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仲井社長

 積水ハウスが高級ブランドの木造住宅「シャーウッド」とは別のミドル価格帯のブランド・新会社を立ち上げる。3月9日行われた2018年度経営計画説明会で同社・仲井嘉浩社長が明らかにした。同社と一般工務店の間のマーケットをカバーする狙いだ。

 同社の戸建てを建設し、なおかつ全国の18社で戸建て事業を展開する積和建設の商品企画を統一し「積和の木の家」としてブランド化する。

 仲井社長は「木造住宅が注目され、積和の工事力が高まってきたことが背景にあり、現在、営業100名、受注529棟(売上高123億円)をそれぞれ200名、1,000棟に拡大する。価格帯は当社の1棟単価が約3,800万円であるのに対し、新ブランドは2,200~2,300万円台。全社挙げて取り組んでいく」と語った。

◇       ◆     ◇

 仲井社長の話を聞いていて、次の記事を思い出した。2014年、次のように書いた。

 「『鉄』はやや頭打ちで、『木造』がものすごい勢いで『鉄』を追い上げている構図だ。このまま『鉄』が横ばいを続ければ、10年後には『木造』が逆転する可能性もある。

 この話をすると同社関係者は笑って取り合わない。営業マンの配置構成は『鉄』が7に対し『木造』は3だという。ならばこの比率を変えたらどうなるのか、あるいはまた鉄と木造の垣根を取っ払ったらどうなるか。これは興味深い」と。

 同社の戸建て事業は、高付加価値住宅の提案により1棟当たりの単価は2014年度が3,565万円だったのが2017年度は3,807万円へ、営業利益率も11.4%から12.9%へ伸びているが、売上棟数は木造の「シャーウッド」が健闘しているものの、主力の「鉄骨」は2014年度の9,111棟から2017年度の6,995棟へ23%減らしている。

 分譲住宅も、「鉄骨」は2014年度の1,488戸、428億円から2017年度は1,661戸、515億円へそれぞれ11.6%、20.3%伸ばしているが、「シャーウッド」は2014年度の674戸、201億円から2017年度は990戸、297億円へそれぞれ33.5%、47.8%増と伸び率は「鉄骨」を大きく上回っている。

 新会社はどのような商品を販売するのかいまひとつよくわからないが、金額的には「シャーウッド」の6掛けくらいになる。業界に大きな影響を与えるのは必至だ。三井ホームは先に坪単価60万円のミレニアル世代向けの新商品を投入した。

三井ホーム ミレニアル世代向けに坪単価60万円の新たな商品投入(2018/2/28)

三井ホーム 単価56万円の1次取得向け新商品「cafe+( カフェ・プラス)」(2013/4/11)

戸建ての落ち込み賃貸、ストックがカバー 木造も健闘 積水ハウス2Q決算(2014/9/5)

 

 

 

 

カテゴリ: 2017年度

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「SEJOUR DD-1(セジュール ディーディー・ワン)」習志野モデルハウス

 大和ハウス工業は3月9日、同社グループの大和リビングが管理する賃貸住宅の入居者向け犬小屋付き賃貸併用分譲住宅「SEJOUR DD-1(セジュール ディーディー・ワン)」の販売を開始した。販売に先立つ8日、メディア向け説明会&実棟内覧会を行った。マイホームが取得でき、賃貸することでローンの負担を軽くし、しかもペットが飼えるという一石二鳥どころか〝一石三鳥〟の企画商品だ。

 同社はこれまで100万戸を超える賃貸住宅を建設しており、大和リビングが管理する約53万戸の「D-room」のうち年間約11万戸の入退去があり、退去理由に持家の購入をあげる顧客が約13%あることに着目し、退去後も同社の住宅に住んでもらおうという狙いで商品化したもの。

 100㎡の住宅のほかに賃貸住宅40㎡を併設してセットで販売し、賃貸住宅は大和リビングが一括借り上げをするシステム。毎月の住宅ローン支払い額14万円から家賃収入7万円を差し引くと、居住中の「D-room」家賃9万円(60㎡)より安い7万円で済むようにしているのが特徴。さらに、最近のペットブームを受け犬小屋も提案し、賃貸も「ペット可」とする。

 説明会と実棟内覧会に臨んだ同社取締役専務執行役員・堀福次郎氏は、「当社の賃貸セグメントは1兆円を超える。当社の賃貸を毎年退去される11万世帯のうちうち約1,500世帯は住宅を購入される。この資源はもったいないと考え、SEJOUR DD-1(セジュール ディーディー・ワン)を投入した。100㎡のマイホームを取得でき、しかも犬が飼えて、賃貸収入を差し引けば毎月のローン支払いはむしろ安くなる。頭金は双方の親御さんの支援があれば1,500万円くらい用意できる。最近の賃貸市場はシェアハウス問題、過剰融資に対する金融庁の監視強化などいいニュースがなく、住宅の庭は猫の額ほどもないが、明るい話題となるはずだ」と語った。

 モデルプランは、京成大久保駅から徒歩7分、軽量鉄骨造2階建て敷地面積165.29㎡(50坪)、延床面積150.31㎡(45.56坪)、自宅面積107.97㎡(32.66坪)、賃貸面積42.34㎡(12.80坪)、参考価格5,240万円(税込)。年間販売目標は100棟。

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堀氏

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 土地持ちオーナー向けの賃貸併用住宅ではなく、賃貸居住者向けに販売するというのが味噌だし、面白い企画だと思う。他のハウスメーカーが取り組んでこなかったのが不思議なくらいだ。賃貸居住者だけでなく、分譲戸建ての購入を考えている人にも訴求するのではないかと思う。

 分譲マンションでは同じような発想のものがある。2014年にグッドデザイン賞を受賞した横浜・リッチライフが展開する「リッチライフプラン」だ。

 ファミリータイプのマンションにドアで繋がったワンルームを設置。ワンルームにはミニキッチン、バス、トイレなどが付いており、賃貸や趣味室、あるいは2世帯同居もできるようにしている。賃貸することでその収入をローン返済に充てることも可能というものだ。三井不動産レジデンシャルも2014年に二世帯隣居を想定した隣り合った2つの住戸を連結した「TSU-GU-IE〈ツグイエ〉」を「パークタワー新川崎」に採用した。

 課題もありそうだ。京成大久保駅から徒歩7分で、土地が広く、賃貸収入が得られるとはいえ5,240万円という価格はやはり高い。親の援助がないと取得できないだろう。

 もう一つは、設備仕様。自宅部分は明らかに賃貸仕様だ。2階のリビングの天井高は2400ミリだし、配管の関係か、洗面・浴室部分は20センチくらいの段差があった。設備仕様レベルは高くすべきだろう。

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ドッグハウス

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 堀氏の話はいつも面白い。今回も〝堀節〟がさく裂した。

 前半の説明会では、冒頭に「明るい話題」を強調し、冗談を交えながら具体的な数値を根拠にして論理を展開した。マイホームが取得できて、賃料収入が得られて、無理なくローンが返せるなどという〝夢〟みたいな話ではあったが、説得力があった。

 現場内覧会でも、「当社は過去28年間、賃貸に絡む訴訟はゼロ。家賃下げ提案はゼロではないが、建物が古くなっても、他社の新築と競合しても8対2くらいで勝てる。なぜか。金は出せないが、人を出し、エアコンやカーテン、LED照明などを提供して欠点を補う。農業や漁業のために山に木を植えるのと一緒」などと手の内まで明かした。リップサービスを忘れない。

 先ほど指摘した課題も堀氏は百も承知だろう。販売目標も年間100棟と低めに設定し、反響をみながら徐々に拡大しようという戦略だと読んだ。

カテゴリ: 2017年度

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「NATURAL HYGGE STYLE (ナチュラル ヒュッゲ スタイル)」

 三井ホームは2月28日、ミレニアル世代向けのシンプル・高性能・コストパフォーマンスに優れた新しい暮らし提案型商品「NATURAL HYGGE STYLE (ナチュラル ヒュッゲ スタイル)」を3月1日から販売を開始すると発表した。

 「もっと家を楽しむ」をコンセプトに、コト消費ニーズの高い30代から40代のミレニアル世代をターゲットにした商品で、インテリアに天然木をふんだんに採用、家族がアクティブに過ごせる内と外をつなぐテラスリビングや、新しい試みとして子供も大人も楽しめるDIYスペースを提案する。

 外観は特徴あるフレームデザインとし、壁面の一部に天然木を採用し、太陽光発電システム(3kw)を標準装備する。

 同社取締役常務執行役員・河合淳也氏は、「近く発表する浜田山、駒沢の富裕層向けの『プレミアム』も強化するが、今回は初めて家を建てるミレニアル世代向けにリアルサイズの商品にしたのが特徴。三井のリハウスと連携して土地なしや狭小敷地にも対応していく」と話した。

 プロトタイプは延床面積33坪で1,980万円(坪単価60万円)~。販売目標は年間100棟。当面、埼玉、千葉方面が対象。

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テラスリビング

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魅せるキッチン

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 河合氏など関係者がミレニアル世帯向け、第一次取得層向け、リアルサイズなどと強調したので、ひょっとしたらローコスト住宅を提案するのかと思ったが、単価が示すように、同社としては安い部類かもしれないが、ミレニアル世代向けにしてはずいぶん高いというのが率直な感想だ。

 つくばエクスプレス柏たなか駅から徒歩7分に設けられているモデルハウスは土地が172㎡(32坪)、建物が114㎡(34坪)で、外構・インテリア込み5,600万円と聞いてびっくりした。

 担当者は「売るのが目的ではなくて、モデルハウスとしてお客さんに見てもらうための外構、インテリアを含めた高めの価格設定」と話したが、目が飛び出る価格だ。相場と比べれば少なくとも1,000万円は高い。

 それだけの価値は確かにある。設備仕様はものすごくレベルが高い。外壁にスギの天然木を一部採用し、1階に天井高約2600ミリの土間空間と、挽板仕上げの節有バーチフローリング、三井不動産の森のトドマツの間伐材を用いた天井、九州産のスギを使ったアクセントウォール、ヒノキのウッドデッキなどは明らかにアッパーミドル向けだ。

 ミレニアム世代に対して、ものすごく自己中心的で、雇用や社会保障など将来不安が大きいにも関わらずいまの生活に満足しており、選挙では保守というよりは我利我利亡者の候補に大きな支持を寄せ、住宅だけでなく恋人さえもシェアする-このようなイメージしか持ち合わせていない記者が間違っているのか。

 プレミアムかミレニアルかさっぱりわからなくなってきた。まさか世界で8,000万部以上が売れた小説「ミレニアム」にあやかろうという訳ではないはずだ。

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繋がるデッキ

「全150棟、2年間で売る」 ポラス・柏たなかの分譲戸建て 好調スタート(2017/7/10)

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「パレットコート北越谷 フロードヴィレッジ」モデルハウス

 ポラスグループの大型分譲住宅地「パレットコート」シリーズの企画・開発、設計、販売をする中央グリーン開発は2月17日、元荒川沿いの「パレットコート北越谷 フロードヴィレッジ」の第1次販売を3月3日から開始すると発表。同日、地域自治会、越谷市と協力して進めているワークショップ「未来会議」も含めてメディアに公開した。

 物件は、東武スカイツリーライン北越谷駅から徒歩13分~、越谷市大字南荻島字出津に位置する信用金庫研修所跡地の全64区画。敷地面積は135.30~150.11㎡、建物面積93.77~116.29㎡、価格は未定だが3,000万円の半ばから4,000万円台の半ばの予定。建物は木造在来工法2階建て。

 現地は、元荒川の川沿いに位置することから、北欧の「PASSIVE DESIGN」、「HYGGE(ヒュッゲ)」、「SUSTAINABLE」を採用。川沿いの自然を感じるランドスケープを取り入れ、家族とゆったりと過ごす住空間を提案し、地域の新しいコミュニティづくりを支援する街づくりを目指している。

 見学会に臨んだ同社開発取締役事業部長・戒能隆洋氏は、「昨年行った棟下式には700名を超える方が参加し、施設内の食器・家具などが持ち帰ることができる『お宝発見ツアー』では8割以上がリユースされた。反響は現段階で地元以外には広がっていないが、紹介による来場が多く、手応えは十分。7期に分けてこの1年間で完売したい」と話した。

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23号棟 モデルハウス

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12号棟 モデルハウス

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 記者は昨年の「棟下式」も取材している。その時の記事を参照していただきたい。

 元荒川は名前の通り昔は本流だったのが、江戸時代に熊谷あたりで締め切られ、入間川に付け替えられたためにこのように呼ばれるようになったようだ。北越谷駅とは直線にしたら数分くらいの距離だが、川はかなり蛇行しているため徒歩13分の表示になっている。(渡しを付ければ「矢切の渡し」に対抗できるが)

 モデルハウスの2棟はよくできている。同社の戸建てはたくさん見ているのでもう書かないが、さすが年間3,000戸を販売する会社だ。同業がみたら腰を抜かすはずだ。男性向けのモデルハウスは高さ3mくらいの書棚(ギャラリー)と小上がりの「スタディコーナー」が圧巻。一方の女性を意識したプランは、家族それぞれが多様な用途に使えそうなスペースをリビング周りにたくさん用意しているのが特徴。

 元荒川の冷風を取り込むパッシブデザインもいい。冬は北風が寒いが、夏場は体感温度にして数度は低くなるはずだ。

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街並みパース

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 「未来会議」の取り組みも大賛成だ。どこかに意見を誘導する会議でなく、ワークショップ形式なのがいい。

 この日は、ポラスや市の関係者も含めて20数名が参加していた。「河川敷を公園にしよう、桜を植えよう、遊具を設けよう」「集会所には食堂や居酒屋、カフェが欲しい」などの意見が飛び交った。

 河川敷を管理するのは国か県だ。そこを公園にしたり、占有使用したりするこることはまず許可されない。

 また、「集会所」の定義は明確ではないが、「越谷市まちの整備に関する条例」では公共施設扱いとなり、帰属は市となり、「食堂」「居酒屋」「カフェ」などは許可を得ないと設置できない。当然に建築基準法の建蔽率、容積率(該当地は50%、100%)や用途規制により店舗などは許可されない(非住宅部分が50㎡以下は可能だが)。

 「未来会議」は今後、これらの法律・条例の壁にぶち当たることになりそうだ。あらゆる手法を駆使してこの壁を乗り越えてほしい。近接する文教大学と連携するのもいいし、同社がまとめたCSV(Creating Shared Value=共通価値の創造)の小冊子も参考になる。この前、取材し記事にした横浜市金沢区の「さくら茶屋」に学んでほしい。基本は「自助」だ。

 市もまた、条例の目的である「長年にわたり育まれた本市の歴史、地勢、社会的環境等に根ざした都市施策の継続及び計画的なまちの整備の推進を図る」(第1条)ことに背馳しないでいただきたい。

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「未来会議」

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 理解できなかったこともある。物件名だ。「フロード(FLOD)」はスウェーデン語で、「川」という意味だそうだ。スウェーデンといえは、全世界で8,900万部(シリーズ全体)が売れた、処女作品にして絶筆となったスティーグ・ラーソンの小説「ミレニアム」を思い出すが、いま戸建てもマンションも北欧ブームだ。各社が競って北欧をテーマにした商品を発売している。

 しかし、ここはストレートに「パレットコート 川沿い(リバーサイド)北越谷」とでもしたほうがよかった。井上陽水の「リバーサイドホテル」が大ヒットしたではないか。

 「毎年1万羽を超える野鴨などの渡り鳥が越冬のため飛来し」「鴨の狩猟期間(11月中旬から翌年2月中旬)に,天皇陛下の思召しにより内外の賓客の接遇の場として使用」(宮内庁ホームページ)されている、対岸の約12,000㎡の宮内庁「埼玉鴨場」にも一言。

 「棟下式」にも思ったのだが、この「埼玉鴨場」には北米などに広く分布する見事なメタセコイアの高木が植わっている。これはこれで美しいが、わが国では絶滅種のメタセコイアが植えられているのは、「1949年、日本と皇室がそれぞれメタセコイアの挿し木と種子を譲り受け、全国各地の公園、並木道、校庭などに植えられている」(ウィキペディア)ためのようだ。地元の人によると戦後、進駐軍が利用していたともいう。

 なるほど。メタセコイアは、わが国がアメリカの軍門に下る象徴的な樹木であるということだ。記者は国粋主義者ではないし、日本国憲法の精神は美しいと思うが、その理由を知ってしまった以上、反米感情が沸々と湧き上がる。「隠された日本の財産」という意味の日本の固有種のスギ(学名:Cryptomeria japonica)に植え替えてはどうか。どう見てもあの大男のメタセコイアは見事に腰が据わったサクラと似合わない。

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このメタセコイアそのものは美しいが、宮内庁「鴨場」にそぐわない 

業界初「棟下式」「お宝発見ツアー」大賑わい700名超 ポラス 開発予定地でイベント(2017/4/16)

住民主導のもう一つの「奇跡の街」 横浜・金沢文庫 西柴団地「さくら茶屋」見学(2018/2/14)

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「浦和BRIGHTS(ブライツ)」モデルハウス サンクンリビング

 ポラスグループ中央住宅の「ボゥ ヴィラージュ浦和美園~イストワール87~」が絶好調という記事を先に書いたが、今回は販売開始から1週間で全20棟のうち6棟を成約した「浦和BRIGHTS(ブライツ)」を紹介する。県都・浦和にふさわしいハイグレードの認定低炭素住宅&長期優良住宅だ。

 物件は、JR浦和駅から徒歩24分(バス9分、徒歩4分)、さいたま市緑区原山2丁目の第1種中高層住居専用・準工業地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する全20棟。敷地は県警の官舎跡地。土地面積は100.10~118.50㎡、建物面積は95.22~109.5㎡、現在分譲中(14戸)の価格は4,280万~6,380万円(最多価格帯5,400万円台)。構造は木造2階建て(在来工法)。完成予定は6月16日。

 現地は、戸建てが建ち並ぶ住宅街の一角で、駒場スタジアム(駒場運動公園)に隣接。浦和高校も徒歩圏。

 建物は、周囲の戸建て環境・景観に配慮して屋根には敢えて太陽光パネルを置かず粘土瓦を採用。外構・舗道には鳥海石、ピンコロ石、天然石などの天然素材を配し、外壁には汚れにくい光触媒のサイディングを施し、各戸に宅配ボックス、サイクルポートを設置している。

 住戸の商品企画では、全熱交換型24時間換気システム、高性能樹脂窓のU値は北海道の基準値2.33を超える1.67を実現。さらに先進の省エネ、ハイブリッド給湯・暖房システムを搭載し、低炭素住宅&長期優良住宅認定を受けている。

 天然素材を多用しているのも特徴で、床は厚さ2ミリのビーチ、オーク、ウォルナット、バーチの無垢材挽き板、壁は珪藻土塗り壁や銘木の端材を活用した壁材を用いている。

 設備仕様では、ワンランク上のキッチン「ベリー」を、浴槽はミストサウナを、階段は16段を、窓にはタイマー式電動シャッターをそれぞれ採用している。

 同社は今後、ハイスペックの「BRIGHTS(ブライツ)」をシリーズ化することも検討している。

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ステージリビング

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 同社の戸建てのリビング天井高は2700ミリが標準であることは何度も書いてきたが、今回のモデルハウスではダイニングの床面よりさらに200ミリ下げて「サンクンリビング」とし、天井高を際立たせるとともに、段差を設けることで上段に腰掛けるなどして多様な使い方ができる空間としている。天井高が一般的な2500ミリではこのような演出はできない。

 一つ驚いたのは、すべての窓にクレセントが付いていなかったことだ。記者は2階だからコストを下げるためだろうと思ったのだが、そうではなくて気密性が高い樹脂サッシだから不要なのだそうだ。鍵はきちんとドア枠のところについているので防犯面でも問題はない。

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クレセントがない2階窓

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 「BRIGHTS(ブライツ)」のシリーズ化だが、同社が地盤とする埼玉県内にはそのような適地は少ない。強いてあげれば、何度も記事にしている浦和美園だ。産官学が連携して街づくりを進めれば、広域からも集客できる街になる。「浦和美園E-フォレスト」がそれだ。

 都内でも十二分に戦える商品企画だと思うし、傍観者としての記者は真っ向勝負を挑んでほしいと考えるが、問題は〝ポラス〟のブランド力だ。同社はこれまで板橋区や練馬区、城東エリアなどを除く23区内での供給は少ないから、即完売というわけにはいかない。〝浦和レッズのスポンサー〟はサポーターの役割を果たすかもしれないが、決定力不足といわれる日本サッカー同様、あと一歩足りない。

 同社(ポラテック)は三井不動産レジデンシャルの戸建ての施工実績があり、好評を博した。販売代理として三井不動産リアルティや野村不動産アーバンネットなどと組めば成功するような気がするが、同社・中内晃次郎代表は石橋を叩いても渡らないような慎重派だし、販売を他社に委託するようなことはやらないはずだ。(中長期的にはありうるか)

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現地(住宅の後ろに駒場スタジアムの照明塔が見える)

〝魂が込められている〟4カ月で31棟成約 ポラス中央住宅「浦和美園」絶好調(2018/1/16)

どこにも負けない先進の街づくり「浦和美園E-フォレスト」竣工 街びらき(2017/3/27)

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「ボゥ ヴィラージュ浦和美園~イストワール87~」森の家

 ポラスグループの中央住宅が分譲中の戸建て「ボゥ ヴィラージュ浦和美園~イストワール87~」と、1週間前に分譲開始した「浦和BRIGHTS」を見学した。「浦和美園」は昨年9月から分譲しているもので、わずか4カ月で全87棟のうち31棟を、「浦和」もまた全20棟のうちすでに6棟をそれぞれ成約している。なぜ売れるのか。一言でいえば1棟1棟に〝魂が込められている〟からだと思う。

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 まず「浦和美園」から。同社は昨年9月、全体で87戸の戸建て「イストワール」を販売すると発表し、同時に記者見学会も行った。その時の記事も参照していただきたい。

 今回見学したのは、「+Smart」「+Comfortable」「+Health」の3つの〝もっと〟をプラスした「ハイグレードタイプ」の4棟。全棟に2ミリ厚の挽き板フローリング、銘木の端材を活用した壁材「レリーフ」、珪藻土壁、タイマー式電動シャッター、高性能ハイブリッド窓、ミストサウナ、4枚引き戸などを採用、モデルハウスはすべて家具付き分譲というのが特徴だ。

 4棟のうち「和みの家」と「森の家」は1.25坪の浴室を採用しているのが特徴だ。1.25坪の浴室はバブル時に各デベロッパー、ハウスメーカーが積極的に採用したが、その後はすっかり見なくなった。これはインパクトがある。

 「森の家」はブラックウォールナットのフローリングや壁材を採用することで落ち着いた空間を演出し、マスターウォールの本皮ソファをコーディネートしている。

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森の家(古垣氏担当)

 「繋がりの家」は、床から約800ミリスキップさせた「スキップリビング」付き。1階の天井高を2.7m確保、スキップリビングの天井も上げているので、狭さを感じさせないのが特徴だ。

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繋がりの家(角張氏担当)

 「つどいの家」は、他のモデルハウスと異なり、床をコーティング加工して艶やかな表情にしており、回遊性のキッチン天井は一部下げ、間接照明とダウンライトを採用しているのが特徴。

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集いの家(山口氏担当)

 「和みの家」は、天井が網代仕上げの和室が印象的で、オレンジのソファが美しく、勾配天井のリビングによくマッチしている。

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和みの家(山口氏担当)

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 この日は、同社戸建分譲設計本部設計一部 営業企画設計課課長の古垣雄一氏と同じ部署の主任・角張泰広氏、さらに同社の広報マンに案内してもらった。全部で4棟。このあと「浦和BRIGHTS」の2棟も見学したので都合6棟見学した。

 この間、サッカーに野球、街づくりなどについて侃々諤々の争いをするもんだから何が何やらさっぱりわからなくなった。どういうやり取りをしたのか、少し紹介する。

 記者が「浦和レッズは昨年7位。観客数も39万人、多い時より半減。人気ナンバーワンにしては情けない。〝レッズタウンにしたい〟と熱く語る淵田敬三社長は立派だが、タウンマネジメント協議会は機能していないではないか。一方の西武ライオンズは2位。観客数も167万人。どうしてポラスは西武を応援しないのか。サッカーは裸になって踊ったり、頭突きをしたりと野蛮で、しかも1試合に2点くらいしか入らない退屈なスポーツ」などと〝挑発〟すれば、「野球とサッカーは異なるので比較はできない。西武の1試合当たりの観客数は2万人強でしょ。浦和レッズは平均3.2万人、最多は5.7万人。西武を応援しようにも、野球はみんな親会社がスポンサーになっている」などと広報マンが反撃する。また「あんたたちは立派な本物の木を使っているのに、どうして観葉植物はフェイクを相も変わらず飾るのか」と一発放てば、「本物は枯れたり、虫が付いたり手入れが大変。その代わりうちは1棟1棟インテリアコーディネーターが知恵を絞っている。同じものは提案しない。書院造の窓は右か左か」などと返され、どこまで行っても平行線だった。

 しかし、何が何やらわからないということは、どれがいいか選別するのが難しいという意味で、みんな同じということではない。甲乙つけがたい出来であるのは間違いない。

 そして何より、同社の力の注ぎようが並外れていることは、昨年の9月からすでに31棟を成約したという数字に如実に表れている。年間にすると80~90戸になる計算だ。このペースだと、全体で87戸を計画している「イストワール」を今年中に完売するかもしれない。

 価格もしかり。坪単価150~160万円のマンションが四苦八苦しているエリアで、高いものは6,000万円を超えてくる。これはマンションにもヒントになる。価格を安くすれば売れる時代ではない。ユーザーの心に響く商品企画であれば売れるということだ。

 〝閑古鳥が鳴く〟この街でこの販売スピードと価格は信じられない。ポラスに拍手喝采だ。

 その一方で、街づくりを主導するさいたま市やUR都市機構関係者も奮起していただきたい。イオンモールとポラスや浦和レッズに〝おんぶにだっこ〟でいいのか。大学にも声を掛け協議会活動を機能させてほしい。都市間競争は益々激化する。浦和美園が取り残されないか心配だ。

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和みの家

ポラス 浦和美園で大規模戸建て87棟分譲 マンション340戸含め1000戸 複合開発強化(2017/9/17)

 

 

カテゴリ: 2017年度

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「プラウドシーズン横濱洋光台」 「つながるHOUSE」

 当欄11月4日付で紹介した野村不動産の分譲戸建て「プラウドシーズン横濱洋光台」を見学した。全203戸の大規模事業だからこそ可能になった入居者向け共用施設「つながるHOUSE」はコミュニティ醸成へ大きな可能性を秘めている施設だ。

 「つながるHOUSE」は、専任のスタッフが勤務(月・水・土/11:00~17:00)し、いろいろな利用相談に応じるほか、子どもの見守りなどを行う。コーヒーベンダーやFree Wi-Fi、スポーツ観戦などにも利用できる大型スクリーンを備える「コミュニティスペース」や、児童書や雑誌など200冊以上の本を保有する「ライブラリー」を設置。簡易トイレ、発電機、テントなどの防災備品を常備し、災害時の「防災拠点」としても機能する。

 戸建ての分譲開始は今年3月。第1期として53戸を供給し、6月の時点で完売となった。引き続き31戸を供給しているが順調に進捗しているという。価格は5,000万円台の前半が中心。購入者の約6割が横浜市居住者で、地元のほか広域からも集客できている。3年間くらいで全戸完売する目標だ。

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モデルハウス

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 大規模マンションでは戸数にして数戸分かそれ以上のラウンジ・コミュニティ施設・ゲストルームなどを備えるのは当たり前だが、分譲戸建てでこのような施設を設けるのは珍しい。一昨年、ポラスが千葉県野田市の大規模分譲戸建て「パレットコート七光台」でカフェを開設したのを見学したことがあるが、それ以来だ。

 隣はバス停留所で、雨が降っているときなどは雨宿りができるベンチも設置されている。

 戸建ての街並みは、同社の他の戸建てと同様の南欧風の外観。モデルハウスは約2.4畳大の収納スペースと約1.5畳大のカウンターを備えたファミリーコーナーの提案がいい。双方合わせ4畳大近い。いろいろな用途に使えそうだ。

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ファミリーコーナー

野村不 全203戸の分譲戸建て「プラウドシーズン横濱洋光台」に入居者用共用施設(2017/11/4)

ポラス 〝奇跡の街〟野田市七光台に地域コミュニティ支援のカフェ オープン(2016/11/19)

カテゴリ: 2017年度

 三菱地所レジデンスは11月29日、東京ガスの供給エリアで分譲する戸建住宅シリーズ「ザ・パークハウス ステージ」全戸に家庭用燃料電池「エネファーム」を標準採用すると発表した。

 「エネファーム」は、都市ガスから取り出した水素を空気中の酸素と化学反応させて発電し、発電した電気を家庭内で利用するほか、その際に出る熱も給湯に利用するなど送電ロスがなく、発電時に出る熱を無駄なく活用できる環境にやさしいシステム。

 東京都の物件には、停電時発電継続機能を内蔵した「エネファーム(レジリエンスモデル)」を原則標準採用する。これによって、停電時の発電継続期間が最長約8日間となる。

 同社は、戸建住宅シリーズ「ザ・パークハウス ステージ」を年間約300戸、将来的には年間400~500戸供給することを目標としている。

 東京ガスによると、2009年に販売を開始して以来、着実に伸ばしており平成29年11月現在、累計販売台数は9万台を達成した。

デベロッパーでは、三井不動産レジデンシャルは2014年に「エネファーム」の全戸導入を決定し、野村不動産もほぼ同じころに全戸に導入した大規模戸建てを分譲している。

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 結構なことではあるが、先行する三井不動産レジデンシャルや野村不動産に肩を並べるには今一つインパクトに欠ける。記者は三菱地所ホームの全館空調システム「エアロテック」を全戸標準装備して差別化を図るべきだと思う。

 

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「プレミアムグランウッド世田谷・等々力の家」

 大和ハウス工業は11月28日、最高級の木造フルオーダーの家づくりプロジェクト「PREMIUM GranWood(プレミアムグランウッド)」東京プロジェクトを12月1日(金)より東京23区で本格始動すると発表。一般公開するケーススタディハウス「プレミアムグランウッド世田谷・等々力の家」の報道陣向け見学会も行った。

 同プロジェクトは、今年4月、兵庫県芦屋市の「プレミアムグランウッド 神戸・芦屋の家」をケーススタディハウスとして始動したのに次ぐ第二弾。「今だけ、ここだけ、あなただけ」をメインテーマに相談から設計-建築-アフターサービスまでサポートする「プレミアムデザインユニット」も新設した。

 日本家屋特有の「侘び・寂び」の空間を演出するため、左官職人の土壁や樹齢200年の吉野杉の5%しか採取できない柾目材を使用した天井、中庭と居室を一体としたプラン、最高級システムキッチン、最高レベルの耐震・高気密・断熱仕様が特徴。年間の受注目標は10棟。

 芳井敬一社長は、「4年前、東京本店長に就任してから取り組んできた、当社が足りないハイクラス向けに特化したプロジェクト。匠・技術・素材の〝3つの逸品〟として完成させた。非常に力が入っている」と話した。

 「等々力の家」は、東急大井町線等々力駅から徒歩10数分、世田谷区野毛1丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80%)に位置する敷地面積232.66㎡(70.37坪)、延床面積153.54㎡(46.44坪)。木造2階建て(グランウッド構法)。価格は土地・建物・外構・家具含め2億7,500万円(消費税込)。モデルハウスとして利用したのち、来年9月をめどに分譲する。

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芳井社長

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 元神戸製鋼のラガーマン芳井社長も忸怩たる思いだったようだ。同社の木造の販売戸数は年間470~480棟。この棟数について、芳井社長は「東京23区はSR社(住友林業と推測される)の一人勝ち。当社のシェアは10位にも入れない」と現状をストレートに語った。

 配布された資料によると、平成27年度の木造販売トップの住友林業は400棟に迫り、第2位のM社(三井ホーム)が300棟近く、3位のMS社(ミサワホーム)が約200棟で、S社(積水ハウスのシャーウッド)が約170棟、同社は90棟くらいだ。各メーカーの重点エリアである世田谷、杉並区では住林・三井ホーム3分の1程度の売り上げしかない。

 発表会と現場見学会には、住宅事業全般担当の大友浩嗣常務執行役員、住宅系商品開発担当の有吉善則常務執行役員、プロジェクト責任者の北村淳プロデューサーなども出席。満を持しての投入で「(他社に)少しは脅威を与えられる」(芳井社長)自信作だ。

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ダイニング(左)と吉野杉の天井

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Miele社の大型食洗機

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 記者は、坪単価1,000万円以上、グロスで10億円を超えるマンションのモデルルームを数えきれないほど見学してきた。戸建ても先月、三菱地所ホームの時価にして7~8億円はしそうな三菱地所ホームのモデルハウス「ORDER GRAN AKASAKA」に宿泊体験した。昨年末見学した同社グループのコスモスイニシア「グランフォーラム石神井公園」(8棟)が出色の出来だったのは記憶に新しい。

 なので、今回報道陣に公開された「等々力の家」には全然驚かなかった。配布されたリリースから土地代は坪250万円くらい、建物は坪200万円くらいではないかとはじいた。

 現地も確認し、関係者の話などから総合すると、土地は傾斜地であることからもっと安く、建物は坪200万円くらいだろう。ほぼ予想した通りだし、すぐ近くに等々力渓谷が流れる立地から判断して妥当な値段だろうと思う。

 物件からは、どこかで聞いたことがある言葉だが、〝今だけ、ここだけ、あなただけ〟の熱意がひしひしと伝わってきた。

 もっとも驚いたのが、樹齢200年の吉野杉を格子状に張り巡らせたダイニングキッチンの天井だ。柾目を使ったこともあるのだろうが、節がまったくない(田舎育ちの貧乏人の記者はスギは節があるからこそ美しいと思うが)。素人が見たら木目調パネル(ケミカル)だと思うはずだ。床は御影石。しかも暖房が入っているように温かい。

 〝キッチンの横綱〟(大鵬か白鵬か)と呼ばれるイタリアValcucine(バルクッチーネ)社の最高級品のグラスファイバー材のトップカウンター、バイブレーション処理したステンレスの扉、浮造りの収納引手も見事。美しい。

 Miele社の大型食洗機がまたすごい(記者が知らないだけか)。トン、トンと2回叩くと扉が開く仕掛けになっている。1度ではだめだそうだ(記者は「開けゴマ」と声をかけたがもちろん声には反応しない)。

 中庭-居室-リビングを一体ととらえ、侘び寂びの空間を演出する「庭屋一如」も陽の移ろいなどをきちんと計算して設計したという。

 その他、冬温かく夏涼しい「快適涼暖システム」、業界最高クラスのU値0.198W/㎡・Kの「オールバリア断熱プレミアム仕様」、耐震等級3相当の一般在来と比較した場合の構造の変形を2分の1程度に抑えられる耐力壁「グランデバイス」を採用している。これも強調材料のはずだ。

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玄関

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 年間目標棟数はずいぶん控えめな数字だ。スタッフにプレッシャーをかけない配慮か。先の三菱地所ホーム「ORDER GRAN AKASAKA」は開設2か月で6棟の成約だ。「グランフォーラム石神井公園」はほとんど1億円以上だったにも関わらず4カ月くらいで完売した。

 来年の今頃、芳井社長がどのようにコメントするか楽しみだ。

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 プロジェクトとは関係ないが、ラガーマンだったからわかっていただけるはずだ。芳井社長にお願いしたいことがある。

 RBA野球に参加しているチームの再生だ。今年の野球大会のベスト4は積水ハウス神奈川、旭化成ホームズ、住友林業、ミサワホーム東京ですべてハウスメーカーだ。このほか一条工務店もパナホームも決勝トーナメントに勝ち進んだ。大和ハウスは2勝3敗で予選敗退した。

 これまでチームの最高記録は平成15年の第15回大会のベスト4入りで、その後は長期低迷が続いている。通算成績は28勝44敗、通算勝率.389。何ごとも負けていいはずはない。チームを応援し、檄を飛ばしていただきたい。

価格に見合う価値あり コスモスイニシア「グランフォーラム石神井公園」(2016/12/3)

効果てきめん 三菱地所ホーム 全館空調「エアロテック」記者も宿泊体験(2017/10/30)

 

 

 

 

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「ワンリンク332プロジェクト」(左が最高価格住戸1号棟)

 ポラスグループの中央住宅は11月17日、さいたま市西区で開発が進められているUR都市機構による「さいたま都市計画事業大宮西部特定土地区画整理事業(愛称:Liv-Field西大宮)」(施行面積115.5㏊、計画戸数4,010戸)の分散型分譲戸建て「ワンリンク332プロジェクト」の第1弾15戸が即日完売したと発表した。

 物件は、JR川越線西大宮駅から徒歩18分~、さいたま市西区高木他に位置する全15棟(計画現場40現場、計画棟数332棟)。土地面積は135.10~200.00㎡、建物面積93.57~119.02㎡、価格3,780万~6,280万円。構造・規模は在来工法2階建て。

 11月11日から販売を開始し、5棟に2~3倍の申し込み倍率が付くなど即日完売。総来場者は73組、うち市内が46組。購入者は20代の半ばから30代の半ばが中心。

 計画現場が40現場、計画棟数が332区画であるように、これまで同社が得意としてきた一定規模以上の〝街づくり〟型ではなく、建設現場が区画整理地内に分散しているのが特徴。(なぜ大ロットで入札しないのかについてURは「ケースバイケース」としている)

 商品企画では、リビングとつながるウッドパネルで仕切った「木箱の空間」、屋内外を結ぶ「インナーテラス」、最高天井高3.7mの「三角勾配天井」、最高天井高4m超の「勾配天井」、リビングサイドの小上がりの空間を設置した「タタミコーナー」、キッチンとマッチした木の風合いを持つ「造作ダイニングテーブル」「バックカウンター付き収納」など、きめ細かな提案を行っている。

 17日に行われた報道陣向け見学会で、同社取締役・石井克利氏は、「全体で332区画という数字は当社グループ過去最多。今後2021年度までに販売していく。第1期が即日完売できて幸先よいスタートが切れた。このエリアではハウスメーカーなどとも競合するが、これまで当社グループは約100区画を分譲している実績があり、ノウハウの蓄積もできている。幅広いニーズに応えるため平屋を含めた商品構成にするほか、居住者のコミュニティ活動を継続して行っていくなど差別化を図っていく」と話した。

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1号棟 ウッドデッキ&ポタジェ

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1号棟 最高4メートルの勾配天井(左)とタタミコーナー

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 同社の分譲戸建てはたくさん見学しているが、今回は「三角勾配天井」「勾配天井」など空間演出が巧みで、無垢材・挽き板を多用して木のぬくもりを表現している。

 最高価格6,280万円の住戸は敷地面積が200㎡あるため価格が高い大きな要因だが、最高4m超のスギ材を貼った勾配天井と多目的に利用できる「タタミコーナー」がいい。玄関から入ったリビングの造作ダイニングテーブル、その奥の黒のアルミ手すりのデザインも抜群だった(ダイニングテーブルにフェイクと〝遜色〟ないドライフラワーを飾ってあるのは理解不能だが)

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パステルカラーの内外装が特徴のモデルハウス 2号棟

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2号棟 木箱

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 見学会では、若い男女の社員2人が紹介された。女性は同社分譲さいたま事業部営業課営業推進係主任・吉田玲渚氏。今年12月から2020年の5月まで、クリスマスリースつくりや芋ほり体験、サッカー教室など多彩なワークショップイベントを担当するという。

 この種のワークショップはイベント屋などに任せるケースが多い。自前で行うのは結構なことだと納得した。

 驚いたのは、男性の戸建分譲第一事業部営業課西大宮PJ係・相島良亮氏(24)だ。「15戸のうち一人で6戸を契約した入社2年目のトップ営業マン」と、同社広報から紹介された。

 この区画整理事業地内でどれくらいの宅地・分譲住宅が供給されたかわからないが、今の市況からしてエリア全体で年間100数十棟売れたらいいほうだと思う。なのに一人で6棟を短期間に契約するなど信じられない。しかも入社2年目というではないか。

 「埼玉を代表する分譲地にする意気込みで臨み、接客ではお客さまとのコミュニケーションを大事にした」相島氏はこう語った-この熱意がユーザーに通じたのではないか。石井氏は「彼のコミュニケーション能力は天性のもの」と相島氏を評した。

 相島氏は埼玉県加須市出身。

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吉田氏(左)と相島氏

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