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 2026年の住宅・不動産業界団体と各社の年頭所感を一通り読んだ。現状認識について各団体はどのように見ているか、いくつか紹介する。同じ世界に身を置くのだから、似たようなものになるのは当然だが、立ち位置によって微妙に異なるのが読み取れる。

不動産理事長・吉田淳一氏 日本経済は全体としては堅調に推移しており、「失われた30年」における「デフレ・コストカット型経済」から、ようやく脱却したように思います。しかしながら、物価上昇と賃上げのバランスにおいて、国民の景気回復の実感はまだまだ乏しいというのが現実ではないでしょうか。ウクライナ危機等に端を発した「コストプッシュ型の物価上昇」から、経済成長と所得増加を伴う「健全な物価上昇」の社会へ移行しなければなりません

全国宅地建物取引業協会連合会会長・坂本久氏 昨年の不動産市場は、金利情勢や資材価格、地価の高騰などにより、消費者の住宅取得が難しさを増す一年となりました

不動産流通経営協会理事長・遠藤靖氏 わが国の景気は、米国の通商政策による影響が一部産業を中心にみられるものの、緩やかに回復しております。今後、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることを強く期待しております

全国住宅産業協会会長・肥田幸春氏 昨年を振り返りますと、賃上げの動きが広がりを見せた一方で、物価上昇の影響は家計や企業経営に重くのしかかり、実感としての景気回復には力強さを欠く一年でありました。加えて、金利動向への関心の高まりや先行き不透明感は、消費者心理に慎重さをもたらし、住宅取得を含む大きな意思決定に影響を与えたといえます

住宅生産団体連合会会長・仲井嘉浩氏 住宅市場に目を向けますと、持家着工は7か月連続で対前年比減となり総戸数の年率換算値は80万戸程度の低水準であり、厳しい状況が続いています

プレハブ建築協会会長・芳井敬一氏 住まいを取り巻く環境は大きく変わってきています。少子高齢化、単身化の進行などのニーズの変化があるなか、生産年齢人口減少や労働環境への対応による人手不足、建設資材の価格上昇など、建築費における供給側の課題に加え、金利の上昇などお客さまの負担の課題もあります」「着工戸数は、依然として厳しい状況にあります

日本ツーバイフォー建築協会会長・野島秀敏氏 最近の住宅を巡る動きを見ますと、資材・人件費の高止まり、円安などの環境が続く中、住宅市場は継続的に厳しい事業環境が続いている

日本木造住宅産業協会会長・市川晃氏 国内住宅市場は、人口減少等による新築需要の低迷、資材価格や人件費の上昇、住宅ローン金利の引き上げ傾向など、厳しい状況が続いています

 一方、各社の年頭所感はそれぞれ目指す方向性が示されておりとても面白い。弊紙に寄せられたものと40社以上の年頭所感を発表した「Re.Port」から主だったものを以下に紹介する。(順不同)

三井不動産代表取締役社長・植田俊氏 当社グループ約2.6万人の社員一丸となり「OneTeam」の精神で、時代の変化は当社グループが付加価値創出力という強みを発揮できる

三菱地所執行役社長・中島篤氏 我々が歩みを緩めることはない。2026年は三菱地所グループの強みを再定義する年であり、長期経営計画2030の達成に向けて邁進する。三菱地所グループは、高い専門性と実行力を基盤に、不動産との多様な関わりを通じて、まちの価値を持続的に高めていく

住友不動産代表取締役社長・仁島浩順氏 東京都心とインド・ムンバイでのプライム資産開発で更なる強固な事業基盤を築き、開発分譲型事業ではマンション分譲事業に並ぶ二本目の柱として収益物件分譲事業を育てる

東京建物代表取締役社長執行役員・小澤克人氏 当社は創立130周年を迎える。先人のたゆまぬ努力と、それを大切に引継ぎ、今を支える人々の情熱が、今日の当社を築き上げてきたことに感謝しつつ、この歴史と伝統を胸に、未来への新たな一歩を踏み出す年にしたい

野村不動産ホールディングス代表取締役社長グループCEO・新井聡氏 野村不動産グループはグループビジョンで謳っている「幸せと豊かさの最大化」を目指し、既存の枠組みにとらわれず新たな価値創造に今年さらに挑戦していきます

東急不動産ホールディングス代表取締役社長 ・西川弘典氏 今年も当社の特色の一つである「環境経営」を推進し、成長領域で当社の強みを発揮できる3つの重点テーマに取り組むことで、強固で独自性のある事業ポートフォリオを構築し、更なる成長を遂げていく

長谷工コーポレーション代表取締役社長・熊野聡氏 恒例の今年のキーワードは、「人」。漢字一文字としました

森ビル代表取締役社長・辻慎吾氏 世界も日本も変化の激しい時代だが、「都市の本質」「人間の本質」はどんな時代になっても変わることはない。企業が成長し続ける良の方法は、その会社にしかない、絶対的な強みを持つことだ

西武ホールディングス代表取締役社長・後藤高志氏 グループシナジーをさらに強化し、働き甲斐のある職場環境の実現に向けて、一人ひとりの「最高の処遇」へ挑戦していく1年にします

三菱地所レジデンス取締役社長・宮島正治氏 「ザ・パークハウス」のコアバリューは「一生ものに、住む。」。一生ものに相応しい安全・安心や資産性を約束するとともに、価格に見合う価値の追求を続ける。お客様の暮らしに寄り添い、満足度の高い体験を提供することで、選ばれ続ける企業を目指していく

東急リバブル代表取締役社長・小林俊一氏 今までの常識は、もしかすると明日には非常識なものになってしまうかもしれません…当社では、AIの活用による業務効率化と並行して、「変化への感度」と「プロとしての徹底した専門性」を高めていく考えです

三菱地所リアルエステートサービス代表取締役社長執行役員・清水秀一氏 今年、私たちが目指すべきは、「結果(最高益の更新)とプロセスの高次元での融合」です

大和ハウス工業代表取締役社長・大友浩嗣氏 企業の持続的成長は、現状維持を選んだ瞬間に停滞します

積水ハウス代表取締役兼CEO社長執行役員・仲井嘉浩氏 当社のビジョンである「積水ハウスのテクノロジーをデファクトスタンダードにする」ための基盤整備を、この第7次中計で実施したいと考えています

積水化学工業住宅カンパニープレジデント・吉田匡秀氏 当社は、自然体で自分らしい暮らしが未来まで続く住まいを目指し、「Life Sustainable 鉄の家は、つよくて、やさしい。」を新たなブランドメッセージと定めました

トヨタホーム代表取締役社長・西村祐氏 今後、「住まいのことならトヨタホーム」とお話しいただけるよう、地域に愛される「町いちばんの住宅会社」を目指して努力を重ねてまいります

ミサワホーム代表取締役社長執行役員・作尾徹也氏 従来のビジネスモデルは岐路に立たされています。この環境を乗り越えるには、改善や改革と異なり、既存の仕組みを根本からつくり変える「変革」が不可欠と考えています

三井ホーム代表取締役社長・野島秀敏氏 「高品質な木造建築の提供を通して、時を経るほどに美しい、持続可能なすまいとくらしを世界に広げていく」ことを使命と考え、環境負荷の低減と災害に強い木造建築の開発に取り組んでまいります

ポラスグループ代表・中内晃次郎氏 国内外の情勢が目まぐるしく変化し、予測が難しい不透明な状況が続くことが予想されていますが、そんな時こそ、現状をしっかり見据え、失敗を恐れずに試行錯誤し、果敢に挑戦する姿勢こそが大切と考えています

大東建託代表取締役社長執行役員CEO・竹内啓氏 大東建託グループの総合力をより一層結集し、コア事業の深化とグループの特長を活かした新規事業の開拓を追求し、更なる飛躍と成長に邁進していきます

クリアル代表取締役社長執行役員CEO・横田大造氏 「不動産投資を変え、社会を変える。」 これは、当社グループが掲げるミッションであり、我々の揺るぎない信念です。かつてはごく一部の人だけのものであった不動産投資を、誰もが手軽にアクセスできることで、安定した資産運用を当たり前のものにする

◇        ◆     ◇

「苛政の時代」「バブル期には家は買えた」アンビシャス・安倍社長

 上段で各業界団体・各社の年頭所感を紹介したが、記者がもっとも驚いたのは、2026年1月5日付「週刊住宅タイムズ」新年号で、アンビシャス・安倍徹夫社長(81)が同紙のインタビューに答え、現在の社会経済状況を「苛政の時代」と喝破したことだ。安倍氏は、バブル期と現在の不動産市場について次のように語っている。( )内は記者。

 「(1989年12月に就任した)三重野日銀総裁の政策転換(金融引き締めと大蔵省の不動産融資の総量規制)で、大手の銀行、証券会社、不動産会社が破綻した。急ブレーキで市場が一気に冷えた。当時は全国津々浦々がバブルだったが、今は大都市の都心とその周辺に限定され、局所的なもの。円安の影響で物価が上昇し、実質賃金が落ち込み、取引価格が天井を超えて売り圧力が強くなっているところもある。日銀の政策転換で大きく流れが変わるとすれば、どのように規制をかけていくのか非常に難しい課題だと思う」とし、現在の市場を「孔子の言葉で『苛政は虎よりも猛し』とあるが…(略※)…60年近くマンション事業に取り組んできたが『持てる人と持てない人の差』が、これほどの格差は過去に経験がない」

 安倍氏はまた「かつてのバブル期でも家は買えた」と話しているが、その具体的記述はないので、バブル期の市場について少し補足する。

 〝地価は上がる〟という土地神話を全国民が妄信していた昭和61年(1986年)、〝民活第一号〟マンション「西戸山タワーホウムズ」(576戸)が分譲された。パンフレットは有料だったが、真夏のさなか、販売事務所の周りはとぐろのように人が渦を描き、来場者は約6万人に、申し込み倍率は44.2倍に達した。

 昭和57年(1982年)11月に分譲された「広尾ガーデンヒルズ」第1期187戸は坪単価252万円(最多価格帯7,300万円台)だったが、最高209倍、平均40.8倍で即日完売した。その後、昭和60年(1985年)の最終期63戸(最多価格帯16,000万円台)の坪単価は420万円)となり、3年間で67%値上がりした。「広尾」は〝マンション転がし〟の代表格で、平成2年(1990年)には瞬間的に坪単価は2,000万円を突破した。最終分譲からの5年間で約10倍という異常ぶりだった。

 東京都住宅供給公社が平成元年(1989年)に分譲した戸建て「多摩ニュータウン南大沢四季の丘」(45戸)の平均競争倍率は270倍に達した。この競争倍率はいまだに破られていない。

 バブル絶頂期の平成2年(1990年)の7月には、首都圏で約4,400戸のマンションが供給された。高額物件では坪単価1,200万円の「パレ神楽坂」9戸(4億円台)、坪単価744万円の「藤和代沢ホームズ」8戸(1億5,000万円台)、坪単価478万円の「グランフォルム菊名」11戸(2億円台)などがある。一方、郊外物件では坪単価212万円の「ライオンズマンション若葉台第2」30戸(4,200万円台)、坪単価175万円の「ネオハイツ深谷」1期50戸(3,800万円台)など坪単価が200万円台の物件も全114物件のうち4割近くを占め、ファミリータイプでグロスが4,000万円台以下も相当数に上っていた。

 分譲戸建ても、都内や神奈川県の物件は軒並み1億円を超えたが、都心からの距離・駅からの距離を考えなければ「鳩山ニュータウン」「蓮田グリーンタウン」「牛久みどり野」「昭苑台」などの大規模ニュータウンは5,000万円台で購入できた。安倍氏が「かつてのバブル期でも家は買えた」ことが分かる。

 もう一つ、投資用マンションもそうだが、首都圏近郊で年間数千戸から1万戸くらい供給されたリゾートマンションもバブル期を象徴する事象だった(安倍氏が当時務めていた大京東京支店はほとんど手掛けていなかったはずだが)。平成2年完成の熱海のリブラン「別邸桜乃庄」(25戸)の坪単価は550万円くらいだった。伊東の三武「ウェルネスの森」は全300戸の大型で、価格は全てが1億2,000万円だった(このマンションはバブル崩壊で工事が中断したが、施工の大成建設が完成させ、一部はホテルとして利用されている)。

 現在はどうか。これは皆さんもご存じだろうから詳細は省くが、マンションデベロッパーはバブル期の数百社から十分の一に激減、大手デベロッパー(系)の寡占状態に拍車が掛っている。都心からの距離・駅圏=資産性を喧伝するデベロッパーの戦略が奏功し、山手線内は坪単価1,000万円以上、23区内は坪500万円以上が相場となっている。安倍氏の「郊外のマンションはつい最近まで70㎡で3,000万円~4,000万円だったものが、今は7,000万円、8,000万円となり、一般の人達ではとても手が出ない価格になっている」言葉通りだ。(住宅ローンの面積要件の緩和は賛成だが、敷地面積が60㎡未満の「狭小住宅」は課題も多い。広めに誘導する対策も必要)

 安倍氏が「60年近くマンション事業に取り組んできたが、〝持てる人と持てない人の差〟がこれほどまでに拡大したのは過去に経験がない」と話した所得格差はどうか。

 記者は毎年、東京都港区の段階別課税状況を調べているのだが、課税標準額が1億円以上の高額納税者は平成28年度(2016年度)の957人(全納税者に占める割合は0.7%)から、令和7年度(2025年度)は1,677人(同1.1%)に大幅に増加。この層の収める所得割額は9年前の約163億円(全体の24.2%)から令和7年度は約334億円(全体の30.3%)と2倍に膨れ上がっている。また、課税標準額が3,000万円以上の納税者の全体に占める割合は平成28年度の3.0%から令和7年度には8.8%へ5.8ポイント増加しており、いわゆるパワーカップルも激増していることがうかがえる。

 ボリュームゾーンの所得が400~500万円台で課税標準額が200~300万円台の層は9年前の約32,561人(全納税者の24.3%)から令和7年度は3,6146人(同23.4%)となっている。この数値からも〝富める者はより富み、貧しき者はさらに貧しく〟を読み取ることができる。

 安倍氏が言う「苛政」-「虎」はわが国には棲息しておらず、レッドリストになっているようだから、敢えて言えば「熊」か。熊から逃れて東京に移住しようにも「家」は買えないし家賃も高い。記者は、都心3区などが制度化している「付置住宅」をさらに拡充し、一定規模以上のビルやマンションを建設する場合、容積率を緩和してもいいから低所得者用の住宅などを確保すべきだと思う。誰も利用しない公園などが適地になるのではないか。

※苛政 重税。[礼記]婦人の墓に哭する者ありて哀し。~曰く、昔者(むかし)吾が舅、虎に死し、吾が夫又死す。今吾が子も又死せりと。夫子(ふうし)曰く、何(なんす)すれぞ去らざるやと。曰く、苛政無ければなりと。夫子曰く、小子之れを(しる)せ。苛政は虎よりも猛しと。(大辞林)

興味津々「週刊住宅」の記事アンビシャス安倍社長・RIA土屋社長・田舎暮らし(2022/4/5)

敷地60㎡未満の分譲「狭小住宅」都心部は軒並み50%超最少の練馬は1.9%(2019/8/19)

住宅ローン控除 3年延長結構だが…はるかに効果大きい面積要件引き下げを(2018/12/15)

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芳井氏(アルカディア市ヶ谷で)

 プレハブ建築協会は1月9日、令和8年新年賀詞交換会を開催。同協会会員会社をはじめ国土交通省、経済産業省、内閣府、環境省などの関連行政機関、友好団体、報道陣など約450人が参加。同協会会長・芳井敬一氏(大和ハウス工業代表取締役会長CEO)が、次のようにあいさつした。

 新年あげましておめでとうございます。プレハブ建築協会会長を務めさせていただいております芳井でございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 本日は、当協会賀詞交歓会に、日頃よりお世話になっております行政、友好団体、研究機関及び会員会社の皆様に、多数ご出席いただき、誠に有難うございます。

 また、本日 は公務 ご多忙の中、元内閣総理大臣補佐官、住宅生産団体連合会特別顧問・和泉洋人様、国土交通省住宅局長・宿本尚吾様、経済産業省大臣官房審議官・畑田浩之様、内閣府防災監・長橋和久様ほか、国土交通省、経済産業省、内閣府、環境省の幹部の方々にご臨席を頂いております。厚く御礼を申し上げます。

 住宅を取り巻く環境は建築費や金利の上昇など厳しい状況にありますが、そうした中、昨年11月には「強い経済を実現する総合経済対策」が打ち出され、住宅取得支援や、住宅の環境性能の向上、ストック対策に重点をおいた補正予算が成立し、令和8年度政府予算案、与党の税制改正大綱が決定されました。

 具体的には、①「みらい工コ住宅2026事業」の「GX志向型住宅」をはじめとする各種支援の継続と拡充②また、当協会が強く要望してきた、フラット35の融資限度額の引き上 げなど③さらに、住宅ローン減税制度で、新築の借入限度額の上限の継続、既存住宅の借入限度額及び控除期間の拡充、床面積要件の40㎡への緩和など④そして、期限を迎える各税制の延長、拡充などがなされることとなりました。

 これらの施策の実現と、重要な支援措置の継続に、特段のご尽力、ご配慮を賜りました関係者の皆さまには、心より感謝申し上げます。当協会といたしまして、この施策を丁寧にお客様にお伝えし、「良質な住宅ストック社会」に向けて、活用させていただき、国民の大切な財産である住まいを提供してまいります。

 さて、当協会は住団連の中核メンバーとして良質な住宅ストックを形成しております。

 国交省におかれましては、住生活基本計画の見直しを検討されており、これを踏まえて、当協会としましても、次期「住生活向上推進プラン2030」を今年度末までを目途に立案いたします。高い環境性能や耐震性能を有する質の高い住宅ストックの形成と円滑な市場流通の先導役を担うべく、次期プランで様々な高い目標値を掲げて、豊かな住生活の実現に適進してまいります。

 また、当協会の大きな使命である応急仮設住宅等の供給についてです。一昨年の能登半島地震での対応を始め、これまでの多くの災害に真掌に対応してまいりました。今後想定される南海トラフ地震、首都直下地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震などの大規模災害においても、これまでの経験を活かし、平時から事前対策に取り組むことが重要と認識しています。このため、当協会では、発災直後の初動期における BCP対応を重点的に取り組んでおります。

 まず、防災機能強化のための本部事務所移転は昨年6月に実現し、重要なデータの電子化、災害対応マニュアルの改定、想定訓練なども進めました。

 さらに、多様化、多発化している災害に対応するため、平時から全ての都道府県との一層の連携を強化しております。実効性を高める共同訓練の実施、応急仮設住宅の短期施工型の導入、DX推進による業務の効率化に取り組むなどにより、地域のニーズに応じた迅速な供給が出来る体制を整えてまいります。引き続き、大きな役割を果たしていく覚悟です。

 加えて、国際貢献にも取り組んでまいります。昨年11月、当協会内に「国際貢献WGJを設置いたしました。海外の甚大な自然災害発生後や戦争・紛争終結後の復興を見据え、要請があれば、蓄積してきたノウハウを活用し、支援の提案ができるよう準備を進めていきたいと考えています。国内外を含め積極的に取り組んでまいりますので、ご指導やお力添えのほど、よろしくお願いいたします。

 本年の干支「丙午(ひのえ・うま)」は「太陽のような明るさ、情熱、決断力」を象徴しているといいます。このような姿勢で、当協会も大きく活動を広げて展開し、目標に突き進んでいく所存です。

 結びとなりますが、本日ご参加の皆様のご健勝とご多幸を心より祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせて頂きます。本日は誠にありがとうございます。

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会場

◇        ◆     ◇

 記者は、昨年8月に享年82歳で亡くなった画家・絹谷幸二氏の30年来のファンだ。絵画を買いそびれてしまったので、絹谷氏がデザインしたネクタイを愛用している。7~8年に買ったものはくたびれてきたので、新たにネットを通じ3本セットを格安で買った。そのうちの1本は派手過ぎて締める勇気がない。捨てるのももったいないので、新年賀詞交歓会に出席するはずの「絹谷幸二 天空美術館」を設立・運営している積水ハウス仲井嘉浩社長兼CEOに高値で売りつけようと企んだ。

 しかし、残念ながら仲井氏は欠席。同社関係者にも勧めたが断られた。そこで思いついたのは、大和ハウス芳井会長をそそのかし、売りつけることだった。

 にべもなく断られるかと思ったら、何と芳井会長は満面に笑みを浮かべ〝試着〟したではないか。〆た。早速、価格交渉に持ち込もうと思ったが、名刺交換を希望する参加者が殺到していたため断念せざるをえなかった。

 お世辞じゃない。芳井会長、よく似合う。冒頭のネクタイよりこちらのほうがずっといい。今日の挨拶の「太陽のような明るさ、情熱、決断力を発揮」にどんぴしゃりだ。住宅・不動産業界でこのネクタイが似合う人はそういない。芳井氏と同じように何が飛び出すか分からない〝日々妄想〟の三井不動産・植田俊社長くらいではないか。あるいは他を圧する旭化成ホームズ川畑文俊会長か。

 来年の賀詞交歓会で〝仲井さんには似合わないと思うので、私が絹谷幸二のネクタイを締めた〟とでも挨拶したら爆笑ものだ。株価が100円くらい上がるかもしれない。いかがか芳井会長、妙案ではないか。

 それとも、ネクタイはオークションにかけようか、リースにするか。

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絹谷幸二デザインのネクタイをあてがう芳井会長

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記者が所有する絹谷幸二のネクタイ(右端が芳井会長が〝試着〟したネクタイ)

「絹谷幸二天空美術館」特別展「追悼絹谷幸二」2025/12/12~2026/6/29(2025/12/13)

「今年に託す言葉」プレハブ建築協会 新年賀詞交歓会 出席者に聞く(2025/1/11) 

「巳年にふさわしくヘビー・ローテーションで臨む」プレ協・仲井会長 賀詞交歓会(2025/1/11)

 

 

 


 

 

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吉田氏(オークラ東京で)

 不動産協会と不動産流通経営協会は1月7日、「不動産協会・不動産流通経営協会新年合同賀詞交歓会」を開催。不動産協会理事長・吉田淳一氏(三菱地所取締役会長)があいさつしたほか、金子恭之国土交通大臣、片山 さつき財務大臣が来賓として祝辞を述べ、不動産流通経営協会理事長・遠藤靖氏(三井不動産リアルティ社長)が乾杯の音頭を取った。賀詞交歓会には1,150人が参加した。

 賀詞交歓会の冒頭、吉田理事長は次のように述べた。

 皆様、新年あけましておめでとうございます。不動産協会理事長の吉田でございます。

 本日は不動産協会、不動産流通経営協会合同の新年賀詞交歓会に、金子国土交通大臣をはじめ、日頃よりご指導いただいております、国会議員の先生方、関係諸官庁・友好団体や報道関係の皆様など、多数ご出席いただき、誠にありがとうございます。主催者を代表いたしまして、ひとこと年頭のご挨拶を申し上げます。

 まず、令和8年度の税制改正についてお話をしたいと思います。

 昨年末に与党の大綱が決定されました。今回の税制改正は、非常に数多くの不動産関連税制が期限切れを迎える、大きな節目の年にあたりました。結果として、最重点項目であった住宅ローン減税、長期保有土地等にかかる事業用資産の買換え特例、都市再生促進税制、国家戦略特区税制などの延長をはじめ、ほぼ当協会の要望を認めていただく形となり、胸を撫で下ろしております。

 特に最大の焦点であった住宅ローン減税については、新築住宅はほぼ現行の制度を維持しつつ、中古住宅における拡充が行われ、また、今後5年間にわたって枠組みが堅持されることとなりました。特に若年層世帯の方々の住宅取得を支援する環境を継続することができたこと誠に喜ばしい結果であったと感謝いたしております。ご尽力いただいた先生方、関係の皆様方に、厚く御礼申し上げます。

 昨年を振り返ってみますと、春先は、いわゆる「トランプ関税」に国際社会が翻弄される事態となりました。日々風向きの変わる米国の経済政策や地政学リスクの高まりなど、先行きが不透明な状況が続いています。我が国においても、7月の参院選で参議院においても少数与党となり、10月に高市新内閣が発足するなか、連立与党の枠組みが変わるなど、政治においては目まぐるしい変化が起こった激動の1年でした。

 新しい年を迎え、先行きを展望しますと、日本経済は全体としては堅調に推移しており、「失われた30年」における「デフレ・コストカット型経済」から、ようやく脱却したように思います。しかしながら、物価上昇と賃上げのバランスにおいて、国民の景気回復の実感はまだまだ乏しいというのが現実ではないでしょうか。ウクライナ危機等に端を発した「コストプッシュ型の物価上昇」から、経済成長と所得増加を伴う「健全な物価上昇」の社会へ移行しなければなりません。

 政府の新しい経済対策に「“強い経済”の実現」ということが謳われています。政官民の総力を挙げて、我が国経済を牽引し、社会課題の解決にも資する投資を拡大し、暮らしの安全・安心を確保して、日本を強く、豊かにし、将来世代への責任を果たす。

 私ども不動産業界は、まさしくその重要な一翼を担っていくと、あらためて意を強くしています。

 こうした認識のもとで、今後の課題とそれに対する当協会の活動について、ポイントを絞ってお話をします。

 まず、環境政策の分野ですが、2050カーボンニュートラルの実現に向けて、官民一体となって、省エネ・再エネを加速・深化させる取り組みを推進して参ります。さらに、ライフサイクルカーボンの削減にも本格的に取り組んで参ります。

 次に、都市政策の分野では、骨太の方針、国土強靭化計画等に基づき、都市の個性の確立と質や価値の向上に資する「成熟社会」における都市再生を推進しなければなりません。

 しかしながら、昨今の建築費の高騰、人手不足などの問題により都市再生に大きな支障が生じる事態となっています。これらは、我が国における、国土強靭化、国際競争力の強化、インフラの再整備などにも影響が出る、非常に重要な問題であると考えています。建設業界だけではなく、私どもも、国も、一緒になってこの問題を考え、10年後、20年後も見据えて、サステナブルにまちづくりを推進できるよう、できることから実行に移していく必要があると考えています。

 最後に、住宅政策の分野ですが、改正されたマンション関係法が今年4月に施行されるほか、新しい「住生活基本計画」が今年3月に閣議決定がなされる予定となっております。住宅ニーズが多様化するなか、政策の背景も踏まえ、引き続き安心・安全で良質な住宅ストックの形成・循環の実現に貢献して参ります。

 ここで分譲マンションの投機的短期転売についても触れておきたいと思います。今までも繰り返し申し上げてきたことですが、現在のマンション価格の上昇は、建築費高騰などによる「原価の上昇」と供給戸数の減少と旺盛な需要という「タイトな需給バランス」が主な要因であると認識しております。

 しかしながら、私どもが分譲したマンションが単なる投機の対象となる、これは決して好ましいことではない、という思いは一貫して変わっておりません。そのために、当協会として、現実的に実行可能な対策を考え、昨年11月に公表させていただきました。今後はこの対策を、会員会社においてしっかりと実行していくことが重要であると考えています。

 当協会としては、国民の暮らしを豊かにするまちづくりや、住環境の整備を通じ、我が国の経済・社会の発展に向けて、貢献していきたいと考えておりますので、引き続きご理解、ご支援賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 結びにあたりまして、皆様の一層のご活躍とご健勝をお祈りし、また今年一年が皆様や国民にとって明るく良い年となることを祈念申し上げて、私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

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金子氏

 続いて登壇した金子国交相は、「わが国経済は引き続き緩やかな回復基調にあるが、人口減少、少子高齢化をはじめ様々な課題に直面しており、豊かで魅力ある社会築く重要な役割を担っている不動産業界の皆さんの力が存分に発揮できるよう、国土交通省も各種施策を推進していく。

税制については、皆さんの心強い支援を頂き、令和8年度の税制改正大綱では、基幹税制である住宅ローンの延長など頂いた要望を全て盛り込むことができた。マンションの投機的取引対策としては昨年11月、調査結果を公表した。引き続き実態把握に努め、皆さんと連携し投機的取引の抑制に取り組んでいく。また、今年4月にはマンション改正法が本格施行されるが、マンションの新築から再生までを見通した管理の適正化を進めていく」と述べた。

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遠藤氏

乾杯の音頭を取った遠藤氏は、税制改正で住宅ローン減税の延長や、減税の対象となる面積要件の緩和、融資額の引き上げが不動産流通市場の活性化につながると謝意を表し、「私からはこれ以上申し上げることはない」と締めくくり、参加者の喝さいを浴びた。 

◇      ◆     ◇

記者は、高市内閣が意欲を見せている「デフレ脱却宣言」について、業界関係者はどう考えているか、片っ端から声を聴こうと準備していたのだが、同業の記者から「何をいまさら」と一喝されたので止めた。インフレとデフレが同時進行するスタグフレーションでもなく、なし崩し的にうやむやにされるのか。バブルが崩壊したのは平成2年(1990年)だ。あれから「失われた30年」ではなく35年だ。

年末から年始にかけて、ディストピア(反理想郷)小説の代表作であり、ジョージ・オーウェルの「一九八四年」(ハヤカワ文庫)の真逆の世界を描いたオルダス・ハクスリーの「すばらしき新世界」(光文社文庫)を難儀しながら読んだ。その矢先、年明けにはアメリカのベネズエラ攻撃が報じられた。それでも株価は上がる。善も悪も正も邪も美も醜も何もかもがあいまいに済まされる白内障の世界が蔓延しているということか。

今年も、記者のモットーである「記事はラブレター」=「誰も寝てはならぬ」(プッチーニ)記事を配信します。

総力挙げて「着実に未来を切り拓く年」に不動産協会・吉田淳一理事長(2025/1/8)

「今年に託す言葉」プレハブ建築協会新年賀詞交歓会出席者に聞く(2025/1/11)

「今年に託す言葉」不動産協会・FRK合同新年賀詞交歓会参加者に聞く(2025/1/9)

 

カテゴリ: 2025年度

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  首都圏分譲マンション・一戸建て着工戸数推移.pdf
※2025年の戸数は1~11月

 国土交通省の新設住宅着工統計によると、2025年(令和7年)1~11月の首都圏の分譲住宅着工戸数は85,599戸となり、年間では10万戸に届かず、バブル崩壊後の1992年(平成4年)の73,327戸以来33年振りの低水準にとどまる可能性が高まった。

 1~11月の首都圏マンション着工戸数は37,167戸で、前年の47,903戸を下回るのは確実で、バブル崩壊後の1992年の約45,000戸を下回り、リーマン・ショック後の2009年(平成21年)の34,506戸に次ぐ低水準になりそうだ。

 一方で、首都圏分譲戸建ては、マンションほど落ち込んでおらず、前年並みの水準に落ち着きそうだ。

 首都圏の分譲住宅のマンションと一戸建ての着工戸数は、昭和50年代後半にマンションが一戸建てを上回り、リーマン・ショック後の2009年(平成21年)と2010年(平成22年)は一戸建てがマンションを上回った。その後は再びマンションが一戸建てを上回っていたが、2018年(平成30年)に一戸建てが62,065戸となり、マンションの55,195戸を上回って以降ずっと一戸建てが上回っている。

 バブル崩壊やリーマン・ショックによる社会経済の後退局面ではなく、資産格差、株高、超富裕層・パワーカップルの台頭、用地高・資材高・人件費高騰などかつて経験したことがない複雑な要因が絡んだ局面を迎えている。

 

 

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 国土交通省は12月25日、令和7年11月の新設住宅着工戸数をまとめ発表。総戸数は59,524戸(前年同月比8.5%減)となった。利用関係別では、持家は17,901戸(同9.5%減)で8か月連続の減少、貸家は25,253戸(同5.5%減)で先月の増加から再びの減少、分譲住宅は16,103戸(同11.3%減)で先月の増加から再びの減少。分譲住宅の内訳は、マンションは5,551戸(同29.7%減)で先月の増加から再びの減少、一戸建住宅は10,389戸(同2.6%増)で2か月連続の増加。

 首都圏の総戸数は20,146戸(同13.9%減)、内訳は持家は3,648戸(同8.2%減)、貸家は9,938戸(同6.5%減)、分譲住宅は6,506戸(同25.3%減)となった。

 分譲住宅の内訳は、マンションは1,850戸(同56.7%減)で、都県別では東京都1,037戸(同52.7%減)、神奈川県306戸(同46.9%減)、埼玉県353戸(同45.3%減)、千葉県154戸(同82.1%減)。一戸建ては、4,522戸(同4.5%増)で、内訳は東京都1,462戸(同9.7%増)、神奈川県1,046戸(同6.9%減)埼玉県1,161戸(同11.1%増)、千葉県853戸(同3.1%増)。

 令和7年の1月~11月の総戸数は678,549戸(前年同期比7.0%減)、持家は183,789戸(同8.3%減)、貸家は299,473戸(同5.1%減)、分譲住宅は189,647戸(同8.4%減)となった。


 

 

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 野村不動産は12月24日、同社の「GX志向型住宅」仕様の物件が関西電力とUI銀行が提供する環境配慮型住宅ローン「CQエコ住宅ローン」の金利優遇の適用を受けると発表した。

 「CQ エコ住宅ローン」は、関西電力とUI銀行が提供する、環境配慮住宅に対して、借入の全期間で適用金利が優遇される住宅ローン。

 金利優遇を受けられるのは、現在販売中の「プラウド横浜東神奈川フロント」など3物件で、2025年12月1日現在の変動金利で、借入金額が購入物件価格の80%以内など一定の条件を満たした場合、最大で年0.520%まで借入金利が優遇される。同社は今後も適用対象となる物件の販売を予定している。

 

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「UCHIWA STAY OSAKA NAMBA(ウチワステイ大阪難波)」

 コスモスイニシアは12月23日、既存ビルを再生・活用した全室約100㎡のアパートメントホテル「UCHIWA STAY OSAKA NAMBA(ウチワステイ大阪難波)」を同日に開業したと発表した。

 それぞれの客室は最大8名まで宿泊可能で、キッチンや大型ダイニングスペースなど、快適な滞在をサポートする設備を完備している。

 施設は、Osaka Metro御堂筋線なんば駅から徒歩10分、Osaka Metro千日前線日本橋駅から徒歩5分、大阪市中央区日本橋2丁目に位置。客室は6室。

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Screenshot 2025-12-22 at 18-29-32 「キマルーム 電子申込」「キマルーム 電子契約」利用拠点数23 000カ所を突破|土地活用のことなら - 大東建託.png
「キマルーム 電子申込・契約」画面イメージ

 大東建託グループのキマルームは12月22日、プレスセミナーを開催し、賃貸取引に特化した電子申込・契約サービス「キマルーム 電子申込」「キマルーム 電子契約」を2024年7月に提供開始してから2025年12月時点で、その利用拠点数は23,000か所を突破し、2030年年までに現在の約3倍の70,000か所に増やすと発表した。

 キマルームは2010年12月設立。大東建託の大東建託パートナーズの100%出資子会社。賃貸住宅の部屋探し-申し込み-契約まで一気通貫で電子化するもので、書類別課金ではなく、業界最安値(同社)の契約一件当たりの従量課金190円が特徴で、ナビゲーション機能やチャット、アコーディオン機能を搭載しているため、賃貸借契約の全行程が一覧表示されるため、進捗状況が即時把握できるという。

 導入により、契約関連業務は紙中心の従来と比べ70%削減でき、残業時間・残業代の抑制に寄与し、書類紛失などのリスクを低減するとともに、法人契約を含む電子契約率が向上するという。

 今後は、社宅代行会社との連携で業界未開拓の法人電子契約を実現し、多言語対応(英語・中国語など)、価格の透明性と継続的な機能拡充を行うとしている。

 同社代表取締役社長・藤井志郎氏は、「大東建託グループの電子化率は、導入前の2024年5月では50%(個人)だったのが2025年12月現在は95%(同)に倍増した。課題である法人の現行20%の拡大を目指す」と語った。

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藤井氏

◇        ◆     ◇

 上段は、ほとんど大東建託が発表したプレス・リリースのコピペだ。スマホも満足に扱えず、SNSたるものを一度も体験したことがない典型的なガラパゴス・アナログ人間の記者は、そうするほかなかった。読者の方が理解していただくことを願うしかない。

 会見内容はよくわからなかったが、記者と同様、コンビニの2倍以上の約13.2万業者(令和6年度末)もあるわが不動産業界もかなり時代遅れであることが浮き彫りになった。

 セミナーで、藤井氏が不動産取引における電子契約の普及状況について触れ、宅建業法で電子化が解禁になって3年が経過するにもかかわらず、Sansanの「不動産・商業施設に関する契約の実態調査」によれば「紙の契約書をキャビネットで保管」は64.7%、DX(電子契約と管理システムの導入)は「あまり進んでいない」(37.8%)と「全く進んでいない」(17.3%)を合わせると55.1%に達すると話した。

 また、国交省が宅建5団体を対象に令和7年1月に実施したIT重説・電子契約の普及状況調査(有効回答数は1,815件)によると、IT重説の実績があるのは13%、実績はないが導入済まで含めると33%、導入予定なしは66%、書面電子化の実績があるのは9%、実績はないが導入済まで含めると27%。導入予定なしは72%というものだ。

 調査結果からは、IT重説も書面電子化も遅々として進んでいないことが分かるのだが、記者は宅建5団体別にみると、かなり差が出ると見ている。宅建5団体とは全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)、全日本不動産協会(全日)、不動産流通経営協会(FRK)、全国住宅産業協会(全住協)、不動産協会(不動協)と思われるが、圧倒的に多いのは全宅連の10万社超で、中堅以上の会員が多数を占める全住協は約400社、FRKは200数十社、大手(系)からなる不動協は200社にも満たない。

 中堅以上の600社(重複加入を除く)のIT重説、書面電子化の取り組みはかなり進んでいるはずで、全宅連と全日などの会員のGXの取り組みは相当遅れていることが容易に想像できる。

 そんな業界を対象に2030年までに現在の約3倍の70,000か所での利用を目指すという目標は凄いの一言だ。記者はこの70,000か所の意味するものがなんであるか知りたかったのだが、全国紙の記者の方が聞いてくれた。藤井氏は「全国約13万業者のうち、賃貸を扱っているのは7~8万社」と答えた。つまり、全業界を網羅しようという目標のようだ。関連して、別の記者は「ベンチマーク、競合企業はどこか」と質問し、藤井氏は「イタンジ」(記者は名前だけは聞いたことがある。記者のような異端児ではないようだ)と「リクルート」を挙げた。

DXとCEが世の中を劇的に変える大和ハウス「業界動向勉強会<建設DX篇>」(2024/12/17)

驚嘆 2030年の年間DX投資額350億円に拡大三井不「DX VISION 2030」策定(2024/8/5)

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 ENEOS、電通、日本航空、日本マクドナルド、富士フイルムホールディングス、三井不動産の6社は12月10日、女性営業職の活躍を阻む「5つの壁」を抽出し、その解決方法を5つの「働きやすさNEXT」にまとめたホワイトペーパー「働きやすさNEXTプロジェクトFOR THE NEXT 2025」をまとめ発表した。

 プロジェクトは、「女性をはじめとした営業部門で働くすべての従業員が能力を発揮できる環境づくり及び、次世代リーダーの育成。加えて、女性営業職に対する固定観念やバイアスのアップデート」を目的に、2025年7月~2025年11月まで計4回のリアルワークショップ、及び分科会毎の会議などを実施。参加者は6社の営業職女性/営業職男性/管理職/経営層の約30名。6社の従業員(計178名)のアンケート結果と電通独自の生成AIを活用して女性営業職の100の課題を抽出した。

 その結果、あぶりだされた5つの壁とは次の通り。

①仕事と育児の両立 育児のコアタイムはお迎えから寝かしつけまでの18時-21時だが、会食や打ち合わせと調整が必要になることもしばしば。急病などでどうしても抜けなければいけない事態も度々起こるが、柔軟に補完し合えるチーム体制を築くのは難しい。また、「子育ては母親がメイン」 という固定観念は社会や母親本人の中にも根深く、育児を優先したいけど社内にもそれを言いづらいというジレンマに苛まれている

②過度な配慮 上司としては育児と仕事の両立をサポートしたいとの思いや、「今はこのくらいの業務負荷までにした方がいいだろう」という判断が過度な配慮・過小評価となり現場の意欲や機会を小さくしている。管理職には育児に積極的に関与してこなかった世代も多く、配慮のすれ違いが起こってしまっている

③世代間の価値観や意識のずれ 評価者が過去に経験していないことやアップデートされていない価値観がボトルネック。「営業の仕事は【時間】と【エネルギー】のコミットこそが成果」だという価値観は評価者世代にほど無意識に根付いている。営業職出身の女性の上司は増えてきたが、男性と対等に戦うことを強いられ何かしらを犠牲にしてきた人たちも多く、今の現場世代と同じ悩みを経験してきたロールモデルはまだまだ少ない。

④ライフプランとキャリアの板挟み 取引先にとことん寄り添い、何でもやるという営業文化の中で、営業が“よろず屋” 化。取引先に合わせて対応する中でノウハウは個別属人化し、裁量が個人に委ねられ、社内のルールから治外法権化していくことも。成果は個人で積み上げることになり、産休・育休はキャリアの分断に直結してしまうことが、女性営業職のライフプランとキャリアプランの両立を困難にしている

⑤女性活躍推進手段の目的化 日本企業では営業部門の女性管理職率や管理職意向が低い傾向もあり、「女性活躍推進」は各社命題になりがち。昇格の理由について、上司も本人も明確に説明できず、なぜその人が昇進したのかが具体的な成果や行動レベルで説明されていない

 これに対して、私たち6社が目指したい5つの「働きやすさNEXT」は次の通り。

①営業の時間割。仕方がないから変えられるへ

②想像からの配慮より、対話からの本音を

③価値観のギャップを、多様な評価のチャレンジに

④ライフイベントとキャリアのジレンマを、チーム戦で解決

⑤「女性だから」の理由じゃなく「あなただから」の理由を

 この結果に対する参加企業の経営層/責任者のコメントは次の通り。順不同

■三井不動産執行役員DX本部長部長・宇都宮幹子氏 課題解決までの道筋を、可視化することの大切さを改めて感じました。上司の立場で言えば、「ストレートに相談してほしいのに」とも思うけれど、現場としてはなかなか言えない

■電通執行役員ビジネスプロデュース担当・国政裕子氏 「男性」「女性」とわざわざ言わなくてもよい社会への第一歩として、今回の成果を6社共同の社会的メッセージとして発信したい

■日本マクドナルド執行役員中日本地区本部長・西村美子氏 今回のプロジェクトを通じて抽出された「5つの壁」は、業種を越えた社会共通の課題であることを再認識しましたし、解決のためのキーワードは対話だと感じています

■富士フイルムホールディングス取締役専務執行役員コーポレートコミュニケーション部長兼ESG推進部長・吉澤ちさと氏 全ての課題の根底にコミュニケーション不全あり」と感じられ、顧客と企業、上司と部下、経営と営業現場等の相互理解が進むコミュニケーションを増やすことが有効だと再認識しました

■日本航空執行役員ソリューション営業本部副本部長、東京支社長・西原口香織氏 このプロジェクトを通して構築された絆をこれからも深め、皆さんと一緒に前に進めていければと思っています

■ENEOS広報部長・森田麗氏 人事制度など仕組みとして自慢できるものである以上に、魂のこもった施策を本気で考える必要があると痛感しました

レポートの「おわり」には、「このレポートは、彼女たち参加者一人ひとりの『小さな勇気』の結晶であり、この提言は、未来の働きやすさをひらくために、行動を始めたすべてのチャレンジャーの意志です」とある。

◇        ◆     ◇

 記者は、曲りなりに〝主夫〟を約10年経験した。女性の考え方はよく分からなし子育てには失敗したが、育児・家事労働の大変さはよくわかる。家事労働を可視化し、基礎控除の対象にすべきだと思う。

 〝女性活躍〟〝女性輝く〟〝専業主婦〟などは好きな言葉ではない。電通の国政氏がコメントしているように、「男性」「女性」とわざわざ言わなくてもよい社会にすべきだ。

〝業界のレディ・ガガ〟ミラースHD髙荒氏職務から女性活躍、高市首相、ペットを語る(2025/12/13)

夫の育児・家事の満足度高いのは佐賀、沖縄、山梨、三重積水ハ「男性育休白書」(2025/9/22)

同床異夢夫も妻も相手の家事労働に不満6割深刻な実態浮き彫りリンナイ調査(2024/9/1)

 


 

 

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「こんにちは、原宿-CCBTと想像する少し先の未来」(「WITH HARAJUKU(ウィズ ハラジュク)で) 

 アートとデジタルテクノロジーを通じて人々の創造性を社会に発揮する「シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]」は2025年12月、活動拠点を渋谷から原宿「WITH HARAJUKU(ウィズ ハラジュク)」に移転、リニューアルオープンした。移転に伴うイベントの一つとして12月14日に行われた「WITH HARAJUKU」のトークセッション「こんにちは、原宿-CCBTと想像する少し先の未来」を取材した。

 グッドデザイン賞審査委員長でCCBT共創戦略アドバイザー、パノラマティクス主宰・齋藤精一氏がモデレーターを務め、原宿駅前の「WITH HARAJUKU」と表参道に面した「クエスト原宿」の設計を手掛けたNTT都市開発エグゼクティブアドバイザー・楠本正幸氏、一般財団法人渋谷区観光協会理事兼事務局長・小池ひろよ氏、一般社団法人渋谷未来デザイン理事兼事務局長・長田新子氏が約90分にわたり〝唯一無二〟のポテンシャルを持つ原宿の近未来を語りあった。イベントには地域居住者やクリエイター、建築家など約40人が参加した。

 齋藤氏は、世界でトップクラスのクリエイティブな街として評価されている「東京」は、他方では「自分のことをクリエイティブか」と聞かれると、スコアは圧倒的に低いことを指摘し、CCBTが今必要なのは「文化投資」であり、「会話」であり「公共」「シビックテック」などと話した。

 楠本氏は、2つのプロジェクトについて、どうしたら人間中心の街づくりができるかのポイントとして①唯一性〈Only oneOnly〉そこしかないは前・歴史・文化②多様性〈Diversity〉多様な素材・昨日・人々が集積③回遊性〈Walkability〉ヒューマンスケールな安全・安心の3点を挙げ、人間の五感の全てに訴求するのが究極のアート、クリエイティブだと語った。

 小池氏は、渋谷区や東急、東急不動産も特別賛助会員で、産官学民が連携し、変化し続ける都市における新たな観光振興事業を行っている同協会の活動を紹介。シビック・クリエイティブ、シビックプライドを重視しており、個人的には「キャットストリート」に注目していると話した。

 長田氏は、同社団は渋谷区観光協会とは〝兄弟姉妹〟的な存在として、アクションするための組織として音楽・文化・スポーツなど12の多彩なオープンイノベーション、ソーシャルイノベーションの取り組みを行っていることを紹介した。

 トークセッションのテーマの一つである生態系の変化について、小池氏は外国人を中心に路地裏まで散策するようにどこからでもアクセスできるようになり、長田氏は若者だけでなくサラリーマンやインバウンドが増加していると語った。また、楠本氏は、原宿の街のポテンシャルを最大限に引き出し、再認識してもらうよう「圧倒的な神宮の森の空気と風と光を人流とともに取り込んだ」と語った。これに対して齋藤氏は「それまでは鉄の壁が立ちはだかっていた。街は分断されていた」と形容した。

 このほか、各氏は「界隈」「インタラクション」「染み出し」「シビックテック」「ミドルマン」など幅広い分野にわたって語り合った。

 参加者からの質問に対して、交差点・街区構成は人の動きなどを視認できるのは50~60mが限界であることから、楠本氏は世界共通の街づくりであると、また、地価上昇・家賃高騰で都心部でのクリエイターの活動が困難になっていることについて、齋藤氏は思い切った郊外や地方に活動拠点を移すのもありではないかとそれぞれ答えた。

 「シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]」は、コロナ禍の真っ最中2022年に開所。アーティスト、デザイナー、エンジニア、研究者などが共創を通じて創造的実験に取り組んできた。リニューアルオープンに当たり「都市は、想像力を要求する。」をキーワードに様々なイベントを2026年3月22日(日)まで展開する。

 「WITH HARAJUKU(ウィズ ハラジュク)」はJR原宿駅から徒歩1分、渋谷区神宮前1丁目に位置する敷地面積約5,067㎡、地下3階地上10階建て延床面積約26,600㎡。フロア構成は地下2階~3階、8階:ショップ&レストラン(全14店舗)、4階~7階、9階~10階:賃貸レジデンス(賃貸戸数53戸)。事業主はNTT都市開発。開発コンサルタントはアール・アイ・エー、基本計画はアール・アイ・エー、竹中工務店+伊東豊雄建築設計事務所、設計は竹中工務店+伊東豊雄建築設計事務所、施工は竹中工務店。着工は2017年11月、開業は2020年4月25日。

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 齋藤氏

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左から楠本氏、小池氏、長田氏

◇        ◆     ◇

 取材の目的は、「WITH HARAJUKU」の設計に携わったという楠本氏が何を話すかを聞くためだった。竣工時の2020年に取材を申し込んだが、コロナを理由に断られた。

 この日の取材の目的はほぼ達せられた。そもそも不動産はどこでも唯一無二ではあるが、その最大の土地の魅力を引き出したのは「WITH HARAJUKU」と「クエスト原宿」だと思う。

 この施設の最大の特徴は、木を多用した印象的なファサードもさることながら、原宿駅前から明治通りに出るには幅員数メートルしかない竹下通りか表参道を利用するしかなかったから難点のアクセスを解消したことだ。建物の中央に明治神宮内苑の森の光と風と人流を呼び込み、施設の背後地の3方道路に繋ぐ計画が秀逸だ。かなりある比高差を巧みに利用したフロア構成も見事も見事だ。

 いうまでもないことだが、原宿のポテンシャルは極めて高いと記者も思う。その一つは明治神宮外苑(約28.4ha)、明治神宮内苑(73ha)、代々木公園(約54ha)の公園が徒歩圏にあることだ。齋藤氏も研究したセントラルパークの約340haの規模にははるかに及ばないが、3つの公園併せて約155haの〝森〟が近接している価値はとても大きい。

 余談だが、記者は2008年に分譲された定期借地権付き「パークコート神宮前」の購入を考えた。若者でごった返す街は好きではなかったが、東郷神社に隣接し、隈研吾氏がデザイン監修し、神宮外苑、明治神宮内苑、代々木公園も徒歩圏だったからだ。残念ながら、お金が足りずに断念した。現在の坪単価は当時の2~3倍になっているはずだ。

 もう一つ、大きな収穫だったのは、最近取材した「Sensuous City(センシュアス・シティ)[官能都市] 2025」や先日の「プロミライズ青葉台」建替え内覧会の取材と通じるものがあることを確認できたことだ。とりわれ各氏が強調したて「会話」は、あらゆることに通じるものだ。

 しかし、記者が無知だからでもあるのだが、齋藤氏が「ああいう風になった」と話したニューヨーク・ハイラインの再開発が何なのかさっぱり分からなかった。齋藤氏は「米国のベロッパーは、仕入れた案件を3倍、あるいは10倍で売って〝後は知ったことか〟のブローカーがほとんどだが、日本のデベロッパーがすごくえらいと思うのは、街を開発した後も考えてくれている」と話した。

 この点について、かつて〝ハゲタカファンド〟という言葉が流行ったように、外資系デベロッパーが批判されたことはあるが、わが国のデベロッパーも〝売り逃げ〟という言葉があったように、後々までのことに関与し続けてきたかどうかは議論の余地があるように思う。

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「WITH HARAJUKU」原宿駅前から

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「WITH HARAJUKU」中央の開口部

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「WITH HARAJUKU」後方の原宿駅へつながる施設内空間

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「WITH HARAJUKU」施設内

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「WITH HARAJUKU」東側

団地再生のキーワードは「愛」横浜市最大級「プロミライズ青葉台」建替え内覧(123/12)会(12/12)

誰のための調査か森記念財団「日本の都市評価特性」とLIFULL「官能都市」比較(2025/10/11)

代々木公園「魚ジャパンフェス・ふくしま魚まつり」に長蛇の列 4日間で来場20万人(2025/2/25)

本物の緑に感動無国籍・多国籍の店舗構成も納得東急プラザ原宿「ハラカド」(2024/6/4)

驚嘆の安さ 坪318万円 隈研吾氏がデザイン監修 三井不・東電不「パークコート神宮前」(2008/11/19)

 

 

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