令和6年度首都圏マンション 着工に対する不動研の戸数カバー率41.5%
先に紹介したように、令和6年度の住宅着工戸数がまとまった。首都圏マンションは53,599戸(前年度比11.2%増)で、都県別は東京都29,630戸(同22.0%増)、神奈川県13,524戸(同5.5%増)、埼玉県4,902戸(同25.1%減)、千葉県5,543戸(同21.8%増)となった。
一方、不動産経済研究所(不動研)は先に令和6年度の首都圏新築分譲マンション市場動向をまとめ発表。これによると、発売戸数は22,239戸(前期比17.0%減)で、過去最少だった1975年度の25,723戸を下回り、1973年の調査開始以来最少となり、販売在庫数は前期比455戸増の6,116戸となった。メディア各社もこれをコピペして〝市場縮小〟を印象付ける記事を書いた。
しかし、これを鵜呑みにするのは危険だ。別表・グラフで示したように、不動研のデータは首都圏市場全体の41.5%しか捕捉(カバー)していない。東京、神奈川は30%台であるのに対し、埼玉、千葉は70%前後だ。実勢を全然反映していない。捕捉率(カバー率)かこれほど低いのは、ここ数年、大規模再開発や建て替えマンション比率が高まり、寡占化が進む大手デベロッパーの情報収集力・資金力にものを言わせた戦略が劇的に市場を変えている。インナー(クローズド)が激増している。
いくつか事例を示そう。まず、再開発・大規模マンションの販売動向について。例えば積水ハウス他「グラングリーン大阪 THE NORTH RESIDENCE(ザ ノースレジデンス)」。メディアは最高価格が25億円(305㎡、坪単価2,687万円)に注目したが、記者は「全然驚かなかった」。それより全484戸のうち実に半数以上の248戸が一般分譲されなかったことに驚いた。
いま人気になっている野村不動産他「URAWA THE TOWER」も全525戸のうち非分譲は45%の234戸に達している。同社は先日、都心エリアでの分譲マンションの供給数を拡大すると発表したが、そのリリースの中で「都心エリアでの高額分譲マンションとして 2024年10月に『プラウド神宮前』が竣工いたしました。本物件は、明治神宮の緑を望む立地に所在し、隈研吾氏監修の商品企画による外観デザイン・空間設計…順調に販売が進捗いたしました」とあるのだが、記者は全然知らなかった。全76戸がインナー販売された模様だ。
このように一般には公開・販売されないマンションは年間数千戸に達している可能性がある。
次に、建て替えマンションについて。以下は、記者が取材した主な建て替えマンションの戸数と非分譲住戸の戸数を示したものだ。
・「アトラスシティ千歳烏山グランスイート」248戸(非分譲104戸)
・「プロミライズ青葉台」761戸(地権者住戸205戸)
・「パークホームズ初台 ザ レジデンス」115戸(一般販売対象住戸65戸)
・「クレヴィア渋谷富ヶ谷」35戸(事業協力者住戸13戸)
・「プレミストタワー白金高輪」280戸(非分譲住戸127戸)
・「アトラス四谷本塩町」51戸(非分譲23戸)
・「ザ・パークハウス早稲田」115戸(事業協力者住戸36戸)
・「プラウドシティ阿佐ヶ谷」575戸(権利者住戸188戸)
・「ONE AVENUE(ワンアベニュー)一番町文人通り」32戸(事業協力者住戸10戸)
・「桜上水ガーデンズ」878戸(非分譲364戸)
以上、10物件の全戸数は3,088戸で、分譲されたのは63.5%、1,960戸となっている。また、旭化成不動産レジデンス「マンション建替え 調査報告書Ⅷ」によると、2024 年3月末時点の同社の建て替え事例48物件の区分所有者の再取得率は60%となっている。
これらの結果から、建て替えマンションの約4割は非分譲になっているものと思われる。首都圏で年間どれくらいの建て替えマンションが分譲されているかわからないが、相当数に上っているはずだ。
さらにまた、不動研の調査対象外となっている専有面積が30㎡未満の物件も、このところの投資需要の高まりで年間数千戸が供給されている。これも不動研のカバー率を低くしている要因の一つだ。
完成在庫についても指摘したい。不動研の完成在庫を新規供給数で割ると在庫率は27.5%だ。常識的に考えれば、新規供給量の27.5%が在庫になったら利益は吹っ飛ぶ。危機的ラインだ。しかし、上場デベロッパーのマンション事業は軒並み好調だ。例えば三井不動産。同社の2025年3月期3Qのマンション販売戸数は2,150戸だが、完成在庫はわずか9戸しかない。同社は公表していないが、粗利益率は30%を超えるはずだ。
ただし、不動研の完成在庫数を着工戸数で割ると11.4%になる。これはまずの数字ではないか。価格先高観が強まっている現状を考えれば、よほど商品企画が劣っていない限り、値引き販売、赤字販売は避けられるはずだ。
以上見たように、着工戸数と不動研の調査データの乖離を関係者も一般の方もきちんと認識することが必要だ。でないと市場を見誤ることになる。
令和6年度住宅着工81.6万戸 持家3年ぶり増加 首都圏マンション11%増の5.3万戸(2025/4/30)
令和6年の住宅着工79万戸 2年連続減/供給÷着工=カバー率45%(2025/1/31)
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2台駐車可能のガレージ付き163㎡ 大成有楽不 富裕層向け賃貸「白金長者丸」
「UNUS.白金長者丸」
大成有楽不動産は4月23日、富裕層向け高級賃貸マンションの新ブランド「UNUS.」(ウヌス)の第一弾「UNUS.白金長者丸」のメディア向け見学会を行った。目黒駅から徒歩5分の邸宅街として知られる1低層に位置する、2台駐車可能な専用ガレージ付き163㎡など全16戸。車を運転しない記者は唖然、茫然するほかなかったが、価格25億円の「グラングリーン大阪」の事例もあるので、お金持ちには支持されるのだろうと思った。
物件は、JR・東急目黒線・東京メトロ南北線目黒駅から徒歩5分、品川区上大崎二丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率150)に位置する敷地面積約1,053㎡、地下1階地上3階建て全16戸。専用面積は58.68~166.66㎡。坪賃料は2万円台~。竣工は2025年5月。設計・監理は陣設計。施工は北野建設。
「UNUS」はラテン語で、「ひとつの」「唯一の」意味。「UNUS.」には「日常(USUAL)」と「非日常(UNUSUAL)」の狭間にある唯一無二の特別な空間を提供する想いが込められている。
現地は、閑静な邸宅街の一角。道路を挟んだ敷地南側は大田区の「みどり大賞」受賞している賃貸マンション、北側は大建ドムスとともに高額マンション〝ペアシティ〟として知られた東高ハウスが売主で、施工が竹中工務店の1993年竣工の「ミュゼ白金長者丸」23戸。
専用面積163㎡の住戸のプライベートガレージは広さ約47㎡。床は石張り、電動シャッター、空調機、スロップシンク、電気自動車充電器付き。居室の中から車がみえるようにしている。このほか120㎡台のメゾネット4戸など100㎡超は10戸。
主な基本性能・設備仕様は、リビング天井高2620ミリ、ZEH-M Oriented、フィオレストーンキッチン天板、食洗機、食器棚、親子ドア、ナグリ調ドア仕上げ、タンクレストイレ、幅800ミリトイレドア、天カセなど。
同社投資開発本部投資開発事業部 事業室(第一)係長・野澤徹氏は「2014年に賃貸マンション事業を開始してからこれまで約30棟の実績を積み上げてきましたが、新シリーズはピン立地の唯一無二の立地にふさわしい富裕層向けとしました。大型ガレージ付きの賃貸は希少性が高く、内覧の予約が約10件入っています」と話した。
プライベートガレージ(完成予想図)
プライベートガレージ付き住戸のエントランス
◇ ◆ ◇
現地に着いたとき、40年近く昔のバブル発生の頃の出来事が蘇った。現地の少し先に1987年竣工の5階建て「ヴェラハイツ目黒ガーデン」79戸があるが、公庫融資対象外だったため、ほとんどの住戸を不動産業者が買い占めたのを取材したことがある。坪単価は1,000万円を超えていたはずだ。
今回の物件は、目黒駅から徒歩5分の1低層だ。分譲マンションが取材フィールドの記者は土地を見るとマンション価格に置き換えるのが習い性になっている。すぐ単価を予想した。最低で坪1,500万円と評価したのだが、ガレージ付きは希少価値を考慮して坪1,800万円、グロスで8.9億円とはじいた(もっと高いか。坪2,500万円もありうる)。不動産鑑定士(後で知ったのだが)の野澤氏は笑うだけで何も話さなかったが、瞬時に頭の中でそろばんをはじいていたはずだ…〝狂乱地価〟は始まったばかりだ。少なくともこれからの数年間、不動産鑑定士のそろばんは役に立たない時代がやってくると記者は考えている。アッ、肝心のガレージ付きの賃料を聞き忘れた。〝8.9億円で購入したい〟人が現れたらどうするのだろう。破格の値で売るのか、低い賃料で貸すのか、難しい選択だ。
エントランス(正面は世界最高級のスウェーデン産の黒御影石のモニュメント)
女子大近接する高台一等地大成有楽不学生賃貸「文京護国寺」満室稼働へ(2025/2/27)
〝ぶっ飛んだみどり〟だけでない「グラングリーン大阪」タワマンに絶句(2023/10/23)
今後の市場動向を測る試金石&ベンチマーク 1低層の大型 阪急阪神不「荻窪」99戸
「ジオ荻窪」
阪急阪神不動産が5月上旬に分譲する「ジオ荻窪」99戸の現地を見学した。駅からの商業エリアを抜けた1低層に位置する大規模物件で、善福寺川に隣接。意匠設計に著名な会社を起用するなど、首都圏初の常設総合マンションギャラリー開設の第一弾にふさわしい意欲的な物件だ。価格次第で圧倒的な人気を呼ぶ可能性があると見た。
物件は、JR荻窪駅から徒歩12分、杉並区荻窪二丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率41.69%、容積率99.98%)に位置する敷地面積約7,013㎡、4階建て全99戸。5月上旬に分譲する第1期(戸数未定)の専有面積は54.93~84.61㎡、価格は未定。竣工予定は2026年3月下旬。売主は同社のほか相鉄不動産。販売代理は阪急阪神不動産。施工はファーストコーポレーション。設計・監理・デザイン監修は長谷建築設計事務所。
現地の従前は企業社宅。敷地北側は善福寺川、南側は区立中学。三方に接道。建物はコの字型の3棟構成で、ZEH-M Orientedのほか「いきもの共生事業所認証(ABINC認証)」を取得済み。
住戸棟から独立した木造のエントランス棟を設計した三井ホーム、地元産材のブナの木工家具などで知られる飛騨産業、業界に先駆け照明器具のLED化を実現した遠藤照明、わが国を代表するランドスケープ企業の石勝エクステリアなどとコラボしているのも特徴の一つ。
完成予想図
完成予想図
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この記事は、先日書いた同社の常設総合マンションギャラリー「ジオ ゲストサロン 新宿」の記事と一緒に読んでいただきたい。その記事では「ジオ荻窪」の分譲単価予想は坪700万円としたが、現地をみて同社はそこまで高値追及しないと読んだ。
駅からの大半は1低層の住宅街というのはいいのだが、一休みしてタバコを吸い、酒を飲んだりする飲食店やカフェなどがないのは難点だ。(都市計画法34条1号店舗と同様、1低層での用途規制は緩和すべき)
しかし、商品企画には相当力が入っており、同社の首都圏での記念碑的物件になると確信した。設計・監理・デザイン監修は長谷建築設計事務所のほか、それぞれの分野のプロを起用していることにそれが読み取れる。
長谷建築設計事務所のホームページに紹介されているマンションの作品の中で記者が見学取材したのはモリモト「ディアナコート浜田山」のみだが、素晴らしいマンションだ。記事を添付したので読んでいただきたい。
基本性能、設備仕様レベルも、サロンで見学した通りだろうから間違いなく水準以上だ。細かいことだが、トイレドアノブは壁面まで後退させており、浴室タオル掛けも2か所ある。住戸プランは平凡な田の字型でなく、横入り玄関タイプが多い。これも強調材料だ。
価格がいくらになるか、売れるか売れないか、今後の市場動向を測る試金石でもありベンチマークになる可能性を秘めたマンションだと思う。
現地
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同社は4月22日、これからの100年間も「お客様から真っ先に選ばれるサービスや体験」を提供し続けるデベロッパーとなることを目指す「DXビジョン」の具現化の一つとして、新たなプロジェクトチーム「FUTR LABO」を同日設立したと発表した。
今年度の主な取り組みは①ウェルビーイング×オフィスワーカーアプリの実装検討②ビッグデータ×不動産で未来を創る商業施設とオフィスのバリューアップへの挑戦③インバウンド×長期滞在 滞在価値を革新する次世代住環境プロジェクトの3つ。
あふれる本物の緑デジタル技術駆使した仕掛けも阪急阪神不新宿に常設モデル(2025/4/17)
自社社宅跡地公園借景取り込むプラン秀逸旭化成不レジ「荻窪大田黒公園」(2018/1/19)
三菱地所レジ他「武蔵小杉」反響1万件超 うち7割は都内 26日からモデルルーム案内会
「ザ・パークハウス武蔵小杉タワーズ」
三菱地所レジデンスは4月22日、東京建物、東急、東急不動産(事業比率は非公表)とともに開発を進めている武蔵小杉最大級の50階建て2棟1,438戸の免震タワーマンション「ザ・パークハウス武蔵小杉タワーズ」のメディア向け内覧会を行い、モデルルーム事前案内会を4月26日(土)から、販売は8月から開始すると発表した。建築家・隈研吾氏がデザイン監修を務め、「大地から生える二本の大樹」をコンセプトにした「まち一体型複合開発」として整備するのが特徴。物件エントリー数は10,000件を突破しており、人気を呼ぶのは必至だ。
物件は、JR・東急東横線武蔵小杉駅から徒歩3分~4分、川崎市中原区小杉町一丁目の第一種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する敷地面積約20,172㎡、50階建て〈サウス〉719戸と〈ノース〉719戸の合計2棟全1,438戸。〈サウス〉の専有面積は44.07~136.04㎡、価格は未定。販売開始は2025年8月下旬。竣工予定は2027年9月下旬。〈ノース〉の専有面積は44.07~133.64㎡、価格は未定。販売開始は2026年2月。竣工予定は2028年5月中旬。施工はフジタ。デザイン監修は隈研吾建築都市設計事務所。フューチャリティ、内原智史デザイン事務所なども参画している。
現地の従前は、日本医科歯科大学武蔵小杉キャンパスで、「小杉駅周辺まちづくり推進地域構想」に基づき再整備されるもの。全体をA・B・Cの3つの地区に分け、今回のマンションはC地区に該当する。
主な基本性能は免震構造、ZEH-M Oriented、BIO NET INITIATIVE(ビオネット イニシアチブ)、ABINC認証など。スーペリアタイプの主な設備仕様は、リビング天井高2650ミリ(50階のエグゼクティブは3000ミリ、44~49階のデラックスは2750ミリ)、ディスポーザー、食器棚、食洗機、シーザーストーンキッチン天板、タンクレストイレ、浴室タオル掛け2か所、ミストサウナ、戸別宅配ボックスなど。共用施設はスカイビューラウンジ、ゲストルーム、コワーキングスペースなど。
緑をふんだんにあしらったランドスケープデザイン、本物の木を多用しているのも特徴の一つで、エントランスの(サウス)には石川県能登産(予定)の杉集成材、(ノース)には茨城県産(予定)の杉無垢板を、共用部のデザインウォールに天然木をそれぞれ採用。スーペリアタイプのLDは突板フローリング。
昨年9月からのエントリー数は10,000件を突破しており、うち7割は都内居住者。
グランドエントランス(サウス)デザインウォールは天然木
完成予想図(公開空地)
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このマンションについては、同社が昨年9月に行った記者会見の記事を参照していただきたい。
武蔵小杉エリアには今回の2棟を含め14~15棟のタワーマンションが林立している(うち10棟は南口か)。ほとんどが商業地域立地なので日影は考慮されないし、お互い〝お見合い〟状態で、眺望が確保されているわけでもない。
今回の物件は、マンションのほか高齢者向け住宅、医療施設、保育所、スポーツジム、スーパー、ドラッグストアなど「まち一体型複合開発」として開発されており、他のタワーマンションとはやや異なる。まちに開かれた共用空間・コスギコミュニティパークやコスギプロムナードなどランドスケープデザインが素晴らしい。
さて、価格はいくらになるか。この日、取材前に周辺の街並み見て回り、2つのシアターを見終わった段階では、平均単価はひょっとすると坪700万円の大台に乗るかと思った。
しかし、物件説明、3つのモデルルームを見学し終わって、冷静に判断してそこまではいかないという結論に達した。第一の理由は自己日影だ。建物は一団地認定を受けているので、〈サウス〉の真北に位置する〈ノース〉の日照は考慮されず、日影の影響を受ける。さらに〈サウス〉もまた、駅北口で予定されている三井不動産レジデンシャルのタワーマンションの日影の影響を「少なからず受ける」(同社)のは評価を下げざるを得ない。〈サウス〉1棟なら坪700万円もあるかもしれないが、全体として均すと650万円くらいではないか。(記者は昨年9月、同社が記者発表会を行った時点で「坪単価はボトムで550万円とみた」と書いたが、ほぼその通りになるはずだ)
3つのモデルルームでは、ドアはカチッと閉まらなかったが白を基調にした73㎡のスーペリアタイプがとてもいいと思った(ターゲットにぴったり)。全体としてオプションはともかく、突出した仕様にはなっていない。これも坪650万円とはじいた理由だ。
マンションと関係ないが、取材の帰り、関係者から「下丸子が近い。三ちゃん食堂がある」と聞いたので立ち寄った。昭和の居酒屋だ。30坪くらいしかないのに、60人くらいの客で満席。昼間からみんな飲んでいた。席でタバコも吸えた。
73㎡のモデルルーム
103㎡のデラックスモデルルーム(このテーブルは100数十万円か)
シアタールーム
販売センターエントランス(〈サウス〉のエントランスもこのようなデザインウォールが採用される)
現地(敷地北側から)
コンセプトは大地に生える二本の大樹監修は隈研吾氏三菱地所レジ「武蔵小杉」(2024/9/28)
あふれる本物の緑 デジタル技術駆使した仕掛けも 阪急阪神不 新宿に常設モデル
「ジオ ゲストサロン 新宿」
阪急阪神不動産は4月16日、先に新宿アイランドタワーに開設した首都圏初の常設総合マンションギャラリー「ジオ ゲストサロン 新宿」を関係者・メディア向けに公開した。広さは約270坪で、首都圏で年間400~500戸をコンスタントに供給する販売拠点にする。本物の緑をふんだんに導入し、ゆったりくつろげる商談室や大型タッチパネル、3D=のグラム模型など最新のデジタル技術を駆使して〝ジオ〟の全てが分かる工夫・演出を行っている。素晴らしいギャラリーがまた誕生した。
同社グループは2001年から首都圏でのマンション分譲を展開しており、これまでに計89棟、5,400戸以上を供給してきた。サロンの開設は、〈ジオ〉ブランド35周年の節目の年でもあり、今後の首都圏での事業拡大を見据えたもの。
「あなたの未来、〈ジオ〉とここから。」をコンセプトワードに掲げ、本物の観葉植物をふんだんに盛り込んだ「ジオ ライブラリーフォレスト&商談室」と「ジオ ナレッジゾーン」では、緑の中に透明ディスプレイを設置し、リラックスして回遊できるように工夫を凝らしている。また、約9㎡の商談室(全11ブース)には特殊ガラスを採用し、スイッチ一つで透明⇔不透明の乳白色に切り替えることができるようにしている。
「ジオ ナレッジゾーン」にはタッチ式4面サイネージを設置。高精度センサーにより人の動きと連動したデジタルアートが楽しめ、同社の分譲実績、品質管理、商品企画などが全面で表示される。「ジオ ラボゾーン」ではパースやCGを立体的に視認できる3Dホログラム模型も設置し、従来の販売拠点では表現できなかったコンテンツを用意している。
コンセプトルームは約67㎡。「ジオ ナレッジゾーン」との壁を設けず、自由に出入りできるようにしている。バルコニーの壁にはORコードをかざすと、壁内部の鉄筋が見える仕掛けも施している。
サロン開設に伴う第一号物件は、荻窪駅から徒歩12分の第一種低層住居専用地域に位置する「ジオ荻窪」(99戸)。価格は未定で、記者は現地を見ていないが、駅から南側は良好な住宅街が多い。坪単価は700万円台とみた。
エントランス ウェディングゾーン(正面は6×2.6mの大型LEDモニター)
「ジオ ライブラリーフォレスト&商談室」(左)と「ジオ ナレッジゾーン」
特殊ガラスOFF(左)とON
4面サイネージ
◇ ◆ ◇
記者はこれまで、総合マンションギャラリーは20か所くらい見学している。各社ともそれぞれ趣向を凝らしており、優劣は付けづらいが、大きさでは住友不動産の「総合マンションギャラリー新橋館」がダントツの710坪だ。豪華さでは、5つ星クラスのホテルロビー・ラウンジを再現した伊藤忠都市開発の「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」と三井不動産レジデンシャル「三井グランディオーソ・クラブ」が双璧だ。
記者が好きな緑を中心としたデザインでは、積水ハウス「グランドメゾンギャラリー新宿」と野村不動産「プラウドギャラリー新宿」が素晴らしい。このほか、野村不動産「プラウドギャラリー武蔵小杉」、コスモスイニシア「イニシアラウンジ三田」が印象に残っている。
最近見たマンションギャラリーでは、東京建物「「Brillia Tower 堂島」、積水ハウス他「グラングリーン大阪 ザ ノースレジデンス」、日鉄興和不動産「リビオシティ文京小石川」がベスト3だ。
さて、今回の同社のギャラリーはどうか。新宿エリアでは三井不動産レジデンシャル、住友不動産、野村不動産、伊藤忠都市開発、積水ハウス、大京に続く7社目だが、他社に引けを取らないと見た。本物の緑をふんだんに採用しているのがなによりもいい。記者は10年以上前からマンション販売事務所などのフェイクグリーンをやめよと主張してきたが、本物を採用するところが増えている。結構なことだ。
「ジオ ライブラリーフォレスト」
商談室
◇ ◆ ◇
阪急阪神東宝グループについて。同社は、首都圏でのブランド力・認知度を向上させるため、阪急阪神東宝グループの歴史や住まいづくりへのこだわりなどの取り組みを映像で紹介するコーナーも設けている。
これは正解だろう。三重県出身で西武ライオンズファンの記者は阪急、阪神、近鉄、南海などは小さいころから知っていたが、野球ファンでない首都圏の方は同社グループがどのような事業を展開しているのか知らない人は多いはずだ。記者は2001年に同社が首都圏初のマンションを分譲したのも覚えているし、隈研吾氏が設計した2017年分譲の「ジオグランデ元麻布」も見学している。これまで取材してきて、商品企画はアピールしきれていないと思っていた。販売部隊も設けるべきだとも思う。
東宝宝塚はブランド力アップに大きな力を発揮するはずだ。記者は中学3年の修学旅行で東京に初めて行ったとき、日劇であられもないフレンチカンカンに目を白黒させた記憶がある。エンタメは三井不動産も力を入れているように無限の可能性を秘める。
ただ、プロ野球球団の阪神タイガースはよくわからない。野球ファンでない方の為に少し紹介すると、阪神の通算成績は.517で決して高くはない。リーグ優勝は6回、日本シリーズは2回しか優勝していないのに、2024年の観客動員数は巨人の約283万人を上回る約300万人で12球団トップだ。(わが西武の通算成績は.526で、リーグ優勝は23回、日本シリーズは13回も優勝しているのに、2024年の観客動員数は12球団最低の約156万人)
プロ球団を持つことやスポンサーになることが本業にどのような影響を与えるのか。最近の阪神はそうでもないが、ファンの方は何かにつけ東京に負け、チームも負け続けることに自虐的な喜びを感じる人が多いような気がするが…。ハイソなイメージが強い阪急とどうも一致しない。
徒歩10圏内で9駅13路線が利用可能 パークビュー売り 積水ハウス「御徒町公園」(2025/2/22)
見事な模型紹介コーナー 物件に込めた意気込みひしひし 日鉄興和不「文京小石川」(2025/1/25)
大阪の市場を劇的に変えた 東京建物&HPL「ONE DOJIMA PROJECT」竣工(2024/5/58)
〝ぶっ飛んだみどり〟だけでない 「グラングリーン大阪」タワマンに絶句(2023/10/12)
まるで植物園 五感で体験できる 野村不動産 マンション総合ギャラリー「新宿」(2023/2/21)
5社ブランドとの連携がいい 野村不の常設「プラウドギャラリー武蔵小杉」(2022/6/25)
目を見張る 710坪のマンションギャラリー 住友不「汐留」開設/第一弾は「虎ノ門」(2022/1/14)
木漏れ日、渓流の音…イニシアの世界観を表現 総合ギャラリー「三田」(2021/7/30)
これは凄い ホテルなら5つ星 伊藤忠都市 「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」(2020/9/10)
隈研吾氏がデザイン 〝グランデ〟首都圏第一号 阪急不動産(2017/3/6)
三菱地所ホーム 家の中に自然の中低木 最新モデルハウス「ONE ORDER」横浜に開設(2017/10/20)
1週間に5件 全て売れ行き好調 マンション・戸建ての販売現場に本物の生花・観葉植物(2018/4/19)
いい加減にしてほしい モデルルームのケミカル製品・造花の氾濫(2017/5/23)
全9戸 価格はすべて10億円超か 小田急不 代々木上原駅4分の南傾斜1低層
「(仮称)元代々木マンション」建築現場(右は三菱地所レジデンスのマンション)
建築主の小田急不動産は「ノーコメント」、つまりTesともNoとも言っていないので、以下の記事は、いわゆる建築計画のお知らせ看板の事実に基づいた記者の予想記事であることを断っておく。予想が外れても責任は取らないが、的中する確率は6割以上だと思う。同社の記念碑どころか、今後の新しいマンション事業のメニューになる可能性を秘めているので書くことにした。記事を書いたことで、同社が今後の取材を拒否する可能性はゼロではないが、まずないと見た。黙認するはずだ。
物件は、小田急線代々木上原駅から徒歩4分、渋谷区元代々木町の第一種低層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率150%)に位置する敷地面積約870㎡、建築面積約621㎡、地下2階地上5階建て延床面積約2,893㎡の全9戸。着工予定は2025年6月、竣工予定は2027年8月。事業主は小田急不動産。施工は竹中工務店。
現地は、比高差にして2層くらいありそうな南下がりの傾斜地。敷地は東、南、西側道路に接道。三菱地所レジデンスが2018年に分譲して圧倒的な人気を呼んだ「ザ・パークハウス代々木上原」47戸が道路を挟んだ東側に隣接。
情報はこれだけしかない。道路制限、日影規制、北側斜線などの法律がどうなっているのか、容積不算入の部分がどれくらいあるのかわからないが、有効率を80%と仮定すると、単純計算して1戸当たり平均専有面積は約257㎡(約78坪)になる。
坪単価はもちろんわからないが、立地条件からして最低坪1,300万円とみた。このままの好調市場が継続すれば坪1,500万円もありうる。グロス価格は最低でも約10億円、高値追及すれば約12億円だ。
この価格予想も間違っていないと思う。比較可能な前例もある。シーラ「THE SYLA SHIBUYA-TOMIGAYA(ザ・シーラ 渋谷富ヶ谷)」7戸と諸戸の家「代々木上原の邸宅」だ。前者は1フロア1戸の約30坪のマンションで、坪単価900万円、平均価格は2.7億円。後者は敷地面積242.12㎡(73.21坪)の戸建てで、価格は10億円超。いずれも竣工までにほぼ完売している。
今回の物件は、駅からの距離、1低層の南傾斜の住環境などからして価格はこれらを上回るのは間違いない。施工も竹中だ。レベルの低いマンションになるはずがない。
価格10億円超分譲戸建ての歴史を変えた諸戸の家「代々木上原」完売(2025/3/6)
1フロア1戸の全7戸 30坪で価格2.7億円シーラ初の「渋谷富ヶ谷」早期完売(2025/2/17)
代々木上原の一等地〝徳川山〟大京の最上位ブランド「リジェ」全12戸が人気(2024/1/12)
坪800万円をはるかに突破?三菱地所レジフラッグシップの「代々木大山」(2023/9/9)
マンション管理適正評価制度 2024年度末の登録件数は8,250件 満点の★5つは31%
マンション管理業協会は4月14日、2024年度第4四半期終了時点のマンション管理適正評価制度の登録状況をまとめ発表。2024年度末(2025年3月末)の登録件数は8,250件となり、目標としていた2024年度末で会員会社が管理する全物件の10ェに当たる10,000件は達成できなかった。大手デベロッパー系の管理会社は10%以上達成した模様だが、中堅以下の普及がいま一つのようだ。同協会は引き続き普及に努めていくとしている。
評価別登録数は、★5つが2,525件(30.6%)、★4つが3,494件(42.4%)、★3つが1,837件(22.3%)、★2つが390件(4.7%)となっている。
都県別では、東京都の2,540件(30.8%)が最多で、神奈川県1,108件(13.4%)、大阪府749件(9.1%)の順。竣工年別では1991年~2000年竣工が全体の29.5%を占めている。
★5つの戸数別分布では、400戸以上は77.3%がもっとも多く、50戸未満は24.6%となっており、戸数が多いほど割合が高くなっている。
管理評価項目別では、耐震性ポイント(平均:9.45点/10点満点)、管理体制ポイント(平均:18.29点/20点満点)が高い数値を示しているが、管理組合収支ポイント(平均:29.16点/40点満点)、生活関連ポイント(平均:4.27点/10点満点)が低い数値にとどまっている。
昭和記念公園が徒歩圏 設備仕様レベル高い トヨタホーム「ANESIA THE CENTRAL」
「ANESIA THE CENTRAL(アネシア ザ・セントラル)」
トヨタホームが5月中旬に分譲するマンション「ANESIA THE CENTRAL(アネシア ザ・セントラル)」 を見学した。国営昭和記念公園に隣接する区画整理事業地内の一角で、同社の首都圏初の戸建てとの大規模複合開発。共用施設、設備仕様は間違いなく水準以上だ。
物件は、JR中央・青梅線東中神駅から徒歩10分、昭島市もくせいの杜二丁目の第2種住居地域に位置する9階建て全68戸。専有面積は63.40~81.31㎡、価格は未定で、坪単価は300万円に乗るかどうか。竣工予定は2025年12月上旬。設計・監理はウィル・アーキテクツオフィス。デザイン監修はコトナ。施工は森組。販売開始は5月半ば。現在までのモデルルーム来場者は約50組。
現地は、都市再生機構施行による9.5haの「立川基地跡地昭島地区土地区画整理事業地」内の一角にあり、開発面積は約3.0ha。同社としては全157区画の戸建て街区「トヨタホーム ザ・セントラル」との首都圏初の大規模複合開発。
街全体にヤシノキを数十本植樹しているほか、有孔ブロックを多用しデザインを統一。また、タウンセキュリティを導入、車の出入り口を3か所に限定し、防犯カメラも設置。街区内の道路は車のスピードを抑えるための植栽帯の設置、電線・電柱の地中化などを図っている。国営昭和記念公園入口までは徒歩12分。
建物は南向きと南西向き約6:4の割合。主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented、二重床・二重天井、リビング天井高2450ミリ(最上階は3000ミリ)、ディスポーザー、食洗機、御影石キッチンカウンター、ソフトクローズ機能付きリビングドア、木調へだて壁、水栓付きバルコニー奥行き2m、浴室タオル掛け2か所、パナソニックの浴槽美泡湯など。共用施設としてパーティルームと併用のゲストルーム(約60㎡)が設けられている。
同社はこれまでマンション販売は他社に委託してきたが、今回は自社で販売するという。力が入っている物件だ。
ランドスケープ
パーティルーム併用のゲストルーム(最上階の右端)
模型の駐車場はすべてトヨタのミニカー(1000万円超のレクサスもあるとか)
◇ ◆ ◇
同社のマンション見学は2017年の「アネシア築地ステーションレジデンス」以来久々だった。「築地」はミサワホームとのJVだったが、今回は単独。昭和記念公園に隣接した〝世界のトヨタ〟の商品企画を観るのが取材の目的だった。
取材の目的は、立川駅圏ではマンション坪単価は400万円をはるかに超え、JR青梅線昭島駅圏では大和ハウスの「プレミスト昭島」が圧倒的な人気を呼んでおり、物件レベルや価格などを確認することにあった。
立地は申し分ない。敷地南側は戸建て街区なので日照面で問題はないし、南西向きの住戸も敷地からセットパックして建てられており、緑地・歩道を合わせると幅は10mくらい確保されている。
基本性能・設備仕様も水準以上だ。モデルルームに当てられている75㎡の角住戸プランは横入り玄関で、他の住戸も単純な田の字型ではないし、ディスポーザーも標準仕様としているのもいい。共用施設として、パーティルームとの併用だが、公園が一望できる8階の角住戸をシャワー室付きのゲストルームにしているのにびっくりした。この規模でゲストルームを設けているマンションは少ないはずだ。
問題は、価格はいくらになるかだ。立川駅圏は坪400万円をはるかに突破しているので価格的には優位にあるが、昭島駅圏では坪280~290万円の大和ハウス「プレミスト昭島」があり、価格下げ圧力もかかっている。同社は「坪単価は300万円を目指す」としているが、記者も300万円前後だろうと予想する。
駅周辺ではURの賃貸マンションの建て替えなど約55.9haの東中神駅周辺地区住宅市街地整備計画もあり、整備されれば街並みは一変するが、現段階で詳細は未定なので、強気な価格設定は難しいと見た。
シンボルツリーのヤシノキ(車のスピードを緩める効果もある)
現地(緑地帯・歩道の広さが分かる)
東中神駅舎(左)と南口の再開発エリア
「プレミスト昭島」第2弾の第1期1次は143戸全戸の半数以上大和ハウス(2023/11/15)
平均75㎡レベル高いマリモ「昭和記念公園」 4カ月で半分以上の90戸超成約済み(20211/13)
トヨタホーム・ミサワ築地駅直結の「アネシア築地」は坪500万円突破か(2017/11/13)
中古マンション、中古戸建てとも成約件数が大幅増加 東日本レインズ
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は4月10日、2025年3月の不動産流通市場動向をまとめ発表。中古マンションの成約件数は4,991件(前年同月比31.0%増)、坪単価は260.7万円(同4.1%増)、価格は4,945万円(同2.6%増)、専有面積は62.58㎡(同1.5%減)。成約件数は5か月連続で前年同月を上回った。坪単価は59か月連続で前年同月を上回った。
中古戸建ての成約件数は2,195件(同62.8%増)、価格は4,030万円(同2.6%減)、土地面積は144.91㎡(同0.2%減)、建物面積は103.85㎡(同1.2%減)。成約件数は5か月連続で前年同月を上回った。
時は春、すべて〝外〟は音もなし 全戸防音ルーム付き タカラレーベン「南千住」
「ラグゼナプラス(LUXENA+)OTO 南千住」
MIRARTHホールディンググループのタカラレーベンの賃貸マンション新シリーズ「LUXENA+」第1号物件「ラグゼナプラス(LUXENA+)OTO 南千住」を見学した。全戸に防音ルームを設置し、多様化する賃貸ニーズに対応したもので、相場より高めの賃料設定にも拘わらず、全26戸のうち10戸が成約するなど順調なスタートを切った。
物件は、JR常磐線・つくばエクスプレス・東京メトロ南千住駅から徒歩6~7分、荒川区南千住五丁目に位置する14階建て全26戸。専用面積51.83・53.81㎡、賃料は24.3万~26.6万円/月、坪賃料は1.6万円弱。竣工は2025年2月28日。
案件は、同社グループのタカラレーベン投資開発事業本部が手掛ける開発事業の一環で、管理はグループのレーベントラストが担当している。同部署ではこれまで43件のプロジェクトを手掛けている。
現地は、西側の水戸街道など三方に接道。建物は1フロア2戸。主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2450ミリ、食洗機、Aタイプ6700ミリ、Bタイプ6350ミリのワイドスパン、二重サッシ(防音室のみ)、タオル掛けなど。
防音ルームは、24時間演奏可能なD-70以上(外部に音はほとんど伝わらない)とし、200V電源システムを完備。グランドピアノなどの楽器のほか多目的用途にも対応している。
昨年11月からリーシングを開始しており、賃料設定は相場より2~3割高だが、これまで10室が成約済み。うち8割は楽器演奏希望者。
防音ルーム
検知
◇ ◆ ◇
防音ルールの仕様・レベルがどのようなものかチェックするのが取材の主な目的だった。住戸全体の仕様レベルは同社の分譲マンションに近いとみた。防音ルームの性能については、同社広報担当のWさんにモデルルームに備えられているグランドピアノを弾いてもらい、居室の外で音が聞こえるかどうか試した。
結果はほぼ完ぺき。かすかにピアノらしい音は聞こえたが、ベートーヴェンのピアノソナタかショパンのノクターンか、あるいは〝ドキドキ ドキドキ1年生 ピアノが弾けるかな〟のド・レ・ミ・ファ…か、全くわからなかった。分譲マンションへの展開も可能と見た。
そこで一句。時は春、すべて〝外〟は音もなし。
防音ルームでピアノを弾くWさん
ドアの外はほとんど聞こえないレベル