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「クレヴィア文京関口」完成予想図

 伊藤忠都市開発と東急不動産が先に第1期1次43戸が即日完売したと発表した「クレヴィア文京関口」を見学した。コンパクトとファミリーの混合型で、坪単価410万円。デザインが秀逸だ。

 物件は、東京メトロ有楽町線江戸川橋駅から徒歩2分、新宿区改代町に位置する9階建て全85戸。専有面積は35.02~106.68㎡、第1期1次(43戸)の価格は3,998万~17,898万円。坪単価は410万円。竣工予定は2019年2月中旬。設計・監理は陣設計。施工は佐藤工業。

 第1期1次は3月24日(土)に登録を締め切り、最高4倍、平均1.34倍で即日完売。1月からの来場者数は280件超。駅から2分の利便性、南東の角地、モダンな外観デザインなどが評価されたという。

 現地は、準工地域だが住宅地化が進んでおり、嫌悪施設などはほとんどない。また、江戸川橋地蔵通り商店街に面しているが、それほど車の往来もなく、道路を挟んだ南側も中層の建物がほとんどで、東南角地ということもあり、上層階は眺望が開ける立地だ。

 そして何より強調したいのは、外観デザインが秀逸であることだ。完成予想図の通り水平ラインを強調したグリットとハイサッシの明るいデザインが美しい。

 モデルルームもよくできている。設備仕様は逆梁ハイサッシ(一部腰窓)、シーサーストーンのキッチンカウンター、食洗機、グローエ水栓、天然石仕上げの床など。

 住戸プランは30㎡台の1LDKが14戸、50㎡台の2LDKが36戸、60~70㎡台の3LDKが29戸、ペントハウスなど1億円以上のプレミアムが5戸。このバランスも絶妙だ。

 レジデンスサロンでは各種物件資料を格納したタブレット端末を使用し説明する手法を採用。契約者にはタブレット端末を進呈する。

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:現地

カテゴリ: 2018年度

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「リストレジデンス越谷大袋」

 リストデベロップメントが分譲中の「リストレジデンス越谷大袋」を見学した。東武スカイツリーライン大袋駅から徒歩2分の全121戸。同駅圏では10年ぶりのマンション供給で、約10カ月で3分の1強が成約済みだ。

 物件は、東武スカイツリーライン大袋駅から徒歩2分、越谷市大字袋山に位置する14階建て全212戸。専有面積は65.04~70.02㎡、第2期(戸数未定)の予定価格は2,300万円台~3,600万円台(最多価格帯3,300万円台)。坪単価は157万円。竣工予定は2018年11月上旬。設計・監理・施工は川口土木建築工業。販売代理は長谷工アーベスト。

 現地は、駅東口の商業地域。住戸プランは西向きで、専有面積は65㎡:70㎡が2:7の割合。

 基本性能・設備仕様は直床、ディスポーザー、食洗機、床暖房、良水工房、一括受電など。

 昨年5月から販売されており、これまでに3分の1強が成約済み。購入者は地元居住者が中心。レイクタウン越谷と競合しているとか。

◇       ◆     ◇

 大袋駅圏のマンションを見学するのは10年ぶりで、そのとき見たのは「アンビシャス越谷」だった。

 販売開始10カ月で3分の1強の成約が多いのか少ないのか、好調なのか不調なのか、判断は保留する。竣工までにどれだけ伸ばせるか。単価的にはこれ以上安い物件はまずありえない。

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現地

カテゴリ: 2018年度

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「林マンション リファイニング工事」

 三井不動産と青木茂建築工房は3月30日、「林マンション リファイニング工事」完成見学会を行った。見学者は約360~370名になる模様。

 両社が業務提携してから2号目になる案件で、昭和41年に建築された「検査済証のない共同住宅兼店舗」を耐震補強と大規模修繕を行い、検査済証を取得するリファイニング計画。

 建て替えた場合、現行法の日影規制・高度地区の高さ制限・容積率制限など既存建物のボリュームが確保できないことから、既存建物のボリュームが維持でき、コスト削減・相続対策・環境負荷低減につながるリファイニング建築手法をオーナーが選択して実現した。

 中性化対策として4、5、6階の梁に亜硝酸リチウム圧入工法を採用。物件は、特定緊急輸送道路沿いの耐震助成金の交付が予定されており、2018年3月末日に建物全体の検査済証を取得する予定。

 商品企画では、既存3つのフレーム(スパン)内に各階4住戸(専用面積29㎡)だったのを、フレーム内に新規耐震補強壁を設け、各階3住戸(同34~40㎡)に変更することで競争力を高めた。断熱・遮音性能が高いLow-E複層ガラスを採用しているのも特徴。

 見学会で、三井不動産ソリューションパートナー本部レッツ資産活用部チーフコンサルタント・宮田敏雄氏は「わたしの個人的な考えだが、普通のリフォーム、リノベーションでは省エネ性が確保できないものが多いが、今回の物件はLow-E複層ガラスの採用でそれがかなり向上している」と語った。

 物件は、都営浅草線馬込駅から徒歩10分、大田区北馬込1に位置する6階建て全17戸の賃貸住宅と店舗。賃料は34㎡が11万円台の半ば、40㎡が12万円台の後半。設計監理は青木茂建築工房、総合企画は三井不動産レッツ資産活用部、商品企画・サブリースは三井不動産レジデンシャルリース。先日21日に入居者向けの内覧会を行い、当日だけで募集15戸に対して6戸の申し込みがあった。その後キャンセルが1件出たので申し込みは現在5件。

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エントランス(左)と居室内

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「マイミュート」のLow-E複層ガラス(左)と有孔折板

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 この案件については昨年10月の工事現場見学会を取材しているし、今年2月に行われた青木氏の記念講演でオーナーの方にお会いしているので、そちらの記事を参照していただきたい。今回は完成物件を見て驚いたこと2つ3つに留める。

 驚いたのは、最初に見学した6階の住戸の浴室にミストサウナが付いていたことだ。賃料は相場の9割と聞いていたので、これも商品力をアップするための策かと思ったら、これはオーナーサイドが入居するための特別仕様ということだった。

 それより驚いたのは、サッシにLow-E複層ガラスが採用されていたのもさることながら、ガラスは旭硝子の「マイミュート」だったことだ。この製品は優れた断熱性能と防音・結露防止機能をあわせ持つのが特徴で、通常の複層ガラスの遮音等級「T―2等級」よりワンランク遮音性能が高い。額縁付きなのでデザイン性にも優れる。

 「マイミュート」は値段が高く、分譲マンションでも採用しているところは少ないはずだ。このようなところにお金をかけるのがすごい。

 もう一つ。環7通りに面した外壁には3ミリの鉄に塗装を施した有孔折板が採用されていた。デザイン性に優れるとともに15年間くらいは錆びずにメンテもしやすいという。

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 この前も書いたが、青木氏は首都大学東京の特任教授を退任された。今後はリファイニング建築の普及に全力を尽くされるのではないか。仕事も多忙を極めているようだ。今回の見学会も参加希望を断らなければならないほど盛況だった。

 配布された資料には、CLT材をふんだんに用いた岡山県の「真庭市中央図書館」と、廃墟となっていた建物を再生する福岡県の「上川端ビル」の見学案内とともに、スタッフ募集のA4の紙が添付されていた。建築を学んでいる人のほかプレス・秘書、学生アルバイトなど「再生建築及びリファイニング建築に興味があること」が応募条件だ。

 応募希望者は電話03-5789-0488かE-mail:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。へ。

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青木氏とその友人の方々(青木氏は今度は上下ともイッセイミヤケだそうだ)

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 受かる可能性が高くなるとは保証できないが、応募希望者の方はぜひ記者が書いた記事も参考にしていただきたい。「青木茂 RBA」で検索すれば10本くらい記事がヒットするはずだ。この日の見学会で「マイミュート」が採用されていることを見抜く人はそうないはずで、人が気づかないことをほめる(けなす)のが受かる秘訣だ。

 プレス・秘書も募集しているそうなので、面接の際には「先生もお気づきでしょうが、先日配布された資料には『雑誌掲載のご案内 新建築4月号(2018年4月1日発売) 日系アーキテクチュア(2018年4月12日号)』とありました。わたしは絶対このようなミスは見逃しません」と一発見舞うことをお勧めする。

 さらにまた、「先生はイッセイミヤケがお気に入りのようですが、わたしなら先生の中身も含めてリファイニングして差し上げます」くらいぶちかましてはいかがか。

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馬込で摘んだハナニラ

リファイニング建築の考案者 首都大学東京特任教授・青木茂氏が退官へ 記念講演会(2018/2/13)

三井不&青木茂建築工房 築52年の市場性ない共同住宅をリファイニングで再生(2017/10/16)

三井不動産&青木茂建築工房 練馬区のリファイニング見学会に200名(2017/2/27)

カテゴリ: 2017年度

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「シティタワー国分寺ザ・ツイン」

 住友不動産は3月27日、JR国分寺駅直結の商・住複合の免震ツインタワー「シティタワー国分寺ザ・ツイン」のプレス向け竣工内覧会を行った。分譲554戸のうち約350戸が成約済みで、販売は順調に進捗している。

 物件は、JR中央本線国分寺駅から徒歩1分、国分寺市本町三丁目に位置する36階建てウエスト棟(299戸、店舗18区画)、35階建てイースト棟(284戸、うち事業協力者住戸30戸)の合計583戸(分譲は554戸)。専有面積は48.33~120.45㎡。坪単価は400万円強。設計・監理・施工は竹中工務店。

 駅北口のランドマークとなるもので、再開発計画が持ち上がった昭和40年から約50年、都市計画決定から約28年、バブル崩壊、リーマン・ショックなどで再三計画の変更を経て竣工した。

 同社は2013年に国分寺市に代わって工事を行う「特定事業者」に選定され、2015年7月に着工した。施行面積は約2.1ha、総事業費は447億円。

 4月1日に市の公益フロア「cocobunjiプラザ」、4月7日に三越伊勢丹グループの商業施設「ミーツ国分寺」がそれぞれオーブンする。

 内覧会で同社住宅事業分譲事業本部第二統括営業所長・岡本和也氏は「2016年2月に販売を開始して以来、順調に推移している。駅直結・複合・タワーのランドマークとして益々注目を集める」と話した。

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 同社が明らかにした契約者分析は、物件の特性をよく反映している。居住地は国分寺市(22%)、隣接市(24%)のほか武蔵野市、杉並区、新宿区、三鷹市、立川市など中央線沿線が目立つ。

 年齢は60歳以上が33%にのぼり、以下50歳代、40歳代がそれぞれ23%、30歳代以下が22%となっている。

 職業は経営者、医師、無職(地主・シニア)が全体の6割を占め、会社員など(23%)は共働きや自己資金のある人が目立ったという。

 購入目的は実需が8割で、投資+セカンドハウス用が2割。現在の居住形態は持ち家戸建てが37.6%、分譲マンションが28.1%。

 -中央線の駅近マンションは、富裕層やアッパー三ドルしか購入できず、賃貸からの〝脱出組〟の取得は絶望的となっている。

 面白いのは「グレーシアタワー三鷹」との競合だが、販売責任者の永田太郎氏は「ほとんどない」と語った。

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エントランスホール

早期完売間違いなし 三鷹駅直結の相鉄不・三菱地所レジ「グレーシアタワー三鷹」(2017/12/21)

駅直結の「シティタワー国分寺ザ・ツイン」 即日完売スタート(2016/4/1)

 

 

 

 

カテゴリ: 2017年度

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「ヴェレーナグラン浜田山」完成予想図

 久々に第一種低層住居専用地域の、しかも全戸南西向き建物が桜並木と神田川遊歩道に面し、また松本清張が住んでいた邸宅まで徒歩2分、さらにまた京王井の頭線浜田山駅と高井戸駅まで徒歩7~9分という空前絶後、唯一無二、万金に値するマンションを見た。

 大和地所レジデンスが分譲を開始した同社フラッグシップ「ヴェレーナグラン浜田山」だ。

 物件は、京王井の頭線浜田山駅から徒歩9分(高井戸駅から徒歩7分)、杉並区高井戸東一丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80%、景観形成重点地区)に位置する敷地面積約3,030㎡、4階建て全32戸。専有面積は70.85~103.58㎡。竣工予定は2018年12月下旬。設計・監理は共同制作。施工は今井産業。3月から分譲が始まっており、すでに9戸に申し込みが入っている。

 現地は、神田川遊歩道沿いの景観を守るため杉並区が指定した「水とみどりの景観形成重点地区」の一角。敷地が広く、前面に広い空地が確保されていることから、建基法第55条2項の規定により建物の高さが12mに緩和されているのが特徴。このため建物は半地下方式を取らなくても4階建てが可能になった。

 建物は空地率60%を確保し、〝3戸1〟エレベーター方式を採用し、全住戸にエスコートポーチを設置。駐車場はシャッターゲート付きの全戸平置式。住戸プランは両面バルコニー、ルーフバルコニー、ワイドスパン(約8~10m)、専用庭付き(オープンエアデッキなど約10坪)など。

 設備仕様はディスポーザ、天然御影石のキッチンカウンター・洗面台、グローエ水栓、ミストサウナ、スロップシンクなど。天井高は2,450ミリ。

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 現地、モデルルームを見る前までは坪単価は400万円を超えることはないと予想していた。浜田山はマンションや戸建て見学で数十回は訪れている。同駅圏には約10年前、坪400万円で分譲された都心5区を除く準都心部の最高峰「パークシティ浜田山」が燦然と輝き、東急不動産の記念碑的マンション「プレステージ浜田山」もある。これらを上回る物件はあり得ないと思っていたからだ。

 ところが、販売を担当する同社次長・喜多氏から坪単価を聞き、わが耳を疑った。いくら用地・建築費が上昇しているとはいえあり得ないと。

 それでも喜多氏は、「23区で過去10年間供給された3,313物件のうち第一種低層住居専用地域の平置き駐車場100%付き物件は5物件しかない」と自信たっぷりに話した。

 5物件のうち2物件は小規模で記者は知らなかったが、ほかの「グランドメゾン代沢」「Brillia大和郷」「プラウド代沢」の3物件は見学しているのでよく覚えている。「大和郷」は坪500万円だった。

 いつもは冗談など飛ばさない同社の広報マン・横山氏もいつになく饒舌で「この物件は欠点がない」「野球にたとえるとこのマンションは〝トリプル3〟」と話した。

 喜多氏と横山氏の話を聞いて記者の自信は揺らいだ。そして、現地を見て、喜多氏と横山氏の言葉に嘘はないことを理解した。

 「代沢」「大和郷」も確かによかったが、立地・環境は「浜田山」に軍配を上げる。

 この立地なら安すぎると思った。浴室が普通のユニットバスだったのは残念だが、全体的に仕様を上げれば間違いなく坪500万円でも売れる。(同社はこれまで100㎡マンションの経験はあるが、億ションの冒険はできなかったのだろう)

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 この日は午前中、約30年間マンション一筋に歩んできた総合地所執行役員・梅津氏にインタビューした。話題は大手デベロッパーに対抗できる中堅はどこかになり、同社とモリモト、コスモスイニシアの名前がすぐ上がった。梅津氏は「大和(地所レジ)さんも…」と言葉を濁したので、記者は「いやいや大和さんも最近元気が出てきた」と話した。

 この「浜田山」は完全復活を予感させる物件だ。モリモトのように大手がすり寄ってくるようにさらに仕入れ・企画力を磨いてほしい。

 それにしても、同社に入札で勝てなかった(社名は書かないが)デベロッパーも情けない。売値を坪500万円とはじけば勝てたはずだ。資金力では比較にならないはずだが、目利き力には疑問符がつくと言っては失礼か。

 喜多氏について。喜多氏はこの前までは新京成電鉄北初富駅から徒歩2分の「ヴェレーナ新鎌ヶ谷」(81戸)を担当し売り切り、同社の今期引き渡し予定の929戸完売、期末在庫ゼロに貢献した。今回は3倍以上の単価だが、「とても楽しい。パークシティからの買換えもある」と笑顔を見せていた。

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東京建物の「Brillia 大和郷(やまとむら)」 坪単価500万円超の高額でも大健闘(2008/12/5)

野村不動産「プラウド上原」 垂涎の的の低層3階建て(2011/4/25)

感動的なマンション 三井不動産レジデンシャル「浜田山」(2007/11/8)

 

 

 

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「(仮称)泉区高森2 丁 目プロジェクト」

 三菱地所株式会社は3月26日、同社が開発した仙台市泉区の「泉パークタウン」内でわが国初のCLTを床材として使用した木造と鉄骨造のハイブリッド構造の10階建ての賃貸マンション「(仮称)泉区高森2 丁 目プロジェクト」を着工したと発表した。2019 年2 月下旬の竣工を目指す。

 同社と三菱地所設計、竹中工務店、山佐木材の4社で取得したCLT床2時間耐火構造の国土交通大臣認定技術を初めて適用する。

 2時間耐火の大臣認定を受けたCLT床のほかに、竹中工務店の特許技術「燃エンウッド」を柱に初めて採用した。

 CLTを構造材に利用することで、通常の鉄筋コンクリート造に比べ3カ月程度の工期短縮を予定している。

 竣工後は39戸の賃貸住宅として運営し、継続的に建物性能に関するデータなどを収集する。

 計画地は周辺にホテルや商業施設、アウトレットなどが集積する街の中心部に位置し、小高い丘陵地に建つことから視認性も高く、街の新たなシンボルとなると同社はしている。

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「クレヴィアリグゼ世田谷松陰神社前」

 伊藤忠都市開発の賃貸マンション「クレヴィアリグゼ世田谷松陰神社前」の2住戸を見学した。女性ファッション誌「GINGER」(幻冬舎発行)とコラボレーションし、アラサ―世代の女性が満足できるの研究開発を進めてきた「大人女子の部屋づくりプロジェクト」の企画を商品化したもの。

 物件は、東急世田谷線松陰神社前駅から徒歩4 分、世田谷区世田谷4丁目に位置する9階建て全50戸。専用面積は25.0~55.55㎡。月額賃料は約11,000円/坪。2018年1月25日に竣工済み。光井純氏が設計を担当した「デザイナーズマンション」が売りのようだ。

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 現地は昨年、コスモスイニシアがほぼ1カ月で完売した分譲マンション「イニシア松陰神社前」を見学したとき見ている。四差路の角地だ。分譲なら坪400万円になるかとも思った。

 今回は単身者向け賃貸なのでよくわからない。しかも〝大人女子〟なるものがいったいどのような女性なのか皆目見当がつかない。社内の〝大人女子〟と思われる女性に聞いたら「オバサンも含まれることもあるから深く考えないようにしたほうがいい」と言われたので、とりあえず30歳代の独身女性をイメージして考えることにする。

 とはいえ、いつも分譲マンションのことばかり考えているので、これは分譲にも生かせそうな商品企画を紹介する。馬鹿なことを書いて〝大人女子〟に嫌われたくない。

 間違いなく分譲にも生かせそうなのが「癒しのバスルーム」「柔らかく区切られた寝室」「充実した洗面室」「いつでも勉強できるカウンター」などだ。狭い空間をよく生かしている。

 モデルルームは1LDK/28.54㎡と1DK/25.12㎡で、やや狭いのではないかと思ったが、坪1万円以上もするのだから贅沢は言えないのだろう。分譲で坪単価400万円を超えたら販売は苦労するはずだ。同社も分譲のリスクを考えて賃貸にしたのだと思う。

 「GINGER」は生姜焼きしか思い浮かばないが、丸の内北口ビルではパクチーの店が〝大人女子〟に大流行りだ。しかも、記者などはいくら無料とはいえトッピングなどはしたないことはしないが、彼女たちは山盛りにして食べている。よほど刺激に飢えているのか、たくましいのか、空恐ろしくなる。

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マルチシューズインクローク(左)と多機能浴室

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ワゴン付きキッチン(左)とパウダールーム

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可動本棚付きカウンターキッチン

地主の意向を反映 古民家の緑を残す 月内完売したコスモスイニシア「松陰神社前」(2017/8/8)

 

 

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「ザ・パークハウス 恵比寿南」完成予想図

 三菱地所レジデンス(事業比率50%)、NTT都市開発(同25%)、東急不動産(同25%)3社JVマンション「ザ・パークハウス 恵比寿南」を見学した。恵比寿駅から徒歩7分(スカイウォーク出口から徒歩2分)の全56戸で、坪単価は600万円台の半ば。〝ザ・パークハウス グラン〟に負けない〝パーク・マンション〟にどこか似ている商品企画がよく、設計変更などについてお客さんと話し合う50畳大の接遇スペースがよく考慮されている好物件だ。

 物件は、R山手線・埼京線・湘南新宿ライン恵比寿駅から徒歩7分(恵比寿スカイウォーク経由)、渋谷区恵比寿南2丁目に位置する9階建て全56戸(事業協力者住戸4戸含む)。専有面積は60.55~155.12㎡、坪単価は600万円台の半ば。完成予定は2019年7月中旬。施工は西松建設。デザイン監修は「ザ・パークハウス グラン 南青山」を担当したアーキサイトメヴウス・今井敦氏。

 これまで約500件の来場者を集め38戸まで契約のメドが立っており、販売は順調に進んでいる。

 現地は、「恵比寿ガーデンヒルズ」から徒歩2分。恵比寿駅圏の高台で住居系エリアとしては隣接する三井不動産レジデンシャルの「パーク・コート恵比寿」以来の17~18年ぶりの物件という。

 住戸プランはワイドスパンの70㎡台、80㎡台、85㎡台、105㎡台が中心。南向き、東向き、西向きがそれぞれ3分の1くらいか。エントランスラウンジに飾られる浅見貴子氏の和紙に描かれた水墨画アートがまたいい。

 98㎡のモデルルームはヤマモモの突板リビングドア、ヒッコリーの挽板フローリング、リビング天井高2500ミリ、メーターモジュールの廊下幅など。オプションにトラバーチンの壁を用意している。

◇       ◆     ◇

 今井氏がデザイン監修したマンションは数十物件は見てきているが、今回の物件は代表作の一つになるはずだ。隣接する三井の物件のように主張はしていないが、イタリア大理石のトラバーチンをふんだんに使い、外壁に市松模様など凝ったタイルを採用することでシンプルながら存在感のあるデザインに仕上げている。

 内装にも今井氏は関わっており、モデルルームは全体として白が基調のカラーリングで、ドアノブを壁面まで後退させ、把っ手に黒を採用してコントラストの美しさを演出している。

 そして何よりヤマモモの突板リビングドアが美しい。床はヒッコリーの幅広の挽板。トイレも通常よりゆったり取っている。

 全体としてこれまでの〝ザ・パークハウス〟とはやや趣が異なるマンションだ。これもまた、同社が最近供給してきた都心型マンションの顧客の声を生かしているのだと思った。

 最近の三井不動産の〝パーク・マンション〟は見ていないので何とも言えないが、デザインはそれを彷彿させた。〝グラン〟にも負けないレベルだと思う。

◇       ◆     ◇

 感心したのは接客スペースだ。個室と様々なカラーセレクト、設計変更などに使用する建具・家具スペースと合わせ50畳大くらいはある。普通はほ本程度しか見られないが、ここはゆったりと座り、出来上がったときのイメージが湧くようにセットされている。

 これは、単に今回の物件だけでなく今後、三菱地所レジデンスが分譲する都心部の高級マンションの商品企画にも反映させようという狙いがありそうだ。同社は近く青山にも常設の販売事務所・モデルルームを設けるとかで、赤坂とこの広尾の3カ所体制で高額マンションを販売するのだろう。

◇       ◆     ◇

 販売を担当する同社第二販売部 都心コアユニット販売第三グループ長・坂田和生氏にはどこかで会ったような気がしたが、10年前に書いた丸紅の素晴らしいマンション「グランスイート六番町」の販売事務所でお会いしている。

 以来、坂田氏は三菱地所レジデンスの「千鳥ヶ淵」「一番町」「三番町」「五番町」「西新宿」「恵比寿」など都心の高額物件ばかりを担当している。都心の市場を知悉している、なんともうらやましい人だ。

 個人的なことは書かないという約束なので残念ながら書けないが、地所の高額担当として欠かせない人だと思う。

 坪単価についても一言。商品企画はすばらしいが、立地・環境は恵比寿の一等地や代官山、広尾などには負ける。坂田氏も話したように富裕層が殺到するエリアではないのは確かだ。坪700万円の高値挑戦もあるかと思ったが、現状ではちょっと無理かもしれない。早期完売を狙うには丁度いい値付けではないか。

ピリ辛〟碓井氏がほめた丸紅「グランスイート六番町」(2007/4/10)

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「津田沼 ザ・タワー」完成予想図

 三菱地所レジデンス・三井不動産レジデンシャル・野村不動産が3月24日から登録申し込みを受け付ける3社JVマンション「津田沼 ザ・タワー」を見学した。JR津田沼駅からぺディストリアンデッキを歩いて4分の免震タワー759戸で、第1期分譲は半数以上の340戸。絶妙な値付けが奏功しそうだ。

 物件は、JR総武快速・総武線津田沼駅南口からぺディストリアンデッキで徒歩4分、習志野市谷津1丁目に位置する44階建て全759戸。第1期(340戸)の専有面積は41.36~134.81㎡、価格は2,718万~14,258万円(最多価格帯5,900万円台)、坪単価は270万円弱になる模様。竣工予定は2020年4月下旬。施工はフジタ。抽選は3月31日。

 敷地は、1979年に廃園された「仲よし幼稚園」の跡地で、2013年に実施された習志野市の公募型プロポーザルで選定された物件。約2,800㎡の「津田沼なかよし広場」や庭園「ルーフガーデン」、イベントスペースなどを設け、津田沼の街や人とつながるプロジェクトを目指す。敷地内に保育園や習志野市管理の駐車場・駐輪場・ミニバイク置き場も配置する。

 「スカイサロン」や「パノラマデッキ」のほか、「スタディルーム」「キッズルーム」「ゲストルーム」などの共用施設のほか、エリア開発実績からお客様の声を反映。梁の少ない構造(工法)や75㎡で間口7.55mのワイドスパンが中心。全戸トランクルーム付き。

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 見学したのは、まだ価格などが公表されていない3月11日だった。幹事の三菱地所レジと三井レジ、野村不の大手3社が組んだ駅直結の免震タワーだから、高値追求すれば坪単価280万円もあるかと思ったが、モデルルームの設備仕様をみて、そこまでしないと読んだ。坪250万円以下はありえず、260万円を超えてくるのは間違いないと予測した。限りなく270万円に近いのではないか。

 第1期が340戸に決まり、納得もした。坪10万円高かったら、最多価格帯は6,000万円を超えてくる。いかに津田沼駅の一等地とはいえ、戸数の多さを考えると厳しいと読んだのだろう。

 いつになったら千葉県で坪300万円を突破するマンションが分譲されるのだろうかと思っているが、当分ないか。あるとすれば市川駅か千葉駅の駅近だろう。新浦安にはそんな用地はないはずだ。

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「イニシア西新井」

 コスモスイニシアは3月20日、新築分譲マンションとして初めて「東京都子育て支援住宅認定制度」の認定を受けた「イニシア西新井」(81戸)が竣工したのに伴う報道陣向け見学会を行った。

 「東京都子育て支援住宅認定制度」は2016年2月から運用開始された制度で、子育てにふさわしい立地や、共用・専有部分に関する必須62項目のほか、全選択31項目のうち12項目に適合した優良な住宅を顕彰するもの。これまで認定された新築マンションは同社の物件のみで、同物件は74項目の基準をクリアしている。

 「みんなで楽しく備える防災」を中心に据え、アウトドアは「Snow Peak(スノーピーク)」と、コミュニティ形成は「HITOTOWA INC.」とそれぞれコラボして様々な活動を展開していく。

 2017年度の第11回キッズデザイン賞「子どもたちを産み育てやすいデザイン」部門で受賞している。

 共用部の取り組みとしては、共用廊下の幅員1,200㎜以上、エレベーターの出入り口800㎜、共用廊下の手すり高1,100㎜、屋上の手すり高1,800㎜などの安全性に配慮。芝生敷きの屋上庭園「スカイテラス」、中庭「モミジパティオ」、遊歩道「トネリコウォーク」などコミュニティ創出の場を設置した。

 専有部分では、壁の面取り、ドアや引き戸の指はさみ防止、ベビーカー置き場、トイレ・居室ドア把っ手の壁面までの後退、幅員750㎜のドアなどユニバーサルデザインに配慮している。

 1階の「mu.su.bi.ホール(エントランスホール)」は、多彩な交流を生み出す共用空間として、ラウンジの壁面に設けた棚やベンチ下収納にはアウトドア用品を備え、キャンプやバーベキューなどの際に貸し出すほか、万一の防災備品としての役割も担う。

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「トネリコウォーク」

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「モミジパーク」

◇       ◆     ◇

 このマンションについては、昨年2月の分譲開始時にモデルルームを見学して記事にもしているので、そちらを参照していただきたい。「都の高いハードルを乗り越えた極めてレベルが高いマンションであるのは間違いない。トイレドアの幅を750ミリ確保しているマンションはそうない」と書いた通りだ。

 完成した建物は、遊歩道「トネリコウォーク」や「mu.su.bi.ホール(エントランスホール)」がとてもよくできていた。

 西新井駅から徒歩9分、坪単価210万円のマンションが1年経過して約9割の進捗というのは健闘していると評価できると思うが、都に対しては注文がある。

 認定制度に対するお客さんの反応について、販売担当者は「プラスアルファーとして、かなり高い評価を受けた」と語った。

 確かにそうなのだろう。

 しかし、認定制度の運用が始まって未だに認定物件はこの1物件しかないというのはどういうことか。ハードルが高すぎるような気がしないではないが、やはり〝認定のお墨付き〟だけではデベロッパーも敢えて挑戦しようとは考えないし、ユーザーもまた魅力に乏しいのではないか。〝お上のお墨付き〟に飛びつく消費者はいない。それだけの権威はない。

 やはり、実利が得られるよう子育て購入者には固定資産税や都市計画税などの減免措置を行うべきだ。財政を圧迫するようなことはないはずだ。

 認定を受ければ、総合設計制度などを活用して容積率の緩和を受けられるということだが、そもそも総合設計制度のハードルも高い。二つの高いハードルを越えるためにデベロッパーがどれほど苦労するかも考えてほしい。マンションの環境性能評価制度と同じようにランク付けし、ランクに応じて容積緩和を図るのが現実的ではないか。

チャイルドロック付きガスコンロ.jpg 侵入防止錠.jpg
チャイルドロック付きガスコンロ(左)と浴室の侵入防止ロック

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玄関ドア

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「mu.su.bi.ホール(エントランスホール)」

高いハードル越える 「東京都子育て支援住宅認定制度」第1号 「イニシア西新井」(2017/2/28)

カテゴリ: 2017年度
 

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