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西川氏

東急不動産ホールディングスは32日、新しい代表取締役社長に取締役執行役員の西川弘典氏が、現代表取締役社長の大隈郁仁氏は代表取締役にそれぞれ4月1日付で就任すると発表した。現代表取締役会長・金指潔氏は取締役会長に就任する。大隈氏は6月下旬開催予定の株主総会後の取締役会をへて代表取締役副会長に選定される予定。取締役・榊真二氏は退任する予定。

西川氏は19581112日生まれ。北海道出身。19823月、慶應義塾大学経済学部卒。同年4月、東急不動産入社。20044月、リゾート事業本部 資産企画部 統括部長、20104月、執行役員 総務部 統括部長、20166月、東急不動産ホールディングス取締役専務執行役員 一般管理管掌、20195月、代表取締役 上級執行役員 副社長(現)などを歴任。

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東急不動産新社長 岡田 正志.jpg
岡田氏

東急不動産は3月2日、新しい代表取締役社長に取締役上級執行役員副社長・岡田正志氏が4月1日付で就任すると発表。現代表取締役社長・大隈郁仁氏は代表取締役会長に就任する。

 岡田氏は195886日生まれ。岡山県出身。19823月、大阪大学工学部卒。同年4月、東急不動産。20104月、執行役員 商業施設事業本部長、20156月、東急不動産ホールディングス執行役員都市事業担当、20195月、東急不動産取締役上級執行役員副社長(現)など歴任。

カテゴリ: 2019年度

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遠藤氏

 三井不動産リアルティは2月28日、新しい代表取締役社長に遠藤靖氏(現代表取締役副社長)が、現代表取締役社長・山代裕彦氏が代表取締役副会長にそれぞれ4月1日付で就任すると発表した。

 遠藤氏は、1963年9月生まれ。鳥取県出身。1986年3月、慶應義塾大学経済学部卒。同年4月、三井不動産入社。2016年4月、千葉支店長などを経て、2017年4月、三井不動産リアルティ取締役専務執行役員就任、2019年4月、現任に就任。

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 今回の人事異動で、元RBA野球三井不動産リアルティ助監督の吉田裕氏が執行役員に就任する。これで、同社の執行役員は遠藤氏を筆頭に常務執行役員・正木条氏、上席執行役員・石井雄二氏とともに4名となる。部長クラス以上で1チーム造れるくらい同社はRBA野球関係者が幹部を占める。 

三井不リアル 代表取締役副社長に 学生野球日本一に導いた慶大卒の遠藤靖氏(2019/3/2

カテゴリ: 2019年度

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  積水ハウスは2月6日、スイスの世界的なSRI(社会的責任投資)分野の調査・格付け会社「RobecoSAM(ロベコサム)社」(S&P Global Inc.)によるサステナビリティ格付け「SAM Sustainability Award 2020」のHomebuilding(住宅建設)部門で「Silver Class」に2年連続で選定されたと発表した。2016年からの3年連続「Gold Class」に続き、5年連続でのClass選定。

 ロベコサム社は世界の3,200を超える企業の「経済」「環境」「社会」面での取り組みを評価し、61業種のそれぞれ上位15%の企業を「持続可能性に優れた企業」(日本企業は59社)、うち特に優れた企業を「Gold Class」(同2社)・「Silver Class」(同7社)・「Bronze Class」(同9社)に選定している。

 ハウスメーカーで他に選定されたのは住友林業(Gold Class)、積水化学工業(Bronze Class)。


 

カテゴリ: 2019年度

 東京建物は2月5日、2019年12月期決算を発表。売上高3,230億円(前期比18.2%増)、営業利益524億円(同12.1%増)、経常利益446億円(同6.1%増)、当期純利益297億円(同9.2%増)と増収増益。売上高は3期連続、営業利益は2期連続で過去最高を記録した。配当を前期年間35円/株から6円増配の41円/株とする予定。

 ビル事業は、「ザ・スクエアホテル銀座」、「ホテルグレイスリー浅草」などの通期稼働や投資家向け物件の売却の増加が寄与して増収増益。住宅事業は、マンション計上戸数が前期の988戸から1,315戸へ大幅に増加したため増収増益。粗利益率は24.6%の高水準を維持した。

 東京八重洲駅前の再開発に伴い、本社機能を「東京建物八重洲ビル」に5月7日付で移転し、「サステナビリティ委員会」を本日付で設置したと発表した。

 2020年12月期は、分譲マンションの売上げ減少などから売上高3,300億円、営業利益500億円、経常利益430億円の増収減益を見込む。

 同日発表した2020年度から2024年度の5年間の中期経営計画では、営業利益750億円、ROE8~10%、D/Eレシオ2.4倍程度を目指す。グロス投資額は14,000億円。

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 マンションの計上戸数は期初予想の1,000戸から1,301戸(前期989戸)へ大幅に増加したのが業績に寄与したが、一方で期末完成在庫は3Qの83戸から216戸(前期94戸)へ激増した。最近ではもっとも多い戸数だ。

 この数字に驚いたのだが、同社は「たまたま郊外中心に完成在庫が増えたということで、売れ行きが悪化したというわけではない。引き続き高い利益率を維持している」(広報)と説明している。分かりやすく言えば〝過度に売上げが伸びないよう〟調整したということのようだ。

 この言葉を裏付けるように期末契約済み戸数は1,547戸(前期1,577戸)にのぼっている。今期は〝目玉〟になる物件がないようだが、引き続きマンション事業は好調に推移するとみた。

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三菱地所は25日、2050年のサステナビリティ経営を見据えた「三菱地所グループのサステナビリティビジョン2050」を制定し、本ビジョンへのコミットメントとして「RE100」へ加盟し「TCFD提言」に賛同すると発表した。スローガンは〝Be the Ecosystem Engineers

RE100」は、事業で使用する電力の再生可能エネルギー100%化にコミットする国際NGOThe Climate Group」の協働イニシアティブで、同社は2020131日に加盟。2050年までに100%再生可能エネルギー活用を目指す。現在、加盟企業は221社(うち日本企業30社)。

同社は、ハウスメーカー・デベロッパーではヒューリック、旭化成ホームズ、東急不動産、大東建託、大和ハウス工業、積水ハウスに続き7社目の加盟。

TCFDTask Force on Climate-related Financial isclosures)」は、G20の要請を受け、金融安定理事会(FSB)により、気候関連の情報開示及び金融機関の対応をどのように行うかを検討するため設立された「気候変動関連財務情報開示タスクフォース」。

同社は、長期経営計画2030で掲げた「三菱地所グループのSDGs (Sustainable Development Goals) 2030」を「サステナビリティビジョン2050」に掲げる内容を達成するための具体的なテーマとアクションを定めるマイルストーンとして位置づける。

カテゴリ: 2019年度

 すてきナイスグループは1月29日、一連の事態に対応する「改善計画・状況報告書」を策定し公表した。昨年8月23日付「第三者委員会調査報告書の受領に伴う再発防止策のお知らせ」で開示した再発防止策の骨子及び自社による原因の分析並びに再点検に基づき、新たに必要と認識した対応策が盛り込まれている。

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 「改善計画・状況報告書」は資料を含めて36ページにわたる長文で、一つひとつ詳しく読んではいないが、分譲戸建て、分譲マンション、不動産流通事業などについて問題点を指摘・反省し、一定の方向性を示している。

 有価証券虚偽記載・赤字決算対策を行った背景として「当社は、リーマンショックを経て、一戸建住宅部門を収益の柱にすべくさらに、一戸建住宅の販売戸数を伸ばす手段として分譲住宅に力点が置かれるようになり、分譲用の土地購入が増加」し、「平田氏は、営業部門の役職員に対し、『商品は良いのに、売れないのは、販売方法が悪い』といった指導を行い、反論・意見を述べることを認めず、自身が決めたことを徹底して行うよう要求することが多くありました」「役職員人事について、平田氏は、反対意見を述べず、自分の戦略、思いや要望を忖度し、いかに実現するかを考えて行動する役職員を重用する傾向が強く、指示に従わない役職員には懲罰とも言える人事異動等を行うことがありました」「営業部門が最も大切であり、管理部門はコストであるという平田氏の意向を背景に、管理部門軽視の企業風土が醸成されていました」などと、平田氏の独断専行の結果だとしている。

 今後の各事業については、一戸建住宅部門のダウンサイジングと収益力の改善を上げ、拠点の見直しを行い、継続させる拠点を絞り込むことで、事業規模の適正化を図り、旧体制下での商品戦略・用地仕入れ・工事発注・販売方法などの見直し、収益モデルを再構築するとしている。

 マンション部門については、仕入れ・開発・販売基準の見直しと明確化により、当面は50戸~100戸程度の物件を年間2棟程度分譲する方針で取り組んでいく。

 既存住宅流通部門は、ここ数年、当部門から一戸建住宅部門に人員をシフトしていたため、営業基盤が弱体化していたとし、当部門に適正な人員を配置することで収益の拡大を図るとしている。

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 戸建て、マンション事業について記者の考えを紹介する。

 記者は2017年6月3日付記事で、「すてきナイス 三井、野村と肩を並べた分譲戸建て これからが正念場」と書いた。当時、三井不動産レジデンシャルと野村不動産が熾烈な戸建てトップ争いをしており、記者も競争をあおる記事を書いていた。

 断っておくが、トップ争いと言っても、大手デベロッパー(大手デベロッパーの定義づけをどうするかもあるが)に限定したもので、年間4万戸以上も販売していた飯田グループやその他のデベロッパー、ハウスメーカーの分譲戸建てと比較したわけではない。

 とはいえ、2011年3月期では207戸しか計上していなかった同社が2017年3月期に831戸に増やしたのには驚いた。このままでは三井、野村を抜くのではないかと思ったほどだ。

 しかし、その後は、三井も野村も戸数を減らすことになり、ナイスも目標にした1,000戸は達成できなかった。一言でその理由言えば、圧倒的な価格の安さを誇る飯田グループとはまともに勝負できず、その他のデベロッパー、ハウスメーカーは同じ土俵、つまり、供給エリアも価格帯も同じレベルで戦わざるを得なくなり、その分だけ競争も激しくなったからだ。

 そんな競争の激しいエリアですてきナイスは供給を伸ばすのは至難の業だろうと思っていた。

 三井がかろうじて大手デベロッパーの中で首位をキープできているのは、バブル崩壊後は「都市型戸建」に絞り込み、一貫して供給してきたからだ。ブランド力がそもそも違い。一朝一夕でトップに立てるほど市場は甘くない。

 「平田氏は、営業部門の役職員に対し、『商品は良いのに、売れないのは、販売方法が悪い』といった指導を行い、反論・意見を述べることを認めず、自身が決めたことを徹底して行うよう要求することが多くありました」とあるように、〝良いもの(のみ)が売れる〟時代でないことは平田氏も分かっているはずだ。消費者は〝ない袖は振れない〟。こんなことを言ったら身も蓋もないが、〝地獄の沙汰も金次第〟だ。

 すてきナイスは、神奈川では圧倒的な知名度があるはずだ。分譲マンションも不動産仲介もまだまだ伸ばせる余地はあると思う。

 マンションは、免震の強みがあるし、一時は外断熱もあった。アッパーミドルに標準を合わせれば勝てると記者は思う。他社の商品企画だって大したことない。

 仲介部門はよく分からないが、もうずいぶん前、鶴見の「住まいるCafe鶴見東」を見学して驚愕した。同社ほど地域の実情に通じている不動産仲介会社はないのではないか。既存マンション仲介だってリフォームだって、絶対に負けないのではないか。地域の人に寄り添うことだ。

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 今回の「改善計画・状況報告書」は、第三者委員会の報告書同様、平田氏と日暮氏に対しては改めて手厳しい批判を加えている。

 しかし、世に七つの大罪とされる「貪食」、「淫蕩」、「金銭欲」、「悲嘆」、「怒り」、「怠惰」、「虚栄心」、「傲慢」のうち平田氏と日暮氏に当てはまるものほとんどない。あれほど〝大罪〟を犯しながら政治家先生はみんなしらを切り、居直り続けているではないか。

 両氏はナイスとは縁を切られたが、罪を悔い改めれば、間違いなく執行猶予付きになると思う。〝木の伝道師〟として復帰する舞台は整っている。

 裁判の公判日程は未定で、どうやら3月以降になりそうだ。

「新生ナイスグループ誕生の年」に 杉田社長 経営方針発表会に約1,600人(2020/1/27)

ナイス ワンストップ店舗の「ナイス住まいの情報館 住まいるCafe鶴見東」見学(2013/12/23)

すてきナイス 三井、野村と肩を並べた分譲戸建て これからが正念場(2017/6/3)

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ナイス「経営方針発表会」(グランドプリンスホテル新高輪で)

 ナイスは1月24日、ナイスパートナー会連合会と合同の「経営方針発表会」を開催した。恒例だった「新春経済講演会」を一連の事態を受け変更したもので、同社代表取締役社長・杉田理之氏が新生ナイスグループの経営方針を発表した。参加者は約1,600人に上った。以下、発言要旨。

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杉田社長

信用と信頼の回復に努める

 このたびの当社に起きた一連の事象につきまして、大変なご心配をおかけしております。現在、再発防止策を着実に進めているところでございます。

 当社グループでは、倫理観、価値観、考え方、意識など、これまでに培ってきたアイデンティティーをゼロから見直し、その上で新たな未来を描いていきます。その中で「将来に残すべき良いもの」については、未来のナイスグループの礎として大切に育てていきます。ぜひとも、これまで以上のご支援を、宜しく願いいたします。今年2020年は、ナイスグループの創業70周年となる年です。この記念すべき年を、「新生ナイスグループ」誕生の年にするべく、販売店様、工務店様、仕入先様をはじめ、あらゆるステークホルダーの信用と信頼を、一日も早く、また着実に回復できるように努めていく考えです。

 当社グループがまずなすべきことは、改善計画等の策定と実行を通じて、ガバナンス体制を全力で再構築することにより、将来にわたって持続可能な経営基盤を確立することだと考えています。コンプライアンスの意識を醸成し、公正な判断ができる、風通しのよい企業風土を構築していきます。

 具体的には、組織のそれぞれの役割を明確にするために、本社部門の組織の構造改革等を実施しています。更に、すてきナイスグループ㈱とナイス㈱の二層構造によるガバナンスの機能不全を解消するべく、すてきナイスグループ㈱がナイス㈱を吸収合併し、社名をナイス株式会社へと変更する方針を決定しました。これに伴い3月中旬には臨時株主総会を開催する予定です。ガバナンスの強化と収益構造の再構築を推し進めるためにも、この二層構造を解消し、改めてシンプルで分かりやすいグループ体制とすることが極めて重要と判断し、両社の合併の方針を決定しています。

2020年の経済情勢

 世界情勢は昨年後半から米中関係をはじめ不安な動きが多く見られ、新年早々には中東の緊張が急激に高まるなど不穏な動きを見せました。こうした中、世界経済には減速感が広がっています。ただし、現在は地政学リスクについては緩和傾向にあります。国内においては、いよいよ東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。日本銀行は、現在の大規模な金融緩和策維持を決定したほか、景気は好転するとの見通しを示しています。

 こうした中、当社グループとしては総じて明るさが見られる1年になると考えています。新設住宅着工戸数については、東京五輪に伴う稼働日の減少や物流などの影響が顕在化した場合、下振れする可能性も考慮し、82~85万戸と予測しています。住宅資材市場は、地域格差はあるものの、駆け込み需要が見られた昨年と比較すると、総じて減少傾向にあると見込んでおります。

 ただし、新築については依然として85万戸程度の着工が見込まれ、リフォーム市場は将来にわたって微増ながらも着実に市場規模を伸ばすと予測されています。更に、木材を切り口とした非住宅分野の広がりや、省エネ・断熱に対する施策とニーズの高まり、自然災害に対する国土強靭化施策等の拡大が見込まれており、これらの需要を最大限に確実に取り込むことで、期待できる1年になると考えています。また、東京五輪の関連施設に木材が多用されたことで、今後更なるプラスの効果が見込めるとも考えています。

 また、今年注視すべきキーワードとして「5G」があります。働き方も大きく変革するでしょう。住宅業界においても、お客様への提案の仕方や、住まいに求められる立地、仕様、機能など、これまでの常識が全く覆ってしまうということもあり得ます。

ESGを踏まえた経営基盤を確立

 こうした時代において、現在、企業活動に求められるのはESGであり、SDGsです。近年、日本各地での自然災害は頻発・激甚化しています。地球温暖化の影響とも言われ、「脱炭素社会」の構築に向けて、企業としても真剣に取り組まなければならないと考えています。

 私たち住宅業界は、新築住宅における省エネ基準適合の推進、既存住宅の断熱改修などを推進していく必要があります。住宅の省エネ性能を高め、断熱性を向上させることは、人の健康にも大きな影響を与えることにもつながります。当社グループでは、今後も健康と環境にやさしい家づくり「スマートウェルネス住宅」について継続して取り組んでいきます。

 また、令和となっても大地震の発生は切迫した脅威となっています。こうした中、住宅の耐震化は依然として課題となっています。住宅事業に携わる私たちにとって、住む人の命を守る家づくりは普遍的な社会的使命だと捉えています。当社グループは今後も引き続き住宅の耐震化に向けた活動を継続するとともに、耐風性能の向上、太陽光発電システム・蓄電池の導入の促進をはじめ、地域コミュニティーでの共助の推進など、激甚化する自然災害全体への対応に取り組んでいきます。

建築資材事業の事業方針

 当社グループには、住まい・暮らしを取り巻く事業として、川上から川下まで、幅広い機能があります。今年は、改めて建築資材セグメントおよび住宅セグメントの総合力・シナジーを発揮することで、新しいお役立ちを積極果敢に行っていきます。

 建築資材セグメントについては収益力の強化を見据え、「国産材の利用拡大と木材販売」「取引先様とのパートナーシップ」「木造非住宅分野への取り組み」「ストック市場への取り組み」の4点を新たな事業方針として掲げました。

 このうち、「国産材の利用拡大および木材販売の拡大」については、「木材」の利活用を更に促進することで、事業の拡大と森林資源の循環利用へ貢献していく考えです。当社グループは、全国の優良な製材事業者様・プレカット事業者様との強力な関係性により、品質・価格・供給の3つの面で安定した国産製材品をコーディネートすることが可能であり、非住宅の木造化・木質化に必須となるJAS製材品や、森林認証材を全国47都道府県から調達する仕組みがあります。今後は、これらの取り扱いを更に強化していきます。

 木質化の部材についても、商品開発・販売を強化していきます。都市部の木質化という点では、新築需要はもちろん、既存建築物の木質化という需要もあり、大きな市場があります。内外装の木質化に加え、木塀など幅広く取り組んでいきます。また、今春には国産材をリフォームの一部に活用することを要件として金利を優遇するリフォームローンの準備を進めています。

 続いて、「取引先様とのパートナーシップ」についてです。販売店様とメーカー様、建販商社様、木材問屋様とナイス㈱によるネットワークであるナイスパートナー会は、現在、1,000社以上の企業様に加入いただいています。今後、会員企業様と今まで以上により強力に取り組み、ともに発展していきたいと考えています。また、工務店様の日々の活動をサポートするサービス「ナイスサポートシステム」は、集客活動から商談、設計、顧客管理に至るまで、販売店様・工務店様のあらゆる業務に対応しており、現在は約2,000社にご利用いただいています。

 次に、「木造非住宅分野への取り組み」です。建築物の木造化率は増加傾向にあります。一方で5階建て以下の建築物の木造化率は10%程度にとどまっており、ここには現在の持ち家に匹敵する規模の潜在市場があると言えます。こうした建築物の木造化・木質化の需要に対応していくために、販売店様や工務店様、設計事務所様、ゼネコン様からの最初のご相談窓口となるファーストコールセンターとして「木造テクニカルセンター」を新設しました。こちらを窓口として、当社グループが持つ設計・開発力、木材 調達力、生産加工力、施工力により、非住宅の木造化・木質化を強力にサポートしていきます。お施主様となる行政や、設計を担当する設計事務所様、生産・加工を行う製材事業者・プレカット事業者様、流通を担う販売店様、施工を担当する工務店様、ビルダー様、ゼネコン様の皆さんとともに「ウッド・ビルディング・ネットワーク」を構築し、ともに取り組んでいきたいと思います。

 最後に、「ストック市場への取り組み」です。現在、日本の住宅ストックは約5,000万戸とされていますが、このうち断熱性能において現行基準を満たすものはわずか7%しかありません。健康リスクの低減には、住まいの断熱性能を高めることが重要だということが明らかになりつつあり、超高齢社会の日本において大きなマーケットがあります。こうしたリフォーム需要を獲得するために、当社グループでは「リフォームパッケージサービス」を開発しています。これは、断熱やエネルギーなど、リフォームのテーマに応じた商材をパッケージ化して、消費者に提案しやすいように1冊のカタログとしてまとめたものです。ナイスサポートシステムの会員企業様へは、社名を入れたデータを無料で提供しています。

 このうち、断熱リフォームに関しては、施工性に優れて住まいながらできる商材の提供を強化しています。「あったかMADO」は既存のサッシ枠を生かしながら窓回り全体の断熱性能を向上させる新しいカバー工法による窓リフォーム商品で、標準的な窓であれば1時間程度で施工できます。また、床下の断熱リフォームについても、床を剥がすことなく施工ができる商品を開発しています。このほか、資金面でリフォームに踏み切れない高齢者の方へ向けて「リバースモーゲージ型住宅ローン」を提供しています。これは、60歳以上を対象に、自宅を担保に資金を融資するものです。融資期間は無期限で、毎月の支払いは利息のみ、元本については生前一括、もしくは亡くなった時に担保物件を売却して返済するというものです。

住宅セグメントの事業方針

 当社グループには、ストックビジネスを担う部門として、既存住宅の流通を担うナイス㈱住宅事業本部情報館事業部、マンションや一戸建住宅の管理・修理営繕、リフォームを行うナイスコミュニティーグループ、賃貸管理を行うナイス賃貸情報サービス㈱、法人仲介を行う横浜不動産情報㈱、エリアの情報発信をするYOUテレビ㈱があります。これらが相互に連携することで、既存住宅に関するあらゆるお悩みに対するソリューションを提供し、ストックビジネスの拡大を図る考えです。これまでに当社が供給したマンションや一戸建住宅をはじめ、管理物件、YOUテレビ視聴世帯数などを合計すると、当社グループと関係するお客様は延べ38万世帯を超えます。このお客様が、当社のストックビジネスにおける非常に大きな財産となります。ストックビジネス各部門の業績は上昇傾向にあり、今後の成長が期待できる分野と言えます。今後は事業を強化し、一層注力していきます。

 マンション部門については、当社グループは2015年から自社で供給するすべてのマンションを免震構造とし、「ノブレス」というブランド名で展開しています。当社グループは1997年に東京世田谷区で免震マンションを供給して以来、これまでに全国で75棟を供給、首都圏では49棟とナンバーワンの実績があります。地震への備えという観点から、引き続き免震構造を原則とし、土地の形状など条件に応じて耐震等級2の耐震構造にもフレキシブルに対応してまいります。その上で好立地を厳選の上で安定した供給戸数を継続して確保していきます。

 最後に、一戸建住宅事業については、収益モデルを再構築するためにビジネスモデルと管理基盤の見直しを実施していきます。具体的には、地域特性に応じたエリアごとの商品開発、年間の新規着工数・計上戸数の安定化と平準化、用地仕入れ時に適正な在庫水準を管理する仕組みの整備、配棟計画や許認可の取得時の地域特性に基づく企画の重視、開発行為継続の是非における基準の明確化、そして、顧客接点を重視した販売の6点です。このうち、商品開発については、本社の設計部門において画一的に全国の一戸建住宅商品の仕様・設備等を決定することを取りやめ、地域の特性に合わせた商品開発へと移行します。ただし、「将来に残すべきもの」として、耐震等級3の確保、パワービルド工法の標準仕様、長期優良住宅、国産材の活用、「設計住宅性能評価書」「建設住宅性能評価書」の取得については、今後も全国共通のスペックとして継続します。住宅セグメントについては、これらを通じて事業の再構築を果たしていきます。

新生ナイスグループ誕生の年に

 新生ナイスグループにとって何よりも重要なことは、これらの事業方針や経営方針、戦略などに、ESGとSDGsの考え方をしっかりと反映させていくことだと考えています。当社グループはこれまで、「耐震」「健康」「環境貢献」、そして「木材利用の拡大」を重要なテーマとして事業に取り組んできました。今後は、「理念の追求」にとどまらず、収益性とESGへの取り組みをバランスよく実行していきます。

 当社グループは今年、創業70周年を迎えます。長きにわたるご支援に改めて感謝いたします。本年を「新生ナイスグループ誕生の年」とし、全力で信用と信頼の回復に向けて取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。本日はありがとうございます。

業界一丸となって応援 「新生ナイス 経営方針発表会」参加者の声(2020/1/25)

カテゴリ: 2019年度

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杉田社長を中央に小林氏(左)と矢吹氏

 ナイスは1月24日、ナイスパートナー会連合会と合同の「経営方針発表会」を開催した。恒例だった「新春経済講演会」を一連の事態を受け変更したもので、同社代表取締役社長・杉田理之氏が新生ナイスグループの経営方針を発表したほか、経営共創基盤(IGPI)代表取締役CEO・冨山和彦氏による「デジタル(AI)革命とローカル型企業の明日」と題する講演、情報交換会(懇親会)を行った。

 参加者は、会費制だったにもかかわらず従来とほとんど変わらない約1,600名が参加し、「新生ナイス」にエールを送った。

 同社は3月31日付ですてきナイスグループ(代表取締役社長・杉田理之氏)に吸収合併され、消滅することが決まっている。

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「経営方針発表会」(グランドプリンスホテル新高輪で)

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 記者は他の取材があったため、杉田社長の〝決意表明〟は聞けず、懇親会からの参加となった。ただで飲ませてもらう分の〝お返し〟をしないと失礼だと思い、以下の通り「新生すてきナイスグループ」に対するエールの声を拾った。(順不同)

 後藤木材(本社:岐阜県岐阜市)代表取締役会長・後藤直剛氏(初代ナイスパートナー会連合会会長) ナイスは木材商社の草分けとして業界を支えてきた。多くのことを教わった。(有価証券虚偽記載は)運が悪かったとしか言いようがない。(他の多くの不祥事と比べて)大きな問題ではない。私利私欲に走ったわけでもない。これを機会にわれわれも盛り上げていきたい

 クロダ(本社:長崎県諫早市)取締役会長・黒田隆雄氏(2代目ナイスパートナー会連合会会長) (一連の事態となり)謙虚に取り組んでいる。だからこそこんなに人が集まる。お客さんは逃げていない。売り上げはむしろ伸びている。社員は前の時代と一緒〝愚直なナイス〟を実践している。凄いこと。(創業)70周年、いいですね

 平方木材(本社:群馬県前橋市)代表取締役・平方宏氏(現ナイスパートナー会連合会会長) 創業70周年を迎えた新生ナイスを業界が一丸となって応援していく

 田村森林組合代表理事組合長・矢吹盛一氏 田村市はいわき市と郡山市のほぼ中間。3.11のときは事務所が倒れるのではないかと思えるほど大きく揺れた。津波だけならまだしも…原発被災は読めなかった…わたしのところの強度が強いのが特徴の〝田村杉〟が福島代表として国立競技場の東ゲートに採用されている(ナイスは国立競技場に採用された47都道府県の木材を全て調達した)

 一般社団法人アジアサイエンスカフェ(本部:神奈川県川崎市)会長・小林一氏 アジア人起業家のためのインキュベーションセンターの運営と支援活動を行っている。シェアオフィスを7年間やっている。日本もアジアも木の国です

 征矢野建材(本社:長野県松本市)取締役総括本部長・岩垂智昭氏 新生ナイスの今後の展開に大いに期待しています。旧態依然の体制を脱却し、再生へ向け社員共々一丸となって取り組んで頂きたい。弊社もワンチームの一員として、アカマツ、桧、杉、カラマツなど長野県産材の利用・普及に努めていきます

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左から岩垂氏、北信地域材加工事業協同組合代表理事・峯村宗次氏、瑞穂木材代表取締役・宮崎正毅氏

カテゴリ: 2019年度

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 三菱地所は1月24日、今年4月からスタートさせる向こう10年間を指向した経営計画「長期経営計画2030」を発表し、同社吉田淳一社長が同計画と同日発表した大手町・丸の内・有楽町エリア(大・丸・有)における2020年以降のまちづくり「丸の内NEXTステージ」について約1時間30分にわたって説明、質疑にも答えた。

 「長期経営計画2030」策定の背景として、吉田社長は現在進行中の2017年度から今年度末の中期経営計画はすべて数値目標を達成する見込みであり、これを土台に、新たにスタートさせる計画は、時代が非連続的、かつ急速に変化し続けている現在、的確に対応するためには中長期的な視点で考える必要があるとし、以下の戦略を打ち出した。

 経営計画では、「社会価値向上戦略」と「株主価値向上戦略」を両輪に据えた経営を実践するとし、社会価値向上戦略では、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みを実行し、まちの利用者や従業員を含む全てのステークホルダーへのより高い価値の提供を行い、株主価値向上戦略では、ROA・ROE・EPSのKPIを掲げ、高効率で市況変化に強い事業ポートフォリオへの変革を、「国内アセット事業」「海外アセット事業」「ノンアセット事業」の3つ領域で展開し、計画の実現を目指す。

 また、ノンアセット事業をはじめとする不動産市況の変動に強い収益の拡大と柔軟な資本政策を組み合わせ、ROA・ROEの底上げを図り、2030年度計画でROA%、ROE10%、EPS200円の推知目標を掲げた。

 「大・丸・有」の2020年以降のまちづくりを「丸の内NEXTステージ」と位置付け、イノベーション創発とデジタル基盤強化を通じ、個人のクオリティオブライフ(以下、QOL)向上と社会的課題の発見・解決を生み出すまちづくりを推進。有楽町エリア及び常盤橋エリアを重点的に整備し、2030年までに約6,000~7,000億円を建て替え及びソフト整備に投資し、再構築を推進すると語った。

カテゴリ: 2019年度

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宮島氏

 三菱地所レジデンスは1月23日、新社長に代表取締役専務執行役員兼三菱地所グループ執行役員・宮島正治氏が4月1日付で就任すると発表。現代表取締役社長執行役員・脇英美氏は三菱地所代表執行役 執行役専務 再開発事業部担当に就任する。

 宮島氏は1964年5月26日生まれ。東京都出身。1987年4月、三菱地所入社。2014年4月、住宅業務企画部長、2016年4月、三菱地所レジデンス取締役専務執行役員兼三菱地所グループ執行役員、2017年4月、現職。

カテゴリ: 2019年度
 

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