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「(仮称)ブランズタワー梅田北プロジェクト」完成予想図

 東急不動産・住友商事・住友不動産の3社は8月24日、大阪市営地下鉄御堂筋線中津駅直結、阪急電鉄梅田駅徒歩7分の50階建て全653戸の超高層タワーマンション「(仮称)ブランズタワー梅田北プロジェクト」を着工したと発表した。

 プロジェクトは2002年に「特定都市再生緊急整備地域」に指定された「大阪駅北地区」に位置。「ロイヤルホテル(現リーガロイヤルホテル)」「プラザホテル」とともに、かつて大阪の高級ホテル御三家に数えられた「東洋ホテル(ラマダホテル)」の跡地。

 中津駅周辺は2015年に竣工した住友商事他「ザ・セントラルマークタワー」(35階建て415戸)と開発中の「ザ・ファインタワー梅田豊崎」(45階建て312戸)がある。

 開発に当たっては、大林組独自の制震テクノロジーである南面比率の高い日照重視型の「DFS®」システムを採用する。竣工は2020年2月下旬の予定。

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 いくらで分譲されるかがかもっとも注目されるが、大阪のマンション市場については全く分からない。東京でいえば「東京駅」なのだろうか、それとも「豊洲」「晴海」「西新宿」「渋谷」のようなエリアなのだろうか。

 関係者によると大阪圏で坪300万円超えはあまりないようだが、大阪の一等地のホテル跡地なら、東京の3分の1として坪単価500万円はどうだろうか。最高の商品企画にして高値に挑戦してほしい。坪300万円の声もあるようだが、足立区北千住だって坪300万円以上する。

カテゴリ: 2016年度

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「プラウドシティ阿佐ヶ谷」

 野村不動産は8月23日、杉並区の昭和33年に建設された阿佐ヶ谷住宅(350戸)の建て替えマンション「プラウドシティ阿佐ヶ谷」(575戸)の竣工見学会を行った。敷地面積が約4.3haの第一種低層住居専用地域(建蔽率40%、容積率平均111.4%)に位置する低中層大規模マンションで、ランドスケープデザインが素晴らしい。

 物件は、丸ノ内線南阿佐ヶ谷駅から徒歩5分、又は中央線阿佐ヶ谷駅から徒歩13分、杉並区成田東4丁目に位置する3~6階建て17棟全575戸(権利者住戸188戸含む)の規模。第3期の専有面積は58.99~102.79㎡、価格は未定、坪単価は380万円。竣工は平成28年8月。施工は安藤・間、西武建設、前田建設工業。設計・コンサルタントはINA新建築研究所。売主は同社(事業比率81%)、安藤・間(同19)。 

 昭和33年に日本住宅公団(現UR都市機構)によって建設された中層棟118戸、テラスハウス232戸の計350戸の分譲マンション。平成7年に再開発委員会が発足し建て替えの検討が進められ、同17年に同社が事業参画。紆余曲折の末、平成21年に「成田東4丁目地区」地区計画の都市計画決定がされ、同25年に全権利者との契約が完了、同26年に着工した。

 竣工当時は区分所有法制定前であり、土地の権利形態が明確に整理されておらず、複雑に入り組んでいたため、「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」の適用が難しく、権利者全員の合意による等価交換方式が採用されている。

 建て替え検討開始から21年を要して竣工となったが、これほど長期にわたったのは権利関係が複雑なうえ、近隣住民の反対、厳しい用途・高さ制限・容積制限が課せられていたためで、地区計画で建物の絶対高さが最高20mに緩和され、容積率も平均で111.4%と定められ実現したもの。

 見学会に臨んだ同社住宅事業本部マンション建替推進部長・岩田晋氏は、「事業参画してからリーマンショックや東日本大震災を経験し、地元、権利者などとの調整に時間がかかったが、極めて恵まれた条件のマンションになった。当社のマンションは竣工までに売れるのが普通だが、この物件はこれまで約半分しか供給していない。現地を見ていただいて買っていただこうと考えている」と話した。

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 これまでも再三再四書いてきたことだが、敷地規模が4.3haもあるのにどうして6階建てしか建たないのか、容積率が111%にしかならないのか不思議でならない。〝低ければ低いほど良好〟と考える現行の高さ規制はどんどん街をつまらなくさせる。

 第一種低層住居専用地域に中層マンションが建設された例では、住友商事が昭和50年代に建設した12階建て「成城ハイム」がある。

 とはいえ、規制が厳しいからこそランドスケープは素晴らしいものになった。駐車スペースを地下(一部除く)に配する徹底ぶりだ。〝管理するのが大変だろう〟と心配するほどだ。

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カテゴリ: 2016年度

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「グレーシアタワー二俣川」完成予想図

 相鉄不動産(事業比率50%)・三井不動産レジデンシャル(同30%)・野村不動産(同20%)の3社JVマンション「グレーシアタワー二俣川」が圧倒的な人気を集めている。横浜駅から約11分の二俣川駅と通路で直結している29階建て全421戸の免震タワーマンションで、将来には相鉄線とJRや東急線が相互乗り入れされ、新宿や渋谷などへの利便性が高まること、価格がリーズナブルであることなどから早期完売は必至。第1期供給戸数も380戸が予定されており、バブル崩壊後の一挙供給戸数でも記録的な多さになりそうだ。

 物件は、相鉄本線二俣川駅から徒歩2分、横浜市旭区二俣川二丁目に位置する「二俣川駅南口地区第一種市街地再開発事業」区域内の29階建て全421戸(事業協力者住戸21戸含む)。専有面積は38.00~87.87㎡、第1期(380戸)の価格は3,498万~1億2,498万円(最多価格帯4,900万円台)、坪単価は280万円。竣工予定は2018年3月。施工は大成建設。設計・監理はアール・アイ・エー。販売代理は相鉄不動産販売、三井不動産レジデンシャル、野村不動産アーバンネット。8月27日から登録申し込みを受け付け、9月3日に抽選分譲する。

 現地は、相鉄などの事務所・商業施設があったところで再開発の施行面積は約1.9ha。マンション棟のほか、商業・オフィス棟、駅舎増築、駅前広場などが整備される。

 住宅棟はロの字型で免震、内廊下方式を採用。住戸は一部コンパクトも含まれるが多くは60~80㎡台のファミリー向け。住戸はワイドスパンが中心で、フィオレストーンのキッチン天板、ユーティリティシンク、グローエ製水栓、食洗機、ディスポーザ、ミストサウナ、相鉄の「良水工房」などが標準装備。

 駅に直結した再開発の免震タワーマンションであることに加え、将来的にはJRと東急線への相互乗り入れにより大幅に利便性が高まることなどから7月からのモデルルーム来場者は1,500件を突破している。

 販売担当者によると、来場者の多くは横浜市内の地元旭区が中心で、同社などが開発した緑園都市、万騎が原などのマンション・戸建てからの買い替え希望が5割を突破しているという。このため、相鉄グループでは現住居の買い取り希望者に対しては仮住まいをすることなく自宅にそのまま住み続けることができる「住んだまま買取り」サービスで対応するという。

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モデルルーム

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 以下は、バブル崩壊後に分譲された主なマンションの一挙販売戸数をまとめたものだ。記者の記憶をたよりに列挙したもので、このほかにも大量供給したマンションはあるかもしれないが、今回の「二俣川」の第1期380戸は神奈川県では「よこすか四季の街 パークヒルズ」に次ぐ量だと思われる。この数字からも、人気のすごさを知ることができそうだ。

バブル崩壊後の主なマンションの第1期供給戸数( )内は完成年

①総合地所他「ルネアクシアム」721戸(平成13年)
②野村不動産他「プラウド船橋」573戸(平成25年)
③東京建物他「Brilliaタワーズ目黒」495戸(平成29年)
④三井不動産レジ他「SKYZ TOWER&GARDEN」470戸(平成26年)
⑤三菱地所他「Wコンフォートタワーズ」450戸(平成14年)
⑤三菱地所他「よこすか四季の街 パークヒルズ」約450戸(平成7年)
⑦野村不動産「プラウドシティ池袋本町」325戸(平成13年)
⑧三井不レジ・野村不動産「キャピタルゲートプレイス」322戸(平成25年)
⑨野村不動産他「プラウドタワー武蔵小杉」310戸(平成26年)
⑩三菱地所他「M.M.TOWERS」270戸(平成15年)

 なぜこれほど人気になるのか。前段でも書いたので省略するが、周辺エリアのマンションや戸建てからの買い替え希望が50%を超えるというのはいささか驚いたが、納得もする。

 相鉄を中心とする沿線の開発は40年、50年が経過する。初期のころの居住者は70歳、80歳代だろうし、住宅ローンの残債もない。そのような層が駅近のタワーマンションに移り住みたいというのはよく理解できる。問題は、査定価格と売却希望価格がマッチするかどうかだろうし、若年層に郊外居住の良さをアピールできるかどうかだ。

 価格・プランについても一言。坪単価は第一次取得層にとって決して安いとは言えない。しかし、専有面積を圧縮してグロスを抑え、他方でワイドスパンにして居住性を高める工夫が支持されていると思う。「マルチパーパス」の視点から提案したモデルルームもよくできている。

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マルチパーパスの視点から提案したモデルルーム「SOHO」
 

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久光氏

 毎日2~3社、月間にして40数社のデベロッパートップとの情報交換を欠かさない業界のご意見番・トータルブレインの久光龍彦社長(76)が最近のマンション市場について「郊外が売れないのは、社会が共働き時代に入っているにも関わらず郊外の子育て環境などが整っていないから。城西、城南は価格が上がり過ぎ。これからは東京などにダイレクトで通勤できる、価格が手に届く城北、城東エリアに注目すべき」などと語った。

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 不動産経済研究所の調査によると、2016年上半期(1~6月)の首都圏マンション市場動向は、①供給量が前年同期比19.8%減の14,454戸となり、微増となった埼玉県以外の都県は二ケタ以上の大幅減②初月契約率は平均68.4%で、前年同期の76.1%より7.7ポイントダウン。上半期としては7年ぶりの70%割れ③1戸当たり価格は5,686万円で、430万円(8.2%)の上昇④3.3㎡(1坪)当たり単価は270万円で、前年同期より22.8万円(9.25)上昇⑤完成在庫は6,130戸で、前年同期より1,194戸増加――となり、下半期は供給減少に歯止めがかかるものの、年間供給は3万7,000戸前後になり、2009年以来の3万戸台に減少すると予測している。

 久光氏の以下の見解は、このような最近のマンション市場を念頭に置いて読んでいただきたい。

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 わたしが一番言いたいのは、郊外が全く売れなくなってきた原因は値段ではないということです。最近つくづく感じるんですが、社会構造の変化なんですね。アベノミクスの核心は、共働きを強烈に推進すること、女性の社会進出を促すこと、退職年齢を引き上げて年寄りにも働いてもらうという政策で生産労働人口を増やすことに尽きます。

 ところが、郊外は共働きのための仕事がないし、都心に通勤するには時間がかかるし、子どもを預ける保育所が不足しています。

 さらに、郊外は移動に車が欠かせません。市役所に行くのも買い物をするにも子どもの習いごとの送迎もみんな車が必要です。ところが、車を所有するコストは年間で100万円くらいかかります。

 この100万円を住宅ローンに換算すると、0.45の変動制だと3,200万円から3,300万円の住宅ローンが借りることができる、マンションの坪単価に置き換えると坪160万円アップしても買える計算になります。

 となると、車をやめて、都心の職場に近いマンションを買う動きに拍車がかかってくることになります。郊外なら、通勤の便利さを考えて急行停車駅という選択肢になってきます。このように大きく最近のマンション市場が変わってきました。

 2つ目ですが、このような社会構造の変化によって需要層も変わってきたということです。我々の世代は70~75%は専業主婦のいる世帯でしたが、いまは逆です。共働き世代や単身、DINKSが75%です。50歳代、60歳代の買い替え・買い増しも増加しています。

 3つ目はシングル層の増加です。わが国の50歳までの未婚率は男性が35%、女性が27%です。一方で離婚率も3組に1組くらいに増加しています。東京圏もあと3年くらいで人口が減少するといわれていますが、独身だけは増える。銀行も3年前くらいから単身向けのローンに力を入れるようになってきました。

 このようにマンション市場は働く人が中心になり、働く人は職住近接を最重要視するように激変しました。

 では、職住近接の「職」をどこに求めるかということですが、以前は新宿、渋谷、池袋などのターミナルから電車で30分、最寄駅から徒歩で5~8分くらいが主流でしたが、今は東京、大手町、新橋、銀座、日本橋などへダイレクトに通勤できるように志向が西から東へ変わってきています。

 新宿も渋谷も池袋も通過点になってしまっています。しかもこのターミナルは混むし、乗り換えに時間がかかる。京王線も小田急新宿線も田園都市線がいい例です。私鉄は沿線開発ばかり考えているから輸送力のキャパシティを超えています。その点、JRも東京メトロも輸送力だけ考えればいい。

 それでは、東京などへダイレクトにつながっているのはどこかといえば、実は、城東、城北なんですね。いま、このエリアのマンション、とくに1LDKや2LDKがものすごく売れています。

 なぜ人気なのか。それは価格が安いうえに、便利だということです。価格的には、これらのエリアの現在の相場は坪単価220~250万円。仕入れ値が安いから、伸びしろがあるんです。大手もこのエリアへシフトしつつあります。

 利便性では、地下鉄が縦横無尽に走っています。東京メトロと都営線を合わせると13本あるんですが、城東、城北を走っていないのは2~3本。意外と近くて便利ということが見直されています。

 他方で、城南、城西は価格が上がりすぎです。軒並み坪300万円を突破してきましたし、地位の高い世田谷、杉並などは意外と利便性が悪いんです。

 ただ、都心の千代田、港、中央、渋谷の4区は別格です。アッパーミドル・富裕層の実需に加え、約1,7000兆円ある個人資産の運用も期待できます。このエリアは値段があってないようなものです。都心部は堅調に売れるだろうと読んでいます。

 物件の特性についていえば、共働き世代は親の援助も受けていますから、親の意向も反映されるのが今の市場です。駅から遠いのと坂道は敬遠したいのは、わたしの下の娘も共働きで、孫が病気になると、わたしの妻が駆けつけざるを得ませんので、親の立場はよくわかります。

 わたし自身も真夏の朝、駅まで5分くらいだと汗をかかない、7分くらいだと汗をかくんです。10分を超えると下着を変えたくなるほど汗だくになります。坂道もダメですね。赤坂見附から事務所まで数分ですが、(なだらかな)この坂でも息が切れます。(これは冗談。76歳でも月に40数社を回り、昨年末には趣味のスキューバダイビングで1,000本を達成した久光氏の体力は相当なもの)

 共働き世代をサポートする政策が必要だとつくづく感じています。     

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 久光氏から京王、小田急、西武新宿、田園都市線などの沿線が売れなくなってきたと指摘されると、京王線に長く住み、ライオンズファンでもある記者は反論の一つや二つしたくなるのだが、何しろ久光氏は業界の水戸黄門か大久保彦左衛門のような存在だし、いろいろお世話にもなったので、ここは〝長いものには巻かれろ〟だ。

 城東の台東、墨田、江東、江戸川、葛飾、城北の練馬、板橋、北、足立、荒川の10区のマンションに注目するのもいいのかもしれない。

情報の十字路に立つ トータルブレイン・久光龍彦社長のアドバイス(2015/11/30)

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「世田谷中町プロジェクト」

 東急不動産、東急イーライフデザイン、東急不動産次世代技術センターの東急不動産ホールディングスグループは8月9日、東京都市大学と産学連携により、世田谷区中町5丁目の「世田谷中町プロジェクト」でコミュニティサロンの空間設計・プログラム企画を行っていると発表した。

 併設される3階建ての大規模共用施設「コミュニティプラザ」内に「コミュニティサロン」を設置。多世代の交流を促す様々な仕掛けを用意し、「世代循環型」の街づくりを目指す。

 「世田谷中町プロジェクト」は、東急田園都市線桜新町駅・用賀駅から徒歩15分、世田谷区中町五丁目に位置する分譲マンション「ブランズシティ世田谷中町」(252戸)とシニア住宅「グランクレール世田谷中町」(251戸)のほか、共用棟「コミュニティプラザ」が併設される大規模複合開発。東京都の「一般住宅を併設したサービス付き高齢者向け住宅整備事業」第一号案件でもある。

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「オーベルグランディオ三郷中央」完成予想図

 大成有楽不動産が8月末に分譲する「オーベルグランディオ三郷中央」のモデルルームを見学した。小学館の人気女性誌3誌「AneCan」「Oggi」「美的」が商品企画段階からプロデュースに参画した物件で、マンションギャラリーはよくできていた。

 物件は、つくばエクスプレス三郷中央駅から徒歩10分、三郷市中央5丁目に位置する11階建て全252戸。専有面積は66.84~86.72㎡、予定価格は2,700万円台〜5,500万円台(最多価格帯3,500万円台)。竣工予定は平成30年2月上旬。施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。

 「きれいにくらす」がメインコンセプトで、小学館人気女性誌3誌「AneCan」「Oggi」「美的」が商品企画段階からプロデュースに参画し、女性消費者目線に立ったきめ細やかな提案を盛り込んでいるのが特徴だ。

 同社のオリジナル商品「オレンジ収納」「オレンジキッチン」「オレンジドレッサー」も標準装備されている。

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 人気女性誌のことはさっぱりわからないので、そのコラボが成功するのかどうかもよくわからないが、モデルルームの出来はいい。

 「オレンジ収納」「オレンジキッチン」「オレンジドレッサー」はユーザーの支持を得るはずだし、引き戸の多用、こもれるスペースを提案した子ども部屋、リビング・ダイニングのサイドに設置した「ビューティラボ」はいかにも女性が提案しそうなものだ。パウダールームもよくできている。

 マンションギャラリーのカフェライブラリー、イベントスペース、フリードリンクコーナーなどゆったりレイアウトされており、好感が持てた。

 ただ、課題も多い。記者は、三郷・サンケイグラウンドで行われるRBA野球大会の取材をずっと行っており、最寄駅の三郷中央駅は年間にして10回くらい降りる。分譲された主なマンションは全て取材も行っている。

 いい街ではあるが、難点は駅周辺の商業施設の集積が進んでいないことだ。同じ沿線では「柏の葉キャンパス」「流山おおたかの森」に大きく後れを取っている。

 マンションの分譲価格にもそれは反映されている。「柏の葉」や「おおたかの森」は駅近で坪200万円をはるかに突破しているのに、より都心に近い「三郷中央」は近く分譲されるマンションも含めて200万円以下だ。

 だから、それだけ買いやすいマンションが多いということにもなり、デベロッパーもここに狙いを定めている。

 同社のマンション以外にも、いま分譲中の名鉄不動産「メイツガーデン三郷中央」(169戸)、京阪電鉄不動産「ファインプラス三郷中央」(75戸)があり、これから分譲される物件も三交不動産「プレイス三郷中央」(104戸)、住友不動産「シティハウス三郷中央」(72戸)、さらに名鉄不動産が予定しているもう2棟327戸を合わせると全部で999戸にもなる。

 これだけ一挙に分譲されて果たして大丈夫かという不安もあるが、デベロッパーは創意工夫して売るしかない。巷間に流れている〝郊外が売れない〟を覆してほしい。

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「AneCan」がプロデュースしたオープンブックラウンジ(左)とキッズルーム

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「Oggi」がプロデュースしたゲストルーム

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「クリオ杉並高井戸」完成予想図

 明和地所が分譲を開始した「クリオ杉並高井戸」を見学した。全26戸の小規模マンションだが、同社のデザインに進化のあとがうかがえ、なかなかの好物件だ。

 物件は、京王井の頭線高井戸駅から徒歩8分、杉並区高井戸東3丁目に位置する7階建て全26戸。第1期(6戸)の専有面積は47.21~~74.45㎡、価格は4,449.8万~6,706.4万円、坪単価は305万円。竣工予定は平成29年9月下旬。設計はアーキプラン。施工は南海辰村建設。

 現地は近隣商業立地で2面接道。建物はモノトーンを基調にアースカラーのタイル、乳白色のガラス手すりを採用したお洒落な外観が特徴。エントランスホールにはアーティスト吉津信一氏による波紋をモチーフにしたアートが設置される。

 住戸は1フロア2~5戸。内廊下方式を採用した南東、南西向き。26戸のうち18戸が角住戸で、2重床・2重天井、食洗機、ミストサウナが標準装備。キッチン天板はフィオレストーンかステンレスで、スクエアシンクを採用。好みに合わせて設備仕様が選べる同社の新しいセレクトシステム「conomi(コノミ)」も採用されている。

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エントランスホール     

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 同社に限ったことではないが、大手デベロッパーの市場寡占率がどんどん高まっている現在、駅に近い大規模用地などの取得合戦で中堅デベロッパーはまず勝てない。大手と互角に戦うためにはトータルな商品企画で差別化する以外に道はない。一言でいえば、いかに〝素敵〟をたくさん盛り込むかだ。

 マンション分譲単価は準都心部でも坪300万円を軒並み突破してきた。ユーザーは当然、価格に見合う質の高いものを期待する。地価や建築費をそのまま価格にオンして売れる市場ではない。

 その点、このマンションのデザイン、その他の商品企画は水準以上だと思う。モノトーンを基調にした外観デザインが美しい。

 モデルルームのデザインもいい。ステンレスの天板もすっきりしていて美しいのだが、リビングに面したカウンタートップ下と側板にはオプションだが天然石調のタイルが使用されていた。

 窓ガラスには旭硝子の防音効果と高遮熱効果を併せ持つ複層ガラス「マイミュート」が採用されているようだ。これはガラスに額縁のようなデザインが施されており美しい。

 販売担当者によると、モデルルームは女性の評価が高いそうだが、それは〝素敵〟をたくさん盛り込んだためではないかと思う。

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リビングダイニング

 

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「プラウドタワー立川」

 野村不動産は8月4日、JR中央線立川駅前の複合再開発プロジェクト「プラウドタワー立川」が竣工したのに伴い記者見学会を行った。

 同プロジェクトは、平成7年の地権者有志による勉強会立ち上げから約21年の歳月を経て完成したもの。住宅、公共施設、商業施設のほか、立川駅西側新自由通路と立川駅北改札口(新設)直結の広場も整備される施行面積約6,800㎡、延べ床面積約58,000㎡の複合再開発事業。

 施設は駅とペデストリアンデッキで直結され、3階から7階までは「ヤマダ電機」出店するほか、様々な店舗が出店される。

 住宅は9階から32階で総戸数319戸。設計は松田平田設計・清水建設、施工は清水建設。平成26年に分譲され、坪単価が342万円という当時としては相当の高値であることから話題を呼んだが、圧倒的な人気で早期完売した。

 公共・公益施設は1階に行政窓口が設置される。

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24時間利用可能の2層のラウンジ・ライブラリー

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4日行われたタウンネーミング「立川タクロス」の街びらきイベント

野村不動産「プラウドタワー立川」は坪単価342万円 早期完売必至(2004/7/10)

 

 

 

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「ザ・グランツ代々木参宮橋」完成予想図

 相互住宅が分譲中の「ザ・グランツ代々木参宮橋」を見学した。渋谷区の玉川上水旧水路緑道に面した希少立地にふさわしい、グレードの高いマンションだ。

 物件は、京王新線初台駅から徒歩5分、または小田急小田原線参宮橋駅から徒歩9分、渋谷区代々木4丁目に位置する地上5階地下1階建て全26戸。現在分譲中の住戸の専有面積は46.49~82.36㎡、価格は5,590万~10,590万円。竣工予定は平成29年2月下旬。設計・施工は新日本建設。販売代理は野村不動産アーバンネット。デザイン監修は建築家・吉井信幸氏。インテリアコーディネイトは三井デザインテック・黒須理枝氏。

 現地は、京王新線の初台-幡ヶ谷-笹塚間の表通りから一歩入った住宅街に沿って、ケヤキやサクラの大木のほか四季折々の草花などが植えられている渋谷区立玉川上水旧水路緑道に隣接。

 建物はL字型で、南東向きが3LDK、緑道に面した北西向きがコンパクトタイプ。敷地南東側にサルスベリ、坪庭に孟宗竹を配し、建物の基壇部には御影石の門構え、エントランスには漆和紙を挟み込んだ光壁を採用。

 住戸は内廊下方式を採用。廊下側には窓を設けず、住戸間の隔壁はパネルでなくコンクリート壁にするなど独立性の高い仕様になっており、専有部は御影石、大理石、突板を多用しているのが特徴。

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モデルルーム

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 相互住宅と言えば「広尾ガーデンヒルズ」の売主の1社で、戸建てではレベルの高い「八王子・城山手」などを供給している第一生命住宅㈱として設立されたデベロッパーだ。

 このマンションは、規模は小さいがきらりと光るいかにも同社の物件らしいハイグレードマンションだ。デザイン監修に吉井氏、インテリアコーディネイトに黒須氏を起用していることにそれは表れている。

 玉川上水旧水路緑道の総延長は約2600m。端から端までゆっくり歩いて約1時間。絶好の散歩コースだ。

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エントランスホール

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「ルピアコート川口戸塚」完成予想図

 ポラスグループの中央住宅が7月30日、同社の最大規模マンション「ルピアコート川口戸塚」の分譲を開始した。埼玉高速鉄道戸塚安行駅から徒歩2分の全200戸で、キッチンとダイニングカウンターを一体にした「ピアキッチン」を約4割の住戸に標準装備しており、坪単価158万円も割安感があるマンションだ。

 物件は、埼玉高速鉄道戸塚安行駅から徒歩2分、埼玉県川口市石神西立野土地区画整理事業地内に位置する8階建て全200戸。第1期(70戸)の専有面積は61.21~89.64㎡、価格は2,590万~4,690万円(最多価格帯3,400万円台)、坪単価は158万円。竣工予定は平成29年1月下旬。施工は川村工営。販売代理は東京中央建物。

 現地は、区画整理事業が進行中のエリアの一角にあり、4方道路に囲まれ、敷地東側に公園が整備される予定。

 建物はコの字型で、南側の住棟は3つに分節されており、共用施設としてパーティルーム、ゲストルーム、キッズルーム、スタディルームなどが設置される。

 住戸の商品企画では、二重床・二重天井、キッチンとダイニングカウンターが一体となった「ピアキッチン」が全住戸の4割を占め、リビングと続き間を窓で結んだ「見えroom」、壁を傷つけずに何でも飾れる「かざるウォール」の提案を行っている。食洗機、バックカウンター、吊戸棚も標準装備。ワイドスパンタイプも多い。

 29日に行われたメディア向け見学会に臨んだ同社取締役事業部長・金児正治氏は、「この沿線はまだまだ伸びしろがある。今春、浦和美園で分譲開始した一戸建て91戸はすでに65戸が制約済みで急ピッチで売れている。都心に乗り入れている割には、戸建てもマンションも価格は手に届くエリア。マンションは、戸建てメーカーとして他のデベロッパーとは一線を画す、戸建ての木質感などを具現化した商品企画が評価されている。来年度には売上100億円に届くはずだ。戸建ての開発も積極的に行っていく」と語った。

 第1期70戸のうちすでに52件が成約見込みであることも明らかにした。

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 〝価格に見合う商品企画〟マンションだと思う。「ピアキッチン」の詳細は省くが、これは文句なしにいい。収納力があるバックカウンター・吊戸棚も標準装備だ。

 60~70㎡台の住戸は6.0~6.1mのショートスパン住戸がないわけではないが、70㎡台後半以降の住戸は6.4m以上のワイドスパンとなっており、間取りも出窓付きなど24タイプと豊富だ。

 問題は競合物件が少なくないことだ。同社は同じ沿線の「ルピアコート鳩ケ谷本町」(146戸)も分譲しており、浦和美園には全697戸の大規模物件も継続して分譲されている。これだけで1,000戸以上だ。勝敗のカギは、駅近でピアキッチンなどの商品企画、単価の割安感をどうアピールできるかだ。

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ピアキッチン

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 建築物の絶対高さ規制についてこれまで再三批判してきたが、このマンションでも訳が分からない規制がかかっているので少し触れたい。

 現地は建築物の高さ規制が23mに定められており、同社は8階建てとするために約75㎝建物を地下化している。1フロアを3mとすると7階建てしか建てられないからだ。当然、その分は価格に転嫁されることになる。

 川口市の景観計画では「現在の良好な景観や市街地環境の維持、保全と好ましくない景観整序のため、市全域を対象に、建築物の建築等の行為制限を定める景観形成基準等の運用・啓発を行います」とある。

 しかし、「良好な景観」とは「好ましくない景観」とは何かについては具体的に示されていない。探すとすれば、「無秩序な広告物や路上の放置自転車などまち並みに調和しない景観や、地域の特性にそぐわない景観」くらいだ(放置自転車がどうして景観なのかはよくわからない。ほとんどなくなったキューポラは良好なのか好ましくないのか)。

 ところが、景観形成基準では突如として建築物の絶対高さ規制や外壁のカラーが明示されている。高さ規制では、用途地域に応じて10m、16m、22m、38m、45mなどだ(例外として100mもある)。

 この具体的な数値に対する合理的な説明は何も示されていない。一般的な建築物の1フロアを3mと仮定して、その倍数ならまだ少しは理解できるのだが、市の数値は10mを基準とすると+6m、+12m、+18mまでは3、または6の倍数となっており、45mは3×15(階)とも取れるようになっている。

 そして、今回のマンションのエリアの高さ規制は23m(どうしてこの数値かはわからない)だそうだ。

 こうなるともう支離滅裂だ。「周辺景観との調和」という大義名分さえあればどのような数値でもいいということになる。居住性能をどう引き上げるかの視点がまったくない。「居住環境」を犠牲にした「良好な景観」があってはならない。23mを24mに引き上げればどれほどの景観の悪化をもたらすか、行政は説明すべきだ。

 記者は、建蔽率・容積率のほかに道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限、日影規制があるのだから、建築物の絶対高さ規制は必要ないと思うし、むしろ公開空地を確保しているものや、居住性を高めるために1層の高さを高くしたマンションなどはその分だけ容積率の緩和を行うべきだと思う。そのほうが「良好な住環境」が確保される。建築物が低ければ景観がよくなるわけでは絶対ない。高さが同じであれば調和がとれているわけでもない。

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モデルルーム

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有孔ボード

 

カテゴリ: 2016年度
 

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