入居者の読み終えた本を貸し出す「循環ライブラリ」 三井不レジ「文京本駒込」
「循環するライブラリ」
三井不動産レジデンシャルは8月5日、古本買取・販売を展開するバリューブックスと提携し、入居者が読み終えた本を次の読み手に届けるサービス「循環するライブラリ」を、今秋分譲するマンション「パークホームズ文京本駒込」の共用部に導入すると発表した。今後も両社の連携を拡大しながら他の計画物件にも順次展開していく。
バリューブックスは、オンラインでの古本買取・販売を中心に、実店舗やパートナー店舗での販売、さらには買取できなかった本の一部を保育園や福祉施設に寄贈する「ブックギフト」、移動型書店「ブックバス」などを通じて〝本が循環する社会〟を目指している書店。
同社には一日約2万冊の本が届き、そのうち値段がつく本は約半数の約1万冊。大半が古紙再生に回るという現状があるなか、持続可能な社会の実現・SDGsへの貢献を目指す三井不動産レジデンシャルと連携することで、マンションのコミュニティ醸成に生かすのも目的の一つ。
サービス導入1号物件の「パークホームズ文京本駒込」の共用部に2層吹抜けの空間を活用したライブラリを設置。本棚には約1,800冊の蔵書を収め、そのうち約1,500冊を古本から選書、3か月に1度、定期的に100冊程度の入れ替えを行う。
また、買取金を管理組合に還元することを前提に、入居者が読み終えた本を寄贈するための本棚も設定し、一定期間が過ぎた後はバリューブックスが買取る。
マンション内の蔵書は、バリューブックスが提供する「オンラインライブラリ」で検索、24時間貸出可能。入居者様同士で書籍のレビューをし合う取り組みの導入も検討している。
今回の協業について、バリューブックス取締役・中村和義氏は「本が循環するライブラリを一緒につくり上げていくという、弊社としても新たな試み。誰かが大切にしていた本が、次の読み手にわたっていくこと、最後は古紙として再生されていくことだけでなく、物の流れを体感できるような空間をつくり出していく」とコメントを寄せている。
物件は、JR駒込駅から徒歩6分、文京区本駒込五丁目に位置する14階建て全88戸。完売開始予定は2022年秋。竣工予定は2024年3月。設計・施工は村本建設。
「パークホームズ文京本駒込」
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小生は読んだ本は捨てがたく、二束三文にもならないので古本屋にも売ったことはないが、一日中、神田の古本街を徘徊していたこともある。思いがけない古本に出会ったときなどは例えようもない喜びを感じたものだ。昔は貸本屋があったのでよく利用したものだ。自分の本(稀覯本に近いものも結構あるはずだ)を貸し出すのには何の抵抗もないが、そんな手段はないのが残念だ。
今回の取り組みはとてもいいと思う。パラアーティストのアート作品をマンション共用部に展示・購入できるサービスや、大規模修繕工事を長周期化することで、運用段階のライフサイクルCO2排出量を約38%削減する三井不動産レジデンシャルの取り組みに注目しているのだが、同社はまたマンションに新たな価値を付加した。
コストはかかるだろうが、同社が分譲するマンションすべてに導入したら数十万、数百万冊に達するのではないか…もっと多いか。
東急リバブル 「マンション管理適正評価制度(★の数)」評価掲載スタート
東急リバブルは8月3日、マンション管理業協会が運営する「マンション管理適正評価制度(★の数)」における管理評価の掲載を同社ホームページ「中古マンションライブラリー」で開始したと発表した。管理評価の掲載は同社ホームページが第一号。
「中古マンションライブラリー」は現在、88,000 棟を超える分譲マンション情報を掲載している。
サイトはhttps://www.livable.co.jp/mansion/library/
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早速、東急リバブルのホームページで検索してみた。「★」でも「特に優れている」でもヒットしなかった。
そこでマンション管理協に問い合わせたら、同協会のマンション管理適正評価サイトhttps://www.mansion-evaluationsystem.org/を紹介してもらった。このサイトで検索したら19件がヒットした。内訳は★5つが6件、★4つが8件、★3つが5件。★5つは「プラウドタワー武蔵小杉」「シティーナ神立」「プラウド大阪同心」「プラウド葛西」「プレミアムフォート柏」「東京フロンティアシティパーク&パークス」だった。
つまり、東急リバブルのホームページにアクセスし、★5つのマンションを探そうとしても現段階では無理ということのようで、管理協のホームページから探して、リバブルのホームページで詳細を知るという2段階かかるということだ。これは課題だ。ワンストップで探せるようにすべきだ。
マンション管理適正評価3年間で12,000組合登録が目標 マンション管理協(2022/7/15)
「マンション管理適正評価制度」スタート 第1号は東急リバブルのサイト(2022/7/5)
三菱地所レジ・日鉄興和・大林組 武蔵小山駅前の再開発 都市計画決定
「小山三丁目第1地区第一種市街地再開発事業」
三菱地所レジデンス、日鉄興和不動産、大林組の3社は8月1日、「小山三丁目第1地区第一種市街地再開発事業」が都市計画決定されたと発表した。3社は事業協力者として参画している。
事業地は、東急目黒線武蔵小山駅前の「パルム商店街」の入り口に位置する区域面積約約1.4ha、延べ床面積約127,000㎡。主な用途は住宅約850戸のほか店舗・生活支援施設・駐車場など。竣工予定は2030年ころ。
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最高の立地だ。駅の反対側では三井不動産レジデンシャルと住友不動産の双方で1,000戸超のタワーマンションが2~3年前に竣工しているが、それ以降の新築マンションはないはずだ。仮に、現状の新築相場を550万円とし、このまま大きな天災・人災がなく、年率2%の経済成長が続くとすれば、竣工までの向こう8年後の坪単価は約644万円だ。これは納得の価格だ。年率5%だとすると坪813万円。これはありえないような気がする。そんな成長率をたどるとはとても思えないからだ。
これも凄いが、記者が注目しているのは日鉄興和不動産と野村不動産が事業参画している「赤坂七丁目2番地区第一種市街地再開発事業」だ。事業区域は高橋是清翁記念公園に隣接する約1.2haで、46階建て約640戸の住宅が予定されている。竣工予定は2027年度だ。
こちらも最高の立地だ。いま分譲されたら坪単価は1,000万円でも安いと思う。
三井不レジ他 武蔵小山駅前の再開発タワーは坪単価470万円 第1期は204戸(2017/11/20)
三菱地所レジ「十条」41戸は坪353万円 3か月で完売/台風の目「ザ・タワー十条」
昭和の商店街が残る十条駅前の「銀座通り」
三菱地所レジデンスの「ザ・パークハウス十条」の取材を申し込もうと思い、ホームページを見たら「お陰様で全戸完売となりました」とあった。
そこで、同社に確認した。ホームページ開設は昨年9月、12月にオンライン事前案内開始を開始し、3月に第1期、5月に第2期をそれぞれ販売し、5月末で完売した。反響は1,926件、来場は297件だった。
物件は、JR十条駅から徒歩4分、北区上十条1丁目に位置する11階建て全64戸(販売対象は41戸)。専有面積は25.74~70.30㎡、坪単価は353万円。竣工予定は2023年2月中旬。売主は同社のほか首都圏不燃建築公社。施工は村本建設。
同社によると、当初は8月完売を目指していたが、東急不動産・日鉄興和不動産の駅前再開発タワーマンション「ザ・タワー十条」578戸(事業協力者住戸184戸含む)との相乗効果があったという。
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なぜ「ザ・パークハウス十条」を取材しようと思ったのかといえば、昨年末、同社の「ザ・パークハウス板橋大山楠ノ杜」を取材したとき、同社担当者がこの「十条」にも触れ、単価は360万円くらいになりそうなことを聞いていたからで、小生もそのとき「板橋大山」のほうがいいとは思ったが、単価的には「十条」もほぼ互角だろうと予想した。
前段で紹介した「ザ・タワー十条」と一緒に取材を申し込もうと考えていたのだが、「ザ・タワー十条」は、個別取材には対応しないとのことだった。(見学会を行う場合は声を掛けてくれるとのことだった)
ならば、三菱地所レジだけでもと見ようと考えたら上段の結果だった。
業界関係者内では周知の事実のようだが、みなさんは「ザ・タワー十条」の予定価格をご存じか。東急不動産に聞いても「価格は未定」としか返ってこないはずだから。ここでは書かない。
小生はその予定坪単価を聞いて、東京建物の2015年分譲の「Brillia Towers目黒」を思い出した。添付した「目黒」の2つの記事を読んでいただきたい。
恥をさらすようだが、最初に書いた2014年8月の段階では坪単価は550万円がアッパーだろうと予想した。記事にはアクセスが殺到し、1万件をはるかに突破した。その当時、業界紙の記者のみなさんは坪400万円台の半ばを予想していた。小生の予想は桁外れに高かった。
それでも実際の分譲単価600万超を大幅に外した。あれから首都圏のマンション単価は軒並み高騰した。
さて、「十条」に戻る。三菱地所レジと駅前再開発タワーは比較にもならないかもしれないが、タワーが噂されている単価通りになったら、その周辺の再開発物件だけでなく、準都心部のマンション単価設定に大きな影響を与えるのは必至だ。台風の目だ。
皆さんは小生の単価予想など歯牙にもかけないかもしれないが、結構当たる。東急不動産の「豊洲」だって、業界関係者は〝坪単価400万超えは絶対無理〟と言われていた時から400万円超はありうると思っていた。モデルルームを見学した時点でそれを確信した。ものの見事に的中した。
東京建物「Brillia Towers目黒」の坪600万円が意味するもの(2015/4/2)
東京建物 目黒駅前の再開発マンション 坪単価は500万円超か(2014/8/22)
反響3000件超 ランドスケープ抜群 三菱地所レジ他「板橋大山大楠ノ杜」(2021/12/11)
「愛」をテーマに坪400万円に挑戦 7月下旬にモデルオープン 東急不ほか「豊洲」(2019/6/14)
穴吹工務店 「サーパス」最大級の「新潟万代」329戸 市内初のZEH-M仕様
「ザ・サーパスタワー新潟万代シテイ」
穴吹工務店は7月29日、同社の〝サーパス〟シリーズ最大級で、新潟市初の「ZEH-M Oriented」仕様を採用、「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」を取得した「ザ・サーパスタワー新潟万代シテイ」のウェブサイトを公開したと発表した。
物件は、JR新潟駅から徒歩10分、新潟市中央区万代二丁目に位置する20階建て全329戸。専有面積は45.41~158.31㎡、価格は未定。竣工予定は2024年10月中旬。設計は安宅設計。施工は穴吹工務店・加賀田組特定建設工事共同企業体。
現地は、「ラブラ万代」「新潟伊勢丹」「ビルボードプレイス」などの大型商業施設が立ち並ぶ、飲食・ショッピング・文化の中心地「万代シテイ」内に位置し、徒歩2分に「信濃川」が流れる中心市街地の一角。
敷地内には、木調の空間「シティデッキ」を設置したほか、外観にはガラス素材を随所に採用。共用部には「オーナーズラウンジ」や「フレックススペース」、ゲストルームなどを設置。
専有部の最上階の住戸(10戸)は、プレミアム住戸として海外のブランド設備・仕様を標準採用している。
オーナーズラウンジ
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この日は、プレス向け内覧会が行われ、同社徳田善昭社長も出席して質疑応答も行われたようだ。記者は「金沢」の取材が入っており、参加できなかった。金沢から新潟は近いようで遠い。4時間もかかる。もう少し早く案内が届いていたら「新潟」を最優先した。
内覧会では価格についての質問が飛んだはずだが、徳田社長は何と答えたのか。小生は新潟には一度も行ったことがないので、皆目見当がつかないが、大京が金沢駅前で2017年に分譲した「ザ・レジデンス金沢」は坪250万円くらいだったはずだ。それよりは安いか同等と見るのが妥当だが…どうだろう。
ZEH取得件数断トツ オリックスGr 穴吹工務店「富山」で同社初のZEH-M
「サーパス富山三番町レジデンス」
穴吹工務店は7月28日、富山県で同社初のZEH-M Oriented仕様&オール電化マンション「サーパス富山三番町レジデンス」のギャラリーを7月29日(金)に一般公開すると発表した。同社が富山市で分譲するマンションは24棟目、富山県では25棟目。
物件は、富山地方鉄道市内電車「西町」電停から徒歩4分、富山市三番町の商業地域(建ぺい率80%・100%、容積率477%)に位置する敷地面積約860㎡(住宅部分)・431㎡(駐車場部分)の15階建て全54戸。専有面積は65.91~96.29㎡。第1期(22戸)の価格は3,420万円~5,500万円(65.91~85.51㎡)。駐車場は54区画。竣工予定は2023年12月上旬。設計・施工は穴吹工務店。
現地は、市の中心市街地「総曲輪(そうがわ)エリア」に位置。敷地は南側と北側道路に接道。建物は全戸南向きで、外観デザインには富山の伝統的技術であるガラスや組子細工を取り込んでいる。
主な基本性能・設備仕様は「ZEH-M Oriented」、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、食洗機、Low-E複層ガラス、LED照明、オール電化、全戸駐車場、顔認証セキュリティなど。
同社北陸支店マンション営業課課長・向井裕二氏は、「富山駅圏ではこの2~3年間に3棟150戸くらいが文治陽されており供給過剰気味だが、商業・文化の中心地という立地を生かし、60歳前後のミドル層やシングル・DIMKS、子育てファミリー層に訴求していく」と話した。
オリックスグループの大京は2019年竣工の「ライオンズ芦屋グランフォート」でわが国初の「Nearly ZEH-M」を取得したほか、これまで穴吹工務店を含めグループ全体で26件のZEH仕様の実績がある。
エントランス
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既報の野村不動産他「プラウドタワー金沢」の取材目的もあったので、初めて富山市のマンションを見学した。駅からマンションギャラリーが設けられている「ユウタウン総曲輪」までの街並みは路面電車が走り、イチョウ並木が美しく、城下町らしい佇まいを見せていた。現地の平和通り沿いは人通りが少なく、中心市街地活性化の課題もあるような気がした。
金沢もそうだったが、驚いたのは単価の安さだった。同社は単価を公表していないが、坪180~190万円くらいではないか。首都圏なら埼玉、千葉の郊外部でもあるかないかだ。富山県は全国持ち家率で全国2位、延べ床面積は全国1位として知られる。まだまだ戸建て志向が強いのか(火災の少なさでは全国1、2位)。
気になったのは、一般紙など地元メディア向けのプレス・リリースと内覧会だった。小生などの業界紙記者はZHEマンションの素晴らしさはよくわかっている(記者は大京の「芦屋」も含めて30物件くらい見学取材している)。しかし、地元紙の記者にとっては同社初(他にタカラレーベンの2物件がある)のZEHやLow-Eと言われても、どのようなものかさっぱり分からないはずだ。丁寧な説明が必要ではなかったか。〝夏暑く、冬寒い〟富山のだからなおさらだ。
その点、同社と大京は26件の実績があるではないか。調べてはいないが、事業主別のZEH取得件数は断トツで、快適な住まい心地に関するデータも居住者からたくさん集まっているはずだ。先行者利益を享受できるはずだ。
イニシャルコストはかかるが、光熱費の削減はもちろん、快適性の価値を〝見える化〟〝見せる化〟すれば、訴求力は飛躍的にアップする。
さらに言えば、サッシも樹脂サッシを採用してはどうか。そうすれば冷暖房費は普通の複層アルミサッシなどの半分か3分の1に抑えられるはずだ。居住面積が広いほどその効果も大きいので、富山県には最適だ。
現地
駅前のホテルと商業施設の複合ビル「MAROOT(マルート)」の「バール・デ・美富味」(隈研吾氏が酒蔵IWAを手掛けたことで知られる桝田酒造店の「満寿泉」など富山の蔵元の酒が勢揃い。店内は見事な香しいスギ材のカウンターもあり、木と酒の香りが鼻腔を蕩かす)
単価の安さに驚愕 立地よく設備仕様レベル高い 駅圏最大級の野村不他「金沢」287戸(2022/7/30)
蛍が湧き立つ川に隣接 基本性能・仕様レベル高い 大京のZEHマンション「長津田」(2020/2/18)
わが国初の大京NearlyZEHマンション 坪単価は東急「芦屋」の3分の1(2017/7/29)
単価の安さに驚愕 立地よく設備仕様レベル高い 駅圏最大級の野村不他「金沢」287戸
「プラウドシティ金沢」
野村不動産(事業比率40%)・フージャースコーポレーション(同30%)・JR西日本不動産開発(同30%)3社JVマンション「プラウドシティ金沢」を見学した。路線価上昇率は東口を上回るという駅西口の一等地。中心価格帯の坪単価220~230万円という安さに驚いた。
物件は、JR金沢駅から徒歩6分、石川県金沢市北安江三丁目の商業地域(建ぺい率90%、容積率600%)に位置する15階建て全287戸。専有面積は54.32~167.70㎡。中心価格帯の坪単価は220~230万円。竣工予定は2023年12月中旬。設計・監理はINA新建築研究所・エノア総合計画事務所(構造)。ファサードデザインは南條設計室。施工は熊谷組。駐車場は183台だが、敷地外を含めて全戸分確保している。
4月末から販売を開始しており、これまでエントリー数は約800件、来場者は約300件。すでに50戸以上が成約済み。
現地は、JR西日本グループによる北陸エリア最大級の延床面積27,500㎡のオフィスのほか日銀金沢支店、立体駐車場などが建設中の大規模複合事業地に隣接。敷地は従前は結婚式場だったところで、東側(幅員25m道路)、南側(隣接建物を含めた距離は21m)、西側(幅員8m道路)の三方に接道。
建物は西向きA棟(71戸)、南西・南向きB棟(134戸)、東向きC棟(82戸)の3棟構成で、主な基本性能・設備仕様は、直床(最上階のプレミアム住戸は二重床・二重天井)、天井高は2450~2500ミリ(最上階は2600ミリ)、Low-Eガラス(一部の居室)、ディスポーザー、食洗機、フィオレストーンキッチン天板、IH・ガス選択制(セレクト期限あり)、ホーローキッチン・浴室など。共用施設はゲストルーム、パーティルーム、ライブラリー、ワークスペースなど。共用部には金沢に縁のあるアーティストによる金箔、漆、陶器、ガラスなどアート・オブジェを配しているのも特徴の一つ。
販売を担当する野村不動産・佐藤氏は「契約者の7割が地元。2割は金沢に縁がある首都圏居住者の投資・セカンドユース。当社のプラウドとしては金沢初ですが、ゲストルームとパーティルーム双方を備えているのは金沢市では珍しく、首都圏のプラウドと遜色ない設備仕様で、お客さまからは『さすがプラウド』と高い評価を頂いています」と話した。
モデルルーム
浴室
◇ ◆ ◇
金沢のマンションを見学するのは2017年の三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス金沢城公園」以来だった。その時は、オリックスが手掛けた「金沢駅西口大規模複合開発プロジェクト(クロスゲート金沢)」は完成していなかったが、翌年の大京「ザ・レジデンス金沢」114戸の第1期1次70戸が即日完売するなど人気を呼んだ。
今回のマンションは、駅西口の一等地なのだろう。それにしても坪単価はべらぼうに安いと思う。地方の中核都市では坪300万円をはるかに突破しているのに、どうして人口45万人の城下町・金沢はこんなに安いのか。
77㎡と115㎡のモデルルームはよくできている。とくに115㎡は同社の得意とするオーダーメイド対応で、玄関は1800ミリ×2500ミリの広さがあった。内装費に約1,500万円かけたそうだ。最高価格の住戸は成約済みというのもよく分かる。
浴室の壁面全面をホーロー仕上げにしているのもいい。この種の浴室は初めて見た。掃除が楽だし、風呂嫌いの子どもを誘導しおもちゃで遊ばせたり落書きさせたりするのにもいい(小生は小さいころブリキの金魚などでよく遊んだ)。
小生はマンションを投資商品として観ることはほとんどないが、頂いたパンフレットの購入者の声には「今ある不動産会社の中で一番だと思います!将来性・信頼性はもちろんですが、全国の各所に建設されている野村さんのマンションを見ると、どの物件も洗練されていてすてきで魅力的です。出会えた運命に感謝しています」(金沢市40代)とあるではないか。
建設現場
クロスゲート金沢
◇ ◆ ◇
さすが観光都市・金沢、人々のホスピタリティの高さを目の当たりにした。タクシーの運転手さんはいろいろ説明してくれたし、あるホテルではコーヒーを飲もうとしたら時間外だったので、タバコが吸える喫茶店を紹介してくれた。別のホテルでも宿泊者のみ利用可の喫煙室を利用させてもらった。
極めつけは「金沢百番街あんど西百番キッチン」の「カンパーニュ クチーナ&バール」だ。この日の外気温は36度(湿度も高かったはず)。くたくたに疲れたので、取材後、一杯飲もうとこの店に立ち寄った。
喫煙室がないのを承知のうえで、「タバコを吸いたいのですが、ないでしょうね」と女性スタッフの方に聞いたら、「館内は禁煙ですが、当店は屋外の喫煙所にもっとも近い。30秒です」とわざわざ案内してくれた。一服吸って店に戻ったら「どうでしたか。時間に間違いはありませんでしたか」と声を掛けられた。
「1分は80m」は記者のイロハだ。今度は店の出入り口から喫煙所まで歩測した。78歩だった。小生の1歩は55cm、55×78=4,290cm≒43m。「喫煙所まで30秒」は店の指示ではなかった。「仲間にも喫煙者がいますので」という彼女の気遣いだった。これに感動した。もう一杯ワインを注文した。とてもおいしかった。
「カンパーニュ クチーナ&バール」
以上、金沢城公園
駅前の一等地 大京「金沢」第1期1次70戸が即日完売 4割は地元以外(2018/11/2)
三菱地所レジ 北陸初マンションは北國銀行本店跡地 坪単価は最高峰の200万円超か(2017/6/5)
駅近ながら桜並木に面した静かな環境に高い評価 大和地所レジ「門前仲町」
「ヴェレーナグラン門前仲町」
大和地所レジデンスは7月26日、同社初の常設「ヴェレーナマンションギャラリー 日本橋サロン」をメディアに公開するとともに、常設サロン第一弾の「ヴェレーナグラン門前仲町」モデルルーム見学会を行った。
物件は、東京メトロ東西線門前仲町駅から徒歩3分、江東区牡丹二丁目の近隣商業地域・準工業地域(建ぺい率80%・60%、容積率300%)に位置する期間72年の定期借地権付きの12階建て全75戸。専有面積は62.54~107.77㎡、価格は7,048万~1億7,998万円。坪単価410万円。竣工予定は2023年9月下旬。設計・監理はアアル建築計画。施工は風越建設。デザイン監修はインターデザイン・小寺源太郎氏。
サロンの接客ブースは6席で、当初は1組3時間対応を予定していたが、1組2時間30分に時間短縮するほどの人気となり、全戸を7月4日に抽選分譲し、最高倍率7倍、平均倍率1.5倍で64戸に申し込みが入った。これまで65戸が成約済みで、5戸が申し込み済み。エントリー数は3,600件で、モデルルーム来場者は670件超。
購入者の属性は、地元江東区居住者が6割。2人家族が半数で、うち6割はDINKS。世帯年収は1,500~2,000万円。
同社マンションギャラリー次長・根岸辰彦氏は「駅近でありながら静かな環境であることが人気の要因。湾岸マンション(坪単価420~430万円)とも一部競合したが、納得される方が多い」と話した。
現地は、駅から徒歩3分の立地でありながら、敷地北側は桜並木が美しい大横川に隣接。敷地は東側、南側、西側の三方道路に接道。建物は全戸南西向き。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2450ミリ、食洗機、メーターモジュール廊下(一部除く)、ミストサウナ、オーブンエアデッキ、スロップシンク、浴室タオル掛け2か所、メゾネット(4戸)など。共用部施設は「パーティールーム&キッズスペース(集会室)」など。
サロンは、JR新日本橋駅直結(8番出口)の東京建物第3室町ビル1階の約99坪。今後、順次供給するマンションの常設モデルルームにする。
メゾネットタイプ
「ヴェレーナマンションギャラリー 日本橋サロン」
最高7倍、平均1.5倍75戸のうち64戸に申し込み 大和地所レジ「門前仲町」(2022/7/11)
「千住大橋」「綾瀬」などタワー予定 住友不の総合ギャラリー「北千住館」
「総合マンションギャラリー北千住館」
住友不動産が7月16日(土)にオープンした「総合マンションギャラリー北千住館」(SMG北千住館)を見学した。
近く竣工分譲する「シティハウス竹ノ塚」(77戸)や、年末分譲予定の42階建て「シティタワー千住大橋」(466戸)、年明け分譲予定の駅前32階建て「シティタワー綾瀬」(427戸)など城北エリアの物件を中心に案内していく。
今回のSMG北千住館の開設によって、同社の都内での常設マンションギャラリーは6施設目(全国で12施設目)で、ほぼ全ての沿線を網羅することになる。
SMG北千住館は、JR線・地下鉄・私鉄の5路線が乗り入れる北千住駅から徒歩5分に立地。坪単価380万円ながら早期完売した2019年分譲の三菱地所レジデンス「千住ザ・タワー」に隣接。
ムービー
ファミリー向け接客個室
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総合ギャラリーは開設したばかりなので、まだモデルルームなどは見学できないが、「千住大橋」はいったいいくらになるのか。2013年10月に分譲された「アクア ヴィスタ」は坪182万円だった。街のポテンシャルはともかく、東京駅までの近さから言えば「北千住」より近い。
値段のカギを握るのは、今秋にも分譲開始される駅前再開発39階建てマンション「THE TOWER JUJO」(578戸)がいくらになるかだ。業界内では様々な情報が飛び交っている。
駅近で坪182万円 23区で希少の低単価「アクア ヴィスタ」(2013/10/1)
天井高2700ミリ 全戸ワイドスパンに高い評価 野村不・JR東日本都市開発「目黒」
「プラウドタワー目黒MARC」
野村不動産とJR東日本都市開発が分譲中の複合免震タワーマンション「プラウドタワー目黒MARC」を見学した。坪単価650万円は安くはないが、天井高を2700ミリ確保し、どの住戸もワイドスパンの使い勝手のいいプランを提案している同社と、施工を担当している竹中工務店の技術力の高さを改めて感じた。すでに半数近くが売れているというのも納得だ。
物件は、JR目黒駅から徒歩9分、東急目黒線不動前駅から徒歩7分、都営浅草線五反田駅から徒歩10分、品川区西五反田三丁目の第2種住居地域(建ぺい率は70%、容積率は地区計画、前面道路幅員により320%)に位置する32階建て延べ床面積約36,708㎡の全301戸。専有面積は41.04~156.60㎡、坪単価は650万円。竣工予定は2023年8月中旬。設計・監理・施工は竹中工務店。
1月下旬から販売を開始し、これまでエントリー数は8,000件、総戸数の半分くらいの約150戸が成約済み。購入者は地元品川・目黒区居住者が約3割。中広域から集客できているのが特徴。
現地は、この分譲棟のほかジェイアール東日本ビルディングの13階建て延べ床面積約38,720㎡のオフィス棟、ジェイアール東日本都市開発の24階建て延べ床面積約18,570㎡の賃貸住宅棟からなる複合開発。全体敷地は約19,370㎡、街の総称は「MEGURO MARC(メグロマーク)」。
分譲棟は、敷地内空地率82%確保し、ABINC認証を取得。建物は「ラウンドバルコニー」を採用し、曲線美の美しい外観を演出。SI・井桁状梁にすることで住戸内の梁型を少なくし、バルコニーの奥行きも1.9mとしている。
主な基本性能は、免震、SI、長期優良住宅認定、低炭素建築物認定のほか二重床・二重天井、リビング天井高2700ミリ(最上階は3150ミリ)、食洗機、ディスポーザー、全窓Low-E二重サッシ、2200mmハイサッシ、ミストサウナ、キッチンカウンターは御影石&シーザーストーン、コロンボ製ドアノブ、ハンズ・グローエ水栓(一部)など。共用施設はスカイラウンジ、ゲストルーム、スタディラウンジ、テクノジムなど。
販売を担当する同社の栁下岳氏は、「4月以降から販売が加速している。眺望やラウンドバルコニーのほか、すべての住戸がワイドスパンという間取りに高い評価を頂いている」と話した。
モデルルーム
ランドスケープ
「ラウンドバルコニー」
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天井高2700ミリの物件は久々に見た。これを見て同社が2008年に分譲した「プラウドタワー東五反田」を思い出した。階高を3410ミリ確保し、標準階の天井高は2650ミリ(13~20階)・2700ミリ(21~24階)・最大3500ミリ(25階)だった。これまでもっとも天井高の高いマンションは2011年分譲の三井不動産レジデンシャル「パークコート六本木ヒルトップ」で、標準階の階高は3,400~3,450ミリ、最上階は4,150ミリ。廊下、キッチンの天井高も最低で2,350ミリだった。
間取りについて。タワーマンションの間取りは総じてワイドスパンが多いが、今回の物件は栁下氏も強調したように、41㎡のプランでも間口は5200ミリあり、60㎡台は8000ミリ以上、70㎡台は9000ミリ以上だ。廊下幅もみんなメーターモジュール以上。
長期優良住宅について。国土交通省のデータによると、同制度の認定を受けた共同住宅は平成21年度から令和2年度末で22,769戸しかなく、住宅着工に占める割合は0.2%程度で推移している。
詳しいデータはないが、同社はこれまで10件くらい認定を受けているはずで、断トツの多さだと思う。
ただ、同制度の認定を受けていながら、東京都のマンション環境性能評価制度では満点の★15個に2個足りない13個というのが納得できない。5項目それぞれ★3つの評価ではなく、総合評価をし、長期優良住宅は満点となるように整合性を持たせるようにすべきだ。これまでもそのような事例は多い。
現段階で最高品質のマンション 三井不レジ「パークコート六本木ヒルトップ」(2011/16)
野村不動産「プラウドタワー東五反田」早期完売へ(2008/10/6)
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