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1129日付「住宅新報」WEB版は、「中古マンション値上がり率、日鉄興和不が7年連続関東1位 スタイルアクト調べ」と題する記事をトップで報じた。

調査は、宅建業者のスタイルアクトが運営する分譲マンションサイト「住まいサーフィン」が行ったもので、2008年以降に竣工した首都圏マンションを対象に、各住戸の新築時分譲価格と202110月から20226月までの間に中古マンションとして売り出された価格の値上がり率を算出し、新築を分譲したデベロッパーごとにランキングとして発表したものだ。

これによると、値上がり率トップは日鉄興和不動産の4.37%で、以下、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、東京建物などと続く。2008年以降で最多供給と思われる住友不動産はベスト10位で、供給量ではベスト10社入りするはずの〝中堅〟は1社もランクインしていない。

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小生は、このスタイルアクト=住まいサーフィンの調査は知ってはいたが、どこがどのような調査をしようと勝手だし、それを記事にするかしないかを決めるのはメディアの判断に委ねられるので、無視を決め込んできた。

だが、しかし、28万人(同社発表)もいる「住まいサーフィン」の会員(消費者)は不利益を被らないかと心配になったので、以下に書くことを決めた。

まず、中古マンションの値上がり率について。東日本不動産流通機構(東日本レインズ)のデータによると、今年10月の首都圏中古マンションの成約価格は4,395万円(前年同月比13.1%増)、坪単価は229万円(同14.7%増)、築年数は23.73年となっている。

2008年の首都圏新築マンションはどうかというと、東京カンテイのデータでは平均価格は4,662万円、坪単価は233.7万円だ。

これを、スタイルアクトの値上がり率ランキングの計算式「中古値上がり率=中古売出価格/新築時価格/経過年数」に倣い計算すると、4,395万円/4,662万円/14年=6.7%となった。スタイルアクトが公表した値上がり率上位10社の数値よりかなり高いtが、最近の新築マンションの価格上昇率が高いことから、築浅の物件ほど上昇率は下がるはずなので、各社の物件の上昇率もこのようなものだともいえる。

これはさておき、上位10社についてみてみる。値上がり率トップの日鉄興和不動産を始めベスト10入りしている各社はどこも販売棟数、竣工戸数などを公表していない。このため、民間調査会社のデータに頼らざるを得ないのだが、日鉄興和不の2008年以降の販売戸数は年間800戸として10,000戸くらいのはずだ。1棟当たり戸数を5060戸とすると、販売棟数は10,000÷5060167200棟になる。ところが、スタイルアクトが対象としているのは41棟にしか過ぎない。販売棟数の20.524.5%しかカバーしていないことになる。(他社もほぼ同様)。

なぜそうなるのか。最大の理由は、スタイルアクトの計算式では「少数事例による誤差を抑制するため、総戸数10戸未満のマンションならびに事例数が5件未満のマンションは除外」しているからだと思われる。(販売戸数だけならベスト10入りするはずのデベロッパーは23社あるが、この適用除外に該当するためか)

この適用除外に問題はないのか。記者は中古市場のことはよく分からないのだが、年間5戸以上の売買事例がある中古マンションの1棟当たりの規模はどれくらいなのか。50戸で年間5戸以上というのは考えづらいのではないか。10年で所有者が入れ替わる計算だ。100戸でどうか。投資用や単身者・DINKS向けはあるかもしれないが、ファミリーマンションではあり得ないような気がするが…。(日鉄興和不は単身者・DINKS向けの供給比率が他社と比べて高い)

次に、資産性の問題。スタイルアクトは値上がり率の高いマンションは資産性が高いというが、果たしてそうか。短絡的に過ぎるのではないか。新築もそうだが、中古マンション価格はそのときどきの市場に左右される。上りもすれば下がりもする。資産価値が高いマンションは、「広尾ガーデンヒルズ」に代表されるように、市場動向に左右されず、居住環境や居住性能が高いことなどから賃貸市場でも適正に評価される物件だと思う。

これに関連することだが、釈然としない問題もある。ベスト10の住友不動産だ。他社の事例数を棟数で割ると、もっとも少ないのは阪急阪神不動産の9.7件で、あとは1214件だが、住友不はほぼ倍の23.7件だ。値上がり率は低いが、市場流通性(換金性)が2倍というのをどう評価するか。

もう一つ、スタイルアクトはどのようにして膨大な中古マンションデータを収集したのかという問題だ。東日本レインズによると、2021年の首都圏の中古マンション成約戸数は約4万戸だ。同社が調査した10社合計の事例は11,596戸だ。レインズデータの29.0%だ。これは2008年以降の竣工物件に絞ったからでもあるが、いずれにしろ全物件のデータを収集・分析しないと割り出せないはずだ。

同社は宅建業者なので(調査主体は「住まいサーフィン」だが)、レインズデータは得られるはずだが、レインズは「不動産取引を促進するために物件情報や成約情報を集計・加工・分析し、物件や個人が特定されない範囲で外部に提供する場合、利潤を得ることはできない」とし、「会員は上記以外で、成約情報を広告・宣伝等で利用してはいけない」と規制を設けている。

であるとすれば、スタイルアクトはレインズのデータをもとに算出したと言えないはずで、ならはどのような調査を行っているかを明らかにすべきだ。根拠が希薄な「広告・宣伝」は不動産公正取引協議会連合会の「公正競争規約」で「実証されていない、又は実証することができない事項を挙げて比較する表示」「実際のものよりも優良であると誤認されるおそれのある表示」などを禁止している。

以上、縷々述べてきたが、新築・中古マンション市場について多少の知識があれば〝これはおかしい〟と感じるのが普通だ。無批判にリリースをコピペして発信する業界紙のメディア・リテラシーも問われている。

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「クレヴィア三軒茶屋」

 伊藤忠都市開発が分譲中の「クレヴィア三軒茶屋」のモデルルームを見学した。駅から徒歩11分の全52戸で、70㎡以上の住戸はトーヨーキッチン、浴槽の框にヒノキを採用した浴室を標準装備とし、1階の2住戸は露天風呂付き。既分譲の坪単価は約570万円だが、設備仕様レベルはこの価格水準では突出しているはずだ。価格上昇が著しく、一方で設備仕様レベルが劣化・退行している業界に一石を投じるマンションだ。

 物件は、東急田園都市線三軒茶屋駅から徒歩11分、世田谷区若林1丁目の第一種住居地域に位置する5階建て全52戸。専有面積は36.36~133.66㎡。現在分譲中の住戸(9戸)の価格は7,990万〜28,990万円(54.17〜133.66㎡)。既分譲住戸の坪単価は約570万円。竣工予定は2023年9月下旬。デザイン監修はアーキサイト メビウス。設計監理は安宅設計。施工は大末建設。販売代理は伊藤忠ハウジング。

 昨年12月に物件ホームページを開設し、これまで反響は約2,000件超、来場者は約260組。6月末から販売を開始しており、未分譲の1LDKなどを除き、約半数が成約済み。購入者の半分は世田谷区に地縁がある人が中心で、賃貸脱出派がメイン。

 現地は、環七通りから奥まった2~3階建て住宅や5階建てのマンションなどが建ち並ぶ閑静な住宅街の一角。本件敷地より北側のエリアが下がっており、建物中央の中庭・吹抜け空間を囲むように住戸を配置。プランは36㎡台が6戸、40~60㎡台が27戸。70㎡以上が19戸。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、サッシ高約2400ミリ、ディスポーザー、食洗機、ミストサウナ、グローエ水栓など。

 同社・瀬戸氏は「立地は幹線道路から奥まった閑静な住宅街、かつヒルトップで、上層部は都心方面中心に眺望がたのしめる住戸も多く、この立地条件と設備仕様を掛け合わせた商品企画が評価されています。最近のマンションは価格が上昇しているのに設備仕様は変わっていないと考え、トーヨーキッチンやヒノキ框の浴槽を採用することなどで差別化を図りました。物件ホームページには〝露天風呂あります〟と謳っています」と話した。

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中庭

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トーヨーキッチンを採用したモデルルーム

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パラレロシンク

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モデルルーム

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 今に始まったことではないが、同社ほどチャレンジ精神が旺盛なデベロッパーはない。この5年間の主な物件を直近の供給順に列挙した。

 玄関手洗い収納を3LDKタイプに装備した「西馬込」、天井高2700ミリ&ワイドスパンの「新御徒町」、シャワールームのみで浴槽をなくした住戸も提案した「山吹神楽坂」、最上階にリモートワークや読書に利用できる「+HANARE Common」を設けた「両国国技館通り」、6か所の「ボイド」と9室の「離れ」を設けた「小杉御殿町」、5つ星ホテル並みの有楽町の「ギャラリー」、「理想の新婚部屋」を提案した「門前仲町」(賃貸)、角住戸率100%、約7.2m~約9.4mのワイドスパンの「上野池之端」、自分の生活スタイルに合わせてプラン(有償)が選べる「大井町」、住戸内の1坪を8種類の中から選べる「池袋West」、外観デザインが秀逸だった「文京関口」、ベランダから釣りができそうな「金沢八景」…。(RBAホームページで「伊藤忠都市開発」を検索していただければヒットするはず)

 今回の「三軒茶屋」もこれらの物件に引けを取らない。驚いたのは〝ゼロ動線〟をテーマにしたトーヨーキッチンを標準装備(70㎡以上の住戸)していることだった。サイズは1990×1050ミリ(住戸により異なる)だから大きくはないが、天板がキラキラと輝き(ステンレス製)、何よりも洗・切・盛を手際よくできる76センチ四方のユーティリティシンクがいい。表裏リバーシブルのまな板付き。トーヨーキッチンの商品を標準装備しているマンションなど最近ほとんど見たことがない。料理好きにはたまらないキッチンだ。

 もう一つは、框にヒノキ、浴槽内に御影石を採用した浴槽だ。この種の浴槽は最近ほとんど見かけなくなったが、なるほどと得心したのは浴室と洗面室の壁面を同じタイルとし、ガラスで仕切ることで一体的な空間を演出していることだ(一部の住戸のみ)。ホテル・旅館気分が味わえるはずだ。

 1階の2住戸(約57㎡)には、住戸内の浴室のほかにテラス内に露天風呂を設けているのも面白い。記者は風呂が好きではないのでよく分からないのだが、これもまた風呂好きにはたまらないだろう。

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洗面&浴室

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「(仮称)大田区上池台5丁目計画」

 長谷工コーポレーションは11月22日、長谷工不動産の分譲マンション「(仮称)大田区上池台5丁目計画」(42戸)で住宅性能表示を用いるマンションとして初めて独自開発した環境配慮型コンクリート「H-BAコンクリート」を建物の地上部分に全面採用すると発表した。

 同マンションに使用するコンクリート約2,300 m3をH-BAコンクリートにすることで約117t(約8,400本のスギが1年間に吸収する量に相当)の温室効果ガス(CO2)排出量の削減効果を見込んでいる。

 H-BAコンクリートは、普通ポルトランドセメントと高炉セメントB種を併用して製造することで、従来の普通コンクリートに置き換えが可能で、コンクリート材料に由来する温室効果ガス(CO2)排出量を約20%削減する環境配慮型コンクリート。

 これまで、「ルネ横浜戸塚」(439戸)の回廊床や、学生向け賃貸マンション「学園東町プロジェクト」(120戸)での全面採用など実績を重ねてきた。新材料・新工法のため、住宅性能表示「評価方法基準」としては評価できなかったが、国土交通省の「特別評価方法認定」を取得したことで、住宅性能表示を行う分譲マンションへも採用できることになった。

 同社は2021年には約100万m3 のコンクリートを使用しており、これをH-BA コンクリートとした場合には約5万t(約360万本のスギが1年間に吸収する量に相当)の温室効果ガス(CO2)排出量を削減できるとしている。

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 1人の人間が1年間に排出するCO2は約350kgとされているので(小生は小柄なので平均値以下だと思うが、その代わり〝毒〟を含んだ記事を垂れ流しているのでイーブンか)、117tは人間にすると334人分だ。凄い数値だ。スギもまた立派だ。

 だが、しかし、高く評価される一方で、木は粗末に扱われている。利活用されないままで放置されたり、なんだかんだの理由をつけてぶった切られたりする。

 それにしても従来のコンクリと比べ2割もCO2排出量を減らせるとは…価格も気になるが…。

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「パークタワー西新宿」

 三井不動産レジデンシャルは11月18日、新宿区西新宿で開発を進めている「パークタワー西新宿」で同社初の「オンライン上と実空間を連動させたハイブリッド型マンション販売拠点」の「コンセプトサロン」を開設、2023年1月中旬頃に実空間の「レジデンシャルサロン」をオープンすると発表した。

 「コンセプトサロン」では、①コンセプトムービー②建物概要③室内空間④VR モデルルーム⑤間取り・予定価格を含めた販売スケジュール⑥Q&Aを紹介するなどして、実際に物件の外観や内装で使用される素材、専有部分の広さや高さなどを実際の空間を体験できるのが特徴。

 物件は、都営地下鉄大江戸線西新宿五丁目駅から徒歩6分、東京メトロ丸ノ内線西新宿駅から徒歩10分、新宿区西新宿5丁目に位置する「西新宿五丁目中央南地区市街地再開発」(0.8ha)の40階建て全470戸(一般販売対象戸数287戸)。専有面積は42.48~108.88㎡。第1期販売開始は2023年3月下旬。竣工予定は2024年11月下旬。施工は熊谷組。

 今回の隣接地の「西新宿五丁目中央北地区第一種市街地再開発事業」(1.5ha)では、三菱地所レジデンスの60階建て「ザ・パークハウス西新宿タワー60」953戸(分譲777戸)が2017年に竣工している。

 また、近接地の「西新宿五丁目北地区防災街区整備事業」(2.5ha)に事業参画している住友不動産が35階建て「シティタワー西新宿」427戸(非分譲住戸254戸・非分譲SOHO11室含む)を近く分譲開始する。同事業ではA・B・C地区で合計1,000戸の住宅が建設される。

 さらに、西新宿5丁目駅にもっとも近い「西新宿五丁目南エリア」(0.6ha)でも再開発の計画が進められている。

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「パークタワー西新宿」オンライン上のコンセプトサロン画面イメージ
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 上段はほとんどリリースのコピペだが、同社のリリースには、メディア向けに「コンセプトサロン」の一部をURLで公開するとあったので視聴した。

 この種のオンラインによる物件販売現場を知らないからだが、視聴しても何がハイブリッドなのかさっぱりわからなかった。「無知は罪なり」なのか「無知は力なり」なのか。

 しかし、間取りと予定価格を公開していることはとてもいいことだと思った。同社物件も含めて、ほとんど(例外はあった)の分譲マンションのホームページは、〝駅近〟などの特長のみが強調され、価格は販売直前にならないと告知されないし、設備仕様レベルも後回しになりがちだ。これは消費者不在であり、購入検討者に失礼だとずっと思ってきた。

 「パークタワー西新宿」では、担当者が北向きの6.6mスパンの61㎡台が10,000万円台であるとか、西向きの7.3mスパンの61㎡台が12,000万円台、9.4mスパンの74㎡台が14,000万円台、108㎡の南西角住戸は27,000万円台ということを話した。

 この価格が高いか安いかはコメントしないが、港区などでは立地環境に恵まれていなくとも坪700万円を超え、目黒や五反田駅圏でも坪600万円を超えても人気になっている。池袋駅圏では坪500万円をはるかに突破している。

 なので、再開発により環境が一変した「西新宿5丁目」でこの価格帯というのは納得もした。免震でZEHは首都圏初ではないか。「水の景色」をコンセプトにしたデザインも印象的だ。

日本最高階数 三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス西新宿タワー60」竣工(2017/10/24)

 

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「オープンスクエア南栗橋」

 オープンハウス・ディベロップメントが分譲中の「オープンスクエア南栗橋」を見学した。見学前、坪単価は150万円くらいだろうから、同社グループがトップ・スポンサーとなっている東京ヤクルトスワローズのマスコット「つば九郎=2,896万円」もあるのではないかと予想したが、まさにそうだった。2スパンある67㎡プランを2,896万円で売ったら、ヤクルトファンでなくても顧客が殺到するのではないか。

 物件は、東武日光線南栗橋駅から徒歩3分、久喜市南栗橋4丁目の近隣商業地域(建ぺい率は角地緩和により100%、容積率200%)に位置する10階建て全107戸。専有面積は67.78~83.52㎡、11月下旬に販売予定の第3期(6戸)の専有面積は67.78~71.92㎡、価格は2,700万円台~3,400万円台、坪単価は150万円くらいのはず。竣工予定は2023年4月下旬。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。

 今年5月から販売を開始しており、これまで資料請求は1,500件を突破。半数以上が成約済みのようだ。

 現地は、「ショッピングゾーン」「ウェルネスゾーン」「リビングゾーン」「パークゾーン」からなる開発面積約16.7haの官民学の複合再開発「BRIDGE LIFE Platform構想」エリアの玄関口に位置。四方道路に接道。徒歩2分にはオープンしたばかりの「イオンスタイル南栗橋」があり、小学校は徒歩4分。

 建物は全戸南向きで、南側道路には見事な街路樹(カエデ)が植わっている。住戸プランは約71~73㎡の3LDKが9スパン、約67㎡3LDKが2スパン、東南角の約83㎡の4LDKが1スパン。

 主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2500ミリ、可動間仕切り「ウゴクロ」、床暖房など(浴室タオル掛けはなし)。

 住宅評論家・櫻井幸雄氏は、物件ホームページで「『オープンスクエア南栗橋』は、今まさに新しい街づくりがはじまった『南栗橋』駅の最前線に位置している。将来の楽しみが多いマンション」と絶賛している。

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マンションの前は見事なカエデ

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 記者は、西武ライオンズファン&アンチ巨人なので、セ・リーグは巨人以外だったらどこが優勝しても構わないのだが、宣伝のうまさではヤクルト(オープンハウス)が突出していると思う。

 村上選手に「神宮球場で56本以上打ったら東京の家1億円プレゼント」を宣言し、最終戦で56本を放ち、しかも史上最年少で三冠王を達成したことから、荒井正昭社長の〝ツルの一声〟で「好立地の東京の家3億円(税込)プレゼント」に3倍増に大幅修正した。その後も「つば九郎ハウ巣」の公開、「日本で一番スワローズな家」(8,960万円)を提案し、早期に成約するなどその宣伝効果は数億円に達するはずだ。業績も絶好調。売上高1兆円を視野に捉えた。

 そこで、提案だ。この「オープンスクエア南栗橋」も販売好調のようで何よりだが、何戸でもいいからも「つば九郎」の直筆色紙付きで「つば九郎=2,896万円」で販売していただきたい。つたない文字だからこそ、その分、価値もある。

 まだある。例えばモデルルーム来場者にもれなく2,896円分の発泡酒「つばくろうのる~び~」をプレゼントするとか、年末までの契約者にお年玉プレゼントとして〝総額2,896万円の家具プレゼント〟(10人なら一人289.6万円)もいい。ぜひやっていただきたい。

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「BRIDGE LIFE Platform構想」戸建て街区 右端は見事なメタセコイア

「日本で一番スワローズな家」(8,960万円) 発表後6日目で成約 オープンハウス(2022/11/3)

神宮外苑に総力を注いだ「つば九郎ハウ巣」公開 オープンハウス(2022/10/10)

村上選手「3億円の家」プレゼント 現段階で未定 戸建ての可能性大 オープンハウス(2022/10/10)
 

 

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「プレディア横濱山手パークヴィラ」

 JR西日本プロパティーズは11月16日、今年7月から販売していたマンション「プレディア横濱山手パークヴィラ」全75戸が約4か月で完売したと発表した。

 JR京浜東北・根岸線山手駅から徒歩15分の6階建て全75戸。専有面積は63.27~100.28㎡、価格は4,598万~10,498万円。坪単価は260万円強。売主は同社(事業比率70%)のほか大和地所レジデンス(同30%)。

 総反響数は1,279件、総来場数は355件。契約者の居住地は横浜市(45%)、東京都(31%)、横浜市を除く神奈川県内(16%)、その他(8%)。年代は20代~70代と幅広く、30代、40代が中心。

 同社は人気の要因として①魅力あふれる立地を活かした、“ここにしかない”商品企画②豊かな家時間を叶える、リアルな住環境の良さ③住み手の意識の変化を踏まえた、一歩先を行く住まいづくり-をあげている。

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この物件は8月に取材している。参照していただきたい。早期完売は当然だと思う。

風致地区の高台立地 設備仕様レベルも高いJR西日本プロ・大和地所レジ「横濱山手」(2022/8/11)

 

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 三井不動産レジデンシャルは11月15日、東京電力エナジーパートナーとファミリーネット・ジャパンの協力のもと、日々のくらしを豊かに、楽しみながら、持続的に脱炭素活動が行える「くらしのサス活」を12月1日から開始すると発表した。この種の取り組みは住宅業界初という。

 「くらしのサス活」とは、すまいとくらしにおける脱炭素行動のリスト化と同社マンションの住戸ごとのCO2排出量・削減量の見える化を実施し、これらを活用した脱炭素活動への参加を募り、その参加者に対し抽選で商品・特典を提供するもの。

 今年度は、第一弾としてTOKYO UNITE(東京をホームタウンとする14のスポーツチーム・団体が参画)とタイアップした「くらしのサス活2022冬」を開催。厳しい電力需給が想定される12月1日から2023年1月31日の2か月間、自宅でできる脱炭素活動をまとめた「くらしのサス活リスト」を配布、期間内にリスト記載の脱炭素活動を実施し、応募の中から抽選でTOKYO UNITE参画チーム・団体による特典を提供する。取り組み期間中に約1,000tのCO2削減を目指す。

 同社は、首都圏マンションの各住戸でCO2排出量・削減量をDXにより自動集計および見える化し、入居者が定量的なCO2削減量に応じた様々な特典を得られる仕組みの構築を進めている。

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 結構な取り組みだが、業界初とは驚いた。業界では、集客を増やすためにモデルルーム来場者に分譲価格にオンされる数千円の商品券などを配布する一方で、一括受電や高効率エアコン、エネファーム、エコジョーズ、保温浴槽、節水トイレ、LED照明などの採用により年間光熱費は数万円も節約できるなどと宣伝している。

 CO2削減では、マンション家計簿もそうだ。例えば、三菱地所レジデンスの「soleco(ソレッコ)」。同社はもう10年くらい前から光熱費などの「見える化」を進めており、戸別のCO2排出量を記載している。同様のサービスをみんな行っていると思っていた。

 三井不動産レジデンシャルのマンションでの脱炭素の取り組みでは、建築時に高耐久部資材を採用することで、運用段階のCO2排出量を約38%削減し、60年間で大規模修繕工事回数を2回減らすことができ、約14%のコストを削減する試みに注目している。その第一弾「パークホームズ志木コンフォートテラス」135戸に消費者はどのように反応するかにも興味がある。

 既に分譲は始まっており、物件ホームページでは購入者22名のアンケート調査による「購入のポイント」がYouTubeで配信されている。最大の評価ポイントは「70㎡超で5,000万円台」の価格帯で、その他は生活利便性、立地、眺望、共用部、間取りなどだった。CO2削減・コスト削減も購入のポイントになっていることの言及はなかった。

 マンション購入検討者としては、3K(価格・交通便・環境)が重要であって、管理費や修繕積立金の額は二の次になるのは理解できるが、デベロッパーのこのような脱炭素の取り組みを適正に評価することも求められている。

 この点に関連することだが、マンションの資産価値・居住価値の見える化を進めるマンション管理適正評価制度がスタートした。管理の良否を★5つ(★なしを含めて6段階)で評価するもので、現在126物件が登録されている。このうち満点の★5つは43件で、管理会社別では三井不動産レジデンシャルサービスの7物件が最多。以下、伊藤忠アーバンコミュニティーの5物件、長谷工コミュニティの4物件、野村不動産パートナーズの4物件、東急コミュニティーの3物件、三菱地所コミュニティの3物件となっており、この6社で半数以上を占めている。

 あと数年もすれば、マンション管理会社もデベロッパーもこのようなデータによって評価・選別される時代が間違いなくやってくる。

 

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 長谷工コーポレーション、プライム ライフ テクノロジーズ、パナソニック建設エンジニアリングの3社は11月14日、住戸内の空調管理をルームエアコン1台で行うことのできるマンション専有部向け全館空調熱交換気システム「withairⓇ CUBE(ウイズエアーキューブ)」を共同で開発したと発表した。長谷工の賃貸マンション「サステナブランシェ本行徳」の一部住戸に採用する予定。

 パナソニックの空調機器をベースとし、長谷工のマンション建築・設備のノウハウをシステムに反映しており、パナソニック建設エンジニアリングがシステムの設置工事を行う。

 ①居室間や非居室間の温度差を縮小し、ヒートショックリスクや熱中症リスクを低減②粉塵除去率の高いHEPAフィルターを搭載することで、住戸全体で高い空気清浄性能を実現③メンテナンスが不要かつ自動給排水を可能にする④寝室で発生する二酸化炭素を住戸内全体に希釈しながら室外に排出⑤換気による熱ロスを最小限に抑え、暖冷房の消費電力量を約7%削減するのが特徴。

 今後、長谷工グループが手掛ける分譲マンションや長谷工の設計施工マンションを中心に導入提案を積極的に進めていく。

 「サステナブランシェ本行徳」は、東京メトロ東西線妙典駅から徒歩6分、5階建て全36戸。1990年2月(築32年)竣工。改修竣工は2023年春頃。

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 マンションの全館空調システム開発は、三菱地所レジデンス・三菱地所ホームの「エアロテック」、野村不動産の「床快full(ゆかいふる)」、三井不動産レジデンシャルの「AirLOGY」に次いで4件目だ。長谷工の開発によって、ほとんどのマンションに採用が可能になった。

 階高・天井高が低い中古マンションでは施工は難しいのだろうが、加速度的に普及しそうな気がする。

 

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 マンション管理業協会は1110日、恒例の記者懇親会を開催し、同協会副理事長でマンション管理適正評価制度委員会委員長・福田明弘氏(野村不動産パートナーズ社長)は「今年4月から制度をスタートさたが、不動産流通会社やポータルサイトとの連携ができており、会員各社へのアンケートの結果、公開件数は今年度末までに1,000件、3年後には1万件超になる目途がついた。居住価値の見える化を図ることによって、資産価値だけでなくハード・ソフト両面で中古マンションが適正に評価されるよう、業界を挙げて取り組んでいく」と語った。

マンション管理適正評価制度は、良好な管理のマンションが中古市場で適正に評価されるようにするために設けられた制度で、マンションの管理状態を①管理体制②建築・設備③管理組合収支④耐震診断関係⑤生活関連の5つのカテゴリー、30項目について評価し、5つ(特に優れている)からなし(管理不全の疑いあり)まで6段階でインターネットを通じて公開するもの。

これまで同協会ホームページのほか東急リバブル(83日)、三井不動産リアルティ(929日)、アットホーム(118日)が各社のWEBで公開している。

111日現在、登録物件は100件に達しており、うち★5つは39件、★4つは37件、★3つは23件、★2つは1件。(10日までに129件に達したと報告された)

           

まだ登録件数は100物件だから答えは返ってこないとは思ったが、「の数が多い物件の販売スピードが上がったとか、成約価格が想定を超えたとかのデータはないか」と質問した。やはり「データはまだ集まっていない」(福田氏)とのことだった。

しかし、同協議会は制度の成果を立証するため学識経験者と民間調査会社に調査を依頼していることを明らかにした。

どのようなマンションが高い評価を受けているのか、成約価格は周辺相場と比べてどうなのか、管理会社別ではどうか、さらには分譲デベロッパー、施工会社との関連性はあるのかないのか興味津々。

 記者は、★2つとか★1つなどの低い評価しか受けていない物件が★1つでも2つでも上積みできるような支援も欠かせないと思うが…。

「三井のリハウス」でもマンション管理適正評価表示スタート(2022/10/4

 

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 マンション管理業協会は11月1日、マンション管理適正評価制度の登録件数が100件に到達し、これに併せて、登録ステッカーを発行すると発表した。登録件数は2023年3月末日までに1,000件超を見込んでいる。

 100件の★の数(なしから★5つまで)の内訳は、★5つが39件、★4つが37件、★3つが23件、★2つが1件。戸数別では100戸以下が69件、築年数では2000年以降が49件。

 登録ステッカーは有償で、直径150mm、費用は500円/枚。販売サイト:http://www.kanrikyo.or.jp/shopping/guest/products/list.php(一般)、http://www.kanrikyo.or.jp/shopping/member/products/list.php (会員)

「三井のリハウス」でもマンション管理適正評価表示スタート(2022/10/4)

 


 

 

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