住宅価格測るモノサシ必要 東京カンテイ年収倍率マンションに意味はあるのか
東京カンテイは12月8日、2024年の新築マンション年収倍率は、全国平均で10.38倍(平均年収466万円)と前年から0.29拡大し、もっとも年収倍率が高かったのは東京都の17.00倍(平均年収636万円)で、地方圏でも9倍台や10倍台のエリアが前年の16→21に増加したと発表した。
調査は、各都道府県で分譲された新築マンション価格(70㎡換算)を平均年収で除し、新築価格が年収の何倍に相当するかを算出したもの。年収は内閣府発表の「県民経済計算」を基にした予測値を使用している。
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記者は同社の恒例となっているマンションの年収倍率リリースに異論をはさむ意図はないが、社会・経済状況が一変した今日、概念があいまいな「年収」と住宅価格を比較して高いか安いかを論じる意味はないと思う。
そもそも「県民経済計算」の「一人当たり県民所得」とは、居住者(個人、法人企業、行政機関)を対象とした県民所得を県の総人口で割って算出した額で、個人の所得水準ではない。
また、バブル崩壊までのマンションは、専業主婦層が圧倒的多数派を占めていたファミリー層をターゲットにしていたが、バブル崩壊後の1990年代には専業主婦層と共働き世帯層の比率は逆転し、現在では共働き世帯のペアローン利用比率は3割以上に達している。一人当たり年収ではなく、住宅購入需要層の世帯年収を基準にすべきではないか。
さらに言えば、住宅ローン金利と購買力は不可分だ。住宅ローン金利は、バブル崩壊までは5~6%が一般的だったのに対し、現在は変動型なら1%を割っている。バブル崩壊前の住宅価格と住宅ローン金利をそのまま踏襲して、年収と単純比較する意味はないはずだ。
記者は、地域の経済力、生活利便施設の集積度や緑環境、歴史・文化など総合的な住環境と住宅価格水準を比較すべきではないか。その意味で、LIFULL HOME'S総研の「Sensuous City(センシュアス・シティ)」の概念は参考になると思う。住宅価格の価値を測る新しいモノサシをだれか開発しないか。
誰のための調査か森記念財団「日本の都市評価特性」とLIFULL「官能都市」比較(2025/10/11)
「Sensuous City(センシュアス・シティ)[官能都市] 2025」発刊LIFULL HOME'S(2025/9/25)
省エネ・ZEH水準化が課題 リノベセミナー/ZEH水準「芝浦アイランド」見学会

「中古・リノベーションマンション市場の動向・展望」セミナー(コスモスイニシア本社が入居する新田町ビルで)
一般社団法人リノベーション協議会と性能向上リノベの会は11月28日、「中古・リノベーションマンション市場の動向・展望-新築供給の構造的減少により中古・リノベが主戦場に-」と題するメディア向け業界動向セミナーを開催。冒頭、SUUMO編集長兼SUUMOリサーチセンター長・池本洋一氏が最近の新築マンション市場やストック市場、近く示される住生活基本法の重点項目などについて解説・説明し、その後、池本氏もゲストとして加わり、リノベーション協議会会長・内山博文氏がモデレーターを務め、パネリストのエフステージマーケティング企画室/ブランド事業部・伊藤洸氏、コスモスイニシア商品企画部部長・辻井正人氏、NCN環境設計部次長・東憲一氏がそれぞれの立場から現況や展望などについて話しあった。
池本氏は、新築マンション市場や中古マンション市場について説明したあと、新たな住生活基本計画ではストック活用が最大のテーマになることから、良質住宅が市場で適正に評価される取り組みが重要で、断熱性能やZEHなど〝見えない〟性能を消費者に分かりやすく伝えることが課題であると語った。
セミナーでは、〝首都圏シェア№1〟のエフステージ伊藤氏は、2024年度の売上高は336億円で、販売戸数は767戸(1戸当たり4,380万円)。2027年度は売上高500億円、販売戸数1,000戸を目指すと語った。
コスモスイニシア辻井氏は、2026年3月期のリノベーションマンション事業の売上高は255億円、売上高総利益率は16.3%を予想しており、1戸当たり販売額は約1.2億円と話した。
エヌ・シー・エヌ東氏は、同社と連携している三菱地所レジデンスは販売している中古マンションの60%超がZEH・省エネ化を実現していると話した(配布資料によると、現在、中古マンションのZEH・省エネ化率は18%)。
一般社団法人リノベーション協議会(旧リノベーション住宅推進協議会)の設立は2009年。理事長には、当時業界最大手のインテリックス社長・山本卓也氏(現会長)が就任。設立趣旨に「消費者が安心て既存住宅を選べる市場をつくり、既存住宅の流通を活性化させること」とあるように、雨後の筍のように乱立し、リフォームなどほとんど行わず、買い取った中古住宅に利益を上乗せして転売する業者も多く、それらの業者と一線を画す狙いがあったようだ。
現在の会員数は745社。買取再販を手掛ける不動産業者の約3割のようだ。自主規制の「必要な改修工事を施し、その記録を住宅履歴情報として保管する」適合R(リノベーション)住宅」の累計件数は約8万件。
一方、平成29年度に施行された国の「安心R住宅」の令和6年度末の累計件数は10,942戸で、マンションが過半を占めている。

内山氏
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記者は、リフォーム・リノベマンションについては、2009年のタカラレーベン「ル・アール蘇我」を皮切りにデベロッパー、ハウスメーカーなど供給会社でいえば10社くらい見学取材しているが、買取再販大手のカチタス、レジデンシャル不動産、スターマイカなどはほとんど見学したことがない。
この業界についてはよくわからないのだが、矢野経済研究所は、2025年度の全国の中古住宅買取再販の成約戸数は前年比18.8%増の62,700戸を予測している。今年度の全国の中古住宅成約件数は16~17万戸くらいになると思われるので、比率は37~40%くらいか。
また、LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)」のリリースによると、2025年4月の築31年以上の中古マンション買取再販物件の掲載割合は、首都圏が43.8%、全国では29.9%となっている。東京23区の買取再販物件の平均価格は5,231万円で、新築マンションの平均価格9,000万円と比べると約3,700万円の差があるとしている。
業界の課題は、セミナーでも話されたように、省エネ性の向上だ。国は新築住宅については2030年にZEH水準を義務化すると打ち出している。ZEH水準を満たさないマンションや分譲戸建てはもはや市場で流通しえない。中古住宅についても同様にZEH水準とすることが求められる。そうでないものは価格競争力を失うのは必至だ。
この点について、コスモスイニシアは今年7月、他社に先駆け「住宅省エネルギー性能証明書」取得率を30%にすると発表した。この30%は高いのか低いのか、内山氏に聞いたら「高い目標」「将来的(2030年)にはそうしたい思いはある」と答えたのにとどまった。
伊藤氏は、購入検討者の省エネ住宅への関心は高いものの、住宅ローン控除は選好に影響がみられないとし、この乖離を縮小するのが課題と話した。
記者は、リフォームもリノベーションも、陳腐化した間取りを一新し、建具・家具、水回り設備の更新は当たり前で、やはり熱の出入りが激しい窓の断熱化を図るべきだと思う。メーカーの開発も進んでいる。管理組合が断熱窓を採用しなくても、自己負担で取り換えることができるし、補助金も出る。省エネ・ZEH水準にすれば、ローン控除額はそうでないものより累計224万円(省エネ)、269万円(ZEH)控除額が増える。そして何より快適性が格段に向上する。
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コスモスイニシアはセミナー後、ZEH水準を取得した築19年の「芝浦アイランドグローブタワー」のメディア向け内覧会を行った。専有面積は84.92㎡で、従前は3LDKだったのを、共働き夫婦の入居を想定し2LDK+WICに変更したもの。〝オーバーラップ〟と呼ぶ設計思想をコンセプトに、動線を効率的にし、それぞれの空間をシームレスにつないでいるのが特徴。LDKを22.8畳確保し、レインボーブリッジが目の前に見える部分にヌック(2畳大か)を設け、キッチンはL型に変更して仕事や趣味に生かせる空間にし、収納は1か所に集約したほか、広い土間空間を設けている。販売価格は27,500万円(坪単価1,069万円)。
「芝浦アイランド」の記事を添付する。今回販売される住戸の坪単価は276万円くらいだったと思われる。約3.8倍の上昇率だ。当初からペアガラスを採用していたのがZEH水準化を可能にした要因の一つで、天井高も約2600ミリ確保されている。

ヌック(左)とLDK

玄関

キッチンはダークトーンにまとめ、天板も黒系で統一

洗面(タオル掛けは従前は1か所)
人と人・空間を自在に操る通り土間付きリノベ「湯島ハイタウン」コスモスイニシア(2025/9/4)
「住宅省エネルギー性能証明書」取得率30%の意味 3割打者と同じ価値があるのか(2025/7/17)
Before12.9万円⇒After19.3万円リノベ効果覿面東急不動産×リノべる「北葛西」(2025/6/19)
井戸・池・せせらぎの価値は1億円超/年小田急バス×ブルースタジオ「meedo」(2025/5/17)
14年も前から断熱窓の提案に驚愕インテリックス「青山リノベーションスタジオ」(2025/7/4)
築47年+88年三井不&青木茂建築工房「リファイニング建築®」7件目「本駒込」(2024/3/15)
「死んだ家が蘇った」オーナー空き家リノベラボ「太子堂の家」完成 Jam(2025/3/9)
ミレニアル&Z世代の心つかむか三井不レジ単身女性向けリノベ賃貸「KORAKUEN」(2024/3/8)
大和ハウスリブネス事業買取再販軸に4000億円に拡大事業用にも対応(2024/5/15)
バブル時坪450万円⇒リノベ坪211万円コスモスイニシア「湘南タワーズ」分譲(2021/6/10)
20年、30年前の記憶蘇る大和ハウスリノベマンション「リブネスモア戸田公園」(2020/9/24)
三菱地所レジ 1棟リノベ「ザ・パークリモア白金台三丁目」は全14戸が200㎡超(2017/1/16)
リビタ 一棟丸ごとリノベーション「つくば春日」 30坪で施工は鹿島(2014/6/16)
タカラレーベン 好調リニューアルマンション「ル・アール蘇我」は4日間で120組超(2009/5/25)
賃貸マンションの概念を変える 「芝浦アイランド・エアタワー」(2007/3/8)
街全体の資産性と割安感が人気「芝浦アイランド」(2006/12/12)
「芝浦アイランド地区プロジェクト」島びらき(2007/3/22)
三井不動産など「芝浦アイランド」全体が竣工(2008/9/18)
坪単価600万円に納得 高い居住性能 反響1万件へ 大和ハウス「船橋」

「プレミストタワー船橋」
大和ハウス工業(事業比率75%)は11月27日、千葉県最高層&最高単価となる船橋駅徒歩2分の住宅・商業・広場一体開発の51階建てタワーマンション「プレミストタワー船橋」(677戸)のメディア向け内覧会を行った。予想される坪単価はかつてない600万円になる模様で、関係者の間でも話題になっており、千葉のマンションの命運がかかっている注目物件だ。モデルルームを見学して、アッパーミドル・富裕層をターゲットにした41階以上の128戸は人気を呼ぶ可能性は高いと見た。坪単価600万円もありかと。
現地は、西武百貨店跡地。同社が2021年に用地を取得。その後、市と協議を重ね、JR船橋駅と京成船橋をペデストリアンデッキでそれぞれ結び、防災拠点や公共施設を整備する計画が評価され、従前の都市計画上の容積率600%が900%に緩和された。
建物の2階には広場「フォレストアリーナ」を設け、京成船橋駅とペデストリアンデッキで結び、1階・2階には地域用の防災備蓄倉庫、3階にはワークスペースを兼ねた帰宅困難者一時避難スペースを設けている。1階~3階は商業施設、4階~6階は事務所など。
主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented、低炭素建築物認定、二重床・二重天井、リビング天井高2600ミリ(7~40階)・2900ミリ(41~48階)・3200ミリ(49~51階)、ディスポーザー、食洗機、フィオレストーンキッチン天板、ハイサッシ・ハイドア、LIXILと共同開発したスマートホームシステム、タンクレストイレ、床タイル仕上げ(一部除く)、浴室タオル掛け2か所など。共用施設はフィットネスルーム、ランドリールーム、ゲストルーム、カフェスペース・ワークスペース・ライブラリースペースからなる「パノラマラウンジ」(164㎡)など。
物件は、JR・東武アーバンパークライン船橋駅から徒歩2分、京成本線京成船橋駅から徒歩4分、船橋市本町一丁目の商業地域に位置する敷地面積約6,668㎡、51階建て全677戸。専有面積は43.71~134.02㎡、全63タイプ。価格は未定だが、坪単価は600万円になる模様。売主は同社のほか東京建物(事業比率12.5%)、京成電鉄(同12.5%)。竣工予定は2028年3月。設計・監理は長谷工コーポレーション、久米設計。施工は長谷工コーポレーション。
これまでのエントリー数は7,000件で、約6割は千葉県居住者。うち3割が船橋市居住者。都内は中央・港・江東など約3割。持家は約7割。11月からのモデルルーム案内会来場者は約800件。
内覧会で同社東京本店マンション事業部長・永井壮氏は、「2018年に用地を取得してから地権者から優先交渉権を得て実現した。マンション市場は都心部も郊外部も建築費の高騰などで難しい局面を迎えているが、昭島で分譲したマンション同様、再開発案件ではないが街づくり型の面開発を行い、住戸プランは7~40階のSuperior(549戸)、41~48階のUpper Suite(95戸)、49~51階のTop Suite(33戸)の3グレードに分けた」と話した。
また、同社東京本店マンション事業部販売事務所長・細川智史氏は、「これまでのペースからしてエントリー数は1万件と予想している。エントリー者のメインは約3割が市内の経営者、1割が医師。年齢は50代以上が2割。都内からの反響は都心部のタワーマンションを回遊している人が中心。Upper、Topの手ごたえは十分。販売は来年2月7日登録を予定している」などと語った。

外観

模型(低層部)

永井氏(左)と細川氏

130Aモデルルーム

75Cモデルルーム

80Fモデルルーム
◇ ◆ ◇
記者は、同社が9月9月3日に行った「マンション事業計画説明会」で、同社上席執行役員の富樫紀夫氏(62)が「プレミストタワー船橋」について触れ、「地区計画の高さ規制をクリアするため地域の地権者などから全員合意を得て、3年くらいかけて役所との協議を進めてきた…当初の販売価格は坪320~330万円を予定していたが、建築費は倍くらいになったので、販売価格は倍とまではいかないが、かなりそれに近い金額になりそう」と語ったのに、驚嘆した。
富樫氏も語ったように、土地を仕入れた時点の坪320~330万円というのは極めて妥当な価格だ。その後の価格暴騰は、富樫氏も予想できなかったはずだが、容積率を600%を900%に緩和させたのは天晴れというほかない。従前の容積率だったら、予想される坪600万円は絶対不可だろう。
ご存じない方も多いだろうから、バブル期の千葉県のマンション価格(単価)がどれくらいだったかを、当時記者が書いた記事から紹介する。バブルがはじける直前の平成2年の坪単価は、3月の「船橋」は448万円、5月の「本八幡」は521万円、7月の「船橋」は414万円、9月の「京成大久保」は465万円、11月の「木更津」は405万円…などとある。「船橋」「市川」などは坪450~500万円が相場となっていた。
その後、バブル崩壊後の単価は関係者もご存じだろう。直近の最高値は、2024年分譲の東京建物他「Brillia Tower 千葉」の坪単価421万円のはずで、三井不動産レジデンシャル「パークタワー柏の葉キャンパス」(629戸)の坪単価は記者予想の430万円くらいになると見ている。
これらからして、いかに「プレミストタワー船橋」の単価が突出しているかお分かりだろう。記者は、モデルルームを見学するまで、販売は容易ではないと見ていた。
ところが、3タイプのモデルルームを見学して、坪単価600万円もありかと考えを改めた。住戸プランはワイドスパンが中心で、設備仕様レベルも高い。そして、大きなインパクトになると見たのは天井高だ。リビングは最低でも2600ミリ、最大で3200ミリあり、Upper、Topはトイレ、廊下も2500ミリだ。ドアも天井まである。このような居住性の高いマンションは、これまで千葉県では供給されたことはないはずだ(記者は、これまでで最も天井高の高いマンションは「パークコート六本木ヒルトップ」だと見ている)。市内を離れられない経営者・富裕層が食指を伸ばすのは容易に想像できる。最高価格は7億円を超えるというから、坪単価にしたら1,724万円だ。これもありか。何も東京を起点にしなくてもいいということか。
ただ、ボリュームゾーンのSuperiorについては値付けに苦慮するのではないか。県都の「千葉」でも坪421万円だ。同社も売主になっている「西千葉」は坪270万円だ。都内江東区の「小岩」などは坪500万円台の前半だ。細川氏は「竣工までに完売したい」と語ったが…。

134㎡モデルルーム オプションのキッチン

オプションの幅1.8mの両開きドア

ドア天井も2500ミリ

猫足つき浴槽

現地
全国のマンション 富裕層やシニア層のセカンド・投資・移住ニーズ継続 大和ハウス(2025/9/15)
大和ハウス他「プレミストタワー船橋」(677戸)反響4500件超 単価は500万円超(2025/9/3)
第1期90戸は坪421万円 高額住戸中心に人気 東京建物他「Brillia Tower 千葉」(2024/4/17)
現段階で最高品質のマンション三井不動産レジデンシャル「パークコート六本木ヒルトップ」(2011/11/16)
オープンハウス ラグジュアリーブランド「イノベイシア恵比寿」
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「イノベイシア恵比寿」
オープンハウスは11月26日、GINZA SIXに開設したラグジュアリーブランド「INNOVACIA(イノベイシア)」専用サロンのメディア向け内覧会を開催。オープンハウス・ディベロップメント取締役マンション開発事業部長・川上智宏氏が同社のマンション事業の特徴などについて説明した。新ブランドの第一号「イノベイシア恵比寿」の坪単価は1,000万円強になる模様だ。サロンでは、VRスペースのほか「Haruki」「Kafka」などアーティストの名前にちなんだ6つの個室を用意している。
川上氏は、2008年に第一号を供給した当時からの姿勢として①土地の特徴を生かした柔軟性②圧倒的な決断の速さ③(当時は謳っていなかったが)〝便利地・好立地〟のマーケットイン④セールバリューを堅持しており、その結果、東京都の2024年のマンション供給量は4,941戸で、2位の野村不動産ホールディングスの3,584戸を上回り、4年連続トップであることを強調した。
新ブランドについては、「必要なものをしっかりと見極め、こだわるべきところには徹底的にこだわる。自分にとって大切ものを知る人にこそこれまでにない価値を実感していただけるはず」などと話した。
「イノベイシア恵比寿」は、JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン恵比寿駅から徒歩9分、目黒駅から徒歩11分、目黒区三田二丁目の第一種住居地域(建ぺい率60%、容積率300%=前面道路幅員により160%)に位置する敷地面積約1,909.67㎡、5階建て全46戸(優先・先行分譲募集対象住戸21戸含む)。現在、先着順で分譲中の住戸(5戸)の専有面積は58.19~81.05㎡、価格は17,000万~26,000万円。第1期2次(3戸)の専有面積は56.52~75.93㎡、価格は18,000万~31,000万円。竣工予定は2026年8月下旬。売主はオープンハウス・ディベロップメント。施工は丸彦渡辺建設。設計・監理は共同エンジニアリング。共用部設計はデザイナー・柳原照弘氏。
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「イノベイシア恵比寿」
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「INNOVACIA(イノベイシア)」専用サロン

「INNOVACIA(イノベイシア)」専用サロン

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「INNOVACIA(イノベイシア)」専用サロン
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内覧会が始まったのは午後1時から。記者は2時から野村不動産ホールディングスの記者懇親会の取材が入っており、わずか20分しか取材できなかった。アーティストの名を付けた個室は見ておらず(他の4人のアーティストはだれか、とても興味がある)、おおその見当はくが、マンションの現場も見学していないことを最初にお断りしておく。
現地は見ていないが、三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス 恵比寿南」とは、道路を隔てた対面に位置する。恵比寿ガーデンプレイスに近接している。
物件概要からすると、坪単価は1,000万円強のはずだ。高いか安いかはユーザーが判断することだが、最近のマンション相場からしたらかなり割安感がある。
サロンに設けられたサンプルルームは、よくできていると思う。キッチン・洗面天板はシーザーストーン、食洗機(Miele)、ミストサウナなど。ワインセラーが設けられているのはとてもいい。
取材の帰りに頂いた、柳原氏がクリエイティブディレクターを務める「1616/arita japan」はかみさんが絶賛した。通常の陶器製品の1.8倍の強度があるそうだ。この皿に盛られる食材は幸せだ。味も1.8倍に跳ね上がるのではないか。
記者は、同社がマンション分譲を始めたころの物件を結構見学している。添付したので参照していただきたい。「南青山」の記事はアクセス数が約6,000件だ。

柳原氏
恵比寿駅圏の最高峰坪900万に迫る野村不「恵比寿ヒルサイドガーデン」が人気(2019/4/19)
平成最後の寒波もろともせず坪750万円の住友不「恵比寿」竣工(2019/4/12)
〝グラン〟に負けない商品企画三菱地所レジ他「ザ・パークハウス恵比寿南」(2021/3/26)
「有力新人が入った。来年は優勝だ」オープンハウス光永監督吠える(2021/7/23)
オープンハウス「代々木」に続き「銀座2丁目」「虎ノ門」「青山1丁目」など予定(2016/1/18)
光井純氏デザイン監修 オープンハウス「南青山」 上々スタート(2014/10/20)
オープンハウス「オープンレジデンス桜新町Avenue」わずか10日間でほぼ完売(2010/2/11)
船橋・南船橋で再開発3物件 マンション3,000戸 相乗効果か共倒れか

「若松二丁目住宅マンション建替え事業」
若松二丁目住宅マンション建替組合と、参加組合員として参画している野村不動産、三井不動産レジデンシャル、旭化成ホームズ、日鉄興和不動産は11月17日、同組合が施行する「若松二丁目住宅マンション建替え事業」を10月31日に着工したと発表した。事業は、千葉県内最大規模の建替え事業で、国土交通省の「令和4年度マンションストック長寿命化等モデル事業」に採択されている。
「若松二丁目住宅」は、JR南船橋駅に近接、船橋市若松二丁目に位置する敷地面積約42,306㎡、延床面積約30,241㎡、5階建て17棟、総戸数576戸。竣工年は1969年。2007 年ころから管理組合内で建替えの検討を開始し、2012年に建替え推進決議を可決、2014年に事業協力者の選定を行い、2023年3月、一括建替えを決議。工期は2期に分かれており、先行工区の竣工は2028年の予定。
建築基準法第86条の一団地認定の分割・再設定、総合設計制度の活用などにより、敷地分割を行いながら一体的な街並みの実現を図る。
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船橋駅圏では現在、船橋駅から徒歩11分のJR東日本の社宅跡地約45,400㎡で「(仮称)JR 船橋市場町社宅跡地開発計画」が進行中で、同社と同社グループのジェイアール東日本都市開発、東急不動産の3社が2028年完成を目指し約1,000戸のマンションを建設する。
「若松二丁目住宅」がどれくらいの規模になるかは不明だが、敷地規模と総合設計制度を活用することなどから、「(仮称)JR 船橋市場町社宅跡地」を上回る可能性もある。双方で2,000戸超だ。船橋駅前では、坪単価600万円といわれる大和ハウス「プレミストタワー船橋」(677戸)の分譲が始まる。3物件を合わせると3,000戸くらいになりそうだ。
常識的に考えたら、需要規模は3物件併せて年間500戸くらいと思われも完売まで6年かかる計算だ。相乗効果を発揮するのか、共倒れになるのか。
坪単価は首都圏最安値か 総合地所「ルネ加須」117戸 平均90㎡、100㎡超も34戸
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「ルネ加須/ワンハンドレッド・レジデンス」
総合地所は11月18日、駅圏で34年ぶりの供給となる「ルネ加須/ワンハンドレッド・レジデンス」のメディア向け見学会を行った。価格は「未定」だが、現在の市場からして信じられない低単価に設定し、全117戸の平均専有面積を90㎡確保し、100㎡超も34戸用意するなど、立地のハンディを単価の安さと広さで克服・アピールする意欲的な物件だ。
物件は、東武伊勢崎線加須(かぞ)駅から徒歩5分、加須市元町の商業地域(建ぺい率80%、容積率400%)に位置する12階建て全117戸。専有面積は78.30~102.93㎡、価格は未定。竣工予定は2026年11月下旬。設計・施工は長谷工コーポレーション、販売代理は長谷工アーベスト。12月に分譲開始する予定。
2025年7月に物件ホームページを公開。10月から案内会を開始しており、これまでのモデルルーム来場者は約70件。属性は、居住地は市内が65%、隣接市(久喜・羽生市など)が10%。年代は20~30代が30%、40代が25%、50代が25%、60代超が20%。勤務地は市内が50%、隣接市が10%、都内が20%。家族構成は2人が40%、3人が20%、4人以上が10%、単身者が20%弱。持家は約50%、賃貸は約30%。
現地の従前はパチンコ屋。用地取得は2024年5月(前年に契約)。敷地は東西軸が長い長方形で、敷地と道路を挟んだ北東側の15.9m地先は東武線の線路。建物は1フロア12戸構成で全戸南南西向き。
主な基本性能・設備仕様はZEH-M Oriented、Low-Eガラス、直床、リビング天井高2450~2500ミリ、床暖房、全戸可動式収納「UGOKURO(ウゴクロ)」、食洗機(オプション)、浴室タオル掛けなど。共用施設は約100㎡のスカイフロア(ラウンジ・パーティルーム・ゲストルーム)。全戸駐車スペース付き。
見学会で同社分譲事業部マンション開発部開発1課課長・石井大祐氏は、「新規供給が34年ぶりというケアなエリア。平均専有面積を90㎡とし、100㎡超も34戸用意、共用施設も100㎡、駐車場も100台確保するなど〝ワンハンドレッドッド〟にチャレンジした。価格は現段階で公表できないが、78㎡で4,000万円を切る住戸も用意する予定」と語った。

スカイラウンジ

パーティルーム(左)とゲストルーム

モデルルーム
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埼玉県人でも「かす」と読む人は多いはずだが、加須市は人口約11万人のこいのぼりとうどんで有名な埼玉県最北の市だ。市の北側に利根川が流れている。
昨年は、加須駅より一駅手前の花崎駅圏の調整区域内の分譲戸建てタカラレーベン「レーベンプラッツ加須はなさき公園」を取材しており、価格は4,000万円台だったので、同社が加須駅圏でマンションを分譲することを聞いてびっくりした。正気の沙汰ではないと。
ところが、石井氏から最低価格は「78㎡で4,000万円を切る」と聞いて、またびっくり。坪単価に換算すると約168万円だ。単価を1層当たり1割上乗せすれば最上階は約200万円となる。その中間を取ると坪単価は185万円となる。100㎡の住戸は5,000万円台半ばから6,000万円台の前半だ。大宮を中心にすれば、3分の1くらいの価格となる。
これほどまで安い単価で分譲できるのは、用地取得が相当安かったはずで、この予想が当たっていれば、首都圏はもちろん、全国地方都市を含めて今年の最安値の物件になるのは間違いない。記者は今年初め、大和地所レジデンス「ヴェレーナシティ木更津マリーナベイ」(147戸)を取材しているが、坪単価は180万円台半ばだった。
モデルルーム来場者は初めてマンションを見る人が多いようだ。販売動向からは目が離せない物件だ。今年一番の注目物件かもしれない。坪185万円で郊外・地方のマンションが建つのなら少しは展望が開けてくる。記者は、アッパーミドル・富裕層向けは高値追及しても構わないが(大手デベロッパーの粗利は軒並み30%を超えているのはそのため)、一般的なファミリー層向けは利益率を抑えて供給してほしいと願っている。

現地

駅前の商店街(閑散としていた)
坪単価180万円台半ば 第1期43戸完売 大和地所レジ「ヴェレーナシティ木更津」(2025/1/22)
調整区域の平屋41棟 敷地300㎡超が好調 〝地域のタカラ〟目指せ(2024/12/7)
都心マンションのメルクマールとなる東京建物「乃木坂」1期1次20戸完売

「Brillia Tower 乃木坂」
記者が今年一番の注目物件と目している東京建物「Brillia Tower 乃木坂」が好調なスタートを切ったようだ。注目しているのは平均坪単価で、2,000万円と言われていることだ。すでに都心の一等地の、いわゆるヴィンテージマンションの坪単価は2,000万円を突破しており、かつてのバブル期がそうであったように、中古価格がメルクマールとなって新築価格を引き上げる構図が「乃木坂」の好調スタートで完成したと見ている。
物件は、東京メトロ千代田線乃木坂駅直結、港区南青山一丁目の商業地域、近隣商業地域、第二種住居地域に位置する敷地面積約2,901㎡、27階建て全102戸 (一般販売37戸、募集対象外住戸65戸)。64.66㎡~176.39㎡(2025年11月中旬販売開始予定の専有面積は65.32~124.63㎡(戸数、価格は未定だが、本販売期以降の総販売戸数17戸に対応)。竣工予定は2028年1月中旬。設計・施工は三井住友建設。デザイン監修はホシノアーキテクツ。
同社は2025年3月31日からエントリーを開始しており、これまでの反響数は約6,700件。10月に第1期第1次として20戸(専有面積64.66~176.39㎡、価格3.2億円~25億円、坪単価は非公表)を供給しており、これまでに全戸が成約・申込み済みとなっている。

1階ラウンジ
◇ ◆ ◇
記者は、都心のマンション坪単価3,000万円が普通だった〝ドムス〟をはじめとするバブル期を知っているので、今回の物件が坪2,000万円と聞いてもさほど驚かないのだが、今後の都心部の一等地マンションがこの「乃木坂」が指標になるのは間違いないと見ている。
同社はかつて、エポックメーキングとなる「Brillia Tower 池袋」「Brillia Towers 目黒」Brillia Tower 堂島」などを供給して。以後のマンション市場を一変させたことがある。これに「Brillia Tower 乃木坂」が加わったということだ。
大阪の市場を劇的に変えた 東京建物&HPL「ONE DOJIMA PROJECT」竣工(2024/5/18)
「敷地売却制度」を活用したマンション 東京建物「Brillia方南町」

「Brillia方南町」
東京建物は11月4日、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(マンション建替え法)を活用したマンション「Brillia方南町」のエントリーを開始した。1973年に竣工した「秋元ビル南台住宅」を再生するプロジェクト。
「秋元ビル南台住宅」は1973年に竣工した事務所、賃貸住宅および分譲住宅からなる地上権付区分所有建物で、建物の老朽化や耐震強度の不足などに加え、権利者にとっては大きな負担となる借地権の更新協議を控えていたため、同社は事業協力者として権利者様とともに建替え検討を進め、2023年6月に敷地売却決議可決、2024年4月に敷地売却に至った。
事業は、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(マンション建替え法)の「敷地売却制度」を活用するもの。東京都のデータによると、令和7年3月末現在、同制度を活用した事例は15件。
物件は、東京メトロ丸ノ内線方南町駅から徒歩5分、中野区南台五丁目に位置する敷地面積約4,137㎡、11階建て全179戸(従前は賃貸住宅56戸など)。設計はNEXT ARCHITECT&ASSOCIATES、川口土木建築工業。施工は川口土木建築工業。竣工予定は2028年4月。
首都圏マンションデベロッパーの動静を知悉するトータルブレイン杉原副社長に聞く
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杉原氏(2021年写す)
記者はいま、もっとも首都圏マンションの市場動向を的確に把握している人はだれかと聞かれたら、真っ先に分譲マンション事業の市場調査から設計・監理まで幅広いサービスを展開しているトータルブレイン取締役副社長執行役員・杉原禎之氏(62)を上げる。記者とは見解が異なる部分もあるが、質疑応答の形で杉原氏からいろいろ話を聞いた。以下にレポートする。 -と( )の部分は記者。
まず冒頭に杉原氏のプロフィールを紹介する。トータルブレインは1999年10月、当時、マンションの川上から川下まで知悉していた長谷工グループ出身の故・久光龍彦氏が立ち上げた会社だ。杉原氏も長谷工グループ出身で、創業時からの幹部として活躍してきた。
杉原氏は、1963年4月28日生まれ。62歳。長崎県佐世保市出身。趣味は還暦を前に始めたゴルフ(スコアは非公表)とサウナ。酒は「汗を流した後のストレス解消に最適」の500ml入りビールを1日3缶(第3のビール)。22時過ぎには就寝し起床は5時、睡眠時間は6時間(久光氏は20時~4時だった)。朝の6時台には出社。自宅はバブル崩壊後の最安値圏にあったころの大手デベロッパーの分譲マンション(記者もよく知っているレベルの高い物件)。
主な業務は、自ら作成した「月例レポート」を小脇に抱え、1日2~3社、月間50社のデベロッパー担当幹部などを対象に1時間超にわたり説明すること。レポートは20ページ超、今年10月現在の通算発行冊数は「257」とあるから、同社が設立されたころから続けているのだろう。あらゆるデータを縦から横から、あるいは斜めから分析し、数値化・見える化する〝技〟は見事というほかない。デベロッパー50社の中には、一部大手デベロッパーが入っていないので、杉原氏は「カバー率は半分くらいではないか」と謙遜したが、マンションプレーヤーの数からしたらほとんど網羅しているはずだ。
ここからが本番(本当はデベロッパーの動静を聞きたかったのだが、デベロッパーも杉原氏も外に漏れては困ることは話さないはずで、記者もそこまでは踏み込まなかったが…)。
-いよいよマンション価格はバブル期に近くなりつつあります。都心部は坪2,000万円超、郊外・地方もこれからは坪300万円を突破するのは必至。いまの市場をどう見ているか。
杉原 コロナ以降、都心も郊外もマーケットは大きく変化している。建築費は上昇し戸当り4,000~4,500万円、土地代を含めると 郊外でも6~7,000万円の世界になっている。都心部では、コロナ禍を経て価格は2倍以上に上昇しているが、開発用地不足で供給が減少、良好な需給バランスを背景に パワーカップル、富裕層や海外投資家など購買力がある層が市場をリードしており、堅調な市場を形成している。港区の一部のタワーマンション高層階の中古価格が坪2,000~3,000万円の水準まで達しており、2015年分譲の「ザ・パークハウス千鳥ヶ淵」では坪3,000万円超の成約事例も見られる(これは驚き)。既に一部の希少な都心のマンション価格は、ニューヨークなどの海外の価格水準に近付いてきており、今後の推移に関しては、日本の国力(経済成長力)・為替・海外富裕層需要動向などとのバランス次第と考えられるが、今後の更なる過度な上振れ余地は限定的とみている。
一方 郊外部では、一般的な需要層が価格上昇についていけなくなっている。取得限界を超えてきており、駅前立地などを除き、デベロッパーも慎重な姿勢を見せている。新築価格は上昇しているが、中古マンションは坪100万~200万円で推移しており、都心ほど価格は上昇していない。23区に比べ 通勤アクセスが劣るため、フルタイムの共働きが難しく、購入予算が伸びないことと、賃貸家賃相場も比較的割安なため「借りるより買った方が得」となりにくいことが要因と考えられる。そのため、現在の建築コストでは郊外での新築マンション事業の推進が難しく、今後郊外部では中古マンション市場がマーケットを支えていくのではないだろうか。実際に中古マンションは 住環境が優れている物件が多く、物も良い。(記者も同感。バブル崩壊後の市場回復期にはデベロッパーは基本性能・設備仕様を充実させて差別化を図った物件が多い)
-私は、不動産経済研究所などのマンション市況レポートでは専有面積30㎡未満を調査対象外にしているのは理解できますが、令和6年のマンション着工戸数に対する調査捕捉率は41.5%で、東京、神奈川は3割台。高額物件のインナー販売、大規模、再開発、建て替えなどの供給比率が高まっている現在、市場は極端に縮小などしていないと思いますが、いかがでしょうか。
杉原 国土交通省のマンション着工戸数には賃貸も含まれており、1Rやリートなどへの一棟売りがかなり含まれているのではないか(この問題には深入りしない。杉原氏も含め関係者、メディアも不動研のレポートを鵜呑みにしている。分譲と賃貸の仕様は全然異なり、分譲仕様が賃貸に流れるのは限定的だと思う)
-外国人が投資対象としてマンションを購入するケースが問題になっています。私は憲法第29条「財産権は、これを侵してはならない」と、民法第206条「所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する」の規定から、法的規制をかけるのは難しいと思います。ただ、再開発など公的資金・補助金が投入されている物件は、何らかの、例えば一定期間の転売を制限するとか、「専ら居住」の条件を付けたりするのは可能ではないかと思います。マンションの外国人所有者の代理人制度を導入するのは賛成です。この問題はいかがか。
杉原 マンションは商品であり、商品取引は自由であるべき。外国人の不動産購入制限は、国家の安全保障上必要な水源地とか自然保護地域などでの土地取引 等に限るべきではないか。それよりも、マンション購入後の運用や入居後の使用に関しては、そもそも日本人の購入・利用を前提にした 区分所有法、管理規約、仕様細則などを、外国人の購入・保有を前提にした法体系に変更すべき。管理費や修繕積立金の不払いや、民泊利用については、法的な対応が可能な罰則規定 等をしっかり定めることが必要ではないか。
-ホテルコンドミニアムも多くはないが、一定の市場を形成しているように思われます。今後、どうなるでしょうか。
杉原 今はリゾート地が中心だが、ホテルコンドの需要はむしろ都心にあると思う。訪日需要の集中する東京での運用・利回り期待、希少性から需要はあるはず。ビジネスホテルの不足から、ウィークリーマンション、マンスリーマンションも、長期出張対応 等で法人需要が増えるのではないか。デベロッパーも新しい収益源の柱として都心部などでの展開を考えるべき。
-最近は、どこのデベロッパーも予告広告では戸数も価格も「未定」で、分譲の直前にならないと公表しません。いっそのこと「価格は時価」にしたらどうかという声すらあります。不動産公取協は絶対認めないでしょうが、私はこれもありかと。どう思われますか。
杉原 寿司屋じゃあるまいし、それはダメでしょう。そんなことを許せば、業界はますます情報開示に後ろ向きになる。開発者側は原価上昇や需要を見極めるために価格設定に慎重で、価格の公表を引き延ばすのは理解できるが、住宅は生活に必要なインフラであり、他の高級品・嗜好品とは異なるのではないか。(「価格は未定」という商品はありえないという見解は記者と同じだが、この回答にはいささか驚いた。オークションはありだと記者は思う)
-コロナ禍を経て、メディア向けマンション見学会が激減しています。私はコロナ以前までは年間100物件くらい見学していましたが、最近は50件を下回っています。価格暴騰の一方で、基本性能・設備仕様の退化が目立ちます。面積縮小、天井高の低下、トイレはタンクレスからタンク付き、キッチンカウンターはオプション、浴室タオル掛けはなし…これをどう思われるか。
杉原 面積縮小は、家族構成、ライフスタイルの変化を考えたら仕方のないこと。天井高が低くなっているとか、設備仕様が退行しているとは考えていない。一方で、ZEH対応とかSDGs対応でコストもかかっている。一概に質が低下しているとは言えない(杉原氏の立場は理解できないわけではないが、これは相当な見解の違いがある。記者はこれまでレベルの高いマンションを中心に取材してきたが、それらと比べると明らかに質は退行していると思う。中古マンションに関する9月と10月の月例レポートには、各エリアで値上がりしている物件が1,000件は紹介されているが、記者は少なくとも3分の1は見学取材している
-ところで、杉原さん、総合地所が埼玉県人も知らない加須(かぞ)市でマンション見学会を行うのですが、ご存じか。誰も「かぞ」とは読めなくて「かす」と読む。
杉原 加須? 東武線じゃないですか? 宇都宮線にありました? えっ、古河の手前? (記者は地理が得意で、わが国はもちろん全世界の主な山や川や平野、特産品、首都、主要都市を高校時代に丸暗記していたので、加須は知っていたが、行ったことは一度もない。マンションが分譲されたことはあるのか。今年最大の注目物件だと思う。坪単価がいくらになるのか)
「月例レポート」携え1日2~3社、月50社駆け回るトータルブレイン杉原氏(2024/10/20)
「ピンコロ」久光さんさようならトータルブレイン・久光龍彦社長「お別れの会」(2020/2/12)
令和6年度首都圏マンション着工に対する不動研の戸数カバー率41.5%
マンション供給減=市場縮小ではない戸建ても底入れ・回復へ今年の分譲住宅市場
持家の減少続く首都圏マンション2年4か月ぶりの6,000戸超住宅着工
全て疑ってかかれメディア・リテラシーの基本原則を忘れていないか
首都圏マンション 28年ぶり3万戸割れそれでも市場は低調ではないその逆だ
10月の中古マンション・戸建て 成約件数・価格上昇続く 東日本レインズ
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は11月11日、令和7年10月の首都圏中古市場動向をまとめ発表。中古マンションの成約件数は4,222件(前年同月比36.5%増)となり12か月連続、坪単価は281.7万円(同13.6%増)となり66か月連続、価格は5,325万円(同12.4%増)となり12か月連続でそれぞれ増加、専有面積は62.39㎡(同1.0%減)となり2か月連続で減少した。在庫件数は43,669件(同4.8%減)と3カ月連続で減少した。東京都区部の坪単価は446万円となっている。
中古戸建ての成約件数は1,804件(同53.7%増)となり12か月連続増加、価格は3,801万円(同0.6%増)となり2カ月ぶりに上昇、土地面積は154.52㎡(同11.9%増)となり、2か月連続して増加、建物面積は103.09㎡(同0.002%減)となり3か月連続で縮小した。
