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 国土交通省は7月31日、令和8年6月の新設住宅着工戸数をまとめ発表。総戸数は66,344戸(前年同月比18.6%増)となり、3か月連続で増加した。利用関係別では持家が18,553戸(同15.7%増)、貸家が30,253戸(同24.6%増)、分譲住宅が17,211戸(同14.2%増)で、ともに3か月連続の増加。分譲住宅の内訳はマンションが6,048戸(同1.7%増)で2か月連続の増加、一戸建住宅が10,861戸(同21.7%増)で3か月連続の増加。

 工法別では、プレハブは8,509戸(同13.7%増)、ツーバイフォーは7,181戸(同7.4%減)。

 首都圏は総戸数24,952戸(同19.9%増)で、内訳は持家3,837戸(同14.2造)、貸家13,485戸(同30.6%増)、分譲住宅7,504戸(同8.4%増)。分譲住宅の内訳はマンション2,407戸(同14.5%減)、一戸建て4,823戸(同21.6%増)。

 マンションの都県別は、東京都1,481戸(同18.2%増)、神奈川県506戸(同58.5%減)、埼玉県364戸(同23.4%増)、千葉県56戸(同19.1%増)。戸建ての都県別は、東京都1,612戸(同28.7%増)、神奈川県1,250戸(同28.1%増)、埼玉県1,037戸(同5.7%増)、千葉県924戸(同22.1%増)。

令和8年1~6月では総戸数363,813戸(前年同期比0.5%増)で、持家97,135 戸(同3.0%増)、貸家161,445戸(同0.3%増)、分譲住宅102,691戸(同0.2%減)。


 

 

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「大手町ゲートビルディング」 

 三菱地所は731日、農林中央金庫、日立プロパティアンドサービスなどと共同で開発を進めてきた「大手町ゲートビルディング」が同日竣工し、日本橋川に新設した歩行者専用橋「仲通り散歩橋」と防災船着場「鎌倉河岸船着場」を千代田区へ引き渡したと発表。同社・中島篤氏、千代田区長・樋口高顕氏ら関係者百数十人が参加した記念式典と建物を報道陣に公開した。

 物件は、大手町と神田の結節点に位置。両エリアをつなぐ新たな都市拠点として整備された。日本橋川に架かる「仲通り散歩橋」と防災船着場「鎌倉河岸船着場」を新設し、周辺区道の無電柱化・美装化により、大手町・丸の内エリアの「仲通り」を神田まで延伸し、歩行者ネットワークと回遊性を大幅に向上させる。また、鎌倉橋周辺には丸の内シャトルの乗降場を設け、エリア間のアクセス強化も図る。

 建物デザインは、日本橋川沿いが江戸時代に物流拠点「鎌倉河岸」として栄え、多様な食文化を育んだ歴史を継承。「新たな文化の入口」をコンセプトに、人・物・情報が交わる場を目指し、3層吹き抜けのアトリウムを備えた開放的な空間を創出。

 周辺には約1,000㎡の交流広場「内神田仲通り広場」を整備し、日本橋川沿いに遊歩道や船着場、カフェ、飲食店、観光案内所を配置することで、水辺空間を活用した新たな賑わいを形成する。

 三菱地所が進める食と地域をつなぐ「めぐるめくプロジェクト」の活動拠点として、24階には農と食のビジネス・産業支援施設「MINORIWA(ミノリワ)」を整備。農業・食品分野の事業者やスタートアップ、企業が交流・共創できる場となる。サービスオフィスやコミュニティ機能を備えるほか、クラフトサケ醸造所「haccoba 内神田醸造所」も開業予定。

 825階の一般賃貸オフィスは竣工時点で満床。フロアは約2,070㎡の無柱空間を備え、天井高は2900ミリ(25階は3200ミリ)。多様な働き方に対応するレイアウトが可能。18階には就業者ラウンジ「GATE LOUNGE」やフレキシブルオフィス「xLINK大手町ゲートビル」を設け、大企業からスタートアップまで幅広い企業活動を支援する環境を整えた。

 防災・環境面では、制振構造や72時間対応の非常用電源を採用、高い事業継続性を確保。約720人を受け入れる帰宅困難者一時滞在施設も整備する。また、大手町の地域冷暖房システムを神田エリアまで延伸し、地域全体の環境負荷低減を推進。「ZEB Ready」をはじめ、「CASBEE建築Sランク」「CASBEEスマートウェルネスオフィスSランク」「DBJ Green Building認証★4」を取得。

 さらに原木丸太端材から製造した「幅はぎ材」の木材パネルを採用し、歴史性を継承するとともに脱炭素にも貢献する建築となっている。

 記念式典で三菱地所代表執行役執行役社長・中島篤氏は「『仲通り散歩道』と『鎌倉河岸船着場』は防災拠点にも観光拠点にもなる。神田と大手町がつながり、地域がより一層盛り上がることに期待したいと」あいさつした。

 また、千代田区長・樋口高顕氏は「鎌倉河岸は約400年前の江戸時代の初期、鎌倉方面からの資材の荷揚げ場として栄えた。防災。観光・賑わい拠点として神田と大手町が一体として末永く愛され、発展することを願っている」と祝辞を述べた。

 物件は、名称は「内神田一丁目地区第一種市街地再開発事業」で、地下鉄大手町駅から徒歩3分、JR神田駅から徒歩6分、千代田区内神田一丁目に位置する敷地面積約5,105㎡、地上26階・地下3階建て延床面積約85,398㎡、許容容積率は1,400%(特区容積割増+600%)。設計は三菱地所設計、施工は大成建設・関電工・新菱冷熱工業・斎久工業・日立ビルシステム。工期は20227月~20267月。「MINORIWA(ミノリワ)」を831日に開業し、1階の商業ゾーンや観光案内所は97日から順次オープンする予定。

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内神田仲通り広場

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「仲通り散歩道」(高速道は廃止されない)

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「鎌倉河岸船着場」

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「内神田川端緑道」

       ◆     ◇

見学会の受付会場になっている1階エントランスに着いた途端、大空間のアトリウムが眼を射た。この日は事情があって4時間くらいしか寝ていなかった記者の目が覚めた。高さにして約18m1層約6mとして3層分)の大空間の天井と壁に本物の木材(三菱地所がフェイクのケミカル製品を使うはずがないと判断)とアルミのハイブリッドがリズミカルに張り付けられていた。

必死で記憶を手繰り寄せた。〝これほど大規模で美しい木質空間を見たことがあるか〟-結論は〝ない〟だった。美しい木質空間そのものは、隈研吾氏の最新作「MoN TakanawaThe Museum of Narratives(モン タカナワ: ザ ミュージアム オブ ナラティブズ)」、三井不動産「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」、三菱地所「みやこ下地島空港ターミナル」、野村不動産「溜池山王ビル」、東京建物「TOFROM YAESU」などが眼に浮かんだが、規模が異なる。

そこで、事業説明を行った同社丸の内開発部・広瀬拓哉氏に「これほど美しくて大規模な木質空間のビルは他にあるか」と聞いた。広瀬氏は「当社グループではこれが初。同業他社もないはずで、これが唯一無二だと思う」と答えた。

凄いのはアトリウムだけではない。24階のビジネス・産業支援施設「MINORIWA」の天井には同社グループのMEC Industryの露出天井材「MIデッキ」が採用されている。階段ステップも本物の木だったし、エレベーターホールにも木をあしらったデザインが施されていた。

さらにまた、アトリウムや2階ロビーの床材には、江戸城に採用されている石と同じ種類の小松石が採用されている。小松石とは、神奈川県真鶴町で採掘されるわが国の最高級銘石(輝石安山岩)で、約40年前の箱根火山の溶岩が固まってできた石のようだ。

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エントランス

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「MIデッキ」(左)と幅はぎ板(スギ)

        ◆     ◇

 千代田区に引き渡された「仲通り散歩道」と「鎌倉河岸船着場」が整備されたこともあるのだろうが、完成記念式典は盛り上がっていた。ビルの名称に〝ゲート〟が付されているように、単なる大規模ビルではない、南北軸の神田―大丸有-日比谷と、東西軸の大手町川端緑道(全長約780m)の結節点の位置にあり、神田エリアの再生・観光拠点の突破口にしようという意図・意思を強く感じた。

「仲通り散歩道」の渡り初めセレモニーには3地域からそれぞれ3世代の住民が参加したが、最年長87歳の高柳信三郎氏の声は盛り上がる地域を象徴していた。高柳氏は「神田駅西口地区まちづくり市街地再開発準備組合」の代表理事を務めており、「長生き? 街づくりに熱心に人はみんな長生きするんだ。木のデザインが美しい? 長岡駅(隈研吾氏がデザイン監修)もいいよ。よくご存じですね? 当たり前だよ」

 高柳氏の奥さんが補足した。「私は柏崎市出身。新幹線で帰るとき、長岡駅で乗り換えるんです」

 式典後、中島氏と樋口氏に「橋は〝散歩道〟と名付けられており、千代田区道の『丸の内仲通り』は年間の半分くらいがイベントなどで占用使用されている。いっそのこと廃道にしたらどうか」と質問したが、二人とも明言を避けた。代わって千代田区環境まちづくり部神田地域まちづくり担当課長・碇谷克幸氏は「区道は人に優しい方向に検討すべきだが、廃道にはハードルが高い」と答えた。

「地上にはもともと道はない。歩く人が多くなれば、それが道となるのだ」-魯迅が言ったではないか。車道としての「丸の内仲通り」の役割は終えたと思っているのは記者だけでないはずだ。

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中島氏(左)と樋口氏

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Screenshot 2026-07-28 at 18-04-11 スライド 1 - 訂正版【事業説明資料】三井不動産 ロジスティクス事業 記者説明会.pdf.png
三井不動産のロジスティクス事業実績 

三井不動産は723日、「ロジスティクス事業」記者説明会を開催し、同社ロジスティクス本部ロジスティクス事業部長・涌井耕人氏が開発物件の紹介から物流プラットホーマーとしての成熟、サプライチェーンへの寄与、産業デベロッパーとしてデータセンターへの取り組みなどについて語った。

涌井氏は、ロジスティクス事業は、2012年に事業開始して以来、20266月末時点で、開発・運営する施設は計88物件(国内70物件・海外18物件)、総延床面積は約630m2となり、累計総投資額は約14,000億円に拡大していると報告。足元の市場については、「空室率の上昇、建築コストの上昇を受け、肌感覚でいえばプレーヤーは半減しているが、当社施設の空室率は2%台にとどまっており、今後も年間68物件を安定的に供給していく」と語った。

物流不動産開発については、「MFLP船橋」を筆頭にこれまでの「街づくり型物流施設」の開発に力を注ぎ、レジリエンス強化のほかペロブスカイト太陽電池など多機能先端技術の採用を検討していると話した。大規模フラッグシップ施設として延床面積約239,643㎡の「MFLPLOGIFRONT京都八幡」、延床面積約40,219㎡の「MFIP海老名&forest」を紹介。冷凍冷蔵庫・危険物倉庫などの高付加価値倉庫の開発も進めるとした。

物流課題解決によるサプライチェーンへの寄与として、圧倒的な不動産開発実績・ノウハウを基に、荷主や物流事業者向けの企画・提案、コンサルティング・ソリューションに注力しており、同社が運営する「MFLPLOGI Community」の参加荷主は約130社、延べ参加者は約2,500人に達していると語った。

ESGへの取り組みでは、敷地内の既存樹木の保存や、施設の木造化・木質化、グリーン電力の創出と活用、生物多様性への配慮を通じ地域の価値向上につなげていくと語った。

〝産業デベロッパー〟としての取り組みでは、「MFIP羽田」「MFIP海老名 &forest」などの事例を紹介し、物流に限定されない複合用途施設の開発を積極化するという。データセンター事業は社会インフラとしての必要性・重要性が増しているとし、現在稼働中の3棟に加え7棟が進行中で、今後2035年度までに累計6,000億円超の投資を目指すと語った。「日野DC計画」(敷地面積約114,042㎡)では、敷地内に約6,900㎡の公園を整備するなど約15,000㎡の緑化面積を確保すると話した。

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「SGリアルティ・MFLP大阪加島」

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MFIP海老名 &forest

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MFLPLOGIFRONT京都八幡Ⅰ」

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涌井氏

        ◆     ◇

 記者は、この種の物流不動産の説明会・見学会が行われるたびに、胸の奥でくすぶり続けている燠のようなものがせり出してくる。

 それは、20185月、同社のロジスティクス事業に関する記者説明会で、当時の常務執行役員ロジスティクス本部長・三木孝行氏が「最早、後発でない」「嫌悪施設でもない」と宣言した言葉だ。

 記者はそのとき、三木氏が〝先発〟企業として意識しているのは、98%が中小企業ではあるが三井、三菱、住友を代表する倉庫会社だろうと理解した。また、三木氏が〝嫌悪施設ではない〟と強弁しても、住居系エリアでの建設は認められず、「嫌悪施設」(法律にはそのような文言はないが)であることには変わりはないと思った。双方の連携も必要ではないかと感じた。最近注目されている「データセンター」も同様の扱いとなっている。

この日(723日)、涌井氏は記者団の質問に対して「データセンターは基本的には物流倉庫やロジスティクスとは別物。この三業態が連携し、法の整備も必要」と語った。記者はもっと具体的に聞きたかったが、その時間はなかった。

同社をはじめとするデベロッパー各社は物流不動産の開発に積極的に取り組んでいるが、1948年設立の〝先発〟業界団体である「一般社団法人日本倉庫協会(The Japan Warehousing Association Inc.)」にも、1970年設立の「一般社団法人日本物流団体連合会(Japan Association for Logistics and Transport)」にも加入していないはずだ。一方で、1992年設立の内閣府が所管の「公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会(Japan Institute of Logistics Systems)」には一部のデベロッパーが加入している。

また、国土交通省などが中心となって令和6年に開催した「物流拠点の今後のあり方に関する検討会」には日本倉庫協会や不動産協会も関係団体として名を連ねている。

この会合では「物流拠点(施設となっていないことに注目)」の課題として「地域との合意形成」についても論議されたはずだが、〝嫌悪施設〟に関する論議はされなかったようだ。

いま東京都昭島市では〝東京の軽井沢〟と呼ばれている「モリパーク」の隣接地で、開発面積81.5haという桁違いの物流施設「GLP昭島プロジェクト」(全体計画では約121万㎡、物流施設は約83万㎡超)が進行中だ。敷地の多くはゴルフ場だったが、用途地域は準工業地域だから開発が可能になった。

三井不のデータセンターの2035年までの累計投資額6,000億円から類推して、市場規模はその10倍として6兆円だ。関係省庁、業界団体が連携して法整備を含め課題解決に取り組んでほしい。〝嫌悪施設〟のままでいいのか。

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国土交通省「物流拠点の今後のあり方に関する検討会」配布資料

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国土交通省「物流拠点の今後のあり方に関する検討会」配布資料

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 プレハブ建築協会の「住生活向上推進プラン2030」発表会では、懇親会が開かれ酒を飲ませてもらえるものと勘違いしており、少しは気の利いた質問をしないと失礼だと考え、まともな回答は得られないのを承知のうえで、「住宅性能表示」「長期優良住宅認定」「ZEH」「CASBEE」は消費者にとって分かりづらい、各制度の整合性を図り、一本化できないか質問した。また、会場にはメディアの数(20人くらいか)と同じかそれ以上の協会関係者が詰めかけていたので、「かみさんは〝身なりが大事、みすぼらしい格好しちゃダメ〟というが、私は今年から夏季はスーツを着ないことに決めました。記者の皆さんもスーツなどほとんど着ていない。主催者の皆さんも私服にしたらどうか」と聞いた。

 この質問に対し、プランについて説明した同協会プラン推進委員長・本間克巳氏は「私服提案は検討させていただく」と答えたが、技術分科会代表幹事・熊坂順一氏は「個人的には理解できるが、各制度の評価軸が異なるので一本化は難しい」と語った。

 取材後、自らの主張を補強するためChatGPTに次のような質問をした。「住宅供給、取得に関する優遇策がたくさんあります。代表的なものは『住宅性能表示』『長期優良住宅』『省エネ水準』『ZEH』『低炭素住宅』『CASBEE』などです。

 そこで質問です。これらの制度の認可に要する時間などのコスト、審査する側の時間などのコストを合算すれば、年間トータルのコストはいくらか。そのコストはだれが負担するのか。また、これらの制度認定を受けた住宅を取得する側のコストとローン減税などによるメリットを差し引いたら、どれくらいの額のメリットがあるのか。

 さらにまた、これらの制度の整合性を図り、消費者に分かりやすい制度に一本化はできないか。出来たらどれくらいのコスト削減が可能か。一本化するには行政の『縦割り』を打破する必要があると思われるが、可能性はいかが。出来ればそれぞれの制度に関する全体的な認定戸数に要するコスト、1戸当たりのコストについて調べて答えていただきたい」

 言うまでもないことだが、Chatは凄い。ほとんど瞬時に〝とても重要な質問〟だと小生を持ち上げ、次のように答えた。

 結論から言うと、日本政府はこれらを横断したトータルコストを公表していません。したがって、公開資料から積み上げて推計する必要があります。

 以下、できるだけ定量的に整理します。

 対象となる制度…住宅取得に影響する制度を整理すると、大きく5つに分かれます。住宅性能表示制度(主管:国交省)、長期優良住宅(同:国交省)、低炭素住宅(同:国交省・環境省)、ZEH(同:経済産業省・環境省・国交省)、省エネ適合・省エネ性能表示(同:国交省)。

 これ以外に、CASBEE、グッドデザイン賞、ウッドデザイン賞などがありますが、これらは税制優遇よりも販売促進・ブランド価値向上の意味合いが強い制度です。

 1戸当たり認定コストは、住宅性能表示5~15万円、長期優良住宅15~30万円、低炭素住宅10~20万円、ZEH認証20~50万円、BELS5~15万円。実際には設計変更、計算書作成、申請代行が必要になるため、合計30~80万円程度。さらに断熱材増強、高性能窓、高効率給湯器、太陽光発電など設備コストが加わります。そのため認定取得のための総追加費用は100~300万円程度。

 行政・審査側のコスト…ここが意外に大きい。例えば、長期優良住宅では1件当たり審査時間などを含めると概ね5~10時間程度かかると言われています。人件費を時給5,000円とすると、行政・審査側だけでも3~5万円/件程度になります。

  年間認定戸数は、長期優良住宅:約11~13万戸、性能表示:約15万戸、BELS:約10万戸、ZEH:約8~10万戸。もちろん重複があります。重複を除くと年間20~30万戸程度。

 社会全体コストは、仮に25万戸として1戸当たり民間追加事務コスト40万円、行政など5万円とすると、約1,125億円/年。ここに、制度運営などのコストを積み上げると1,300~1,600億円/年。

 誰が負担するのかは(中略)最終的には国民全体が負担しています。消費者メリットは100~250万円程度。一方、追加コストは100~300万円程度。つまりほぼトントン。ただし、省エネ性能向上による光熱費削減、資産価値向上まで含めれば、長期では数百万円規模のメリットになる可能性があります。

 制度一本化は可能か…それぞれの制度申請に関し、同じ図面、同じ断熱計算、同じ外皮計算を何度も提出しています。つまり、かなり重複しています。もし、住宅性能を一つの共通データベース、一つの審査にまとめれば事務コストは20~40%程度削減できると考えられます。年間約1,300億円なら300~500億円程度削減余地がある可能性があります。

 一本化できない理由…最大の理由は所管省庁が異なることです。つまり、典型的な縦割り行政になっています。さらに、制度ごとに利害関係者が存在するため一本化は容易ではありません。仮に『住宅性能パスポート』のような制度に一本化すると、期待できる効果は年間では300~600億円程度の社会的コスト削減余地があるという試算は十分に考えられます。

 以上、皆さんいかがか。今はスマホ、カード1枚で何でも済ませる時代だ。住宅制度も申請-審査を一元管理すれば、これほどの金額が節約できる。大事なのは、結局はわれわれ国民が負担している制度ということだ。

良質な住宅ストック社会構築に貢献プレ協「住生活向上推進プラン2030」発表(2026/7/28)

「長期優良住宅」戸建ては伸びているが…「CASBEE」「ZEH」との整合性図れ(2026/7/21)

 

 

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プレハブ建築協会(プレ協)は727日、「住生活向上推進プラン2030」を発表。同プランは、過去5年間の「住生活向上推進プラン2025」の成果・課題を整理し、今年3月に示された国の「住生活基本計画」や「2050年カーボンニュートラル」への対応を考慮した20262030年の5年間の施策の方向性、具体的取り組み、定量的目標数値などを示したもの。

記者発表会の冒頭、同協会専務理事・臼井浩一氏は今回のプランについて「今年3月に示された国の『住生活基本計画』での方向性を受け、新プランでは、これまで協会が取り組んできた先進的な活動をエンジンとし、ストック全体を視野に入れ、協会全体の組織横断的な取り組みを意識的に強化しながら、今後5年間の更なる高みを目指す」と挨拶した。

施策の重点的ポイントとして①多様なライフスタイルに対応し、良質な住宅ストック社会の構築の先導役になること②大規模自然災害時における被災者の迅速な生活再建と復興支援活動強化③人材育成とGXへの取り組み強化④国際貢献活動の一環として、海外での災害・紛争の発生に伴う復興支援策の検討-などを挙げた。

具体的施策は次の通り。

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 積水ハウスグループの積水ハウス建設ホールディングス(積水ハウス建設)は7月23日、外構・エクステリア施工会社との協業の枠組み「エクステリアパートナーシップ制度」を構築し、2026年8月1日から全国規模で本格運用を開始すると発表した。202社の外構工事店と“共に成長”する連携体制を築き、「日本一の住宅外構会社」を目指す。

 近年、新築戸建住宅の需要に加え、エクステリアや緑化への関心、リフォーム需要など、外構施工を取り巻くニーズは多様化する一方で、施工現場では職人の高齢化や担い手不足が進行しており、積水ハウス建設は、安定的な施工体制の構築による供給力の確保と、高品質な緑化・外構空間の提供を両立し続けることが、持続的な住まいづくりに不可欠と捉え制度を構築したもの。

 制度では、⓵施工体制の安定化②人財採用・育成③資材調達・生産の効率化④緑化・外構価値の向上⑤持続的な事業成長の推進を図る。

 積水ハウスグループは、「5本の樹」計画など生物多様性にも配慮した庭づくりを推進しており、単なる外構ではなく、「良質な住宅ストックの形成」や「お客様の幸せ」を実現するための非常に重要な要素と位置付けている。

 

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Screenshot 2026-07-25 at 18-32-26 「MARUNOUCHI SUMMER FEST」初開催 - mec260702_msf.pdf.png

 一般社団法人大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会(大丸有協議会)、特定非営利活動法人大丸有エリアマネジメント協会(リガーレ大丸有)、一般社団法人大丸有環境共生型まちづくり推進協会(エコッツェリア協会)、三菱地所の4者は2026 年7月24日(金)~8月23日(日)、大手町・丸の内・有楽町エリア(丸の内エリア)で子どもから大人まで“まちまるごと”楽しめる夏のイベント「MARUNOUCHI SUMMER FEST」(マルノウチ サマー フェス)を初開催する。開催初日の24日、メディア向け説明会・酷暑対策ツアーを実施した。

 4者はこれまで、エリア全体の魅力向上の一環として、夏季には盆踊りや打ち水といった体験型イベントを多数展開してきたが、今回は、“まちまるごと”で展開・発信することで、丸の内における新たな「夏の風物詩」となることを企図。就業者やその家族が思い思いにまちを巡り、日常の延長線上で様々な体験に出会う機会を創出するのが狙い。同時に、酷暑対策の取り組みも丸の内仲通りで実施する。

 期間中、丸の内エリアにある50社以上の店舗や企業と連携し、子どもや家族連れで参加できる「仕事体験」を中心とした「Marunouchi Summer Workshop」のほか、19世紀パリに実在し、仮装で人気を博した〈カフェ・デ・ザンコエラン〉にちなみ、1日限りの仮装イベント、東大から様々な専門分野の教員を招き、講演・クロストークや交流を通じて新しい知見を共有するイベント、ジョギングとごみ拾いをミックスしたプロキング、周辺の飲食店舗と連携した屋台、「お花すくい」「宝釣り」などの縁日、「のど自慢大会」、堆肥を使ったオーガニックリーフ野菜作り、高校生・大学生向けフィールドワーク・ワークショップなど様々なイベントを実施する。

 メディア向け説明会で三菱地所エリアマネジメント事業部長・長谷川真氏は、「当社グループは昨年5月、エリア全体をプラットフォームとして位置づけ、テナント企業個社単独の取り組みでは実現しにくいことを『まちまるごと』でサポートし、機能させることで、働き方の質や効率を高める『丸の内〝まちまるごとワークプレイス〟構想を公表した。今回の『FEST』はその一環。働く人や家族が主体となり、様々な体験を通じてエリア全体のブランド価値向上につなげ、新しい夏の風物詩として皆さまに愛されることを願っている」と挨拶した。

 また、同社エリアマネジメント事業部担当部長・大谷典之氏は、100以上の体験型プログラムには50社、11,1700件の応募、応募倍率は8.3倍に上ったと語った。

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左から長谷川氏、大谷氏、谷口氏

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バリスタを目指す子ども(スターバックスで。小生など、顆粒のコーヒーを飲んだのは中学生の頃)

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テキスタイルデザイナーを目指す子ども(お父さん、もう5時だよ、一緒に帰ったら)

◇        ◆     ◇

 11社との共創による、屋外の酷暑対策とナイトタイムエコノミーを検証する社会実験「日影エリア」「風エリア」「音・香エリア」「休息美容エリア」も体験した。

 最高に素晴らしいと思ったのは「音・香エリア」だ。Jvcケンウッドが開発したKooNe(クーネ)技術を用いて軽井沢で小鳥の鳴き声や小川のせせらぎの音を収録し、香りはプロモツール社がユーカリとミントの香りを漂わせたものだ。賑やかな丸の内仲通りでは、誰も気付かず、素通りされるのではないかと思ったが、これは没入空間としてあらゆる施設に採用できる。(記者は、多摩センターに棲息しているウグイスの雄と雌のさえずりを聞くと、立ち止まってしばし聴き<嬉々>惚れる)

 「風エリア」は、ダイキン、鹿島建設、イリアの3社共同によるプロダクトだが、風は壁面から放出し、天井に吊るされた紙らしき短冊を揺らすものだったが、風は女性のスカートをめくり、短冊はフェイクでいいから柳かネコジャラシにしたら、女性が殺到するはずだ。遊び心がない。

 このほか、Jリーグが提供している、真夏の地表温度が50~60℃にもなる人工芝の温度上昇を抑える仕掛けはなかなかいい。ミストは、濡れないものを開発し、舗道の地表から噴き出すものにしたらいいと思うが…。

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「音・香エリア」

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「音・香エリア」担当者

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「風エリア」

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「ミストエリア」

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「ミストエリア」

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Jリーグ 人工芝(これは広告ではないのか)

◇       ◆     ◇

 記者は、イベントの期間に注目した。夏季イベントはこれまでも行われてきたのだろうが、千代田区道の丸の内仲通りは約1か月間にわたって道路占用が許可されたということだ。多分、このような事例は全国のどこを探してもないはずだ。 

◇        ◆     ◇

 このようなものを「かき氷」と呼ぶのなら、生まれて初めて食べた。小生にとって「かき氷」とは、小さいころ、叔母がお好み焼きを経営しており、夏季になると手動式氷かき機で作ったかき氷を販売していた。夏休みになるとほとんどその叔母の家で過ごした。小豆を乗せた料金が高いかき氷は食べさせてもらえなかったが、好きなだけ食べられた。ガリガリする触感と、たまに氷の欠片が入っているのが面白かったが、味そのものは、当時、赤やら青やら黄色やらのシロップは人工甘味料を使っていたはずで、そんなにおいしいとは思わなかった。

 氷そのものは、真冬になると田んぼや池だけでなく、家の中の水甕にも張ったので、珍しくとも何ともなかった。

 結婚して子どもが生まれたときは、家庭用氷かき機を買って食べさせたことがあるが、自分が食べることはなかった。つまり、お金を払ってかき氷を食べた記憶は少なくとも50数年間ない。

 そしてこの日(7月24日)。取材の帰り、主催者はメディアに丸の内のかき氷専門店「Happ.」のかき氷1杯を無料で提供した。1杯1,485円。好きなのを注文していいということだったので「抹茶」を頼んだ。容器に積み上げられた高さは約20センチ。スプーンで掬って1口含んだ。手ごたえじゃなくて、歯ごたえが全くない。小生の記憶の片隅にあるかき氷とは似て非なるものだった。氷というより雪だ。何に例えたらいいか。粉雪、淡雪、わた雪、ぼたん雪、なごり雪、初雪、根雪、万年雪、細雪…。

 水の量にしたら100ccもないはずだが、〝完食〟するまで30分はかかった(抹茶は最高においしい)。氷をこれほど微細な代物に変える技術は凄いが、よくもまあこんな頼りないものが人気になのか、さっぱり分からなかった。こんなお金があれば日高屋で飲んで食べてお腹いっぱいになる。ただで奢ってもらってこんなことをいうのは主催者に失礼だが、二度と食べないことにした。

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「Happ.」のかき氷

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記者が頂いた抹茶かき氷

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丸の内仲通り

大学日本一・明大ラグビー部敗れるツナキヒマン大金星「仲通り綱引き大会2026」(2026/5/29)

丸の内仲通り年間138日がイベント利用千代田区道の占用許可の3割占める(2026/5/28)


 

 

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「KiGi AKIHABARA」 

 サンケイビルは7月22日、同社初の木造×鉄骨造ハイブリッド構造のオフィスビル「KiGi AKIHABARA」プレス発表・内覧会を実施。「木でつながる。人がかがやく。」をコンセプトに、木材を建物の構造だけでなく、オフィス空間や利用者体験、さらに開業後は地域住民とともに都市と森林をつなぐ取り組みを行っていくと発表した。

 物件は、JR総武線秋葉原駅から徒歩6分、東京メトロ日比谷線・都営新宿線岩本町駅から徒歩6分、千代田区東神田二丁目の商業地域に位置する敷地面積約169㎡、木造・鉄骨造9階建て延床面積約1,072㎡。地価体面積は約711㎡(フロア約100㎡)、設計は熊谷組、施工は熊谷組・住友林業。着工は2025年3月、竣工は2026年5月29日。プロジェクトは、国土交通省「令和6年度優良木造建築物等整備推進事業」に先導枠として採択されている。

 現地は敷地南側は柳原通、西側は小公園、北側は神田川。建物は建物中央のコアを鉄骨造とし、外周部を木造フレームとするハイブリッド構造で、施工を担当した熊谷組と住友林業の独自技術が採用されている。特に「環境配慮型λ-WOODⅡ」「KS木質座屈拘束フレーズ」「ドレスウッド」はわが国初採用となる。1階にカフェ、2階がラウンジ、3階以上が事務所。各ふめぁの床にはCLT材が採用されており、随所に現しの木デザインが取り込まれているのが特徴。天井高は3100~33000ミリ。

 「環境配慮型λ-WOODⅡ」は、令和5年4月に施行された建築基準法改正に伴い、建築物の耐火基準として新たに90分耐火構造が導入されたのを受け開発されたもの。

 建設時には、同規模の鉄骨造と比較して約59.1トン、約19%の鉄を木材に代替し、建設時CO₂排出量を約112.3トン削減している。

 プレス発表会で同社常務取締役・朝日明博氏は「当社初の木造・鉄骨造ハイブリッドオフィス。機能性と木造の果たす環境価値を同時に追求したが、実現までは簡単ではなかった。設計、施工を担当していただいた熊谷組さんと住友林業さんの多くの知見と技術が注ぎ込まれている」と挨拶。また、同社建築技術部マネージャー・稲岡理絵氏がわが国初となる「λ-WOODⅡ(ラムダウッド・ツー)」「KS木質座屈拘束フレーズ」「ドレスウッド」などについて説明した。

 続いて登壇した一般社団法人ASIBA共同代表・森原正希氏とソマノベースCEO/プランナー・浅利知波瑠氏は、今回のプロジェクトの特徴の一つである、都市と森林をつなぐプロジェクトについて説明。描くごとにヒノキなどの木の香りが広がる「森ごとクレヨン」を開発し、和歌山県の山林で採取した木の実オフィスワーカーに苗木になるまで育ててもらい、山林に返すプロジェクトなどを開始すると発表した。

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2階ラウンジ

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2階ラウンジ(KS木質座屈拘束フレーズ)

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1階カフェ

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1階カフェ(カウンターも軒天も本物の木)

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9階セットアップオフィス

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サイン

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左から稲岡氏、朝日氏、森原氏、浅利氏

◇        ◆     ◇

 木は文句なしにいい。今回も木が現しで表現されているのはとてもいいと思ったが、特筆したいのは、神田川に面している立地と「森ごとクレヨン」の開発だ。

 「神田川」を後回しにして「森ごとクレヨン」について。ASIBAとソマノベースが独自開発したもので、ヒノキ、ヒバ、ひまし油をクレヨンの原材料に混ぜ合わせ、木の枝の形に成形したものだ。クレヨンそのものはほとんど匂わないが、ノートに描いたり、すりつぶしたりすると気の匂いがする。無害・無毒ということだったので、成形する前の材料をもらって、口の中に入れてみた。うまくは全くないが、途端にヒノキの香りが口腔を満たした。10分間は持続する。

 木の香りがするクレヨンとして乳幼児だけの商品にしておくのはもったいない。記者はクスノキやドクダミの葉っぱをちぎって鎮静剤として日常的に利用している。草木の香りを取り込んだクラフトビールはすでに販売されているので、たとえはヒノキせんべい、オオイヌノフグリせんべい…すべての草木、雑草の香りは商品になるはずだ。催淫剤の王様の麝香はもう伝説だし、伽羅の香は数十万円すると聞いている。記者はモンゴルの農家の自家製馬乳酒を飲んだことがあるが、最高においしい。〝処女の酒〟と名付けた。発酵させると香りがきつくなり〝美女の酒〟になる。

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「森ごとクレヨン」

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会場で展示された「森ごとクレヨン」

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取材後、酒のつまみになるか試してみた「森ごとクレヨン」(手前)。ダメ、酒とはあわない。よいこの皆さんは絶対真似しないように

◇        ◆     ◇

 皆さんは、「神田川」から何を連想されるだろうか。記者は50数年前、70年安保の時代に流行した南こうせつさんの「神田川」をすぐ思い出す。ご存じない方も多いだろうから少し紹介する。

 ♭赤い手拭いマフラーにまいて 二人で行った横町の風呂屋 一緒に出ようと言ったのに いつも私が待たされた 洗い髪が芯まで冷えて 小さな石鹸カタカタ鳴った 貴男は私の体を抱いて 冷たいねって言ったのよ24色のクレパス買って 貴男が描いた私の似顔絵 窓の外には神田川 三間一間の小さな下宿…♭

 小生は実際このような生活をしていた。神田川ではなく目黒川だったが…。

 それから数年後、彼女に〝花を愛せる人になって〟と三行半の絶縁状を突きつけられて捨てられた。その通り実践した。北向き三畳間の窓にベランダを作り、花言葉は〝永遠の愛〟のサルビアの苗を植えた。環境が良くなかったせいか、記者のゆがんだ性格を反映したのか、咲いた赤い花は一輪だけだった。

 その後、50年くらい記者をやってきたが、神田川に面したビル・マンションを取材するのは初めてだった。担当者が川に面していると説明しても、圧倒的多数派を占める若い女性の記者は全く反応しなかった。「神田川」の意味を知らずして、何を取材で得るのか。川は灰色に濁り、流れているのかどうかも判別できず、建物といえばみんな川に背を向けている。

 昨日(7月21日)はオープンハウスとSHEの記者発表会があり、9割以上の20~30代の女性は「戦略的夫婦別空間(別室と同じか)」を熱望しているとのアンケート調査結果に愕然とした。亡くなった母親も含め妻、友人知人…女性が何を考えているか全く分からない。

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神田川(9階から)

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若い男性スタッフが「森ごとクレヨン」で描いた乳幼児そのものの絵

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現地

国内最大・最高層三井不「日本橋本町三井ビルディング&forest」現場見学会(2026/5/22)

カテゴリ: 2026年度

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植田さん(左)と齋藤さん

 オープンハウスグループと女性向けキャリアスクール「SHElikes(シーライクス)」を運営するSHEは7月22日、「ライフステージ変化に伴う、キャリアと住環境に関する意識調査」結果をまとめ発表。時代の変化に伴う価値観の変化、共働きによる職住近接のニーズの高まり、地価高騰による住宅取得環境の変化、ライフスタイルの多様化などを背景に、20~30代中心の男女とも「メンタルパフォーマンス(メンパ)の低下」を実感しており、「戦略的夫婦別空間」を支持していることが分かった。

 調査は、共働き社会が一般化し、「個人のあり方の多様化」が進む一方で、地価高騰により住まいの選択の自由度の幅が狭まり、居住スペースが限られている現在、若い世代はどのような家・間取りを求めているかを探るため実施したもの。対象は、首都圏に在住する働く男性100名と、同地域に在住する「SHE」女性会員106名の計206名。

 調査の結果、現在の住環境において全体の半数以上(51.0%)が「メンタルパフォーマンス(メンパ)の低下」を実感しており、特に女性(63.2%)は男性の約1.7倍と高く、家事の視覚ノイズなどが集中を削ぐと回答。主な要因として、通勤時間の長さ、自分だけの時間が持てない、パートナーや家族と一緒であるため生活音が気になる、生活音で集中力が保てない…などを上げている。

 この課題に対し、全体の約8割(78.6%)が良好な関係維持のためにあえて個の距離を保つ「戦略的夫婦別空間」を支持し、全体の75.7%(女性92.5%)が自宅内に自分専用の「+M(メンパ)」を求めている。

 また、女性の64.2%(男性の約4.3倍)が「通勤時間の削減がキャリアに絶大なプラスになる」と回答。通勤や移動時間が削減されることが自分自身のメンパやキャリア形成にどの程度プラスになるかの問いには、「絶大なプラスになる」と回答したのは男性は15.0%で、女性の64.2%と大きな隔たりがあることが分かった。

 調査結果について、両社は〝不仲だから離れるのではなく、お互いのキャリアや時間を尊重する〟ために「戦略的夫婦別空間」を確保する重要性が実証されたとし、メンパ(Mental Performance)を最大化し、私(Me)を労り、心(Mind)を整える空間概念として、①完全独立型パーソナルスペースの確保②パーソナルスペースのカメレオン化の2つの定義を満たす、これまでのLDKモデルに代わる新たな間取り基準「LDK+M(メンパ空間)」の必要性が浮き彫りになったとしている。

◇        ◆     ◇

 記者はこの日の記者発表会で、オープンハウスグループコミュニケーションデザイン本部広報PRグループ副主任・植田萌菜美さんとSHEマーケティングユニット横断グループ・齋藤文さんがアンケート調査結果について説明するのを聞きながら、唖然とし、近い軽いめまいを覚えた。〝男性は仕事、女性は家庭〟という記者が生きた時代の古い考え方は博物館入りするのは分かるのだが、「戦略的夫婦別空間」(記者は「選択的夫婦別姓」と読み違えた)が圧倒的支持を得て、女性の64.2%が通勤時間の削減を望んでいることが信じられなかった。SHEの会員は、勝間和代さんのような合理性や効率を求めるタイプの人が多く、回答にはバイアスがかかっているのではないかという疑問も湧いた。

 そこで質問した。「ものの見方、考え方は年代によって異なる。アンケート調査対象になった男女の属性についてもっと具体的に聞きたい。別空間は⇒別居(記者は「通い婚」に大賛成)⇒別離(これまた「自由」のためならいいことだ)につながらないか」と。齋藤さんは今回の女性の調査対象は会員の約7割を占める20~30代で、男性も20~30代が中心と答えた。我々のようなシニア世代の声は反映されていないということだ。さらに言えば、20~30代の方はコロナ禍で、3密を避けいかに個室が必要かを痛感したはずだ。その経験もアンケートには反映されていると思う。

 とはいえ、「LDK+M(メンパ空間)」の提案には大賛成だ。「nLDK」の間取り概念は捨てた方がいい。すでに分譲各社は戸建てやマンションなどでその提案を積極的に行っている。天井高が1.4m以下という制約がある小屋裏(ロフト)はともかく、LDKに隣接した小上がり空間が典型例だろう。マンションでは専有部にワークスペースが提案されている。

 オープンハウスグループは、朝は集中リモートワーク、リモート会議、日中はオンライン会議、夕方~夜は家事スペース、夜はメンパ回復のための趣味スペースなどと変幻自在に用途が変わるパーソナルスペースのカメレオン化の取り組み事例を紹介した。「+M」の商品化をすぐやるべきだ。

 

カテゴリ: 2026年度

 国土交通省は7月17日、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づく、長期優良住宅の令和7年度の認定実績調査結果をまとめ発表。総戸数は165,271戸(前年度比13.9%増)で、住宅着工戸数に占める割合は23.2%(同5.4ポイント増)となった。内訳は、一戸建ての認定戸数は155,838戸(同13.9%増)、着工戸数に占める割合は49.8%(同10.5ポイント増)、共同住宅等は9,433戸(同14.6%増)、着工戸数に対する割合は2.4%(同0.6ポイント増)となった。

◇        ◆     ◇

 「長期」&「優良」というこれ以上ない国のお墨付きが与えられている「長期優良住宅」認定の数値をどう見るか。戸建ての認定戸数は着実に伸びているが、全体としては伸び悩んでいるとも受け止められる。戸建てが伸びているのは、ハウスメーカー、デベロッパーが注文住宅や分譲戸建て認定に積極的に取り組んでいるからだ。

 直近のデータによると、長期優良住宅認定取得率(戸建)はプレハブ建築協会の会員会社は84.9%、木住協の会員会社は49.1%となっている。

 一方で、賃貸アパート・マンション、分譲マンションなどは伸び悩んでいる。認定基準をクリアするためには、ZEH-M Oriented(ZEH水準)をクリアしなければならないなどハードルが高く、コストアップ増を価格に転嫁できない現状がある(積水ハウスは分譲マンションの取得率がほぼ100%なのは特筆できる)。

 制度の建付けに問題もある。居住面積要件がその一つだ。現行では、誘導居住面積を基に⓵一戸建ては75㎡以上②共同住宅は40㎡以上-となっているが、共同住宅については、制度ができた2009年から2022年の改正まで13年間も原則55㎡と定められていた。「優良」=「広い」という考えは分からないわけではないが、単身世帯の増加など時代の変化に即してさらに緩和してもいいのではないか。

 もう一つ、「CASBEE」「ZEH」「低炭素住宅」など他の制度との整合性についても指摘したい。記者は、分譲マンションの環境性能を測る意味で、CASBEE(東京都などはマンション環境性能評価)を重視している。一定規模以上のマンション広告に対し、エネルギー消費性能、断熱性能、維持管理・劣化対策、みどり、充電設備などを★の数で表示するよう義務付けているものだ。図表されるので、購入検討者にとって分かりやすい。

 しかし、物差しが異なるのだから評価が分かれるのは当然としても、CASBEEで高い評価を得ても長期優良住宅認定にはなっていなかったり、その逆のケースもあったりして、消費者にとっては分かりづらい制度でもある。「長期優良住宅」「CASBEE」「ZEH」を一本化すべきだと記者は考えている。

消費者に分かりづらい長期優良住宅見直しへ住宅性能表示と一体化すべき(2021/7/5)

市場できちんと評価される制度に国土交通省長期優良住宅制度検討会(2018/1/30)

長期優良住宅が「CASBEE」で評価されないのはなぜ(2013/6/30)

 

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