三菱地所レジ2015年度の「ザ・パークハウス オブ ザ イヤー」に「京都鴨川御所東」
「ザ・パークハウス 京都鴨川御所東」
三菱地所レジデンスは7月5日、2015年度の「ザ・パークハウス オブ ザ イヤー」に「ザ・パークハウス 京都鴨川御所東」を選んだと発表した。
「ザ・パークハウス オブ ザ イヤー」は、「ザ・パークハウス」を代表する物件として、各年度で最もブランド認知やブランドイメージ向上に寄与し、優れた商品企画により話題を集めた物件を選定するもの。
「ザ・パークハウス 京都鴨川御所東」は、京都御所に近く鴨川に面した希少の立地であることから分譲の前から話題を集め、「西日本最高価格となる7億円超の販売住戸」を含む第1期26戸が即日完売するなど、「『ザ・パークハウス』ブランドを広く世に広めることに貢献するとともに、当社が強みとする高額物件の更なるイメージ向上に寄与した」というのが選定理由。
2013年度は「ザ・パークハウス グラン 千鳥ヶ淵」、2014年度は「ザ・パークハウス 西新宿タワー60」が選ばれている。
三菱地所レジ 「京都鴨川御所東」 坪単価はいくらになるか(2015/10/8)
大京 横浜・港北のマンションの環境共生イベントに入居者の半数近い300名参加
メダカ放流会
大京と近鉄不動産が分譲した「ライオンズ港北ニュータウンローレルコート」(地上7階建て、総戸数221戸、2015年8月竣工)で管理組合が主体となった「ビオトープ・ふれあいの森生態系イベント」が5月に行われ、その模様が発表された。
イベントは、入居後初めて開催されたもので、入居者がマンションの緑と水に愛着を持ち、豊かな自然を大切に育み続けられ、ビオトープやふれあいの森が入居者間の交流の場となり、良好なコミュニティが形成されることを願って企画されたもの。
開催当日は、入居者の半数近い300名超が参加し、メダカ放流会、グリーンカーテン講座などを楽しんだ。
管理組合理事長・小泉周氏は、「ビオトープは、当マンションの誇るべき特徴の一つ。まだ1年足らずですが、すでに野鳥が飛来するなどしており、子供たちにとっても自然と触れ合う素敵な遊び場となっています。マンションの敷地の中で自然と共生するということはチャレンジングでもありますが、今回のメダカの放流をはじめ今後もイベントを企画し、子供からご年配の方まで、住民の皆さんに愛されるビオトープに育てていければと思っています」と話している。
大京の建設管理部 担当部長・中山雄生氏は、「自然環境と向きあっていくことは持続可能な社会づくりにつながる。こうした取り組みを継続したい」話した。
参加者の一人は、「子供と一緒に参加したのですが、ヤゴを実際に見たのは私自身も初めて。このような自然がマンション内にあると、日常的に自然と触れ合うことができ、子供たちの環境教育にいいのはもちろんですが、大人にとっても新しい発見があり、一緒に学ぶことができ、とても気に入っています」感想を述べた。
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このマンションは昨年夏、完成したときに取材している。ランドスケープデザイン、環境共生の取り組みが素晴らしい。イベントに入居者の半数近い300名超が参加したというのも驚きだ。
パッシブとスマートを融合した大京「港北ニュータウン」完成(2015/8/21)
「ライオンズ関町北グランヒルズ」で見た 第4世代の大京パッシブデザイン
「ライオンズ関町北グランヒルズ」
大京が2009年から積極的に取り組んでいるパッシブデザインの最新の第4世代マンションの一つ「ライオンズ関町北グランヒルズ」を見学した。従来の換気機能付き玄関ドアには新たに花粉やPM2.5に対応できる専用フィルターを採用しているほか、150Ø×2を標準装備。産学連携による様々な実証実験の結果、見える化・数値化も一段と進化している。
物件は、西武新宿線武蔵関駅から徒歩6分、練馬区関町北二丁目の第一種中高層住居専用地域に位置する5階建て全42戸。第3期2次(戸数未定)の専有面積は64.67~72.42㎡、坪単価は285万円。これまで約7割が契約済み。第3期2次の分譲予定は7月上旬。竣工は平成28年3月18日。設計は安宅設計。施工はノバック。
現地は、戸建てや中低層のマンション・アパートなどが建ち並ぶ閑静な住宅街の一角。敷地は3方道路の南北に細長い形状で、建物は東側道路から約7mセットバックさせ、その間は緑地や専用駐車場、専用テラスに充てている。
外壁は上質感のある自然石を採用しているほか、陰影の深い山型タイルを使用。
商品企画は、同社が2009年から取り組んでいるパッシブデザインをフル装備。換気機能付き玄関ドアには花粉やPM2.5に対応できる専用フィルターを初採用。バルコニー側には150Ø×2を標準装備。このほか、通気ルーバー付きドア、換気ストッパー付きサッシ、グリーンカーテン用のフックなども採用している。
設備仕様では、二重床・二重天井、リビング・居室天井高2.55m、ディスポーザー、食洗機、御影石のカウンタートップなど。
日大やLIXILなどとの産学連携による様々な実証実験の結果、見える化・数値化も一段と進化しており、①グリーンカーテンによる納涼効果は最大で10°C②グリーンカーテンにより紫外線は100%カット③エアコンを使用せずに室温は28°C以下④電気代使用料最大12%削減-などの実証結果が得られている。
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ゴミ置き場のことから書く。記者はマンションの記事ばかり書いているが、悲しいかな、ゴミ置き場のことは全くといっていいくらい知らない。同社の担当者に案内されて、いかに同社と管理会社の大京アステージが連携して顧客満足に応える取り組みを行っているかを知った。
他社も行っているかどうかわからないが、ゴミ置き場には脱臭装置がついており、蛇口もあった。ゴミを分別する大きな棚というか台もあった。
管理人がゴミの仕分けに忙殺されて、日常の管理業務ができなくなることを避けるために、ゴミ置き場も各自治体のごみ収集体制に合わせてしっかり設計するのだという。管理の室を向上させる一環だということだった。
共用部分には、非常時のことも考慮してトイレを設置することを同社は標準にしていることも聞いた。これも知らなかった。
次に単価だが、坪300万円はないと思ったが、その通りだった。しかし、これから分譲される物件は限りなく300万円に近付くはずだ。
パッシブデザインについては、みんな分かっているつもりでも実はあまりよく分かっていないはずだ。地味な取り組みだが、じわじわと浸透していくに違いない。
日本初の非常時発電と日本一の松 大京の「ライオンズ小岩グランテラス」で見た
「ライオンズ小岩グランテラス」完成予想図
大京が7月下旬に分譲する「ライオンズ小岩グランテラス」を見学した。小岩駅から商店街を抜けて徒歩11分。自家発電機に頼らなくても万が一の停電時に太陽光発電と蓄電池で3日間以上の電力を供給する日本初の「ライオンズセーフティアクション」を標準装備し、樹齢600年以上の枝ぶりが見事なことから国の天然記念物に指定されている善養寺の〝日本一の名松〟も近くにある。〝日本初〟と〝日本一〟の両方が揃った稀有なマンションだ。進化した「L'KITCHEN」も見られる。
物件は、JR中央・総武線小岩駅から徒歩11分、江戸川区東小岩4丁目に位置する14階建て全51戸。専有面積は65.25~84.37㎡、価格は未定だが坪単価は230万円になる模様。竣工予定は平成29年3月21日。設計・施工は穴吹工務店。
現地は、昔ながらの商店も多い昭和通り商店街を抜けて、すぐの近隣商業と第一種住居地域にまたがるエリアに立地。住棟は南東向きで、建物から南面側道路まで約37メートルの駐車場スペースなどがあり、その先は低層の住宅街が広がっている。1フロア4戸構成。
商品企画は、自家発電機に頼らなくても万が一の停電時に太陽光発電と蓄電池で3日間以上の電力を供給する日本初の「ライオンズセーフティアクション」が採用されているほか、進化型の「L'KITCHEN」と「ライオンズプラスエコ」が標準装備。
「ハンドエリアボックス」付きキッチン
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非常時の3日間電力供給は、大規模タワーマンションなどでは常識となりつつあるが、大規模な設備も必要でメンテ費用もかかる。しかし、同社が初採用したシステムはそれほどスペースを必要とせず、コストも抑えられるのが大きな特徴だ。
進化型の「L'KITCHEN」がなかなかいい。写真のように同社が開発した「ハンドエリアボックス」はマグネット付きで調理・洗剤などがコンパクトに収納できるようになっている。
もう一つは、これも業界初というユーティリティイシンクだ。ユーティリティシンクそのものは最近の流行りで、記者もたくさん見ている。なので、販売担当の女性が「カボチャが切りやすく…」などと話しているのを「何をいまさら」と聞き流していた。
しかし、ここで同社建設管理部担当部長兼商品開発課長・中山雄生氏が講釈をたれだして唸ってしまった。従来のユーティリティシンクはミドルスペースに水切りがついてはいるが、ここで固いものを調理することはできない。ところが、今回のシンクは同社が独自に開発したもので、まな板が置けるようになっていて、カボチャなどの固いものも切れるのだという。確かにカウンタートップで切るよりその下のほうが力を加えないで切れる。これは理に適っているスグレモノだ。魚をさばいたり肉料理をしたりするときは重宝するはずだ。その良さは調理した者でないとわからない。
中山氏によると、これから洗面室も進化型を登場させるという。
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同社の本店営業一部担当課長・神立浩之氏に案内してもらって現地まで歩いた。神立氏によると「都のデータによると小岩は錦糸町と同じくらい商店が多い」そうで、これには驚いたが、それよりもインターロッキング舗装の両側には、(焼き鳥屋が多いのはしっかり確認しなかったが)何と畳屋、銭湯、自転車屋に、結納品を扱っている店まであった。店先には今が満開のアジサイもたくさん植わっていた。こんな光景は湾岸にももちろん都心にはない。
単価は、このところの地価・建築費の上昇で坪250万円もあると見ていたが、施工が同社グループの穴吹工務店ということもあるのだろう。230万円は割安だ。女性の販売担当者は船橋だそうだが、船橋の駅近より安いのではないか。
こんな話をわいわいがやがや話していたのだが、もう一つ、最後になって、このマンションは日本一の稀有なマンションではないかと思うようになった。樹齢600年以上の枝ぶりが見事なことから国の天然記念物に指定されている善養寺の〝日本一の名松〟影向の松が徒歩10分圏にあるそうだ。〝日本初〟と〝日本一〟が両方揃ったマンションなどあっただろうか。
善養寺の〝日本一の名松〟影向の松
善養寺
「曖昧な現場の無償業務はサービス劣化につながる」 管理協・山根理事長
山根理事長
マンション管理業協会・山根弘美理事長が6月7日、通常総会後の懇親会の席上で、管理会社の現場担当者が日常的に行っている無償業務について「わかりやすい品質基準があっていい」と一歩踏み込んだ発言を行った。
冒頭、挨拶に立った山根弘美理事長(大和ライフネクスト会長)は、先の熊本地震について触れ、「私も現地に何度か入りましたが、熊本の皆さんは、そろって『まさか、熊本で…』と思われていた」「マンション防災力強化は、マンション住民、また我々業界の新しい重要な使命の一つになる」と語った。
また、今年3月に改正された標準管理規約については、「標準管理規約の上位概念である適正化指針には『マンションにおけるコミュニティ形成は重要であり、管理組合においても区分所有法に則り良好なコミュニティ形成に積極的に取り組むことが望ましい』という文言が明記された。協会としましては、今後、講習会、研修会を通し、この改正主旨を正しく伝え、お客様や現場に誤解混乱が生じないようにしっかりと啓発活動を展開していく」と話した。
平成28年度事業計画については、管理委託契約では明記されていない無償業務の提供について踏み込み、「9割を超える会員社が、委託契約範囲外の業務を無償で提供している。それが社員の、引いては経営上のかなりの負担となってきている」とし、「曖昧な無償サービスで、プロが育つでしょうか? 懸念されるのは、単純な価格競争とサービスの品質劣化です。このツケは、最終的にはお客様に回ってきます。もっとわかり易い品質基準が生まれてこそ、この業界の未来はある。難題ですが、これに取り組みます」と述べた。
山根理事長と石井国交相らが記念写真(第一ホテル東京で)
三井不動産レジデンシャル 杭工事再発防止策 第三者による立ち合い確認
三井不動産レジデンシャルは6月7日、分譲マンション事業における杭施工不良に関する再発防止策を発表した。
横浜市都筑区で分譲したマンションで杭の一部に不具合が判明したことを踏まえ、売主としての責任を果たし、お客様からの信頼を回復するため、同社単独事業の分譲マンションでの杭施工に関する再発防止策を実施するもの。
具体的には、売主責任を果たすため「施工者が適切に施工し管理すること」「監理者が施工者の施工状況・管理状況を適時確認すること」が確実に実施され、万一不具合が発生した場合でも早期発見し対応できるように、施工者および監理者の現場立会の強化を求めるとともに、第三者による施工状況の立会確認も新たに実施する。
また、施工過程を把握できる施工記録が適切に作成、保存されるように施工者および監理者による確認の強化も求めていく。
同社は6月30日を期限に、都筑区のマンションの施工不具合について建基法に基づく報告を横浜市に提出することになっている。
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「第三者による立ち合い確認」を実施することに驚いた。再発防止に施工者や監理者が適正に施工、監理するのは当然だが、第三者が立ち合い確認をするというようなことは聞いたことがない。同社がマンション施工の「安心・安全」の取り組みに大きく前進したのは間違いない。同業他社に波及するのは必至だ。
この第三者はその物件の施工監理に関わる監理者ではないが、同社では性能評価機関を考えているようだ。いま話題になっている「第三者」とは全然異なるのはいうまでもない。
コスモスイニシア アクティブシニア向け「武蔵浦和」完成 売れ行き好調
「グランコスモ武蔵浦和」
コスモスイニシアは6月7日、アクティブシニア向け第1弾分譲マンション「グランコスモ武蔵浦和」が竣工したのに伴うマスコミ向けの見学会を行った。武蔵浦和駅前の複合再開発「武蔵浦和SKY&GARDEN」(全776戸)の一角にあり、全160戸のうち120戸が契約済み。分譲単価がファミリー向けより約16%高いにも関わらず、大浴場・レストラン付き、共用施設の充実、24時間見守り・コミュニティ支援サービスなどが支持された。同社は今後も積極的に展開していく。
物件は、JR埼京線・武蔵野線武蔵浦和駅から徒歩4分の13階建て全160戸。専有面積は44.00~73.54㎡。現在分譲中の住戸(28戸)の価格は3,398万~5,938万円。坪単価は255万円。設計は久米設計一級建築士事務所。施工は清水建設。
見学会で事業説明した同社執行役員でコスモスライフサポート社長・藤岡英樹氏は、「1LDKと2LDKの比率を60:40%にしたが、契約者も1人入居が59%、夫婦2人とその他で41%となるなど想定通り。夫婦の場合は、契約を渋る男性を奥さんが説き伏せて契約するケースが目立った。現在、大和ハウスを中心に10数件の複合案件の引き合いがあり、積極的に展開していく」と語った。
エントランスホール
大浴場(左)とレストラン
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所有権付きのアクティブシニア向けマンションは、首都圏ではフージャースコーポレーションやダイヤモンド地所が展開中だが、これらはどちらかといえば郊外型で、今回の同社の物件は利便性が高いエリアでの分譲であるため、同業からの関心も高かった。
新日鉄興和不動産などのファミリー向け616戸(非分譲15戸含む)の坪単価は220万円(西向きは210万円)であるのに対し、アクティブシニア向けは西向きで255万円とかなりの単価差があったが、売れ行きは前者が520件超(3月末)に対して後者は120件。単価の高いのは全くハンディにならなかった。
しかも、管理費・修繕積立金、サービス費の合計が52,500円~73,000円(1人入居)かかるにも関わらず、現金購入が約8割に達するなど、資金的に余裕のある人の購入が目立った。購入者の現居住地もさいたま市と埼玉県が60%であるのに対し、東京都が20%、神奈川・千葉県が10%、その他が10%に上るなど広域からの購入も多い。
ただ、隣のファミリー向けとの親子近居は数件にとどまっており、新日鉄側とコスモスイニシアが当初から連携して販売していたらまた違った結果が出たと思われる。
売れ行きが好調に推移し、またフージャースの「柏の葉」もファミリー向けより坪30万円近く高いにもかかわらず好調な売れ行きを見せており、参入機会をうかがっているデベロッパーを勇気づけるかもしれない。有料老人ホーム、サ高住などとともにユーザーの選択肢が増えることはいいことだ。
ラウンジ
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開業したレストランのメニューの安さにびっくりした。セルフサービスだがカツドンが350円、かけそばが210円、カレーが330円、コーヒーが100円(このコーヒーはおいしかった)、ビールが280円。廊下にある自販機のVolvicは90円だった。
各フロアに設けられていたラウンジの広さは全体で住戸10戸分もあった。麻雀室では男性1組に対して、女性2組が楽しそうにゆっくりと牌を並べていた。大浴場は旅館並みで、これを利用すれば、風呂代として月額1万円はかかるという自宅の電気・ガス・水道代を浮かせると思った。自宅の風呂に入らなければ掃除もしなくて済む。
麻雀室
「ららぽーと」に隣接 シニア向け「デュオセーヌ柏の葉キャンパス」坪単価230万円でも人気(2016/5/2)
激戦の番町エリアの一等地「一番町」 旭化成不レジが「ホーマット」建て替え分譲
「ONE AVENUE(ワンアベニュー)一番町文人通り」完成予想図
旭化成不動産レジデンスは6月7日、千代田区一番町の建て替えマンション「ONE AVENUE(ワンアベニュー)一番町文人通り」のモデルルームを報道陣に公開した。江戸時代に幕府の旗本の屋敷町が置かれた「番町」エリアの中でももっとも地位が高い「一番町」に立地する「ホーマットカヤ」の建て替え事業。設備仕様レベルが高く、上階からは千鳥ヶ淵の緑が見渡せることなどからオールド・リッチを中心に人気を集めそうだ。
物件は、東京メトロ半蔵門線半蔵門駅から徒歩5分、千代田区一番町20に位置する14階建て全32戸(事業協力者住戸10戸含む)。専有面積は94.68~170.66㎡、価格は未定だが、坪単価は800万円前後の予定。設計はアーキサイトメビウス。施工は松井建設。引渡し予定は平成30年5月下旬。販売開始は平成28年6月下旬。
現地は、明治・大正・昭和にかけて多くの文化人たちに愛された「番町文人通り」に面する立地。隣接地は串田孫一の居住跡で、通りには与謝野鉄幹・晶子、有島武郎、菊池寛、泉鏡花、島崎藤村、藤田嗣治などの居住跡がある。「一番町」の「文人通り」に面したマンションは36年ぶりだという。
同社は平成26年、従前のマンション「ホーマットカヤ」の建て替えの検討に参画。同年に等価交換方式による建て替えの合意に達していた。
企画担当者の同社開発営業本部技術部商品企画一課・和田悠氏は、「社内はもちろん、激戦のエリアでどこにも負けないものをつくろうと今井敦先生(アーキサイトメビウス)と相談し、自然石や天然木をふんだんに用いた。『タマモク(玉杢)』は世界の銘木の中から選んだ。権利者の方々にも励まされた」と語った。
エントランス
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「番町」エリアでは昨年から東急不動産、三井不動産、大和ハウス、三菱地所など大手デベロッパーが相次いでマンションを供給し、今後も十数物件の供給が予定されているなどアッパーミドル・富裕層向けの供給ラッシュが続く激戦地だ。坪単価は600万円を一気に突破すると、今回もそうであるように一等地は800万円以上に高騰した。
見学会では、「文人通りサロン」所長代理の同社開発営業本部販売部第二課・茂田貴志氏や和田氏の話を聞き、同社の最高単価マンションにふさわしく、かなり力が入っていることが伝わってきた。ラウンジに自然石を配し滝を流すという大胆な演出(同じような仕掛けは数例みているが)に驚き、玄関ドアのスリットに用いられた「タマモク(玉杢)」に目が吸い寄せられた。初めて見るもので、ウォールナットの根っこの部分の微妙な文様が〝唯一無二〟を象徴していた。
もうひとつの特徴は、玄関から廊下-居室-リビングや建具・家具の高さを2.4メートルにそろえていることだ。
さらにドアノブ(コロンボ製)を極力少なくし、把手部分を彫り込んで壁面をすっきりさせるなど細部にもこだわるなど、全体として奇を衒わない玄人好みのオーソドックスな億ションだ。
同社の〝アトラス〟は、渋谷、新宿、文京区などでの供給はあったが、都心3区では今回の「一番町」のほか「御茶ノ水」があり、港区三田でも分譲するという。富裕層向けを積極展開するということか。
玄関(床は大理石)
「地価公示日本一」六番町にフェルメールを見た 大和ハウスが億ション(2016/3/14)
ミクル、マンションコミュニティ 新しいコンテンツ「スムログ」開始
「マンションコミュニティ」や「マンションWiki(住適空間)」を運営しているミクルが5月10日から新しいブログコンテンツ「スムログ」を開始した。
「スムログ」は、著名なブロガーが自由に書くことができる、マンションに特化したブログポータルサイトだ。
記者が書いているRBAの記事は、〝記事はラブレター〟をモットーに極力わかりやすく面白く書くように心がけているので、あるいは「ブロガー」と呼ばれる範疇に入るのかもしれないが意識したことはない。そもそも「ブログ」なるものの定義すらわかっていない。
なので、以下の文章がブロガーやその読者の方々にどのように受け取られるのかわからないが、率直な感想を述べたい。
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不動産ポータルサイトには、住宅・不動産会社の数だけあるとすれば10万くらいあるのだろうが、一般的には賃貸&分譲不動産情報サイトラングでダブル総合1位の「SUUMO(スーモ)」、不動産情報サービス業のパイオニア「at home(アットホーム)」、物件数№1の「HOME'S(ホームズ)」、わが国の住宅・不動産情報サイトのイノベーションを目指す「O-uccino(オウチーノ)」などがある。
Webサイト分析ツール「Similarweb」によると、月間ユーザーは「SUUMO(スーモ)」が1,200万、「HOME'S(ホームズ)」が1,100万もあるようだ。
もう一つが、「マンションコミュニティ」を代表する購入検討者や購入者、入居者が〝掲示板で〟意見交換をするサイトだ。ミクル取締役の山下肖武氏によると「マンションコミュニティ」の月間ユーザーは200万人もあるという。
記者は物件検索サイトもコミュニティサイトもほとんど利用しない。直接デベロッパーのホームページから物件を選択している。
コミュニティサイトは、当事者しか知りえない情報が書かれていることもあり、正直、閲覧するのが恐い。正義感による内部告発もあるが、業界では販売会社による競合排他の投稿や、ステルスマーケティング目的など、利害関係者による意図的な投稿も中には存在し、そういった問題投稿を確認次第、削除など適切な措置をとっているという。
早速、新しいブログコンテンツ「スムログ」を読んでみた。
驚いたのは、スムログに登場しているブロガーの物件見学数だ。覆面座談会なるものの中で数人の方がほとんど年間数十物件を見学していると話している。これはとても大事なことで、記者は現場を見ない〝記者〟を記者だとは思っていない。
もう一つ、これは称賛に価すると思ったのだが、記者のようにネガティブ情報などは自主規制しまいがちなのに対して、デベロッパーにおもねることなく自由な立場で書かれている方も多いということだ。
何人かのブログも読んだので紹介する。
嬉しかったのは「モモレジ」さんの「モモレジのスムログテーマは『間取り』ではなくデザイン!」で、この方は記者と同様、マンションのデザイン・外構を重視されているようで、モリモトの物件を褒めている。ブロガー仲間ではよく知られている方のようだ。
「マン天」さんもすごい方だ。「マン天からのご挨拶」の中で「マンションアナリスト。11年間で5,000枚のマンション・チラシを“読破”したマンション・チラシ研究家。一級建築士」と自らを紹介している。マンションの何が大事かといえば物件概要だ。これを読みこなせるようになれば一流だ。記者はかつてマンション・戸建て合わせて年間3,000件くらいの物件概要を読んでいた。概要を読むと、ほとんどその物件の売れ行きが予測できた。
「はるぶー」さんは、以前、記者の記事について言及されていたので名前だけは知っていた。実際に部屋に1万円札を並べ、「1万円札の坪単価は272万円」と題するブログを書かれていた。「坪単価」が頭から離れない記者はドキリとした。
「マンションマニア」さんの「マンションマニアの活動日誌(ブログ)」では、マンションの概要をしっかり書かれていた。これもとても重要なことだと思う。記者も用途地域や容積率は書くべきだとも思っている。
「DJあかい」さんは、「マンションコミュニティの歩き方」の中で「掲示板」について「掲示板は掲示板。匿名さんは匿名さん。あなたはあなたなわけです。買わない(かもしれない)人の意見に心を惑わされるのではなく、自己との対話、あるいは伴侶との対話に焦点を絞って、それでOKならOKじゃないかと思います。『ひき返せ!』『ひき返したほうがいいぞ!』の合唱に負けず、孤独に耐えて突き進んだ先でなければ、得られないものもあるでしょうから」と書かれている。なるほどと思った。
山下氏によれば、この分野でも「レッドオーシャンに突入しつつある」とのことであるが、間違いなく消費者の物件選考に少なからず影響を与えると思う。
デベロッパーはメディア向けのマンション発表会、見学会を行う際に、こうしたブロガーもぜひ加えていただきたい。実際に自分が見たにもかかわらず、発表資料以上のことしか書かず、商品紹介でもっとも肝心な「価格」についてほとんど言及しないような記者よりはるかに物件告知の効果がある。
旭化成不レジ「アトラス調布」 「都市景観大賞(都市空間部門)」大賞受賞
旭化成不動産レジデンスは5月27日、同社が事業協力者および参加組合員として携わった、調布富士見町住宅の再建プロジェクト「アトラス調布」が、平成28年度「都市景観大賞(都市空間部門)」の最高賞である大賞(国土交通大臣賞)を受賞したと発表した。
同プロジェクトは、団地住民が地域との関わりの中で持っていた課題(交差点の危険性や公園へのアプローチの悪さ)を調布市と共有化し、団地の建替えと同時に市道を付け替え、「コミュニティ街路」として再生することで解決した事業。
官・民・住民が一体となって新しい景観を生み出したプロセスや、再建後のマンションが石畳や植栽と一体的にデザインされたことなどが評価された。
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このマンションについては2度、3度見学して記事にしているのでそちらを参照していただきたい。
ランドスケープデザイン、住棟配置が秀逸で、住民や設計者のプロジェクトに込めた思いがひしひしと伝わってくる好物件だ。