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「グランフォーラム練馬田柄」

 誰でもそうだろう。朝一番にいい仕事(取材)ができれば一日気分がいいものだ。昨日がそうだった。コスモスイニシアの分譲戸建て「グランフォーラム練馬田柄」がそうだ。モデルハウスの出来が出色で、最高天井高3.6mの空間演出に圧倒された。

 物件は、東京メトロ有楽町線地下鉄赤塚駅から徒歩6分、練馬区田柄二丁目の第1種低層住居専用地域(建ぺい率50%=角地緩和区画60%、容積率100%)に位置する全11区画。土地面積は100.16~120.93㎡、建物面積は95.08~119.18、予定価格は7,000万円台半ばから9,000万円台。建物は平成29年9月までに竣工済。施工は西武建設。構造・工法は木造(枠組壁)・2階建て。分譲開始は11月下旬。

 現地は、生産緑地も点在する住宅地の一角。都立光が丘公園へは徒歩15分。建物は全て2階リビングで、最高約3.6mの高天井を確保し、5畳大以上のグレーチングバルコニーを採用しているのが特徴。

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グレーチングバルコニー

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 最高天井高3.6mのリビングは、昨年見学した同社の「グランフォーラム光が丘公園」でも採用されていたが、より進化している印象を受けた。空間演出が抜群だった。

 写真を見ていただきたい。モデルハウスは5号棟で、2階LDKの広さは約20.7畳大。床から天井まで本棚が設えてあり、ところどころに本物の観葉植物が置かれている。天井にはファンが回っている。リビングの陽が入る南西角には約5.4畳大のグレーチングバルコニー、北側には約2.4畳大のDENが配置されている。

 1階の玄関・ホールの演出も見事だ。これも写真を見ていただきたい。写真では広がりがよく表現できていないが、シンメトリーの窓が美しい。同社はマンションもふくめて〝魅せる玄関〟に最近力を入れており、十分スペースを確保するとともに天然素材を多用、デザインにもこだわりを見せている。

 細かな配慮では、2階の洗面室には物干しポールを、階段部分には下部収納をそれぞれ設置している。

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モデルハウス

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リビング

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玄関

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 見事な空間演出を引き立てているのが「GREEN DECORATION SARVICE(グリーンデコレーションサービス)」だ。パーク・コーポレーションの空間デザインブランド「パーカーズ」とコラボし、モデルハウスにはすべて本物の緑を配している。

 記者はこれまで何度も「モデルルームやモデルハウスに下品な造花(フェイク)を置くな」と書いてきたが、同社の商品企画担当者も同じ思いなのだろう。

 少し考えれば誰だってわかるはずだ。一流ホテルやレストランのテーブルに造花が置かれているかと。居酒屋だってそんな愚を犯さない。記者は二度とそんな店を利用しない。

 別掲に昨年記事にした「石神井公園」「光が丘公園」を添付するが、ほとんどが1億円以上の「石神井公園」は完売まで半年かからなかった。マンションもそうだが、最近の同社の分譲戸建てはどんどんよくなっている。

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モデルハウス(ダイニングテーブル)

価格に見合う価値あり コスモスイニシア「グランフォーラム石神井公園」(2016/12/3)

公園に近接 電線地中化、2階リビング天井高3.8m コスモスイニシア「光が丘公園」(2016/11/7)

カテゴリ: 2017年度

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「プラウドシーズン横濱洋光台」

 野村不動産は11月2日、IHIと共同で開発を進めている分譲戸建て「プラウドシーズン横濱洋光台」(全203戸)に入居者向け共用施設「つながるHOUSE」をオープンしたと発表した。

 「つながるHOUSE」は、マンションの共用設備を応用したもので、専任のスタッフが勤務(月・水・土/11:00~17:00)し、利用相談に応じるほか、コーヒーベンダーやFree Wi-Fi、スポーツ観戦などにも利用できる大型スクリーンを備える「コミュニティスペース」や「ライブラリー」「キッズルーム」を設置している。また、簡易トイレ、発電機、テントなどの防災備品を常備し、災害時の「防災拠点」にもする。

 物件は、JR根岸線洋光台駅から徒歩17分(バス約5分)、横浜市港南区笹下4丁目に位置する敷地面積28,119㎡のIHIの社宅跡地の全203戸。建物面積は91.69~106.85㎡。構造・規模は木造2×4工法(2階建て)。施工は東急建設、西武建設。

 第1期53区画の販売を2017年3月に開始し、同6月に完売となっている。11月上旬から第2期の販売を開始する予定。

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 「つながるHOUSE」

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コミュニティスペース

カテゴリ: 2017年度

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「ORDER GRAN AKASAKA」

 普段の行いがいいからだろうか、市場価格にして7~8億円はしそうな三菱地所ホームの富裕層向けモデルハウス「ORDER GRAN AKASAKA」に泊めてもらうなどという千載一遇の僥倖にめぐりあえた。

 なぜ可能になったのか。少し説明しよう。今年7月15日に遡る。この日、同社は赤坂ハウジングギャラリー内に建築した富裕層向けフラッグシップブランド「ORDER GRANオーダーグラン)」の第2弾のモデルハウス「ORDER GRAN AKASAKA」を報道陣に公開した。

 同社オリジナルの全館空調「エアロテック」を搭載し、ホームスパ、ゴルフシミュレーター、シアターリビングなどラグジュアリーな空間を提案した延べ床面積57坪のモデルハウスなのだが、顧客向けに体験宿泊できるようにしているのが大きな特徴だった。

 「エアロテック」は実際に体験してみないと真のよさが伝わらないという問題があるが、この問題を一挙に解決し、アッパーミドル・富裕層向けの需要を掘り起こそうという狙いが背景にある。

 記者は、エアロテックが開発される20年くらい前から外断熱マンションや戸建てを精力的に取材してきた。環境問題を解決し同時に居住性能を高めるのに極めて有効だと考えているからだ。ずっと応援もしてきた。2002年の首都圏初の外断熱マンション、康和地所「 リリーベル両国北斎通りサーモス」には驚愕した。2006年の明豊エンタープライズ「シェルゼ木場公園」には快哉を叫んだ。

 外断熱と全館空調は異なるが、365日24時間、居室はいうまでもなくトイレ、浴室、小屋裏まで温度が一定に保て、エアコンなどの光熱費が節約できる点では同じだ。全館空調はそれだけでなく、PM2.5や花粉対策としても有効で、とにかく快眠・ストレスフリーの空気空間を実現したのが特筆できる。

 だから、会見場でも「エアロテック」をほめまくった。それだけではない。設置費用だけで1,000万円もかけた「ゴルフシミュレーター」を加藤博文社長(52)に実演してくれるように頼み、写真にも収めた。〝ナイスショット(ヨイショ)〟の声を上げたのだが、実際その通りだった。何と加藤社長はロペ倶楽部の488ヤードのパー5を見事パーセーブしたのだ。

 加藤社長は、厚かましい遠慮というものを知らない記者が「泊めてください」と言わんばかりの物欲しげな表情を浮かべていたのを気の毒におもったのか、「泊まっていいよ」と話した。

 〝しめた〟と思う一方、〝猫に小判。お前みたいな貧乏人が56坪もある贅沢な空間をどう使うのか、その価値がわかるのか〟とささやくもう一人の私がいた。結局、後者が勝った。〝あれは冗談〟と聞き流すことに決めた。それくらいの分別は持ち合わせている。

 ところがだ。その後の三菱地所グループの記者懇親会でも加藤社長から宿泊体験を勧められた。これを断るのは失礼だと決断し、がけから飛び降りる覚悟を決め、今回の宿泊となった。

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浴室

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ゴルフシミュレーター(写真は加藤社長、記者写す)

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2階リビング

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 前置きがずいぶん長くなったが、経緯はよくわかっていただけたはずだ。自分が確信を持てなければ、人の心を揺さぶる記事など書けない。以下は嘘偽りない体験記だ。

 まず、冒頭にあげた「市場価格にして7~8億円」の根拠を示す。

 モデルハウスが立つ「赤坂7丁目」は第二種中高層専用地域と第二種住居地域にまたがっており、建蔽率は60%、容積率は300~400%。赤坂7丁目には地価公示の調査地点はなく、同じようなエリアの赤坂6丁目は坪743万円だ。

 モデルハウスを建てるためには少なくとも50~60坪の土地が必要だから、土地代だけで3.8億円から4.8億円だ。建物は建築費だけで坪200万円以上。敷地の道路を挟んだ対面には三井不動産レジデンシャルが9年前に坪単価551万円で分譲した「パークコート赤坂 ザタワー」が建っている。

 これらから類推して、仮に分譲すれば10億円は無理だろうが、最低で7億円、妥当な値段として8億円くらいではないかとはじいた次第だ。

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玄関(記者写す)

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玄関ホール(記者写す)

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 宿泊したのは10月25日。この日の東京の最高気温は18.2度、最低は13.4度。全館空調を体験するには〝絶好〟の寒さだった。朝、自宅を出るときの洗面所の温度は18度だった。

 チェックインした午後6時の屋内は1階が22度、2階が20度にセットされていた。チェックアウトの26日9時前も廊下、洗面所、小屋裏収納を含めてほとんどこの温度は変わっていなかった。26日の外気温は最低10度と記録されている。

 この時期、57坪の住宅内の温度を20~22度に保つためにはエアコンだったらどれだけ使うか、月額にしたら数万円でも足りないだろうと考えた。

 音も全くしなかった。送風で空気が揺れる気配もなかった。結露もまったくなし。睡眠時間は5時間くらいか。床についてすぐ眠りに落ち、普段は寝覚めが悪いのに6時ころに自然に目が覚めた。木や天然素材の床材、壁材が快眠に効果があるという研究の通りだと思った。

 嘘だろうという人がいるかもしれないが、木などの自然素材を採用した室内はケミカル製品と比べて眠りが深く、ストレスもない、仕事がはかどるという効果てきめんの研究成果が報告されている。

 ゴルフシミュレーターも挑戦した。記者は50歳の時ゴルフをスパっとやめた。以来18年間、一度もクラブを振ったことはない。しかし、せっかくだからとセント・アンドリュースの385ヤードのパー4を試みた。

 ドライバーはやや右にそれたが幸運にも208ヤード飛んだ。残り約180ヤード。得意の5番アイアンで挑んだが、球は左にそれ計測不能。そのあと7番も試したが同じだった。ここで怪我でもしたら大変と断念した。(記者はかつて、第2打をティーグランドの後方から打ったことがある。ドライバーで打った球が地を這うように飛んだかと思ったら、20~30ヤード先の突起物に激突して、きれいな弧を描いて記者の後方数ヤードくらいに落ちた。あの時ほど恥ずかしく誇らしく思ったことはない。

 挑戦は失敗したが、世界の名門コースを疑似体験できるのだから、ゴルフ好きは病みつきになるのは容易に想像できる。オプションだが、宿泊客には1時間25,000円でプロが指導してくれるという。

 シャワー室&ジャグジーバス。この種の設備は利用したことがあるが、2層もある観葉植物・吹き抜け付きというのは初めてだった。主寝室とリビングはそれぞれ19.2畳大。鍵がかかっているダイニングのウイスキー棚の中にはそれほど高価な酒は入っていないそうだ。

 中身はともかく外見を美しく見せようとするご婦人方向けオプションには120分22,000円のアロマトリートメントや150分28,000円の「ザ・美ラックス」サービスもある。

 設備仕様では、黒御影石の外壁、ゼブラウッド(シャム柿か)の玄関把手、高級材のスクピラの挽き板フローリング、ジャクソンの浴槽、Miele、HANSAなどの家電・水栓などが美しい。

 居住環境が人格形成に大きな影響を及ぼす。お金持ちだけでなく、一般人がこのような住宅に住めるような世の中にならないか…それからしばらく考え続けた。

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ダイニング(記者写す)

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階段下(記者写す)

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 ここが肝心なところだ。同社によると7月22日から9月30日の期間で宿泊体験は14件18組。このうち成約に至ったのが9件で成約率は約65%。セミナーなどを通じて成約に至るのは50%くらいだそうで、宿泊体験は販売促進にも効果があることが数字に表れているという。

 「音・空気 環境価値」が重視される時代になってきた。体験宿泊も含めたこれまで得られた顧客データが大きな武器になる。同社はまた、マンション用の「新マンションエアロテック」と定額制のスケルトンリフォーム「Re Dia (リディア)」の発売も開始した。事業を一挙に拡大するチャンスだ。

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エアロテック機械室(記者写す)

※写真は「記者写す」以外は全て同社提供

勝負に出た 三菱地所ホーム エアロテック+フルリフォームで1,100万円(2017/10/20)

音がしない」「静か」 三菱地所レジ エリア最高値「二子玉川碧の杜」に高い評価(2017/10/13)

三菱地所を、見に行こう。地所ホームで家を建てよう〟赤坂に素晴らしい施設(2017/7/13)

価格は〝旧価格〟レベルはトップクラス 三井不動産RD「パークコート赤坂 ザ タワー」(2008/4/23)

億ション住人を実感 明豊「シェルゼ」体験宿泊(2006/6/19)

明豊エンタープライズの英断に拍手喝采(2006/5/11)

人気必至 明豊の外断熱「シェルゼ木場公園」(2006/10/3)

 

 

 

カテゴリ: 2017年度

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「ONE ORDER(ワンオーダー)」モデルハウス

 三菱地所ホームは10月21日(土)、同社オリジナルの全館空調システム「エアロテック」を搭載した最新モデルハウス「ONE ORDER(ワンオーダー)」をtvkハウジングプラザ横浜内にオープンする。

 ファサードは、レンガと木を組み合わせた自然な素材感を醸し出す外装と大開口サッシで構成。

 内部空間は、約6畳大の空間に2階まで届く自然の中木を配した「グリーンガーデン」を提案。「光天井造作」と「グリーンガーデン」を配することで光と緑にあふれたカリフォルニアモダン風にまとめている。

 また、三菱グループの小岩井農場(岩手県雫石町)で産出したスギ、ヒノキ、アカマツなどの原木を構造材として採用することで国産材化率を80%に高めているのが特徴。延床面積は277.30㎡(83.88 坪)。

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グリーンガーデン

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 「グリーンガーデン」の提案がいい。玄関を入った正面にそれが配置されていた。広さは約6畳大。本物のゴムノキ、ベンジャミン、カポック、エバーフレッシュなど数えきれないほどの中低木、地衣類(一部はフェイク)が植わっていた。実際は鉢植えなのだが、地衣類などで覆っているので自然のままのような印象を受ける。緑の効用など今更言うまでもないことだ。

 光源はLEDと光幕から採っているが、光合成に問題がないよう調節しているとのことだった。費用は約100万円。

 報道陣からは「虫が付かないか」の質問が飛んだ。確かに虫嫌いの夫、または妻がいる家庭は虫の飼育はよしたほうがいい。不和のもとになる。

 仲が良くてもカエル、アリ、クモ、ミミズ、ヘビなどは無理だろうが、スズムシ、マツムシ、コオロギ、ホタルなどを飼育できる環境にしたら素晴らしいのではないか。三菱地所レジデンスが小金井のマンションで採用した水琴窟は最高にいい。自然の太陽光を取り込むこともそのうちに開発される。

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カテゴリ: 2017年度

 三井ホームは10月11日、「温湿度バリアフリーで『健康・安心・らくらく』ホームプロジェクト」が国土交通省の「平成29年度サステナブル建築物等先導事業(次世代住宅型)」に採択されたと発表した。

 同プロジェクトは、高気密、高断熱な住宅にダクト式セントラル空調システムとIoT技術を組み合わせて、温度・湿度・空気のバリアフリー化を図り、室内の寒暖差により生じるヒートショック等を防ぎ、健康で安心な住環境を提供するほか、室内のホコリの堆積を抑制し、掃除回数を減らし、屋外から遠隔操作で空調、風呂設定、照明などを操作することにより、家事負担を軽減する。

 補助金額は1棟あたり上限300万円まで(標準住宅との差額の2分の1を上限)。補助金対象棟数は100棟。

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2階主寝室の「アウターリビング」

 9月11日付当欄でポラスグループ中央住宅の「マインドスクェア南大泉Ⅰ」の敷地延長住宅を紹介したが、今回は同じ分譲地内の2階「アウターリビング」付き住宅を紹介する。

 西武新宿線武蔵関駅より徒歩14分、練馬区南大泉1丁目に位置する全7棟現場で、「アウターリビング」付き住宅は敷地面積110.11㎡、建物面積103.13㎡、価格6,450万円。

 2×4工法より強度が高い2×6工法を採用し、同社の標準仕様である1階天井高2.7m、サッシ2.2m、天然木挽き板フローリング、同社オリジナルのウッドパネルを採用しているのが特徴。

 「アウターリビング」はもはや説明するまでもなく一般化している。読んで字のごとく外部空間をリビングに取り込んだプランだ。つまりリビングと一体利用できる空間のことだ。

 ところが、中央住宅が「アウターリビング」と呼んでいるのは、2階の南側に配した主寝室(8.9畳大)に約30センチの小上がり部分の広さ2畳大強の空間を設置し、さらにその南側の4畳大のウッドデッキ付きのバルコニーと一体利用できるようにしているものだ。

 小上がり部分の天井や壁には同社オリジナルの無垢の「デザインウォール」を採用している。

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 これを見てなかなかやるなと思った。リビングと一体のアウターリビングはたくさん見学してきたが、2階の主寝室-小上がり-バルコニーと一体利用できる大空間を演出しているのは初めてだ。

 小上がり部分で昼寝をするのも読書をするのも、また趣味の作業場とするのもよい。バルコニーも広いので日向ぼっこをしたりタバコを吸ったりするのにもいい。

 問題は、「アウターリビング」などと手垢のついた文言でしか表現できていないことだ。様々な用途に利用できるこの空間を的確に表す言葉を考えるべきだろう。夫婦仲がよくなる〝和合の間〟では古臭いが、とにかくそのような意味を込めたネーミングを考案してほしい。些細なことだが、小上がり部分の天井に物干しポールをつけているのはいかがなものか。夫、又は妻の下着をぶら下げてどうする。せっかくの雰囲気が台無しになる。

 もう一つ。せっかくの大空間なのだから、ミニキッチンを設けてはどうか。隣のトイレから水をくむのはためらわれるはずだ。

 ついでにもう一つ。同社の戸建てだけではないが、2階のバルコニーに出るには掃き出し窓をまたがなければならない(大和ハウスのxevoΣフラット)。

 これは品確法や瑕疵担保保険の施工基準で床から12センチ立上りまで防水面を施すことが求められているからだが、これはバルコニーの床面をそれだけ下げれば解決するはず。

 そうすれば階下の天井高に影響を及ぼし、さらにコスト高につながるのを承知の上でフラットにすることを提案したい。ポラスグループはもともと1階リビング天井高2.7mを標準化しているではないか。2階のバルコニーがみんなフラットになったら、居住性がはるかに高まるはずだ。

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バルコニーにウッドデッキを敷きサッシとの段差を解消している

ポラス 敷地延長を逆手に取った斬新プラン「マインドスクェア南大泉Ⅰ」に採用(2017/9/11)

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「平沼xevoΣ展示場」

 大和ハウス工業は9月23日、日本最多棟数を誇る住宅展示場「tvk ハウジングプラザ横浜」に天井高3.08mの同社オリジナル「防音シアタールーム」付きモデルハウス「平沼xevoΣ展示場」をオープンする。21日、メディア向けに披露された。

 「防音シアタールーム」は、二重窓・二重ドアを採用した約13.4畳大の広さ。天井高3.08mは、基礎断熱工法を採用し、リビング・ホールの床面より36センチ低くして実現した。同社は昨年、新築とリフォームで約300棟の防音室を受注しており、業界トップのヤマハについで2位という。

 見学会で商品企画について説明した同社住宅事業推進部商品開発部長・藤原 陽介氏は、「リビング天井高2.72mは4年前にオプションとして導入し、昨年に標準化したが、いまでは採用率は75%を超えている。今回は36㎝床面を下げることでシアタールームを3.08mにした。ドア高も2.72mとし、サッシ高も上下2つのサッシを組み合わせて大開口とした。防音室は、従来の〝狭くて暗く(価格が)高い〟イメージを払しょくする〝広くて明るく求めやすい〟を実現した」と話した。

 また、同社横浜支社住宅事業部長・金田健也氏は、「今後はxevoΣなどの中高級の拡大と非住宅の拡販に力を入れて、戸建てでシェア№1を目指す。一棟単価は2年前と比べ約1,000万円高い約4.800万円に上昇した。天井高はモノサシの戦い。必ず他社が追いついてくる。スペック、コンサル営業に力を入れることがシェア№1を達成する唯一の方法」などと語った。

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リビング

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天井高の違いを示すシール

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 ご存知のようにtvk ハウジングプラザ横浜は45社が出展する日本最大の住宅展示場だ。様式も和、洋、折衷、多国籍、無国籍何でもありで、形状もまるでルービックキューブ、レゴのようで、色彩といえば万国旗、満艦飾そのものだ。住宅展示場の集客力が落ちてきており、派手さで他社を出し抜こうという浅はかな狙いはエスカレートする一方だ。記者は訪れるたびに歌舞伎町の歓楽街(キャッチバーに捕まり多額ではないが少額でもないお金を払ったことがあり、それ以来足を向けない)や雄琴の温泉街(車中から眺めただけで行ったことはない)を思い出す。歩くのも恥ずかしくなるほどだ。だから住宅展示場は好きになれない。

 取材を終え、このように考えながら歩いていたら、「牧田さん」と後ろから声を掛けられた。客引きではないかとビクッとして振り向くと、何と先日のRBA野球大会で決勝トーナメント進出を決めたS林業のYさんで、名字はまたかの遊郭街として知られたYと一緒。

 馬鹿なことを考えていたからだろうが、グラウンドでのユニフォーム姿とは全く異なるYさんの美男子ぶりに記者は惚れ惚れした。毎年1,000名くらい参加するRBA選手とは比較にならないほど凛々しい。眉目秀麗とはこのYさんのような男のことを言う。プロ野球でいえば西武・金子クラスだ。Yさんのすごいのは、野球ができるということにとどまらない。本業でも同社の全国ベスト3に入る営業マンだと同僚から聞いている。(大和ハウスさんももっと野球に力を入れてほしい。ハウスメーカーではS林業にもSハウス、Aホームズ、Mホームなどに全然歯が立たない)

 冗談はここまで。「平沼xevoΣ展示場」の外観はとてもいい。「えっ、このモデルハウスはS不動産の外観と〝そっくり〟じゃないの」これが記者の第一印象だった。ブラウン・セピア色の彫の深い軒先が特徴だ。

 記者は木造ファンなのでここの展示場で一番好きなのはMホームの丸窓付きで、あとは機能性も加味してS不動産、Sハウス(2社とも)、S林業、I工務店などだ。地元密着で展開するN社も応援したい。それらと比べても今回のモデルハウスは引けを取らない。端正な姿が美しい。

 そして最大の売りの一つであるリビング天井高2.720+80=2,800ミリだ。記者は結構これくらいの天井高を確保したマンション、戸建てを見学しており驚かないのだが、一般的な2,400~2,500ミリの住宅に住んでいる人は驚くに違いない。この〝㎥の価値〟をどれだけアピールできるかだが、これからは他社が追随するのは必至だ。

 もう一つの売りの快適防音室「奏でる家」は、スグレモノであるのは間違いないが、記者自身あまり関心がないので正直よくわからない。

 それより強調したいのは、2階バルコニーの吐き出し窓がフルフラットであることだ。これを標準化しているのは同社だけのはずで、これも他社が追随する動きにでると見ている。

 一つ注文を付けるとすれば、天井の高さをわかりやすく体験できる工夫だ。2,800ミリのリビング天井高、1,800ミリの階段下書斎スペース、約4,000ミリのラウンジなどはそれぞれ独立型になっているが、これらを連続させて一体型にすれば、より高い天井高が体験できる。最近見学したポラスの分譲戸建ては2,700ミリのリビングと2,400ミリのキッチン・ダイニングとをスキップフロアにして、リビングの高さを一層際立たせていた。

 藤原氏にこのことを伝えたら、「関西では連続性を持たせたものをつくっている」とのことだった。

 自然素材を多用しているのも特徴の一つ。ホールには大谷石、リビングには石英、床はナラ、タモ材。このほかヘリンボーン、ナグリ仕上げもある。軒先は約3m。坪単価は135万円だそうだが、天井高、仕様レベルから判断して安いと記者は思った。

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三層の空間(左)と「防音シアタールーム」

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2階居室(居室とバルコニーがフラットであることがよくわかる)

 

カテゴリ: 2017年度

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「ボゥ ヴィラージュ浦和美園イストワール87」

 ポラスグループの中央住宅は9月16日、さいたま市「みそのウイングシティ」内の大規模戸建て開発「ボゥ ヴィラージュ浦和美園イストワール87」の分譲を開始した。分譲に先立つ15日、報道陣向け見学会を行った。

 物件は、埼玉高速鉄道浦和美園駅から徒歩14分、さいたま市岩槻区美園東1丁目に位置する全87棟。土地面積は150.08~160.09㎡、建物面積は97.10~116.28㎡、第1期(19棟)の価格は4,000万円台前半から5,000万円半ば。構造は木造2階建(2×4工法、在来工法)。

 同社マインドスクェア事業部と戸建分譲事業部が共同で企画・開発した案件で、同エリアでは12年前の第一弾の「ボゥ ヴィラージュ美園」(172棟)以来2度目。

 フランス語で〝美しい村〟を意味する従来の〝ボゥ ヴィラージュ〟に〝歴史〟〝物語〟の意味がある〝イストワール〟を加え、〝人生を深く味わう〟を新たなコンセプトに、同社オリジナルの3種類の瓦屋根を用いたほか、珪藻土、銘木床、自然素材の壁を採用してそれぞれのライフスタイルにあった家を選択できるようにしているのが特徴。

 見学会で挨拶した同社取締役事業部長・金児正治氏は「12年前の172戸の第一弾は徹夜組が40組も出るほどの人気で早期完売した。涙を流された方もいた。心を込めれば買っていただけるということがよく理解できた。以来、当社グループは当地で約500戸の戸建てを供給してきた。今後は来年2月譲のマンション340戸を含め1,000戸超の供給を予定している。戸建てとマンションなどとの複合開発を当地など6カ所で進めており一層力を注ぐ」などと語った。

 同社取締役・石井克利氏は、「12年前の第一弾以来の社内JV。5月からこれまで161件の資料請求があり、月にして平均40件。第1期19戸についてはすでに9棟の要望がある。想定通り反響」などと話した。

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 浦和美園駅に降り立つのは10回目以上だ。何度も指摘してきたのだが、日本一ファンが多いというサッカーチーム・浦和レッズのホームスタジアムがあるというのに街づくりは遅々として進んでいない印象を受ける。金児氏が「12年前と比べ隔世の感がある」と述べたが、記者は逆だ。

 やはり同時進行の形で開発が進められてきた千葉県の柏の葉キャンパスと比較してしまう。柏の葉の当初のマンション単価は160万円くらいだった。浦和美園は140万円台だったと記憶している。現在は、柏の葉のマンションは坪200万円を突破する。戸建ては6,000万円か。浦和美園のマンションは坪170万円でも苦戦している。

 この差を当事者は考えないといけない。一言でいえば官主導と官民学連携の差だ。

 見学会が行われた15日、会場の美園コミュニティセンターにある図書館で埼玉新聞を読んだ。スポーツ欄トップは西武・菊池雄星が14勝をあげた記事で、県のアマゴルフ大会の模様に全面を割くなどいい新聞だ。

 さいたま市の2018年度の予算についての記事もあり、過去最大の459億円の予算不足が生じるとか。その理由の一つに都市整備に関わる建設事業費280億円が増加するためとあった。

 いつもそうだが、浦和美園駅に降りて、コーヒーを飲むにもタバコを吸うのにも徒歩13分のイオンモールに行かないといけない。飲み屋などもほとんど駅前にない。スタジアムまで徒歩26分だ。サッカーファンはよく暴動を起こさないものだ。誰のための街かと考えてしまう。

 そんな中で、ポラスグループはこの12年間で約500棟を供給してきたという。当地での戸建て着工シェアが知りたいところだが、圧倒的な数字だろうということは容易に想像できる。

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「フレンチハウス」(左)と「こもれ美の家」

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 今回の企画設計を担当したのは、先に取材した同社の分譲戸建て新ブランド〝Machie(マチエ)〟を作った古垣雄一氏。「美園エリアは建築条件付きの住宅が多く、植栽が少ない。当物件は緑を意識的に多くすることで美園エリアの街並みを牽引していきたい」と語った。

 物件はよくできている。4棟のモデルハウスのうち、「フレンチハウス」は、6色から選べるキッチンカウンタータイルと、ミルキー仕上げのキリ材を用いたデザイン壁が美しい。このプランの説明を、第1期の外構設計を担当し、全体としては販売戦略・パンフレットなどの販促も担当している同社戸建分譲設計本部設計一部 営業企画設計課 企画設計課主任・角張泰広氏が行った。(角張さん、せっかく自然素材を多用し、レベルの高い住宅をつくったのに、あの安っぽい造花はないと思います。画竜点睛を欠くとはこのことを言うのではないですか)

 「アトリエの家」は、リビングサイドの小上がり50~60センチの「スキップアトリエ(DEN)」の提案がいい。DENの部分の天井高は2.1~2.2m確保されており、リビング床の天井高を2.7m確保しているからこそできる芸当だ。

 「こもれ美の家」は、リビング東の高窓から光を取り込み、国産材のスギを壁全面に張って自然の風合いを演出しているのが特徴。1階水回りの部分を利用して、2階の1室の天井高を2.7mにしているのも面白い。参考までに。スギの学名はCryptomeria japonicaで、〝隠れた日本の財産〟という意味だ。英語のCedarを使ってほしくない。

 「リゾートハウス」は、アーチ状と擬石の壁を配した天井高3mのキッチン・ダイニングと、3面の窓とつながったウッドデッキを配してリゾート感覚を演出しているのが特徴。小上がりの和室は床下収納付き。

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この日の駅前の道路(左)と8月25日の道路(記者がひどいと書いたから刈ったわけでもなさそうだ)

驚嘆のプランと売れ行き ポラスの戸建て新ブランド〝Machie(マチエ)〟(2017/8/25)

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カテゴリ: 2017年度

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「マインドスクェア南大泉Ⅰ」モデルハウス(左側が南方向)   

 ポラスグループの中央住宅が分譲している「マインドスクェア南大泉Ⅰ」(7戸)「マインドスクェア南大泉Ⅱ」(13戸)「マインドスクェア南大泉Ⅲ」(3戸)を見学した。今回は敷地延長(敷延)を逆手に取った斬新プランを盛り込んでいる「マインドスクェア南大泉Ⅰ」を紹介する。

 物件は、西武新宿線武蔵関駅より徒歩14分、練馬区南大泉1丁目に位置する全7棟現場。土地面積は110.09~110.83㎡、建物面積は89.83~108.08㎡、現在販売中の住棟(5戸)の価格は5,480万~6,580万円。建物は木造2階建(2×6工法)で5月に竣工済み。

 2×4工法より強度が高い2×6工法を採用し、同社の標準仕様である1階天井高2.7m、サッシ2.2m、天然木挽き板フローリング、同社オリジナルのウッドパネルを採用しているのが特徴。

 敷地延長(敷延)付モデルハウスは6号棟。敷地面積は約110㎡、建物面積は約91㎡、敷延部分は約2.7m×約14m。敷地と建物は他の住棟とそれほど変わらないが、価格は他の住棟より1,000万円くらい安く設定し、1階部分の弱点を利点に変える工夫を凝らしている。

 玄関を入ってすぐ右手(南側)にロードバイクとその備品などを配置した約3.1畳大のDEN(土間)を設置。それにつながる16.2畳大のリビング・ダイニングの南面は壁面を多くし、一体利用ができるように工夫。デザインでは、枕木や流木を利用したようなテーブル、照明などを採用している。

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DEN(土間)

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 敷地延長(敷延)については説明するまでもないが、建築基準法では建築物の敷地は道路に2m以上接しなければならないと定められており、道路から奥まったところに建物を建てる場合、敷地を延長して接道する部分のことを敷地延長(敷延)と呼ぶ。敷地形状が旗竿状になっていることから「旗竿敷地」と呼ぶこともある。

 一般的に敷地延長(敷延)がある建物は日照・通風・プライバシーに難点があり、その難点を解消するために戸建ての場合は2階にリビング・ダイニングを配し、価格を低めに設定するが、最後まで売れ残るケースが多い。デベロッパーの悩みの種だ。

 今回の敷延付き住宅はそれを巧みに〝料理〟している。陽が当たらないのであれば敢えて窓を取ろうとせず、壁面を増やしその空間を生かした逆転の発想が面白い。臨家にとっても好都合だ。〝お見合い〟を気にしなくて済むからだ。

 問題はⅠ・Ⅱ・Ⅲすべてあわせても23棟の現場だ。広告宣伝にそれほど費用はかけられない。この種の個性的なプランに敏感に反応するユーザーにどう伝えるか。〝価格ありき〟の商品が氾濫している市場ではその差異を表現するのは容易のようで難しい。天井高2.4~2.5mの戸建てしか見たことがない都内居住者に前述した同社標準の天井高2.7mの〝価値〟を伝えきれていないのと同じだ。

 これだけ様々な工夫を凝らした特別な敷地延長(敷延)物件の特徴を伝えるための仕掛けを早急に考える必要がある。同社がこれまで考え出してきた「良さ」を明確に伝えていくことが出来れば都内でもユーザーの支持を広げるのは間違いない。

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敷地延長部分

カテゴリ: 2017年度

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「ブルックリンハウス」のLDK

 ポラスグループ中央住宅の分譲戸建て新ブランド〝Machie(マチエ)〟を商品化した第一弾2棟を見学した。天然無垢の挽き板フローリングやレンガ壁、木製の建具・面材、自然石をふんだんに用い、デザインも個性的なものにするなど住まい手の五感を刺激する物件だ。〝建売り〟は不特定多数の人がターゲットではなく、住まい手一人ひとりの個性に訴える商品でなければならない-このことを強く感じた。

 見学したのは、4現場全8棟のうちの2棟。1棟は埼玉高速鉄道浦和美園駅から徒歩19分の「ブルックリンハウス」(土地面積187.16㎡、延べ床面積109.06㎡、価格4,680万円)、もう1棟は同駅から徒歩15分の「煌きの家」(土地面積289.07㎡、延べ床面積134.56㎡、価格6,380万円)。建物は木造在来工法2階建て。今年6月の完成を待たずに成約済み。

 現地は土地区画整理事業によって街づくりが進められている「みそのウイングシティ」(313ha)の一角。UR都市機構から〝飛び地〟を取得して分譲するもので、区画が散らばっているのはそのため。敷地面積が大きいのは、地区計画によって1区画当たり最低面積150㎡の規制がかけられているため。

 「ブルックリンハウス」は、外壁にレンガ調サイディング、カースペースにレンガをそれぞれ採用。室内のカラーリングは白を基調とし、黒の棚、濃紺の壁・ブラインドを採用することで引き締めている。1階の21.7畳大のLDKは天井高約2.7mのLと2.4mのDKとでスキップさせ、床はオークの天然無垢の挽き板。キッチンはステンレスと木の質感を黒のフレームで引き締めたウッドワン製〝KUROMUKU〟を、キッチン壁には本物のレンガを採用。洗面室は暖房機付き。宅配ボックスも設置している。

 「煌きの家」は、オーソドックスなプランで、大きな庭と一体利用できる12帖の木目調テラスを設置。20.1畳大のLDKはフルフラットで大きな吹き抜け付き。隣の5.6畳大の居室はテキスタイルフロアとすることで多目的に利用できる空間にしている。浴室は1.25坪を採用。ブラインドも電動式。2階にはインナーバルコニーを設置。

 〝Machie〟は、フランス語で「素材」を意味するMatériel=マチエールと「絵になる街」を作るという思いから採用したもので、同社は今後も〝飛び地〟などで積極的に供給する方針だ。

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「ブルックリンハウス」LDK(左)とキッチン〝KUROMUKU〟・レンガ壁

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「煌きの家」(後方に埼玉スタジアムが見える)

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テキスタイルフロアの居室

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 こんなことを書くとお叱りを受けるかもしれないが、日本一人気があるサッカーチーム浦和レッズの本拠地で、ワールドカップが行われた「埼玉スタジアム」や大規模な商業施設「イオンモール」があるのに、浦和美園の街づくりは遅々として進んでいない印象を受ける。

 換地処分はほぼ完了しているはずなのに、店舗や住宅はポツリ、ポツリ、空き地が目立つ。道路には雑草が生い茂り、街路樹も貧相なものばかり。それだけが要因ではないが、マンションの売れ行きもいまひとつだ。

 そんな中で、同社は孤軍奮闘。これまで浦和美園エリアで500戸近い戸建てを分譲している。記録的な戸数だろう。

 しかし、いくら実績があるとはいえ、同社が得意とするのは〝街づくり〟だ。1棟分譲はどこにでもある誰にでも受けるような無難な没個性的な建物だろうと想像していた。

 ところがどうだ。金にあかした注文住宅ならいざ知らず、不特定多数をターゲットにした戸建てとはとても思えない、想像を超えるプランに驚愕した。建物が完成する前に、外構が全くできていない段階で売れるというのもすごい。

 「よくもこのような大胆なプランを上司が認めましたね」と、企画・設計を担当した同社戸建分譲設計本部設計一部 営業企画設計課 企画設計課主任・角張泰広氏(33)に単刀直入に聞いた。

今回新しいブランド〝Machie〟の開発は戸建分譲設計本部の古垣課長が担当した。その現場を案内してくれたのが古垣氏の部下である角張氏だった。

 角張氏に代わってポラスグループ広報担当者が、角張氏は記者がかつて〝ポラスのホープ〟と書いた同社戸建分譲設計本部設計一部部長・野村壮一郎氏の部下だと明かした。

 その言葉ですべてが納得できた。野村氏などが手掛けた物件を最初に見たのは8年前の「新鎌ヶ谷」の物件だったが、そのときも思い切ったプランに驚愕した。野村氏が35歳の時だった。その後、野村氏が手掛けた物件を見たのは数物件に上るはずだ。

 今回の企画設計を担当した古垣氏、角張氏と野村氏を重ね合わせると、この大胆なプランが生まれるのは容易に理解できる。角張氏は昨年、バイオエタノール暖炉を装備した戸建てを手掛けたそうだ。

 暖炉が素晴らしいのはみんなよく知っている。しかし、費用は安くない。〝建売り〟ではまず採用しない。

 角張氏は「私は北海道旭川市出身で、祖母の実家に薪ストーブがあったのを思い出して採用することにしました。炎のゆらぎは一晩中見てても飽きない」と種を明かした。

 ポラスのロゴ「POLUS」のOには北極星(pole star)が描かれている。この星を中心にそれこそ綺羅星のごとく同社にはスターが存在していることを改めて感じた。

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角張氏

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暖炉を採用した船橋の「REASON船橋夏見台」(完売済)モデルルーム

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「ブルックリンハウス」の前の市道(左)と埼玉スタジアムと駅をつなぐ道路と街路樹(左はハナミズキか、右はサルスベリか)

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駅前の道路と街路樹(昨年、千葉ニュータウンの雑草について書いたら、その後、きれいに刈り取られたそうだ)

ポラス「白岡」の戸建て 埼玉県「先導的ヒートアイランド対策モデル」認定(2016/11/29)

ポラスグループ中央住宅が「キッズデザイン賞」受賞 国産材のスギ板壁を壁全面に採用した「きなりのまち」 (2012/7/24)

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