溢れる観葉植物 リビング-バルコニーフラット化 コスモスイニシア「武蔵小杉」

「イニシア武蔵小杉御殿町」
コスモスイニシア・大和ハウス工業・共立エステートの3社JVマンション「イニシア武蔵小杉御殿町」のモデルルーム(三田ラウンジ)を見学した。プレス・リリースにあるリビングとバルコニーをフラットなウッドデッキでつなぐ「シーズナルリビングバルコニー」がどのようなものかを確認するのが取材の目的だったが、それより室内とバルコニー全体を様々な本物の観葉植物で埋め尽くした演出に感動した。多分、業界初だと思う。素晴らしい!
物件は、JR横須賀線・東急東横線武蔵小杉駅北口から徒歩13~14分、川崎市中原区小杉御殿町1丁目ら位置する14階建て79戸。専有面積は55.16~98.25㎡。坪単価は530万円。竣工予定は2027年1月。施工はライト工業。1月24日から第1期1次28戸の供給を開始している。

バルコニー
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このマンションについて3社は1月26日、ニュース・リリースを発表した。記者は即、取材を申し込んだ。リリースをコピペして記事化しても「か・ち・も・な・い」と判断したからだ。それから1週間が経過したが、モデルルーム(三田ラウンジ)を見学取材した甲斐があった。室内もバルコニーも観葉植物で溢れ返っていた。
まず、目に飛び込んできたのはバルコニーに面したリビング天井の緑だった。フェイクだろう思ったが、そうではなかった。このような演出を行ったのは多分、この物件が初めてではないか。名前を聞いたらエスキナンサスだった。水遣りは2週間に1回、肥料は月に1回くらいでいいというものだった。了解を得て、ちぎってもらって口に含んだ。おいしくはないがまずくはない。
外のバルコニーがまたすごい。花台とデッキ床には檸檬の味がするレモンマートル、ツピダンサス、フィカスロイ、オリズルラン、エレンダニカ、アスパラガスなどが設置されていた。このタイプは西向きAタイプ1スパン10戸に採用されているもので、ウッドデッキとプランターが標準装備となっている。
フラットサッシ・バルコニーはいいに決まっている。コスモスイニシアは今後、積極的にフラット化を進めるという。どんどんやるべきだ。同社はこれまで分譲戸建てでフラットバルコニーの提案を積極的に行ってきた。いま「コスモスイニシア」と「フラット」で検索したら「杉並高井戸」は約7,400件、「青葉台」は約5,400件、「石神井公園」は6,700件、「田園調布」は4,400件だ。バルコニーのフラット化を積極的に行っているのは同社と積水ハウスくらいだ。三井ホームも今後、注文住宅では標準化するそうだ。
記憶は定かではないが、全開口サッシを開発したのは三協アルミで、フラットサッシを開発したのは立山アルミ(現三協立山)だったと思う。30年くらい昔か。立山アルミには本社がある富山までわざわざ取材に出かけた。当時は、デベロッパー各社が積極的に採用したが、最近は極端に少なくなった。
記事を検索したら、2014年の日本綜合地所(現大和地所レジデンス)の「ヴェレーナ木場公園」がヒットした。次のようにある。
「17年くらい昔だ(1997年)。南武線中野島駅圏で同社は全開口サッシを採用するとともにバルコニー側にウッドデッキを敷くことでリビングとバルコニーを一体利用できる提案を行った。興味深かったのは値付けだ。一般的に中高層マンションの値付けは1階部分がいちばん安く、上階に行くにつれ数十万円から数百万円上げていくのが常識だ。ところが、同社は1階部分を中層階より高く設定したのだ。それがものの見事に成功し、1階住戸から売れていった。値付けの常識を同社が打ち破ったのだ。それが今日まで同社の商品企画として生かされている」
坪単価について。いつものように予想した。この物件の手前、駅に近い三菱地所の物件は坪650万円くらいで(どんぴしゃりのはず)、今回の物件はやや駅から離れているので、「坪500万円ははるかに突破するが、坪550万円をつける自信はない」と担当者に話したら、上段のように坪530万円だった。リーズナブルな値段だと思う。

バルコニーに面したリビングの天井

バルコニーの花台

モデルルーム
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リリースも紹介しないと失礼なので、以下に紹介する。
リリースには「『すっと、深く、呼吸する。』をコンセプトに、武蔵小杉エリアの都市利便性を享受しながら、落ち着いた住環境が広がる御殿町にふさわしい住まいを目指しました。低層住宅地ならではの穏やかな住環境に配慮し、日々の暮らしやすさを重視した住戸計画を採用しています。全79戸の住戸は、可変性のある間取りや、当社で初めての取り組みとなる『シーズナルリビングバルコニー』などを備え、多様な暮らし方のニーズに応える設計としました」
「周辺の街並みとの調和と住戸の独立性、プライバシー性に配慮し、2棟構成としました。敷地内には豊かな植栽を施したアプローチや、緑に包まれる共用空間を配置し、自然光や通風を効果的に取り入れる立体的な建築構成とし、共用部には植栽や水景を取り入れた空間を計画しました。外部から敷地内へと連続する緑のアプローチや、東棟1階には中庭的な共用スペースを設けることで、日常の動線の中で自然を身近に感じられる住環境を創出しています。
自然光や通風を効果的に取り入れる立体的な建築構成とし、共用部には植栽や水景を取り入れた空間を計画しました。外部から敷地内へと連続する緑のアプローチや、東棟1階には中庭的な共用スペースを設けることで、日常の動線の中で自然を身近に感じられる住環境を創出しています。また、外観デザインには木調や自然素材を想起させる色合いを採用し、御殿町の落ち着いた住宅地の街並みと調和する佇まいを形成。敷地内の植栽計画も含め、時間の経過とともに街に馴染んでいく建築・ランドスケープを目指しました」
デザインとランドスケープに力を入れているのが分かる。観葉植物は各フロアに設置されるようだ。

.商品企画の勝利即完の可能性もコスモスイニシア戸建て「グランフォーラム青葉台」(2019/2/15)
収納、家事・調理作業動線に工夫 坪310万円は安いはず 総合地所「海老名」

「ルネ海老名アーバンアリーナ」
総合地所が分譲中のマンション「ルネ海老名アーバンアリーナ」を見学した。JR海老名駅から徒歩5分、「ららぽーと海老名」にも近接する全99戸で、全住戸に可動収納ユニット「UGOCLO(ウゴクロ)」を採用し、家事・調理動線を考慮した「フレタスキッチン」を提案しているのが特徴。建物は完成済みで、昨年末から販売を開始し、これまで20戸を成約している。
物件は、JR模線海老名駅から徒歩5分、小田急小田原線海老名駅から徒歩8分、海老名市泉一丁目の工業地域に位置する13階建て全99戸。専有面積は58.59~87.80㎡、価格は4,600万円台~8,600万円台(最多価格帯は6,400万円台)、坪単価は310万円。建物は2025年9月に完成済み。設計・施工は長谷工コーポレーション。
昨年4月からエントリーを開始し、これまでの反響数は750件。建物内にモデルルームを開設したのは昨年11月で、来場者は250組。分譲開始は年末からで、これまで20戸を成約している。
現地の用途地域は工業地域だが、いわゆる嫌悪施設はほとんどない。タワーマンションや中高層マンションが建ち並ぶエリアの一角に立地。建物は西向きで、住戸プランは66㎡のファミリータイプが中心。
主な基本性能・設備仕様は、「ZEH-M Oriented」認証取得、環境配慮型コンクリート「H-BA コンクリート」採用、直床、リビング天井高2470~2500ミリ、食洗機、キッチンとリビングの一体感を高める新発想の「フレタスキッチン」の提案、全戸「UGOCLO(ウゴクロ)」採用など。

キッチン

エントランスアプローチ
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小田急線・相鉄線・JR線が乗り入れる「海老名駅」周辺は、JR線に隣接した三井不動産「三井ショッピングパークららぽーと海老名」が2015年に開業してから街並みが一変した。その後、再開発に拍車がかかり、数えたわけではないが、これまでに少なくとも3,000戸のマンションが分譲されているのではないか。
この10年間でこれほど街並みが激変した首都圏駅圏は、都心部を除けば別格の東急線・JR線武蔵小杉のほか西武線の石神井公園駅と所沢駅、JR京葉線南船橋駅、京浜東北線川口駅、京王線調布駅、小田急線下北沢駅、JR・有楽町線金町駅、東急目黒線武蔵小山駅、総武線小岩駅、相鉄線ゆめが丘駅くらいか。
これらの駅圏のマンション相場からして、坪単価310万円は割安感があると思うが、中古マンションとの競合は避けられないのではないか。中古は坪100万円台で買えるのではないか。
それだけに、単価・グロスの安さだけでなく、「フレタスキッチン」や「UGOCLO(ウゴクロ)」「smooth-e(スムージー)」などの特徴をアピールできるかどうかが早期完売のカギを握る。テレビ台が移動できるのは初めて見たし、調理作業が楽にできるキッチン収納、下着類が収納できる洗面収納の提案はいい。外観デザイン、外構もよくできている。
ファミリータイプは専有圧縮型が中心なのは、先日見学したポラス「朝霞台」と同じだ。各社とも単価を抑えるのは難しいので、グロスを抑えるのに懸命のようだ。

キッチン収納

現地

外観デザイン
小田急不・電鉄 全900戸の海老名「ViNA GARDENS」最終章304戸 分譲開始(2025/4/4)
「豊富な経験と知見を惜しみなく注ぎ込む」 マリモ・小田急不「厚木駅前」分譲(2021/10/28)
販売好調 小田急不他「海老名」第一弾完成 2棟約2,400㎡の駐車場屋上緑化(2020/1/16)
第1期167戸成約 小田急不ほか「海老名」のタワーマンション好調(2018/4/18)
満を持して登場 全3棟900戸の第一弾 小田急不の免震タワー「海老名」304戸(2017/12/6)
大激戦区 鹿島の免震構造の相鉄不他「グレーシアタワーズ海老名」 坪単価は240万円(2017/9/28)
海老名でマンション5物件2,000戸 先陣切るサンケイビル・名鉄不 約半分が供給済み(2017/6/6)
三井不動産「ららぽーと海老名」29日開業「EBICEN(エビセン)」が面白い(2015/10/28)
単身・DINKS・ファミリーの混交型 バルコニーに可動式ルーバー ポラス「朝霞台」

「ルピアコート朝霞台」ピアキッチン
ポラスグループの中央住宅は1月27日、「ルピアコート朝霞台」のメディア向け見学会を行った。朝霞台駅から徒歩4分の全74戸という立地条件を生かし、単身・DINKS・ファミリーの混交型。昨年5月から分譲を開始し、これまで39戸を成約するなど順調な売れ行きを見せている。
物件は、東武東上線朝霞台駅から徒歩4分(JR武蔵野線北朝霞駅から徒歩5分)、朝霞市西弁財一丁目の近隣商業地域に位置する7階建て全74戸。2026年2月下旬に分譲予定の第2期(戸数未定)の専有面積は32.02~70.31㎡。価格は5,700万円台~12,000万円台の予定。坪単価は400万円弱。竣工予定は2026年6月中旬。売主は同社のほか三信住建。施工はオープンハウス・アーキテクト。販売代理は東京中央建物。
昨年5月から販売を開始しており、これまで39戸を成約。問い合わせ件数は1,000件。来場者の約3割は単身者で、DINKSは約4割、残りはファミリー層。
敷地は東西軸が細長い長方形で、道路を挟んだ南東側は武蔵野線の線路。住戸プランは全戸南東向きで、30㎡台の1LDKが24戸、50~60㎡台の2LDK・3LDKが32戸、70㎡台の3LDKが18戸。
主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented、二重サッシ、リビング天井高2400ミリ、食洗機、ピアキッチン(1LDKと一部の2LDK3LDK除く)、床暖房、浴室タオル掛け2か所など。このほか同社の〝売り〟のマイギャラリー、変身クローク、かくれんBOX、ちょいおきレール、とどかない錠、おかえりクローク、おたすけバー、まもるんスペースなど。敷地南東側に線路が走っていることから、パルコニーに可動式ルーバー目隠し「ムーバー」を設置しているのも特徴。

1LDKモデルルーム(可動式ルーバーが付いている)
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この日は、午前中に三井ホームの取材が押上であり、終わったのは11時ころ。ポラスの取材は午後3時。4時間もあるので、駅前にあるTSUTAYAの「SHARE LOUNGE 押上」に寄り、必死で時計を測りビールとワインを飲み原稿を書いた(※question=この助詞「で」は何に掛かるのでしょうか)。ジャスト2時間。移動時間を測り間違えてポラスの取材時間に間に合わなかった。関係者にお詫びいたします。
なので、取材不足。現地も見ていない。同社のマンションはこれまで数えきれないほど取材し、記事を書いているので商品企画などは「ポラス」と「RBA」または「こだわり記事」で検索していただきたい。今回も他の物件とほぼ同じ、設備仕様はフル装備だ。
特徴の可動式ルーバーについて。羽板が固定式のルーバーは目隠し用とか日除け用に用いられていたを取材したことがあるが、最近はほとんどない。女性には受けるか。ヨーロッパでは、バルコニーに断熱サッシを採用するケースもあると聞いたような気がする。そうすれば効果は大きいだろうが、容積に算入されるのだろう。しかし、バルコニーを有効的に利用するなら、様々な試みがあっていい。
坪単価は高いような気もするが、こんなものか。デベロッパー各社は郊外部のマンションの単価・価格抑制に取り組んでいるはずで、これからは、単価を抑えるのは難しいから専有面積を圧縮する動きが加速すると思う。今回の物件もそうだ。
もう一つ、おやっと思ったことがあった。建物の形状で、7階建ての建物だが、実際に7階建てとなっているのは東側の2スパンのみで、そのほかは4階建てだった。消化容積率を調べたら約233%だった。近商地域なので法定容積率はこんなに低くないはずだが…。しっかり取材すべきだった。
※questionの答え この文章は、「で」の位置を変え、読点「、」を付ければはっきり意味が伝わるはずだが、Chatの反応を知るためどのようにも取れるように意図的に書いた。Chatは「記事を書いたに掛ると」答えた。Chatは〝忖度〟することもあるということだ(その逆もあり得ないことではない)。

可動式ルーバー
〝瓢箪から駒〟驚異的な売れ行きタカラレーベンのコンパクト「ネベル鶴瀬」(2024/11/29)
大越氏のメールが書かせた持論 朝日の記事「外部管理者方式の落とし穴」について
わが敬愛してやまない大先輩記者・大越武氏(日本不動産ジャーナリスト会議幹事、上智大学マスコミ・ソフィア会会長、東大和市都市計画審議会委員)から1月22日朝、「本日の朝日新聞朝刊の経済面トップを読みましたか」と題するメールが届いた。
メールは、〝尊大〟な態度など取ったことなどない(と思っている)、徒党を組むのが大嫌いな小生に対して「牧田ご尊台さま」という〝教祖〟扱いのあて名書きに始まり、「その記事の題名は、『外部管理者方式の落とし穴 上』とあり、明日付け以降は『中』か『下』となりますね。この記事は、『外部管理者=管理業者』としていて、ピンボケですね。キチンと『管理業者管理者方式の落とし穴』とすべきでしたね…外部管理者には、弁護士や、公認会計士・税理士、マンション管理士などの第三者の資格を持った専門家集団と、利益相反関係にある管理会社の管理業者の二つがあって、問題は、禁じ手の管理業者が管理者となる方式であって、専門家による第三者管理の外部管理に問題はないのであって、それを混同しておりますね…加えて、鎌野先生のコメントも、問題にメスを入れずに、合法化されるからいいのだというような捉え方をしていて、勉強不足かな…牧田さんの正月記事(大越論文=記者)で、火をつけたみたいで、いよいよ年初から、この問題は燃え上がってきますね。牧田さんのこれからの記事が、ますます注目されてきますね。また、出番がきましたね。フレー! フレー! マキタ!」とあるではないか。
件の記事は、朝日新聞に掲載された「外部管理者方式の落とし穴」という見出しの1月23日「上」と24日付「下」記事で、上下で新聞紙全6段分の分量があり、記者の方(片田貴也)と思われる署名入りだ。
小生もこの記事は読んでいる。見方がやや表層的だが、問題提起はいいと思った。そのままスルーしようと考えていたが、大越氏にここまで言われたら書かざるを得ない。〝書かない〟という選択肢はない。〝書け!〟という命令型だ。最近は加齢によるものか、何かにつけ〝切れ〟〝落ち〟がなくなってきたのだが、暇にあかせて、この管理業者管理者方式とメディアのあり方について持論を披瀝する。
記事の詳細を紹介する余裕はないが、見出しに「外部管理者方式の落とし穴」とあり、「マンション管理組合の運営を外部に委託する『外部管理者(第三者管理)』方式を選んだばかりに、いいようにお金を取られるトラブルが多発している」(同紙)として、〝食い物〟にされた管理組合の事例を紹介しながら、日本マンション管理士会連合会(日管連)の瀬下義浩会長のコメント「管理組合が安心して利用できる取り組みを進める必要がある」を紹介し、警鐘を鳴らす内容だ。
以下、批判的なことも書くが、最初に断っておく。三重県出身の小生は10歳のころから西鉄-西武ファン&アンチ巨人だ。新聞といえば伊勢新聞で、60年安保で樺美智子さんが死亡した黒ベタ白抜きの大見出しの記事はずっと記憶に残った。学生になってから日刊紙はもっぱら朝日新聞で、スポーツ紙も〝アンチ巨人〟の匂いがし、デザインが抜群の日刊スポーツもかつて購読していた。巨人=報知=読売新聞は読まない(マンションの窓ガラス拭きには読売が一番という話を大京アステージの方に聞いた)、日経新聞は仕事(記事)に大変役立つ。数行の記事からスクープ記事を書いたこともある。いま問題になっている産経グループの産経新聞は〝偏向〟しているので読まない(グループの儲けの大半を稼ぐサンケイビルのマンションはいい物件もある)。毎日新聞は1991年に〝腹切り〟してから読まなくなった。新聞はデザインも重視して読む。
なので、以下の記事は、職業柄、小生なりのメディアに対するエールだと受け取っていただきたい。
まず、片田氏(朝日新聞)には申し訳ないが、見出し「外部管理者方式の落とし穴」は大越氏も指摘するように適切ではない。どうして国土交通省は「第三者管理者方式」のほかに「管理業者管理者方式」などという文言を使っているか、読者に伝えるべきだった。
片田氏も朝日も「落とし穴」とは、「大きな失敗や不幸につながることでありながら、うっかり見逃している点」(広辞苑)の意味で使用しているのだろうが、一般的には「人や鳥獣をだまして落とすために地面に仕掛けた穴」(広辞苑)と理解されている。法律に〝抜け道〟〝抜け穴〟はある。だからこそ悪党はその抜け穴の間隙をついて悪事を働く。そうはさせじと、法律はまた〝囲い罠〟のように「等」を多用し、すべてを捕縛しにかかる。
この関係を陥穽(落とし穴)と受け取れなくもないが無謬主義に基づいた法律に〝落とし穴〟はまずない。本文を読んでもらうために大げさな見出しを付けるのは理解できるが…ならば、お前ならどのような見出しを付けるか問われれば、これまた難しい。第三者管理者方式と管理業者管理者方式の区別を説明するのは苦労するはずだ。
トラブルとなった事例だが、これは管理業者管理者方式と直接的には関係ない。区分所有者・管理組合の基本である「建物の管理・維持」と「区分所有者の共同の利益」「建物の価値向上」に取り組まないと、理事会方式だろうと第三者方式だろうとトラブルは防げない。利益相反取引を防止するため、ガイドラインには事前の説明などを業者に課しており、記事には、利益相反に当たる恐れがある事案について事前に説明会を開く必要があるとしながら、「区分所有者の『承認』までは求めていない」(上)とあるが、これは誤り。すべては総会の承認が必要だ。
また、管理業者管理者方式から〝脱出〟し、再生の道を歩み始めたマンションも紹介されている。理事長の奮闘とマンション管理士が第三者的な役割を果たしたのが大きかったようだ。理事長が「抜け出せぬ地獄」と語ったのもよく理解できる。戸数が10戸しかないのに脱出まで2年間もかかったというのは、合意形成がどれほど大変かを物語っている。規約に管理会社名が記載されていたら、規約変更には大変な時間と労力がかかることを事例は示している。
小生も、士業のマンション管理士が安定的な収入を得られる仕組みを構築すべきだとずっと考えているのだが、現状は極めて厳しい。国交省の令和5年のマンション総合調査によると、弁護士やマンション管理士を活用している管理組合はそれぞれ14.5%、13.8%あるが、専門家を「第三者管理者」としている管理組合はわずか3.7%で、専門家を第三者監事として活用している組合は1.1%しかない。
全国に弁護士は約47,000人、マンション管理士は約29,000人いるが、自らが理事として活動するケースはともかく、報酬を得て管理者や監事になっている人は微々たるものであることをこの数値は示している。
なぜかといえば、報酬とリスクを測る天秤が釣り合っていないからだと思う。専門家に報酬を支払える余裕のある組合は少なく、専門家もリスクを考えたら二の足を踏むからだ。管理業者管理者方式を採用する場合、監事に専門家を起用するようガイドラインは求めているが、これはかなり高いハードルになるはずだ。企業・団体の監事のチェック機能が働いていれば、不祥事は激減するはずなのにそうなっていないのと同じだ。
もうこれ以上書かない。小生も管理組合と管理会社はWin-Winの関係を構築できると信じる。小生と大越論文を再録する。読んでいただきたい。今年のマンション管理業協会の賀詞交歓会で、来賓の住宅金融支援機構理事長・毛利信二氏は「今年はマンション再生元年にしよう」と呼び掛けた。
おしまいにしようと思ったら、大越氏から23日、次のようなメールが届いた。
「『なり手不足』を餌にした『住民・市民自治の抹殺』『町内会、自治会の抹殺』につながる『反社会的行動』を業界のリーダー会社がしている…ボクは、『企業の、会社の、法人としての良心は、どこに行ってしまったのか』と、強く訴えたい」
――メディアの皆さん、この大越氏の叫びをどう受け止めるか。いま、国民の生活基盤の基本である衣・食・住の一つである「住」の分野はかつて経験したことがない新たなステージ(高位置か)に突入した。新築マンションは、都心では10坪でも億ションだ。一般的なファミリー層は手が届かなくなった。その一方で敷地規模が20坪未満の狭小住宅は隠花植物のようにじわじわと領域を拡大している。格差社会は拡大する一方だ。アンビシャス・安倍徹夫社長は「苛政の時代」と呼ぶ。
このだれもが経験したことがない社会の、その先導役を果たす住宅・不動産業をカバーする全国紙記者は小生の知る限りほとんどいない(かつて産経新聞の記者の方を取材現場でよく見かけたが、最近は姿を見なくなった)。このリアルの現場を取材しないでどうする。記者自身が情報の発信源にならないと早晩、職はAIに奪われる。
メディアに手厳しい共同通信記者出身の作家・ジャーナリストの辺見庸氏は最近、自身のホームページで、ウンベルト・エーコ「歴史が後ずさりするとき 熱い戦争とメディア」(岩波現代文庫)から引用し、「あるときウンベルト・エーコは言った。「歴史は〈発展〉の方向に進むとは限らない。〈後退〉の方向に〈進む〉ことも考えられる。だからこそ、〈新しい〉ことはすべて〈進歩〉なのだと固定観念的に考えないで、必ず批判的精神、文化的・社会的批判精神をわれわれは行使しなければならない。然り、今まさに歴史は退行している」と記している。
管理適正評価ちょうど1割たった1割達成普及・推進に欠かせない業界連携(2026/1/18)
マンション管理業者管理者方式記者の考えと真逆のジャーナリスト大越論文(2026/1/9)
大和ライフネクスト第三者管理者方式183件月1000円/戸検討に値する額ではないか(2025/10/15)
管理業者管理者方式大和ライフネクスト137件三井不レジサービス100件超(2025/9/11)
マンション再生メニュー 2つ⇒7つへ旭化成ホームズ区分所有法改正セミナー(2025/7/19)
改正マンション関連法に関する説明会に約480人国土交通省&法務省(2025/7/8)
2つの老いへの対応管理業者管理方式など具体策示す国交省(2025/2/8) .
管理会社管理方式、自治体の体制強化など論議国交省・マンション政策小委員会(2024/12/20)
大和ライフネクスト第三者管理者方式既存中心に76組合受託 2026年に200組合へ(2024/5/22)
第三者管理者方式徴収額は月額1,000~2,000円/戸マンション管理協(2024/5/16)
マンション管理会社3割が投資用中心に第三者管理者方式(2023/12/26)
管理会社の「第三者管理者」への道開く国交省ワーキンググループ初会合(2023/10/26)
マンションコミュニティを否定するのか国交省マンション管理検討会(2015/4/4)
迷走する「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」コミュニティや議決権などめぐり激しい論議(2012/8/30)
国交省第4回マンションの新たな管理ルールに関する検討会的外れの安藤至大委員の主張(2012/4/10)
〝掃除は科学 床は朝日、窓は読売〟 マンション管理員のスゴ技を1日体験(2017/2/25)
中古マンション市場 都心を中心に区部が牽引 問われる郊外物件の付加価値化

東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が先に発表した首都圏中古マンション暦年データは、成約件数、成約単価、成約価格とも大幅に伸びていることを示しているが、都県別に見ると、市場を牽引しているのは都心部を中心とする都区部で、郊外部は2016年比で成約単価・価格とも50%前後にとどまっている。新築価格は都心部・郊外部とも上昇が続いており、一般的な需要層の取得能力の限界を超えている。都心志向がさらに強まるのか、郊外が見直されるのか、中古市場の動向が注目される。
2025年の成約件数は49,114戸で前年比31.9%増と大幅に増加した。都県別にみると東京都は26,439戸(前年比31.6%増)、神奈川県は11,670戸(同37.1%増)、埼玉県は5,628戸(同36.1%増)、千葉県は5,377戸(同19.9%増)で、比率は東京都が53.8%を占め、神奈川県は23.8%、埼玉県は11.5%、千葉県は10.9%となっている。
比率を2016年比で見ると、東京都は3.2ポイント増、神奈川県は1.3ポイント減、埼玉県は0.5ポイント減、千葉県は1.4ポイント減となっており、都心志向が加速していることが分かる。
都心志向を牽引しているのは都区部で、2025年は首都圏全体の44.6%を占めており、2016年比で3.5ポイント増加している。一方、多摩エリアの比率は2016年比1.7ポイント減の17.1%となっている。
2025年の坪単価は前年比7.9%上昇の273.8万円。都県別に見ると、東京都は383.0万円(前年比12.2%上昇)、神奈川県は191.6万円(同0.4%下落)、埼玉県は142.5万円(同1.3%下落)、千葉県は131.5万円(同1.3%下落)。都区部は431.4万円(同13.2%上昇)となっており、東京都のみが上昇した。
坪単価上昇率を2016年比で見ると、首都圏全体では173.2%で、都県別では東京都が181.3%(都区部は184.2%)、神奈川県が144.6%、埼玉県が150.4%、千葉県が151.3となっている。
なかでも都心3区(千代田区・中央区・港区)の成約件数、坪単価の上昇が目立つ。2025年の都心3区の成約件数は3,283件となり、前年比28.8%増加した。坪単価を比較するデータはないが、レインズデータから類推すると、2024年の都心3区の坪単価は約640万円、2025年は約780万円で、20%以上上昇したと思われる。
2025年の成約価格は5,200万円(前年比106.3%)で、東京都が6,766万円(同110.1%)、神奈川県が3,832万円(同98.3%)、埼玉県が2,910万円(同97.7%)、千葉県が2,865万円(同98.4%)となった。
2016年比上昇率は全体では170.6%で、都県別では東京都が179.4%(都区部は183.2%)、神奈川県が143.6%、埼玉県が149.4%、千葉県が148.8となっている。
単価上昇率を価格上昇率が下回っているのは、面積縮小が続いていることと考え合わせると、市場には絶えず価格下げ圧力がかかっていることをうかがわせる。
今後、中古マンション市場がどう動くか分からないが、都心部ではバブル期のように、新築価格を中古価格がリードしており、この傾向はさらに強まると思われる。一方で、郊外部では単価・価格変動率は穏やかに推移しており、価格的優位性は高まっている。居住水準もここ数年間の新築より高い物件も少なくなく、リフォーム・リノベーションを通じ付加価値を高め、多様化する需要層のニーズに応える商品企画力が問われる。

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参考までに、東京都港区の課税標準額が1億円以上の高額納税者のこの10年間の推移と、高額納税者が収めた所得割額の推移を紹介する。これらの層の一人当たり年間所得は3~4億円と思われ、引き続き新築・中古マンション市場を牽引するものと思われる。

タカラレーベン「ミライ人間洗濯機」お披露目イベントに35社54人メディア殺到

「ミライ人間洗濯機」で実演する庄司さん(左)と藤本さん(レーベンサロン池袋で)
タカラレーベンがマンション業界全体で久々のセンター前クリーンヒットを放った。1月22日に行ったメディア向け「レーベンサロン池袋『ミライ人間洗濯機』お披露目イベント」だ。大阪万博で人気を博した「ミライ人間洗濯機」には、同社と出展したサイエンス社が共同開発した技術が導入されており、双方が協力して更なる普及・拡大を狙ったもの。イベントには同社代表取締役兼社長執行役員・秋澤昭一氏、サイエンスホールディングス代表取締役会長・青山恭明氏が出席し、お笑いタレントの庄司智春さんと奥さんの歌手・タレント藤本美貴さんの〝入浴ショー〟も行われ、テレビ局3社をはじめ35のメディア54人が駆けつけた。
イベントの冒頭、秋澤氏は、「大阪万博で非常な人気を呼んだ『ミライ人間洗濯機』は、2008年にサイエンスさんと当社が共同開発した『ルイックプロジェクト』の技術が採用されている。このプロジェクトは家中の水を浄活水化する『たからの水』、浴槽につかるだけで汚れが取れる『たからのミラバスビジョン』、浄化・潤い・温浴・節水作用を持つ『たからのミラブルシャワー』の3つの総称。すべてのマンションに標準装備している」と挨拶した。
青山会長は「この技術を2008年にタカラレーベンさんと共同開発して以来、これまで640棟、43,000戸以上に導入されている。大阪万博では約1,300人に入ってもらい、大変な人気となった。浴室は、体をごしごし洗う〝洗い場〟と呼ばれるが、この『ミライ人間洗濯機』はAI技術も採用し、未来型の生活を提案するもの。に心も体もきれいにする。大阪サロンにも採用を予定している」と話した。
同社は、一般体験先行予約を1月23日から2月6日まで申し込みを受け付け、4月から同サロンで体験できるようにしている。
一般向けに販売を検討しているといわれるヤマダ電機は「販売を検討しているのは事実だが、価格や予約状況は現段階では公表できない。決まったら公表する」(広報)としている。

レーベンサロン池袋に実装された「ミライ人間洗濯機」

「ミライ人間洗濯機」

「ミライ人間洗濯機」で実演する藤本さん(左)と庄司さん(レーベンサロン池袋で)

秋澤氏(左)と青山氏
◇ ◆ ◇
記者はこの日、いつもの糖尿病の定期検診があり、第一部のPRイベントには間に合わなかったが、結果的にはこれが正解だった。藤本美貴さんが入浴ショーを演じるなら病院をキャンセルして駆けつけるが、ご主人の庄司智春さんの裸など見たくもない。取材の目的は、第二部で「ミライ人間洗濯機」の実物を見るのと、マンションに実装するかどうかを聞きたかったからだ。目的は達成された。
記者はこれまで30社くらいのマンションパビリオンを見学取材している。それぞれ趣向を凝らしており、広さでは住友不動産の「新宿」、豪華さでは伊藤忠都市開発の「有楽町」、美しさでは積水ハウスの「新宿」、本物の緑の演出では野村不動産の「新宿」が印象に残っている。実際に一泊したモデルルーム・ハウスでは、明豊エンタープライズの「シェルゼ」、三菱地所ホームの「エアロテック」が出色だ。今回の「ミライ人間洗濯機」は、これらに勝るとも劣らない。
実物は予想した通り。車と同じくらいの大きさなので、マンションの専有部に導入するには6畳大くらいのスペースが必要だ。重さは1トンもある(今回のサロンにどのようにして搬入したのか)。
現状では、マンション専有部に採用するのはハードルが高いが、技術を採用したミラバス、たからの水などマンションの販促には大きな効果があると確信した。
記者は、これらが標準装備されたマンションを数えきれないほど見学している。どうしてもっと宣伝・アピールしないのか不思議に思っていた(2010年2月1日付記事参照)。2021年に見学取材したときは、実際に体験し、写真に撮って記事にもした。最大で60%削減できる節水効果もあるスグレモノだ。
体験イベントにどれだけ申し込みがあるか分からないが、同社広報担当者は500件くらい申し込みがあり、そのうちの1%5人くらいはマンション購入に結びつくのではないかと期待を寄せている。記者はもっと効果があると見ている。
ただ、注文もある。記者は小さいころから風呂が嫌いで、今でも浴槽にはほとんどつからない。頭からシャワーを浴びて、それでおしまい。5分で済む。タオルを使って全身をごしごし洗うのは週に一度くらいか。浴室全体を掃除する商品開発が必要だ。共用ランドリーが流行っているように、専有部の浴室をなくし、共用部に設置することも可能ではないか。
さらに、入浴そのものも考えた方がいい。この日、同社の女性広報担当、メディアの方に聞いたら入浴時間は30~1時間くらいかかるというではないか。髪を乾かすのも大変だそうだ。1日24時間しかないのに、どうしてそれほど入浴に時間を費消するのか。時間と金額に換算したら、記者がいつも利用する日高屋の2日分だ。
女性の長い髪が美しく、男性の坊主頭が雄々しいとみなす文化は昔からあったのだろうが、これは考えを改めたほうがいい。この日、糖尿の薬をもらうために調剤薬局に寄ったら、たまたまテレビに禿げ頭の男性コメンテイターのおじさんと、高市早苗首相と田中真紀子さんが映っていた。高市さんも田中さんも髪は短い。お二人の性格にぴったりだ。逆に長髪だったら気味が悪い。男性もそうだが、女性の方々は〝美しく生きる〟ことをもっと真剣に考えるべきだと思う。中身を磨くことだ。

写真左はミラバスを利用している同社担当者の手(左)と記者の汚い手。写真右は新卒女性記者のミラバスを利用していない左手と、ミラバスを利用した右手(ご本人は〝すべすべしている。ほしい〟と語った)

レーベンサロン池袋に設置されている体験コーナー

4月以降に分譲される「中野」「光が丘」のモデルルーム
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2025年の首都圏中古マンション成約件数49,114件 3年連続増加 東日本レインズ
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は1月20日、2025年の首都圏不動産流通市場動向をまとめ発表。中古マンションの成約件数は49,114件(前年比31.9%増)で3年連続して前年を上回り、坪単価は273.8万円(同7.9%上昇)で13年連続で上昇し、成約価格は5,200万円(同6.3%上昇)で13年連続の上昇となった。中古戸建住宅の成約件数は21,632件(同52.5%増)で2年連続で前年を上回り、成約価格は3,917万円(同0.8%下落)で5年ぶりに下落した。
2025年12月の中古マンション・戸建て成約件数が大幅増加 東日本レインズ(2026/1/13)
野村不「プラウドタワー相模大野クロス」入居開始 市と地域活性化の包括連携協定

「プラウドタワー相模大野クロス」(左)とエントランスホール
野村不動産は1月19日、小田急線最高層の「プラウドタワー相模大野クロス」が2025年10月に竣工し、2026年1月から入居を開始したと発表した。
物件は、小田急線相模大野駅から徒歩4分の伊勢丹相模原店跡地に完成した41階建て全687戸の万。入居開始に伴い、相模大野駅から続くコリドー街と相模大野中央公園の間をつなぐ、24時間通行可能な公共歩廊が開通するほか、低層階に位置する公共広場や店舗が一体となった複合施設「オーノクロス」も順次開業し、物件と駅をつなぐ賑わいの軸を形成する。
また、2024年11月には相模原市と野村不動産ホールディングス、同社の3者間で地域経済の活性化・防災・スポーツ・街づくりなどの事項について相模原市と連携して取り組んでいくことに合意し、包括連携協定を締結したことを公表した。
◇ ◆ ◇
記者は、この物件も、15年前に分譲し、圧倒的な人気を呼んだ「プラウドタワー相模大野」も見学取材している。双方の記事を添付する。この2つの物件が「相模大野」のイメージ゛を劇的に変えた。それが、今回の市との包括連携協定につながったはずだ。
立地、性能、地域共生など評価される野村不「相模大野クロス」坪単価400万円超か(2023/10/31)
野村不動産「プラウドタワー相模大野」1期220戸が即日完売(2011/9/6)
緑化面積10,000㎡超 ランドプラン秀逸 坪単価も割安 積水ハウス他「多摩川」

「多摩川シーズンズ」(左側が多摩川)
積水ハウス、小田急不動産、長谷工不動産、長谷工コーポレーション4社JV(事業比率は非公表)の大規模建て替えマンション「多摩川シーズンズ」(1,217戸)のモデルルームを見学した。敷地面積52,000㎡超、緑化面積10,000㎡超のランドスケープデザインと多彩な共用施設を整備した街づくりが特徴で、昨年末に供給した第1期50戸を成約するなど順調なスタートを切った。坪単価275万円も圧倒的な安さがある。現在分譲されているこの価格帯の首都圏マンションで、これほどレベルの高いマンションはまずない。
物件は、小田急線狛江駅から徒歩20~22分(バス便だと狛江駅から徒歩も含めて約10分、調布駅から約23分)、狛江市西和泉2丁目の第一種中高層住居専用地域(建ぺい率41%、容積率170%)に位置する敷地面積約52,353㎡、10~12階建て4棟全1,217戸(非分譲住戸404戸含む)。1月17日から登録を受け付ける第1期2次(27戸)の専有面積は55.61~81.88㎡、価格は5,128万~7,938万円(最多価格帯5,600万円台・5,900万円台)、坪単価は275万円。竣工予定はⅠ工区が2027年6月下旬、Ⅱ工区が2028年6月上旬。デザイン監修は環境デザイン研究所。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。
昨年12月から第1期として50戸を分譲・成約。モデルルーム来場者は約280件。週に15~20件の来場があり、順調に進捗している。来場者の居住地は、狛江市が25%、世田谷区が13%、調布市が8%など。
現地は、東京都住宅供給公社によって1964年から1968年にかけて建設された、調布市と狛江市にまたがる約48.9haの「多摩川住宅」の建て替え計画の第2弾。敷地南側には川幅300~400mの多摩川が流れ、周辺は低層住宅街。樹齢100年近いと思われる既存樹もたくさん残っている。
主な基本性能・設備仕様は、長期優良住宅、ZEH-M Oriented、直床、ディスポーザー、食洗機、リビング天井高2500ミリ(一部2450ミリ)、リビング・洋室床暖房、スロップシンク、ユニバーサルデザイン(メーターモジュール廊下、ドアノブ壁面後退など)、大容量収納など。共用施設は無人決済コンビニ、スタバコーヒーが楽しめるカフェラウンジ、パーティルーム、ゲストルーム、シアター&カラオケルーム、キッズルーム、オープンライブラリーなど。
積水ハウス東京マンション事業部の担当者は「ハウスメーカーとして培ってきた住まいづくりのノウハウを活かし、高品質な性能と12種類の共用施設で差別化を図りました。専有部も多様化するライフスタイルに対応できるよう、プランの選択肢を充実させています。ご来場いただいたお客様からの反響も大きく、住まいの価値をしっかりお伝えできていると感じています。狛江市民の方からは"あのマンションね"と言っていただけるようになりました」と話した。
広域から集客できていることから、物件の魅力を伝えきれれば販売は順調に進むはずだ。

南東向き住棟から1低層の住宅街望む

南向き住棟

フォレストプロムナード
◇ ◆ ◇
記者は、結婚してから約3年間、調布市布田に住んでいたので「多摩川住宅」はよく知っている。昔の街づくりだから商業施設などが乏しいのは難点だが、敷地内の植栽が豊富で、何よりも多摩川に近いのが魅力だ。狛江市も好きな市だ。11年前に亡くなった大好きな作家・宮尾登美子さんが狛江市に住んでいたからだ。
さて、価格。事前の予測では坪単価は300万円を超えると思ったが、外れた。275万円は超割安感があると思う。
なぜか。東京駅を中心にマンションの価値を測るのはやめたほうがいいと思っているのだが、この物件の東京駅からの距離圏(時間)を50~60分とすると、京王線では聖蹟桜ヶ丘、京王多摩センター、小田急線なら新百合ヶ丘、中央線だと立川、西武線は所沢、東武東上線は志木、千葉県は総武線千葉、常磐線柏、神奈川方面は東海道線辻堂、根岸線磯子、京急線金沢文庫あたりか。これらの駅圏の駅近でマンションが分譲されたら、坪単価は間違いなく400万円を突破する。
これほど安く分譲できるのは、建て替えだから土地価格が安いのと、近隣物件との競合関係、戸数の多さなどが考えられる。競合物件は、住友不動産「シティテラス多摩川」(900戸)や京王電鉄「京王多摩川ハモンズ」(265戸)があるが、同じ価格帯の住友の物件はともかく、京王多摩川駅2分の「京王多摩川ハモンズ」の平均坪単価は500万円を超えないと思うが、間違いなく450万円はする(これほど単価差があれば競合しないか)。
同担当者は、来場者の25%を狛江市民が占めており「あのマンションね」と認知いただけていることに手応えを感じていると話した。また、同社が手がけた「グランドメゾン江古田の杜」「グランドメゾン狛江」「グランドメゾン仙川」についても言及があったため、これらの物件の記事も添付する。
記者はこれまで同社のマンションを30~40件見学している。同業他社の物件と決定的に異なるのはランドスケープデザインとユニバーサルデザインだ。「狛江」は、敷地内にあった既存樹のヒマラヤスギの巨木を避けて住棟を配置している。中古はいま70㎡台で8,500~9,000万円しているそうだ。歩留まり率が高いのは、同社のブランドメッセージ〝経年美化〟に嘘はなく、物件の特性をきちんと伝えられている証左だ。
小生の〝記事はラブレター〟にも嘘はないはずだ。「坪単価は兆割安」などと書くと-書くのは記者の勝手-社長などから〝安くし過ぎたのでは〟とスタッフが怒られるかもしれないが、仲井社長は絶対そのようなことは言わない。もし言われたら〝消費者に利益を還元したまで〟と言い返せばいい。
かつて昔、三井不動産の幹部は「うちは高値追及などしない。腹八分目、残りは購入者の利益に取っておく」と話した-いま、そんな役員はいるのかいないのか。記者は、高額マンションはどこまで値段を釣り上げてもいいと考えているが、庶民向けは質を落とさず、利益率を抑えてでも安く供給すべきだと思っている。
…と、書いたついでだ。記者は、今年の最大の注目マンションは同社の「千鳥ヶ淵」だと思っているが、坪単価予想を上方修正する。当初は2,500万円くらいだとよんでいたが、そんな安値で分譲したら「皇居」に失礼だ。最低3,500万円とみた。皆さんは馬鹿なことを言っていると思うかもしれないが、近接する三菱地所レジデンス「千鳥ヶ淵」の坪800万円を記者はズバリ的中させた。

モデルルーム(吊戸棚付きL型キッチンとカウンター付きダイニング提案が人気とか)

カフェラウンジを想定したマンションギャラリー(緑はフェイク)

ユニバーサルデザインの一つ(トイレドアノブは壁面までセットバックさせている)

完成後を想定したマンションギャラリーエントランス
三井不・経年優化&積水・経年美化先に発信したのは?〝三井のすずちゃん〟新CM(2025/2/27)
長期優良、ZEHに★3つの「みどり」住友不・長谷工の建て替え「多摩川」900戸(2024/3/30)
積水ハウス・小田急不・長谷工コーポ多摩川住宅ニ号棟建て替えへ(2023/8/7)
緑の質量に圧倒エントランスに樹齢100年巨木「江古田の杜」街びらきに千数百人(2018/9/23)
国分寺崖線の借景、「5本の樹計画」もいい 積水ハウス「グランドメゾン仙川」(2015/2/3)
里山を見るような見事な植栽 積水ハウス「グランドメゾン狛江」竣工(2013/9/12)
三菱地所レジデンス「ザ・パークハウスグラン千鳥ケ淵」が即日完売(2013/9/17)
管理適正評価 ちょうど1割 たった1割達成 普及・推進に欠かせない業界連携
2025年度上期末のマンション管理適正評価制度の受託組合数・登録数・登録率実績の高い管理会社
| 会員社名 | 受託組合数 | 登録数 | 登録率(%) |
| 日本ハスズィング | 9,146 | 1,326 | 14.5 |
| 東急コミュニティー | 8,061 | 968 | 12.0 |
| 三菱地所コミュニティ | 4,303 | 857 | 19.9 |
| 三井不動産レジサービス※ | 3,107 | 1,078 | 34.7 |
| 長谷工コミュニティ※ | 4,142 | 621 | 15.0 |
| 大和ライフネクスト | 4,022 | 623 | 15.5 |
| 野村不動産パートナーズ | 2,347 | 556 | 23.7 |
| 大成有楽不動産 | 753 | 89 | 11.8 |
| 近鉄住宅管理 | 797 | 196 | 24.6 |
| 阪急阪神ハウジングサポート | 400 | 62 | 15.5 |
| 日鉄コミュニティ | 619 | 79 | 12.8 |
※三井不レジサービス、長谷工コミニティは分社化会社の数字との合計
マ2025年マンション管理適正評価.pdf
マンション管理業協会が1月16日発表した「マンション管理適正評価制度」の普及・推進に貢献した会員社リストをもとに、2025年度上期末時点の受託組合数・登録数が多く、登録率が高い管理会社をリストアップした。なかなか興味深い結果が得られた。
受託組合数がもっとも多いのは日本ハウズィングの9,146組合で、以下、東急コミュニティー、三菱地所コミュニティの順となっている。登録件数が多いのは日本ハウズィングの1,326件で、三井不動産レジデンシャルサービス、東急コミュニティーの順だ。登録率がもっとも高いのは三井不動産レジデンシャルサービスの34.7%で、24.6%の近鉄住宅管理、23.7%の野村不動産パートナーズと続く。
同協会が昨年の賀詞交歓会で公表した同制度の2024年度末の登録件数がもっとも多かった大京アステージ(登録件数1,130件、登録率15.1%)や穴吹コミュニティ(登録件数444件、登録率21.5%)が漏れているのは、今回は2025年上期の実績を対象にしたためだ。
記者は、2023年6月13日に行われた同協会懇親会で副理事長・小佐野台氏(日本ハウズィング代表取締役社長CEO)が「2年後のマンション適正管理評価件数を1万戸にするには、会員354社の管理件数の1割で達成できます。ちょうど1割、たった1割(爆笑、拍手喝采)で達成できます」と呼び掛けたのを忘れない。
目標の1万戸達成は2025年3月末では達成できず、2025年11月にずれ込んだ。記者は、登録数1万件が多いのか少ないのか、判断材料を持ち合わせないが、みんなで決めた「ちょうど1割、たった1割」を守れなかったことは反省すべきだと思う。1割未達の管理会社は奮起しなければならない。
その反省の意味が込められているのか、賀詞交歓会で世古理事長は「管理の現状を〝見える化〟することで、その改善を促し、お住まいの方々の居住価値を高める」「仲介市場でこれを開示することでマンションの市場価値を高める」「管理会社の役割や貢献を〝見える化〟する」「有用なデータの活用にも今年からはさらに積極的に取り組む」と語った。また、副理事・問田和宏氏(野村不動産パートナーズ社長)は「管理会社の価値が問われる一年になる」と述べた。他の来賓の方々も同制度の普及は「安心・安全」につながると期待を寄せた。
記者は、この制度を飛躍的に伸ばすには、同協会の努力だけでは不十分で、不動産流通会社や住宅金融支援機構、物件情報サイトが連携することが不可欠だと思っている。
マンション購入者にしてみれば、同制度に登録されているかどうかで物件選びはしないだろうが、今はAIの時代だ。物件選考の指標として分譲会社、建設会社、管理会社などとともに「マンション管理適正評価」「管理業者管理者方式」「ZEH」「環境性能表示」「免震」などのキーワードで物件選びができるようにしなければならない。現在、管理評価が掲載されている不動産情報サイトは13あるが、多くのサイトは「物件名」を検索しないと、同制度に登録されているかどうかは分からない仕組みになっているようだ(「SUUMO」と野村不動産ソリューションズ「ノムコム」の「マンションデータPlus」は比較的検索がらく)。
評点が低い管理組合は〝劣等生〟であることを公表することには抵抗感はあるだろうが、マンションは商品でもある。商品価値を上げるためには、適正な管理が行われているかどうかを第三者に公開することは欠かせない。この制度のいいところは、少し頑張れは劣等生でも優等生になれることだ。登録に前向きに取り組んでいただきたい。
◇ ◆ ◇
マンション管理適正評価制度と管理業者管理者方式の普及・推進を阻む〝壁〟についても考えてみた。
記者は、管理組合と管理会社の関係は「夫婦」に似ているのではないかと思う。どちらが男か女か、あるいは同性愛者か両性具有者かは分からないが、肝心なのは「愛」だ。愛があれば、Win-Winの関係は構築できるはずだ。
しかし、管理組合と管理会社は良好な関係にないことをうかがわわせる情報がネットには氾濫している。
例えば、双方の関係性について。「マンションの管理の主体は、マンションの区分所有者等で構成される管理組合にあります」(マンション管理業協会)は当然として、「すべての業務が管理会社経由のため業務委託費が割高になることが多い」「管理会社自身も、外注した業務を専門業者に丸投げしていることも少なくないので、定期的に開催される理事会で執行状況をチェックすることが必要」(SUUMO)とある。
当事者である管理会社も、マンション管理会社を利用するデメリットとして「コストが発生する」「サービスの質にばらつきがある」「コミュニケーション不足」を上げ、マンション管理会社を選ぶポイントとして「実績や評判をチェックする」「サービス内容がニーズに合っているか」「管理スタッフの教育がしっかりしているか」「問題が起きたときにすぐ対応してくれるか」「お金の管理がしっかりしているか」などと発している(この会社の登録件数を知りたい)。
利益相反についても、「発注者たる管理者としてはなるべく安く発注することが利益となり、受注者たる管理会社はなるべく高く受注することが(株主)利益となる、構造的に利益が相反する関係」(香川総合法律事務所代表弁護士・香川希理氏)「発注者側である管理組合が、利益相反の構造を正確に理解し、それを踏まえて判断しているかどうか」「そのような説明が一切ないままに業者や方式が選ばれているとすれば、それは透明性に欠け、適正な意思決定とは言えません」(一般社団法人マンション適正管理サポートセンター)という声がある。
マンション管理会社変更のことを「リプレイス」と呼ぶそうで、これがまた凄い。「分譲マンション管理会社首都圏リプレイス満足度ランキング」が発表されている。1位・大和ライフネクスト、2位・東急コミュニティー、3位・日本ハウズィング、4位・合人社計画研究所とある(オリコン顧客満足度ランキング)。
個社のホームページでも「他社からの変更等の受託比率約60%」(管理実績約28万戸=大和ライフネクスト)「管理実績の約30%が他社からの切り替え-業界トップクラス」(マンション管理戸数約47万戸=東急コミュニティー)と謳っている。
――何をかいわんや。いつから管理組合と管理会社はこのような〝愛と憎しみは紙一重〟の関係に陥ったのか。国土交通省の「マンション基本調査」によると、平成20年度(2008年度)のリプレイ率は13.2%だったのが、令和5年度(2023年度)は24.5%に増加している。この数値からは、リプレイが増加したのはリーマン・ショック後であることが分かる。
断っておくが、記者はリプレイが悪いとは思わない。「女房と畳は新しい方がいい」(「糟糠の妻」「女房と味噌は古いほどいい」もあるし、記者は「女房」「妻」を「夫」に置き換えるのもありだと考える)ということわざもある。「愛」が冷めたのに、だらだら恋々と関係を続けるのは双方にとって不幸なことだ。
双方の関係が不安定になっているのは他にも要因がありそうだ。愛を育む温床であるはずの地域も家庭も、高度成長-バブルの発生と消滅-失われた35年で破壊されつくされた。マンション管理では、車の両輪の片方であるはずのコミュニティ条項が10年前に削除され、息の根を止められたのが決定的だった。証拠はある。国交省のマンション基本調査によれば、町内会・自治会などのコミュニティ活動へ参加していない管理組合は昭和49年以前の30.8%から令和2年以降は61.8%へ倍増している。居住者同士の触れ合いの場ともなる集会室が設けられているのは昭和49年以前は65.9%なのに対し、令和2年以降は36.5%激減している(最近の大規模物件ではコミュニティスペースなどは充実しているが)。
大越さん、それでも小生が管理業者管理者方式に賛成するのは、もう悪あがきはやめて、病葉のように時の流れに身を任すのが賢明と考えたからです。「愛」を語るには年を取り過ぎた。たまに「愛してるよ」と語りかけても「あなたは口先だけ」とそっぽを向かれる。〝二つの老い〟を劇的に解消する回春剤などありはしない。ならば、月額1,000円で済むのであれば、管理業者管理者方式(もっと気の利いた言葉はないのか)に任せようではないか。
マンション管理適正評価制度 普及・推進に貢献した会員表彰(2026/1/16)表彰
「管理の〝見える化〟適正化に貢献」世古理事長 マンション管理協賀詞交歓会(2026/1/15)
マンション管理業者管理者方式 記者の考えと真逆のジャーナリスト大越論文(2026/1/9)
マンション管理適正評価 登録率は遠鉄アシスト、登録件数は大京アステージ1位(2025/1/19)
星の数より件数 2年後の適正管理評価1万件目指す マンション管理協 総会・懇親会(2023/6/14)
「管理者と管理業者は構造的に利益相反の関係」香川弁護士 旭化成不レジ 基調講演(2024/8/23)
