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 大和ハウス工業が11月に分譲する「プレミスト梅田」が大阪府の過去最高の坪単価になることが確実となった。9月13日、同社マンション推進事業部開発推進部部長・藤原淳一氏が「価格は未定だが、坪単価は大阪府の過去最高になる」と明らかにした。

 物件は、阪急梅田駅から徒歩5分、JR大阪駅から徒歩8分、大阪市北区中崎西二丁目に位置する16階建てS棟58戸と17階建てN棟75戸の合計133戸。専有面積は54.73~122.40㎡、価格は未定だが、坪単価は300万円台の後半になる模様。施工は大末建設。竣工予定は平成32年3月上旬。

 藤原氏は、「現段階で価格は未定。坪単価400万円は難しいかもしれないが、大阪府の過去最高値になるのは間違いない」と語った。

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 記者は8月、野村不動産・大林新星和不動産「プラウドタワー北浜」を取材した。坪単価362万円の高額ながら売れ行きは絶好調だった。

 関西圏のマンション市場は全く分からないが、「北浜」より「梅田」のほうが高くなりそうなのは容易に想像できる。近い将来、一等地なら坪単価は500万円台になるのではないか。だから藤原氏に質問したのだが、果たしていくらになるか。先に積水ハウスなどが発表した51階建て「グランドメゾン新梅田タワー」(871戸)は大阪駅からややあるので坪単価は350~360万円くらいに落ち着くのではないか。

 関西圏の最高坪単価マンションは、7月に取材した東急不動産「ブランズ芦屋 ザ・レジデンス」(15戸)で、610万円だ。これには遠く及ばないが、関西圏も首都圏と同様、アッパーミドル・富裕層向けの資産性や利便性に優れたマンションが市場をリードしているようだ。

〝首都圏に負けない〟レベル 販売好調 野村不・大林新星和不「プラウドタワー北浜」(2018/9/1)

首都圏の億ションに負けない 関西最高峰の坪610万円 東急不「芦屋」(2018/7/23)

 

 

 

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「ヴェレーナ多摩永山ザ・シーズンズ」完成予想図

 大和地所レジデンスが分譲中の「ヴェレーナ多摩永山ザ・シーズンズ」を見学した。新宿から約30分圏の緑豊富な住宅街の一角。分譲開始から3カ月で全80戸のうち約4割が契約・申し込み済みというから順調な売れ行きだ。

 物件は、京王相模原線京王永山駅・小田急多摩線小田急永山駅から徒歩13分、多摩市永山三丁目に位置する10階建て全80戸。専有面積は70.15~95.74㎡、現在分譲中の第2期2次住戸(8戸)の価格は3,879万~5,059万円(75.02~91.12㎡)、坪単価は170万円台。竣工予定は平成31年6月下旬。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。

 現地は、瓜生せせらぎ散歩道と永山さくら通りに挟まれ、永山第3公園、貝取北公園などに近接、保育園、幼稚園、小・中学校なども徒歩10分圏内の高台立地。

 建物はTの字型で、住戸プランは南向き30戸、西向き50戸の構成。専有面積平均75㎡、奥行き3mバルコニーや、全面ウッド調デッキ敷のオープンエアデッキ付き、プライベートデッキ・ガーデン付など多彩なプランが特徴。

 南西角住戸の78㎡のコーナーサッシ付きモデルルームは、コーナーサッシを利用した約3畳大の多目的に利用できる「コンサバトリー」を提案。

 販売担当の同社長島学氏は「販売は順調。緑の環境と、コンサバトリーの提案が評価されている」と話している。

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コンサバトリー

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モデルルーム

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 現地周辺には、一度も車道を通らずに子どもと一緒に自転車に乗って遊びに行ったことがある。永山駅からだとなだらかな坂を上ることになるが、ここも車道を通ることなく行けるのではないか。

 〝母になるなら流山〟などと憎いコピーで子育て世帯を引きつけた流山市だが、多摩市は〝住むなら多摩〟だ。坂がきついところもないわけではないが、駅から徒歩20分圏内の自宅まで車の姿を見ることもなく信号待ちすることもなくたどり着けるのは、ここ多摩ニュータウンしかないはずだ。

 坪単価はこんなものか。先にあげた流山市の「流山おおたかの森」当たりと同じくらいか。多摩センター駅圏の坪単価180万円そこそこのマンションも販売が長期化しているのが現状だ。

 個人的には、街の熟成度や生活利便施設の集積、緑の住環境など総合的に評価すればはるかに流山市などを上回るはずなのに、この程度にしか設定できないのは情けないと思う。

 何かが欠けている。一言で言えば、ここ多摩市に住めばどのような生活ができるかをどこのデベロッパーも訴え切れていない。

 一つ例を示す。多摩市には市限定販売の石川酒造「原峰のいずみ」という日本酒がある。多摩市の原峰で生産された米を使って製造・販売されている純米酒だ。

 これが実に美味しい。こんなことを書くと怒られるかもしれないが、わが三重県の伊勢志摩サミットの乾杯式に供用された「作(ざく)」と比べてもそん色ないばかりか、勝る(味覚には個人差がある)。入荷が少ない地元の酒屋はすぐ売れてしまう。大型スーパーでは販売しておらず、京王プラザホテル多摩からもいつのまにか姿を消した。

 そんな話を長島氏や同社広報担当と話したのだが、何とその幻の酒「原峰のいずみ」が駅前の多摩市と長野県富士見町のアンテナショップ「Ponte(ポンテ)」で売っているではないか。10本以上あった。1本買った。

〝感動を売る〟のが商売だ。伊藤忠都市開発「クレヴィア碑文谷」では「亀屋万年堂」のお菓子をプレゼントされた。記者は感動した。身も心も酔わせる「原峰のいずみ」を振舞う勇気は大和地所レジデンスにはあるかどうか。

 馬鹿なことを書いたが、同社は前期、売上計上の900戸を全て売り切り、「完成在庫ゼロ」を達成した。同社広報によると「仕入れが順調に進み、販売も好調で、工期の平準化が実現した結果」と話した。駅から徒歩15分の「ヴェレーナ浦和ザ・ハウス」52戸が半年で完売したように商品企画もよくなっている。

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専用庭

駅から15分 克服できる商品企画 大和地所レジ「ヴェレーナ浦和ザ・ハウス」(2017/12/1)

 

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「デュオセーヌ国立」完成予想図

 フージャースケアデザインのシニア向け所有権付き分譲マンション「デュオセーヌ国立」と「デュオセーヌ豊田」の共通モデルルームを見学した。〝デュオセーヌ〟シリーズを見学するのは5件目だが、どんどん進化しているのを実感した。

 「国立」は、JR中央線国立駅から徒歩22分、国分寺市西町一丁目に位置する5階建て全228戸。専有面積は45.50~75.50㎡、第1期(50戸)の価格は2,998万~6,898万円。坪単価は260万円。管理費は53,510~81,620円。竣工予定は2019年10月下旬。

 「豊田」は、JR中央線豊田駅から徒歩17分、日野市旭が丘三丁目に位置する8階建て全118戸。現在分譲中の第2期(20戸)の専有面積は42.00~70.07㎡、価格は2,998万~5,398万円(最多価格帯3100万円台)。坪単価は240万円。管理費は53,130~88,640円。竣工予定は2019年7月中旬。

 双方に共通するのは、設計・監理・施工は長谷工コーポレーション、入居条件は満50歳以上、入居者1名増加につき追加ライフサービス費23,000円、食費は1日3食(朝食500円昼食800円夕食900円)30日/66,000円など。

 このほか、レストラン、大浴場、ゲストルーム、多目的室、カラオケルーム、健康相談室、内部内廊下などの共用施設も共通。

 モデルルームは72㎡のタイプ。玄関・クローゼットの広さは約3.5畳大と広く、廊下幅は芯心約1m、開口時のトイレの折れ戸幅は77cm、浴室の横引きドア幅は82cm、引き戸は全てソフトクローズ機能付き。

 「国立」は第1期の登録が始まったばかりで、「豊田」は6月から分譲が始まっており、これまでに30戸弱が申し込み済み。販売担当の同社シニア営業部課長代理・吉澤博氏は「都内初のシニア向けであるということが評価されている。『国立』はすごい反響で、月に100件の資料請求がある。どこまで登録が入るか楽しみ。『豊田』はバス停がすぐそば。30戸弱が申し込み済みなので、販売は順調に進んでいる。中古の成約事例は多くはないが、分譲時の価格と比べ概ね90~95%で推移しており、中には100%もある」と話している。

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 同社の「デュオセーヌ」シリーズを見学するのは「つくばみらい」150戸(2014年竣工)「柏の葉キャンパス」270戸(2017年竣工)「緑山」82戸(2016年竣工)「千葉ちはら台」208戸(2017年竣工)に続き5件目だ。

 充実している共用施設はもちろん、住戸プランがユニバーサルデザイン仕様になっているのがいい。同社だけでなく他のデベロッパーも一般的な分譲マンションにもぜひ取り入れてほしい。高齢者が使いやすいということは健常者や子どもにとっても便利なはずだし、ファミリー向けでも入居者の将来を考慮して商品化するのは当然ではないか。廊下幅を広げろとかトイレの位置やドア幅を考えろとずいぶん前から主張してきたが、まともに考えたのは扶桑レクセルくらいだった。積水ハウスはまずまず。

 もう一つは、やはり共用施設の維持管理費やサービスに伴う管理費が一般的な分譲やサ高住、賃貸マンションと比べ高いということだ。これを引き下げるため、戸数を増やせる条件の敷地を選び、賃貸やサ高住との選択制、さらにはファミリー型を併設し、施設は利用の都度課金するようにはならないかということだ。そうすれば価格を引き下げることができ、多様なニーズも取り込めると考えるのだが…そんなに甘くないか。

 似たようなものは皆無ではない。最近取材した旭化成ホームズのシニア向け賃貸「ヘーベルVillage」は参考になる。

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レストラン

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「国立」には武蔵野モダニズムをテーマにした一般の人も利用できる「欅ガーデン」が設置される。デザインを担当しているのは建築家・小野由記子氏とパンフレットに記載されていた。かつて、小野氏の分譲マンションのデザインにほれ込んだことがある。最近はケアデザインに力を注がれているようだ。どのようなガーデンになるのか興味が引かれる。

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欅ガーデン

ニッチからコアへ 旭化成ホームズ シニア向け賃貸「ヘーベルVillage」受注加速(2018/8/24)

新潟県最大級 シェアハウスを併設した326戸の複合賃貸竣工 大和ハウスほか(2018/8/24)

江古田の杜 コミュニティ施設に「Casita(カシータ)」のサニーテーブル(2017/12/12)

積水ハウス サ高住と子育て賃貸共存型の「神楽坂」完成(2015/4/27)

子育て住宅と高齢者住宅の複合賃貸 積水ハウス・積和不動産「マストライフ古河庭園」(2012/3/1)

 

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「プラウドタワー北浜」完成予想図

 野村不動産(事業比率60%)と大林新星和不動産(同40%)が分譲中の「プラウドタワー北浜」を見学した。Osaka Metro堺筋線北浜駅から徒歩1分の42階建て全281戸で坪単価は362万円。7月から販売を開始しており、高層住戸を中心に155戸を供給済み。極めて好調に推移している。

 物件は、Osaka Metro堺筋線北浜駅から徒歩1分、大阪市中央区高麗橋2丁目に位置する42階建て全281戸。9月分譲予定の第1期3次(戸数未定)の専有面積は37.26~113.65㎡。価格は未定だが平均坪単価は362万円。竣工予定は2020年1月中旬。施工は大林組。

 現地は、北浜の一等地。隣に高麗橋野村ビルディング、徒歩3分に大阪取引所や吉兆本店、徒歩5分に大久保利通・木戸孝允・板垣退助・伊藤博文らが会したという老舗料亭「花外楼」がある。

 建物は、梁の少ない居住空間と自由度の高いプランニングを可能とした大林組の超高層制振構造「デュアル・フレーム・システム」を採用。基壇部は北浜の歴史的建造物を模したタイル張り。

 設備仕様などは、二重床・二重天井、リビング天井高2.6m、食洗機、デイスポーザー、フィオレストーンのカウンタートップ、突板フローリング、大理石張り床、ハンスグローエ水栓、陶器ボウル、ミストサウナ、マホガニーリビングドアなど(一部プレミアム仕様)。

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モデルルーム(142㎡)

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玄関・ホール

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ドレッシングルーム

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 販売事務所の模型などを見て既視感を覚えた。販売を担当する同社関西支社住宅営業部住宅営業二課課長代理・片山博貴氏がすぐ種を明かした。「目と鼻の先にある三井不動産レジデンシャルさんの『北浜ミッドタワー』はかなり意識しました。模型は三井さんと同じ40分の1」と。確かに雰囲気は今年2月に見学した三井の「北浜」とよく似ている。

 その他の設備仕様レベルも三井と野村はほぼ互角と見た。単価は三井が342万円に対し、野村は362万円。

 この差はなぜかよく分からないが、野村の142㎡のオーダーメイド仕様のモデルルームは4LDKを敢えて1LDKとしてプランの自由度をよく表現している。同社の首都圏の「六本木」「虎ノ門」とそん色ない。

 玄関を入るとすぐ、幅約2.5m×奥行き約6.8mのホール(約10畳大)のホールが目に飛び込んでくる。この演出が秀逸だ。その正面には見るからに高価そうな椅子が2脚(この前見た同社の「虎ノ門」は1脚100万円だそうだが、それよりは安いが)セットされており、壁の飾り棚にはバカラの花瓶がさりげなく置かれていた。

 片山氏は「一挙にこれだけ供給できたのは、実需中心のお客さまに評価されたと考えている」と話した。未供給住戸は中層部から下のほうが中心なので、三井の「北浜」(残り僅かのようだ)と同様、順調に売れるのは間違いなさそうだ。

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販売状況を示すボード(手前から高層-中層-低層の順)

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販売事務所に置かれている物件イメージを表現した〝玉座〟

「過去に類を見ない反響」 野村不の戸建て「千里円山町」/大阪市は1低層がない!(2018/8/29)

「虎ノ門」アドレス 人気も全国区 野村不動産「プラウド虎ノ門」(2018/8/22)

負けへんぞ横浜北仲に ここは〝北浜〟の一等地 三井レジ他「北浜ミッドタワー」(2018/2/20)

野村不動産の最高峰マンション「プラウド六本木」最高のモデルルームの出来(2016/7/19)

 

 

 

 

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「アトラスタワー草津」完成予想図

 

旭化成不動産レジデンスは830日、滋賀県草津市のJR草津駅徒歩3分の「商業施設・サ高住・住宅」が一体となった再開発免震タワーマンション「アトラスタワー草津」(全265戸、うち販売戸数 246戸)の第1期(150戸)を9月1日に開始すると発表した。

物件は、「北中西・栄町地区第一種市街地再開発事業」として開発中のもので、26階建てが分譲マンションとなり、隣接する4階建て低層棟は「サービス付き高齢者向け住宅」が併設される。

20182月の物件販売サイト開設以降、資料請求数は約2,000件、モデルルーム来場者数は約600組に達している。

第1期の専有面積は60.94135.88㎡、価格は3,538万~11,998万円(最多価格帯4,600万円台)。

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「ロイヤルパークスER万代(ばんだい)」

 大和ハウス工業とリビングギャラリー(本社:新潟市)は8月24日、JR新潟駅から徒歩9分の防災医療拠点の機能をもつ新潟県内最大級の326戸の複合賃貸マンション「ロイヤルパークスER万代(ばんだい)」が竣工したと発表した。

 プランは、ワンルームタイプ(約30㎡~約50㎡)からファミリータイプ(約60㎡~約100㎡)、プレミアムフロア(約100㎡~約190㎡)まで多彩なタイプと国内外からの赴任や長期出張者向けのサービスアパートメント83戸も併設。最上階(18階)の角住戸(151.39㎡・4LDK)は約140㎡のルーフバルコニー付き。

 このほか、2~3階に430㎡のコミュニケーションスペース付きの学生や単身者向けのシェアハウス「D-room Share万代」を111室設置している。

 1階には、パーティールーム、バーベキューコーナーのほかサウナ、フィットネスルームを併設した大浴場、健康に配慮した食事を提供する健康食堂「円居(まどい)」、コンビニエンスストアなどの店舗と医療モール(予定)を設置。英語対応可能なコンシェルジュによる様々なサービスを提供する。

 防災面では、屋上に災害時のための緊急救助用のホバリングスペースを設置。停電時に利用可能な非常用エレベーターや、帰宅困難者の受入れ場所も確保している。

 物件は、JR新潟駅から徒歩9分、新潟市中央区東万代町に位置する敷地面積約9,038㎡の18階建て全326戸(サービスアパートメント83戸含む)。他にゲストルーム1戸・シェアルーム111室・店舗5区画。専用面積は32.70㎡(ワンルーム)~188.32㎡4LDK)、家賃は88,000~674,000円。貸主は大和リビングマネジメント。竣工は2018年8月24日。

 大和ハウスは2005年から三大都市圏を中心に都心型賃貸マンション「ロイヤルパークス」シリーズを24棟約6,900戸供給しており、同様の複合賃貸としては2015年、430戸の賃貸住宅と130室のシェアルーム、日本初の賃貸二世帯ルーム、入居者専用天然温泉、認可保育園、有料老人ホーム、コンビニエンスストアなどからなる複合賃貸「ロイヤルパークスERささしま」(名古屋市)を竣工している。

 リビングギャラリーは、新潟県内15店舗のほか首都圏、福島県などで計22店舗を展開。近年の年間仲介件数は約11,000件、管理戸数は約17,000戸。

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 地方圏の賃貸市場は全く分からないが、大都市圏を含めてこの種の複合賃貸マンションは「ささしま」以外前例がないのではないか。規模が大きいからこそサービスアパートメントやシェアハウスのほか、大浴場や食堂などの店舗も併設できるのだろう。

 賃料も高いような気がするが、付帯施設やサービスの付加価値がどう評価されるのかも興味深い。

 

 

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「プラウド虎ノ門」完成予想図

 野村不動産の「プラウド虎ノ門」を見学した。昭和48年竣工のマンションを建て替えるもので、再開発プロジェクトが目白押しの全国区の「虎ノ門」アドレスに加え、分譲マンションの供給は少ないことから自己居住・セカンドハウス用、投資対象として人気になっている。7月に分譲した第1期19が完売、残りの5戸が9月に分譲される。

 物件は、東京メトロ日比谷線神谷町駅から徒歩2分、港区虎ノ門四丁目に位置する19階建て全62戸(地権者住戸38戸含む)で分譲対象は24戸。第2期の専有面積は68.39~99.08㎡、予定価格は14,000万円台~24,000万円台(最多価格帯14,000万円台)。坪単価は780万円。竣工予定は2019年10月中旬。施工は前田建設。

 現地は「港区虎ノ門」アドレス。森トラストが開発中の敷地面積約16,000㎡、38階建てオフィス・ホテル・サービスアパートメント・レジデンス・商業・医療施設などの複合再開発「東京ワールドゲート」に隣接。

 このほか、虎ノ門エリアには気象庁虎ノ門庁舎(仮称)港区立教育センター整備事業、ホテルオークラ東京本館建て替え、(仮称)虎ノ門ヒルズステーションタワー、(仮称)虎ノ門ヒルズビジネスタワー、(仮称)虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワー、東京メトロ日比谷線虎ノ門新駅、虎ノ門駅前地区市街地再開発、虎ノ門二丁目地区市街地再開発など10カ所の再開発プロジェクトが進行中で、その規模は約290万㎡にも及び、国家戦略特区の「国際ビジネス拠点」として位置づけられている。

 建物は免震・スケルトンインフィル構造の1フロア3~4戸構成。94㎡のモデルルームはオーダーメイド仕様で、玄関ホール、リビングダイニング、キッチンの床はイラン産のバニラグレーの大理石貼り、下足入れのつまみはスワロフスキー、ドア把っ手はイタリアコロンボ社、その他設備機器は高断熱ウレタン浴槽、ハンス・グローエ社、ミーレ社、ズケッティ社、ピレロイ&ボッホ社など。建具・ドアは框デザインの木製鏡面仕上げ。リビング天井高は2530ミリ。

 販売担当の同社・柴田慎介氏は「50~60歳代を中心に全国から問い合わせがあり、来場者は230件。用途は自己居住が約4割、セカンドハウス用が約4割、残りの2割が投資用。グレーの建具、ホテルライクな設備仕様に対する評価が高い」と話した。

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ジオラマ(青の部分が現地、白の部分が再開発プロジェクト)

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建築中の現地

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 同社の最近の都心部の高額マンションでは、一昨年見学した「プラウド六本木」の仕様レベルの高さに驚いたが、今回の物件もレベルは「六本木」に近い。だからこそ全国的な人気を集めたのだろう。坪単価はほぼ予想した通り。今後の富裕層向けの指標になるマンションだ。

 框デザインを施した鏡面仕上げのグレーの建具・家具を含めたカラーリングがとてもいい。イタリア・ズケッティ社の水栓がまた美しい。

 ただ、ドアは建付けが悪いのか、閉めると「パタン」と音がした。イタリア製なら「カチッ」と閉まる。唯一、これだけが残念だった。一脚100万円(4脚で400万円)の椅子にも座ったが、座り心地は普通の椅子と変わらなかった。

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一脚100万円のイタリア製椅子

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鏡面仕上げのリビング親子ドア

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イタリア・ズケッティ社の洗面水栓 

野村不動産の最高峰マンション 「プラウド六本木」最高のモデルルームの出来(2016/7/19)

愛宕山を眼下に見下ろす三井「パークコート虎ノ門 愛宕タワー」(2007/3/15)

三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス愛宕虎ノ門」普通借地権付きで坪350万円は安い(2011/5/10)

最近の流行に対するアンチテーゼ鹿島「虎ノ門タワーズレジデンス」(2005/11/28)

 

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「ザ・パークハウス 文京千石一丁目」

 三菱地所レジデンスは8月7日、業界初の全住戸の玄関前に宅配ボックスを設置した「ザ・パークハウス 文京千石一丁目」のメディア向けモデルルーム内覧会を行った。一般公開は8月17日(金)からで、販売開始は9月中旬を予定している。また、同物件は、住宅設備機器の故障、不具合などにワンストップで対応する新サービス「レジデンスケア」の導入第一号となると発表した。

 物件は、都営三田線千石駅から徒歩3分、文京区千石1丁目に位置する10階建て53戸(事業協力者住戸7戸含む)。専有面積は39.35~82.24㎡、価格は未定だが、坪単価は300万円台の後半を予定(56~58㎡が中心)。施工は埼玉建興。竣工予定は2019年8月上旬。

 「各住戸玄関前宅配ボックス」を全戸に設置するのが特徴。宅配業者がICカードを利用することで、各住戸の玄関前に設置された宅配ボックスまで直接荷物を配達することが可能。

 宅配ボックスの寸法は幅約50cm×奥行き約60cm×高さ約150cm。飲料水の段ボール、精米、ゴルフバッグなど大型も受付可能。サービス対応会社はSAGAWA、ヤマト運輸、日本郵便の3社。

 同社担当者は採用の経緯などについて、「一般的な共用部分の宅配ボックスの全住戸に対する設置率は15%くらい。しかも、いつも満杯だったり、重い飲料水などを自宅まで運ぶのが大変だったりするなどの声も多く、再配達の削減と利便性の向上が同時に実現する」と説明した。

 「レジデンスケア」は、分譲住宅購入時に申し込むことで、引き渡しから10年間、住まいに関する様々なトラブルや不安を有償でサポートするサービス。   

 住宅設備機器はアフターサービス期間終了後も10年間は修理・部品交換、出張費用は無料となる。保証期間は売却時の次のオーナーにも残存期間が継承できる。また、専有部の不具合にも緊急対応や出張修繕を行う。スタッフ1名・作業時間30分以内で行う一次対応は無料で、それを超える二次対応も上限5万円まで何度でも利用できる。

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宅配ボックス(イメージ)

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 知らない、関心がないということはとても幸せで、なおかつ恐ろしいことで、「知る」こととはどういうことかを考えさせられた取材だった。

 まず、宅配ボックス。宅配便の再配達問題が社会問題にまで発展したのは報道などで承知しており、大京がいち早く採用した〝再配達ゼロ〟の宅配ボックス発表会も、ポラスが自動録画機能付き宅配ボックスを設置した戸建ての見学会も取材しているが、その報道陣の多さに驚いた。通常のマンションや戸建ての見学会の倍くらいでなかったか。この日の内覧会にも取材陣でごった返した(会場が狭いせいもあるが)。

 これは相当の有意(記者は販促という意味で用いるが)なことのようだ。同社が今後どれくらいの物件に採用するかは未定だそうだが、どんどん採用してほしい。10キロくらいある飲料水を共用部分の宅配ボックスから自宅まで運ぶのが大変という声があるのを初めて知った。そういえば、記者も玄関まで運んでもらった大瓶のビールケース(25キロ)を台所まで運ぶのに難儀したことを思い出した。しかし、宅配ボックスの扱い方は未だに知らない。

 「レジデンスケア」は、多くはなさそうだがいくつかのデベロッパーはすでにサービスを実施している。不動産流通会社も1年間くらいの保証をしていることを知り、びっくりした。中古住宅は〝現況有姿〟が基本で、住宅設備機器がメーカー保証期間を過ぎていようがいまいが、売主側にはまったく責任がない。築10年以上の中古でも保証する流通会社はどのような仕組みを構築しているのか。

 ここまでは、記者のよく知らないことだから無責任な記事であることを承知していただきたい。

 問題はこれから。マンションの取材を40年間続けてきた。多少は市場を「知っている」つもりだ。

 内覧会場で、わが同郷の高校の後輩女性記者と出くわした。よせばいいのに、先輩風を吹かせて、「この種の見学会でマンションの坪単価くらい予想できなきゃだめだ」と啖呵を切り、「この前の三井不動産レジデンシャルの『月島』はどんぴしゃりだった。今回は坪415万円だ」と大きな声でまくしたてたまではよかった。

 当然、当たると思ったからだ。頭の中には410万円で人気になった伊藤忠都市開発「文京関口」と、前日(6日)に書いた坪405万円で好調だった松尾工務店の「茗荷谷」が入っていた。〝地所のことだ、これらより安くするはずはない〟と熟慮などしないで5~10万円を上乗せし、言い放ったのだ。

 ところが、あにはからんや。女性の販売担当者がだしぬけに、聞きもしないのに平然と「坪単価は300万円台の後半」と明かしたではないか。予想は大外れ、自尊心はずたずたに切り裂かれた。無知を恥じるしかなかった。宅配ボックスの穴に遁走したくなるほどだった。

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 その腹いせで書くのではない。モデルルームの設備仕様レベルは確かに坪400万円のそれではなかった。玄関に御影石が採用されており、このほか食洗機、ディスポーザー、ミストサウナなどが標準装備だが、リビング天井高は2450ミリ、キッチン天板は普通のクォーツストーンだった。

 ややポテンシャルに欠ける「千石」ではあるが、坪400万円を超えられないということは、つまり今後、同業他社もよほどの物件でない限り、文京区では坪400万円を上回るのは難しいと判断した。他のエリアにも価格下げ圧力が強まるのではないか。

 日本橋界隈(といってもその外れだが)も一時期、坪400万円を突破し、総崩れとなった。記者には「バカの壁」が立ちはだかるが、いったい「坪400万円の壁」(50㎡で6,000万円、60㎡台で7,500万円)なるものがあるのかないのか。都心の50㎡台の2LDKのニーズは今後も高まるのは間違いない。これは確信を持って言える。

デザイン秀逸 第1期1次43戸が即日完売 伊藤忠都市・東急不「文京関口」(2018/4/7)

ポラスグループ 戸建て初 自動録画機能付き宅配BOX 約180棟に採用(2018/5/18)

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「ジェイグランディア日吉」

 JR西日本プロパティーズ(略称:Jプロ、旧菱重プロパティーズ)が今秋に分譲する「ジェイグランディア日吉」が圧倒的な人気を呼びそうだ。日吉駅西口徒歩10分圏内では6年ぶりのマンション供給で、すでに資料請求は1,000件を突破し、事前案内会はお盆明けまで満席、同社は全86戸を一挙に供給する検討に入った模様だ。

 物件は、東急東横線、東急目黒線、市営地下鉄グリーンライン日吉駅から徒歩7分、横浜市港北区日吉二丁目の第一種低層住居専用地域、第一種住居地域に位置する地下1階地上6階建て全86戸。専有面積は45.78~90.68㎡、価格は未定だが、坪単価は300万円台の前半になる模様。設計・監理はIAO竹田設計。施工は風越建設。販売代理は野村不動産アーバンネット。モデルルームの監修には三井デザインテックを起用している。

 現地は、旧三菱重工社宅跡地で、前慶応大学留学生寮跡地の高台。敷地北西側は3~5mくらい低い住宅街。建物は用途地域が2つにまたがる特性を生かし7層と3層の4棟で、統一感を持たせるために基壇・中層・上層の三層構成にしている。緑地率は約11%確保。

 住戸プランは全35タイプ。柱や梁を屋外部分に設置することですっきりした空間を実現。バルコニーにはシンクを設置、床は木調シート貼りで、上裏も木調塗装を施す。北西向きのD棟はワイドスパン、スクエアプランを多用、南側の車や人通りが少ない道路に面したA・C棟の1階は専用庭・テラス付きとしている。

 設備仕様は、食洗機、ディスポーザー、フィオレストーン天板、グローエ水栓、ソフトクローズ収納、リビング天井高は2450ミリ(一部除く)。サッシ高は2200ミリ。敷地東側は線路に近いことから、サッシは遮音性の高いものを採用している。

 販売を担当する野村不動産アーバンネット担当者は、「資料請求は1,000件を突破。モデルルームを見学されて、設備仕様を評価される方が多い。」と話している。

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 このマンションについて、同社関係者から6月の段階で「ぜひ見てほしい」と言われていた。レベルが低かったらどうしようと考えていたのだが、杞憂に終わってよかった。相当力が入っていることが現地・モデルルームを見てわかった。

 現地の敷地東側は東急線に近いが、遮音性の高いサッシが採用されている。敷地南側は小公園と小高い森で、敷地北西側は低層の住宅街。

 それぞれ住棟のプランにも工夫が凝らされており、販売担当者が「どの住棟にするかお客さまも迷われている」というのもよくわかる。

 果たして全戸一挙供給ができるかどうかだが、事前内覧会は5回とも全て満席。キャンセル待ちが50件を越えるとか。話題を呼ぶ意味でもぜひ全戸一挙供給にチャレンジしてほしいが…。

 このところ、電鉄会社(系)のマンション攻勢が目立つが、西鉄に続きJR西日本も首都圏での地歩を築く狙いだろう。大手を脅かす存在になるか。今後、続々供給するそうだ。

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「シェフルール文京茗荷谷」

 松尾工務店の「シェフルール文京茗荷谷」が好調な売れ行きを見せている。7月末に分譲開始し、これまでに全46戸のうち約30戸に申し込みが入った。

 物件は、東京メトロ丸ノ内線茗荷谷駅から徒歩3分、文京区大塚三丁目に位置する14階建て全65戸(うち事業協力者住戸19戸)。9月上旬に分譲予定の第2期(戸数未定)の専有面積は35.17~60.06㎡、予定価格は3,560万~7,770万円㎡。坪単価は405万円。竣工予定は2019年3月上旬。土地売主は松尾工務店。建物売主はマツオプロパティー。設計・監理は飛鳥設計。施工は松尾工務店。販売代理は伊藤忠ハウジング。

 現地は春日通に面しており、目の前にお茶の水女子大、すぐそばに教育の森公園と筑波大キャンパスがある。

 建物は、南西向き3戸、北東向き2戸の1フロア5戸(うち4戸が角住戸)構成の内廊下方式。二重床・二重天井、リビング天井高は2~6階が2600ミリ、7~14階が2550ミリ。耐震等級は2。ディスポーザー、食洗機、キッチン天板はフィオレストーン、収納はソフトクローズ機能付き。

 販売を担当する伊藤忠ハウジング担当者は「極めて好調。価格が安すぎたかもしれない」と相好を崩した。

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 坪単価を聞いたとき、確かに〝安い〟と感じたが、一方で〝高値追いしなかったのは正解〟とも感じた。

 グロスを抑えるため35㎡、40㎡、55㎡、60㎡、68㎡に面積を圧縮したのも人気を呼んだ要因だろう。

「まだ間に合う」 借景が見事な野村不動産「プラウド小石川」(2012/5/25)

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