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創建「心伝える感謝のつどい」(帝国ホテル 孔雀の間で)

 創建は4月29日、同社の首都圏の住宅を購入したお客さんを対象にした第1回「心伝える感謝のつどい」を帝国ホテルで行った。約260組960人が参加した。

 冒頭挨拶に立った吉村孝文社長は、次のように感謝の言葉を述べた。

 「今年で創業31年、首都圏に進出して10年目。3年前にも行なう予定でしたが、東日本大震災があり、当社もリーマンショックの影響で初めて赤字を計上して中止しました」

 「私が創業以来ずっと考えているのは〝倒産させてはいけない〟ということです。倒産はお客さんに対する裏切り行為です。ですから他の事業には手を出さない、本業に徹しています。さらに社是として〝感謝、希望、工夫、改革、感動〟の5つのKを掲げていますが、大事なのは、利益優先ではなく、お客さんに対する感謝、感激の気持ち。これからも建ててよかった、出会えてよかったと思っていただくように邁進します」

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挨拶する吉村社長

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 「感謝のつどい」に参加した公務員のSさん(37)に話を聞いた。Sさんは奥さんとお子さん2人の4人家族。稲城市の「ルナオーヴ若葉台」(108区画)を購入して3年目だ。

 「それまで住んでいた溝の口のマンションを売却して購入しました。住環境がよく土地が170㎡と広いのが決め手。まるで公園の中に住んでいるようで、外断熱も快適。最寄り駅の若葉台駅までは自転車通勤。勤務先の大手町までは約1時間」と、住み心地を語った。

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 同社は平成16年に首都圏進出。翌年、第一号として千葉ニュータウン・西白井で86区画の戸建てを供給開始。これまで670戸を供給。現在173戸を販売中。今後約190戸を予定している。2006年からは外断熱工法の供給を開始している。平成25年5月期の売上高は157億円。

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右は同社のマスコット「創犬(そうけん)」くん

カテゴリ: 2014年度

 三井不動産は4月22日、先月20日に開業した「コレド室町2・コレド室町3」と既存の「コレド室町」の1カ月(3月20日~4月19日)の来館者が約260万人に達したと発表した。

 新たな客層として増えているのは30代~40代。老舗の新業態店でのショッピングやオープンテラスでのランチ・ディナーを楽しむ様子が見られたという。

 これまで日本橋に訪れていた50代~70代もなじみの街で新たな過ごし方を楽しみ、20代は「TOHOシネマズ日本橋」を通じて日本橋に訪れ、これまで縁遠かった老舗店にも足を運んでいる様子がみられたという。

 日本橋では4月26日(土)~5月6日(日)のゴールデンウィークに様々なイベントを実施する。

 

カテゴリ: 2014年度

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創立40周年記念の新商品発表会とあわせ報道陣は過去最多の100人

 三井ホームは4月17日、今年創立40周年を迎えるにあたって新たな広告キャッチコピー「オーダーメイドプライド。」を掲げるとともに、TVCFに女優の菅野美穂さんを起用すると発表した。新CMのお披露目と菅野さんと市川俊英社長のトークセッションが東京ミッドタウンで行なわれた。同社の記者発表会としては過去最多の100人を上回る報道陣が詰め掛けた。

 菅野さんは、プレスリリースによると「知名・人気・実力ともにトップクラスであり、今最も輝いている女優のひとりとして、性別・年代を問わない幅広い共感と支持を得ている女優」として起用、テレビCFは「菅野さんが語る『理想の家は、住む人の心の中にあると思う。』という家を建てる人の想いを通じて伝えるもの」となっている。

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CMカット

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 新しいCMが、同社の顔としてすっかり定着している吉永小百合さんではなく、テレビドラマは見ないからなのだが、記者はほとんど知らない菅野美穂さんに代わったことに少なからずショックを受けた。記者は、「清純派女優」のイメージをこの歳になってまで抱き続ける単純なサユリストではない。むしろ逆だ。女優としての吉永さんより「清く、正しく、美しく」を貫く生身の人間・吉永小百合さんが好きだ。三井ホームはもちろんだが、三井不動産グループ全体のイメージアップに計り知れない貢献をしているはすだ。品と格が備わっているのが吉永さんだ。

 その吉永さんのカレンダーを同社から貰うのを楽しみにしていたが、昨年はもらえなかった。おかしいと思っていたが、同社によると、吉永さんとのCM契約は昨年3月で終了したという。

 理由は分からないでもない。吉永さんも70歳近く。いまの住宅需要層の年代からすれば訴求力は弱まっているのは理解できる。永遠の美女のイメージを壊すようなしわくちゃのおばあちゃん姿の吉永さんのCMなどみたくない。世代交代はやむをえないと思う。

 その後継者として「性別に関係なく知名度、好感度ともトップクラス」(同社・長谷裕専務)の菅野さんが起用されたのもわからないでもない。新CFの撮影エピソードとして紹介されている「今回の撮影は…まだまだ寒さが残る3月半ばでしたが、撮影現場にひとたび菅野さんが現れると、まさに一瞬にして温かな空気に変わり、その場にいる全員をやさしく包んでくれるような心地よい存在でした。そのやわらかな眼差しも、本番になると監督をも唸らせる凛とした演技でした」)というニュースリリースのコピーが使い回しでないならば、菅野さんもまたすごい女優なのだろう。

 しかし、三井ホームは「暮らし継がれる家」が商品コンセプトではないか。ならば、どうして吉永さんと同社のイメージを断ち切るようなことをするのか。「暮らし継がれる家」と同じように、CMも吉永さんから菅野さんへゆるやかに引き継がれるものにできなかったのだろうか。私だったら吉永さんを母親役、菅野さんを娘役、さらに子役を入れた2世帯3世代住宅の提案を行なう。大ヒット間違いないと思うがどうだろう。

 市川社長にこの疑問をぶつけた。市川社長は「お2人一緒というのは理想でしょうが…」と明言を避けた。どんな形でもいい。吉永さんの復帰を願うばかりだ。さらに言わせてもらえば、同社が「世界にひとつだけの家づくり」を目指すなら、イメージキャラクターはオードリー・ヘップバーンしかいない。時代を経るごとに評価が高まっていく、若さが衰えない彼女こそが三井の家にふさわしいのではないか。

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フォトセッション

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 菅野さん効果か。同社が新TVCF発表会の前に行なった創業40周年記念の新商品「2×6ウォール」「Newスマートブリーズ」の発表会には、同社の過去最多となる68人の報道陣が会場となった東京ミッドタウンに詰め掛けた。菅野さんと市川社長との新CMお披露目会には100人を超える取材申し込みがあったという。これも新記録だ。

 そこで同業にこの動員力を聞いた。さすが積水ハウス。同社は平成19年の新商品発表会に138人の記者が集まったという。住友林業も平成23年に行なった新商品「mamato(ママト) 」発表会に130人を集めた。

 デベロッパーでは、森ビル「六本木ヒルズ」、三井不動産「東京ミッドタウン」などは数百人の記者が集まった。三井不動産リアルティの「リハウスガール」発表会でも100人くらい集まる。

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新CM発表会(東京ミッドタウン)

三井ホーム創立40周年「オーダーメイドプライド。」前面に打ち出す(2014/4/18)

「ピンク」一色 住林の新商品「mamato (ママト) 」発表会(2011/6/2)

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中井社長

 野村不動産ホールディングスグループは4月15日、恒例の記者懇親会を開いた。約100人が集まった。

 挨拶に立った中井加明三社長は、「足元の住宅市場は順調。とくに都心部は強い需要がある。懸念されるのは建築費の高騰で、まだまだ上がる状況にある。情報収集に努め、適切に対応していく。2016年3月までの中期計画で営業利益650億円、自己資本比率30%を掲げたが、営業利益は2年前倒しで達成できる見込み。今後は年間4,000戸から5,000戸、さらに7,000戸を安定的に供給していく体制を整えていく。財務を強化し、思いきった投資も行なう。今回新設した開発企画本部を通じて複合開発に参入していく。野村らしい事業展開をおこなっていく」と話した。

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 中井社長の挨拶は簡潔明瞭。時間にして3~4分だった。同社の歴代社長はもちろん、他のデベロッパーの懇親会を含めても記録的な短さだろう。昔は30分を優に越える社長、会長の挨拶も珍しくなかった。用意されたビールは熱気で沸騰し、参加者は飲む前に〝醒める〟ほど長かった。

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 記者が聞きたかったのは3点。一つは「オハナ」。建築費の高騰で坪単価130~140万円の「オハナ」は果たしてどうなるか。これについて宮嶋誠一・野村不動産副社長は、「今期も来期も年間1,000戸供給は大丈夫。多少、価格に転嫁せざるを得ないが需要はある」と、今後も第一次取得層の期待に応えると話した。

 もう一つは都市型戸建ての展開について。同社は年間1,000戸供給を打ち出し、これまで独走していた三井不動産レジデンシャルに追い付き、追い抜く勢いにある。当然、三井不動産レジデンシャルが得意とする小・中規模についても用地争奪戦が始まるのではないかとみているが、宮嶋氏も山本成幸常務も「よくバッティングする」と否定しなかった。

 3点目は、昨年10月にリブランディングを開始した「野村の仲介+」は「プラウド」と同じ奇跡をたどることができるかどうかだ。この点については、宮島青史・野村不動産アーバンネット社長は、「半年が経過して社員がピリッとしてきた。お客さんに見られている、下手なことができないという意識改革が進んでいる。2020年までにはやる。見ててください」と自信をうかがわせた。

 今後注目したいのは野村不動産リフォームと野村不動産パートナーズの展開だ。リフォームの社長でもある山本常務は「当社のマンションや戸建てのお客さん以外に外に打って出ることができていない」と課題をあげた。中井社長も「何とかする」と意欲をみせた。

 ビル管理部門と統合し、社名も野村リビングサポートから野村不動産パートナーズに変更した同社・関敏明社長は「売り上げ規模で700億円ですから相当の規模。RBAも両部門を統合して戦う」と、機嫌がよかった。

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 天につばすることかもしれないが、集まった報道陣の方々にもひとこと。今回に限ったことではないが、デベロッパーの懇親会にはいつもこれほどたくさんの記者の方が集まる。ところが、マンションなどの見学会となると極端に少なく、せいぜい20~30人。

 歳をとるとトコロテンのように編集長やら社長やらに出世し、足腰も弱り現場から遠くなるのだろうが、記者が現場から外れたらただの人。何の取り柄もない。現場には取材ネタが溢れているし、懇親会で聞く話は2倍3倍も中身が深まっていく。

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記者懇親会(新宿野村ビルで)

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 野村不動産アーバンネットは4月15日、第2回「ありがとう、わたしの家」キャンペーンの入賞エピソードを発表した。

 グランプリは、埼玉県の「はなまるさん」の「愛おしい跡」。娘さんが3歳、息子さんが1歳の時に購入した新築の戸建てが、二人が成長するにつれ床やら壁やらがいたずらなどで汚れていくのに「頭から角をだして」叱るのだが、ある日、実家に連れていたったときの出来事をつづったもの。

 「先生ごっこが好きだった私」が作って貼った「花丸を付けた拙い字の小さな答案」を、子どもが「物置の片隅にしまわれていた机の裏側」から見つけ、「当時の記憶が鮮明に蘇り」「〝子供の成長の証〟として愛しんでくれている父と母」に感謝し、「嬉しくて涙がこみ上げてきました」と、親から私へ、さらには子どもへと受け継がれる情愛を率直な言葉で表現している。

 グランプリには10万円分の、準グランプリの3名には5万円分の、「ありがとう、わたしの家」賞の5名には1万円分のギフトカードがそれぞれ贈られる。今年1月から2月末まで応募を受け付け、198点の応募があった。

 詳細はキャンペーンサイトhttp://www.nomu.com/campaign/episode/へ。

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「KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)」外観

 三井不動産は4月10日、柏の葉スマートシティの中核街区として開発を進めている複合施設「ゲートスクエア」に設置した企業や個人が集まり交流を通じて新産業を生み出すクリエイティブなイノベーション拠点「KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)」を4月14日(月)に開業すると発表した。

 「KOIL」は、起業家から生活者まで多様な人々の知識、技術、アイデアを組み合わせることで革新的な新事業や製品・サービスを創造するための場で、国内最大級のコワーキングスペース(会員制共有ワークスペース)のKOILパークや、ベンチャー企業だけでなく大手企業の事業部門が入居するオフィスフロア、一般の方のビジター利用も可能な機能を持つKOILファクトリー(デジタルものづくり工房)、カフェやスタジオなどを併設。これまでにないオープンイノベーション・センターとなる。

 広さは3フロア合計で約7,980㎡。KOILパーク会員は「月5プラン」の月額6,000円から、「使い放題プラン(固定席)」の月額27,000円まで。入会金は3,000円。

 イノベーションの化学反応を起こすため、起業家のアイデアや技術を事業化につなげ、グローバルな飛躍へと導くメンター(助言・支援者)がKOILに常駐。創業支援プログラムを提供するとともに、大手企業、ベンチャー企業、クリエイターや生活者などと交流できる多彩なイベントを開催していく。

 挨拶に立った同社常務執行役員・小野澤康夫氏は、同社のベンチャースピリットについて触れ、三井グループの創業のルーツである「越後家」から、土地をつくる「京葉臨海部の埋め立て事業」、空を開拓する、超高層時代を切り拓く「霞ヶ関ビル」、ライフスタイルを提案する「ららぽーと」「東京ディズニーランド」について語り、街づくりのイノベーション事業として今回の「柏の葉スマートシティ」があることを強調。「わが国にある閉塞感を打破するため、世界の課題解決モデルとなる街を公民学が連携して創造することを企図している」と話した。

 さらに、「新産業を生みだす空間としての『KOIL』などのハードと、多様なコミュニティとの融合を図り、プラットホーム事業へと発展させ、イノベーション事業のリーディングカンパニーを目指す」と語った。

 また、同社ベンチャー共創事業室長・松井健氏は、今後1年間の目標としてで「KOILパークは400会員をめざし、稼働率は95%くらいを考えている」と話した。この1年間で300を超える内外の団体が「柏の葉スマートシティ」の見学に訪れたことも明らかにした。

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「KOILパーク」

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「KOILファクトリー」

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 つくばエクスプレスが開業して9年。まだ駅舎だけだった「柏の葉キャンパス」駅前に広がる「柏の葉スマートシティ」には今回で何度目の取材になるのだろう。10回はくだらないはずだ。開業当初から、「柏の葉」だけは成功すると読んだ。ビジョン、哲学が示されていたからだ。

 しかし、他の沿線は20年たっても街は完成しないだろうし、その多くは失敗に終わるだろうと考えた。多摩ニュータウンや千葉ニュータウンと同じ旧来の開発手法とほとんど変わらないからだ。その思いは今も変わらない。

 そして今回。同社が目指す街づくり全貌が見えてきた。小野澤常務も同社ベンチャー共創事業室長・松井健氏も街づくりのビジョンを語った。胸に響くものがあった。例えれば、ジグゾーパズルの穴が順々に開くような、難しい方程式を一つひとつ解いていくようなわくわく感、快感だ。

 「柏の葉スマートシティ」は、2011年に国の「環境未来都市」「地域活性化総合特別区域」に指定された。ここでは紹介しないが、2050年の「柏の葉」の近未来像を描いた「提案書」には、「石化燃料を一切使用しない世界が広がり、長寿・高齢化社会は手放しで喜ばしいことと歓迎され、子供たちは、語学ばかりでなく国際的なリーダーシップの取れる人材として育ち、臆することなく世界へと飛躍し活躍する者が多いため、そのような環境を求めて、世界各国から移住してくる家庭も多い」と記されている。

 それまであと30余年。記者は間違いなく生きていないが、そのような社会が実現していることを祈りたい。間違っても、建築から40~50年にして早くもさまざまな問題が噴出している多摩ニュータウンや筑波研究学園都市のようにならないようにしてほしい。

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会見に集まった記者は約50人(通常のマンションなどの2~2.5倍くらい)

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左からTXアントレプレナーパートナーズ最高顧問・村井勝氏、三井不動産常務・小野澤氏、同社ベンチャー共創事業室長・松井氏、ロフトワーク社長・諏訪光洋氏

「柏の葉」の「環境未来都市」 涙が出るほど嬉しい提案書(2012/2/13)

 

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テレビCM

 積水ハウスは4月3日、住宅業界で初めて「字幕付きテレビコマーシャル」トライアル放送を実施すると発表した。

 長年、家づくりで培ったユニバーサルデザインの視点をCMにも反映させるもので、音声情報を字幕で選択表示することで、耳の不自由な人により正確な情報やメッセージの伝達を目指すもの。

 BSフジの同社が提供する番組「五木寛之『風のCafe』」内で字幕付きCMのトライアル放送を4月5日(土)から実施する。

 わが国の難聴者人口は潜在的な難聴の方も含めると約2000万人と推定されており、デジタル放送への移行に伴って字幕番組は年々増加し、NHK(総合)では83.5%、在京民放テレビ5 社では9 割以上(93.3%)が字幕付きになっている。1週間の総放送時間の約18%を占めるテレビCMへの字幕付与は数社によるトライアル放送が始まっている。

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「住まいるCafe鶴見東」の「キットパス教室」(記念写真は記者が頼んだわけでもないのに集まってくれた。お互いの信頼関係が築けているからできることだ)

店舗はまるで幼稚園・保育所状態

 年度末の3月下旬。不動産仲介店舗は目標数字を達成するために追い込みに躍起になっている。営業マンは店長に尻を叩かれ飛び回っているはずだ。通りかかったナイスの仲介店舗「住まいるCafe鶴見東」にはたくさんの人が集まっているように見えたが、様子が変だった。覗いてみようと近づいたら、久保正人所長が手招きした。久保氏とはRBA野球で10年かそれ以上のお付き合いだ。

 店に入って驚いた。奥の方には商談か会議か額を突き合わせているグループもあったが、店内はまるで保育所・幼稚園化していた。小さな子どもを連れたお母さんたちで溢れていた。10組くらい集まっていたのではないか。何事かと聞いたら専門家を呼んで「キットパス」の教室を開いているという。キットパスとはつるつるした平板なものなら絵が描けて、ぬれたタオルなどで簡単に消せる新しい絵の具だそうだ。

 もともと記者は仲介の取材はほとんど行ってこなかったが、このような光景は他社の店舗ではまずないはずだ。ナイスの店舗では日常化しているというから驚きだ。

 スペースは無料で開放。習いごとやサークル活動に利用できるほか、町内会や商店街の特売情報なども発信している。コーヒーが無料で飲めるコーナーもあり、毎日のように訪れるお年寄りや、若い女性が立ち寄ることもあるという。スタッフから物件を紹介することなどは厳禁。久保所長は「私も何をやっているかよくわかりません」と笑う。

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「住まいるCafe」

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 同社グループが運営するホームセンター「ライブピア」内に昨年11月にオープンした「住まいるCafe鶴見ライブピア」は、他の「住まいるCafe」とはまた違っている。

 車いすなど介護用品やユニバーサルデザイン商品がたくさん展示されており、バリアフリーなども体験することができるほか、耐震、断熱リフォームなど住まいに関するあらゆることが分かる工夫が凝らされている。

 すべてのスタッフが福祉用品貸与事業を行なう事業者に義務付けている「福祉用具専門相談員」講習を受けているという。無料の耐震診断・相談が受けられるほか、リフォームに関するセミナーなども頻繁に行なわれている。

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「住まいるCafe鶴見ライブピア」  

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 同社広報室室長・渡利勝也氏は「住まいるCafe」の事業を開始した経緯、目的などを次のように話した。

 「当社はもともと地域に根ざした仲介店舗を展開してきました。最近は他社でもマンション、戸建て、賃貸、仲介などワンストップで対応するところもあります。当社は当社らしい他社にはできない切り口の店舗展開をやろうとそれまでの『住まいの情報館』から社内公募により名称を『住まいるCafe』に昨年4月に変更しました。店舗数は鶴見、川崎を中心に18店舗。不動産情報の提供だけでなく、地域のプラットホーム、地域の交番でありたいというのが理念です。

 なぜ、そのようなことができるか。われわれはこのエリア中心に最近はマンションだけでも年間1,000~1,500戸を供給しています。仲介店舗もあります。新規物件を供給する際には公共施設、商業施設、学校などの情報をパンフレットに盛り込みますし、チラシも配布する。地域の情報はみんな知悉しています。  

 ならば、こうした情報を地元の人に還元しようという取り組みです。仲介店舗は当社もそうですが他社も土曜、日曜日はともかく平日はガラガラです。地域に開放しても不都合は生じない。

 『ライブピア』に福祉用品などの情報を提供する新しい形の店舗を提案したのも、『ライブピア』を利用されるお客さんの6~7割の人が60歳以上ということから設置を決めたものです。

 地域密着の究極を目指そうというのがわれわれの取り組み。理念の共有も徹底して進めています。

 マンション事業で進めている免震や外断熱、戸建て事業で展開している『パワーホーム』も、住宅のトラブルをなくしたい、住宅を通じて家族を守ろうという発想が基本です」

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「キットパス教室」

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 同社は経営理念に「お客様の素適な住まいづくりを心を込めて応援する企業を目指す」ことを掲げている。〝住まいづくり〟に〝素適な〟〝心を込める〟と2度も強調されると、逆にマイナスにならないかと心配もするが、ここに同社の強いメッセージが込められている。

 同社が地盤とする鶴見、川崎エリアは以前からマンションデベロッパーの激戦地となってきた。大手デベロッパーや中堅との競争を余儀なくされてきた。それでも圧倒的なシェアを守り、競争に打ち勝ってきたのは免震であり外断熱であり、〝70㎡の4LDK〟提案だったりする。70㎡の4LDK提案など地域を熟知しているからできることだ。

 大切なことは死守し、そうでないことは柔軟に対応するということだ。その姿勢は、今回に限らずマンションや野球大会での取材でも感じることができる。まったく気負いがないのだ。ギラギラとしたものがない。その一方で、野球では勝っても負けても延々と反省会をやる。分譲と仲介の人的交流も積極的に行なうのも同社の特徴だ。

 記者は平田恒一郎社長が社長に就任した1988年前に「うちは地域ナンバー一の座は譲らない」と話したのを今も覚えている。1950年に会社が生まれてから64年になるが、社名は2007年に持ち株会社移行に伴い旧「ナイス」が「すてきナイス」に社名変更したのを含め5度も変わった。これほど社名が変わった上場会社はほかにないはずだ。変わらないのは「住宅」を通じて社会に貢献しようという理念だろう。

 「住まいるCafe」の来館者は2012年度の1カ月当たり約1,000件(全店合計)から2013年度は約8,000件と実に8倍増だそうだ。年間にすると約9.6万人だ。常識を破る取り組みが今後どのような展開を見せるか注視したい。

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「住まいるCafe鶴見ライブピア」 無料耐震診断や同社の「パワーホーム」の構造も見ることができる

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 元三井不動産販売(現三井不動産リアルティ)コンプライアンス室長で、NPO法人日本レジデンシャル・セールスプランナーズ協会理事・谷中健太郎氏と電話で話す機会があった。

 このナイスの事例を話すと、谷中氏は「それはすごい。私も多くの仲介会社と付き合って40年になるが、一部を除き売り上げのことばかり。地域密着とはみんな口では言うが、どこまで実践できているか。私は、日本古来の地域の風土記を語れるくらいにならないとダメだと思っている。この業界は本物のプロ集団になれるか、ステップアップできるのか、各社の仲介戦略・戦術の優劣が鮮明になると実感している」と話した。

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アキュラホームグループの入社式(この女性新入社員の腕は相当なもの。右は宮沢社長)

 アキュラホームとグループ会社のオカザキホームは4月1日、合同の入社式を行い、アキュラホーム・宮沢俊哉社長は「夢をもって大いに経験を積み、道を極めてほしい」と訓示した。

 今年度の新卒新入社員は、アキュラホーム51名、オカザキホーム4名の合計55名(男性31名、女性24名)。

 宮沢社長は入社式で、「今年度は、アキュラグループにおいて史上最も多い1 万3 千人以上のエントリーがありました。数ある企業の中から慎重に検討し、当社を選んでいただいたことを心より感謝いたします」「皆さんには、ぜひ夢を持ち、それを目指していただきたいと思います。どんなに小さなことでも構いません。それを目指しながら、これから自分に合うことを徐々に見つけていってください。アキュラホームは皆さんに夢を持つ場、実現できる場を提供していきます」「失敗を恐れず様々なことに挑戦し、大いに経験を積んで道を極めてほしい」などと呼びかけた。

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 同社は2006年から入社式で〝カンナ社長〟の異名を持つ宮沢社長が直々にカンナがけを行うことが恒例となっている。宮沢社長が手本を示し、新入社員全員がカンナかけを体験した。

 「そうじゃないんだよ。そう、そう。それでいいんだよ」社長のうれしそうな声が聞こえそうだ。

 新入社員には宮沢社長手づくりの辞令が手渡された。辞令の寸法はB4。カンナで削ってできたヒノキの削り華(かんなくず)を和紙に接着させたもので、人の個性と同じように、一枚一枚柾目が異なるものだという。55人分の辞令をつくるために社長は1日3時間、10日間費やしたという。1人当たり32分だ。社長室で黙々制作に励んだのだろうか。

 記者は、宮沢社長のカンナかけを見せてもらったことがある。さすが元大工。シュルシュルと香しい薄絹のような削り華がしなやかに舞いながらカンナ口から紡ぎだされてきた。

 そんな宮沢社長でも、ミクロンの技を競い合うカンナかけの全国大会では入賞すらできないそうだ。いま大工さんは現場でカンナを使うことはあるのだろうか。

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辞令

 

 

 

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 大和ハウス工業は4月1日、同社グループ会社のマンションやビルなどを管理する大和ライフネクスト(渡邉好則社長)とダイワサービス(城戸知幸社長)を同日付で合併すると発表した。合併によりマンション管理戸数は約23万戸となる。

 存続会社はダイワサービスで、代表取締役会長には山根弘美氏、代表取締役社長には渡邉好則氏がそれぞれ就任する。

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