーズ・ギルドや英国・欧州のアンティーク家具を用いた3階建て。機能面では、「美・防災」をテーマに組込型防火シャッターと木製サッシの組合せによる防火・防犯性能や、東日本大震災の1.5倍の水平力にも耐える約4.3畳大の「パントリーシェルター」も提案している。
モデルハウスは延床面積約408㎡(123坪)、坪単価は130万円。ゴールデンウィーク期間中に通常の2~3倍の約400組が来場した。関係者は「前代未聞」とその数を形容した。

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記者内覧会には町田氏のほか、同社・金子健彦専務、設計を担当した同社ミルクリーク事業本部商品開発部商品開発課課長・佐藤崇氏などたくさんの関係者が出席。同社広報は「これまで新商品は資料配布だけだったが、当社のスマートハウスを体験していただくために内覧会を行なった」と説明し、町田氏や佐藤氏がそれぞれ熱っぽく語ったように今回の新商品にかける意気込みがうかがわれた。
モデルハウスの仕掛け・提案に見学者から〝素敵〟の歓声があがったというのもうなづける。外観は彫りの深い窓周りの陰影や「キーストーン」が印象的だ。バルコニーに植えたゼラニウムはわざわざスイスから種を取り寄せたという。
内装は、デザイナーズ・ギルドの壁紙が圧巻。20色も使っているそうで、ビニールクロスでは味わえない手触り感と微妙な文様や色使いに記者も驚いた。幅53センチしかないその壁紙を寸分の狂いもなく張った職人の技術も相当なものだ。
照明は、地震による転倒を避けるためフロアスタンドではなく壁掛けにし、シャンデリアも紙製のペンダントにするなどの工夫を凝らしている。主寝室のカーテンは王室の御用達と同じ刺繍製。床はコルク材を多用、リビング床はウォールナットのヘリンボーン仕上げ。階段はサーキュラー階段。電気式の暖炉も提案している。
パントリーシェルターは、通常は60本が貯蔵できるワインセラーなどとして利用できるが、非常時には10日分の食料などが保管でき、テレビ、蓄電池、金庫、寝るためのマットなども備えられるものだ。
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| 町田氏 | 佐藤氏 |
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記者は初めて同社のモデルハウスを見学したが、「ミルクリーク」そのものは、20数年前に東急不動産の大規模団地「あすみが丘」で建売住宅として分譲されたのを見学している。圧倒的な人気を呼んだ。
その後、東急不動産も同社も建売住宅の供給を減らしており、見る機会はあまりなかった。同社の2012年度の売上高は362億円、注文住宅の契約戸数は569棟、法人建売住宅他が221棟だ。この売上高、契約戸数が多いのか少ないのかは判断が難しいが、〝街づくりの東急〟の看板からして記者はこの2倍はあってもいいと思う。今後伸ばすのではないかとみている。先に東急不動産が分譲し、人気になった淵野辺の建売住宅も同社の施工だった。
今回のモデルハウスの坪単価は富裕層向けとしてはむしろ安いぐらいだと思う。坪200万円のモデルハウスを見たことがあるし、マンションだって豪華なものは建築費だけでも坪200万円はする。
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| 建築中のパントリーシェルター | |
愛でる緑から関わる緑へ 多摩NT学会が意見交換会
多摩ニュータウン学会 「みどり」について意見交換会
〝愛でるみどりから関わるみどりへ〟

「次世代にみどりをつなぐ行政と市民の連携、その仕組みづくり検討会」
多摩ニュータウン学会(会長:吉川徹・首都大学東京教授)は5月11日、「次世代にみどりをつなぐ行政と市民の連携、その仕組みづくり検討会」をテーマに例会を開催。学会員や多摩市みどりのあり方懇談会委員、NPO、ボランティア団体、市民など約30人が参加して意見交換を行った。
例会では、多摩市みどりのあり方懇談会委員を務めた大石武朗氏が多摩市のみどりの現状や課題などについて報告。「人の目線で見ると市のみどりは豊かとはいえない。財政難の現状を考えると後継者を育てられない。愛でるみどりから関わるみどりへ政策転換し、市民のネットワークづくりが必要」などと語った。
また、NPOあしたや共働企画・滝口直行氏と市民団体「きりんの会」・松原友子氏がそれぞれ事例紹介を行った。滝口氏は「地域住民・自治会・老人会などによる公園の清掃などを行っている公園愛護会には71団体が参加して活動しているが、横のつながりがない。交流できる場が欲しい」と団体間の連携を訴えた。松原氏は「市と協力して永山南公園の再生に取り組んでいる。公園内の樹林地でボランティアとして樹木の手入れなども行っており、端材で樹名板や案内板、ベンチなどもつくった。今年はキンラン、シュンランなど絶滅危惧種の草花もたくさん咲いた」などと報告した。
参加者からは、「多摩市のみどり率は54%もある。これはすごいこと。貴重な資源」「(みどりの将来を考えると)絶望的だが、孤独な活動を続けている」「重装備で活動している人の姿を見ると、素人は参加しづらい」「活動するにはワクワク感が必要」「ネットワークづくりが重要」「公園のたけのこ掘りがしたい」「遠くから眺めたり高い所から見下ろしたりすみどりは美しいが、隣のみどりは鬱陶しく感じる人が多い」などの意見が出された。
多摩市は先に「みどりの基本計画」を策定し、街路樹などの「みどり」を含めたみどりの質的向上(量から質へ)や愛でるみどりから関わるみどりへ方向を転換し、計画の推進には市民や事業者、市民団体などとの協働の取組みが前提とする考えを打ち出した。
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| 左から大石氏、滝口氏、松原氏 | ||
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今回の例会も楽しみにしていた。時間が1時間半しかなく趣旨が「それぞれが意見を出し合うサロン」であったため議論があまり深まらなかったのは残念だったが、今回の例会をきっかけに市と市民団体などの連携が深まり、どこにも負けないみどりのネットワークが構築されることに期待したい。
一つだけ行政に注文をつけるとすれば、立派な「みどりの基本計画」を確実に実行するために情報をどんどん公開して欲しいということだ。
市も打ち出しているように、①大学や市民団体等と連携したみどりのホームページ立ち上げ及び運営支援②市民団体などや事業者、行政などの連携による情報ネットワーク体制の構築③ホームページや広報の活用によるみどりの活動の普及啓発④コンテストや表彰制度の実施-などが望まれる。この点については、これまで市が運営していたグリーンライブセンターを恵泉女学園やNPOなどと協働して運営するように再編したのはいいことで、他にない大きな武器になるはずだ。
もう一つ付け加えれば、多摩市に限ったことではないが、道路法の「道路の付属物」という街路樹の規定を改めて欲しい。多摩市は平成20年に策定した「街路樹よくなるプラン」で「街路樹は単に『道路の付属物』ではなく街路を構成する素材の中で、唯一の生き物である特徴を生かした『うるおいとゆとり』のある快適な道路空間の創出」とうたっていることを実践して欲しい。
情報公開・共有とも関連するが、多摩市のように緑があふれている地域はともかく、一般市民が緑をいちばん身近に感じるのは街路樹だ。その街路樹の維持管理に1本当たり年間1~2万円(多摩市は街路樹1万本に対して年間予算は約1億円。調布市は半分以下の3,860本に対して約8,500万円=平成18年度)の経費を掛け、電信柱のようにぶった切られている実態をみんなで知るべきだ。もちろん、街路樹だけでなく公園の維持管理費を含めると、多摩市の場合は年間で5億円ぐらいの経費がかかっている。街路樹を含めた「みどり」全体では4人家族で年間約16,000円の市税が投入されている勘定だ。それだけ税金を払っているのなら「みどり」に関わろうと考える人も出てくるのではないか。
鹿島・住林 国内初のスギ耐火集成材採用の店舗
鹿島建設・住友林業
国内初のスギ耐火集成材を採用した「oto no ha Cafe」

「野菜倶楽部 oto no ha Cafe」
鹿島建設と住友林業は5月15日、国交省の平成24年度木造建築技術先導事業に採択された、国産スギ材の耐火集成材「FRウッド」を国内で初採用した3階建て耐火建築物「野菜倶楽部-oto no ha Cafe」の完成見学会を行なった。集成材は無処理の荷重支持部分の外側に難燃処理した燃え止まり層、表面に無処理の化粧材を施した3層構造で、都心部の木造耐火建築物のプロトタイプとして普及が見込まれている。
建設地は目白通りに面し、東京カテドラル、講談社野間記念館、椿山荘に隣接した都心の一等地。敷地面積は約677㎡、建物は3階建て延床面積約243㎡。防火地域(道路から20m)に対応した耐火認定軸組工法建築に耐火集成材の柱、梁を組み入れた耐火建築物で、木製サッシ、無垢材フローリング床、スギのルーバー天井などの木質化を図ったのが特徴。事業の提案者は講談社グループの音羽建物グリーン事業本部、設計は鹿島建設、施工は住友林業。補助金額は1,580万円。有機野菜の販売と料理を提供する店舗として5月25日オープンする。
見学会で挨拶した音羽建物ファシリティマネジメント部部長で1級建築士の塚本平一郎氏は、「当初は鉄骨造として企画したが、鹿島さんや住林さんの提案があり、無農薬の野菜を売る店舗にふさわしいと考えてコストはかかっても木造がいいと決断した。防火地域のハードルを乗り越えて立派な建物が出来上がった」と話した。
また、住林の住宅事業本部木化営業部設計チームマネージャー・西出直樹氏は「国産材の自給率を50%に引き上げようという国の目標もあり、今年はそのスタートの年となるよう可能性を追求していく」と語り、鹿島の建築設計統括グループチーフアーキテクト・比留間基晃氏は、「実大加熱実験を行い、個々の耐火認定の組み合わせで耐火性能を有することを確認して耐火建築物の壁を乗り越えることができた。5本のFRウッドの柱・梁を使用し、外壁は塗装仕上げ、内装は木肌がそのまま体感できるよう工夫を施した」と述べた。

スギの木肌が美しい内部
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建物の外観は塗装仕上げなので木造か鉄骨か判別は難しいが、建物内に入ると本物の木の美しさが実感できる。構造材は岩手県産のスギ、床は厚さ20ミリ、幅25センチのナグリ仕上げのナラ材、階段はタモ材、窓はベイマツの木製サッシを採用している。天井にはスギのルーバーを採用し、排煙を兼ねるトップライトを3カ所に設けている。隣接する野間記念館の借景も眺められる。
このような木造の耐火建築物がどんどん建設されることを期待したい。鉄やコンクリートより木が美しいのはいうまでもない。
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| 天井のルーバー | テラス(左が野間記念館) |
















