令和7年の住宅着工74万戸 総戸数は16年振り、持家は70年振りの低水準

国土交通省は1月30日、令和7年の住宅着工戸数をまとめ発表。総戸数は前年比6.5%減の740,667戸で3年連続の減少となり、平成21年(2009年)の788,410戸に次ぐ16年振りの低水準となった。利用関係別では、持家は201,285戸(前年比7.7%減)で4年連続の減少。昭和33年(1955年)の188,650戸以来70年振りの低水準となった。貸家は324,991戸(同5.0%減)で3年連続の減少、分譲住宅は208,169戸(同7.6%減)で3年連続の減少。平成21年の168,836戸以来16年振りの低水準。分譲住宅の内訳はマンションが89,888戸(同12.2%減)で3年連続の減少、一戸建住宅が115,935戸(同4.3%減)で3年連続の減少となった。
地域別では、近畿圏のマンションが前年比6.6%増加した以外は、すべて利用関係別で前年を下回った。
プレハブは88,877戸(前年比4.5%減)で4年連続の減少、ツーバイフォーは91,512戸(前年比3.8%減)で昨年の増加から再びの減少となった。2年連続でツーバイがプレハブを上回った。
首都圏マンションは40,305戸(前年比21.0%減)で、内訳は東京都が24,238戸(同8.9%減)、神奈川県が9,070戸(同35.5%減)、埼玉県が4,416戸(同20.1%減)、千葉県が2,581戸(同46.1%減)。
首都圏戸建ては51,275戸(同3.9%減)で、内訳は東京都が16,257戸(同2.9%減)、神奈川県が13,238戸(同5.5%減)、埼玉県が12,201戸(同7.9%減)、千葉県が9,579戸(同2.7%減)。
用途別 金融業・保険業用の工事予定額は坪300万円
建築物の床面積と工事費予定額の前年比との関係では、建築物全体では面積は6.7%減で予定額は4.2%増。用途別では、居住用の面積は6.6%減で面積は0.4%増、非居住用の面積は7.0%減で予定額は8.9%増。用途別で注目されるのは金融業・保険業用で、令和7年の面積は439千㎡(前年比0.5%減)で、予定額は3,985億円(同237.9%増)となっており、坪単価は約300万円。
構造別では、木造の面積は5.2%減で予定額は0.1%減、非木造の面積は7.8%減で予定額は6.4%増、うち鉄筋の面積は18,437千㎡(6.4%減)で予定額は75,550億円(同3.9%増)となっており、坪単価は135万円。
「市民と考える、不動産開発と都市の公園緑地の保全」シンポ 日本不動産学会

前列左から佐藤氏、中林氏、三上氏、石川氏、後列左から室田氏、長岡氏、原科氏(御茶ノ水ソラシティで)
日本不動産学会は1月26日、「市民と考える、不動産開発と都市の公園緑地の保全」と題するシンポジウム(定員:オンサイト80名、オンライン200名)を開催した。不動産開発における公園緑地の保全と防災面などの活用について、情報公開の方法と自治体、事業者、市民など多様な主体が参加する公衆協議のあり方を論議し、その推進のため方策を示すのが目的。令和7年度科学研究費助成事業にもなっている。
シンポジウムは二部構成で、第Ⅰ部(13:00~14:50)では、室田昌子氏(日本不動産学会副会長、東京都市大学名誉教授)が開催のあいさつ、趣旨説明を長岡篤氏(千葉商科大学基盤教育機構助教)が行った。
趣旨説明で長岡氏は、「不動産開発は経済的利益の追求だけでなく、社会的側面や文化的・歴史的側面、環境的側面、防災面を踏まえる必要がる」「しかし、これに逆行する例もある。例えば、神宮外苑再開発では既存の都市計画公園の一部を削除し、高度利用開発が計画されている。この計画プロセスでは、情報公開と参加が不十分で、公衆協議のあり方に課題がある。このことは、2024年6月の国連総会、国連人権理事会でも指摘された」と語った。
第Ⅱ部(15:00~16:30)では、長岡氏が司会役を務め、各氏によるパネルディスカッションが行われた。以下、各氏の報告・発言要旨を紹介する。(報告順)

室田氏(左)と長岡氏
都市計画・土地利用計画に戦略性がない
基調講演「都市の公園緑地の保全と不動産開発‐ビジネスと人権の観点から‐」
原科幸彦氏(東京科学大学名誉教授、千葉商科大学名誉教授・前学長、日本不動産学会前会長・顧問)

原科氏
都市における公園緑地の価値は①市民の生活質(QOL)に不可欠②震災時の避難場所として重要③地球温暖化対策として樹冠豊かな樹林が必要。戦略的環境アセスメント(SEA:Strategic Environmental Assessment)が重要。事業段階(Project)では遅すぎる。上位の計画段階である政策段階(Policy)と計画段階(Plan Program)での情報公開と公衆合意(Public Consensus)が必要だが、わが国は、国際的に見て、ビジネスと人権の観点から公衆協議(Public Consultation)が不足している。新たな国際規範に対する理解が不十分で、都市計画・土地利用計画に戦略性がない。
神宮外苑は「文化としての社会の富」
「都市における公園緑地の価値と日本の状況」
石川幹子氏(東京大学名誉教授、国際文化的景観科学者委員会(ISCCL)日本代表)

石川氏
BC230年の中国の治水・灌漑の取り組みからイギリスのコモンズ、NYのセントラルパーク、神宮外苑のパークシステムなど「文化としての公園緑地」が果たしてきた役割は大きい。西行法師が「なにごとの おはしますをば 知らねども かたじけなさに 涙こぼるる」と伊勢神宮を詠んだ歌は自然への恐れと畏敬を象徴している。東京都の公園まちづくり制度による神宮外苑再開発は、良好な市街地(開発)では断じてない。神宮外苑は、古来の伝統を受け継ぎ、近代都市美を導入した「文化としての社会の富」である。
「私が最初に就職したのは不動産会社。不動産業は立派な事業。その立派な方(会社)が公園を蚕食し、自らの価値を貶めるような、委縮させるような、劣化させるようなことをやってはならない。不動産学会もこのような観点からどんどんシンポジウムなどを行っていただきたい」
樹冠被覆率、公園緑地の保全と拡大が必要
「都市の公園緑地(オープンスペース)による気候変動への適応」
三上岳彦氏(東京都立大学名誉教授)

三上氏
気象庁のデータをもとにすると、1976年~2025年の8月の平均最高気温は都心部では30℃弱から33℃に、千葉県銚子市は約27℃から29℃にそれぞれ3℃くらい上昇している。約50年で3℃の上昇だから、あと50年すると東京都心は36℃になる。熱中症搬送患者も増加の一途で、2010年は全国で5万数千人だったのが、2025年は約10万人。このような都市の気温上昇(ヒートアイランド)を緩和する緑地の樹木効果を実測したところ、夏の地表温度はコンクリ・アスファルトでは50℃以上に達するのに対し、木陰は30℃くらいに留まっている。加速する気候変動対策として、樹冠被覆率の増加、公園緑地の保全と拡大が必要だ。
地震にも水害にも負けない二つの「そうぞう力」
「都市公園における防災緑地機能について」
中林一樹氏(東京都立大学名誉教授)

中林氏
1923年の関東大震災で東京全体で約22万棟が焼失し、2.700棟が全壊した。被服廠跡地の避難者約4万人のうち約3.8万人が犠牲になったのは、当時は住宅はほとんどが借家で、家財道具を大八車に積んで避難したが、布団などに飛び火したのが被害を大きくした。現在の東京都には環状6号線外には大規模公園がなく、木造密集地が多いのが課題。水害対策としては、流域全体で対応することが必要。公園も学校グラウンド、田んぼなどは避難場所になるのはもちろんだが、高台立地のマウンド型にし、水を一時貯留する新しい対策も必要だ。地震にも水害にも負けないためには、未来をイメージする「想像の力」と、方策を工夫し実践する「創造力」の二つの「そうぞう力」が求められる。
都市は、公園なしでは再生しない
「多様な主体による「みどりのまちづくり」
佐藤留美氏(NPO法人Green Connection TOKYO代表理事)

佐藤氏
Green Connection TOKYOは、〝自然・ひと・まちを元気に!〟をスローガンに掲げ、Community、Education、Healthy、Livable、Art、Safety、Biodiversity、Cultureなど様々な取り組みを行ってきた。これからの都市は、公園なしでは再生しない。公園を中心に「人」「モノ・コト」「情報」「自然」「お金」が循環する取り組みが必要。様々な活動を通じて、手ごたえを感じている。最近の若者は街づくりに大きな興味を示しており、緑が多く、人と人がつながることに働き甲斐を求めている。そのために不動産業を立ちあげようと考えている人も少なくない。この流れをキャッチしないといけない。
シンポジウムに参加した、前職が神奈川県の自治体職員で、主に街づくりに関する仕事をしていた無職の男性(65)は「神宮外苑問題と公園、不動産の関係が混在していた。みんな危ないのか。外苑問題だけがヒットアップしそう」と語った。
千代田区の神田警察通りの街路樹伐採に反対したため、区から工事区間への立ち入りを禁止された「建築ジャーナル」の西川直子氏は、「立ち入り禁止? イチョウは昨年までにすべて伐採された。立ち入り禁止の要件そのものがなくなった。区は第3期工事を始める予定で、協議会も設置しないと聞いている。今日のシンポジウムでも話されたように早めの対応策を練る」と話した。
「スラップ訴訟」「ひこばえあるうちはあきらめない」街路樹守る会・愛氏ら会見(2023/11/23)
◇ ◆ ◇
上段でシンポジウムの概略を紹介したが、講演時間は約3時間半。各氏の一人当たり時間は約1時間。大学の講座なら1年分のカリュキュラムだろう。各氏が言いたかったことの10分の1も伝えきれていないような気がする。謝るほかない。
原科氏は、出席していたメディアを意識してか、最後に「市民にどう伝えるか、メディアの役割は大きい」と牽制球を投げた。優しい取材などないのだが、この種のシンポジウムは極めて難しい。記者の技量が問われる。記事をアップするまで1週間が経過したか、この種の記事は速ければいいというものでもない。
◇ ◆ ◇
記者は、一般の方を対象にしたシンポジウムで質問したことはほとんどない。参加者の質問時間を奪いたくないからだし、〝雄弁は銀、沈黙は金〟〝知る者は言わず言う者は知らず〟-質問するといかに無知であるかをさらけ出すことにもなりかねないからだ。
しかし、今回は事前に不動産学会から「取材」の了解を得ており、参加者の多くは学者や研究者だろうと思ったので、質問することにした。第Ⅱ部の開始前に配布された質問表にはおおよそ次のように書いた。
①神宮外苑の再開発は、都の公園まちづくり制度によって、都市計画公園内の秩父宮ラグビー場が「未利用」だったため可能になった。都市計画公園と都市公園は似てはいるが、全然異なる。この差を分かりやすく説明していただきたい
②神宮外苑のほかにも都市計画公園内の「未利用」施設はかなりある。神宮外苑と同じような再開発計画が浮上することはないのか
③都の制度そのものが定められた時点で、学者先生は「未利用」施設が再開発に道を開くものになるとの危惧を抱かなかったのか
残念ながら、時間切れで質問が取り上げられることはなかった。記者の質問だけではない。質問票はかなり提出されたはずだが、応答は2人のみだった。これは時間配分に問題あり。シンポでは先生方は市民から声を聴けと仰ったではないか。記者は全て双方向シンポジウムにすべきだと思う。
〝宝の表土が捨てられた〟!? 神宮外苑の新ラグビー場予定地(建国記念文庫)(2025/11/22)
神宮外苑の樹林地の気温市街地より1.6℃低いことを実証三上・都立大名誉教授(2025/8/25)
神宮外苑問題新たな局面へ「都の公園まちづくり制度は違法」専門家有志が主張(2025/7/15)
「グラングリーン大阪」南館 21日オープン 23日までの来街者70万人超(2025/3/22)
Park-PFI活用「都立明治公園」来園者240万人突破東京建物/公園を考える(2025/2/7)
〝街路樹虐待は自分の首を縛るようなこと〟藤井・千葉大名誉教授強剪定を批判(2024/7/24)
藤井氏の熱弁に拍手鳴りやまず会場100人+オンライン180人三鷹で講演会(2024/5/12)
神宮内外苑問題・石川幹子氏外神田再開発・大城聡氏 東京1区市民連合フォーラム(2024/3/25)
パークシステムの復活はあるか都市再生は可能か「川」を考える(2023/12/28)
氷の微笑、根回し、考え方更新、都市公園とは…神宮外苑を考えるシンポ千葉商大(2023/12/19)
秩父宮ラグビー場が「未供用」の謎「広場」は都市公園ではない神宮外苑再開発(2023/8/9)
日比谷公園の樹木1,000本伐採は本当か「日比谷公園整備計画」勉強会に参加して(2023/5/22)
長野市の公園問題制度疲労の法、希薄な人間関係、報道姿勢…社会課題を露呈(2022/12/12)
. 「まちづくりGX」は都市局のメイン事業になるか国土交通省の会合を傍聴して(2022/11/27)
「使われ活きる公園」逆読みは〝使われず危機に瀕する公園〟国交省「公園検討会」(2022/11/1)
千葉大名誉教授・藤井氏など専門家20氏の声建築ジャーナル特集「木を伐るな2」(2022/8/3)
民主主義は死滅した千代田区のイチョウ伐採続またまた「街路樹が泣いている」(2022/5/10)
ネガティブにならざるをえない無残な街路樹ネイチャー・ポジティブを考える(2021/11/27)
なぜ農学、環境、家政学者の会合はおおらかなのか 国交省検討会(2015/3/17)
継承と創造の「継承設計」とは 三菱地所・三菱地所設計 合同丸の内建築ツアーに50人

「仲通り」
三菱地所・三菱地所設計は1月30日、メディア向け「合同丸の内建築ツアー・懇親会」を行った。1891年(明治23年)、陸軍省から丸の内と神田三崎町の合計10.6万坪を128万円(12円/坪)で払い下げを受けてから、今日までの135年の継承と創造の丸の内の歴史を紹介するのがイベントの主旨で、当初予定の約30人をはるかに超える約50人の報道陣が駆けつけた。少しは丸の内について知っていると思っていた小生は、実際は何も知らなかったことを痛感させられた。丸の内を歩くのがまた楽しくなりそうだ。
冒頭、三菱地所設計経営企画部広報室主事・平井祐一氏は、同社の概要を説明。今年は1890年に「三菱社丸ノ内建築所」として創業してから創業135年で、2001年に三菱地所から分社化して「三菱地所設計」を設立してから設立25年の節目の年を迎えると紹介。2001年当時の従業員は約430人、売上高は業界4位だったのが、現在は従業員数は約870人、売上高は業界2位(トップは日建設計、3位はNTTファシリティーズ、4位は日本設計)で、日本最古の設計会社であり、内製化により業界トップクラスまで成長した〝若さ〟を強調した。
主な作品として、「サンシャイン60」「横浜ランドマークタワー」「TOKYO TORCH」「アント・グループ杭州オフィス」「臺北南山廣場」「臺北台南山人壽」「泉パークタウン」「みなとみらい21地区」「琉球銀行本店」「大手町ビルリノベーション」「長崎スタジアムシティ」「御殿場プレミアム・アウトレットパーク第4期拡張」などを上げ、川上から川下まで幅広い分野で展開してきたと話した。
続いて登壇した同社フェロー リノベーション設計一部継承設計室室長・江島知義氏は、3年前に立ち上げた「継承設計」とは何かについて、14ページにもわたる資料を基に説明。初代技師長・曾禰達蔵から保岡勝也、桜井小太郎らの技師長や内田洋三(のちに帝大総長)、山下寿郎(のちに山下設計設立)、大江宏(のちに法大名誉教授)、杉山雅則(レーモンドより薫陶)、艪恒治(坂倉順三より薫陶)なども同社出身であることを紹介した。また、ジョサイア・コンドルが設計した「三菱一号館」(1894年)「丸ノ内ビルヂング」(1923年)「新東京ビルヂング」(1963年)、通りとつながる建築デザインの発展、歩行者ネットワークの形成、仲通りの拡張などエリアマネジメントの導入などについて語った。
「継承設計」が目指すのは、歴史的建造物を「活かす」法的な位置づけ、各種建築物を保存・修理する技術の追求、保存活用計画の作成と活用、デジタル技術の活用、学識との協働など、創業以来の「リレーデザイン」であると話した。
その後、江島氏が解説者となり約1時間、三菱一号館から丸の内の一連の建築物-丸の内オアゾにある丸の内建築保存部材倉庫までツアーを行った。ツアーでは、江島氏は自らが三菱一号館の復元(現存するものを残すのは復原)に関わったことを明かし、百尺ライン(31m)、100×100mグリッドの街づくり、仲通りの道路拡張(7m⇒21m)などについて語った。丸の内建築保存部材倉庫は2025年に設置したもので一般には非公開。この日は〝本邦初公開〟の部品などが報道陣に披露された。

江島氏
◇ ◆ ◇
数学者の藤原正彦氏は「ものごとを知れば知るほど分からなくなる。私などは小学一年生より一万倍以上分からない。困ったもので、教養などまったくない。恥ずかしい限り。学者だって哲学者だって同じ。くだらないどうでもいいことを言葉で定義づけようとするが、その言葉そのものが分からない。死とは何か、世界とは何か、だれも何一つ定義づけることができない」と語ったが、この日ほど自らの無知ぶりをを思い知らされたことはなかった。
上段は、少しは街づくりについて分かっていると思っていた記者が、全くの素人であることを思い知らされて書いた記事だ。
なので、素人が発する情報が何の役に立つかも分からないが、これから丸の内を歩けば少しは参考になりそうなことを二つ三つ紹介する。
まず、仲通りについて。記者は仲通りが東京のあるいは全国を代表するウォーカブルな通りだと思う。ケヤキや常緑のメタセコイアの巨木が植わっており、ところどころにアートが設置されている。道路幅は当初7mだったことは初めて知った。通りは都道だが、頻繁に様々なイベントに使用されている。個人的には廃道にしても不都合はないと思っているが、どうだろう。〝初めに道ありき〟と語った宮脇檀を思い出した。
次に100尺ラインについて。このラインを街並みに保存しているのは丸の内と日本橋くらいしかないのではないか。とにかく美しい。記者は建築物の高さ規制には反対・意味がないと考えているが、このような歴史的建造物は保存して、その代わり容積率の緩和を図るべきだ。
丸の内建築保存部材倉庫について。これは一般にも公開すべきだ。江島氏らは「復原」の参考にするため保存していると話したが、わが国のビルの歴史・文化を知る貴重な教科書だ。非公開にするのはもったいない。公開すれば全国の街づくりや建築物デザインに行かされるはずだ。

ヘンリー・ムーアの作品が設置されている「三菱一号館」の広場

「三菱一号館」

向こう側が見通せるのは高透過ガラスが採用されているため(何ビルだったか。江島氏の足は馬でいえばキャンター、とても速く、イヤホンで聞きながらメモを取り、写真に収めるのは大変な作業だった。メモを取る記者の方はほとんどいなかった)

モニュメントの石かコンクリかについて説明する江島氏(これも意味はよく分からなかった)

地階に自然光を送るためガラスが使用されている(何ビルだったか)

100尺ラインの規制を受けているビル(右)と緩和されているビル(何ビルだったか)

日本工業倶楽部快感が入居すね三菱UFJ信託銀行本店ビル

旧丸ビルの8階に入居していた三菱地所建築設計部の扉(文字は職人による手書きとか)

窓台

「三菱一号館」の模型

ビル銘板は「ビルヂング」になっていた

胸飾り

お祭りの提灯ではなくメガホン、ロウソク電燈として使われていた

松杭(左)と銀行カウンター

郵便物シューター(詰まることも多く、途中で使われなくなったとか)

説明を受けたが、何だったか

火災報知器

何かの飾りだったはず

ガラス(何に使われていたのか)

アール形状のサッシ枠
めっちゃ楽しい三菱地所など「仲通り綱引き大会2025」ソニー生命 2年ぶり4度目V(2025/5/22)
神田と大手町繋ぐ“外空間”の居方を検証三菱地所「BATON PARK」社会実験(2022/10/20)
丸の内仲通りウォーカブルな街づくり「Marunouchi Street Park 2022 Summer」(2022/8/3)
三菱地所「TOKYO TORCH」第一弾「常盤橋タワー」完成緑の量と質に感動(2021/7/20)
〝宮脇檀さんにまた会えた〟 積水ハウス「コモアしおつ」(2013/9/13)
道からつくり道を中庭化した旭化成レジ「アトラス調布」(2013/7/25)
「地区計画変更には大きな疑義」東洋大・大澤准教授日テレ本社跡地再開発(2023/2/23)
絶対高さ制限の背景にある100尺規制とは(2008/6/10)
全国に広がる建築物の「絶対高さ規制」「住民は知るべき行政は伝えるべき」大澤昭彦研究員(2008/6/3)
三井不 国内初の舟運プロジェクト「&CRUISE」船内はほぼ100%再生材 他社も見習え

「Nihonbashi e-LINER」
三井不動産は1月28日、舟運プロジェクト「&CRUISE」のメディア向け説明会&試乗内覧会を開催し、国内初の民間企業によるフル電動旅客船の定期航路「Nihonbashi e-LINER」を4月から日本橋-豊洲間で運行を開始すると発表した。
同社は船主として、日本橋を起点とした舟運ネットワーク構築に向け、三重県伊勢市の造船所で建造した、リチウムイオン二次電池を電源としたフル電動旅客船2隻を「Nihonbashi e-LINER」と命名し、観光汽船興業により運航事業を実施する。同船は東京都舟運活性化事業費補助金を適用する予定で、将来的には日本橋-築地-豊洲-羽田まで結ぶことも検討している。
「Nihonbashi e-LINER」は、「Edo」(舟運)」Experience」(体験)「Expand」(繫がり)「Emergency」(有事対応)「Ecology」(環境共生)の5つの「E」で始まるキーワードを合わせたもので、日本橋川沿いエリアのまちづくり「日本橋リバーウォーク」を象徴するデザイン、機能性を備えているのが特徴。
船体は全長17m、型幅4m、重さ17t。定員62名(うち2名は船員)。船室天井高は約190cm(高くないのは潮位変動に対応するため)。推進装置は永久磁石式水冷電動モーター・90kW・2基。給電時間は約3時間30分。運転最高出力は8ノット以上。航続時間は8時間以上(速力6ノット・空調機未使用・電池環境温度25度)。フリーWi-Fi、充電コンセント、バリアフリー対応、自転車積載可(船外2台)。365日100%航行可能(但し、異常潮位除く)。酒は可だが、タバコは不可。「アーバンドックららぽーと豊洲」に新設した給電設備により、実質ゼロエミッション船(CO2排出ゼロ)とする。
「日本橋リバーウォーク」は、日本橋川沿いの再開発区域とその周辺一帯を指すエリア名称で、このエリアでは首都高速道路日本橋区間地下化事業と現在5つの再開発事業が互いに連携し、空と川に開かれた街づくりを国・東京都・中央区・首都高・再開発事業者が連携し、地域一体の整備を進めている。開発区域を合わせた面積は約11haで、広大な親水空間を創り出すことで、日本橋・八重洲エリアが東京の“水都”としての新しい顔となることを目指している。
電気推進システムを監修した東京海洋大学・大出剛特任教授は「本船は、電気エネルギーのみで航行できる環境にも人にも優しい船としており、システムを分散することにより動力を失うリスクを抑制し、ますます増えていくエコシップの先端を走る船として期待できます」とコメントしている。

豊洲船着場(ららぽーと豊洲=左)と日本橋船着場(中央区防災船着場)

0夜の水上体験~水辺の夜景と調和するNihonbashi e-LINER のライトアップ

豊洲船着場隣接の給電設備(周辺にはここしかないのが課題)

船内
◇ ◆ ◇
「舟(船)」は、記者にとって日常だった。母が盆暮れに帰省する実家は、日本一美しいとされる宮川の支流・一ノ瀬川の近くにあった。渡し舟は重要な交通手段だった。記者の田舎も、伊勢湾台風で橋が流されたとき、しばらくは竹橋(10mくらいあったか)を利用して学校に通った。台風などの増水時は橋板が外されるので学校は休みになったり(あんな嬉しいことはなかった)、渡し船で通ったりした。姉が嫁いだ漁港では、漁船に乗り釣りを行い、サザエを獲った。尿意を催すと、船上から〝放水〟した。あんな楽しいことはない。夜中の漁漁も体験した。船酔いは二日酔いの比ではない。あんな苦しいことはない。
もう一つ、「舟」といえば小説だ。伊藤左千夫の「野菊の墓」の矢切の渡しであり、森鴎外の「高瀬舟」、メルヴィルの「白鯨」(丸山健二の作品の方が優れていると思う、「酔鯨」は高知の名酒)、小林多喜二の「蟹工船」、吉田満の「戦艦武蔵」、吉村昭の「戦艦大和」などがすぐ浮かぶ。映画では「戦艦ポチョムキン」「タイタニック」などがある。
そんなわけで、「舟運プロジェクト」の取材は、当たり前過ぎてスルーしようと思ったのだが、欠席するのも失礼かと参加することにした。
参加して驚いたのはメディアの数だった。40人くらいが駆けつけていた。関心が高いということだろうが、前日のポラスのマンション見学会は10人もいなかった。これは何だ。
三井不の女性担当者に「『野菊の墓』はいいですよ。少年少女の淡い恋を描いたもの。泣ける」と勧めたら、「その彼女、死んじゃうの」「そう」「そんなの絶対いや」
今は悲恋など流行らないのか。そんなことはない。船中で「船中八策」(高知のこれも名酒)を提供しながら、名作の読書会をやったら大ヒットするはずだ。あるいは、船中から左右に見えるタワマンが分譲された時の価格や市況、現在の中古価格を解説するイベントをやったら、申し込みが殺到するはずだ(記者は30~40棟のタワマンを取材している)。課題は船賃のはずで、ただ人を運ぶだけでは普及は進まないと見ている。「5つのE」をどう〝見える化〟するかだ。

メディア向け説明会(豊洲ベイサイドクロスタワー)
◇ ◆ ◇
今回の船の何が素晴らしいかといえば、静かで揺れも少なく、車椅子でも利用できる昇降機やバリアフリーのトイレなどもそうだが、船内はほとんど全てが再生材を利用していることだった。
客室座具は、高耐久ポリエステルテキスタイル、客室床面・操舵席床面は、廃棄漁網や使用済みペットボトルなどを再利用した100%再生カーペット、壁面はほぼ100%リサイクルが可能なエコ建材などだ。
さすが三井だ。コストを聞くのを忘れたが、マンションにこれらを採用したら大爆発する。壁は高級材の布クロスとほとんど変わらない。グルーフの三井デザインテックは「CIRCULAR FURNITURE」の提供を開始したが、この種の取り組みでは同社が先頭を走っていることを確認した。他社も頑張れ。三井に負けてどうする。
とにかく、取材は大正解だった。伊勢市に造船所があったのもよく知っている。神鋼電機(現シンフォニアテクノロジー伊勢製作所)に勤めていた人がたくさんいた。造船所も頑張れ。〝船は帆で持つ帆は船で持つ〟

試乗した「Nihonbashi e-LINER」(ららぽーと豊洲で)

昇降機(左)とバリアフリートイレ

船内の仕上げはほとんど再生材(記者もそのうち再生可能なロボットに代わられるか)

船中から豊洲、月島方面を望む
循環可能な未来へ第一歩三井デザインテック「CIRCULAR FURNITURE」提供開始(202/12/6)
世界の水辺の再生・街づくりに学ぶ野村不「BLUE FRONT SHIBAURA」セミナー(2024/11/19)
野村不&JR東日本芝浦PJ「BLUE FRONT SHIBAURA」イメージは寄り添う夫婦(2024/5/31)
パークシステムの復活はあるか都市再生は可能か「川」を考える(2023/12/23)
「日の出」の新しい顔「Hi-NODE(ハイ-ノード)」開業野村不グループ×東京都(2019/8/2)
これでいいのか 川に背を向ける日本橋の街(2008/5/19)
東武不動産の木造ホテル「T-home 景」 竣工 施工の三井ホーム「門は現し」

「江戸の長屋」をイメージした「T-home 景(KEI)」外観
三井ホームは1月27日、地域の賑わいづくりを目指す東武不動産「ことまちプロジェクト」の一環である宿泊施設「T-home 景(KEI)」が竣工したのに伴うメディア向け見学会を行った。施工は同社が担当した。
施設は、東武スカイツリーライン押上駅から徒歩3分、墨田区押上一丁目の近隣商業地域(建ぺい率80%、容積率300%)に位置する定期借地権付き木造2階建て全6棟。用途は宿泊施設(29室)、店舗(3区画)。客室面積は46.44~58.70㎡。定員は6~10名。宿泊料金は平均5万円。構造は2×4耐火構造。延床面積は約1,785㎡。木材使用量は419㎥。設計はアトリエ9建築研究所。施工は三井ホーム。開業予定は2026年2月11日。
現地は総合病院跡地で、期間20年の定期借地権付きで建設するもの。法定容積率300%に対して消化容積率は100%程度。建物外観は黒で、和瓦を採用しているのが特徴。主なターゲットはインバウンド。
プロジェクトは、東武不動産が展開する「ことまちプロジェクト」の一環で、東京スカイツリータウン®の来訪者を周辺地域へ誘導し、地域全体の賑わい創出を目指すもの。押上の街並みに調和するよう和のデザインを基調に、「江戸の長屋」をイメージした全6棟の分棟形式を採用。室内は「和モダン」をコンセプトに、畳の小上がりや無垢材の質感を取り入れつつ、キッチンや洗濯機などの設備を完備。長期滞在にも対応できる。
「ことまちプロジェクト」では、スカイツリー南側の賑わいを創出するため、コミュニティ施設「ことまちラボ」を設け、牛嶋神社例祭、もちつきイベント、こども食堂、おしゃべり座談会、トークイベントなど様々な取り組みを行っている。
東武不動産開発事業本部企画運営部次長・岡崎真二氏は、「当社は2020年から押上エリアでキッチンや洗濯機などを備え、4名から12名までの家族やグループといった大人数での宿泊も可能な“暮らすように泊まる”ホテルを複数(6施設13施設)展開しています。『T-home 景(KEI)』は、高度利用も可能な都市計画エリアではあるものの、木造2階建の長屋を分棟配置し、広場と路地で江戸の街並みをイメージしました。当ホテルが押上の新たな観光拠点となって街の賑わいづくりに貢献していけることを目指しています」とコメントした。
三井ホーム施設・賃貸事業本部コンサルティング第二営業部マネジャー・和井田 響平氏は、「建設地は押上の防火地域内に位置し、高度な耐火性能が求められる一方で、周辺環境との調和や集いの場としての魅力も同時に追求する必要がありました。これに対し、当社が培ってきた『2×4工法耐火構造』を採用。さらに『ダブルシールドパネル』や遮音床などの独自技術を導入することで、高い耐火性・断熱性・快適性を維持しつつ、開放感あふれる空間を実現いたしました」とコメントした。

オープンスペース

各客室をつなぐ路地

「和モダン」の内観

岡崎氏(左)と和井田氏
◇ ◆ ◇
インバウンドを中心とする宿泊客が周辺の飲食店舗を利用するよう誘導する「ことまちプロジェクト」の企画意図と、断熱・遮音性能が高い三井ホームの施工力が一致したのだろう。法定容積率の約3分の1しか消化していないことからコストを抑制していることにも納得した。デザインは外国人に受け入れられるはずだ。
何より嬉しかったのは、三井ホーム施設・賃貸事業本部施設・賃貸設計部設計グループ長・小松弘昭氏と約5年ぶりにお会いし、「門は本物のヒノキ材を用いて私が設計した」ことを聞いたことだ。
小松氏は、同社の木造マンション「MOCXION INAGI(モクシオン稲城)」のメディア向け見学会で、女性記者の「これって鉄かコンクリか木造か分かりませんよね」と質問したのに対して、「現しにしないといけないというのは木造コンプレックスの裏返し。木の性能、コストなど科学的・合理的なことのほうが大事」と言い放った。木造は「現し」がいいに決まっていると思っていた(今でも変わらない)記者は頭をどやされたような気がした。当時の記事も添付するので、是非読んでいただきたい。
その小松氏が、眼に見える部分はほとんどがケミカル仕上げなのに対し、何とヒノキ材を使用した立派な門を自ら設計し、建てたという。門もまたすべて黒に塗り込められていたが、「現し」には変わりはない。

小松氏


東武不動産からのお土産「すみだの街歩き」

〝こんぶのソムリエ〟の店主がお客様の用途に合わせて商品を紹介する「こんぶの岩﨑」(左)と、創業100年超の「隅田屋商店」の米

外観
AIレコメンド・カメラ解析 PPMを可視化 robot home 一橋大・清水教授招き発表会

古木氏(左)と清水氏
〝テクノロジーで、住宅を変え、世界を変えていく。〟をミッションに掲げるrobot homeは1月20日、新サービス発表会を開催。同社代表取締役CEO・古木大咲氏(46)は、新たな展開として、AIレコメンド機能をアプリに実装することでポートフォリオ(PPM)全体を可視化し、賃貸アパート共用部カメラをAIが分析しリスクを回避し、IoT導入による再配達課題の解消や、入居者アプリを通じた入居者満足度の向上を図っていくと発表した。発表会では、ゲストとして招かれた一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科教授の清水千弘氏(58)と古木氏が「AIが変える不動産経営のスタンダードとは」をテーマにクロストークとモデルルーム見学会も行われた。
古木氏は、新たな展望として「AIエージェントの活用」により、AIレコメンド機能をアプリに実装することで投資家に最適な物件を提案するシステムを開発し、共用部カメラをAIが解析することで放置ごみや不審者、盗難などの異常を早期発見してリスクを回避、物件の美観維持や入居者満足度の向上を図り、新しいサービスの提供により様々な社会課題の解決につなげたいと語った。
クロストークでは、古木氏はAIがアセットマネジメントの役割を果たし、情報格差・非対称性の解消を図ることを強調した。清水氏は、古木氏とはシンガポール大学に勤務していた10年前からの付き合いであることを明かし、「われわれ教授が話すことの95%はAIで得られる」「1990年代のリート市場は投資利回りしか考えていなかったが、これからは管理が大事になってくる」「ポートフォリオに不動産を入れリスク分散を図るのは必須要件。良質な住宅は不足している」などと語った。
古木氏は鹿児島県出身で、26歳の2006年にrobot homeを起業、36歳の2016年に東証一部に上場。同社は2025年に土地から始めるアパート経営robot homeサービスを開始。管理戸数は約27,600戸/入居率は約98%。
〝土地を選ぶ-デザインを選ぶ-シミュレーション-建築進捗の確認-不動産経営‧売却〟までをアプリ一つで完了するのがビジネスモデルで、ターゲットは、5大都市を中心に、市場規模が949兆円、1,133.9万世帯のアッパーマス層から富裕層・超富裕層。
同社の2024年12月期決算は売上高13,157百万円(前期比52.6%増)、営業利益1,043百万円(同39.4%増)、経常利益1,018百万円(同38.0%増)、純利益912百万円(同3.0%増)。2025年12月期決算予想は売上高24,000百万円(同82.4%増)、営業利益1,400百万円(同34.1%増)、経常利益1,350百万円(同32.6%増)、純利益1,100百万円(同20.5%増)。
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スマホを満足に扱えない記者だが、AI技術が長足の進歩を遂げているのはよくわかる。例えばChatGPT。記者は2023年4月、自治体として初めてChatGPTを採用した横須賀市のリリースの粗捜しをやったところ、A4一枚の短い文章で4か所の文法的なミスを見つけた。普及に課題があると思った。
今はどうか。小生は月に400字原稿用紙にして200~300枚、年間にして源氏物語の2,500枚くらいの「こだわり記事」を書いているが、この記事をChatGPTが〝読んでいる〟ことが分かった。いつも馬鹿な記事を書いている小生のような記者はもちろん、清水氏が話した大学教授や弁護士、裁判官もその職をAIに奪われる時代がやってくるかもしれない。恐ろしいの一言だ。
ただ、AIは考える力がない、ものを見る目がない(いま、ChatGPTに「ChatGPTの欠点は、考える力がない、ものを見る目がないと思いますが、いかがか」と聞いたところ、「ご指摘はかなり本質を突いていると思います。結論から言うと、その認識は概ね正しいです。ただし、『どういう意味で欠点なのか』を整理すると、誤解も減ると思います」と即座に答えた)。
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取材の目的の一つに、LIFULL HOME'S総研の「Sensuous City(センシュアス・シティ)[官能都市] 2025」報告書に寄稿している清水氏の論文についていろいろ聞くことがあった。
清水氏は論文で、首都圏の人口分布と様々な施設分布、子育てしやすい街、各国料理を楽しめる街、老後に安心して生活できる街の分布などを図示し、「東京駅から概ね10㎞圏内の都心部においては、(a)施設数が集中しているのみならず、(b)多様な種類の施設-すなわち都市機能の多様性-が高密度に立地している」「1990年から2020年の30年間における夜間人口の推移をみると、(千代田区・中央区・港区は)30年間でおよそ18万5000人の夜間人口が増加している」としている。
これはこれで結構、よくわかるのだが、記者は東京駅を中心に都市の魅力を考えることはやめたほうがいいと思っている。都心3区のマンション価格は坪1,000万円どころか2,000万~5,000万円が当たり前になる。住めるのは東京都民の人口比率にしてほんの数%だろう。
清水氏に聞きたかったのは、例えばわが多摩センター、この前取材した調布を中心に半径5キロ圏(清水氏は自転車で移動できる20分圏としている)にどのような施設が分布しているか分かる図はないのかということだった。清水氏はAIと同様即座に「私の研究室と日建設計総研が開発したものがある」と答えた。「無料ですか」と聞いたら「有料」だったが、これは使える。
もう一つ、「Love of Variety」(都市アメニティの多様性=清水氏の造語ではないようだ)をひっくり返し「Variety of Love」にしたらどのような街になるかだったが、聞き忘れた。清水さん、是非、LIFULL HOME'S総研の島原万丈さんらと「官能都市」に関するシンポジウムを開いていただきたい。街づくりは劇的に変わるはずだ。
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モデルルームは木造による23㎡。観葉植物は全て本物で、引き戸が多用されているのはいいと思ったが、外観・室内仕上げはケミカル製品ばかりだった。〝木質化を図った方がいい〟とAIもアドバイスするのではないか。

モデルルーム

ホームエントランス(宅配業者と外出先からでも会話ができ、オートロック開錠も可能)
「都市は、想像力を要求する。」 CCBT渋谷から原宿へ移転・リニューアル(2025/12/15)
誰のための調査か 森記念財団「日本の都市評価特性」とLIFULL「官能都市」比較(2025/10/11)
「Sensuous City(センシュアス・シティ)[官能都市] 2025」発刊 LIFULL HOME'S(2025/9/25)
業務削減時間10%以上目指す 三井不 ChatGPT Enterprise導入(2025/12/23)
驚嘆 2030年の年間DX投資額350億円に拡大三井不「DX VISION 2030」策定(2024/8/5)
自治体初 横須賀市のChatGPT作成リリースの粗探し 文法・用法の誤り発見(2023/4/21)
「管理の〝見える化〟適正化に貢献」世古理事長 マンション管理協 賀詞交歓会

世古氏(第一ホテル東京で)
マンション管理業協会は1月15日、「令和8年 マンション管理業協会賀詞交歓会」を開催した。関係者ら約470名が参加した。冒頭、同協会理事長・世古洋介氏(三井不動産レジデンシャルサービス取締役会長)は次のようにあいさつした。
ご紹介いただきました理事長の世古でございます。一言ご挨拶申し上げます。
本日はお忙しいところ、マンション管理業協会賀詞交歓会に多数ご参加いただきありがとうございます。
国土交通大臣政務官の永井学様をはじめ多くのご来賓にもお越しいただきました。重ねて御礼申し上げます。
さて、いわゆる「2つの老い」は年々進行しており、ますますマンションの管理・再生の円滑化の重要性が増しています。一方、人手不足や人件費上昇といった課題も継続しています。
そんな中、昨年は、国会議員の先生がた、国交省の皆様をはじめ多くの方のご努力により、無事マンション関連の改正法が成立いたしました。改めて感謝申し上げます。
当協会としても、会員各社を通して、その周知等に貢献してまいる所存であります。
また、改正法においては、管理業者管理者方式についても様々な規定がなされました。
議論の過程で、利益相反リスクについて多くのご意見があったことを肝に銘じ、当協会としても、改めて襟を正し、法規制やガイドラインの趣旨を踏まえ、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。
さて新年にあたりまして、今後の当協会が果たしていくべき役割について、3点申し上げたいと思います。
第一に、会員会社が、培ってきた管理の経験や知見を活かし、マンションの長寿命化に向けて、管理組合に対して適切なサポートが行えるよう、協会としても様々な形で貢献してまいります。
第二に、国その他の行政機関の政策立案や会員各社の事業活動に資するべく、現場の課題を的確に伝えられるよう、データ整備と情報発信力を高めていきます。
第三に、そうした取組を通し、業界の社会的評価の確立を図り、当業界で働く人々が働き甲斐をもって働ける環境づくりを目指します。
具体的な施策についていくつかコメントします。
まずは、引き続き、適正評価制度の登録促進につとめ、国の認定制度との両輪で、管理の〝見える化〟適正化に貢献してまいりたいと考えています。お陰様で、昨年末には、登録数1万件を超えました。
この制度は管理の現状を〝見える化〟することで、その改善を促し、お住まいの方々の居住価値を高めることはもちろん、仲介市場でこれを開示することでマンションの市場価値を高めることにも繋がります。
さらに、管理組合の皆様と管理会社が同じ物差しで、管理の状況を把握することで、管理会社の役割や貢献を見える化し、管理会社の社会的意義についての理解を深めていただける、いわば管理会社の価値も高めていける仕組みだと考えています。
昨年は、SUUMOにおいての掲載も始まりました、住宅金融支援機構様のご協力により、本年4月からは、すまい・る債の金利優遇の制度も始めていただけることになりました。改めてご協力に感謝いたします。
こうした後押しも受けながら、引き続き伸長・定着に取り組んでまいります。
また、この評価制度に登録いただいた1万件を超えるマンションの管理に関する情報、その他、協会で実施する各種調査により得られたデータ、これら有用なデータの活用にも今年からはさらに積極的に取り組んでまいりたいと思います。
先ほども押し上げた通り、政策立案や会員各社の事業活動のサポートに資するデータ提供に、これまで以上に努力して参ります。
さらに、こうした活動に加え、様々な協会としての広報活動にも工夫を凝らしながら、我我々業界の専門性や役割などを、マンションにお住いの皆様によく理解していただき、評価していただくことで、管理業界で働く人々が活き活きと働ける環境を整えていきたいと考えています。
国としての課題である、マンションの長寿命化に、業界として貢献できるよう、しっかり取り組んでまいりますので、本日お集りの皆様におかれましては、引き続きのご指導・ご協力を賜りますようよろしくお願いいたします。
結びに、本日お集りの皆様のますますのご健勝、ご発展を祈念いたしまして、私の新年のご挨拶とさせていただきます。

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上段は、先に行われた不動産協会とプレハブ建築協会の賀詞交歓会もそうだったが、賀詞交歓会の終了後、同協会事務局から理事長あいさつ文全文を送っていただき、そのまま転載したものだ。記事は鮮度が第一、どこよりも早いはずだ。あいさつは約6分40秒、文字数にして1,624字。話すのは1分間に300字が理想とされるので、1,624÷3≒5.4分。やや長いが、ほぼ完ぺきだ。各団体もマンション管理協と世古氏を見習っていただきたい。
腹を突きだし、腕組みをし、ふんぞり返り、メモなど取っていなかったメディア関係者も多かったが、記事にするのならクレジットなどいらないから、上段のあいさつ文を参照していただきたい。(以下、随時更新)
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左から永井氏、小池氏、松島氏
マンション管理協の賀詞交歓会には毎年多くの国会議員や友好団体の方が参加されるのだが、この日は、政局が揺れ動いていることもあってか、たくさんの方があいさつされた。一人ひとり詳しく紹介する余裕はないので最小限にとどめる。
国土交通大臣政務官・永井学氏(参議院議員・山梨県選挙区)は、「国民の1割以上が住むマンションにとって適切な管理が行われるのはとても重要。今年4月には改正マンション法が本格施行される。国交省としても新築から再生まで安心・安全の住環境の整備に取り組んでいく」と述べた。
東京都知事・小池百合子氏は「都民1,400万人のうちマンション居住者は900万人。住宅価格はうなぎのぼりに上昇しており、子育て、高齢者対応は重要なテーマ。また、各地で地震も多発しており、都は災害時対策として『東京とどまるマンション』登録制度を設け、12万戸の登録を目指している。出生率も昨年は9年ぶりに0.9%伸びた。人口を増やすのが基本なのに、国からはお叱りを受けている。誰が国を動かしているのか」と、国が進める税制改革をチクリと皮肉った。
自民党の住宅土地・都市政策調査会長を務めるなどマンション政策にも深くかかわっている内閣総理大臣補佐官(外国人政策担当)・松島みどり氏(衆議院議員・東京14区)は、外国人対策と民泊対応が重要と話した。

左から青島氏、宮崎氏、井上氏
元ヤクルトスワローズの野球選手で、日本維新の会・青島健太氏(参議院比例区)は、「私は京都と東京都で二地域居住を行っているが、わが国のマンション管理は素晴らしい」と褒めた。
公明党参議院議員・宮崎勝氏(比例区)は「昨年末から野党出発となったが、中道改革・人間主義の基本理念に変化はない」と語った。このほか同党からは山口那津男元代表、井上義久常任顧問も登壇しあいさつした(記者は、同党がマンション関連法の整備に深くかかわってきたことをよく知っている。記者は政治とは距離を置いており、30年くらい選挙を拒否しているが、日中関係の改善に同党は大きな役割を果たしてきた。三跪九叩頭してもいいから、原理原則・面子を重んじる中国との関係修復に努めていただきたい)

左から毛利氏、間田氏
〝宴会担当〟を自認する住宅金融支援機構理事長・毛利利信二氏は、マンション適正評価制度に対する支援や大規模修繕のローン金利優遇などの取り組みを強化すると述べたあと、「挨拶は短く、幸せは長く。今年はマンション再生元年にしよう」と呼び掛けた。
中締めの音頭を取った同協会副理事・問田和宏氏(野村不動産パートナーズ社長)は「今年はマンション改正法が本格施行され、適正評価制度の登録も伸びている。管理会社の価値が問われる一年になる。一丸となって管理組合とのコミュニケーションを深め、信頼されるよう頑張ろう」と締めくくった。
「令和の都市(まち)リノベーション」推進 都市計画基本問題小委員会
国土交通省・社会資本整備審議会「都市計画基本問題小委員会」は1月14日、「令和の都市(まち)リノベーション」の推進に向けた中間とりまとめを表した。
小委員会は、現在、地方部を中心に人口減少が急速に進み、仕事やまちなかの魅力の不足によって若者の地方離れが深刻化し、地方都市の生活サービスの維持は一層困難な局面に差し掛かっていることから、都市計画に起因し、又は関連する基本的かつ構造的な諸課題の解決に向けた講ずべき施策の方向性を幅広く検討するため設けられたもの。令和7年2月から議論が行われてきた。中間とりまとめの主な内容は次の通り。
①働く場所を始めとした都市機能の更なる集積による地域活力の向上
・地域の稼ぐ力・賑わいの創出、職住近接での生活利便性の向上等を図るため、立地適正化計画に業務施設、業務支援施設、集客施設を新たに位置づけ、まちなかへの誘導を促進
•立地適正化計画に係る都道府県の役割・権限を明確化し、広域的な調整を促進
②地域の歴史・文化や景観・環境等の地域固有の魅力に根ざすまちづくりの推進
•地域資源の活用を通じたエリアの価値・魅力の向上を推進する区域を都市再生整備計画に位置づけ。既存建築物の改修や周辺での同様の取組を官民連携で支援
•エリア一体のリノベーションを通じた景観の再生を推進するため、第三者による既存建造物群の連鎖的改修・利活用を協定に基づき行う制度を創設
③地域の付加価値を高めるマネジメントの強化
•環境面やソフト面を含む多様な工夫を講じる貢献を積極的に評価。都市再生に貢献する公共公益施設の整備・管理運営を協定等の手法で担保しながら、管理運営に関するインセンティブを確保
・ウォーカブル政策とほこみち制度の連携強化等により、パブリックライフ(公共的空間での地域の人々の交流機会や繋がり)を育む空間の創出等を推進
④激甚化・頻発化する災害からの安全性の向上・防災力の強化
•都市の防災力の強化に資する民間の貢献を積極的に評価する等、幅広い災害への防災力の強化に民間投資を活用
⑤これらを推進するための政策間、地域間での連携
•互いの政策目的に対して相乗効果を図りながら、新たな政策分野とも連携
•今後の政策の方向性等を適時情報共有できる場を活用する等、省庁・部局等の横串の関係を深化
•各省庁・部局との連携により「まちづくりの健康診断」を更に活用しての立地適正化計画の実効性向上
・地域間連携の合意形成の円滑化に向けた政策効果の定量化と、指針や技術的助言への反映による自治体のまちづくりへの活用促進
2025年12月の首都圏投資用一棟アパート1億円超 利回りは低下 健美家レポート
LIFULLグループの健美家は1月14日、2025年12月版の「収益物件 市場動向マンスリーレポート」で、投資用一棟アパートの首都圏平均価格が1億円超え、一棟マンションも全国平均価格が2億円を突破したと発表した、
レポートは、健美家に登録された全国の住宅系収益不動産3種別(区分マンション・一棟アパート・一棟マンション)のデータ(表面利回り、物件価格)を集計し、最新の市場傾向として公開しているもの。
レポートによると、「区分マンション」は東北と九州・沖縄で平均価格が下落したものの、全国平均価格は前月比4.93%上昇。利回りは6.52%と前月の6.60%から小幅な変動にとどまった。
「一棟アパート」は、全国平均価格が9,000万円を超え、首都圏の平均価格も1億円の大台を超え、前年同月比ではすべての地域で価格が上昇。利回りは前月の7.98%から7.90%に下落した。
「一棟マンション」は、全国平均価格が2億円を超え、前月比ではすべての地域で価格が上昇し、10%を超える大幅な上昇となった。利回りは前月の7.35%と同じ。
◇ ◆ ◇
アットホームが昨年12月に公表した居住用賃貸マンション・アパートの募集家賃動向によると、マンションは、カップル向き・ファミリー向きが全13エリアで前年同月を上回っている。東京23区の30㎡以下(シングル向き)は105,236円(前年同月比110%上昇)、30~50㎡(カップル向き)は154,188円(同8.8%上昇)、50~70㎡(ファミリー向け)は251,448円(同10.0%上昇)、70㎡超(同)は397,895円(同10.2%上昇)となり、5か月連続で全面積帯が最高値となっている。
アパートも、カップル向き・ファミリー向きが全13エリアで前年同月を上回、東京23区は2か月連続で全面積帯が最高値となっている。
住宅広報連絡会のレジェンド三人組FAK 藤原氏(83)・青柳氏(82)・木村氏(80)
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右から青柳氏、藤原氏、木村氏、記者
一昨日は、記者を育ててくれたアンビシャス安倍徹夫社長(81)を、先日は尊敬するジャーナリスト大越武氏(81)を紹介した。今日は、わが敬愛してやまない住宅業界のレジェンド三人組〝FAK〟を紹介する。藤原利彦氏(83)、青柳栄一氏(82)、木村久明氏(80)だ。
藤原氏は、記者の前職「週刊住宅」の先輩記者で編集長だった。何が凄いかといえば、食べることと記事を書くスピードだ。食べるのが速いのは、食糧難の時代に生まれ育った世代の方たちの特徴で、記者などの団塊の世代とは全然異なる。記事を書くスピードは記者の2~3倍速かった。せっかちなところがあったが、これもまた戦後の復興期を生きるための処世術だったのではないか。
なぜ速く書けたかといえば、当時、デベロッパーやハウスメーカー担当だった藤原氏の人脈の広さと決断力だ。記者などは取材のアポを取るのに半日くらいかかったのに、藤原氏は「もたもたするな。ついてこい」と、上場会社の広報室にアポも取らずに堂々と乗り込み〝ニュースはないか〟と凄んだ。
広報担当者と人間関係が構築できているからこその芸当だ。そんな藤原氏が、遅筆の記者に対して言い放ったのは「俺はグリーン上で記事を書いている」だった。
グリーンとはゴルフのことで、藤原氏はほとんど毎週1回、年間40~50回は業界人とゴルフをしていた。取材先の会社役員が圧倒的に多かったはずで、プレー中に記事ネタを仕入れていたようだ。うたい文句は〝〇〇の時代の到来〟だった。毎週のように〝革命〟を起こしていた。
これには勝てないと判断した記者の対策は、「人」ではなく分譲マンションや戸建てにターゲットを絞ることだった。週に3~5件、年間にして200件くらいの現場取材を行った。今でも単価予想をことごとく的中させることができるのはそのお陰だ。記者の値打ちは、どれだけ多く人の話を聞くか、どれだけたくさんモノを見るか、いずれかで決まる。
青柳氏と木村氏は、藤原氏を介して知るようになった。青柳氏はミサワホームの広報責任者として同社を取り仕切っていた。知名度はミサワ創業者の三澤千代治氏を上回っていたかもしれない。当時流行だったものまねが得意技で、片岡千恵蔵などは絶品だった。テレビ番組などで優勝したこともあったようだ。
木村氏は、旭化成ホームズの広報責任者だった。記者は直接取材を申し込んだ記憶はないのだが、同社のDNAなのだろう。お会いするといつも笑顔で歓迎してくれた。RBA野球大会の取材を通じ初代監督の堀井慶一氏、元社長・代表の故・土屋友二氏、元社長の平居正仁氏などから本業の話もよく聞いていたので、木村氏は記者の動静をすべて把握されていたはずだ。
冒頭の写真は、昨日(1月13日)、恒例のハウスメーカーなどで組織する住宅広報連絡会主催の新年会で主催者に撮影してもらったものだ。記者は固辞したのだが「お前も座れ」と指示されたので一緒に収まることになった。
3人からは「今年の一言」を聞いた。藤原氏は「休息の年(今でも精力的に活躍されている)」、青柳氏は「元気で過ごす」、木村氏は「若返りたい(年に30回くらいゴルフをされている)」だ。
今年も南越谷阿波踊り堪能 住宅広報連絡会(2025/8/23)
