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三井不動産 今期戸建て分譲 過去14年間で最多の950戸


同社が昨年分譲した「ファインコート目黒」

 三井不動産の平成25年3月期決算は、「賃貸」「分譲」「マネジメント」の主要3セグメントで増収増益となったことから売上高は過去最高の1兆4,456億円、前期比1,075億円(8.0%)の増収、営業利益は1,481億円、同比221億円(17.6%)の増益、経常利益は1,230億円、同比205億円(20.1%)の増益、当期純利益は594億円、同比93億円(18.6%)の増益となった。

 次期は売上高1兆5,300億円(前期比5.8%増)、営業利益1,600億円(同8.0%増)、経常利益1,320億円(同7.3%増)、当期純利益650億円(同9.3%増)を予想している。

◇      ◆     ◇

 同社の売上高が過去最高となったのは、ここ10年ぐらい賃貸ビルや商業施設を積極的に増やし、マンションや戸建て分譲もコンスタントに販売してきたので当然の数字だと思う。有利子負債は2兆1,202億円と2兆円を突破したが、金利安が続いており業績を圧迫するまでにはいたっておらず、首都圏オフィスビルの空室率も3.8%(前期末4.4%)と低下しており、分譲住宅の完成在庫もマンション223戸、戸建て57戸の合計280戸(前期末404戸)と大幅に減少している。

 売上高の過去最高は平成21年3月期の1兆4,189億円で、営業利益と経常利益の過去最高は平成20年3月期のそれぞれ1,792億円、1,628億円だ。このまま推移すれば来期あたりに営業利益、経常利益とも過去最高を達成しそうだ。

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 記者が注目したのは戸建ての収益と戸数だ。当期は464億円(前期比30億円増)、795戸(同9戸減)で、戸当たり単価は5,848万円(同450万円増)となったが、次期の戸数は950戸(同19.5%増)を予定している。

 以下に同社の戸建の収益と戸数を紹介する。

・ 2000年3月期  475億円  821戸
・ 2001年3月期  432億円  769戸
・ 2002年3月期  462億円  900戸
・ 2003年3月期  469億円  921戸
・ 2004年3月期  396億円  841戸
・ 2005年3月期  330億円  676戸
・ 2006年3月期  355億円  706戸
・ 2007年3月期  354億円  707戸
・ 2008年3月期  353億円  713戸
・ 2009年3月期  301億円  572戸
・ 2010年3月期  444億円  829戸
・ 2011年3月期  502億円  925戸
・ 2012年3月期  434億円  804戸
・ 2013年3月期  464億円  795戸

 つまり950戸という戸数は過去14年間で最多になる。2000年3月期以前の数字は把握していないが、同社はバブル崩壊後、自社開発による面開発は行なっておらず、あるいはバブル崩壊後でも最多となるかもしれない。

 マンションほど戸建ての販売戸数はマスコミも注目しないが、一建設グループを筆頭とするいわゆるパワービルダーやハウスメーカーを除いたデベロッパーの中では同社が断トツの多さだ。2位の野村不動産は2013年3月期で売上高353億円、638戸を計上し、三井不動産を追撃する態勢を敷いているようだが、この差は詰まるのかつまらないのか。他のデベロッパーも戸建てを増やす意向で、戸建て市場が面白くなる。

〝オール三井〟の記念碑的都市型戸建 三井レジ「目黒」(2012/5/25)

日本綜合地所「ヴェレーナ横浜東寺尾」 管理コスト抑え健闘

 


「ヴェレーナ横浜東寺尾」完成予想図

 

 日本綜合地所の「ヴェレーナ横浜東寺尾」がバス便のハンディを抱えながら、ランニングコストを抑制した企画が奏功し激戦の駅圏で順調なスタートを切った。

 物件は、 JR 京浜東北線鶴見駅からバス約11分徒歩1分、または京浜急行本線生麦駅から徒歩13分、横浜市鶴見区東寺尾5丁目に位置する7階建て全80戸の規模。専有面積は68.26~75.40㎡、現在先着順分譲中の住戸(13戸)の価格は3,179万~3,499万円(最多価格帯3,200万円台)、坪単価は163万円。竣工予定は平成26年2月下旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。4月末から販売を開始し、これまで10戸に申し込みが入った。

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 見学の目的は、昨年10月に会社更生手続きが終結し、再スタートを切った同社のマンションがどのようなものなのかを確認するためだ。会社更生手続き終結後では今回が3物件目だった。

 鶴見駅圏はマンションの激戦地で、同社のマンションなど20物件ぐらいが供給されている。その多くは同社と同じような中小規模物件で、どのように他社と差別化を図っているかが最大の関心事だった。

 まず、モデルルームを見て1階の6住戸に同社オリジナルの商品企画であるオープンエアリビング付き住戸があるものの、他は他のマンションと同等の仕様に思えた。しかし、これまで数多くの同社のマンションを見学してきた記者にとって、何か特筆すべきことがあるのではと思案していたとき、もらったチラシの「ランニングコストを抑えて、ゆとりある暮らしを実現」というコピーと、「管理費+修繕積立金=13,230円」の数字が目に飛び込んできた。

 記者はこれまで管理費や修繕積立金の額についてはほとんど関心を払ってこなかった。坪当たり600~700円で、修繕積立金はその半分ぐらいが相場ということぐらいは頭に入っているが、どこも似たり寄ったりだと考えてきた。ところがこのマンションは70㎡で約13,000円というのは、少なくとも同じ規模のマンションとでは月額6,000円から7,000円は安いと睨んだ。

 そこで同社と競合しそうな物件の管理費と修繕積立金の額を比較してみた。その通りだった。競合物件のそれは 70 ㎡弱で 18,880 円だった。月額 5,650 円の差があった。年額にしたら 67,800 円だ。

 なぜ同社のマンションは管理費・修繕積立金が少ないのかを聞いた。一つは駐車場(特に機械式)を31台に抑えたこと、第二はエレベータを1基に抑えたこと、第三に共用施設を設けていないことが主な理由だという。

 なるほどと納得した。断っておくが、管理費・修繕積立金の額の多寡はマンションの価値とはまた別問題だ。少なければいいというものではない。しかし、第一次取得層にとっては住宅ローンのほか、2~3万円の支出は大きいし、これに駐車場料金もかかってくる。80戸ぐらいの規模でエレベータを1基に抑えるのは許容範囲だと思うし、共用施設を設けていないのもまた理解できる。このマンションは〝贅肉〟をそぎ落とすことがコンセプトであり、それがユーザーにアピールしたということだ。

 やはり、同社のマンションにはひと工夫があり、マンション激戦区である鶴見駅圏においてすでに10戸の申し込みが入るなど健闘しているのが分かる。

 現地は、バス便ではあるがラッシュ時にはそれほど交通渋滞はなく、生麦駅までほぼフラットの道を歩けること、周囲にはなかなか立派なマンションが建っていることなどは地元のユーザーが一番よく知っていることだ。「東寺尾五丁目」では10年ぶりのマンション供給だという。

 

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  同社が今年3月から分譲開始した「ヴェレーナシティ行徳」は1期1次、2次の全50戸を完売、ゴールデンウィークから1期3次を分譲開始し5月6日現在、20戸の申し込みが入っており、順調なスタートを切った。


完成予想図

日本綜合地所「ヴェレーナ行徳」 真っ向勝負挑め(2/14)

一般社団法人 日米不動産協力機構(JARECO)設立

 

 一般社団法人 日米不動産協力機構(JARECO)は5月8日、同機構を今年2月22日に日本大学経済学部教授・中川雅之氏を発起人として法人設立登記(本店所在地 千代田区)を完了し、本年3月26日に全米リアルター協会(NAR)と「相互協力・相互サービス提供」の協約を締結したと発表した。

 JARECOは、国際的な不動産流通政策の研究・情報交換を産学連携で行う組織として、NARとの相互協力を通じ、世界各地にある NAR 協約国(アジアをはじめとする60カ国)やその国の関連団体・不動産・住宅関連の研究機関・シンクタンク・大学との連携を図り、わが国の不動産流通市場の活性化に貢献することを目的として設立された。設立を記念して5月31日に設立記念シンポジウムを開催する。

 JARECO事務局は、当面の間は仮事務局として日本大学経済学部中川雅之研究室に置く。事務局員は今中弘明氏。電話は03-5843-8372。ホームページは http://www.jareco.org

最後の同潤会「上野下アパート」 三菱地所レジデンスが現地見学会

 


「上野下アパート」

 

 三菱地所レジデンスは5月8日、同社が「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」に基づき建て替える現存する最後の同潤会アパート「上野下アパート」の現地見学会を行なった。

 同アパートは昭和4年に建設された4階建て2棟全71戸の鉄筋造で、関東大震災後に16カ所で建設された同潤会アパートのはしりのマンションの一つ。終戦時の東京大空襲にも奇跡的に焼け残ったが、築後84年が経過し、建物の老化や面積の狭さ、住宅設備の旧式化・劣化などが激しいことから建て替えられるもの。完成後は制震構造の14階地下1階建て全128戸(店舗4区画、集会室除く)のマンションに生まれ変わる。三菱地所レジデンスは参加組合員として72戸を分譲する。

   
外観は洗い出し仕上げ


1階部分の通気孔

 

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 この日公開されたのは2号館の4つある階段室のほか、ファミリー向け・単身者向け住戸、共同水場、共同トイレ、屋上など。時間にして約30分だった。

 同潤会アパートは外観だけなら数物件見ているが、実際の建物の中に入るのは初めてだった。ファミリー向けが約25㎡、単身者向けが約10㎡という狭さにももちろん驚いたが、当時としては最新の設備機器や技術が採用されたであろうことは容易に想像できた。

 もっとも驚いたのはダストシュートが各戸に取り付けられていたことだった。キッチンの近くにある金属製のフタを開けて生ゴミなどを捨てると1階まで自動的に落ちる簡単なものだが、これなどは現在の最新のマンションと考え方は同じだ。

 もう一つは、通気・採光によく配慮されていることだった。1階の床下をはじめ各居室には全て自然換気口がついていた。内階段の階段室にも通気・採光窓が設置されていた。これもいまのマンションと変わらない。このほか、4階には浴室もトイレもない単身者向けの共同水場と共同トイレが設置されており、各階段室ごとに防火扉も設置されていた。屋上には共同水場があり、洗濯場や物干し、ベンチなどが設置されていた。これなども最近のマンションでいうコミュニティ施設となんら変らない。集会室には受付の窓口があり、窓の格子デザインも美しい。1階部分には鍵つき郵便受けが設置されていた(この郵便受けは当時からあったのかどうかは聞き忘れた)。


居室

玄関ドア

ダストシュート

 

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 現地見学会で建て替えにいたるまでの説明を行なった上野下アパートマンション建替組合理事長・森瀬光毅氏(69)の話しも興味深く聞いた。森瀬氏は「このアパートを語るには戦前戦後の歴史を振り返る必要がある」と切り出し、昭和4年の大恐慌のときに建設され、16年の戦争勃発のときに住宅営団に移管され、20年の東京大空襲にも奇跡的に焼け残ったこと、サンフランシスコ条約が締結された昭和26年に居住者に分譲され、所有者の組織「協和会」が設立されたこと、平成21年に管理組合を設立したことなどを語った。

 また、「あまり都を批判したくないが、区分所有法もないとき都は売りっぱなしで何もしてこなかったのが、建て替えを遅れさせた」と悔しさを滲ませ、「当初から住んでいる方は103歳の川口さんなど施設に入っている人を含め3人ぐらいしかいない。私の母親も3年前に亡くなった。皮肉な結果だが、建物の老朽化だけでなく高齢の入居者が減ったのも建て替えにつながった」と話した。

 建て替え後については、「ここは子ども会や婦人会なども盛んに行なわれていた。みんな親や兄弟のようなもの。人情溢れる下町の精神を残していきたい。私も100歳まで頑張る」と語った。


森瀬氏


集会室の格子窓

集会所の受付

 

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 記者は三菱地所レジデンスが建て替えを発表した昨年、〝これで同潤会アパートは見納めになる〟と思い、1階にあった区分所有者が経営する飲み屋で酒を飲み、いろいろなことを聞いた。アパートは風呂なしなのでみんな利用したと思われる隣にある風呂屋も利用した。酔っ払っていたので記憶は確かではないが、記者のような貧相な身体とは対照的な黒光りする肌に立派な刺青が彫られている人の裸身にしばし見とれたのもここだったはずだ。


郵便受け

階段室

屋上

共同水場


共同トイレ

 


共同水場

 

三菱地所レジ 最後の同潤会「上野下アパート」建替え(2012/10/11)

旭化成ホームズ「アトラス江戸川アパートメント」(2004/7/5)

三交不動産 新ブランド〝プレイズ〟「おおたかの森」出足好調

 


「プレイズ流山おおたかの森」完成予想図

 

 三交不動産が5月中旬に分譲開始する同社の〝アトレ〟に替わる新ブランド〝プレイズ〟を冠した「プレイズ流山おおたかの森」を見学した。第1章(期)として分譲する予定の28戸を上回る戸数に対して購入要望が入っており、上々のスタートを切った。

 物件は、つくばエクスプレス・東武野田線流山おおたかの森駅から徒歩11分、千葉県流山市十太夫に位置する7階建て全74戸の規模。専有面積は69.37~84.03㎡、予定価格は2,600万円台~3,900万円台(最多価格帯3,000万円台)、坪単価141万円。竣工予定は平成26年2月下旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。

 建物は道路面から約2.2mの高さに位置しており全戸南向き。無償のカラーセレクト、キッチン高さセレクトのほかに、住宅ローンに組み込める有償の間取りメニュー、グレードアップメニューが選べる「プレイズセレクト」が利用できるのが特徴。35年返済で月々6,000円(200万円)、3,000円(100万円)、2,000円(75万円)コースなどが提案されている。

 4月27日から30日までの3日間の事前案内会に分譲予定の第1章28戸を上回る30戸以上に購入要望が入っており、販売担当者は確かな手ごたえを感じ取っていた。

 

◇     ◆     ◇

 

 この物件については、今年の不動産協会の新年賀詞交歓会で同社東京支店支店長・森本浩史氏から「今年初めにおおたかの森で坪単価140万円の大規模マンションを分譲する」と聞いており、その単価の安さに驚き、見学を約束していた。

 おおたかの森駅圏のマンションについては開業時から5物件ぐらい取材しているが、駅近では坪180万円というのが相場で、駅から11分とはいえ坪140万円というのは圧倒的な割安感がある。30戸以上に購入要望が入ったのは当然だろう。70㎡で賃料が18万円という同駅圏の賃料相場からして70㎡で2,800万円台という価格帯はいかにも有利だ。

 

◇     ◆     ◇

 

 同駅圏のマンション・戸建て市場は今後益々活況を呈す。現在、同社のマンションのほか住友不動産が3年前から3物件で合計548戸を、東日本ハウスが27戸をそれぞれ分譲中だし、タカラレーベンも近く65戸のマンションを分譲する。さらに、駅から数分のところでは三井不動産レジデンシャルが敷地面積約9,800㎡の用地を取得済みだし、タカラレーベンが駅近で33戸を分譲する。

 また、大手ハウスメーカー7社による95区画の大規模戸建て・土地分譲の「クイーンズフォレスト」の分譲も始まった。

コスモスイニシア・阪急不動産

「ジオ・イニシア練馬春日町」 1期27戸が即日完売

 


「ジオ・イニシア練馬春日町」完成予想図

 

 コスモスイニシアと阪急不動産の共同事業マンション「ジオ・イニシア練馬春日町」を見学した。3月末 に分譲した1期27戸が即日完売しており、ゴールデンウィーク明けに2期8戸が分譲される。

 物件は、都営大江戸線練馬春日町駅から徒歩2分、練馬区春日町5丁目に位置する7階建て全52戸の規模。専有面積は58.71~93.09㎡、2期(8戸)の価格は4,198万~6,198万円(64.08~92.09㎡)、坪単価は230万円。竣工予定は平成25年10月下旬。施工は村本建設。

 最大の特徴は、駅から徒歩2分と近い割には、周囲は中高層マンション街で閑静な立地条件。豊島区役所第四出張所へは徒歩1分、「としまえん」にも徒歩10分。マンションの供給が少ないエリアで、これほどの駅近マンションは8年ぶりの供給のようだ。これも人気の要因の一つだ。

 マンションは、4つのステップ、つまり①プラン②カラー③スタイル④マイオーダーをカスタマイズできる「セレクト・スタイリング」を採用しており、家族構成や好みに応じてプランやカラーが選べるようになっている。引き戸を多用し、トイレドアの把手を壁面まで後退させたりしてユニバーサルデザインにも配慮。キッチン天板は人造大理石かフィオレストーンの選択性。キッチンカウンター天板はカビを防止するため壁に接している部分に立上がりを設けている。

平成24年度の住宅着工 89万戸で前年度比6.2%増加

 国交省が4月30日、平成24年度の住宅着工戸数をまとめ発表。総戸数は893,002戸となり、前年度比6.2%、3年連続して増加した。内訳は持家が316,532戸(前年度比3.8%増、前年の減少から再び増加)、貸家が320,891戸(同10.7%増、4年ぶりの増加)、分譲住宅が249,660戸(同4.4%増、3年連続の増加)。分譲住宅の内訳はマンションが124,027戸(同3.3%増,3年連続の増加)、一戸建住宅が124,536戸((同5.6%増、3年連続の増加)。首都圏は持家、貸家、分譲住宅とも増加した。

 建築工法別ではプレハブが134,087戸で、3年連続の増加(前年度比4.6%増)、ツーバイフォーは110,459戸で3年連続の増加(同11.9%増)。

 首都圏マンションは71,594戸(同3.5%増)。都県別では東京都が45,166戸(同5.4%増)、神奈川県が12,599戸(同16.9%減)、埼玉県が7,349戸(同1.4%減)、千葉県が6,480戸(同74.3%増)。各都県ともサブプライム・リーマンショック前と比較すると1万戸前後減少している。

京都・けいはんな学研都市の戸建て分譲モデルハウスオープン

 


けいはんな学研都市の街並み

 

 京阪電気鉄道、京阪電鉄不動産、三井不動産、三井不動産レジデンシャル、野村不動産の5社は5月3日、京都府・関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)の精華・西木津地区で開発中のけいはんな公園都市戸建新街区「MiraiPa!」の建売分譲戸建1期40戸の「ローズプレイスけいはんな公園都市」「ファインコートけいはんな公園都市」「プラウドシーズンけいはんな公園都市」のモデルハウスをそれぞれ公開する。

 けいはんな公園都市は平成 11 年の入居開始以来、約1,350世帯が入居済みの157万㎡の街。新街区として誕生する5社の街づくり「MiraiPa!」は、環境にやさしい緑豊かな街づくりがテーマで、暑熱環境の緩和、長寿命機器の採用、居住者の環境活動及び環境教育の支援などハード&ソフト両面から CO2 削減に取り組んでいる。

ポラス 子育て応援分譲住宅第1号の「育実の丘」で入居者イベント

 


「育実の丘」入居者イベント

 

 ポラスグループが昨年9月に販売した埼玉県子育て応援分譲住宅認定第1号の「育実の丘」の入居者イベントが4月27日に行なわれたので取材した。

 団地は一部建設中の建物もあったが、ほとんどが完成しており、集まったのは約100人。メインイベントは「シェアイベント」。商品の売買を行うフリーマーケットやガレージセールではなく、子どもの成長に伴い、着れなくなってしまった洋服や乗れなくなった自転車などを自宅前のカースペースに置き、ほしい人にあげる交換会だ。名刺や家族カードを交換しながら入居者同士で挨拶していた。同社が経営する「味亭」の鴨汁うどんも全員に提供された。

 イベントの来賓として挨拶したさいたま市緑区坊之在家自治会長・田邊修作氏(71)は、「ここの自治会は緑区内で2番目に大きい1,761世帯。コミュニティの取り組みは19年から強化しており、夏祭りに持ちつき大会、日帰りバスツアー、防犯パトロールなどを行なっている。みんな盛況で夏祭りなどには常時500人ぐらいが参加する。若い方が増えるのはいいこと。老荘青の三位一体が大事」と話していた。田邊氏は元埼玉県草加警察署長。署長時代は24時間態勢で「晩酌などやったこことがない」そうだ。


自治会長の田邊氏

 

◇     ◆     ◇

 

 この種のイベントを取材するのは初めてでとても新鮮だった。子育てファミリーを支援するにはデベロッパーがしっかり仕掛けを行なわないといけないことがわかった。

 一つ気が付いたのは、同社ばかりでなく他のデベロッパーもそうだが、敷地内には自転車置き場がないことだ。都市型戸建ては敷地が30~40坪ぐらいしかないが、おそらく親子で自転車は3台はあるはずだ。どこに設置するかは課題だが、これは必須要件ではないか。


シェアイベント

 

埼玉県「子育て応援認定制度」中身ある制度に改善を(2012/9/11)

ポラス 「埼玉県子育て応援分譲住宅」認定1号 浦和で分譲(2012/9/7)

積水ハウス キッズデザイン体験施設 多摩NT「東山」にオープン

 


「コドモ里山ラボ東京森都心(とうきょうしんとしん)」

 

 積水ハウスは5月3日、キッズデザインの見学体験施設「コドモ里山ラボ東京森都心(とうきょうしんとしん)」を多摩ニュータウン内の681区画の分譲地「東京森都心 多摩ニュータウン東山」にオープンする。コドモの心理学や事故事例から得た知見を生かした生活提案「コドモイドコロ」に基づいて、異業種5社とのコラボレーションで設計・開発したキッズデザインを体験できるモデルハウス。オープンに先立つ4月30日、報道陣に公開した。

 施設は、クルドサックの中央に植えられた大木をそれぞれ眺められる4区画から構成されており、モデル棟は敷地面積約231㎡、建物延床面積約136㎡。子どもにとっていい住まいとは何か〟について考案され、引き出された解答「生きる力を育む家」を実大モデルで実現したもの。ポイントは①イドコロづくりと②危険をコントロールすることの2点。イドコロづくりでは、子どもの感性、知性、社会性を発達させるためのハード・ソフトを盛り込み、危険のコントロールではスマートユニバーサルデザインの考えに基づき、危険を子どもが学習できるようにしているのがポイントとなっている。

 土間収納、ピットリビング、ベンチソファ、マドベ、間仕切るーむ、ビーンズテーブルなどが提案されており、キッズデザイン・アイテムでは、ドア指はさみ防止スクリーン、ビーンズ型ダイニングテーブル、空気環境配慮仕様、フルフラットバルコニー、指はさみ防止引き戸などが採用されている。

 「コドモイドコロ」は、キッズデザイン協議会が10月1日から開始する、子どもの安全向上のための業界横断型ガイドラインを適用し、デザインプロセス評価と企業が実施した製品評価の確認を主体とした認証制度「CSD認証」のプレ認証第一号として合格している。施設について、キッズデザイン協議会専務理事・小野裕嗣氏は「この7年間の取り組みの成果が凝縮されている施設。〝どこがどこなのか分からない〟のが秘訣」と話した。

 現地は、京王相模原線京王堀之内駅から徒歩12分(セカンドステージ)、八王子市堀之内に位置する全681区画の団地の一角。土地売主は同社と大和ハウス工業。昨年4月から分譲が始まっており、これまでに100区画以上が分譲済み。同社が建売住宅(9戸)を分譲するのは今回が初めて。価格は5,400万円台~6,100万円台。


1階リビング

2階こども室

 

◇     ◆     ◇

 

 今から20数年前、記者はユニバーサルデザインと出会ったときから「これからの住宅は人に優しい、環境に優しいが大きなテーマになる」とずって思ってきたが、それを実践しているハウスメーカー・デベロッパーのトップランナーが同社だ。

 今回の施設も見所が一杯だ。全部は紹介しきれないがいくつか紹介しよう。まず2階の「フルフラットバルコニー」。居室とバルコニーのまたぎ部分を解消したものだが、建売住宅のモデルハウスで見学したのは初めてかもしれない。国交省も30年も前から研究してきたものだが、これを採用するハウスメーカー・デベロッパーはほとんどないのが現状だ。同社も2~3年前に提案しだしたばかりだと言う。〝ゲリラ豪雨〟などによる室内への防水対策が難しかったという。またぎ部分がないとどれだけストレスが解消されるかは言うまでもない。これは大人でも子どもでも同じだ。

 「ビーンズテーブル」もグッドアイデアだ。 座ったとき正対しなくてもいいようにテーブルの天板を豆型にしたものだ。これについては最近、室町時代から伝わるという「小笠原流礼法」の講義を受けたのだが、講師の方も同じことを話した。つまり、正対すると部下などはどうしても気後れしてしまい、なかなか自分の思いを伝えられないのだそうだ。確かに大人も子どもも正対すると、「塾、サボったでしょ」「飲み代、過少申告したでしょ」などと目上から全て見透かされているような気持ちになるものだ。

 「マドベ」も、外の景色を眺めながらコーヒーを飲むのもよし、本を読むのにも最適なデスク付きだ。チャイルドロック付の浴槽、引き戸、玄関ドアなどもよく考慮されたもので、倒れてもやけどをしない電気ケルトもあった。記者は独身時代、小さな子どもを預かった際、電気ポットを子どもが倒して大騒ぎとなり、病院に駆け込んだことがある。幸い、指に水膨れが出た程度で済んだが、医者から「君とお子さん、奥さんの関係は何だね」といわんばかりに睨まれ、肝を冷やしたことがある。子どもは一瞬たりとも目が離せないことを学んだ。

 記者はユニバーサルデザイン・アイテムの多くを知っているが、同社の東山プロジェクトリーダー・川口悟氏によると、「先日からすでに見ていただいているお客さまもいらっしゃるが、みんな目を輝かせて見学される。たくさんのお客さまの声をデータ化し、企画に反映していこうという気持ちがわれわれにはある。お蔭さまて販売も極めて順調」と話した。

 同業にも見学をお勧めだ。全部とは言わない。キッズデザインの一つでも二つでも商品企画に採用してほしい。これほど徹底した提案を行なっているものは他にない。


フルフラットバルコニー

指つめ防止玄関ドア

指つめ防止引き戸

 

 

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