加速するサステナビリティの取り組み 旭化成ホームズ説明会
左から岡前氏、川畑氏、武藤氏
旭化成ホームズは9月6日、メディア向け「サステナビリティ説明会」を開催し、代表取締役社長・川畑文俊氏、常務執行役員兼人事部長・岡前浩二氏、執行役員兼サステナビリティ企画推進部長・武藤一巳氏が質疑応答も含め1時間30分にわたって、加速する同社のサステナビリティ活動について説明した。
冒頭、川畑氏は「52年前の創業の原点『上質で長持ちする工業化住宅をつくる』は時代が変わった今もベースは変わっていない」とし、2019年に参加した「RE100」は、当初掲げた2038年目標を2023年5月に達成したこと、国際的な「2024 RE100 Leadership Awards」の最終選考に選出されたこと、「エコ・ファースト企業」に認定されたこと、ガバナンス強化のため外部有識者を2名招へいしたことなどを話し、「LONGLIFE」実現に向けて策定した「With Customer」「With Environment」「With Employee」「Our Integrity」を通じた「Our Integrity」の風土を醸成し、掲げた18のマテリアリティに対応すると述べた。
環境への取り組みについて武藤氏は、2023年度のZEH率はEcoレジグリッドの推進により88%、ZEH-M率は75%まで伸び、既存住宅への初期費用ゼロの太陽光発電システムの導入、再生可能エネルギーの活用例として電動建機の導入、代替燃料のトライアルとして次世代バイオ燃料「リニューアブルディーゼル」の実証を10月からスタートさせると話した。生物多様性保全の取り組みとして先日、同社と積水ハウス、大和ハウス工業3社のネイチャー・ポジテイブの実現に向けた連携について、シナジー効果が発揮でき、住宅の質的向上につながると語った。
ダイバーシティの推進について岡前氏は、社員一人ひとりが能力を発揮・成長し、グループで働くことに誇りと喜びを感じられる、従業員満足度を高める「Our Integrity」を推進するための具体的取り組みとして「火・水定休」から「水・日定休」への選択制の運用開始、女性採用比率40%以上、キャリア人材の採用の強化、タレントマネジメントシステム 「CaMP(Career Management Place)」の導入とキャリア開発プログラムなどについて説明した。
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環境への取り組みでは武藤氏は、同社と積水ハウス、大和ハウス工業3社が連携した生物多様性保全活動を紹介し、「ほかにも共創できることがある」と話した。具体的な取り組みとして資材の共同購入やサプライチェーンの可能性を示唆した。
これらの取り組みに期待したい。3社連携では、同社の「あさひ・いのちの森」の知見を活かした高木・中木・低木・地被植物の植栽手法を採用した「まちもり」物件では、「非まちもり」物件と比較して呼び込める鳥は約5.6倍、蝶の種類は約1.8倍に増加したデータがあるという。
ただ、これは凄い数字ではあるが、当然の数字でもあると思う。「非まちもり」にどのような植栽が施されているかにもよるが、樹木や草花が植えられていない住宅に鳥や蝶は飛来しないし、記者の住む多摩市も飛来する鳥や蝶は激減している印象を受ける。緑被率が高い多摩市でもそうだから、他の都市もそのはずだ。
同社を含むすべての住宅・不動産会社が生物多様性保全に向けた取り組みを強化すべきだ。同社の「まちもり」の採用率は2023年度実績で30.5%、2025年度目標は50.0%だ。同社の事業展開エリアは大都市圏が中心で、小さい敷地に緑を配するのは難しいとは思うが、何とか工夫して緑被率を高めてほしい。
ついでに%の話について。別の記者の方が同社の2025年度のお客様満足度目標85.0%は低いのではないかと質問した。武藤氏は「貴重なご質問」と答え、満足度の数値には「満足」の母数を除いた数値だと説明した。
小生はこの85.0%は極めて高い数値だし、これまた当然の数値だと思う。持家は、レディーメイドの分譲住宅と異なり、限られた予算内で営業担当者と何度も打ち合わせをしてプランを完成させるのだから、満足度が高まるのは当然だ。
一方で、欲望には限りがない。ああすればよかったと後で考えるのもまた当然だ。それが残りの15%という数値だ。しかし、十全の住宅などは存在しない。すべての希望を満たす住宅があるとすれば数億円でも足りないはずだ。
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取材が終わり、帰ろうとしたら、エレベータホールで同社野球部のかつての主力投手だったF氏にばったりあった。「CaMP」制度は軌道に乗っていると話した。
ここで同社の野球部について少し説明しよう。記者は、住宅・不動産業界だけでなく建設業なども巻き込んだRBA野球大会を30数年取材している。同社チームは、参加32年間で189戦165勝24敗、勝率.873。参加50~60チームの中で断トツだ。水曜・日曜ブロック総合優勝を14回、準優勝2回の最強チームだ。
同社チームは参加した最初のころは強豪チームに全然歯が立たなかった。強くなりだしたのは、旭化成ホームズ社長、旭化成副社長を歴任した平居正仁氏が旭化成ホームズの人事担当のころだから30年くらい前だ。当時の慶大野球部監督に直談判して野球部選手を獲得(入社)する道筋をつけてからだ。その後、同社野球チームには東京六大学や関西六大学の選手が毎年のように入社している。
何を言いたいかといえば、「野球選手は仕事もできる」ということだ。他のスポーツも同じだろうが、社員に求められるのは健康であり、体力であり、そして何事にも臨機応変に対応できる柔軟なものの考え方だ。同社野球部選手として活躍してきた人材は数十人どころか100人規模だろう。年齢は40代、50代になっているはずだ。
「CaMP」制度によって、野球部出身の社員の活躍の場は間違いなく広がる。前岡氏も否定しなかった。社内ベンチャーを加速させることで化学反応を誘引し、社内外のイノベーションにつながるのは間違いない。
F氏の顔には「俺は仕事もできる」と書いてあった。F氏のような人材は綺羅星のごとくいるのだろう。参考までに、平居氏へと、元プロ野球首位打者の長崎慶一氏へのインタビュー記事を添付する。
旭化成ホームズ・積水ハウス・大和ハウス 3社連携して生物多様性保全活動推進(2024/9/7)
「Essential Company」を目指して旭化成ホームズサステナビリティ説明会(2023/7/11)
RBA野球常勝軍団・旭化成ホームズ 育ての親の平居社長「野球」を語る(2013/11/20)
元プロ野球首位打者・長崎慶一氏(元大京コーチ)RBA25周年記念懇親会に出席(2013/11/16)
「選ばれ続けるマンション」づくり堅持 三菱地所レジ・宮島正治社長 事業説明会
宮島氏
三菱地所レジデンスは8月29日、メディア向け事業説明会開催し、今年還暦を迎えた同社代表取締役社長執行役員・宮島正治氏(60)は、入社以来ほとんど住宅畑を歩み続けたことについて「とてもよかった」と振り返り、今後の展開について「マンションのお客さまからも施工会社からも『選ばれ続ける』姿勢を貫いていく」と語った。また、説明会後に行った約1時間30分の立食形式の懇談会では、メディアからのストレートや変化球にはもちろん、記者が投じた危険球をさらりとかわし、一つ一つ丁寧に答えた。
宮島氏は昭和62年(1982年)入社。最初に配属された第一住宅部では同社の記念碑的マンション「パークハウス多摩川」(全9棟575戸)を担当し、その後、様々なソリューションを提案するパートナー事業部にも一時籍を置いたが、「ずっとマンションをやってきてよかった。平成26年からは約5年間、住宅業務企画部長として経営にも携われたのはとても勉強になった」とこれまでの歩みについて語った。
平成23年(2011年)の東日本大震災を経験し、また、三菱地所、三菱地所リアルエステートサービス、藤和不動産の住宅事業の統合により、三菱地所レジデンスが誕生したことは大きな転機になり、「団結力が強まった」と述べた。
現在のマンション市場ついては、超富裕層は所有することのステータス性(メリットからベネフィット)、よりよい住環境(眺望、利便性、歴史など)、近しい価値観の共有、資産の分散を志向する傾向が顕著で、実需層はバブル崩壊やリーマン・ショックの経験がないことなどから、住宅価格が下落する不安より資産性を重視し、パワーファミリー(共働きによる収入と、買い替えなどによる売却マンションの差益)が増加していると説明。
今後の同社の展開については、「分譲マンション事業の売り上げ構成は約6割。これからも戸数を追わない。当面は年間2,000~2,500戸販売できるよう仕込んでいく。地価上昇、建築費上昇を見込んだ商品企画が重要となる。収益を圧迫しないよう心がけていく。再開発にも力を入れていく」と話した。最上級ブランドの「ザ・パークハウス グラン」は地方での展開もあり得ることを示唆した。また、顧客はもちろん、施工会社とのパートナーシップを重視し「選ばれ続ける姿勢を貫く」と強調した。
その他4割の比率となっている事業については、賃貸の「ザ・パークハビオ」が調整弁的な働きをしており、今後も利益を確保するため拡大していく姿勢を示し、このほか有料老人ホーム、学生マンション、リノベーション、ホテルコンドミニアムなどメニューを揃え、多角的に展開していくと話した。
記者は「富裕層がステータス性を重視するというなら、大・丸・有にマンションを分譲したら坪単価5,000万円か、それ以上でも売れるのではないか」と牽制球を投げたら、「区分所有者の街づくりなどへの反対リスクを考えると難しい」とかわした。
ポラスグループ 「第18回キッズデザイン賞」受賞作237点のうち20点受賞
「SNSとリアルな『農』体験で富山生産者とつながる食育『きときと未来プロジェクト』」
ポラスグループは8月21日、キッズデザイン協議会が主催する2024年度「第18回キッズデザイン賞」受賞作237点のうち、「SNSとリアルな『農』体験で富山生産者とつながる食育『きときと未来プロジェクト』」など20点が受賞したと発表した。同社グループの受賞は6年連続。
抜群においしいミニトマトポラス「浦和」街びらき+富山マルシェワークショップ(2024/7/6)
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キッズデザイン協議会は8月21日、子どもの安全・安心と健やかな成長発達に役立つ優れた製品・サービス・空間・活動・研究などを顕彰する「第18回キッズデザイン賞」受賞作品237点を発表した。応募数は累計で6,975点、受賞数は4,148点となった。各大臣賞などの優秀作品は9月18日(水)発表される予定。
サンフロンティア ベトナム・ダナンで「HIYORI Aqua Tower」202戸着工
「HIYORI Aqua Tower(ヒヨリ アクア タワー)」
サンフロンティア不動産は8月19日、連結子会社の現地法人Sun Frontier Danang Co., Ltd.(サンフロンティアダナン)を通じ、ベトナム ダナン市の25階建て分譲マンションプロジェクト「HIYORI Aqua Tower(ヒヨリ アクア タワー)」202戸の建設工事に着手したと発表した。販売開始時に即日完売した「HIYORI Garden Tower」(2019年12月竣工/総戸数306 戸)に次ぐ2棟目で、同社グループが企画、許認可取得段階から主導しているプロジェクトであるのが特徴。
物件は、ダナン市の中心部まで車で約13分、ミーケビーチまで徒歩5分のアーバンリゾートエリアに位置する敷地面積1,850 ㎡、25階建て延床面積約24,393㎡の全202 戸(1LDK:38.4㎡~3LDK:163.2㎡)。付帯施設は幼稚園、プール、フィットネスジム、ヨガスペース、コミュニティルームなど。所有形態は、建物所有権及び土地使用権。2026年9月末竣工予定。
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ベトナムのことはさっぱりわからないが、JETRO日本貿易振興機構(ジェトロ)の2024年5月15日付「地域・分析レポート」によると「ベトナムの貿易額の対GDP比は186%に達する(世界銀行、2022年)。ASEANの中ではシンガポールに次ぐ高い数字で、人口1億人以上の国としては、世界で他に類を見ない高い水準」で、外務省のテータでは、在留邦人数は18,949人(2023年10月現在)、日本からの投資額(2023年、越計画投資省)は65.7億ドル(認可額)。
デベロッパーの進出では、この前書いた三菱地所、野村不動産のほか、阪神阪急不動産が10年くらい前から物流事業(5施設)と住宅事業(6プロジェクト)を手掛けており、予定を含む住宅供給戸数は約14,000戸に達している。
このほか、近鉄不動産が現地デベロッパーと三菱商事とのJV「The Manor Central Park」(全1,114戸)、NTT都市開発が東急とのJV「MIDORI PARK The GLORY」(約1,000戸)を手掛けており、タカラレーベンがフジタとのJV「THE MINATO RESIDENCE」(924戸)を販売している。
野村不動産 ベトナム・ハノイ市で初の事業参画 三菱地所らとマンション2,150戸
「The Senique Hanoi」外観(提供:CapitaLand Development)
野村不動産は8月14日、ベトナム・ハノイエリア東部に位置するCapitaLand Developmentと三菱地所との共同開発事業「The Senique Hanoi」に参画することを決定したと発表した。総売上高約6億シンガポールドル超(約666億円超)、地上37階建て3棟構成で総戸数は約2,150戸。同社のハノイ市アドレスでの事業展開は今回が初めて。(三菱地所の記事参照)
物件名称の一部である「Senique」はベトナムの国花である蓮の花を意味するベトナム語の“Sen”と、“Unique”を掛けた造語。
三菱地所ベトナム・ハノイで2物件約6,000戸(1,776億円超)の住宅事業に参画
三菱地所 ベトナム・ハノイで2物件約6,000戸(1,776億円超)の住宅事業に参画
「Lumi Hanoi(ルミ ハノイ)」外観(提供:CapitaLand Development)
三菱地所は8月14日、ベトナム・ハノイ市で2物件合計16億シンガポールドル超(1,776億円超)、約6,000戸の大規模分譲マンション開発事業に参画したと発表した。同社は2010年にベトナムに事業参画してから分譲事業では6物件3,573戸を販売しているが、今回の2物件のプロジェクトはその2倍近くになる。竣工は2026年以降。
事業参画するのは、シンガポールのデベロッパーCapitaLand Development社とFar EastOrganization社との共同による「Lumi Hanoi(ルミ ハノイ)」と、CapitaLand Development社と野村不動産との共同による「The Senique Hanoi(ザ セニーク ハノイ)」の2物件。
前者は、ハノイ市の新市街エリアまで車・オートバイで約10分、ミッドタウンまで約20分のハノイ市西部に位置する敷地面積5.6ha、総戸数約3,950戸。総売上高約10億シンガポールドル超(約1,110億円超)。戸数は同社の海外住宅案件として過去最大。建物は29~35階建ての9棟構成で、主要間取りである1BR~4BR(専有面積:42㎡~410㎡)に加え一部メゾネットやペントハウス住戸などを販売する。異なる外資系の設計事務所がコンセプトデザインを手掛ける。竣工予定は2026年。
「Lumi Hanoi(ルミ ハノイ)」プール(提供:CapitaLand Development)
後者は、人工ラグーン(海水遊泳施設)や湖、自然豊かな公園、テーマパーク、インターナショナルスクール、大学、ショッピングモール、病院など多種多様な施設が揃うハノイ市東部に位置する敷地面積2.1ha、総戸数約2,150戸。総売上高約6億シンガポールドル超(約666億円超)。建物は地上37階建て3棟構成で、主要間取りである1BR~4BR(専有面積:42㎡~430㎡)に加え一部メゾネットやペントハウス住戸も開発予定。竣工予定は2027年。
「The Senique Hanoi(ザ セニーク ハノイ)」外観(提供:CapitaLand Development)
「The Senique Hanoi(ザ セニーク ハノイ)」車寄せ(提供:CapitaLand Development)
「不死鳥の慧眼」を見た 買取再販にサッシ交換 日新ハウジング・平山喜朗社長(76)
平山氏
記者が「中央線の不死鳥」と呼ぶ日新ハウジング社長・平山喜朗氏(76)に5年ぶりにお会いし、現在の中古マンション流通市場や健康の秘訣などを聞いた。「膵癌」の疑いがあるとかで心配したのだが、「膵癌」ならぬ「酔眼」は記者であって、4~5年前から買取再販にサッシ交換を取り込み、50歳で始めた趣味のゴルフではハーフで40を切るなど信じられな話を聞いた。「不死鳥の慧眼」を目の当たりにした。( )内は記者。
本社店舗
店舗の花壇
◇ ◆ ◇
-レインズデータでは、中古マンション市場は長いトレンドで見ると成約件数が増加し、単価・価格の上昇が続いています。いまの市場をどうみていますか
一言でいえば、特殊な市場です。当社の事業エリア、中でも中野地区は特に再開発の影響を受けて、中古市場もタワーマンションを中心に高額物件ほど上昇幅が大きく、値上がり益を睨んだごく限られた富裕層の需要は旺盛です。
一方で、一般ユーザー向けの中古市場は、新築マンションや金利、株価動向などの影響を受けやすい不安定な状況にあり、警戒する必要があります。一筋縄ではいきません。中でも、旧耐震など古いマンションに対する抵抗感は根強いものがあります。
この特殊市場を見誤ると危険です。長年事業をやっていると、このような経済の二重構造が見えてくるんです。
-買取再販が活況を呈していますが、いかがでしょうか
買取再販市場も甘くありません。他社物件もよく見ています。社員任せにはしていません。ものを見ると気づきがあり、商品企画のヒントにもつながるんです。どういうものが売れるのか、売れないのはなぜか、現場を見ればよく分かります。
当社は売主となる以上は〝そこまでやるか〟というくらい商品力を向上させています。例えばサッシの交換です。4~5年前から積極的に行っています。補助金も出ますから。管理組合がOKしない物件は買わない場合もあります。この取り組みは結構お客さまにも評価されています。サッシ交換までやっている同業は少ないはずです。
もう一つは、単にリフォームするだけでなく、買い取った物件の造作家具などを収納できる倉庫を2か所確保し、それらの造作家具を再利用するなどして最大限演出しています。これがお客さまの満足度を高めるのです。
-店舗前にたくさんの風船が飾られていましたが
販売現場にも風船を飾るんです。毎月、色を変えています。8月はブルーです。(「黒」はないですよね。縁起が悪い。売れるものも売れない)そう、黒はありません。(この前、平山さんと同窓の吉永小百合さんの記者発表会を取材したんですが、吉永さんはとても美しいターコイズブルーのドレスでした)そう、それはいい。それにしよう。(年間スケジュール表には1月は赤、2月は白、3月はピンク、4月は緑、5月はブルー〈水色〉、6月は青、7月は黄、8月はブルー〈水色〉、9月はラベンダー、10月は黄、11月はオレンジ、12月はマットピンクとあった)
-店舗前の花壇に花が植えられていましたが
私はね、見かけによらず花が好きでして、夏は百日草、冬は矢車草を店舗の前の花壇に植えています。これが近所の方に人気でして、毎年30人くらいですかね、苗をプレゼントしているんです。
-5年前に取材させていただいたときもとてもお元気でしたが、社長は私より一つ年上の76歳。後期(光輝)高齢者になっても元気な秘訣は何でしょう
健康第一です。朝5時半に起きて、6時半からの店舗前のモップ掛けは継続してやってますよ。(えっ、まだやっているんですか)30分すれば汗だくになりますから。モップ掛けは下半身を鍛えるんです。週2回、ジムに通って筋トレもやってます。スクワットは200~300回です。(絶句)
このモップ掛けと筋トレの成果はゴルフに現れています。この前、74人が参加したゴルフ月例会で準優勝しましてね。ハンディが21から19に上がって、CクラスからBクラスに昇格したんです。
一昨日も、ゴルフやってきたばかりです。仲間と。(この炎天下にですか)私は炎天下が好きなんです。鹿児島薩摩川内市出身ですからね。炎天下には慣れています。それで、前半のハーフで39が出たんです。3オーバーです。40切ったのは初めてでした。後半は45でしたが…。(えっ、それは凄い。私は50歳でゴルフを止めましたが、ハーフで70は叩いていましたから。第一打を打ったら、低空飛行して前方にある突起物に当たり、そのまま戻ってきて、ティーの後ろから第2打を打ったこともあるくらいです)
ゴールドティと筋トレの成果でしょうね。70代の半ばで80台で回れるのは100人に一人くらいだと思いますよ。今度の8月18日の月例会にかけているんです。優勝を狙っています。
-膵癌の疑いがあるという話がありますが…
今年に入って体調を崩しましてね、行きつけのクリニックに行ったら「膵臓にしこりがある」と言われましてね、一週間検査入院したんです。退院してからも薬は飲みましたが、食欲不振と倦怠感が激しく、会社も休みました。それで、治療を止めたんです。そうしたら体力が戻りだし、食欲も出てきたんです。(人間には自然治癒力がありますよね。がんの治療薬は健全な細胞も殺しますからね)そうです。(酒とたばこはどうです)酒は最初の胃がんのとき止めました。タバコは57歳でやめました。
◇ ◆ ◇
同社が4~5年も前からサッシ交換を積極的に行っていると聞いてびっくりした。「不死鳥の慧眼」を見た。記者は、新築マンションはもちろんだが、リノベマンションを見学した際、真っ先に確認するのはサッシの断熱性能だ。リノベマンションはここに手を付けないといけないと考えているからだ。ところが、築古の物件でも従前の単板ガラスをそのまま採用しているのがほとんどだ。理由を聞くと「サッシは共用部分」という答えが返ってくる。共用部分の改変は管理組合の承諾が必要だからだ。
国は昨年、既存住宅の省エネ性向上とCO2排出量の削減を促進させるため、「断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業(先進的窓リノベ2024事業)」を創設。断熱窓を採用した場合、一戸あたり5万円から最大200万円まで補助される。
買取再販に力を入れている会社でサッシ交換を行っているところはどれくらいあるのか。
波瀾万丈の「平成」掉尾飾る〝中央線の不死鳥〟日新ハウジング・平山喜朗社長(2019/4/30)
逆風にめげず今年も新卒13名採用 日新ハウジング(2008/1/7)
首都圏中古マンション坪単価 10年間でほぼ倍増 東日本レインズ調査(2024/8/8)
「背伸びせず身の丈経営に徹す」新田社長(75) タウングループ 創業45周年 感謝の会
新田氏(プリンスパークタワー東京で)
タウングループは7月11日、「タウングループ創業45周年記念 感謝の会」を開催した。二部構成で、一部では同社代表取締役社長・新田泉氏が45年間を振り返り、様々な思いについて語ったほか、外務省顧問で立命館大学特別招聘教授・薮中三十二氏が基調講演を行い、二部では懇親会を行った。会には関係者ら約740人が参加した。新田社長のあいさつは以下の通り。
「タウングループ創業45周年記念 感謝の会」
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創業45周年を迎え、感慨深いものがございます。中原中也の「頑是ない歌」の冒頭に「思えば遠くへ来たもんだ」という詩句がございます。この詩句が意味するところの、ややもすると企業が忘れがちな、当社のモットーである「ひとを、まちを、もっと豊かに。」と、社是の精神である仕事を通じて社会の発展、人々の幸せに貢献する、この思いを新たにしたところです。
この場をお借りいたしまして私どもの社是をご紹介させていただきます。1番目に「今日を語らずして明日を語るな、今日を語り、明日を語り、そして未来を語ろう。」
2番目に「仕事を通じて人格・人徳を磨き、社会の発展と人々の幸せの為に貢献しよう。」
3番目に「私利を追うな、社会の発展と人々の幸せの為の公利を求めよう。」
4番目に「他者との争いに勝つ事より、自己改革・自己成長を妨げる己の弱さに克ち、 社会の発展と人々の幸せに貢献できる真の勝者に成ろう。」というようなものでございます。
この社是は近江商人の三方良しに通じるものがあるのではないかと思います。
社業につきましては、今日に至るまで順風満帆に来たわけではありません。何回か存続の危機に遭遇しております。危機の要因は、外的要因は一つもございません。全て私どもに要因がございました。あるいは頑是ない、すなわち物事をよく理解してない、 まだ幼かったということかもしれません。この危機を救っていただいたのは皆様のご支援の賜物でございます。この場をお借りいたしまして深く感謝申し上げる次第でございます。
60年くらい前に読んだ源氏鶏太の小説「東京・丸の内」の中に、二流の人間が一流のふりをしたならば、せっかく持っている二流の良さをなくしてしまう場面がありました。私どもは背伸びをせず身の丈に見合った経営に徹し、存続危機ゼロを追求していく所存でございます。
私どもは今、オーナーや皆様からご紹介いただいた管理物件、賃貸住宅、オフィス物件など5万4,400戸を任せていただいております。
管理会社の優劣を決める稼働率はサブリース物件で98.7%、そして集金管理で98.4%でございます。今現在直営店146店舗でリーシング事業サービス業を展開しておりますが、もっと稼働率を高め皆様の満足度を高めるために、一層の多店舗化戦略として直営店300店舗体制を目指しております。
これからのタウングループでございますが、どのような社会の変化がございましても適者生存として百年企業を目指す所存でございます。
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5年前の同社グループ「創業40周年記念 感謝の会」に呼んでいただいたときも出席しており、とても有意義な時間を過ごさせてもらった。
今回は、新田社長が東京都足立区生まれの記者と同い年(75歳)ということもあり、どのような話をされるかとても興味があった。中原中也の詩「頑是ない歌」が紹介されたのは前回と同じだが、源氏鶏太の小説「東京・丸の内」が飛び出したのにはいささか驚いた。読まれたのは60年くらい前だから中学3年生のころか。当時の東京の中学生が源氏鶏太(新田氏が特別だったのか)を読んでいたとは。
記者は、貧しい境遇が似ていた石川啄木が好きで「一握の砂」を読んでは涙したものだ。啄木と同様、早世した中原中也はわれわれの世代に人気だったが、あまり読まなかった。
そして、45年前だから30歳のときに新田氏は創業した。小生のような根無し草そのものの記者とは異なり、会社を経営してきたのだから凄いの一言だ。新田氏だけでなく、同社の方々は企業理念の「ひとを、まちを、もっと豊かに。」を何度も反復した。この理念を愚直に守り続けてきたからこそ、今日があるのだろう。現在のグループ従業員数は1,593人(2023年現在)だ。新田氏はまだまだ意気軒昂、直営店を倍増させて、百年企業を目指すというから恐れ入った。
社長!一つお願いです。御社野球部はRBA野球大会に参加して10年目で、通算成績は11勝21敗、勝率は.344です。高坂忠司GM(アレップス取締役賃貸管理部・メンテナンス部部長兼名古屋支店支店長)はこの成績に満足はしていないようだが、全然意に介していないようにも受け止められる。リクルート対策として力があり、礼儀正しい野球選手を採用するのは社業発展に間違いなくつながります。野球が強いことは業績もいいことをRBAの36年の歴史が証明しています。3年計画で優勝できるチームにしてください。
懇親会場
鏡割り
高坂氏(左)と記者と同じ西部ファンの丘監督
参加者
参加者
45周年記念 枡酒
ポラス 2024年3月期 15期ぶり減収・減益/同社の商品力は顧客に伝わっていないか
中内氏
ポラスグループは6月28日、2024年3月期決算を発表。売上高は283,594百万円(前期比8.6減)、営業利益は18,925百万円(同39.6%減)、経常利益は19,516百万円(同39.0%減)、純利益は4,811百万円(同42.4%減)となり、リーマン・ショック後の2009年3月期以来15期ぶりに減収・減益となった。
セグメント別では、主力の戸建分譲住宅事業の契約棟数は2,554 棟(前年比5.1%増)。全棟ZEH仕様とした「ときの環 草加松原」などを販売。オリコン顧客満足度調査では、首都圏の建売住宅の顧客満足度6年連続総合№1、2023年度グッドデザイン賞9点受賞、世界3大デザイン賞「iF DESIGN AWARD 2024」(建築分野 住宅建築部門)で2年連続受賞した。
分譲マンションの契約戸数は428戸(前年比29.7%増)。注文住宅の契約棟数は640棟(前年比0.8%増)。プレカットのポラテックの売上高は103,372百万円(前期116,447百万円)、営業利益6,772百万円(同6,567百万円)。不動産売買仲介事業の仲介手数料は3,592百万円(前年比2.1%増)と過去最高を更新。リフォーム事業の受注高は10,506百万円(前年比0.0%増)。
次期予想は、売上高300,000百万円(前期比5.8%増)、経常利益22,000百万円(同12.7%増)、純利益6,100百万円(同26.8%増)を見込む。
決算説明会でポラスグループ代表取締役・中内晃次郎氏は「当期は大きく減益したが、これはコロナ禍の2年間の数字が実力以上だったため。当社の生産力からすれば妥当な数字」「当社グループは今年7月、創業55周年を迎える。創業時から今日まで掲げてきた地域密着農耕型経営を推進し、これからも社会から支持され、信用される企業を目指す。メディアの方々には現場を取材していただき、ご意見を頂戴したい」とあいさつした。住宅市場については「我々が商圏とするエリアは底打ちした」という認識を示した。
中央住宅代表取締役社長・品川典久氏は「当社で不足しているのは、営業を通じたお客様への説明がよく理解されていないことだ。設計担当は一つひとつ作品だと考えて取り組み、優秀な職人でないとできない施工を行うなど商品力には自信を持っている。これからは営業の教育に力を注ぐ」「もっと(価格が)高くても売れる」などと語った。
品川氏
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ここまでとは思わなかったが、決算数字は遅行指標だから、減益になるのは予想していた。中内代表も品川社長も〝想定内〟と話したように、コロナ以前に戻ったということだ。大幅減益になったことについて、小生なら「(ポラスの株主の数は知らないが)数少ない株主利益よりも、圧倒的多数派の顧客に利益を還元した。専有面積圧縮などしていないし、設備仕様も落としていない」と居直る。
今回の決算発表会で注目したのは、品川社長の〝当社の商品力がお客さまにきちんと伝わっていない〟という発言だ。
小生もその通りだと思う。同社のマンションや分譲戸建てを見学取材してきて〝どうして特徴をもっとアピールしないのか〟と歯がゆい思いをしたことはしばしばあった。
顧客に商品力を伝える武器は備わっている。同社の分譲も注文も「紹介」による成約率が41%に達しているのは商品力が高い証だし、同社は自らの商圏の市場動向をかなり詳細に調査・把握している。毎回の決算発表会でもそのデータの一部を公開している。これらを駆使すれば、顧客に強みをストレートにわかりやすく伝えられるはずだ。
しかし、品川社長、気持ちはよくわかるが、営業の尻を叩くようなことはしないでいただきたい。紹介による成約率は41%もあるではないか。入居後の居住者サポートをしっかりやっている成果だと思う。営業担当がいくら頑張っても、御社が地盤とする埼玉・千葉県の街のポテンシャルを引き上げないと「もっと高く売れていいはず」(品川氏)にはならない。自治体や鉄道会社などとの連携により、ポテンシャルを向上させる取り組みが欠かせないと思う。(ポラスの住宅がよく売れるのは、地域力を超える提案を行っているからでもある)
それと、消費者との橋渡し役となる取材記者のレベルアップも必要だ。記者のレベルに応じ、基本的なことも含めじっくり時間をかけて説明することも大事ではないか。これは他社にも言えることだ。
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上段で書いた取材記者のレベルアップについて。同社も含めた供給サイドが訴えたいことと、ユーザーが知りたいこととは必ずしも一致しない。ユーザーが一番知りたいのは価格だし、その商品が価格に見合う価値があるかどうかだ。ところが、このもっとも肝心な価格について主催者は触れないことが多いし、価格を公表しても、その物件が価格に見合う価値があるかどうかの判断となる材料をほとんど提供しない。
そうなると、記者自身が価値判断するほかないのだが、メディアもまた主催者が広告主であることを忖度して、ネガティブ情報などは伝えないし、物件の評価を避け、主催者が話したことしか伝えない。主催者もそれを良しとしているところがある。
ここに根本的な問題がある。メディア・リテラシーの問題だ。記者は日常不断にものを見る目を養わないといけないが、自らの視点(モノサシ)に自信が持てないから、せっかく現場を見ても、主催者が話したことをそのまま伝えたり、ブレス・リリースをコピペしたりすることになる。プロパガンダの役割を演じさせられることになる。
わが不動産・住宅業界の記者も例外ではない。これまで何度も書いてきた。決定的に問題なのは、ハウスメーカー担当記者はデベロッパーのマンションや分譲戸建てを見ない。逆にデベロッパー担当記者はハウスメーカーのマンションや分譲戸建て(少数ではあるが)を見ない。自ら垣根を設けて、その先を見ようとしない。ほとんどの見学会がそうだ。ポラスの場合は、ハウスメーカー担当者が圧倒的に多い。
マンションや分譲戸建ての圧倒的シェアを占めるのはデベロッパーだ。デベロッパーの物件を見ずして、ハウスメーカーの物件の優劣を測ることなど絶対にできない。この自明のことがわが業界紙誌はわかっていない。残念でならない。
ポラスの現場見学会の数は他社を圧倒している。中内代表は、われわれメディアに「現場を取材していただき、ご意見を頂戴したい」とあいさつしたではないか。新入社員には「新聞をよく読め」と毎年のように訓示している。
自慢じゃないが、小生はポラスの現場見学会は皆勤賞ではないか。すごく勉強になる。言いたいことは記事に盛り込んでいる。アクセス数は数十万件に達しているのではないか。「雨垂れ石を穿つ」-記事は業界関係者や世の中のために少しは役立っているはずだ。同社だけでない。現場取材の声にノーと言ったことはない。
飯田グループHD 2024年3月期売上高は前期並みも利益半減戸当り営業利益146万円(2024/5/14)
AQ Group 2024年2月期 売上高は4期連続過去最高 当期夏季賞与は前期比33%増
AQ Groupは6月24日、2024年2月期決算を発表。売上高68,937百万円、営業利益1,639百万円、経常利益1,826百万円、純利益781百万円となり、売上高は前期比35%の4期連続過去最高を更新、営業利益は同26%増加した。
多様なニーズに対応するため、低価格帯の「AQハウス(AQ HAUS)事業部」を新設し、スタンダードな「AQURAHOME」、1,000万円の「AQ HAUS」の3本柱を中心に展開し、受注棟数は1,966棟、引き渡し住棟1,586棟となった。
次期は、中規模木造建築物普及プロジェクトを本格稼働させ、2028年度までにフォレストビルダー全体で15,000戸を目指す。また、夏季賞与は前期比平均33%増を支給した。