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「ヘーベルハウスのきのまent(エント)」

 旭化成ホームズが5月1日から販売を開始した、アウトドアリビングと玄関アプローチを兼ねた半屋外空間「のきのま」付き戸建住宅「ヘーベルハウスのきのまent(エント)」のモデル棟を見学した。

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のきのま

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 モデル棟は静岡県富士市に同社が建設したもので、先に同社が記者発表会を行っており、その時に書いた記事通り〝ありそうでない〟ユニークな企画だと改めて感じた。

 「のきのま」は約8畳大だが、玄関の親子ドアをあけ放つとその奥の約6畳大の土間と、さらに約18畳大のLDKと一体利用できるのがミソだ。キッチンはアイランド型で、調理をしながら「のきのま」の子どもの様子が眺められるようになっている。

 「のきのま」とリビングとの段差は約20センチ。これはフラットもありかと思ったが、同社もそれを検討したという。実売ではスキップにする提案もするそうだ。

  1階リビングや2階子ども部屋の窓が幅広の高窓になっているのもなかなかの工夫だ。1階のリビングの高窓は道路から約1.8mの高さにあり、中の様子をうかがうのはまず無理だ。その逆に、リビング側からの窓の高さは約1.2mなので大人なら外が眺められる。

 2階の子ども部屋の窓は、掃き出し窓とするより高窓にしたほうがいいというお客さんの要望が多いことから採用したとのことだった。高窓にすることでその下の壁面を有効活用できるからだという。

 水回りを2階に移したのも、「のきのま」は東西南北、どの方位でも設置可能というのもいい。

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玄関(左)とリビング

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キッチンから「のきのま」を写す

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子ども部屋(窓の位置、形状に注目)

旭化成ホームズ アウトドアリビングと玄関アプローチに半屋外提案「のきのま」発売(2018/4/26)

カテゴリ: 2018年度

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「キラクノイエ」(アキュラホーム港北展示場)

 アキュラホームは5月18日、創業40周年記念として建築家・芦原太郎氏とコラボした高価格帯ブランド「AQレジデンス馬込展示場」と、建築家・原田真宏氏・原田麻魚氏がプロデュースしたCLTを多用した週末別邸をイメージした「〝キラクノイエ〟港北展示場」を5月19日にオープンすると発表。同日、報道陣向けに公開した。

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 先に紹介した「AQレジデンス馬込展示場」に続いて、アキュラホーム港北展示場(ハウジングメッセ港北インター住宅公園内)に開設した「キラクノイエ」を紹介する。

 「キラクノイエ」は、「多様な暮らしの器となる居住空間」がテーマ。CLTを採用した木質壁構造で、開放的で室外との一体感もあわせて演出している。延床面積は約120㎡。価格は約5,000万円(坪単価138万円)。

 ゴールデンウィークに事前公開したところ、モデルハウスとしては初のCLTを採用した別荘風住宅という珍しさもあり、他社のモデルハウスへの来場者は平均60組だったのに対し、その3倍に上ったという。

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 CLTを用いた建築物を見るのは今回が3度目だ。最初は「エネマネハウス2014」の「慶応型共進化住宅」(慶応大学/OMソーラー・銘建工業・長谷萬など27社)だった。2度目は一昨年公開された「つくばCLT実験棟」だった。

 何度見てもいい。木は美しい。今回の建物は、床、壁、天井パネルともジョイント工法を採用してほぞとボルトで組み立てているので、ばらすのも簡単で移築なども簡単に行えるという。

 原田氏は「CLTは鉄やコンクリに負けない階(きざはし)にかかっている。メジャーになる。工場で加工し、現場で組み立てるだけだから、今後、普及が進めば価格も2.5分の1くらいに下がる」とメッセージを寄せた。

 原田真宏氏は、1997年、芝浦工業大学大学院建設工学専攻修了(三井所清典研究室)。1997-2000年、隈研吾建築都市設計事務所。2003年磯崎新アトリエ。2004年、原田麻魚氏と共に「MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO」設立。現在、芝浦工業大学教授。原田麻魚氏は、199 9年、芝浦工業大学建築学科卒業。

 両氏は2017年度、「道の駅ましこ」で日本建築家協会 JIA日本建築大賞を受賞している。

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2階ロフト

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 記者もCLTがメジャーになるのを願っている。しかし、関係者は住宅への普及には懐疑的だ。加工するのは容易だが、例えば今回の建物に用いられているパネルは幅1820ミリ、厚さ45センチで、高さは数メートルだ。重量は分からないが、現場で組み立てるのは重機でないと不可だ。運搬も容易でないという。

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 それより気になったのは、コンセプト・機能性だ。以下は、CLTがメジャーになることを願うからこその苦言だ。

 まず、コンセプト。「週末別邸」そのものに異論はないが、一般住宅への普及を願うであれば、そのようなプランにしてほしかった。今回のモデルハウスは大和三山か出羽三山のような三角屋根が連なった外観で、南面はガラス張りだ。リゾート地か広大な敷地ならともかく、これを街中に建てる人はまずいないだろう。建てれば顰蹙を買うはずだ。

 次に機能性・使い勝手。驚いたのは浴室だ。浴室のドアは外開きドアを90度に開いたその真後ろについている。浴室に入るためには、リビングからドアを開け、そのドアを締めなければ、浴室のドアが開けない構造になっている。

 確認はしなかったが、これだとまずバスマットは敷けない。浴室から出た途端、家族がトイレに入るため外開きドアを開ければドアにぶつかりそうだ。浴室の広さは12×16サイズだ。賃貸住宅並みだ。5,000万円かけて、賃貸住宅並みの浴室にする人はこれまたいないはずだ。

 土足が可能なコンクリ床の土間状リビング(8.6畳大)とCLT床のダイニング・キッチン(16.4畳大)の間の上がり框のような段差も気になった。30センチ近くあるのではないか。靴やスリッパをはいたり脱いだりするのか。リビングとダイニングを行き来するのにそんなことをする人はいない。機能としては階段に限りなく近いから、建基法の階段けあげ(ほぼ20センチ以下)に適合しない。

 キッチンもプアだ。別荘ならこれでいいが、この家で暮らすのであれば食器棚や食洗機はどうするのか。先ほども書いたが、街中の南道路だったら、食事風景が外から丸見えだ。それこそ〝開かずの窓〟になるのではないか。

 さらに言えば、狭小敷地・住宅にロフトはいいが、別荘にわざわざそのような空間を設ける意図が分からない。

 先に見学した芦原太郎氏とコラボした「馬込」のモデルハウスは美しくて機能的にできていた。それと比べると「港北」はコンセプトが異なるとはいえ、機能性には問題が少なくない。

 丹下健三は「美しいものこそが機能的だ。機能的なもののみが美しい」と語った。この言葉を今回のモデルハウスに当てはめるとどうなるのか。

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美しくて機能的 芦原太郎氏とコラボ アキュラホーム「AQレジデンス」馬込(2018/5/19)

「エネマネハウス2014」 記者の評価№1は東大 早大は? (2014/1/30)

CLTとツーバイフォー6階建て実験棟が完成(2016/4/7)

 

 

カテゴリ: 2018年度

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「AQレジデンス馬込展示場」

 アキュラホームは5月18日、創業40周年記念として建築家・芦原太郎氏とコラボした高価格帯ブランド「AQレジデンス馬込展示場」と、建築家・原田真宏氏・原田麻魚氏がプロデュースしたCLTを多用した週末別荘をイメージした「〝キラクノイエ〟港北展示場」を5月19日にオープンすると発表。同日、報道陣向けに公開した。

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 「AQレジデンス馬込展示場」から紹介する。同展示場は2015年にオープンした「AQレジデンス」瀬田展示場に続く第2弾。馬込ハウジングギャラリー内にあり、木造軸組み工法3階建て。延べ床面積281.48㎡(85.14坪)。

 ドイツ語で「木の塊」を意味する〝マッシブホルツ〟工法を採用。角材などを密に繋げてパネル状の塊を構成し、コンクリートのようにスラブや構造壁として利用することで大空間を実現。準耐火構造でありながら木材の露出を可能とした。

 1階には開放的なピロティと多目的室によるマルチスペースを設置、2階は壁面緑化や水の音を演出するなど居ながらに自然を感じられる空間とし、3階は木漏れ日を取り込むオリジナルのアースキンパネルを採用して、内と外をつないでいる。

 同社は2015年に「AQレジデンス瀬田展示場」を開設し、昨年は「AQレジデンス青山オフィス」をオープンした。受注棟数は13棟(2016年2月期)、11棟(2017年2月期)、22棟(2018年2月期)。2019年2月期は倍増の48棟を目標にしている。1棟単価は平均5,000万円強で、3,000~4,000万円、7,000~8,000万円、1億円超に分かれているという。

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スギ材化粧外壁(左)ピロティ天井

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壁面緑化

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3階リビング

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 住宅展示場は好きになれない。満艦飾の無国籍の無法地帯のような一角に踏み込んだ錯覚に陥り、立ち入るのがためらわれるような気分にさせられる。住宅も〝誰が住むのだろう〟と思案してしまうような金に糸目をつけない奢侈さを競うものが多い。

 しかし、今回の「AQレジデンス」は〝シンプル イズ ベスト〟。実に美しい。かつ機能的だ。無駄がない。

 外壁に横幅約12メートル、高さ約3メートルのスギ材の化粧板を張り、ピロティの天井裏にもスギの無垢材を用いている。壁面緑化もいい。

 屋内は光と風を取り込む工夫が随所に施され、カラーリングは白が基調。床や建具・面材は落ち着いたアッシュを採用。引き戸を多用しているのが特徴。

 モデルハウスは85坪で、価格にすると1億6,000万円(坪単価188万円)だそうだが、納得だ。

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主寝室

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水音が出る仕掛け(左)とキッチン

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 芦原氏の作品と最初に出会ったのは約20年前だ。扶桑レクセルのマンション「愛甲石田」だった。アースカラーを多用した外観が素晴らしかった。今回は主張しない、ある種〝負ける建築〟にも似たデザインに酔った。芦原氏と語り合えたような気分になった。

 一つふたつ、記者の率直な感想。外壁のスギパネルは、スギ材が等間隔で張られており、遠くから見ると平板な壁に見える。凹凸や間隔に変化を持たせればまた違った表情になるのではないか。

 アースキンパネルは白だった。これも、周囲の景観と溶け込むような、あるいは映し込むような素材、デザインはないのか。

 天井高も第一種低層住居専用地域に適合するように、1階から3階までそれぞれ約2400~2500ミリだが、メリハリを持たせてもよかったのでは。

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浴室8左)と3階のテラス

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リビング

外構・植栽が素晴らしいセコムホームライフ「グローリオ蘆花公園」(2010/3/10)

 

 

カテゴリ: 2018年度

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自動録画機能付き宅配BOX(ミライズ三郷中央で)

 ポラスグループは5月17日、宅配BOXメーカー、インターホンメーカー、電設資材商社と共同で開発した「自動録画機能付き宅配BOX」を分譲戸建てでは初めて導入すると発表。実際に装備した分譲住宅「ママトコ三郷中央、ミライズ三郷中央」で報道陣向けに公開した。今後同社が分譲する戸建て179棟に採用するほか、メーカーが一般向けに17.9万円(工事費別)で一般向けに販売する予定。

 今回の宅配BOXは、既存宅配BOXの難点である防犯面での不安解消と居住者の利便性向上を目指して、同社グループと宅配BOXメーカー・ナスタ、インターホンメーカー・アイホン、電設資材商社・因幡電機産業が共同で企画・開発したもの。

 宅配ボックスの扉が開くと、室内の親機が玄関子機インターポンとは異なるボックスの開信号を受け取り、宅配ボックスの扉を開けた人物を自動で録画し、万が一、不審者が扉を開けても録画される。また、書留郵便の受け取りや荷物の発送もできる。玄関先の映像が親機に映り、録画が開始される。

 門柱ユニットは、幅210ミリ、奥行き400ミリ、高さ1493ミリ。荷物は350ミリリットル缶24本入りビールケースが目安。電気を使用しないためランニングコストがかからないのも特徴。

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ミライズ三郷中央

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 結構な商品だ。採用を決めたのは、同社がこれまで採用してきた宅配ボックス580棟と比較しコストはほとんど同じで、利便性と防犯性が高まったからだという。難点と言えば容量だ。受け取れる荷物は、宅配便の50%くらいだそうで、大きくするのも技術的には可能だが、コストの問題があるという。

 記者は、宅配ボックスより「ママトコ三郷中央、ミライズ三郷中央」の商品企画、売れ行きに興味があった。

 同社関係者によると、三郷中央駅圏での戸建て供給は約600棟を計画しており、2013年からこれまで440棟を供給、今後も約150棟を供給するという。

 今回の物件は、駅から徒歩12分の全37戸。土地面積は約120~132㎡、建物面積は約92~99㎡。価格は3,880万~4,480万円。今年2月から23戸を供給開始し、これまでに14戸が成約済みだ。

 キッチンにタカラの新商品を採用しているのが特徴で、人造大理石製シンクのほか、収納扉・底、壁面などが全てホーロー製。このほか突板床、黒板クロス、SOHOスペースなどの提案もされている。

 三郷中央駅圏は、マンションの供給がこのところ増えているが、どこも販売が長期化している。同社の戸建ては徒歩圏でこれだけの商品企画、設備仕様を備えているのだから、売れるのは当然だと思う。フェイクの観葉植物だけはやめたほうがいい。突板のフローリング採用などせっかくの商品企画の価値を押し下げるだけだ。

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SOHOスペース

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黒板クロス

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小上がりから見たリビング・ダイニング

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フェイクの観葉植物

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「グランフォーラム成城学園前」完成予想図

 コスモスイニシアは5月10日、分譲戸建て「グランフォーラム成城学園前」(全4区画)の販売を4月に開始し、4月27日の登録締切をもって全戸登録完売、すべての契約を終了したと発表した。

 物件は、小田急線成城学園前駅西口から徒歩5分、世田谷区成城三丁目に位置する全4区画。構造・工法は木造(枠組壁)2階建て。敷地面積は155.06~165.08㎡、建物面積122.42~122.59㎡、価格は16,800万~21,800万円。施工は東急建設。

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 この物件は、4月に見学し、記事にもしているのでそちらも参照していただきたい。文句なしにいい物件だ。2階リビングの掃き出し窓をフラットにしたのは、分譲戸建てでは同社が初と思われる。同業他社が追随するのは必至だ。

一頭地を抜く コスモスイニシアの都市型戸建て「田園調布 桜坂」「成城」(2018/4/20)

 

 

 

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「変容する家」

 アキュラホームは4月28 日(土)、創業40周年記念事業の第1弾として、和紙作家・堀木エリ子氏が初プロデュースした住宅「変容する家」をアキュラホーム神戸展示場(ABC ハウジングコレクョン神戸東)内にオープンした。

 日本独自の建築文化「建具仕様」と、日本を代表する工芸「和紙」を住空間に取り入れているのが特徴。

 1階は、創作和紙による光壁により時間の経過とともに情景の変化を生み出し、全開放できるガラス戸によってテラスと室内を一体とし、風や光を取り込むことができる空間としている。

 2階は、玄関から2階に直接上がることが出来る階段を配置。大空間のギャラリーやホールとしての使用、小さな子供部屋やゲストルームなど、建具によって自由な空間構成ができるように演出している。この通り建設すると価格は9,000万円くらいだという。

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2階

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光壁

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和紙

 

カテゴリ: 2018年度

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 三菱地所ホームは4月28日、ライフシフトを視野に入れた住まい方を提案するモデルハウスを市川ホームギャラリー(千葉県市川市鬼高1-1-2 市川住宅公園内)に新規オープンする。

 人生100年時代における複線的な働き方やライフステージにおけるその時々の「好き」や「興味」にあわせてアレンジできる多目的土間空間を設け、その活用例として店舗(グリーンショップ) 併用プランとして提案する。

 エクステリアだけでなく、屋内にもふんだんにグリーンを取り入れ、 リビングの吹き抜けを通して緑が縦にも横にも外にもシームレスにつながり、自然の中で生活 しているかのような心地よく快適な住空間を演出した。

 デザインコンセプトは、「和みモダン」。壮年世代にはモダニズム建築を感じさせ、若年世代には新鮮さを感じさせる佇まいを演出。

 また、日々の生活を楽しく便利にする家事動線・家電配置・収納などを工夫した「シェア家事」、日々の食事を楽しむ空間として「マイホームカフェ」や「カフェキッチン」を盛り込んでいる。

 モデルハウスは、木造(2×NEXT構法)、 地上2階建、建築面積143.67㎡(43.46坪)、延床面積214.47㎡(64.87坪)。

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グリーンショップイメージ(左)とリビングイメージ

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「ヘーベルハウスのきのまent(エント)」イメージ

 旭化成ホームズは4月26日、アウトドアリビングと玄関アプローチを兼ねた半屋外空間「のきのま」を提案する戸建住宅「ヘーベルハウスのきのまent(エント)」を5月1日から発売すると発表した。

 「のきのま」とは、玄関を大きく引き込むことで創られる広いアプローチ空間を大きくせり出した深い軒で覆い、床をウッドデッキなどのテラスとして仕上げた新たな約4坪の空間の名称。大きな開口部で1階リビングと空間をつなげ、外構により道路側からの視線を適度に遮ることで、庭が取りにくい敷地でも子どもの遊び場、DIYの作業、レジャー用品の整備など家族が楽しむ「アウトドアリビング」として様々な用途に活用でき、近隣住民や来訪者を招き入れコミュニケーションを図る「エントランス」としても機能する。

 商品の発売にあたり、「のきのま」の利便性を高めるアイテムとして、意匠性の高い「システム屋外デッキ」や「大判タイル」、ハンモックを吊り下げられる「ハンギングフック」などの外装アイテムを仕様化した。

 1階のリビングには、大開口の「2.7m巾掃き出し窓」を設け、道路側には床から1.2mの高さで2.4m巾のワイドな引き違い窓を提案する。提案に伴い、浴室・ランドリーは2階に設定する。

 発表会に臨んだ同社取締役兼常務執行役員兼マーケティング本部長・藤澤秀樹氏は、「当社の2階リビングタイプの採用率は年々高まっており、採用率は2割以上に達している。その2階リビングには『そらのま』などアウトドアリビングの提案を行ってきており、高い評価を得ている。今回の新商品は、圧倒的に多い1階リビングタイプでもアウトドアリビングを提案し、受注拡大につなげていきたい」と話した。

 プロトタイプは1階が55.59㎡、2階が60.62㎡、延床面積116.21㎡。のきのま面積は13.4㎡(4.1坪)。価格は2,950万円(坪単価80万円)。道路(玄関)が東西南北いずれでも対応が可能。販売目標は年間250棟。

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外観

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 面白い提案だと思う。マンションも戸建ても〝アウトドアリビング〟が大きなテーマになっている。今回の新商品は間違いなく一定の需要層に受けるはずだ。2階に浴室やランドリーを移すのも大賛成。道路(玄関)が東西南北どこに位置しても対応が可能というのもいい。

 記者は昨年、ポラスの分譲住宅「マインドスクェア南大泉Ⅰ」で、敷地延長を逆手に取ったプランに驚いたことがある。記事には「玄関を入ってすぐ右手(南側)にロードバイクとその備品などを配置した約3.1畳大のDEN(土間)を設置。それにつながる16.2畳大のリビング・ダイニングの南面は壁面を多くし、一体利用ができるように工夫」と書いた。

 この「DEN(土間)」は閉じられた空間だが、旭化成ホームズは外と内を緩やかにつなぐ提案でもある。欲を言わせていただければ、「のきのま」はどこにでも設置できるはずで、例えば1方、2方に壁などを設置し、閉じたり開けたりできる空間は考えられないだろうか。壁を設けたら容積率に算入されることになるのだろうが、そのようなフレキシブルな空間提案があっていい。

 もう一つ問題提起。「のきのま」は約8畳大だが、このスペースは容積算入されるかどうかという問題だ。関係者によると、この空間が「玄関ポーチ」と認定されれば容積には算入されないが、軒先から2mを超える部分は自治体によって容積に算入されるケースもあるという。プロトタイプも容積算入を前提にしているとのことだった。

 マンションのバルコニーも同様だ。ほとんどの場合、バルコニーの奥行きは容積算入を避けるため2m以下だが、それを超えるケースもある。自治体の対応がまちまちだからだ。統一はできないのか。

ポラス 敷地延長を逆手に取った斬新プラン「マインドスクェア南大泉Ⅰ」に採用(2017/9/11)

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「グランフォーラム田園調布本町 桜坂」

 コスモスイニシアの都市型戸建て「グランフォーラム田園調布本町 桜坂」と「グランフォーラム成城学園前」を見学した。立地条件にふさわしくゆったりとした配棟とし、2階リビングの天井高を4m近く確保し、業界で初めて掃き出し窓をフラット化するなど商品企画が秀逸。価格が1億円台、2億円台であるにもかかわらず人気を呼んでおり、都市型戸建て分野では完全に一頭地を抜いた。ベンチマークになるのは間違いない。

 「田園調布本町 桜坂」は、東横線多摩川駅から徒歩10分(東急多摩川線沼部駅から徒歩5分)、大田区田園調布本町の第1種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する全8区画。最終期1戸の土地面積は105.21㎡(一部私道負担あり)、建物面積は99.46㎡、価格は9,980万円。建物は平成29年11月竣工済。施工は東急建設。構造・工法は木造(在来壁)・2階建て。

  敷地は料亭跡地。地名に「桜坂」が付いているように、切通しの上に位置し、南東側には見事な桜並木が眺望できる住宅街。この立地の魅力を最大限引き出すため、当初予定の9戸を敢えて8戸にし、電線類の地中化、オープン外構、インターロッキング舗装(私道)などでゆったりした景観を演出しているのが特徴。

 全棟から桜並木が眺められるようリビングは2階に配し、在来工法とツーバイフォー工法を組み合わせたストローグ社のハイブリッド工法を採用しリビング間口を広くし、かつ天井高(最大約4.35m)を高くし、さらに分譲戸建てでは業界初の掃き出し窓のフラット化を実現、バルコニーにデッキなどを張ればフルフラットバルコニーにできるようにした。玄関・ホールをゆったり取り、床は大判の大理石、下足入れカウンターはフィオレストーン仕上げ。

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桜坂 以上「グランフォーラム田園調布本町 桜坂」

 「成城学園前」は、小田急線成城学園前駅から徒歩5分、世田谷区成城三丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80%)に位置する全4戸。土地面積は全棟150㎡以上、建物面積は約120㎡。価格は2億円前後。建物は平成29年12月竣工済。施工は東急建設。構造・工法は木造(枠組壁)・2階建て。

 ここも、駅から徒歩5分の恵まれた立地条件を最大限引き出すよう当初予定の7戸から4戸に減らし、富裕層のニーズを満たす配棟計画にしているのが特徴。

 設備仕様レベルは「田園調布」とほぼ同じだが、ここも2階リビングの掃き出し窓をフラット化することで、最大天井高3.7mの空間と奥行き最大2.7mのバルコニーを一体利用できるようにしている。階段はメーターモジュールを採用。

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2階リビングとバルコニーを一体化した床

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敷地延長部分 以上「グランフォーラム成城学園前」

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 最初に見学したのは「田園調布本町 桜坂」だった。玉川駅からの道を間違えたために、コイも泳ぐ六郷用水遊歩道と桜坂を歩くことになったのだが、切通しの上にかかる赤い欄干の桜橋と道路の両端に植わっている樹齢100年はありそうな桜並木を見た途端、取材を申し込んだ価値があると思った。

 「成城学園前」と合わせこの高額戸建てを見学したのには特別の理由がある。記事にもしたが、同社のマンション、戸建ての商品企画を約30年間にわたって担当してきた同社の南光浩氏にインタビューした際、南氏が「今後は高額の戸建てが増えてくる」と話したので、それはどのような商品企画、レベルなのか確認したかったからだ。記者の頭の中にあったのは、これも記事にした「グランフォーラム石神井公園」と「グランフォーラム練馬田柄」だった。この2物件を超えられるのかどうか、あるいは新たなアイデアが盛り込まれているか、それを探るのが目的だった。

 道を間違えたために春爛漫の緑陰を楽しんだ半面、15分も歩かされたので悪態もついたのだが、物件を見て〝これは売れる〟と確信した。

 特徴などは前段で書いた。何に感動したかと言えば、2階リビングの掃き出し窓がフラットだったことだ。

 記者は30年も前から、2階の居室やリビングとバルコニーはフラット化すべきだと主張してきた。これを指摘するたび、各社は〝技術的には可能だが、バルコニーからの浸水を防止するために床から12センチ以上立上がり防水面を施す必要があり、コストもかかる〟などとどこも取り合わなかった。その問題を解決してフルフラットサッシを大和ハウスや積水ハウスは採用した。注文住宅でできるのに分譲でできないはずはないとずっと思ってきた。

 それをコスモスイニシアが実現したのが嬉しかった。階段のメーターモジュールもかつて各社が採用していた。ポラスはメーターモジュールどころか1.2m確保したこともあった。ところが最近はほとんどなくなってきた。これは明らかな退行だ。メーターモジュールを標準仕様としているのは積水ハウスくらいではないか。

 このほか圧倒的な天井高、ゆったりした玄関・ホール、電線類の地中化、ハイブリッド工法、モデルハウスの本物の観葉植物…都市型戸建ての商品企画では同社が他社を一歩も二歩も先んじた。一つだけ注文を付けるとするならば、屋内空気環境、全館空調だ。

 同業他社に一言。「田園調布本町 桜坂」は入札ではなく、ある大手の仲介会社を通じで直接地主から用地を取得したそうだ。なぜ他社がこんな魅力的な土地に触手を伸ばさなかったのか。効率的な区画割を最優先したためのようだが、似たようなものばかり供給していたら競争に疲れるだけだ。9区画を8区画にする、7区画を4区画にする、そんな自由な発想ができない想像力、リテラシーの欠如だ。

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玄関・ホール

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六郷用水遊歩道
 

波乱万丈30年の「仕事」を語る コスモスイニシア商品企画部部長兼一級建築士事務所所長・南光浩氏(2018/3/9)

パーク・コーポとコラボ 空間デザイン秀逸 コスモスイニシアの戸建て「練馬田柄」(2017/11/7)

価格に見合う価値あり コスモスイニシア「グランフォーラム石神井公園」(2016/12/3)

 

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 創建グループの戸建て住宅の管理サービスを展開する日本戸建管理(本社:大阪市)は4月18日、東宝ハウスホールディングス(本社:新宿区)と提携し、日本戸建管理の「家ドック」システムを東宝ハウスホールディングスグループ各社に提供すると発表した。戸建住宅では少ない管理に関するサービスを首都圏でも提供するのが狙い。初年度入会者数1,000件を目指す。

 「家ドック」は、月1,000円で、定期点検・サポート・メンテナンスなどのサービスが受けられるもの。入会すると自宅の約200カ所点検サービスが受けられ、写真付きの報告書が交付されるほか、適切なメンテナンスのアドバイスが受けられる。

 

カテゴリ: 2018年度
 

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