建基法55条2項の適用受け1低層4階建て フージャースコーポ シニア向け「新浦安」

「デュオセーヌ新浦安」
フージャースコーポレーションは6月29日、シニア向け所有権付き分譲マンション「デュオセーヌ」シリーズの「デュオセーヌ新浦安」のメディア向け見学会を行った。大手企業の社宅跡地で建設中のもので、建築基準法第55条第2項を活用した1低層の4階建て。同シリーズの都心型では「久我山」に続く第2弾。地元居住のシニア層に注目されているようだ。
現地はクボタの社宅跡地。建築基準法第55条第2項の規定による⓵敷地が整形であること②建築物の高さは12mを超えないこと③周囲に幅員5m以上の空地を設けること④近隣周辺の住環境に配慮すること-この条件を満たせば、第一種低層住居専用地域でも4階建て12mの建築を可能にしたもの。
主な基本性能・設備仕様は直床、リビング天井高2400ミリ、メーターモジュール廊下幅、トイレを含むドアは全て引き戸など。共用部分には介護事業所、レストラン、多目的室、大浴場、カラオケ・シアタールーム、健康相談室、ラウンジなど。パソナ日本総務部が提供するバイオフィリックデザインによる空間ソリューション「COMORE BIZ(コモレビズ)」をデュオセーヌシリーズとして初めて導入している。
物件は、JR新浦安駅から徒歩24分(シャトルバス運行予定)、浦安市東野一丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率150%)に位置する敷地面積約7,550㎡、4階建て全173戸。専有面積は42.30~83.66㎡、価格は5,500万円台~16,000万円、坪単価は400万円台の半ば。駐車場は72台。竣工予定は2028年1月上旬。入居条件は満40歳以上(複数入居の場合、1名が同条件対象外でも審査により入居可)、設計・施工・監理は埼玉建興。販売開始は8月上旬の予定。
6月に市内のホテルで行った5日間の案内会には、新浦安駅圏の海側に30~50坪で約7,000万円~9,000万円が相場の戸建てや100㎡前後のマンションに住む人などを中心に100組の高齢者が集まった。最高価格の16,000万円の住戸には予約が入っている。
〝デュオセーヌ〟シリーズは今年で11年目を迎えるが、これまで首都圏を中心に20棟、約3,300戸を供給。当初の入居条件は60歳以上だったが、最近の物件は40歳以上に緩和されている。

自主管理公園

ラウンジ
◇ ◆ ◇
新浦安駅に近い販売事務所に設けられている模型を見て驚いた。用途地域は第一種低層住居専用地域であるのはすぐ分かったのだが、建物は4階建てだったからだ。この前見学したJR東日本・東急不「船橋」と同じように総合設計制度の適用を受けたものかと思ったが、そうではなかった。上段の建基法第55条第2項の認定を受けたものだった。
市内の所有権付きシニア向けマンションは2020年に竣工したミサワホーム「LUMISIA(ルミシア)浦安舞浜」に次ぐ2物件目。坪単価は、浦安市内の〝新価格〟だ(これまでは約400万円)。安くはないが、様々な共用施設が整備されることを考慮すれば(レンタブル比率は80%くらいではないか)妥当な価格だと思う。
フージャースコーポ 首都圏外では初のシニア向け「デュオセーヌ覚王山」(2026/4/11)
病院隣接 入居の年齢制限なし ミサワホーム初のシニア向け所有権付き「浦安舞浜」(2019/8/9)
大成有楽不「六町」7~8mのワイドスパン 「yohack life(ヨハクライフ)」実現

「オーベル六町レジデンス」
大成有楽不動産が7月下旬に分譲する「オーベル六町レジデンス」の案内を行っている「OBER LOUNGE(オーベルラウンジ)」を見学した。ほとんどの住戸は間口7~8m超のワイドスパンなのが特徴で、「土間レージ」「乾太くん」「アラウンドリー」「シャーン」など収納・洗濯・掃除などに工夫を凝らしている好物件だ。
現地の従前は駐車場で三方角地。建物はコの字型で、内廊下方式を採用。主な基本性能・設備仕様はZEH-M Oriented、低炭素認定、直床、リビング天井高2450ミリ、食洗機(j・tタイプ除く)、フィオレストーンキッチン天板、浴室タオル掛け2か所など。
玄関からキッチンへ直接アプローチできる「ウォークスルーパントリ―」、玄関横の土間とストレージの利便性を融合した「土間レージ」、洗面室から直接バルコニーに出入りできる回遊動線「アラウンドリ―」、ガス衣類乾燥機「乾太くん」、浴室の掃除を楽にするノーリツ「シャーン」などは、同社の新しい暮らし方提案プロジェジェクト「yohack life(ヨハクライフ)」から生まれたもの。
物件は、つくばエクスプレス六町駅から徒歩4分、足立区六町1丁目の準住居地域に位置する9階建て全78戸。専有面積は33.58~66.12㎡、価格は未定だが、坪単価は430万円前後になる模様。竣工予定は2027年10月。設計・監理はアーバンライフ建築事務所。施工は新日本建設。販売予定は2026年7月下旬。
3月にエントリーを開始し、これまでの反響数は約650件。6月からのオンライン説明会への参加者は約150組。足立区民を中心にTX居住者が中心。

コンセプトルーム

コンセプトルーム

コンセプトルーム
◇ ◆ ◇
年寄りにとって何が堪えるかといえば睡眠時間だ。普段は8~10時寝ているので、翌日は絶好調になるのだが、この日(6月30日)はサッカーW杯の対ブラジル戦の日本を応援していたので4~5時間くらいしか寝ていない。取材は13時からだったのだが、頭の中は夢遊病者のようにゆらゆらと揺れていた。
ところが、頭が空っぽだったのが却ってよかったのか、あるいは無知なのが奏功したのか、結果的には素晴らしい取材ができた。
「OBER LOUNGE」は今年4月リニューアルされたもので、同社の〝売り〟である「オレンジラボ」の新たな提案もされていた。「六町」の概要、特徴などは前段で紹介したが、特に強調したいのは以下の3点だ。
1つは「アクティブカメラ」だ。同社マンション事業部販売推進室係長・岩橋亮介氏は自ら撮影したという動画を7畳大の部屋の3面に映し出した。人間の視覚と同じ、歩く時間と距離によって刻々と変わる近景から遠景まで360度の風景が再現された。(壁に耳あり工夫あり。普通の壁では美しく映らないとか。凹凸が施されていた)
2つ目は、予想単価が的中したことだ。取材中、岩橋氏に「六町は各駅しか停まらない」と話したら、岩橋氏は「朝夕は快速が停まる」と答えた。記者はすぐ「それなら単価予想を上方修正します。プレス・リリースを読んだ段階で、坪398万円だったら売れると予想しましたが、そんなに安くない。坪430万円でどうですか」と尋ねたら、「いい線ですね」とのことだった。つまり坪単価はズバリ430万円前後になるということだ。
3つ目は、これが一番うれしいのだが、ワイドスパンの間取りが素晴らしいことだ。タイプによって様々だが、間口は中住戸のショートスパンの約33㎡でも4660ミリ、最大は66㎡の8850ミリだ。上段で紹介した様々な設備仕様・仕掛けは、間口を広げることで実現した。

暮らし方提案プロジェジェクト「yohack life(ヨハクライフ)」の一例

「アクティブカメラ」

「OBER LOUNGE(オーベルラウンジ)」
総合設計の適用受けたランドスケープ圧巻 JR東日本・東急不「ブランズシティ船橋」

「ブランズシティ船橋ビアレ」セントラルガーデン
JR東日本不動産(事業比率70%)と東急不動産(同30%)が近く分譲開始する「ブランズシティ船橋ビアレ」を見学した。船橋駅圏では、駅前の大和ハウス他「プレミストタワー船橋」が千葉県のこれまでの記録を大幅に更新する新価格の坪600万円でも売れていることから話題を呼んでおり、市内の分譲中、これか今後これから分譲される予定物件をトータルすると3,000戸を超える大激戦地だ。
現地は、東日本旅客鉄道(JR東日本)の約4.5haの社宅跡地。同社と東急不動産ホールディングスが20123年2月に業務締結し、事業化する案件の一つ。分譲マンションのほか賃貸マンション(約280戸)、商業施設、再エネ発電施設などを整備する。敷地南側は市立小学校に隣接。
分譲マンションは4棟構成で、住戸の9割が南向き。平均面積は71㎡。主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2600ミリ(一部除く)、ディスポーザー、食洗機など。共用施設はライブラリーラウンジ、パーティーラウンジ、シアタールーム、ゲストルーム、コンフォートラウンジ、プレイラウンジ、DIYスタジオ、フィットネスルームなど。
昨年から物件ホームページを開設しており、これまでのエントリー数は2,500件超。3月20日からモデルルームを公開し、これまでの来場者は743組。来場者の居住地は、城東エリアなど総武線沿線居住者を中心に市内居住者が55%。年齢は30代34%、40代20%など子育て世代中心だが、20代(17%)、60歳以上(14%)なども少なくない。
物件は、JR・東武アーバンパークライン船橋駅から徒歩9分~11分、船橋市市場一丁目の第二種住居地域に位置する敷地面積約27,060㎡、8~14階建て4棟全738戸。7月18日から登録を開始する第1期(戸数100~120戸になる模様)の専有面積は54.79~123.08㎡、予定価格は5,700万円台~15,900万円台(最多価格帯7,900万円台)、坪単価は370万円。駐車場は383台。竣工予定は2028年1月下旬~2028年9月下旬。販売代理は東急リバブル。施工は長谷工コーポレーション。デザイン監修は光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所。管理は東急コミュニティー。


「SAKURA COURT」

模型
◇ ◆ ◇
シアターが映し出されてすぐ、デザイン監修を担当している光井純氏が登場し、デザイン、コンセプトなどについて語った。光井氏は多くのマンションを手掛けているが、東急不は「ブランズシティあざみ野」と「ブランズタワー大阪本町」に次ぎ3物件目(JR東日本はほとんどないはず)。千葉県のマンションでは、「幕張ベイパーク」「パークシティ柏の葉キャンパス」「Brillia Tower千葉」がある。
マンション購入検討者は、デザイン監修や監理がどこかをチェックする習慣を身につけたい。光井氏もランドスケープを強調したように、今回の物件の特徴の一つは総合設計制度の適用を受けていることだ。
同制度は公開空地などを設けることで容積率や高さ規制の緩和を受けるもので、千葉県内でこの制度の適用を受けているのは、南船橋駅圏の「若松二丁目住宅マンション建て替え事業」(野村不動産、三井不動産レジデンシャルが事業参画)もそうだが数としては多くない。今回の物件では、敷地西側の提供公園のほか、敷地中央の一般にも公開する約5,000㎡のセントラルガーデンは圧巻。「雨水貯留槽」や「雨庭(レインガーデン)」も導入する。
競合関係だが、駅前の坪単価600万円の大和ハウス他「プレミストタワー船橋」(677戸)や、駅から徒歩4分の坪400万円超の三井不動産レジデンシャル「パークホームズ船橋」(121戸)との競合はなく、同じ価格帯の駅南口から徒歩10分の三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス 船橋レジデンス」(89戸)とは競合しているようだ。「若松二丁目住宅マンション建替え事業」(576戸)は昨年10月着工されたが、物件ホームページは開設されておらず、現段階での競合はないようだ。
価格(単価)について。高いか安いかは市場(購入検討者)が決めることで、東京駅を中心に物事を考えるのはどうかと思うが、都内23区では、交通便などにもよるが坪単価は軒並み500~600万円を突破。北側では利根川を越えた埼玉県でも坪単価は400万円超となっており、東側では江戸川を超えた千葉県も坪単価は400万円超だ。今回の「ブランズシティ船橋ビアレ」の坪370万円は、豊富な共用施設を考慮すればとても安いと思うが…。
ダ・ヴィンチかビュフェか光井純氏の線描デッサンに驚嘆「東京建築祭2026」(2026/5/22)
坪600万円の大和ハウス他「船橋」(677戸)第1期1次251戸の意味するもの(2026/2/6)
船橋・南船橋で再開発3物件マンション3,000戸相乗効果か共倒れか(2025/11/21)
一次取得層に訴求「ちびまる子ちゃん」ZEH・商業施設隣接・大型 NTT都市開発他(2023/6/30)
JR東日本&東急不HD 期間限定10年の業務提携他社は手を握れるのか愛は不滅か(2023/2/14)
東急不動産・東急カリスタ女子短大跡地「ブランズシティあざみ野」分譲開始(2019/9/12)
非対面チェックイン(見学)導入 「三井のすまい 新宿サロン」リニューアル

「三井のすまい 新宿サロン」エントランス
三井不動産レジデンシャルは6月24日、「三井のすまい 新宿サロン」リニューアルオープンメディア向け内覧会を実施した。これまで開設していた新宿駅東口の同サロンを閉じ、6月に西新宿駅近くの「西新宿三井ビルディング」21階に移設・オープンしたもので、業界初となる非対面チェックイン(見学)を導入するなど、検討者〝目線〟に配慮した取り組みを盛り込んでいる。
リニューアルポイントは、業界初の取り組みとなる、案内専用デバイスをかざすだけで入退館や住空間体験の予約・起動が可能な「モデルルーム案内システム」を導入しており、自由にシアターやコンセプトルームの見学ができ、実物大の家具を移動しながらレイアウトなどを確認できること。
また、従来の見学では、モデルルーム見学と担当者による商談(説明)がセットになっており、時間は2~3時間要したが、今回のサロンでは見学と商談を分け、商談はオンラインでも対面でも可能にするなど、大幅な時間短縮を可能にした。さらに、業界初となる営業社員の「土日祝定休」を導入し、社員の柔軟な働く環境を整備する。
施設は、東京メトロ丸の内線西新宿駅から徒歩4分、新宿区西新宿六丁目の西新宿三井ビルディング21階。約110坪(363㎡)。定休日は毎週水曜日(年末年始・夏季休業など除く)。営業時間は10:00~17:00(完全予約制)。現在の案内対象物件は「パークホームズ東高円寺」と「パークホームズ虎ノ門」で、これまでの見学者は約50組。

案内専用デバイス

実物大の家具移動(キャスターが付いており簡単に動かせる)

バーチャル ボックス(最大50㎡が可能)

コンセプトルーム
◇ ◆ ◇
現在の一般的なモデルルーム見学は、事前の「エントリー」申し込みによって住所、年齢、家族構成、年収、勤務先などありとあらゆる個人情報の提供を求められる。言葉は悪いが、丸裸にさせられる。また、モデルルームを見学するコストも馬鹿にならない。往復の時間、交通費、食事代などを考えると、4人家族で少なくとも数千円から万単位になる。消費する時間を金額に換算したらその数倍だ。
では、売る側の対応はどうかといえば、検討者を丸裸にし、多額のお金を消費させながら、それに見合う対応をしているかは甚だ疑わしい。どうして天井が低いのか、価格が高い割に設備仕様レベルは高くないのか、食洗機や食器棚はなぜオプションなのか…など丸裸になって親身に相談に乗ってくれる担当者は多くはない。売れないと見ると、結局は価格にオンされるモデルルーム来場者ヘの〝商品券プレゼント〟だし、挙句の果ては商品企画のなさをさらけ出す〝新価格〟だ。この悪しき商習慣はやめるべきだとずっと主張してきたが、やまる気配はない。
今回のサロンは、非対面チェックイン(見学)を導入しているのがとてもいい。丸裸をさらさなくて済む。もう一つ、QRコードをかざすと、オリジナルのAIチャットポットから、販売物件の周辺にある飲食店の情報や居住者の生の声を聞けるのがいい。
一つ提案もしたい。この種の各社のマンション総合ギャラリーを見学するたびに感じるのは〝もったいない〟だ。いずれも交通至便な立地にある。マンション購入検討者だけでなく、近隣のオフィスワーカーに開放したらどうだろう。デパートやインテリア・家具メーカーのショールームにもなるだろうし、シェアラウンジのような施設にすれば、1時間1,000円くらいで運営できるはずだ。利用者は爆発的に増えると思う。

サロン内(観葉植物はみんな本物)
地盤沈下目立つ名古屋圏 三井不レジ「パークタワー栄」を取材して(2026/5/16)
首都圏最大1,100坪マンションギャラリー野村不「芝浦」「新宿」と同じあふれる緑(2026/2/19)
タカラレーベン「ミライ人間洗濯機」お披露目イベントに35社54人メディア殺到(2026/1/22)
あふれる本物の緑デジタル技術駆使した仕掛けも阪急阪神不新宿に常設モデル(2025/4/17)
. 徒歩10圏内で9駅13路線が利用可能パークビュー売り積水ハウス「御徒町公園(2025/2/22)
三井不動産レジデンシャル「三井のすまい日本橋サロン」リニューアルオープン(2024/12/7)
わが国初 VRとMR組み合わせたモデルルーム三井不レジ「池袋サロン」(2024/5/24)
まるで植物園五感で体験できる野村不動産マンション総合ギャラリー「新宿」(2023/2/21)
5社ブランドとの連携がいい野村不の常設「プラウドギャラリー武蔵小杉」(2022/6/25)
目を見張る 710坪のマンションギャラリー住友不「汐留」開設/第一弾は「虎ノ門」(2022/1/14)
富裕層の〝こころ躍る〟旭化成不レジ「ATLAS」マンションギャラリー「渋谷」開設82021/1/17)
木漏れ日、渓流の音…イニシアの世界観を表現総合ギャラリー「三田」(2021/7/30)
これは凄いホテルなら5つ星伊藤忠都市「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」(2020/9/10)
三井不動産グループ他社と差を広げる戦略「三井のすまいモール」「三井のすまいLOOP」(2012/4/12)
首都圏マンション 総供給戸数の半分は「完成在庫」 市場の二極化が進行

長谷工総研・CRIデータから作成
首都圏マンション総供給戸数と完成在庫推移.pdf
このところずっと胡乱な頭の片隅にわだかまっていることがある。マンションの着工戸数と供給戸数の乖離の拡大もそうだが、各社の好決算の割には完成在庫数がじわじわと増加していることだ。長谷工総研のCRIのデータによる首都圏の完成在庫数3千戸台は、年間4~5万戸のマンション着工戸数からすれば多くはないが、供給戸数2~3万戸に対する比率は20%近くに達しており、完全に赤信号だ。これまでの記事と重複する部分もあるが、その謎に迫ってみた。
長谷工総研のCRIのデータを基に作成した別表を見ていただきたい。総供給量に対する完成在庫率はじわじわと増加していることが分かる。2026年4月末の総供給戸数7,572戸に対する完成在庫は3,902戸で、完成在庫率は実に51.5%に達しているCRIは詳細なデータを把握しているはずだが、公表することはまずない。他の業界紙誌なども調べて記事にすることをしない。情けない)。期分けなどせず、一挙に全戸を販売するのが当たり前だったバブル期前だったら〝バーゲンセール〟のオンパレードだろう。
不動産公正取引協議会(公取協)は、新築マンションとは「建築後1年未満であって、かつ、これまでに居住の用に供されたことがない(誰も住んだことがない)もの」と定義している。したがって、築1年以上経過したマンションを「新築」とはうたえないことになっている。また、住宅ローンを借りる際は、新築と中古とでは金融機関によって借入限度額や返済期間が異なるケースもある。
「完成在庫」の定義もまた難しい。AIによると「完成在庫とは、製造業やアパレルなどの製品では『販売・出荷可能な状態にある製品の在庫』を指し、不動産業界では『建物が竣工(完成)したにもかかわらず、買い手や借り手が見つからず売れ残っている物件』」を指す」とあるが、これは正確ではない。
市場が右肩下がりの状況では、在庫を抱えることは販売経費がかさみ利益率の低下につながるが、現在のような価格の〝異常〟な上昇局面では、販売時期を完成後にしたほうがより高い利益率を確保できるケースも珍しくない。
例えば住友不動産。同社にはもともと「完成在庫」なる概念がない。2026年3月期の販売セグメント売上高3,240億円に対し営業利益は762億円で、営業利益率は23.5%と同業他社と比べて高いが、計上戸数3,368戸のうち「完成済み未契約戸数」は1,461戸にも達している。しかし、同社は「約3年分、6,000戸超の完成“財”庫が今後の安定的な供給と利益の支えになる」と決算説明資料で謳っている。
野村不動産も10年くらい前から「完成在庫」を「販売中」「未販売」に分けて数字を公表している。2026年3月期の完成在庫は237戸(前期527戸)で、「販売中」は141戸(同248戸)、「未販売」は95戸(同279戸)となっている。
このほか、三井不動産や三菱地所など大手デベロッパーも、敢えて竣工販売に切り替えるケースが増えている。完成してから1年以上が経過している「三田ガーデンヒルズ」(1002戸)は数十戸が「未分譲」の可能性が高い(三井不動産の2026年3月末の完成在庫は36戸だが、決算数値は「引き渡し」が原則なので「三田」が含まれる可能性は高い)。昨年12月に完成した三菱地所「ザ・パークハウス 亀戸九丁目」99戸の販売開始は今年3月だった。先に、第1期40戸が即日完売したと発表した総合地所の「ルネ柏ザ・レジデンス」(53戸)も建物は2026年3月に竣工済みだ。
このように見ると、完成在庫の多寡が市場動向を図るモノサシになるかどうかは疑わしい。そこで、物件SUUMOから「即入居可」マンションを検索した。東京都では787物件のうち完成済みが544件、「即入居可」が150件ヒットした。各物件を調べたら1日以上かかるだろうし、先にも書いたように「即入居可」には「未販売」が含まれるのかどうかは不明なので、調べても徒労に終わりそうなのでやめた。
ただ、どのような物件が「即入居可」となっているかを知ることはできる。列挙すると⓵億ションなど高額住戸②最寄駅から距離がある郊外物件③自社で販売部隊を持たない大手系、またはブランド力が弱い中堅デベロッパー-などだ。一言でいえば市場は二極化が進行しているということか。
これらのうち、いくつかの会社の決算数字を調べた。営業利益率は10%を割っているところが少なくない。大手デベロッパーは軒並み20%を突破しているのと対照的だ。SUUMOで「新価格」「価格改定」を検索したら7件ヒットした。これは序ノ口に過ぎない。今後、市場競争力のないマンションの値引きが始まると見た。
総合地所「柏」(53戸)竣工販売第1期40戸が即日完売坪単価は315万円(2026/6/11)
マンション完成在庫率16.7%は危険ライン〝新価格〟登場〝優勝劣敗〟市場へ(2026/3/22)
2025年末の完成在庫率〝最悪〟の16%マクロデータでは見えないマンション市場(2026/2め23)
5月の首都圏中古マンション 成約坪単価267万円 73か月ぶりに下落 東日本レインズ
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は6月10日、2026年5月の首都圏不動産流通市場動向をまとめ発表。中古マンションの成約件数は前年同月比3.4%減の3,709件となり、2か月連続で減少。成約坪単価は同3.9%下落の266.6万円となり、20年4月以来73か月ぶりに下落、前月比でも6.0%下落した。成約価格は同4.6%下落の5,067万円となり、24年10月以来19か月ぶりに下落、前月比でも4.8%下落した。専有面積は同0.7%縮小の62.72㎡となり、ほぼ横ばいながら2か月連続で縮小、前月比は1.3%拡大した。在庫件数は同3.4%増の45,804件となり、3か月連続で増加した。
中古戸建ての成約件数は同2.9%増の1,835件となり、2か月連続で増加。成約価格は同8.7%上昇の4,215万円となり、5か月連続で上昇、前月比でも0.9%上昇した。土地面積は同3.8%増の151.19㎡、建物面積は同0.3%減の103.22㎡、在庫件数は同1.7[%減の23,087件で、4か月連続で減少した。
【中古マンション 成約件数・成約単価・前年同月比成約件数などの推移】

東日本レインズデータ
【中古戸建て 成約件数・成約価格・前年同月比成約件数などの推移】

東日本レインズデータ
◇ ◆ ◇
中古マンションの成約件数が減少し、対前年同月比でもマイナスに転じ、成約坪単価も前年同月比で下落に転じたのはなぜか。中東紛争の長期化、円高の進行、物価上昇(新築マンション価格の上昇)、株価の乱高下、金利先高観の影響がないとは言えないだろうが、もう少し様子を見ないと、その理由は分からない。ひところの投機的需要は影を潜め、様子見の段階に入ったのは間違いない。
記者は、ごく一部の富裕層向けの新築・中古マンションとも立地に恵まれた物件価格の上昇は続くと見ているが、その他の実需向けは取得限界を超えており、いつ市場が変調をきたしても不思議ではないと考えている。
総合地所「柏」(53戸)竣工販売 第1期40戸が即日完売 坪単価は315万円

「ルネ柏ザ・レジデンス」
総合地所は6月11日、5 月29日に竣工販売した「ルネ柏ザ・レジデンス」(53戸)第1期40戸が即日完売したと発表した。坪単価は315万円。6月中旬から第2期の販売を開始する。
契約者から評価されたポイントは、①柏駅東口エリアの利便性と徒歩10分の落ち着いた住環境②外観や間取りを実際に確認できる竣工販売③日々の快適性を追求した機能性の高い設備仕様。
◇ ◆ ◇
同社は4月23日、この物件のメディア向け見学会を行っている。その際の記事を読んでいただきたい。価格について同社は「70㎡台で6,500万円台を予定」と説明したので、記事では「価格はリーズナブルなことから早期完売するか」「同社担当者に『坪単価○○○万円なら、私も売る自信がある』と話した。その通りの価格になるはずだ」と書いた。
さて、「坪単価○○○万円なら、私も売る自信がある」と話したその価格がいくらだったのか思い出せない。坪単価315万円よりもう少し高かったような気もするが…。いずれにしろ、柏駅徒歩10分のまずまずの住環境で、坪315万円は割安感があるのは間違いない。ただし、「茨城県民の茨城県出身(取手市)の私からしたら『柏』は〝千葉の渋谷〟」には同意できない。
この前は、研究学園駅から徒歩9分の第一種低層住居専用地域・旭化成不動産レジデンス「プレミストつくば研究学園」の記事も書いた。一緒に読んでいただきたい。〝柏は千葉の渋谷〟だったら、研究学園は千葉の本郷三丁目か、それとも霞が関か、多摩センターにも似ている。
つくば市最高値(坪270万円)それでも初月100戸超が成約大和ハウス他「研究学園(2026/6/6)
〝千葉の『渋谷』〟柏駅から徒歩10分価格はリーズナブルか総合地所「柏」(2026/4/24)
区分所有法への対応、適正管理の普及拡大、業務合理化に注力 管理協・世古理事長

世古氏(第一ホテル東京で)
マンション管理業協会は6月9日、総会後の恒例の懇親会を開催。冒頭、世古洋介理事長(三井不動産レジデンシャルサービス取締役会長)は、2026年4月1日に施行された「改正区分所有法」にはこれまで培ってきた知見を生かして適切に対応するとともに、同協会が推進しているマンション適正管理評価制度の一層の普及と自治体などとの連携強化、AI活用・DX推進による業務の合理化などの取り組みに力を注ぐと挨拶した。懇親会には国土交通大臣政務官・永井学氏のほか与野党の国会議員、小池百合子都知事なども来賓として祝辞を述べた。懇親会には約350人が参加した。
総会では、副理事長に木村昌平氏(東急コミュニティ―取締役会長)が新任され、懇親会では適正管理制度の普及・拡大に貢献した章栄管理、大京アステージ、三井不動産レジデンシャルサービスなどが表彰された。
世古理事長のあいさつは次の通り。
本日はお忙しいところ、多くの皆様にご参加いただき誠にありがとうございます。また、国土交通大臣政務官 永井様をはじめ、多くのご来賓の皆様にもご出席を賜り、厚く御礼申し上げます。まず始めに、先ほど第47 回定時総会がつつがなく終了いたしましたことをご報告申し上げます。
またその後の理事会におきまして、私が引き続き理事長を務めることとなりました。併せて、新任1名を含む8名の副理事長が選任されました。新体制の下、会員各社の皆様のご協力をいただきながら、業界の発展に向け、全力を尽くしてまいります。引き続きよろしくお願いいたします。
さて、まず初めに昨年行われた法改正について、お話しします。
いよいよ本年4月から施行が始まりました。多くの管理組合では、今年度の定時総会において管理規約の改正等必要な手続きを進めるべく、現在準備の真っただ中と思います。これまで、国交省様にもご協力いただきながら勉強会の開催など改正法の内容理解に向けて様々な取り組みをしてまいりました。会員各社におかれましては、しっかり管理組合の皆さまをサポートして、改正法に則った適正な管理組合運営が行われるよう努めていただきますようよろしくお願いいたします。
また、今回の法改正では、管理業者管理者方式に関して新たなルールが定められました。会員会社の皆様には、特に利益相反リスクの観点に留意しながら、新たな法律に従った適正な手続きの遂行に努めていただくよう改めてお願い申し上げます。一方で、我々管理会社が培ってきた、組合運営や修繕工事の実施に関する様々な知見は、管理者業務を受けるにあたっても、大きな強みだと考えます。 管理会社に管理者を頼んで良かった、と言ってもらえるようしっかり対応していただきたいと考えております。
次に管理の適正化についてお話しします。 いわゆる「2つの老い」は年々進行しており、ますますマンション管理の適正化の重要性が増しています。当協会で進めている「マンション管理適正評価制度」もいよいよ5年目を迎えました。登録数はおよそ12,000件を数えました。国が定められた認定制度との両輪で、管理の見える化を通して、管理の適正化、マンションの長寿命化に繋げていく取り組みです。今年度の目標16,000件に向けて引き続き拡大定着に向けて、皆様のご協力をお願い申し上げます。なお、本年4月から、星4つ以上のマンションの「すまい・る債」における利率上乗せ措置がスタートしました。2.05%という高い水準の利率をご設定いただいており、登録推進の更なる後押しになるものと考えています。ご尽力いただいた住宅金融支援機構関係者の皆様に、改めて深く感謝申し上げます。
また、今年度からは、適正評価制度における登録データの活用や情報発信にも力を入れてまいります。広島県、横浜市さんに続き、先月、仙台市さんとも協定を締結し、仙台市様が新たに始めるマンション管理に関する届け出制度に本データを活用していただけることとなりました。今後もこうした行政へのデータ提供のみならず、会員会社や広く社会に向けての情報発信も含めて、データの活用を進めてまいりたいと考えております。
最後にマンション管理の現場における課題についてお話しします。足下では、中東情勢の影響が気になるところですが、もう少し長いスパンで観ますと、継続している管理コストの上昇が組合財政にとっての大きな課題だと認識しています。少子高齢化に伴う人手不足やインフレにより、人件費の上昇が継続しています。マンション管理業務は、管理員さんをはじめ、清掃・栽管管理など、人手をかけた業務が圧倒的に多く、人件費の上昇は、管理コストの上昇に直結いたします。もちろん修繕工事のコストも新築工事同様、上昇しています。
一方、今後ますます増えていく築40年を超えるいわゆる築古マンションにおいては、居住者の高齢化も進み、年金生活者割合の増加が見込まれるので、管理コストの上昇に対して、管理組合の経済負担力は低下していくというミスマッチが起こりつつあると考えています。こうした課題に対して、できるだけ人手をかけないように、DX 化も含めた管理の合理化を進めていくことが極めて重要と考えております。適正な管理の継続性を担保していくためにも、管理の合理化に向けて協会としてもしっかり取り組んでいきたいと考えております。
以上のような様々な取り組みを通して、管理組合の皆さまをしっかりサポートし、ご信頼いただくことで、当業界が、社会からも正しく評価され、業界で働く社員一人ひとりが、誇りとやりがいを持ち、活き活きと働ける環境をつくっていきたいと考えております。
本日ご出席の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。結びに、本日お集まりの皆様のますますのご健勝、ご発展を祈念いたしまして、私の挨拶とさせていただきます。

マンション管理適正評価制度の普及・拡大に貢献して表彰された各社

小池都知事「『東京とどまるマンション』制度のブラッシュアップを図りますので、どうぞよろしく」と挨拶した
◇ ◆ ◇
マンション適正管理評価制度表彰式で、広島のデベロッパー章栄不動産の管理会社・章栄管理がファーストステップ賞を受賞したのに注目した。同じ広島が本拠のマリモはこれまで全国で457棟・29,553戸のマンションを供給しているが、章栄不も県内外でこれまで223棟12,546戸のマンション供給実績がある。
同賞は2025年度に初めて登録を開始し、年度末でもっとも登録件数が多かった会社に贈られるもので、同社は11件だった。壇上に上がった同社代表取締役・渡邉康弘氏は感無量の面持ちで喜びを語った。
懇親会がお開きとなったのは18:30。記者が喫煙所でタバコを吸っていたら、渡邊氏と出くわした。渡邊氏が広島ファンなのは確認済みで、息子さんが西武球場に応援に行っているとのことだったので、そうするだろうと思っていた通り、スマホを早速いじりだした。もう70年近く西武ファンの記者は「渡邊さん、勝っていても負けていても言わないでね」と口を封じたが、渡邊氏は破顔一笑した。〝西武に勝っているぞ〟との意思表示だ。〝くそっ〟-記者は黙って会場を去った。
次の取材「混祭2026」が終わってからだから21:30ころか。恐る恐るスマホを見たら、何とわが西武が4-3でサヨナラ勝ちしているではないか。ギャハハハ…。
表彰式では、2025年度末でもっともと登録件数が多かった大京アステージ(組合数2,000以上部門で1,706件)、伊藤忠アーバンコミュニティ(組合数500~2,000未満部門で364件)、三井不動産レジデンシャルサービス関西(組合500未満部門で183件)、2025年度末でもっとも登録率が高かった三井不動産レジデンシャルサービス(組合2,000超部門で1,250件のうち1,065件=登録率42.5%)、近鉄住宅管理(組合数500~2,000未満部門で797件のうち285件=同35.8%)、遠鉄アシスト(組合500未満部門で46件のうち23件=同50.0%)が表彰された。

渡邊氏
◇ ◆ ◇
他の懇親会でもそうだが、記者は国会議員先生のあいさつはほとんど聞いていない(参加者も同様に、懇親・懇談の時間になると名刺交換や飲食に忙しく、ざわつくのはやむを得ないと思う)。ただ一人だけ例外がいる。公明党の井上義久特別顧問(78)だ。
井上氏は、現在では数少ないマンション適正化法の法案作成にも関わった方だ。管理協の懇親会にも毎回のように出席され、あいさつされる。記者はいつもメモを取っている。
この日(9日)、エールを送る意味を込めて「先生、政権奪取の意欲はありますか」と質問した。井上氏は「意欲はある」と答えた。そこで、「先生、意欲だけでは政権を奪うことはできません。戦略、展望はどうですか」と畳みかけたら、「展望はこれから作る。その作成に参画する気持ちはある」と意欲を示した。さらにもう一つ「先生、国会議員に定年はないと思いますが、先生は現役復帰する気持ちはおありか」「いや、定年について党は柔軟に考えているが、私の復帰はない。現役を支えていく」と語った。
マンション管理の管理会社管理者方式(第三者管理者方式)について井上氏は、「これは時代の流れ。コンプライアンスの課題をどう解消するかだ」と話した。

井上氏
つくば市最高値(坪270万円)それでも初月100戸超が成約 大和ハウス他「研究学園」

「プレミストつくば研究学園」
大和ハウス工業(事業比率80%)・旭化成不動産レジデンス(同20%)が分譲開始した「プレミストつくば研究学園」(602戸)を見学した。第1期1次の供給戸数は150戸で、うち8割強に申し込みが入るなど好調なスタートを切った。戸数はつくば市最大、坪単価270万円は市内最高単価で、初月成約戸数100戸超はまれなケース。用途地域は準工業地域だが嫌悪施設などはなく、駅前の約7.2haの公園に徒歩2分というのも特徴の一つ。
現地は、最先端技術の社会実装と都市機能の最適化を進める「つくばスーパーサイエンスシティ構想」の実現を目指す「(仮称)つくば学園南プロジェクト」として位置づけられているエリアの一角で、敷地は日本自動車研究所(JARI)の所有地(総面積約155,390㎡)を大和ハウスが2023年12月に取得したもの。分譲マンションのほかスーパーマーケット「カスミ」、思学舎グループの学習塾などが予定されている。
物件は、つくばエクスプレス研究学園駅から徒歩9分、つくば市学園南二丁目の準工業地域に位置する敷地面積約23,513㎡、15階建て全602戸。第1期1次(150戸)の専有面積は61.67~108.17㎡、価格は4,490万~14,980万円(最多価格帯5,400万円台)。坪単価は270万円。竣工予定は令和9年9月。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。駐車場は723台(平置き232台、自走式364台ほか)。ランドスケープ監修はランドスケープ・プラス。
建物は南向き中心のコの字型で、主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented、低炭素建築物認定、直床、リビング天井高2450ミリ、ディスポーザー、食洗機など。共用施設はライブラリーサロンや、3Dプリンタなどを備える多目的実験室「ケンキュウラボ」、キッズルーム「アソベース」、ワーキングスタジオ、パーティールーム、2タイプのゲストルーム、フィットネススタジオ、ゴルフルームなど。
販売ギャラリーは、同社が運営管理を行っている敷地面積約145,385㎡の北関東最大の複合商業施設「iias(イーアス)つくば」に設けられており、広さは約200坪。写真も添付したので見ていただきたい。マンションギャラリーにはまず見えない。女性向けの何かのサロンのような雰囲気が漂っている。これほど美しい販売ギャラリーを見るのは、2017年の京急電鉄の「プライムパークス品川シーサイド ザ・タワー」か、2020年の大和ハウス「プレミストタワー白金高輪」以来だ。通りがかりの人でも2m×1mのタッチモニターで物件のことを知ることができ、エントリーも可能だ。
話を聞いたのは同社東京本店マンション事業部営業部第六課課長・三澤節氏と同部第六課販売事務所長・戸田裕之氏。最初に話題になったのは、つくば市の人口増加率は東京23区を除けば全国市の一位にランクされていることだった。総務省の発表テータによると、令和7年1月現在の全国区市の前年同月比人口増加率は中央区の5.98%が1位で、2位は台東区の1.74%、つくば市は3位の1.47%になっている。
両氏によると、昨年11月から開始したエントリー数は2,250件、今年2月からオープンしたモデルルーム来場者は680組、5月15日から販売開始した第1期1次の成約件数は8割強。成約者の約5割は地元・近郊居住者で、3割弱はTX沿線居住者。
坪単価はつくば市内の最高値(新価格)で、研究学園駅圏では11年振りのマンション供給、販売初月の成約戸数が100戸超というのはつくば市では珍しいとのことだった。成約者の属性などは想定内とのことだった。

マンションギャラリー(右はタッチモニター)

模型

キッチン(カウンター、テープルはオプション)
◇ ◆ ◇
市内のマンション相場について。記者はつくば駅圏のマンションや分譲戸建てをこれまでかなり取材している。20件は下らないはずだ。市場を劇的に変えたのは12年前のタカラレーベン「レーベン ザTSUKUBA」だ。坪単価は、当時の相場だった120万円をはるかに上回る160万円だったが人気を呼んだ。価格の最高峰は、5年前の日本エスコン(現エスコン)「レ・ジェイドつくばStation Front」(218戸)の坪235万円だった。これまた担当者も驚くほどの人気になった。
今後はどうか。長谷工コーポレーションが中心となって開発を進めている駅近くの「国家公務員宿舎跡地(90街区)」のマンションの坪単価は300万円半ばになるのは間違いない。
「研究学園」はどうか。いい街ではあるが、快速は停まらない。これは割引材料となる。しかし、それでも最近の建築費の高騰から坪単価は300万円を突破するのではないかと予想を立てた(同社は販売開始の前にプレス・リリースを発表したが、記者はすぐ取材を申し込んだので、リリースは読んでいない。着工した段階では「坪単価は250万円超」と書いた)。前段で紹介したように第1期1次は坪270万円だった。大外れ。
価格は基本的には市場が決定するものなのでこれ以上触れないが、かなり割安感があるはずだ。両氏とも、都心から1時間圏でこれから着工するマンションの坪単価は300万円以下はありえないと語った。
75㎡(全体平均専有面積は74.4㎡)のモデルルームは回遊性の高いアイランド型キッチンを採用しており、とてもよくできている。108㎡(1スパン14戸)のハーフモデルがまた素晴らしい。最高価格の14,980万円(坪単価458万円)も成約したのは当然だ。都心部ならこの価格でワンルームも買えない。記者は一番人気になると予想した。
◇ ◆ ◇
取材を終えてから約1時間半、現地周辺と研究学園駅前公園を見て回った。公園は総面積7.3haで、従前は湿地帯だったためかヨシ原が広がり、自然林に近い樹林地に時間が経つのも忘れた。この公園の価値は大きいはずだ。残念なのは、駅前は民有地で、その大半は駐車場で占められており、公園へのアプローチは迂回しなければならないことで(それでも表示は駅から徒歩2分だが)、車優先の「つくば」の街づくりが如実に表れている。今回の物件の駐車場設置率が120%にも達しているのはそのためだ。車(自転車)がないと移動が大変なのがつくば市だ。

研究学園駅前公園のヨシ原

公園から現地を望む(クレーンが立っているところ)


坪600万円の大和ハウス他「船橋」(677戸)第1期1次251戸の意味するもの(2026/2/6)
つくば市に大規模複合着工マンションは市内最大級の602戸大和ハウス(2025/4/3)
坪235万円でも7割近い144戸成約 100㎡超58戸も人気日本エスコン「つくば」(2021/4/24)
先行逃げ切りかまくり一発かレベル高い大和ハウス「プレミストタワー白金高輪」(2020/9/19)
京急電鉄他「品川シーサイド」資産性アピール多様なニーズ取り込む戦略(2017/3/14)
つくばの一等地 タカラレーベン「レーベン ザTSUKUBA」が人(2014/気
筑波研究学園と多摩ニュータウン 似ているのか似ていないのか(2014/4/14)
三菱地所・NTT都市開発 レベル高い「パークハウスつくば研究学園」(2008/1/10)
太陽光+蓄電池 マンションに標準装備 第一弾 タカラレーベン「光が丘」好調

「レーベン光が丘 GLOW GARDEN」
MIRARTHホールディングスは6月4日、グループ会社のタカラレーベンが今後分譲するマンションに標準装備することを決めた太陽光発電+蓄電池を備えた防災マンションシステム「MIRARESI(ミラレジ)」説明会と、その第一弾となる「レーベン光が丘 GLOW GARDEN」マンションギャラリーメディア取材会を開催した。「MIRARESI」は、一般社団法人 レジリエンスジャパン推進協議会が主催する第12回ジャパン・レジリエンス・アワードで「国土強靭化担当大臣賞」を受賞している。
「MIRARESI(ミラレジ)」は、「MIRAI・EARTH」+「RESILIENCE」の略語で、太陽光発電と蓄電池を活用することで災害時などのライフラインを確保するとともに、再生可能エネルギーを有効活用することで、家計だけでなく、地球にもやさしい暮らしを叶えるシステム。災害時でも各住戸に給水し、トイレ利用を可能にし、停電時のスマートフォンの充電や冷蔵庫、照明などを可能にする。また、災害時の行動を誘発する「ミラレジミッションカード」を全戸に配布し、共用部には防災グッズを備える。
「MIRARESI」を開発したタカラレーベンマンション事業本部建築統括管理室建築管理部 品質管理課課長代理・加藤志乃氏は、「100%仕様ではないかもしれませんが、災害時の安心・安全をサポートできるシステム」と、同社マンション事業本部首都圏・中部支支社営業推進事業部長・平野辰徳氏(49)は、「差別化戦略の一環。私は当社が太陽光発電に力を入れた『新川崎』『東鷲宮』を担当した」とそれぞれ語った。
また、「光が丘」担当の同支社営業推進事業部第1営業部2課課長補佐・石田淳也氏(33)は「(人間洗濯機を)来場者の中には〝あったらいいね〟と仰る方はいます」と話した(購入したいという人はいないようだ)。
「レーベン光が丘 GLOW GARDEN」は、都営大江戸線光が丘駅から徒歩14分、練馬区高松五丁目の第一種住居地域、第一種低層住居専用地域に位置する8 階建て全77戸。専有面積は47.39~73.92㎡、近く分譲する第2期(9戸)の予定価格は5,900万円台(47㎡)~8,900万円台(73㎡)、坪単価は約400万円。竣工予定は2027年2月下旬。施工は埼玉建興。
これまでのエントリー数は約500件、販売開始は5月22日からで第1期として35戸を供給するなど、好調なスタートを切ったようだ。

左から平野氏、加藤氏、石田氏
◇ ◆ ◇
モデルルームは、同社が1月22日に行った「レーベンサロン池袋『ミライ人間洗濯機』お披露目イベント」で見学している。とてもよくできている。分譲価格は坪400万円と予想したが、ぴったりだった。
◇ ◆ ◇
同社の「ミライ人間洗濯機」お披露目イベントのその後について聞いた。一般の人向けに体験入浴を開始したのは4月4日からで、これまで土曜・日曜(1日3組)限定でほとんど満席となっているという。
また、ヤマダホールディングスは2月26日から「ヤマダデンキ LABI池袋本店」で価格6,000万円の「ミライ人間洗濯機」の展示・体験・販売を開始しており、これまで300件超の予約が入っているという。販売台数は未公表。

左から国土強靭化担当大臣・牧野たかお氏、タカラレーベン代表取締役・秋澤昭一氏、同社取締役兼常務執行役員兼マンション事業本部長兼事業開発戦略局長 髙橋衛氏
タカラレーベン「ミライ人間洗濯機」お披露目イベントに35社54人メディア殺到(2026/1/22)
したたか タカラレーベン 日本最大級の「太陽光」に全192戸が100㎡以上「汐見台」(2014/1/16)
ます太陽光だけでない圧倒的な安さと広さ確保 タカラレーベン「レーベン東鷲宮Ⅲプロジェクト」(2013/2/26)
