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三菱地所レジデンス、野村不動産、東京建物「スーパータック フィットMTN」

 

 

「スーパータック フィットMNT」

 

 三菱地所レジデンス、野村不動産、東京建物の3社は828日、共同でマンションの家具転倒防止器具「スーパータック フィットMNT」を開発したと発表した。北川工業の協力のもとで約100回の加振実験を行い、その知見を基に商品開発を行うことにしたもので、マンションデベロッパーが共同して新たな商品開発の研究・監修をするという取組みは業界初

 実験に用いた家具転倒防止器具のサンプルには、家具頂部で家具側の固定パーツに「粘着ゲル」、壁側の固定パーツに「粘着ゲルまたはビス」を採用。固定パーツを「耐震バンドまたはプラスチック製アーム」で連結し、家具の足元の手前側には「滑り止め器具」を取り付けた。

 実験の結果、震度7相当の地震でも家具転倒の危険性を低減させるためのデータを集めたという。

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 マンションの家具転倒防止については、三井不動産レジデンシャルが一昨年の12月、新たな防災基準を設け、家具転倒防止対策も発表した。住戸内壁面に家具転倒防止下地を設置するほか、大型テレビなどにも対応できるよう上下二段の転倒防止下地を設置し、戸境壁についても上下二段に転倒防止下地を設置するというものだった。

 記者は、三井不動産レジデンシャルが「画期的」な家具転倒防止策を打ち出したことで、他社も対応を迫られると思ったが、それが今回の開発につながったのだろうと考える。

 「粘着ゲル」は壁クロスやコンクリート壁に取り付けるのだろうが、はがれないのか心配だが、三菱地所の広報は「下塗りのシーラーに工夫が凝らされているので大丈夫」とし、「それほど強力なゲルなら間違って手にくっついた場合、はがれなくなるのでは」との問いに対しては「私も試してみたがはがれる。事故につながることはない」と太鼓判を押した。

 三菱地所レジデンスは来年1月以降に引き渡す物件で1住戸につき1セットと「水性シリコン下塗りシーラー」を無償配布する。東京建物は「詳細は決まっていないが、年内には採用したい」としている。野村不動産も「近いうちに採用していく」と話している。

 

三井不動産レジデンシャル 画期的な防災基準

カテゴリ: 2013年度

売れ行き好調 第1期70戸完売へ

 


ブランズ横濱馬車道レジデンシャル」完成予想図

 東急不動産(事業比率55%)とワールドレジデンシャル(同45%)の共同事業マンション「ブランズ横濱馬車道レジデンシャル」を見学した。全130戸のうち第1期70戸が近く分譲されるが、完売のめどが立っているなど売れ行きは好調だ。

 物件は、みなとみらい線馬車道駅から徒歩5分、またはJR根岸・京浜東北線桜木町駅から徒歩6分、横浜市中区住吉町6丁目に位置する14階建て全130戸の規模。第1期70戸の専有面積は44.6374.68㎡、価格は3,338万~6,978万円(最多価格帯4,300万円台)、坪単価は268万円。竣工予定は平成271月中旬。施工はフジタ。販売代理は東急リバブル、ワールドレジセリング831日に抽選分譲される。

 現地は商業地域だが、道路を挟んで川が流れており、開放感も確保されている。建物デザインは白と黒が基調の印象的なものだ。1階から4階までがホテルというのも特徴で、マンション居住者はホテルライクなサービスも受けられる。設備・仕様もキッチンや洗面質のカウンターに自然石が用いられており、食洗機は標準装備。トイレの把手は壁面から出っ張らないようセットバックされている。

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 横浜市都心機能誘導地区建築条例では、住宅などの容積率を300%に制限する一方で、事務所・店舗などの商業機能を誘導することで住機能と業務・商業機能の調和を図ろうという「商住共存地区」制度がある。例えば指定容積率が600%の場合、住宅部分の容積率は300%で、業務・商業施設を150%確保すれば、この150%を住宅部分の容積率300%に上乗せして450%にしてもいいというものだ。このマンションもその適用を受けており、1階から4階までがホテルになっているのはそのためだ。

 この「商住共存」がいいか悪いか、記者は判断できない。一般的に商業地域は何を建てても可能な地域だ。その地域で住宅建設を抑制するのはいかがなものかと思うが、用途規制は自治体の自由裁量に任せてもいいという考えも分からないではない。

 ただ、「商住共存」の言葉からは、空洞化した都心部の商業エリアに住機能を誘導しようという政策を思い浮かべる。「職住近接」もそうだろう。住宅を抑制して業務・商業施設の誘導を図ろうというのは横浜市以外ではそれほどないのではないか。市ではこれまで10件ぐらいがこの制度の適用を受けているという。この制度により既存不適格建築物になった建物は相当あるのではないか。

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 売れ行きがいいのに驚いた。5月に取材した関内駅から徒歩10分の三井不動産レジデンシャル「パークホームズ横濱山下公園」79戸は坪250万円で即日完売したのは納得だが、今回は坪268万円だ。やや高いのではないかと思うが、これは関内と桜木町の差か。それともマンションの近接地が、老朽化した関内の横浜市庁舎の建て替え候補地になっているのも影響しているのか。6月15日にモデルルームをオープンして以降、来場者は約450件にのぼっている。

カテゴリ: 2013年度

上席執行役員・高井基次氏がこの1年を振り返る
 


「リュークス タワー」完成予想図

 

 野村不動産の副社長から大和ハウス工業のマンション事業を統括する上席執行役員に昨年10月に就任してからほぼ1年。高井基次氏がこの間を振り返って、同社の現状や将来について熱く語った。

 高井氏はまず、「首都圏で大手と張り合うにはまだ総合力が足りない」と同社の現状を冷静に分析した。しかし、地方の話になるとが然、多弁になった。

 「各地方を回って大和ハウスのブランドはナンバー1であることがよく分かった。地方では再開発物件を中心に展開しているが、土地代はだだ同然で、建築費と利益が販売価格になる。再開発は補助金があるので他社とも互角以上に戦える。最近分譲した物件も極めて好調に推移している」と話した。

 「プレミスト金沢駅西口」72戸が駅から徒歩4分と近く、単価も125万円と安かったため地方物件では初めて即日完売も記録したのをはじめ、「D’グラフォート盛岡駅前タワーズ」286戸、「ザ・呉服町タワーズ」279戸(非分譲23戸含む)、「ザ・レジデンス宇都宮」86戸(非分譲6戸含む)が早期完売した。

 九州も佐賀県を除く各県の物件が好調だ。沖縄の坪171万円の30階建てツインタワーマンション「リュークス タワー」676戸も、8月に完成した「WEST338戸が完売し、「EAST」も1億円を越える住戸を含め70戸が売れるなど好調に推移しているという。

 好調の要因を高井氏は「いずれの物件もポテンシャルが高い最高の立地である」ことをあげ、「野村時代は首都圏と地方は仙台ぐらいしか経験がないが、ネタは豊富なことが分かった」と、今後も地方での積極展開する姿勢をみせた。函館では中心地の五稜郭でコンペの末、同社が事業参画することが決まり、金沢では旧制第四高校の前でも分譲するという。

 今後の展開については、ハウスメーカーならではのものづくりの原点に立ち返って中長期ビジョンをつり上げることに力を注ぐという。「プレミストのブランド名を変えようという声もあるが、当面は『大和ハウスのマンションはいい』というお客さまの評価を得ることだ」とブランド名変更には否定的な考えを示した。

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大和ハウス他「レジデントプレイス西葛西」が市場を牽引するか


「レジデントプレイス西葛西」完成予想図

 

 大和ハウス工業・スターツデベロップメント・サンケイビル・長谷工コーポレーションの4JVマンション「レジデントプレイス西葛西」(459戸)のモデルルームを見学した。隣接する三井不動産レジデンシャル・三菱地所レジデンス「ザ・ガーデンズ西葛西」(358戸)と合わせ817戸という同駅圏ではかつてない大量供給となるだけに販売動向が注目される。

 物件は、東京メトロ東西線西葛西駅から徒歩7分、 江戸川区西葛西二丁目に位置する15階建て全459の規模。専有面積は60.0391.01㎡、価格は未定。竣工予定は平成277月下旬。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。

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 最大の注目点は戸数の多さだ。記者は西葛西駅圏の年間の需要量は200250戸ぐらいと見ている。ところが、今回は2物件で817戸という大量供給だ。常識的に考えれば双方が完売するまで3年以上かかる計算だ。この点は、このところの〝追い風〟で克服する可能性もあるし、競合は必ずしもマイナスにならない過去の例もある。

 もう一つの注目点は価格設定だ。まだ決定ではないが、現段階では未公表だが、記者が予想した値段になりそうだ。敷地の北側に隣接している「ザ・ガーデンズ西葛西」はまだモデルルームも公開していないが、交通便の表示では「徒歩8分」になるので、単価は横並びになるか、若干「ザ・ガーデンズ」のほうが安くなるのではないか。

 もう一つ、付け加えると販売を担当する長谷工アーベストは同社の執行役員・遊佐康人氏が音頭を取る〝最強部隊〟とも言うべき受託販売第三部門が担当することだ。記者は遊佐氏が長谷工コーポの施工物件をことごとく早期完売した現場をたくさん見ている。このことだけでも力が入っていることがうかがわれる。 

 いずれにしろ、ユーザーは双方を見比べて決断するのは間違いない。モデルルームの設置場所も同じところだけに〝呉越同舟〟となるか。大和ハウスの上席執行役員・高井基次氏も、「競合より共存共栄。好調な需要は継続しているし、広域から集客して大量800戸超のマーケットを牽引したい」と語っている。

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三井不動産レジデンシャル

「パークホームズ目白 ザ フォレスト」が即日完売

「パークホームズ目白ザ フォレスト」完成予想図

 三井不動産レジデンシャルは8月20日、「パークホームズ目白ザ フォレスト」71戸が7月20日に抽選分譲した結果、約650組の来場者を集め、最高8倍で即日完売したと発表した。目白駅から徒歩9分で、目の前が公園の「第一種文教地区」に立地。専有面積は38.49~89.11㎡、価格は2,990万~9,790万円(最多価格帯5,700万円台・6,400万円台・6,600万円台)。購入者の属性は、平均年齢が43歳、家族数が平均2.1人。

 また、7月13日に分譲した「パークホームズ志村坂上フォレストヒル」(全86戸、うち事業協力者住戸が9戸)の第1期1次65戸が全戸に申し込みが入った。専有面積は60.02~84.50㎡、価格は3,590万~5,810万円(最多価格帯3,800万円台・3,900万円台)。申込者の属性は、平均年齢が38歳、家族数が平均2.8人。

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積水ハウス「グランドメゾン白金の杜 ザ・タワー」

「伊勢山」と肩を並べる記念碑的マンション

 


「グランドメゾン白金の杜 ザ・タワー」完成予想図

 

 積水ハウスが今秋分譲する「グランドメゾン白金の杜 ザ・タワー」を見学した。タワーマンションではあるが、守衛つきのゲートを設け、敷地面積約6,800㎡の4割以上に約2万本の樹木を植える植栽計画が秀逸だ。免震・制震工法を採用し、長期優良住宅認定も取得している。

 物件は、東京メトロ南北線・都営三田線白金台駅から徒歩10分、港区白金6丁目に位置する30階建て全334戸の規模。専有面積は42.21194.12㎡、価格は未定だが、坪単価は400万円台の半ばになる模様。竣工予定は平成276月中旬。設計・施工・監理は大成建設。

 物件の最大の特徴は、銀杏並木が美しいプラチナ通りに面していることだ。第二はその植栽計画だ。都心部のタワーマンションの多くは商業地域か準工業地域であるため、どちらかといえば植栽は貧弱な物件が多い。しかし、この物件は建ぺい率60%(70%防火地域耐火建築物)、用途地域が第一種住居地域(一部準工)で容積率が400%であることを生かし、他の物件同様〝5本の樹計画〟を盛り込んだ。約2万本の樹木(低木含む)を起伏に富んだ敷地内に配している。プラチナ通りに面したエントランスには守衛つきのゲートを、ナザレ通りにに面しているところにはナザレゲートをそれぞれ設置している。

 建物は大成建設の「ハイブリット免震・制震構造」を採用。長期優良住宅認定も取得している。東京都のマンション環境性能評価では満点に星一つ欠ける14個を獲得。デザインは陰影がくっきり現れる白と黒が基調。

 モデルルームは2タイプで、オプションを極力少なくし自然石や無垢材をふんだんに採用。キッチンのバックカウンターも標準で奥行きは調理がしやすい60センチ(通常は45センチ)確保。ドアは全てプッシュプル、引き戸はソフトクローズ機能つきでユニバーサルデザインにも配慮。2529階は天井高が2.65m。ヒノキ材を用いたサウナ付きプランもある。

 モデルルームは6月から予約制で公開しており、順調に集客できているという。

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 同社のマンションを見るのはいつも楽しみだ。植栽計画が見事だからだ。今回は予想をはるかに上回るものだった。模型はまるで森の中にマンションがあるようだった。販売事務所の長嶺伸之所長が「タワーマンションだけではインパクトはない。当社らしいこれまでにない森と一体化させたものを提案した。うちらしいマンションだと思う」と胸を張ったが、記者もこれほど植栽が豊富なタワーマンションは見たことがない。

 同社はこれまで人気になった「恵比寿」「青山」「三軒茶屋」などでタワーマンションを手掛けているが、やはり規模が大きいので今回の「白金」が一番素晴らしい。

 現地の近くには丸紅が10年ぐらい前に分譲して人気になったマンションが建っている。時期が異なるので売れ行きは何とも言えないが、高級マンションとしては、やはり長嶺氏が担当した「グランドメゾン伊勢山」の肩を並べる同社の記念碑的なマンションの一つになるのではないか。

 

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大京・大和ハウス「ザ・スカイクルーズタワー」

駅前再開発タワー すでに7割が売れる



「ザ・スカイクルーズタワー」完成予想図


 大京(事業比率51%)と大和ハウス工業(同49%)が共同で分譲中の「ザ・スカイクルーズタワー」を見学した。風俗街に近接はしているが、駅前の再開発で買いやすい価格帯が人気になっているようだ。

 物件は、京急本線日ノ出町駅から徒歩1分の横浜市中区日ノ出町1丁目に位置する22階建て全187戸(非分譲住戸49戸含む)の規模。竣工予定は平成27年1月31日。施工は五洋建設・馬淵建設。設計は松田平田設計。近く分譲する3期(戸数未定)の専有面積は 40.05~76.11㎡、予定価格は2,500万円台~5,000万円台(最多価格帯3,700万円台・4,900万円台)、坪単価は200~220万 円。

 6月から分譲開始されており、現在まで約7割が販売済み。プレミアム住戸の21・22階の18戸は完売している。

 現地は、日ノ出駅を降りてすぐで、敷地東南側に大岡川が流れ、親水護岸・親水広場も整備される。建物は容積・高さ規制の緩和を受けており、制震構造、逆梁ハイサッシ、SIを採用。基壇部に煉瓦風タイルを配し、5~7階は壁面緑化を施し、屋上には菜園も設置する。1階から3階までが店舗、4階から8階が有料老人ホームが入居し、住居は9階以上。住戸プランは単身者・DINKSからファミリーまで多彩で、天井高は約2,500ミリ。

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 単価を聞いてかなり安いと思った。坪単価250万円は高くて230万円ぐらいではないかと思ったが、平均すると220万円もしないという。2カ月ぐらいで7割も売れているというのは、再開発の駅前タワーで買いやすい価格帯であるのが全てのような気がする。競合物件もあまりないという。

 単価が安いのと関連があるのだろうが、いま一つよく分からないのが立地条件に対する評価だ。物件は市営地下鉄桜木町駅まで徒歩8分なので、桜木町駅圏のマンションとして考えるならかなり割安であるのは間違いない。しかし、住環境としてはやはり考えざるを得ない。

 記者は、この日ノ出町から黄金町にかけてマンション取材のついでに街を歩いたことがある。風俗店が軒を連ねている一角があり、その光景は異様だった。成人向けの店舗であることを明示する極彩色の「18禁マーク」は、「放射線マーク」と同じかそれ以上のデンジャラスゾーンを連想させる。馬券売り場は嫌悪施設だとはあまり思わない。

 最近は横浜市、警察、地元などが一体となって街の浄化作戦を展開しており、昔と比べてずいぶん良くなっているようだ。購入者は街の現状は百も承知で、将来を先読みしているということだろう。

 

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東急不動産 会員権リゾートホテル

「東急ハーヴェストクラブ熱海伊豆山&VIALA」 開業



眺望テラス

 東急不動産は8月6日、同社の会員権リゾートホテル「東急ハーヴェストクラブ熱海伊豆山& VIALA」の完成披露内覧会を報道陣向けに行い、8月11日に開業すると発表した。

 物件は、JR熱海駅から車で約5分、熱海市伊豆山字奥鳴沢に位置する敷地面積約28,507㎡。建物は地上4階地下4階建て客室総数 182室(「熱海伊豆山」133室、「VIALA」49室)。客室面積は「熱海伊豆山」が37~63㎡、「VIALA」が50~120㎡。会員権は共有制で、募集口数は「熱海伊豆山」が1,500口、「VIALA」が564口の合計2,064口(1室当たり約12口)、募集価格は「熱海伊豆山」が620万 円/口、「VIALA」が909.5万円/口。販売代理は東急リゾート。

 会員には年間30枚の宿泊利用券が発行され、「熱海伊豆山」は1泊1名3,780円、「VIALA」はルームチャージ制で12,600~27,300円。無記名式のため、会員が署名捺印した利用券であればメンバー料金で利用できる。


外観

 
エントランスのクスの巨木

 現地は、多くの文人が逗留したという老舗旅館「桃李境」の跡地。樹齢120年を越えるクスの大木がエントランスの中央に植わっているほか、既存樹を極力残した外構計画が特徴。海抜75mの現地からは相模湾、初島・熱海市街地が一望できる。

 客室は洋室、和室、和洋室のほかペット対応などもあり、「VIALA」は全客室に温泉露天風呂が付き、専用プール付きや 120 ㎡のスイートルームもある。

 レストランは和食とカジュアルダイニング、フレンチの3種。和食の営業時間は24時まで(ラストオーダーは23:30分)。共用施設は温泉大浴場、屋外・屋内・スパプール、エステサロン、ゲームコーナー、キッズルームなど。

 内覧会に臨んだ同社リゾート事業本部ハーヴェスト事業部 事業企画グループ グループリーダー課長・中村賢氏は「1室12口の少数オーナー制にすることで予約が取りやすいようにしているほか、無記名式なので30枚の利用券も使いやすく、他の施設も利用できるのが特徴。今後も来年開業予定の『東急ハーヴェストクラブ京都鷹峯& VIALA 』を含めネットワークを全国に広げていく」と語った。

 「ハーヴェストクラブ」は1988年、「蓼科」を第一号店として開業。今年で25周年を迎え、今回の施設開業により全国25カ所、客室数 2,740室、最大募集口数 27,132口となった。会員数は約2.2万人。2013年度の売上高は105 億円(前年度104億円)、稼働率は58.5%(同58.1%)を目指す。今回の施設の販売状況も好調で、募集率は「熱海伊豆山」が61%、 「VIALA」が86%。

 
「VIALA客室」                          屋外プール(夜景)


眺望テラス

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 同社の会員制リゾートホテルを見学するのは初めてだが、随所に天然石や無垢材が採用されており、設備仕様は都心の高級ホテル並だと思った。

 熱海・伊豆は取材でも個人でもよく訪ねており、回数にすれば20回は下らないはずだが、坪単価400万円、500万円のリゾートマンションを含めこれほど眺望・施設が優れた施設は初めてだ。

 関係者も「熱海は低料金の施設と隠れ家的な高級旅館とに二極化が進んでいるが、当社と戦う相手はいない」と話した。


レストラン 和食


石張りの廊下・壁 

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 熱海駅から徒歩2分の一等地に建設が中断したままのリゾートマンションがある。ジョイント・コーポレーションの30階建て「アデニウム熱海グランドタワー」(513戸)だ。同社が2009年6月に会社更生手続開始に伴い工事は中断したままになっている。分譲前のモデルルームを見学しているが、坪単価は250~260万円と見られていた。施工は五洋建設だった。

 現在、土地の所有権はジョイント以外に移っているが、熱海市は「リゾートマンションより宿泊施設を希望している。その後、ポツポツ開発の話が入ってきているが、開発許可はジョイントさんのまま。登記簿がどうなっているのかは確認していない」と話している。

 記者も、市の活性化にはリゾートマンションより、コンベンション機能を備えたワールドワイドなホテルのほうがいいと思う。リッツもハイアットリージェンシーも乗り気になるのではないか。駅前の既存ビルと一体開発すれば一大リゾート拠点になる。

 中古リゾートマンションの売買は昨年より活発で、1,000万円クラスが動いていると話を聞いた。

 
熱海駅前(バブル前とはすっかり様相が変わってしまった)

再び増える熱海市のリゾートマンション(2006/10/23)

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皇居が一望できる唯一無二のマンション

三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス グラン 千鳥ヶ淵」


バルコニーからの皇居の眺め(完成予想図)

 

 眼下に皇居が見渡せる唯一無二のマンション-三菱地所レジデンスは8月5日、「ザ・パークハウス グラン 千鳥ヶ淵」の記者発表・モデルルーム見学会を行なった。全住戸から皇居が見渡せるという分譲マンションとしてはわが国初で、おそらくこれが最後と思われる物件だ。一般の事前公開は8月24日からで、分譲開始は9月。

 物件は、東京メトロ半蔵門線半蔵門駅から徒歩7分、千代田区三番町2番1(地番)に位置する敷地面積約2,300㎡、地下2階地上14階建て全73戸(事業者協力住戸51戸含む)。専有面積は72.26~179.17㎡、予定価格は16,000万円~54,000万円(最多価格帯27,000万円台)、坪単価は約800万円。施工は竹中工務店。設計監理は三菱地所設計、竹中工務店。インテリアデザインはメックデザインインターナショナル。竣工予定は2015年3月下旬。敷地は飛島建設の旧本社跡地。

 同社のフラッグシップマンションシリーズ「ザ・パークハウス グラン」としては第3号物件で、バブル崩壊後の同社のマンションとしては最高単価マンション。また、リーマンショック後の首都圏マンションとしては最高単価でもある。

 全住戸から千鳥ヶ淵越しの皇居の緑が一望できる配棟計画としているのが最大の特徴で、免震工法を採用。建物は「軒」「庇」などの伝統的な日本建築の特徴を継承したデザインとし、外壁などには濠の水面や緑と調和する色合いの御影石を使用。陰影のある外観や周辺環境と一体性を持たせ、各住戸はゆとりある開口部・高い天井高を実現した。

 特別仕様のモデルルームは、床にキャンプブルーと呼ばれる大理石、建具・面材にブラジル産のパープルウッド、冷蔵庫はドイツ製で1,000万円もする造り付けのものを採用。上階2層の階高は3,710ミリで、リビングの折り上げ天井部分は2,800ミリ。通常階の階高は約3,400ミリで、建具・面材は桐材、床は大理石、キッチン面材には黒檀を採用している。


外観(完成予想図)

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 記者の最大の関心事は、このマンションが三井不動産レジデンシャルの「パークマンション千鳥が淵」(2004年竣工、64戸)の坪単価778万円を越えるかどうかだった。坪単価そのものはリーマンショック前の三井不動産レジデンシャル「パークマンション六本木」は1,140万円だし、1戸あたり10億円超はたくさんある。バブル期にさかのぼれば坪単価2,000万円、3,000万円は当たり前だったし、1戸44億円のドムスマンションもあった。

 しかし、三菱地所レジデンス副社長・瀬川修氏が「三井さんの物件は首をひねらないと皇居は見えない。全住戸から皇居が見えるのは当社のマンションと隣接の賃貸マンションしかない」と語ったように、皇居が一望できる唯一無二のマンションだ。そのマンションが三井不動産レジデンシャルのマンションに負けるようでは情けない。坪800万円は納得だ。


配棟計画図

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 記者見学会で配布されたリーフレットには「この場所に居を構えるとき … その住み心地は、清々しいまでの心地よさに満ちている」とのコピーがあった。記者は「これは違う」と率直に思った。このマンションはありきたりのコピーでは表現できないマンションだ。

 マンションの宣伝コピーには辟易させられるものが多いが、今回のマンションは「春、華咲くこの地から、また新しい時が動き出す」「冬、無垢なる雪景が、冴え冴えとした空の下に広がる」「この国の空は、美しい」などとそれなりに皇居が見渡せる光景を表現はしている。しかし、皇居を眼下に見渡したとき、「清々しい心地よさ」を感じるだろうか。否、もっと〝お前はまっとうな生き方をしているか〟が問われるような厳粛な気持ちになるのではないか。背筋をピンと伸ばし、それこそ皇居に向かって平伏するか、三跪九叩頭する人がいても不思議ではない。

 そんな考えがあったからこそ、同社のマンションは〝唯一無二〟にふさわしい価格を設定してほしかったのだ。しかし、まあ、毎朝、皇居に向かって緊張を強いられるマンションなど他にはない。ふしだらな格好もできないだろうから、記者などはお金があっても絶対買わない。人格者に買って欲しい。成金や国粋主義者には遠慮していただきたい。そんなマンションだ。


モデルルーム エントランス ロビー

キッチン

カテゴリ: 2013年度

モリモト・大和ハウス「カワサキ・ミッドマークタワー」

首都圏で3物件目 免震で長期優良住宅



「カワサキ・ミッドマークタワー」完成予想図


 モリモト(事業比率50%)と大和ハウス工業(同)の共同事業マンション「カワサキ・ミッドマークタワー」を見学した。川崎駅東口の物件としては15年ぶりで、しかも徒歩4分の免震タワー、全戸南向き、長期優良住宅という希少性の高いマンションだ。

 物件は、東海道本線・京浜東北線・南武線川崎駅から徒歩4分、川崎市川崎区砂子2丁目に位置する20階建て全159戸の規模。専有面積は55.01~96.81 ㎡、価格は未定だが坪単価は250万円弱になる模様。竣工予定は平成27年8月下旬。設計・監理は安宅設計。デザイン監修はアーキサイトメビウス、カン・デザイニングオフィス。施工は東亜建設工業。販売代理はモリモト。

 現地は、川崎駅東口の行政・金融・商業などが集積するエリアのど真ん中。建物は老舗店舗「ヌマヤ」の建て替え事業でもあり、建て替えだったからこそ繁華街の中心部でもこれほどの規模のマンションが建った理由のようだ。住宅は4階以上となる。周囲にはビルやマンションなどが建ち並んでいるが、南側は5~6階以上は抜けているのが特徴。

 免震タワーではあるが、19~20階住戸を除く戸境壁は乾式間仕切り壁ではなく通常のマンションと同様のコンクリート壁を採用。また、逆梁アウトフレーム工法を採用しているためサッシ高は2200ミリを、リビング天井高は2500ミリをそれぞれ確保している。

 分譲開始は9月からで、これまで問い合わせ件数は約1,200件。

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 デザイン監修はアーキサイトメビウスが、モデルルームのデザインは鈴木ふじゑ氏がそれぞれ担当していることでも分かるように、商品企画は明らかにモリモトのものだ。最近の同社のマンションでもこのコンビの物件をたくさん見てきた。

 今回の物件は、これまで同社があまり供給したことがない(蒲田の物件はあったが)商業地域のど真ん中に位置しており、この点がどうユーザーに評価されるか今ひとつ分からないが、物件そのものはいい物件であるのは間違いない。

 同じ川崎駅圏に限れば、同社は「ラゾーナ川崎」の隣接地で「クレッセント川崎タワー」(365戸)を6年前に供給しており、圧倒的な人気を呼んでいる。単価は坪260万円を越えていた。もちろんファミリーが住むなら「川崎タワー」のほうだろうが、今回はまた違ったユーザーの関心を呼ぶのだろう。

 川崎駅圏で免震工法を採用しているのは「川崎タワー」に次ぎ2棟目だ。市内の長期優良住宅としては川崎市住宅供給公社の「川崎ケートタワー」に次ぎ2物件目だ。免震でかつ長期優良住宅というのは三菱地所レジデンス・鹿島の「ザ・パークハウス晴海タワーズ」と、三井不動産レジデンシャル「パークタワー東雲」ぐらいしかないはずだ。今回が3物件目になる。

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 中堅のデベロッパーにひと言。今回の物件は、モリモトが相対取引でマンション建設にこぎつけ、大和ハウスに共同分譲の話を持ちかけたようだ。大和ハウスといえば売り上げではわが国一のハウスメーカー・デベロッパーだ。そんな大企業と組めるのは中堅デベロッパーでは同社だけだ。地所レジの「晴海」も三井の「東雲」も素晴らしいマンションだが、免震・長期優良としては3件目を企画したのがモリモトというのは価値がある。

 今回の現地販売事務所の担当者が「鈴木さん(ふじゑ氏)はいつも楽しみながらやってくださる」と話した。この言葉からもプロが同社のマンション商品企画に関わる意気込みが伝わってくるではないか。これからの時代、大手の隙間を埋めるだけのデベロッパーは生き残れない。大手と対抗できる、あるいはオンリーワンの企画力を武器にしなければならない。

 最近、同社が分譲した「ディアナコート小石川播磨坂」(20戸)が即日完売したそうだ。単価は370万円ぐらいだったようだ。現地の場所を地図を確認したので人気になる立地であるのは理解できるが、同じ茗荷谷では野村不動産が分譲して人気になった「プラウド茗荷谷」(分譲戸数59戸)の単価と同じぐらいだ。戸数こそ少ないが〝プラウド〟と堂々と渡り合えるのも同社だけだ。

川崎のランドマーク モリモト「クレッセント川崎タワー」完成(2009/4/15)

カテゴリ: 2013年度
 

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