阪急阪神不 アイランドタワーにマンション総合ギャラリー 新宿では7社目の拠点
「ジオ ゲストサロン新宿」
阪急阪神不動産は4月4日、新築分譲マンション総合ギャラリー「ジオ ゲストサロン新宿」を4月5日に新宿区の「新宿アイランドタワー」に開設すると発表した。
常設の総合マンションギャラリーは、首都圏では初の開設でマンションブランド〈ジオ〉35周年の節目に当たる。従来の販売・接客拠点としての機能に加えて、阪急阪神東宝グループと同社の歴史や住まいづくりへのこだわり、SDGsへの取組などを紹介する映像を提供する。
同社は、2001年から首都圏でのマンション分譲を展開しており、これまでに計89棟、5,400戸以上を供給してきた。首都圏での事業拡大を目指している。
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記者の知る限り、新宿にマンションの常設ギャラリーを開設するのは住友不動産、三井不動産レジデンシャル、伊藤忠都市開発、野村不動産、積水ハウス、大京に続いて7社目だ。4月16日にはメディア向け内覧会が行われるので、取材してレポートしたい。
小田急不・電鉄 全900戸の海老名「ViNA GARDENS」最終章304戸 分譲開始
「リーフィアタワー海老名クロノスコート」
小田急不動産は4月3日、「リーフィアタワー海老名クロノスコート」のメディア向け見学会を行った。10年前から開発を進めている海老名駅西口の3.5haの複合開発「ViNA GARDENS」エリアの最終分譲となる3棟目のタワーマンションで、販売開始は6月から。これ野での免震工法に加え、ZEH-M Oriented×低炭素建築物認定を取得しているのが特徴。人気を呼ぶのは必至だ。
物件は、小田急線海老名駅から徒歩4分、海老名市めぐみ町の商業地域に位置する31階建て304戸。専有面積は46.56~121.04㎡、価格は未定。竣工予定は2026年10月下旬。売主は同社のほか小田急電鉄。設計・施工は三井住友建設。基本設計はアール・アイ・エー。
昨年11月から受付を開始した問い合わせ件数は1,300件、4月5日から開始する案内会は300件の予約が入っており満席となっている。
現地は、小田急海老名駅とJR相模線海老名駅間の3.5haの大規模複合開発「ViNA GARDENS」エリアの一角に位置し、2018年分譲の「リーフィアタワー海老名アクロスコート」(304戸)、2019年分譲の「リーフィアタワー海老名ブリスコート」(302戸)に続く3棟目のタワーマンション。今回がエリア内最後のマンションとなる。
三井住友建設が独自開発したマンション工法システム「Sulatto Rotary Tower」を採用することで居室内の大梁を大幅に削減しているのが特徴で、ZEH-M Oriented×低炭素建築物認定を取得。
住戸計画は、2~16階の低層階(約46~92㎡)、17~30階の高層階(約62~100㎡)、31階のプレミアム階(約100~121㎡)の3層構成で全33タイプ。主な基本性能・設備仕様は免震工法、二重床・二重天井、リビング天井高2500ミリ(最上階は2800ミリ)、フィオレストーンキッチン天板、食洗機、ティスポーザー、浴室タオル掛け2か所など。共用施設は2層吹抜のグランラウンジ、ゲストルーム2室、スカイラウンジ、メンテクラフトルーム、ランドリールームなど。
同社住宅事業本部開発企画部部長・松井みどり氏は「海老名エリアはこの25年間で大きく進化している。2015年に計画を発表した駅東口と繋ぐ西口の『ViNA GARDENS』の開発規模は3.5ha。賑わい創出と暮らしエリアから構成されており、街全体に統一デザインコードを採用し、アートなどもふんだんに盛り込んでいる。多くの方から価値が向上したという声を頂いている」と語った。
また、小田急電鉄まちづくり事業本部エリア事業創造部課長・政光賢士氏は、海老名エリアの開発の歴史を紹介。田んぼしかなかったエリアは1960年代以降の開発で変化し、2002年完成した駅東口のビナウォークに街並みが一変し、ViNA GARDENSの開発に合わせて特急ロマンスカーの停車駅になったことから利便性は飛躍的に向上、相鉄、JR合計の駅利用者は26万人にのぼり、多くの企業も集積していることから人口転入増が続いているエリアであることを強調した。
2層ラウンジ
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政光氏が語ったように、海老名エリアは田んぼしかなかった昭和50年代の後半から同社や相鉄の住宅地開発を取材してきたので感慨深いものがある。新宿までのアクセスも似ていることから、どうしてもわが多摩センターと比較してします。多摩センターはバブル崩壊を機に地盤沈下する一方なのに、海老名はその逆だ。完全に追い抜かれた。
価格について同社は明らかにしなかったが、記者は坪単価は最低で320万円、高値挑戦するなら坪350万円とはじいた。的は外していないと思う。モデルルームは70㎡の3LDKだが、スパンは約8mあり、廊下面積を少なくすることでゆったりしたプランになっている。オプション仕様のハーフモデルや最上階100㎡超7戸のプレミアム仕様もいい。プレミアム住戸は深型食洗機、ツーボウル洗面化粧台、陶器ボウル、浴室天然石カウンターなどを採用している。
問題は、既分譲のタワーマンションの日影の影響を受けるはずで、それをどう評価するかだ。
いま一つよくわからなかったのは、施工を担当している三井住友建設の登録商標「SuKKiT/Sulatto」だ。コストを抑えたままフレームを従来の〝井桁〟から〝風車〟にすることで居室内の大梁を半減させたもので、2015年にグッドデザイン賞を受賞している。柱の数は変わらないのにどうして梁を半分に減らすことができるのか全然わからない。
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こんなことは書きたくないのだが、書かざるを得ない。見学会をぶち壊した記者がいた。この方は質疑応答の冒頭、市内の市街化調整区域が市街化区域へ変更になったことを話した。
小生は全然知らなかった。後で確認した。その通りだった。令和6年3月、海老名市役所周辺地区約39.4haが市街化区域に編入されている。40年くらい前、田んぼばかりの風景を眺めながら市役所に訪れたのを思い出した。
これはこれでいいのだが、あとがいけない。この方はその後も質問を繰り返した。質疑応答に当てられていた30分の大半を独り占めした。何を質問されているのかさっぱりわからなかった。多分、他の記者の方も同じだったと思う。
1か月前のフジテレビの会見と同じだ。視聴者から批判されたのは、のらりくらりのテレビ局幹部もさることながら、傲岸不遜のメディア関係者だ。この方がどのような記事を書くかわからないが、多分、読者(消費者)を満足させるものにはならないはずだ。記者は、自らの不勉強で知らないことやどのような答えが返ってくるかわからないことを聞いてはならない。これが基本だ。読者に知らせないといけないこと、例えばマンションでいえは価格の妥当性、商品企画、住環境、設備仕様レベルなどはきちんと取材しないといけない。「価格は未定」と主催者が話しても、記者は予想して坪単価を書くことにしている。
現地
販売好調 小田急不他「海老名」第一弾完成 2棟約2,400㎡の駐車場屋上緑化(゜2020/1/16)
地元富裕層を中心に人気 坪単価260万円の三菱地所レジ「本厚木タワー」(―2019/1/16)
満を持して登場 全3棟900戸の第一弾 小田急不の免震タワー「海老名」304戸(2017/12/16)
大激戦区 鹿島の免震構造の相鉄不他「グレーシアタワーズ海老名」 坪単価は240万円(2017/9/28)
海老名でマンション5物件2,000戸 先陣切るサンケイビル・名鉄不 約半分が供給済み(2017/6/6)
三井不動産「ららぽーと海老名」29日開業「EBICEN(エビセン)」が面白い(2015/10/28)
つくば市に大規模複合着工 マンションは市内最大級の602戸 大和ハウス工業
「(仮称)つくば学園南プロジェクト」
大和ハウス工業は4月3日、茨城県つくば市の大規模複合開発「(仮称)つくば学園南プロジェクト」を本格着工すると発表した。総敷地面積約155,390㎡(東京ドーム約3.3個分)に602戸の分譲マンションや教育施設、商業施設、事業施設等を建設する。
分譲マンションは、つくば市最大戸数の602戸。商業施設にはスーパーマーケット「カスミ」や思学舎グループの学習塾が出店するほか、茗溪学園中学校高等学校が移転する計画。つくば市が推進する「つくばスーパーサイエンスシティ構想」の実現に貢献することを目指す。
マンションは、つくばエクスプレス研究学園駅から徒歩9分、つくば市学園南2丁目に位置する敷地面積約23,513㎡、15階建て全602戸。専有面積は61.67 ~108.17㎡、価格は未定(坪単価は250万円以上か)。設計・施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は2027年7月。
三井不レジ「くらしのサス活Circular Action」第二弾 回収されないゴミ再利用
三井不動産レジデンシャルとコアレックス信栄は3月14日、マンション「入居者が捨てるゴミ」を回収し、「入居者が使うトイレットペーパーやティシューペーパー」に再資源化、マンション共用部分に納品するサービスを同日からスタートさせたと発表した。
三井不動産レジデンシャルは、楽しみながら持続的に脱炭素活動を実践する「くらしのサス活」の活動の第1弾として、共用部分に専用ステーションを設置し、入居者の不要になった衣類・雑貨を回収し、リユースするサービス「くらしのサス活Circular Action」を計20棟の建物で導入しており、今回はその第二弾。
コアレックス信栄独自の技術により、段ボールや牛乳パック・新聞紙などの資源として出しているもの以外の雑がみ類(レシート・資源回収に出すことのできない空箱など)をそのまま専用の回収袋に入れるだけで、共用部分で使われるトイレットペーパーやティシューペーパーにリサイクルする取り組み。
豊洲エリアの2物件約800戸を対象にスタートし、今後、三井不動産レジデンシャルが提供する新築分譲マンションや三井不動産レジデンシャルグループが管理する竣工済みマンションなどに順次拡大していく予定。
フージャース シニア向け分譲 10年間で15棟約2800戸 「さいたまサウス」見学会
「デュオセーヌさいたまサウス」
フージャースコーポレーションは3月14日、アクティブシニア向け所有権付きマンション「デュオセーヌさいたまサウス」の関係者向けお披露目会を開催した。竣工時点で総戸数112戸のほぼ半数60戸を成約済み。2015年に第一弾の「デュオセーヌ」を供給してからこの10年間で15棟、2,866戸を数える。
物件は、JR京浜東北線蕨駅から徒歩21分、JR埼京線戸田公園駅から徒歩18分、蕨市中央七丁目・戸田市下戸田一丁目の第一種住居地域に位置する敷地面積 約3,419.91㎡、8階建て全112戸(他に管理運営室、介護事業所など)。現在分譲中の1期2次(9戸)の価格は3,698万~7,998万円、専有面積は47.53~70.56㎡、坪単価は310万円。建物は2025年2月に竣工済。入居条件は、満40歳以上、自身で身の回りのことができ、共同生活が可能な人(複数入居の場合、1名がこの条件に当てはまれば入居が可能な場合もあり)。設計・監理・施工は埼玉建興。
有料老人ホームとは異なり、所有権方式なので相続・売却が可能で、住宅ローンも利用できるのが特徴。専有部は、有料老人ホームやサ高住などより広い30㎡以上を確保し、玄関ベンチ、メーターモジュール廊下、折れ戸、引き戸を多用するなど住みやすさに工夫を凝らしている(一般的なマンションもこうあるべき)。
共用部では、内廊下方式を採用し、廊下幅を1.8m確保。共用施設としてレストラン、ラウンジ、娯楽室、多目的室、大浴場(今回の物件はなし)などを備えている。また、24時間見守り体制・看護師資格をもったスタッフが勤務・訪問介護事業所を併設し、医療機関との連携も行うのが特徴だ。
昨年3月から分譲を開始しており、これまで約半数の60戸が成約済み。同社東日本事業部CCRC事業本部営業部兼営業本部営業三部部長・市橋竹広氏は「みどりが豊富な外構と、内廊下の幅を1.8m確保しているのに高い評価を頂いている」と語った。
モデルルーム
ラウンジ
レストラン
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同社の「デュオセーヌ」は結構取材している。三井不動産の富裕層向け有料老人ホーム「パークウェルステイト」などはもちろんいいが、〝地獄の沙汰も金次第〟だ。普通の庶民はまず利用できない。
その点、「デュオセーヌ」は、処分する資産にもよるが、年金生活者でも無理なく取得できる。相続人は売却も賃貸もできる。この10年間で約2,866戸というから当初の目標通りではないか。今回の物件は植栽が見事だ。
購入検討者にとって気になるリセール価格だが、記者が最高峰だと思う「デュオセーヌ緑山」をネットで調べたら、売値は坪170万円くらいしている。分譲時の坪単価は250万円だから、約7割だ。築10年としてはまずまずの価格ではないか。
現地
アプローチ
他に比肩するものなし三井不レジシニア向け「パークウェルステイト西麻布」開業へ(2024/7/30)
ファミリーとシニア向け一体開発フージャース「蘇我」(2024/6/21)
フージャースHD シニア向け「デュオセーヌ豊田」竣工半分強が契約済み(2019/8/7)
フージャースシニア向け「ちはら台駅前」入居前に6割が契約・申し込み済み(2018/1/22)
高級住宅街の一角にシニア向けフージャース他「デュオセーヌ緑山」(2016/10/11)
根づくかシニア向け分譲マンション年間500戸の市場へ(2015/1/26)
貴人と庶民が背中合わせの街 三菱地所「心斎橋」 坪単価830万円で絶好調
「ザ・パークハウス 心斎橋タワー」
昨日(3月14日)は取材で2万歩超歩いた。さすがに疲れた。記事は鮮度が命だ。今日から〝後入れ先出し〟で紹介する。最初は三菱地所の「ザ・パークハウス 心斎橋タワー」だ。大阪の市場はよくわからないのだが、メインストリート・御堂筋から一歩入った希少性の高いエリア最高層の35階建て全222戸。昨年12月から契約を開始した第1期1~3次の100戸は完売(坪単価830万円)。極めて好調なスタートを切った。
物件は、Osaka Metro御堂筋線・長堀鶴見緑地線心斎橋駅から徒歩6分(Osaka Metro御堂筋線・中央線・四つ橋線本町駅から徒歩6分) 、大阪市中央区博労町3丁目の商業地域(建ぺい率90%、容積率905%)に位置する35階建て全222戸。専有面積は42.10~148.35㎡、5月に分譲予定の第2期(8戸)の価格は未定。既分譲の100戸の坪単価は830万円。竣工予定は2026年9月上旬。施工は鴻池組。デザイン監修はスターテック一級建築士事務所。
現地は、車が通らないアーケード街の心斎橋筋北商店街を抜けたエリアの一角。敷地東側と南側に接道。主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented、免震構造、エレベータ5基(約40戸に1基)、リビング天井高は34・35階、120㎡超の8戸のプレミアム住戸は2750ミリ、26~31階は2600ミリ、25階以下は2500ミリ。共用部分は32・33階の2二層吹抜け。
同社関西支店販売部販売グループリーダー・風見茂輝氏は「エリア7年ぶりのマンション供給。南北に走る御堂筋線と東西を走る中央線と四つ橋線の鉄道の結節点。この利便性と、基本的に住宅が不可の地区計画から外れているエリアナンバーワンの立地が高く費用化されています。進捗は極めて好調」と話した。
基壇部
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モデルルームは、2023年に分譲開始した「ザ・パークハウス 大阪梅田タワー」(173戸)に合わせ「OAPタワー」内に開設した「大阪ギャラリー」と同じ。基本性能・設備仕様も変わらないとのことなので、「梅田」の記事と一緒に読んでいただきたい。間違いなく〝億ション〟仕様だ。最近の首都圏マンションよりはるかにレベルは高い。
異なるのは外観だ。「梅田」は白とライトブラウンが基調の明るい外観デザインであるのに対し、「心斎橋」は黒(アンゴラブラック)とダーク・ライトブラウンに纏われている。重厚感がする。施工が鴻池組というのも地元の富裕層を意識しているのか。
もう一つ、新たに加わったことがある。同社初、関西初のVR・CG技術を導入していることだ。来場者に好評とか。
記者は知らなかったのだが、大阪のキタ(梅田)とミナミ(難波)を直線的に結ぶ幅員44m、延長4.2㎞のメインストリート・御堂筋では現在、活性化事業、空間再編が行われており、御堂筋将来ビジョン(2019年3:大阪市建設局)では、「世界最新モデルとなる、人中心のストリートへ」をコンセプトに、道路の枠を超えた新たな機能の導入をめざし事業が進められている。
また、エリア一帯は「御堂筋本町北地区」と「御堂筋本町南地区」との2つの地区計画が定められており、御堂筋に面した建築物の1階部分は店舗、飲食店、展示場、美術館、博物館などとし、住宅などは不可となっている。今回の同社のマンションは地区計画エリアから外れているので許可された。
心斎橋筋北商店街も歩いてみた。外国人も多く賑わっていた。東京のどこと似ているか考えたが、よくわからない。風見氏は「渋谷に近い」と話したが、そうかもしれない。4列のイチョウ並木が見事で、商業ビルなどが建ち並ぶセレブ・貴人の街・御堂筋と庶民的な商店街が背中合わせする不思議な街だ。坪単価はこんなもんだろうと思った。デベロッパーは東建「堂島」に感謝すべきだ。
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些細なことだが、一つだけ注文がある。シアターのナビゲーター役として登場する女性の方だ。一昨年の「梅田」と同じ白のツーピース姿で、顔はどこか吉永小百合さんに似ており(全然似ていないか)、スタイルも抜群にいいのだが、目は来場者を見ていない。
今のAIの技術をもってすれば、来場者の反応を見て臨機応変に話法を変えることは可能なはずだ。この生身の女性の方とだぶらせて、〝奥様、私と一緒、とてもお美しい。着てらっしゃるものも素敵ですね〟〝ご主人はお酒を少し控えめにされたほうがいいと思います〟などと話したら成約率は飛躍的に向上するのではないか。女性の方わ何枚もカメラに収めたが、肖像権の問題があり紹介できないのがとても残念。
〝三菱地所と次にいこう〟発信拠点大阪に開設第一弾は超高層免震「梅田タワー」(2023/10/3)
時とともに成長する「うめきた公園」美しい「JAM BASE」先行街びらき(2024/9/4)
進化する三菱地所「The Parkhabio SOHO」先進のスマートホーム 第5弾「関内」
「The Parkhabio SOHO 横浜関内」パース
三菱地所レジデンスは3月12日、コワーキングスペースを併設した職住一体型の賃貸マンションシリーズ「The Parkhabio SOHO」の第5弾「The Parkhabio SOHO 横浜関内」の完成内覧会を開催した。駅から4分の商業地域立地ながら周辺には高い建物がなく、間取りに工夫を凝らし、スマートホーム・ロック、顔認証、空間効率を向上させる住設機器、壁面収納ベッドなど極めてレベルの高い賃貸マンションだ。敷地内に公開空地を設け、外観デザインや環境にも配慮していることなどから横浜市の市街地環境設計制度により高さ制限の緩和を受けているのも特徴の一つ。
物件は、JR関内駅から徒歩4分、横浜市中区羽衣町2丁目の商業地域(建ぺい率80%、容積率700%)に位置する敷地面積約521㎡、15階建て全84戸。専用面積は18.30~60.59㎡、坪賃料は1.6万~1.7万円(共益費込み)。竣工は2025年3月中旬。設計はアーキシップスタジオ、施工は若築建設。
今年1月から募集を開始しており、これまで30~40戸に申し込みが入っている。坪賃料は相場(1.3~1.4万円)より高い1.6~1.7万円に設定している。
1階の約120㎡のコワーキングスペース「Style Lounge」にはボルダリングスペースを設け、屋上テラスの「Sky Lounge」には「The Parkhabio」シリーズとして初のBBQラウンジを備えている。このほか、三菱地所が開発・提供する総合スマートホームサービス「HOMETACT(ホームタクト)」、DXYZの顔認証プラットフォーム「FreeiD(フリード)」、大崎電気工業の鍵がいらないスマートロック「OPELO(オペロ)」を採用。
また、一部住戸(14戸)には空間効率を重視した住設機器「Roomot MIXINK(ルーモットミキシンク)」を、18.30㎡の7戸には壁面収納ベッド「カクセルベッド」を導入している。
同社賃貸住宅開発部長・三瓶信英氏は、「これまでの『The Parkhabio SOHO』は好調に推移しており、今回の『関内』」は神奈川初でシリーズとしては5物件目。コワーキングスペースのほかボルダリング、スカイラウンジなどリラックスできる設えとし、先進のスマートホームを実現した」とあいさつした。
事業担当の同社賃貸住宅開発部開発第三グループリーダー・日笠雄貴氏は「コンセプトワードは〝ベースキャンプ〟。新旧の文化が溶け合う関内はわくわく感が止まらないエリア。設計には地元での実績が豊富なアーキシップスタジオを起用。基壇部はコンクリ洗い出し仕上げによって骨材が浮き出るように表現、3階以上はコンクリの打ち放しにして景観、デザインにもこだわった。施設の一部は外部にも開放する。建物は逆梁を採用し、洗面やユニットバスに窓を設けたものなど開口部を多く設けた」などと熱っぽく語った。
屋上テラス
日笠氏
1脚40万円の椅子(左上のグリーンはフェイク)
収納ベッドbefore(左)とafter
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横浜市の市街地環境設計制度から書く。現地に着いたとき、おやっと思ったことがあった。立地条件からして用途地域は商業地域(後で確認したら建ぺい率80%、容積率700%)なのに、建物は1.5メートルくらい敷地からセットバックして建てられており、空地に緑化も施されていたからだ。
内覧会で担当者から市街地環境設計制度の適用を受けているとの説明を受けて納得したのだが、メディア関係者は〝当たり前〟のように受け取った人もいるようで、大した反応を見せなかった。(高さ制限31mが44.8mに緩和されている)
記者は、この制度はとてもいいと考えいる。制度は昭和48年に制定されたもので、詳細については触れないが、敷地面積が500㎡以上の建築物を対象に、景観に配慮するとか緑化を図るとか、公開空地を確保したものについては容積率の緩和や高さ規制を緩和するものだ。これまで約500件の適用物件がある。年間にならすと約10件だ。うち半数以上は質の高い分譲マンションのはずだ(賃貸は少ないのでは)。
だから〝当たり前〟では断じてない。同社のプレス・リリースでも触れられていないのであえて書いた。「住みたい街ランキング」などで、横浜市がいつも上位にランクされるのは、こうした開発規制・条例の影響も大きいはずだ。
もう一つ、強調したいことがある。共用部分のエントランス、エレベーターホール、ラウンジなどの壁や天井に本物の木が使用されていたことだ。これについてもリリースや担当者からの説明がなかったが、素晴らしいと思った(コワーキングスペースには1脚40万円の椅子も10脚くらいあったが)。
今回で「The Parkhabio SOHO」シリーズを見学するのは4回目だ(「南青山」は知らない)。みんな素晴らしかったが、総合評価すると今回が一番いいかもしれない。デジタル技術をたくさん取り込んでいるのは当然としても、専用部の間取りプランも多彩で(資料は字が小さく読めないが12タイプあり、一般的な間口3m×奥行き10mなどは一つもない)、進化する「The Parkhabio SOHO」を目の当たりにした。分譲だったら、坪単価800万円で売れると思う。
11階の54.20㎡、賃料は22.7万円(坪1.4万円)。北向きだが眺望が開け、開口部は7か所、間口は約7m
4階の18.30㎡、賃料は7.5万円(坪1.4万円)。調理もでき、洗面、トイレ、シャワールーム付き。壁面収納ベッドの上げ下げに要する力は3キロくらい。小生もらくらく
現地
基壇部
外壁仕上げ
壁仕上げ
壁と天井
職住一体型の賃貸「The Parkhabio SOHO」第5弾三菱地所レジ「関内」(2025/2/4)
「その瞬間に、心が弾む」見事に表現三菱地所レジ「The Parkhabio SOHO 祐天寺」(2023/5/31)
その瞬間、福井氏に惚れた三菱地所レジ SOHOタイプの賃貸第2弾「代々木公園」(2022/10/13)
感動的な天井高2730ミリの「MIデッキ」職住一体型SOHO 三菱地所レジ「大手町」(2022/6/15)
高台立地で大型スーパーとの複合&定借 大成有楽不「久地」販売開始
「オーベルグランディオ川崎久地ヒルズ」
大成有楽不動産が販売を開始した「オーベルグランディオ川崎久地ヒルズ」を見学した。大型スーパー、提供公園を併設した開発面積約3.7haの商・住・緑の大規模複合開発プロジェクト。マンションは期間70年の定期借地権付き。
物件は、JR南武線久地駅から徒歩7分、川崎市高津区下作延五丁目に位置する期間70年の定期借地権付き7階建て全231戸。3月9日に抽選が行われる第1期1次(65戸)の専有面積は64.60~75.60㎡、価格は4,498万~6,298万円(最多価格帯5,200万円台)。坪単価は250~260万円になる模様。月額地代は7,010円~8,200円、原状回復積立金は4,560円~5,330円。竣工予定は2026年1月下旬。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。
現地はあすか製薬が所有する工場跡地。全体開発面積は約3.7ha。久地駅との比高差約6m、標高25mの高台に立地。敷地全体が5街区に分かれており、敷地入り口に大規模スーパーが建設されるほか、敷地西側には桜並木が美しい市道に面して提供公園が整備される。今回のマンションは敷地南東側に位置し、南側は低層住宅地で、東高根森林公園に近接。もう一つの南西側の街区は未定。
主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented、直床、リビング天井高2400ミリ、ディスポーザー、食洗機など。
昨年10月からエントリーを開始しており、これまでの反響数は約1,200件。1月11日にオープンしたモデルルーム来場者は約250組。当初から予定価格を公表しているのが反響数の多さに結びついている。
モデルルーム
模型
◇ ◆ ◇
久地駅に降りたのは初めてだった。現地に大規模スーパーが整備されるので、日常生活にはこと欠かないのではないか。標高25mの高台立地で緑も豊富。工業地域だが周辺に〝嫌悪施設〟はない。
南武線沿線には工場などの施設が多く、小田急線(登戸)、東急線(溝の口・武蔵小杉)ともつながっている。坪単価は土地代がただでも建たないような安さだ。これらの特性を訴求できるかどうかがカギを握りそうだ。
現地(手前右はサクラ並木)
中古マンション・戸建てとも契約件数が大幅増 2025年2月 東日本レインズ
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は3月10日、2025年2月度の首都圏不動産流通市場の動向をまとめ発表。中古マンションの成約件数は4,152件(前年同月比23.9%増)、坪単価は261.2万円(同4.8%増)、成約価格は4,985万円(同2.6%増)、専有面積は62.99㎡(同2.1%減)となった。成約件数は4か月連続、坪単価は58か月連続で前年同月比を上回った。
中古戸建の成約件数は1,690件(同44.8%増)、成約価格は3,920万円(同0.6%増)、土地面積は145.81㎡(同6.2%増)、建物面積は104.33㎡(同2.0%増)となった。
駅から徒歩13分 現地まで信号ゼロ 多摩川がすぐそば 名鉄都市開発「中河原」
「メイツ中河原」
名鉄都市開発が分譲中の「メイツ中河原」を見学した。駅からは徒歩13分とややあるが、現地までは信号が一つもなく、緑も豊富で、多摩川へは1~2分。住環境は申し分ない。
物件は、京王線中河原駅から徒歩13分、府中市南町四丁目の準工業地域/第一種中高層住居専用地域(建ぺい率45.49%、容積率192.07%)に位置する敷地面積約8,428.35㎡、8階建て全223戸。3月に分譲予定の第1期6次(戸数未定)の専有面積は61.23~87.68㎡、予定価格は3,900万円~7,200万円(最多価格帯5,200万円台、坪単価は250万円。竣工予定は2026年1月下旬。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。
主な基本性能・セ氏美仕様は、ZEH-M Oriented、直床、標準階リビング天井高2500ミリ、ディスポーザー、食洗機、スカイラウンジ(コワーク&スタディスペース、おこもりPOCKETなど)、Mʼsドア、ホームストッカー、浴室タオル掛け1か所など。
模型
現地(樹木はトウカエデ)
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分譲単価は安いと思うが、駅からの距離をどう評価するかがポイントだろう。強調できるのは、駅から現地まで信号機は一つもなく、歩道、公園、遊歩道などを通れることだ。交通量の多い多摩川通りから一歩入っており、周辺には府中多摩川かぜのみち、公園2か所、小学校、府中市郷土の森公園などのほか、中高層マンション、ゆうせいチャレンジド東京多摩支店、郵便局、読売新聞、東京エレクトロンなどが建ち並んでいるが、嫌悪施設はない。
自転車を利用すれば府中駅、多摩川緑地、東京競馬場なども10分前後だ。ランニング好きにはたまらない立地ではないか。信号なしで20~30キロは走れるのではないか。
モデルルームでは、トイレと収納の開き戸にはプッシュプルドアが採用されており、把手は壁面まで後退されていた。とてもいいと思ったのだが、物件ホームページにもパンフレットにもそのことが触れられていなかった。
トイレドアノブ(壁面までせっどバックされている)
現地(手前の常緑樹はクスノキ、右側の樹木はトチノキ。右側奥が建物)
多摩川かぜのみち