井桁は具合悪い 「三菱」の菱形が最強 「Torch Tower」ダイヤグリッド(DG)見学会

ダイヤグリッド(DG)架構
三菱地所、三菱地所設計、清水建設は2月27日、日本の新たなランドマーク「TOKYO TORCH」の「Torch Tower」低層部ダイヤグリッド(DG)架構が完工したのに伴うメディア向け現地説明会を行った。高さ385m×100m四方の世界的にも珍しいプロポーションを支える、三菱地所の特許でもないダイヤグリッド(DG)構造なるものを目の当たりにし、〝モンスター級〟のビッグプロシェクトの一端を知ったような気がした。「TOKYO TORCH」の敷地内の沈丁花は満開で、甘い香りが鼻腔を満たした。
「ダイヤグリッド(DG)架構」とは、高さ385mの日本一の高さを誇る「Torch Tower」の低層部(1~9階、高さ52m)に採用されている中枢構造で、建物外周を巨大な斜め鉄骨柱と梁で構成される三角形の骨組みのこと。地震時の揺れを効果的に抑制し、建物全体を一本の強靭なチューブ状構造とすることで、タワー重量の約4割強を支える国内最大級の構造体。設計者の三菱地所設計、施工者の清水建設のそれぞれの構想力・技術開発力を結集して実現させたもの。
1枚のDG鉄骨板は最大1600mm×1400mm×90mm×90mmで、全体鉄骨重量は11,267t(1~9階)、全体溶接長さは456,156m。
鉄骨を運ぶのにタワークレーン1050t×4台、1000t×1台、クローラクレーン×4台を用いた。タワークレーンの巻き上げ速度は180m/分(他の一般的な工事は120m/分)で、吊荷25t、300m揚重に要した時間は5分(同14分)に短縮するなど、国内最速・最強の威力を発揮したという。
溶接工事に当たっては、全国の工事現場溶接(AW)資格者1,343人(関東圏内は700人)のうち120人/日が関わった。現場溶接の効率化を図った結果、当初予定工期より20日間工程を圧縮できたという。
施工を効率化するエレベータは、長さ5.8m×奥行き2m(同は4.6m×1.75m)で、一度に運べる人数は76人(同46人)、昇降速度は110m/分(同100m/分)。
三菱地所設計TOKYO TORCH設計室・デザインスタジオチーフアーキテクト・永田大輔氏は事業概要について説明。「Torch」の言葉が持つ「希望」「灯り」「つなぐ」というイメージをデザイン化するにあたっては、デザインアドバイザーに藤本壮介氏、福岡孝則氏、永山祐子を起用し、〝唯一無二〟の建物・空間を実現すると語った。
同社TOKYO TORCH設計室・構造設計部ユニットリーダー・石橋洋二氏は構造計画について、建物を支える耐震要素や設備機器、階段などを複雑に集約しなければならない従来の「コアの集中配置」ではなく、外周を構造に利用する「ダイヤ形状」を採用し、高さ385m×100m四方の世界的にも珍しいプロポーションとし、「東京ならでは」の耐震性能設定では建基法が定める耐震性能の2倍超の性能にし、「頑丈な構造ではあるが、〝いなし〟の要素も取り込んだ」と語った。
清水建設常盤橋プロジェクト建設所副所長・平野秀明氏は施工について説明。「逆打ち工法」「花びら拡底杭」「ニコントリンブル」など初めて聞く専門用語を多発し、「何かにつけモンスター級」と締めくくった。
「TOKYO TORCH」は、東京駅北口から徒歩数分の千代田区大手町に位置し、2009年から開発が進められている敷地面積約31,400㎡、総延面積約740,000㎡のビッグプロジェクト。「Torch Tower」は、地上63階建て、高さ385m、延床面積約553,000㎡のわが国最高峰の事務所、賃貸住宅、ホテル、ホール、店舗などを備える複合ビル。2023年9月に着工し、2028年度に竣工予定。設計監理は三菱地所設計、施工は清水建設。

左から永田氏、石橋氏、平野氏
◇ ◆ ◇
ダイヤグリッド(DG)構造は何となく分かる。三角形が一番強度が高いのは中学生のころに学んだような気がする。迫で考えた。つまり、三井の「井桁」では具合が悪く、三菱の「菱形」でないといけないということだ。(両社の創業の由来などからして、井桁と菱形のどっちが強いかを競ったわけではなさそうだ=記者注)
DC構造は、清水建設が施工した2008年竣工の「モード学園コクーンタワー」にも採用されているという。三菱地所設計の特許技術ではないようだ。
3氏の説明時間は約40分。前半部分は、資料も配布されていたのでまずまず理解できたのだが、平野氏の話は全然理解できなかった。「Shimizハイブリッド逆打工法」「中央順打ち」「花びら拡底杭」など難しい言葉が飛び交い、「外周部が斜め架構かつ外周へ傾いている」に至ってはパニック状態に陥った。(建物は頭頂部に向かって広がっているという意味か)分かったのは「モンスター級のプロジェクト」(平野氏)らしいということだ。
工事に投入されている工事関係者の人数も桁違いだ。DC工事は1,100人/日で、上棟後の内装工事が入る段階では7,000人/日に増えるという。全工程に関わる工事関係者は数万人ではきかないという。
工事現場を見学して、清水建設の「深海未来都市構想OCEAN SPIRAL」を思い出した。発表されたのは2008年、総工費は数兆円。ここにもDG構造が多用されている。現場説明者に実現性を聞いたら「わたしからは言えないが、ありえない話ではない」と語った。記者は近い将来、具体的プロジェクトが発表されるとみた。

ダイヤグリッド(DG)架構

大きさを比較していただきたい

約10メートルおきに設置されている柱の太さは約1m(太いのか細いのか分からないが、これで階高約6mの空間を支えるのだから凄いのかもしれない)

柱

模型(記者も試してみた。井桁は横から押すと曲がったが、DGはびくともしなかった)

沈丁花

工事中の現場

知る人は懐かしく、知らない人は行きたくなる地所「TOKYO TORCH」仮囲いアート(2022/11/15)
ウルトラ・スーパーラグジュアリーホテル三菱地所「Torch Tower」に誘致(2022/11/9)
国産材多用し、狭小地の施工課題にも対応 三菱地所ホーム 木造「PRISMⅡ」

「PRISMⅡ(プリズム ツー)」
三菱地所ホームは2月25日、「令和6年度優良木造建築物等整備推進事業」に採択されている耐火木造4階建共同住宅「PRISMⅡ(プリズム ツー)」竣工見学会を開催した。事業主の「ぜひ木造で」という要望に応えた社員寮で、国産材を多用することで森林・林業振興に寄与するとともに、カーボンニュートラルにも貢献している。UA値は0.39で、ZEH-M Orientedを取得している。
設計のポイントは、UA値を0.39とするなどZEH-M Oriented認定を取得。スギ材をアプローチ天井や共用部に用い、外構やサインに木材を使用し、塗り壁(櫛引き)や木調ルーバーを多用。施工面では、前面道路の幅員が狭いことから資材搬入や作業スペースの確保などに課題があったが、ガーターリフト(足場上に小型走行クレーンを設置)を採用することで、現場労働時間をRC造の949人工から671人工へ約30%削減。この結果、補助金を含めた建築コストは、RC造と同等とした。UA値は0.39で、ZEH-M Orientedを取得している。
竣工見学会で同社代表取締役社長・細谷惣一郎氏は、「事業主の近代産業さんから〝ぜひ木造で〟という要望を受け、三菱地所グループの三菱地所設計、三菱地所ウッドビルド、MEC Industry などと連携して国産材を多用することで森林・林業振興に貢献した社会的意義の大きいプロジェクト。4階建て以上の建築物の木造化率はわずか0.1%だが、木造への期待は高まっており、大きな可能性を秘めている」と語り、これまでの主な取り組み事例を紹介し「当社グループは川上から川下まで流通-施工-販売までのシステムを構築し、木材への期待に応えていく」と述べた。
物件について説明した同社常務執行役員都市木造技術推進部長・越川喜直氏は、 「構造材の国産材率は57%だが、ツーバイフォー工法の全国平均の20.1%を大きく上回る。CO2排出量削減約170tは、車の走行距離にして地球19周分の約76万キロ、炭素貯蔵量約98t-CO2はスギノキ約200本分に相当する」と説明した。
物件は、西武池袋線氏椎名町駅から徒歩6分、豊島区長崎一丁目の第一種中高層住居専用地域(建ぺい率60=耐火建築物により70%、容積率200%)、準防火地域に位置する敷地面積約202㎡の木造枠組工法4階建て延床面積約389㎡。事業主は近代産業。設計・施工・監理は三菱地所ホーム、監修・アドバイザーは三菱地所設計、木材調達は三菱地所ウッドビルド。

現地

エントランスは櫛引仕上げの塗り壁

サイン

左から細谷氏、越川氏、横須賀氏(赤のジャケットは還暦祝いでプレゼントされたのではなく、同社のスタッフレッドだそうだ)
◇ ◆ ◇
同社広報担当・横須賀直人氏は「いつも通り、分かりやすく説明しますので大きく取り上げていただきたい」と話したので、細谷氏と越川氏が紹介した三菱地所グループのこれまでの代表物件の記事を添付する。
ほとんど取材しているのだが、2019年に竣工した「池袋西口公園GLOBAL RING」は知らなかったので、取材後、見学することにした。
雨が降っており、次の取材もあるので外観だけにしようと思ったら、横須賀氏が「酒も飲める」とそそのかしたので、白のグラスワインを飲んだ。消費税込みで550円。安いのだがグラスはプラスチック製。ワインだけはワイングラスで飲みたい。デザインは最高。さすが三菱地所設計だ。土木学会デザイン賞2024優秀賞、第37回都市公園等コンクール/日本公園緑地協会会長賞を受賞したのもうなずける。

「池袋西口公園GLOBAL RING」カフェ棟

「池袋西口公園GLOBAL RING」カフェ棟

「池袋西口公園GLOBAL RING」
容積率800%の元町の一等地 10坪の狭小敷地に木造2階建て店舗三菱地所ホーム(2025/2/15)
山梨県北杜市の青空オフィスで植樹活動開始三菱地所ホーム(2024/5/28)
素晴らしい!親子&木製シースルー玄関ドア三菱地所ホーム「江北小路」完成(2023/9/28)
容姿端麗・眉目秀麗三菱地所×隈研吾「CLT PARK HARUMI」14日運用開始(2019/12/5)
凄い!外階段に本物の木ルーバー自然素材多用した東建「Ave.Takanawa」完成

「Ave.Takanawa(アベニュータカナワ)」
東京建物は2月26日、品川駅高輪口から徒歩4分に位置するオフィスビル「Ave.Takanawa(アベニュータカナワ)」が完成したのに伴う記者発表会を開催し、3月2日に開業すると発表した。従前建物の歴史を継承し「まちのようなオフィス」をコンセプトに、人やまちとのつながりを重視した共用ラウンジや屋外テラスを設け、本物の木による大階段や観葉植物、アートを多用した空間を演出しているのが特徴。約7割が契約済み。
物件は、従前建物である「アベニュー高輪前川ビル」の建替えプロジェクトで、敷地は南北軸が約70mある細長い敷地で、敷地西側は国道15号(第一京浜)に接道。道路を挟んだ西側にはトヨタの東京本社ビルや京急のラグジュアリーホテルが予定されている再開発エリア。
1階エントランスホールは、外と内を緩やかにつなぐアルミメタル・パネル、レンガタイル、木製格子壁、観葉植物など自然素材を多用。屋外を通じて各階をつなぐ大階段は、手摺や上裏ルーバーに国産天然木(九州木材のエコアコールウッド)を採用。全フロアに執務室から気軽に出入りできる屋外バルコニーを設置。屋上階にはルーフトップテラスを設置。芝生や高木(リンボク)を植え、木製カウンターなども設置している。
オフィス基準階は1フロア約920㎡(約280坪)、最大4分割まで対応可能。スケルトン天井を採用することで、スラブ下で約3.8m、大梁下で約3mの天井高を実現。
5階には、館内ワーカーが自由に利用できる共用ラウンジ・テラスを備えた、1名利用から複数名利用まで多様なニーズに対応するシェアオフィスを設置。ラウンジとテラスは緑(ヤブニッケイなど)と木(オーク材のフローリング、ヒノキの本棚、レンガのテーブルなど)を取り入れた開放的な空間とし、貸会議室やドリンクサービス、ミニコンビニなども備えている。
6階には、セットアップオフィスおよびカスタムオフィスを用意。運営は東京建物グループのエキスパートオフィスが担当する。最大8分割が可能。
設計は、MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIOとともに基本計画段階から建物構想を作り上げ、建物全体としては、南北に長い敷地形状を生かし、南北にエレベーターや設備の中心となるコアを分散するスプリットコアの計画とし、両面採光・両面通風を実現するとともに、基準階執務室の奥行きを確保した。
1階と5階には世界的に著名な美術館に作品が収蔵される松山智一氏のアートワークを複数展示している。
1階には「THE CITY BAKERY」のほか、企業イベントやセミナー、交流会などに対応する多目的イベントスペース「グレイドパーク品川」が入居予定。
環境配慮・ウェルビーイングの取り組みとしては、BELS最高ランク(★5)、ZEB Ready(事務所部分)、CASBEE ウェルネスオフィスSランク、国産木材利用など。
施設は、JR・京急線品川駅から徒歩4分(JR高輪ゲートウェイ駅から徒歩8分)、港区高輪三丁目に位置する敷地面積約1,778㎡、鉄骨造・一部鉄筋コンクリート造10階建て延床面積約11,782㎡。事業主は東京建物と前川。設計はMOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO(デザイン監修含む)、安井建築設計事務所・戸田建設設計共同企業体。施工は戸田建設。

大階段

標準階フロア

大階段

屋外テラス

5階アート

1階アート

中村氏「入居率約7割は、想定以上の進捗です」
◇ ◆ ◇
書かなきゃならない記事は他にもあるのだが、〝後入れ先出し〟だ。上段はほとんどリリースのコピペだ。施設にいて説明した同社都市開発事業第二部課長代理・中村真悠子氏と質疑応答の声はほとんど聞こえなかったが、見るべきものはしっかり見た。添付した外観写真(国道に面した西側)を見ていただきたい。
凄いの一言だ。同社とデザイン監修・設計を担当したMOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO(原田真宏・原田麻魚)による「くの字」の外階段には、本物の木が採用されている。高層オフィスビルの外階段に本物の木が採用されているのを初めて見た。
担当者に「何の木ですか」と聞いたら、「九州産のエコアコールウッド」と返ってきた。「いゃ、木の名前、日本語に訳して」と聞き返したが、返事はなかった。取材後、ネットで調べた。「エコアコールウッド」という木はなく、九州木材の特許製品「エコアコールウッド」の名前だった。〝アコール〟はフランス語で「調和」という意味だ。耐久性に優れた木材保存注入薬剤を使用しており、厳島神社、出雲大社などの寺社仏閣のほか、ガードレールにも採用されているという。
建基法の改正により、大規模建築物を木の「現し」で表現することが可能になった。どんどん採用してほしい。記者は階段は滑り台にしたら大ヒットすると思うがどうか。
更に拡大して、隈研吾氏が設計し、同社が分譲・整備した「豊島区役所」のように、せせらぎを流したらどうか。

大階段

1階エントランス

1階エントランス

5階ラウンジ
屋上に里山とせせらぎ 格子デザインも美しい 豊島区新庁舎が完成(2015/3/26)
凄い、凄い、凄い-ZEHリノベの有意性証明 東建・慶大・YKK AP 実証実験報告会

「Brillia ist東雲キャナルコート」
凄い、凄い、凄い-東京建物、慶應義塾大学、YKK APは2月24日、わが国初の「既存賃貸マンションのZEHリノベ実証実験」結果報告会を開催した。通常リノベとZEH仕様のマンションでは快適性、健康性、知的生産性、省エネルギー性でどのような差異があるかを科学的に検証したもので、あらゆる面でZEH仕様が有意性があることを証明した。
実験は、東京建物が開発し保有する築20年、総戸数423戸の大規模賃貸マンション「Brillia ist東雲キャナルコート」を対象に、同じ方位、同じ間取りの専有面積66㎡の6階住戸をZEHリノベーション、11階住戸を通常リノベーションに設定し、室内環境測定と被験者(慶大生、夏季、冬季各16人、合計32人)の実証データを比較検証したもの。
通常リノベ住戸をZEH仕様とするため、外壁・バルコニー・開口部には吹付け硬質ウレタンフォームA種1H(厚さ35mm)、一重窓Uw=2.11W/(㎡・K)、アルミ樹脂複合サッシ、Low-E 複層ガラス(G15)を採用し、設備改修には節湯A1(手元止水)、節湯B1(小流量吐水)を採用。
その結果、UA値は通常リノベの0.74W/(㎡・K) (断熱等性能等級4) からZEH仕様は0.27W/(㎡・K) (断熱等性能等級6)へ、BEI値は通常リノベの0.94(一次エネルギー消費量等級4)からZEH仕様は0.73(一次エネルギー消費量等級6)へ改善した。
被験者は、5泊6日の宿泊日程で、4名を1グループ、1週間で2グループがZEH改修住戸と通常改修住戸を1泊ずつ交互に宿泊して模擬作業を行い、通常リノベvs ZEHリノベ比較による効果検証を行った。
報告会の冒頭、東京建物執行役員 住宅エンジニアリング部長・遠藤崇氏は、同社のZEH-Mの取り組みとして経済産業省「高層ZEH-M実証事業」に認定された2018年の「Brillia弦巻」、2019年の「Brillia Tower 聖蹟桜ヶ丘BLOOMING RESIDENCE」、そして、大規模建築物として日本初の「ZEH-M」を2024年に竣工した「Brillia 深沢八丁目」などの事例を紹介。「Brillia ist 東雲キャナルコート」の物件概要と、今回の実証実験概要を発表した。
国土交通省住宅局参事官(建築企画担当)付建築環境推進官・宮森剛氏は、わが国の住宅ストック(約5,400万戸)のうち省エネ基準に適合している住宅は令和5年度時点で約19%、無断熱の住宅は約23%と推計されること、2008年から2024年の間、既存住宅流通量のシェアは29.6%から43.6%に増加していること、住宅リフォーム市場規模は約8.3兆円(2024年)と推計されていることなどを報告し、ZEHに対する優遇策を紹介した。
検証の結果、作業効率は6.3%(夏季)、睡眠効率は4.8%(同)、それぞれZEH水準が上回ることが分かった。検証実験を行った慶応大学理工学部システムデザイン工学科・川久保俊氏は、ZEHリノベ仕様は快適性(温熱環境・居住性)、健康性(睡眠・疲労感)、知的生産性(作業効率・集中)、省エネルギー性(消費電力)に有意であると報告した。
YKK APビル統括本部開発営業部長・大作健司氏は、同社が開発した集合住宅用の断熱窓の効果などについて説明した。

遠藤氏

宮森氏

川久保氏
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大作氏

左から大作氏、遠藤氏、川久保氏、宮森氏
◇ ◆ ◇
先の記事にも書いたように、報告があることを失念していた。この記事は、同社から送られた報告会の内容データを読んで書いたものだ。酒もかなり入っており、72ページもある資料を読みこなすのは大変だったが、何とかまとまったのではないか。これまでこの種の取材を何回か行っているので、その記事も添付する。
一つ質問もある。これに内装材をケミカル製品と木質に分け、さらに観葉植物をフェイクと本物にしたらデータはどうなるのか。




東京に春一番お勧めの「これは誰の危機か…」と「千日の瑠璃」(2026/2/24)
一般的工法と外断熱工法「睡眠」に与える差異を検証する実験開始小林住宅・創建(2026/1/31)
省エネ・ZEH水準化が課題リノベセミナー/ZEH水準「芝浦アイランド」見学会(2025/11/29)
業界の垣根超えた「断熱・省エネリフォーム推進TF」発足住友不など7社・団体(2025/8/1)
わが国初の大規模建築物最高ランク「ZEH-M」東京建物「Brillia 深沢八丁目」竣工(2025/2/10)
ナイス環境・健康が学べるパビリオン「木造のよさ医学的に証明する」平田社長(2015/10/15)
東京に春一番 お勧めの「これは誰の危機か…」と「千日の瑠璃」

「これは誰の危機か、未来は誰のものか」(左)と「千日の瑠璃」
東京に春一番が吹いた翌日の今日(2月24日)、東京建物の日本初という「築古賃貸のZEHリノベ実証実験」結果報告会があったのだが、すっかり失念しており取材できなかった。残念至極。新築建築物の「ZEH」は当たり前だが、今後、既存建築物のZEH化を進めるのは喫緊の課題だ。どのような報告があったのか。
閑話休題-取材記事は書けないのだが、何かにつけ参考になると思うので、二つの書籍を紹介する。
一つは、反グローバリズムの〝旗手〟スーザン・ジョージ氏の「これは誰の危機か、未来は誰のものか」(岩波書店・荒井雅子訳、2011年刊)だ。〝金融機関を国有化せよ〟という考えには付いていけないが、先日、電車の中で読み返そうと開いた223ページに次の記述があった。
「変化には六つの『M』が要る。まず資金(Money)、マネージメント(Management)、メディア(Media)。残りの三つは重要だ。言葉の最も崇高な意味で、使命(Mission)、意欲(Motivation)、神話(Myth)の意識を創り出すこと。『神話』、ギリシャ語『μύθος』は美談や作り話のことではない。私たちを力づけ、やるべきことをやり遂げられると確信させてくれる壮大な物語だ…このすべてを持ち寄ることができれば、未来は開ける」
-この六つの「M」-Money、Management、Media、Mission、Motivation、Myth-を心に刻むことだと思う。先日行われた、三井ホームの「桜の聖母学院中学校 新校舎落成式」で同社設計チームマネージャー・玉井一行氏は中学1年生の生徒に向かって「(私は受験勉強のような日々を送っているが)漫画家と一緒、ストーリーを描いている」と話した。スーザン氏と玉井氏の言葉にはこの六つの「M」が通底している。(Mediaの役割を過大評価していないか)
もう一つの書籍は、丸山健二氏の「千日の瑠璃≪究極版≫」(求龍堂、2014年刊)だ。全編、千日(1,000日)を「私は風だ」「私は闇だ」「私は棺だ」などと擬人化し、森羅万象を美しい大和言葉で描いてた小説だ。106日目には次のようにある。
「私は春一番だ。
これまでまほろ町に吹いたなかでは比較的早いほうに入る、だからといってなんの不都合もない、ありきたりな春一番だ。
私は、通りを素晴らしい勢いで駆け抜け、北風が溜めこんでいた塵芥や疲労感や虚無の断片を吹き飛ばし、日当たりのいい土手に群生する青い小花をいっせいに開かせ、うつせみ山の奥で冬眠中のけものに行動再開の合図を送り、うたかた湖の魚類と水禽には冬のあいだに消尽した精力を取り戻すきっかけを与える。そして人間たちには、命在る立場をこよなく愛せる希望を授けてやる。
かくして私は、この世を謳歌する権利というやつを、生きとし生けるものすべてに等しく分配するのだ。これこそが私の使命であり、義務であろう。
日に日に病状が悪化している入院患者のうちのいくたりかは、私を満面に受けた途端、瞬時にして必滅の運命を忘れ去る。また、凍てついた地盤のせいで難渋を極めた架橋工事は、ようやく窮状を脱する。
嫁いでまもなく身籠った女は、辛うじて流産を免れ、身過ぎ世過ぎの苦しさに耐えきれそうもなかった女は、国もとへ手紙を書くのをやめて、梅の花の歌を口ずさむ。
急に湯量が増した谷側の露天風呂は、一段と高く湯煙を噴き上げ、生きているだけで疲れてしまう人々をいざなう。
そしてさらには、田舎町の経済に新しい動向が出てくるかもしれないという巷間の噂が一段と強まる。
長いこと雪の白に幽閉されて魂を縮こめているしかなかった少年世一の、意味も目的もなしに坦々と命の糸を紡ぐことができるという、思い病気と引き換えに付与された、生来の瑠璃色の才能がゆっくりと花開いてゆく。
また、幼鳥から成鳥へと無事に育った籠の鳥は、春のさえずりをもって世一の魂に格段の飛躍を遂げさせようともくろなんでいる。
私は今、私が私であることに言葉では言い尽くせない悦びを感じているのだ。
(3・5・日)」
皆さん、いかがか。見開き2ページが1日分で、文字数は746文字。この小説は1996年に発刊された「千日の瑠璃」(文春文庫)を読んでから3~4度読み返している。例えて言えば≪究極の古酒≫だ。
丸山先生は、酒もたばこも文壇とも無縁だが、理解するのに難儀する、ぐさりと肺腑に突き刺さる、よけ切れずに昏倒するような危険球を平気で投げるし、茫然と見送るしかない直球を投げる。だからこそ面白い。丸山文学にはまると、他の小説を読むのが馬鹿馬鹿しくなること請け合いだ。
木造「現し」を多用 三井ホームが設計・施工「桜の聖母学院中学校 新校舎落成式」

「桜の聖母学院中学校 新校舎」
既報のように、令和4年の改正建築基準法により大規模建築物でも木造「現し」による設計を可能にした先進的事例である福島市の「桜の聖母学院中学校 新校舎落成式」が2月21日行われ、施主の学校関係者・生徒、設計・施工を担当した三井ホーム関係者らが多く参加して落成を祝った。
式典は、使徒パウロのコリトンの教会への第一の手紙「あなたがたは神の建物なのです」、マタイによる言葉「そのときイエスは言われた。『そこで、私のこれらの言葉を聞いて行うものは皆、岩の上に自分の家を建てた賢い人に似ている。雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家を襲っても、倒れなかった』」などの言葉や、「わたしの魂は」「マラタナ」「ごらんよ空の鳥」「天のささやき」などを唱和して始まった。
施主の学校法人コングレガシオン・ド・ノートルダム桜の聖母学院理事長・西内みなみ氏は冒頭、「本日、式典を行えるのはこのうえない喜び。皆さん、これ(ホールの壁面)は全部、福島県産材のスギノキです。安心・安全の最高の環境を整えていただき感謝いたします。今後も礎を築いていただいた先達の伝統を引き継ぎ、可能性を拡げ、充実した教育の実現に向け邁進します」と謝意を述べた。
来賓としてあいさつした馬場雄基・福島市長は、「ごきげんよう(こんにちはという意味か)。私の姉はここの学校の卒業生。市は全国的にも珍しい中学校給食センター事業にチャレンジしている。私立であっても、街づくりの一環としてサービスを提供する」と祝辞を述べた。
新校舎のコーディネートはマルホンが担当し、床材・壁材の一部、下足入れ、交流ホールベンチなどには福島県産木材を約16m³使用している(柱などの構造材は輸入材)。

交流ホール

昇降口

交流ホール レイアウトの一例

これも木造・木質化の効果か 西内氏(左)と馬場氏の表情は実に晴々していた
◇ ◆ ◇
施設の概要などは、同社がリリースを発表しており、記事にも書いたのでそちらを参照していただきたい。取材の目的は、この目で木造建築物の美しさを確認することだった。
同社設計担当者は、建基法改正直後に着工したので適合化に苦労したと語ったが、構造材の柱や梁が「現し」として多用されており、とても美しい。今後、大規模建築物に現しの木造建築物が激増するのではないかと思った。
交流ホールの壁やエントランスの下足入れなどに多用されている福島県産材のスギ材は頬刷りしたくなるようにすべすべしており、美しかった。「秋田スギ」は有名だが、気候が似ているから材質もいいのだろう。床材はクリ材だった。福島県はわが国有数のクリの生産地のようだ。

式典(交流ホールで)

教室の天井

RC造と木造をつなぐエクスパンジョン部分(黒い部分は電車の蛇腹のようだった)

新校舎と旧校舎をつなぐ空間

調光によりマリア像が浮き上がる演出も可能

築50年の旧校舎も木が多用されており、4階建てか、天井までのサーキュラー階段が素晴らしい
◇ ◆ ◇
耳が遠くなったので約20分間の同社設計チームマネージャー・玉井一行氏の生徒向けの講義はほとんど聞き取れなかったのだが、建築士の仕事、木は太くても細くても、節くれだっていようが皺だらけであろうが、それ自体に価値があり、木造の耐震性、耐火性を強化するための燃えしろ設計、県産材を利用することの意義などについて語ったのだと思う。本質的ではあるが、頭を混乱させるような「建築美とは何か」「現しの呪縛」などについては触れなかったはずだ。
生徒の質問に対して「もっともこだわっているのは意匠デザインインはもちろん(構造、設備も含めて)すべて」「仕事で時間を割くのは、毎日が受験勉強のようなもの」「漫画家と一緒、ストーリーを描くことが大事」などと答えた。
生徒さんはどうかというと、急峻な坂だらけの、広葉樹の勢力争いが熾烈を極め、右に左に身体をくねらせないと生きられず、いつも廊下に立たされた、ただ運がよかったために間伐材のように打ち捨てられることを免れた、三重の僻村出身の記者と異なり、尽きることのない清冽な安達太良山の湧水と、燦燦と降り注ぐ太陽のお陰か、舟をこぐ生徒など一人もおらず、すくっと背筋を伸ばずアスナロの幼木に見えた。

玉井氏
三井ホーム&三井不大規模建築物に木造「現し」可能にした建基法に適合校舎完成(2026/2/14)
三井ホーム 林野庁の補助事業による2×4工法の幼稚園完成(2014/8/25)
家事労働の見える化、専業主婦(主夫)の死語化を 面白いパナソニックホームズ調査

パナソニック ホームズの「くらし研究室」は2月16日、家事に対する意識の実態を把握することを目的とした「住まいの暮らしやすさに関する調査2025」まとめ発表。調査は、全国の既婚男女1,101 名を対象に、三大家事(炊事・洗濯・掃除)を「くたくた家事」「わくわく家事」「たんたん家事」「るんるん家事」の4つに分類して聞いたもので、負担が大きく、楽しみ・やりがいが小さい「くたくた家事」が34.0%で多数を占めた。負担も楽しみ・やりがいも大きい「わくわく家事」も24.5%存在することが分かった。また、男性は女性よりも、負担の大きい家事に楽しさ・やりがいを感じる側面がうかがえるとしている。
調査は、全国の25歳~69歳の既婚男女1,101名(性年代均等割付)が「炊事(準備・調理・片付け)」「洗濯」「掃除」を家庭全体の家事量(53項目)において3割以上実施している人を対象に、2025 年11月14日~21日にWeb形式で行ったもの。
調査の結果、くたくた家事[負担大×楽しみ・やりがい小](34.0%)は、掃除のために物を移動させる[男女共通]、浴室掃除[女性のみ]、寝具の洗濯[男性のみ]など、成果が見えにくい前準備・後片付け家事が該当している傾向が大きいという。
わくわく家事[負担大×楽しみ・やりがい大](24.5%)は、油汚れや水垢汚れの掃除、 献立・レシピを考える[男女共通]、食器や調理器具を洗う[男性のみ]など、傾向として成果が見える、家族への想いが伴う家事が当てはまるという。
たんたん家事[負担小×楽しみ・やりがい小](28.3%)は、ゴミの分別・ゴミ出し[男女共通], 洗濯物を集める[女性のみ], 衣類を収納する[男性のみ]など、習慣的に日々繰り返す家事が上がっている。
るんるん家事[負担小×楽しみ・やりがい大](13.2%)は、料理に合った食器を選ぶ[男女共通]、洗剤・柔軟剤を選んで入れる[女性のみ]、衣替え[男性のみ]など、傾向として気分が上がる、仕上げ・演出系の家事が上がっている。
また、男女共に負担が大きい家事でも、女性は前向きな感情を抱きにくい一方で、男性は楽しみ・やりがいを感じやすい家事労働として、女性は「くたくた家事」(39.6%)、「たんたん家事」(26.4%)、「るんるん家事」(18.9%)、「わくわく家事」(15.1%)の順に、男性は「たんたん家事」(32.1%)、「くたくた家事」(30.2%)、「わくわく家事」(22.6%)、「るんるん家事」(15.1%) の順に分類数が多かった。
男女別に比較すると、女性は「くたくた家事」が39.6%と男性より9.4pt高く、男性は「わくわく家事」が22.6%と女性より7.5pt高かった。
床の拭き掃除や浴室掃除などの負担が大きい掃除・片付け工程においては、女性では「くたくた家事」、男性では「わくわく家事」として分類する傾向がみられた。
◇ ◆ ◇
調査対象を「家事量において3割以上実施している人」というのは解せないが(3割以下はどのような家事か。すべて女性、または男性が行っているのか)、とても面白い調査だ。記者は妻を亡くしてから約10年間〝主夫〟をしていたのでよくわかる。リリースにもあるように、家事労働の〝見える化〟をすることがもっとも重要だと思う。さらに言えば、家事労働を基礎控除の対象にすべきだし、〝専業主婦(主夫)〟は死語になるような世の中にしなければならない。かつて農家の主婦は〝専業〟などはほとんどいなかった。「未亡人」は放送禁止用語になったが、「寡婦(夫)」も嫌な法律用語だ。
〝主夫〟になってから、何が嫌いかといえば、掃除と洗濯。掃除はほとんどしなかった。洗濯はつらかった。二人の子どもの下着、ズボン、シャツだけでなく、大きなバスタオルを自由に使わせたのが間違いだった。週に1枚にすべきだった。ズボンのポケットに入っていたティシュを取り出すのを忘れ、洗濯機から取り出して紙くずまみれになったときは泣けてきた。何度も同じミスをした。こんがらかった洗濯物をほぐし、対の靴下を揃えるのも大変な作業だ。乾いた後の折りたたみ作業はしなかった。アイロンがけは結構楽しいものだ。小生の苦労を分かってくれたのか、上の子は真冬でもシャツ1枚で過ごしていた。食器洗いが大変なので、マンションを買ったとき(妻も生きていたとき)、パナソニックの卓上食洗機を買った。大助かりだった。
もともと風呂は好きではなかったが、風呂掃除が大変なのはわかっているので、今でも湯船にはつからない。
調理には結構力を入れた。苦にはあまりならなかった。凝ったのはカレーで、鶏がらからスープを取り、あらゆる調味料を購入し、油はわざわざ三越に行ってインドのギーを使った。プロにも負けない自信があった。鰹節を削り、日高昆布で出汁を取ってタイのうしおじるも作ったが、われながら天晴れだと思ったし、身欠きにしんは酒とみりんと醤油だけでとてもうまくなることも学んだ。他の料理も砂糖は控えめの方がおいしい。それもあってか、上の子は甘いものを好まなかった。下の子は小学四年生ころの作文で、好きな食べ物は「サーロインステーキ」と答えた(もちろん、これは100グラム1000円くらいの肉を買って焼いただけ)。
年末になるとあちこちからたくさんリングが届くので、毎週のようにアップルパイをつくった。作らなかったのは、後処理が大変な揚げ物だった(温度を測りながらから揚げは作ったが)。弁当は必ず5色のおかずを入れた(干しシイタケの煮物は得意だった)。
いま何とか生きられているのは、今のかみさんのお陰だ–〝男やもめに蛆がわき、女やもめに花が咲く〟-これは記者の経験からしてその通りだと思う。わくわくになるか、くたくたになるかの要諦は「愛」だ。
パナソニックに期待したいのは、首だけ下をそっくり入れればものの数分で綺麗になる人間洗濯機の開発だ。技術的には可能なはずだ。坪単価数百万円から数千万円の時代だ。そうすれば労働市場、住宅市場に革命が起きる。
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旧横浜市庁舎「BASEGATE(ベースゲート)横浜関内」完成 さすが鹿島、美しい

「BASEGATE(ベースゲート)横浜関内」
三井不動産を代表企業とする8社は2月16日、JR関内駅前に完成した「横浜市旧市庁舎街区活用事業」の「BASEGATE(ベースゲート)横浜関内」オフィス棟のメディア向け発表会・内覧会を開催した。事業は、2019年に横浜市が実施した公募に選ばれ建設を進めてきたもので、街の歴史と文化を継承し、エリアの再生と賑わいを創出するビッグプロジェクト。わが国を代表する建築家・村野藤吾が設計した行政棟の一部をリノベーションしてホテルとして保存するとともに、33階のタワー棟は360度の眺望を生かしたランドマークオフィスタワーとして開業する。
施設は、JR根岸線関内駅から徒歩1分、横浜市中区港町1丁目の旧横浜市役所跡地に位置する敷地面積約16,500㎡、延床面積約128,500㎡。用途は33階建て「タワー」はオフィス、大学、新産業創造拠点、「ザ・レガシー(横浜市庁舎行政棟)は星野リゾートが運営するホテル、大和地所が入居する「ザ ライブ」など。商業施設は55店舗。設計・施工は鹿島建設。設計・施工(デザイン)は竹中工務店。ランドスケープデザインはランドスケープ・プラス。竣工は2025年12月。開業は2026年3月19日。事業者は三井不動産、鹿島建設、京浜急行電鉄、第一生命保険、竹中工務店、ディ・エヌ・エー、東急、星野リゾート。
タワー棟は制震構造で、下層階に関東学院などのエデュテイメント施設、新産業創造拠点、ウェルネスセンターが入居し、11階にオフィスラウンジと横浜スタジアムが一望できるスカイラウンジ、約1,000㎡のシェアオフィス&コワーキング施設「CO-ba(コーバ)」が開設される。12~19階までは鹿島建設が所有(転貸)し、20~33階は第一生命のグループ会社などが入居する。オフィスフロアは1フロア2,000~2,300㎡、天井高2800ミリ、奥行き最大18mの無柱空間とし、個別空調システムを採用。BELS★・ZEB Oriented、CASBEE Sランクを取得済み。
説明会・内覧会で主催者の三井不動産関内プロジェクト推進準備室主査・渡邉宗大氏、鹿島建設開発事業本部事業部次長・林弘二氏、第一生命保険不動産部不動産企画課兼不動産開発課マネージャー・増山挙氏は、コロナに見舞われ、大阪万博などの影響による資材高・人材難を乗り越え、完成にこぎつけたことなどを感慨深げに説明した。

現地

低層部

18階からの西側眺望

植栽
◇ ◆ ◇
何もかもが単純で出鱈目の記者の自然と人間を見るモノサシは〝美しいか醜いか〟だけだ。月並みな言葉だが〝シンプル イズ ベスト〟-これしかない。自然界も人間界も結局はフラクタルな図形を描く。理にかなっている。
この日(16日)、1階エントランス、11階ラウンジに着いたとき、16年前の「加賀レジデンス」を思い出した。鹿島建設の設計・施工・自社分譲マンションだ。見出しに「これほど〝美しい〟マンション見たことない」と書いた。アクセスが殺到した。
鹿島建設の担当者に確認した。このオフィス棟は設計もデザインも施工も同社が担当した。添付した写真を観ていただきたい。無駄な装飾など一切ない。何の衒いもない。オフィス空間も、空の青、海の青にも染まる白が基調だ(牧水は心象を詠ったもので、白鳥には迷惑千万)。
もう一つ、タワー棟の特徴の一つは、フロア西側からは眼下に横浜スタジアムが見下ろせることだ記者がテナントオーナーだったら、「社長&観客席」としてフロアの一部を社員に開放する。DeNAはこのところずっとAクラスを確保している。生産性は上がっても下がることはないと思う。「デュオセーヌ東京ジャイアンツタウン」と同じだ。
ただ一つ、難点がある。画竜点睛を欠くと言ったら失礼か。11階のロビー・ラウンジの窓の外には観葉植物が配されているのだが、屋内の緑は全てフェイク。コスト削減のためだろうが、関係者の方々には野村不動産の「BLUU FRONT SHIBAURA」を見学していただきたい。商業施設もオフィスラウンジも本物の緑で溢れ返っている。
だが、しかし、数十人は蟻集していたはずの記者の方々で、このフェイクに眉を顰めるような人はほとんどいなかった。先日の「新秩父宮ラグビー場着工イベント」の記事でも、メディアには失礼なことを書いたが、やはり〝見る目がない〟〝見たままを書け〟と言わざるを得ない。

1階エントランス(左)と11階エレベーターホール

エレベーターサイン

11階のスカイラウンジからの眺望

11階のオフィスラウンジ(観葉植物はフェイク)

11階の2層オフィスラウンジ

オフィスフロア
〝聖地〟新秩父宮ラグビー場着工イベント何も伝えぬメディア(2026/2/14)
垂涎の的巨人2軍戦がタダで観戦可フージャースコーポ「東京ジャイアンツ」(2025me10me16lyo10/16)
「唯一無二」新たな街づくりの嚆矢へ野村不他「BLUE FRONT SHIBAURA」開業(2025/9/1)
定番だけどうまい「BLUE FRONT SHIBAURA」商業エリア圧倒的な緑も特徴(2025/8/31)
これほど〝美しい〟マンション見たことない鹿島建設「加賀レジデンス」(2007/5/18)
集合住宅の最高傑作の一つ 鹿島建設「加賀レジデンス」が完成(2008/9/16)
三井ホーム&三井不 大規模建築物に木造「現し」可能にした建基法に適合校舎完成

「桜の聖母学院小学校・中学校」
三井ホームと三井不動産は2月13日、延床面積が3,000㎡以上の大規模建築物でも耐火・防火性能を高めれば木造の構造部材を「現し」で表現できるようにした、令和4年の改正建築基準法に適合する先進的事例が竣工したと発表した。福島県福島市の桜の聖母学院小学校・中学校の増築校舎で、三井不動産がトータルコーディネートを行い、三井ホームが設計・施工を担当した。両社は、現しを多用することで、スギの木583本分に相当する木材使用・炭素固定に貢献し、親和性が高い教育施設の木造化・木質化の新たな可能性を示しているとしている。
施設は、福島県福島市花園町に位置する敷地面積約8,699㎡、増築延床面積約1,466㎡、学校法人コングレガシオン・ド・ノートルダムの「桜の聖母学院小学校・中学校」。2階建て・木造軸組工法(SE構法)、一部RC造(小学校と中学校の接続部分)。設計監理・施工は三井ホーム。工期は2025年5月~2026年2月。
耐震性・耐火性に優れた三井ホームのSE構法と燃えしろ設計を採用。柱や梁を現しとすることで、木の温かみを感じながら、児童・生徒・教職員が伸び伸びと安心して学び働ける環境づくりを目指した。2階の小学校と中学校を接続した両学生の交流スペースは、大開口・大空間を実現した。校舎の床材・壁材の一部、下足入れ、交流ホールベンチなどに地元・福島県産木材を約16m³使用している。木材使用量は371㎥、炭素貯蔵量は294t-CO2=スギの木(50年生)583本分。
令和4年の改正建築基準法では、延べ面積が3000㎡を超える大規模建築物を木造とする場合にも、構造部材である木材をそのまま見せる「現し」による設計を可能にし、また、木造による耐火設計ニーズの高い中層建築物についても、階数5以上9以下の建築物の最下層については90分耐火性能でも設計可能とするなど耐火性能基準を合理化した。

昇降口・下足入れ

SE 構法による強固な構造体(施工時写真)

交流ホール

火熱遮断壁(左)と木構造に接続された火熱遮断壁(施工時写真)
◇ ◆ ◇
ずっと「木造現し」を主張してきた木造ファンの記者もとてもうれしい。鉄もコンクリも石も美しいが、三井不動産がスローガンに掲げる〝経年優化〟は木に限る。小松さん、貴殿は〝現しの呪縛〟から解き放たれて自由気ままに動き回っているのだろうが、この校舎の設計には携わっていないのか。断っておくが、小生は外観・外貌だけを見ているのではない。自然(人間も自然)の美しさは内面からにじみ出るものだ。貴殿もこの校舎=三井ホームの権化そのものだと信じて疑わない。
伊達冠石の採石会社・大蔵山スタジオ山田政博著「山にいのちを返す」に学ぶ(2026/2/10)
東武不動産の木造ホテル「T-home 景」竣工施工の三井ホーム(2026/1/27)
コスモスイニシア シェアオフィス「本郷三丁目」驚異の75%稼動 関電工本社跡地ビル

「MID POINT本郷三丁目」共用ラウンジ
コスモスイニシアは2月13日、シリーズ13拠点目となるシェアオフィス「MID POINT本郷三丁目」のメディア向け先行内覧会を開催した。関電工本社跡地に完成した竹中工務店施工の「Gate Cross HONGO」内に開業するもので、立地のよさと訴求力のあるコンセプトなどが評価され、全67室(ブースを含む)のうち約75%に申し込みが入っている。
物件は、都営大江戸線本郷三丁目駅から徒歩4分、東京メトロ丸ノ内線本郷三丁目駅から徒歩6分、文京区湯島四丁目の「Gate Cross HONGO」3階のフロア面積約454㎡。構成はコワーキング20席、1名ブース3室、1名個室46室、2名個室6室、3~7名個室12室。賃料はコワーキング利用のみは約2万円、個室利用は49,500~231,000円(税込/保証料込)。設備・アメニティは24時間365日利用可、有人管理、共用ラウンジ(約90㎡)、テラス(約120~130㎡)、登記可能、ミーティングルーム、プリンター(無料)、プロジェクター、ミニコンビニ、冷蔵庫、電子レンジなど。入居開始は2月16日。3階のテラスおよび会議室は他フロアのビル入居者も利用できる(利用時間の制限あり)。
東大本郷キャンパスに近いことや周辺には個室付きの施設が少ないことなどから、通常は入居開始から半年~1年間で満室となるこの種の施設では記録的な反響を呼んでおり、申し込みは75%に達している。複数利用可の個室は90%が契約済み。現役の東大生からの問い合わせもあるという。
「MID POINT」は、2017年にオープンした第一弾「目黒不動前」を皮切りにこれまで都内と神奈川で12拠点を展開。今回の「本郷三丁目」は13拠点目。今年度は「浦和」「駒込」を加え15拠点に増やす。「心地よく、ちょうど良い。」価値を提供するのがコンセプトで、立地・プラットホーム・価格。開放的なラウンジと集中しやすい個室を備えている。「MID」には中間点、中継点、中央という意味が込められている。人とのつながりをサポートするコミュニティマネージャーによる有人管理も特徴の一つで、各種イベントを通じてコミュニティの醸成を図っている。
これまでの施設利用者の属性は、年齢は30~50代まで幅広く、男女比は約7:3、業種はIT関連が27%、士業が18%、コンサルが17%、不動産が8%。

6名利用個室タイプ

テラス

テラス
◇ ◆ ◇
「MID POINT」の見学は今回が7施設目で、前日の酒もすっかり抜けていたこともあるのだが、同社ソリューション本部賃貸事業部コンテンツ運営部「MID POINT」推進課課長・大野将隆氏(もう一人の方もそうだった)の説明が抜群だった。プレゼンの見本だ。
何が素晴らしかったかといえば「3」だ。3階テラスも申し分ないのだが、大野氏が強調したコンセプトは3点であり、特徴も3点、入居者属性も3点に絞った。これ以上しゃべったらまず理解されない。カップラーメンだって3分だ。
北側に面した3階テラスの床の多くは木調ウッドデッキだったが、一部分にブリックタイルを採用し、本物の観葉植物がふんだんに植えられていた。さすが関電工、竹中だ。眺望も確保されており、眼下には春日局が祀られているという麟祥院の境内が見下ろせた。
一つ、注文がある。この種の施設に限ったことではないが、喫煙ブースを設けるべきだ。成人男性の20数%は喫煙者だ(女性は数%)。記者は選挙に興味はないが、20数%といえば、自民党と全野党の支持率と同じだ。記者はタバコが吸えるDOOTORと日高屋しか利用しない。

「Gate Cross HONGO」
デザインがいい料金もリーズナブルコスモスイニシアのシェアオフィス「豊洲」(2025/10/25)
〝めっちゃいい〟デザインコスモスイニシアレンタルオフィス「MID POINT川崎」(2021/11/11)
レベル高い天井高は3.5mコスモスイニシアレンタルオフィス第三弾「武蔵小杉」(2020/7/21)
住宅立地に特化コスモスイニシアレンタルオフィス第一弾「目黒不動前」オープン(2018/11/17)
