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「ことのは 越ケ谷」

 ポラスが分譲開始した戸建て住宅「ことのは 越ケ谷」を見学した。江戸末期に建てられた蔵を残し・再生し越谷市に寄付するとともに、蔵にあった構造部材を新築4棟の内装材などに再利用した記念碑的な物件だ。2015年のグッドデザイン賞も受賞している。

 物件は、東武スカイツリーライン 越谷駅から徒歩5分、埼玉県越谷市越ケ谷3丁目に位置する開発面積約644㎡の開発地で、1戸当たり敷地面積105.32~124.62㎡、建物面積101.02~108.05㎡、価格5,480万~6,780万円。構造は在来工法2階建て。蔵は敷地面積約100㎡、延べ床面積約48㎡。推定築年数約150年。曳家や補修なども含め6,000万円の費用が掛かったが、そのまま市に寄贈する予定だ。

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「土間のある家」

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 「茶室のある家」(左)と「縁側のある家」

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◇       ◆     ◇

 この物件は、同社が用地を取得した平成25年当初、蔵を残すプロジェクトに賛同する人を募り、コーポラティブ方式で分譲住宅を建てて、その居住者の共有施設として利用してもらう計画だった。しかし、前例のない蔵の利用方法などが理解されず、希望者が集まらなかったために、戸建て分譲に切り替えた。

 記者は、当初のプロジェクト発表会を含めると今回で5回目の見学になる。ずっと注目もし追っかけてきただけに、ようやく完成したのを見て感慨深いものがある。3年がかりのプロジェクトだ。

 最初に計画を聞いたときは、蔵の価値を考慮すれば1戸当たり7,000万円くらいするのではと考えていたが、それよりはるかに安くなった。完成した建物と蔵を見て、力が込められていることはすぐにわかった。感動すら覚えた。

 事業採算が心配でもあるのだが、結果的にこのプロジェクトは採算を度外視すべきだったし、仮に赤字になったとしても、それを補うに余りある財産を地域に残した。今後の蔵の利用いかんによっては地域のコミュニティの核になる可能性を秘めている。同社は年間2,000戸以上の戸建てを分譲しているが(27年度は2,074戸)、このうちの4戸ではない。お金には換算できない価値がある。

 さて、完成した建物はどうか。価格がもっとも高い6,780万円の住戸は「坪庭のある家」だ。外壁に大谷石の擬石を用い、リビングダイニングにはスギのデザイン壁を採用し、造りつけの黒檀のベンチ・収納を設置。同社オリジナルの塗り壁(侘び土)や収納建具の太鼓貼りなど伝統的な技法を採用。坪庭や窓から対面の蔵が見えるようにしている。少し年配の人向きか。

 「縁側のある家」(5,780万円)は、蔵の構造材として使われていた梁の古材を天井にアクセントとして張り、格子デザインを多用して和風住宅を演出している。

 「茶室のある家」(5,780万円)は記者がほれ込んだ住宅で、蔵の壁材として用いられてきた木材を削ってダイニングテーブルにしているのだが、これが赤光りして得も言われぬ趣がある。江戸の香りをかぐような気分になった。大胆な無垢のスギの格子デザインもいい。多目的に利用できる中2階のDENもある。

 「土間のある家」(5,480万円)は、洗い出し床と古材を壁面に用いた玄関・ホールがなかなかいい。リビングは若い世代向けに白を基調にしており、2階リビングは開放感がある。

 最後に蔵だが、古色蒼然とした趣がやはりいい。どのような用途にもあいそうだが、一番ぴったりなのは琴や笙、三味線の音などを生で聞きながら少人数で日本酒を飲むシーンではないか。あるいはまた、隣の小学校の子どもたち向けの校外学習にもぴったりだ。昔の人の知恵・工夫を肌で感じるに違いない。

 同社は今後、市やNPOなどと利用について協議していくという。そこで提案だ。同社は決算発表を兼ねた記者懇親会を毎年本社で行っているが、次回からはここに場所を移してはどうか。つまみなどいらない。ゆったりした雰囲気で中内晃次郎社長などと語り合いたい。

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蔵(1階)

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蔵(2階)

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蔵(2階の天井)

ポラス、蔵のある街づくりプロジェクト「ことのは 越ヶ谷」完了(2015/8/6)

 

 

 

 アキュラホームは3月30日、社員の出産、育児を支援する「しあわせ一時金制度」を2008年4月からスタートさせ、9年目を迎えた今年3月までに支給額が累計1億円に達したと発表した。

 「しあわせ一時金制度」は、従来の出産祝い金制度を大幅に見直し、1人目の出産時には30万円、2人目は50万円、3人目以降は1人につき100万円の出産祝い金を支給することにしているもの。

 お客様の住まいづくりで“しあわせ”な暮らしの手伝いをする同社社員も幸せであってほしいという、自らも4人の子宝に恵まれた同社社長・宮沢俊哉氏の思いも込められているという。

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 同社は社員(配偶者含む)がトータルで何人の子どもを産んだか公表していないが、支給額から推測すると百数十人に達すると思われる。宮沢社長が4人もお子さんがいるとは思わなかったが、昔は4~5人は普通だった(宮沢社長が〝昔の人〟と言っているわけじゃありません)。同社広報マンは3人のお子さんがいるそうで、宮沢社長からは「頑張って4人目を産め(もちろん産むのは奥さんだが)」とはっぱをかけられているそうだ。

 こんなことを書くと、「保育園落ちた。日本死ね!」の当事者や支持者に怒られるのかもしれないが、魔女狩りのように袋叩きする・される世の中が怖い。ただ「4人の子宝に恵まれた」という文言はプレス・リリースをそのまま引き写したのだが、子どもはコウノトリが運んでくるわけではないことは記者は5歳のころには知っていた。産む女性のことを考えたら(その痛みはしらないが)「恵まれた」などという表現は適当ではないかもしれない。

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「シティタワー国分寺ザ・ツイン」完成予想図

 住友不動産が分譲中の「シティタワー国分寺ザ・ツイン ウエスト」を見学した。JR国分寺駅直結の国分寺市が施行者になっている住・商・官一体型の市街地再開発事業の建物の保留床を同社が取得して分譲するもので、第1期70戸が即日完売したと同社が発表したマンションだ。

 物件は、JR中央本線国分寺駅から徒歩1分、国分寺市本町三丁目・二丁目に位置する36階建て「ウエスト」棟300戸と35階建て「イースト」棟284戸(地権者住戸30戸含む)の2棟合計584戸の規模。竣工予定は平成30年1月下旬(イースト)・2月下旬(ウエスト)。設計・施工は竹中工務店。

 今回分譲されているのは「ウエスト」で、専有面積は48.33~100.03㎡、第1期70戸の価格は7,400万~12,800万円台(専有面積56.99~80.03㎡)、坪単価は457万円。2期は5月分譲予定で、詳細は未定。

 最大の特徴は、国分寺市が施行する約2.1haの駅直結の「国分寺駅北口地区第一種市街地再開発事業」のシンボルともなるツインタワーマンションということだ。ウエスト棟の地階から4階までが店舗で、1~4Fには三越伊勢丹グループが出店することが決まっている。5階は公共公益施設。住戸部分は6階以上となる。建物は制振構造、柱や梁が出にくい「スーパーフレックスチューブ工法」を採用。

 モデルルーム(80㎡)は南西角の住戸。リビング手天井高2550ミリ、キッチンカウンタートップは御影石、ミストサウナが標準装備。ガラス手すりのバルコニーは奥行き1.9m。西方には富士山が展望できる。

 第1期の登録者の属性は、年齢が50歳台(約27%)、40歳台(約23%)、60歳台(約23%)、世帯人数は2人(約45%)、1人(約23%)、職業は会社役員(約24%)、医師・弁護士(約16%)、居住地は国分寺市(約49%)、小平市(約17%)。

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 再開発計画は総じてそうだが、ここも昭和50年代の半ばに再開発計画が発表されてから30数年が経過している。それだけに地元の関係者にとっては待ちに待った事業だ。駅前には広場も整備される計画で、商業施設が集積する駅南側と駅上施設がつながることになる。

 記者はずっと以前からいくらになるのだろうと思っていたが、今回分譲された第1期70戸はウエスト棟の上層階が中心で、坪単価457万円というのは納得だ。今後分譲される低層階はもう少し安くなるはずだが、販売担当者も「中央線で駅直結の立地、施設などを考えると価格はストライクソーン」と話していた。

 もう一つの魅力は「緑」と「学」だ。「緑」では国分寺崖線がすく近くに走っている。国分寺崖線を歩くと空気が違うのがわかる。「学」では東経大、早実、さらには国立の一橋大などもある。アッパーミドル・富裕層が住みたくなるのは十分わかる。

 同じ国分寺駅圏では三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス 国分寺緑邸」(82戸)と野村不動産「プラウド国分寺」(125戸)が分譲中だ。単価が全然異なるので競合はしないだろうが、それでも単価水準が高いことに変わりはない。中央線の駅近マンションの取得は普通のサラリーマンにとっては絶望的になってきた。

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モデルルーム

20haの森が借景 水琴窟も設置 三菱地所レジ「ザ・パークハウス 国分寺緑邸」(2016/1/29)

 

 

 

 

 東急リバブルは3月31日、売買仲介店舗「高円寺センター」(東京都杉並区)、「国立センター」(東京都国立市)、「白石センター」(北海道札幌市)、「仙台東口センター」(宮城県仙台市)、「瑞穂センター」(愛知県名古屋市)、「豊中センター」(大阪府豊中市)、「甲子園センター」(兵庫県西宮市)の7店舗を4月1日(金)に開設すると発表した。

 7店舗は駅前ロータリーや主要道路に面した視認性の高い立地に出店。各店舗周辺には既存マンションや戸建住宅など豊富なストックが形成されており、今後も売買需要が見込まれているエリア。

 今回の出店により、売買仲介と賃貸仲介をあわせた全国のリバブルネットワークは167カ所となる。

 総務省は先に平成27年度の「市町村税課税状況の調」を公表した。これは、平成26年度の納税義務者の所得に対する平成27年度の課税状況をまとめたもので、1年前の遅行指標ではあるが、なかなか興味深い内容を含んでいる。概観するとともに、安倍政権誕生前の平成23年度の課税状況と比較して、アベノミクス効果も探ってみた。

 ここでいう「納税義務者」とは、住民税の所得割額の課税対象になっている人のことで、①生活保護を受けている人②障害者・未成年者・寡婦又は寡夫で、前年中の合計所得金額が125万円以下(給与所得者の場合は年収204万4千円未満)の人などは含まれない(東京都23区の場合)。

 さて、数字を見てみよう。平成27年度の住民税納税義務者数は約5,587万人で、このうち課税標準額が1,000万円以上の人は約90万人(前年度比3.5%増)、全納税義務者に占める割合は1.7%(同0.1ポイント増)となり、所得割額は1兆1,263億円で、全体の16.3%を占めている。

 課税標準額とは、所得金額から社会保険などの所得控除・特別控除を差し引いた課税対象額で、「10万円以下」から「1,000万円以上」まで9段階に分けてデータが公表されている。「所得割」とは、所得金額に応じて所得の多い人ほど多くの負担をする市民税のことだ。

 課税標準額が1,000万円超の層は、アッパーミドル・富裕層ということがいえるが、ここでは「高所得層」と呼ぶことにする。

 この「高所得層」の山林所得、退職所得を含めた総所得額は20兆円だ。全体が178兆円だから、全体の11.4%の所得を得ている。

 不動産や骨とう品、ゴルフ会員権などの長期・短期譲渡所得額は4,792億円で、全体の13.5%を占めている。

 株式の譲渡所得は1兆193億円(前年度比50.2%減)で全体の55.1%に達している。前年より激減したのは、平成25年末で軽減税率が廃止されたことによるものとみられる。

 株式の譲渡所得と比べ不動産などの譲渡所得が意外と低い実態も浮かび上がる。ただ、昨年は億ションが飛ぶように売れており、相当の額が不動産投資に向けられたようだ。日経新聞によれば、2015年の銀行による不動産業向けの新規貸し出し額は約10兆6,730億円となり26年ぶりに過去最高となったように、富裕層マネーが「マイナス金利」導入を支援材料に株から不動産へ向かう可能性もありそうだ。

 ケタ違いの数値を示している「高所得層」だが、寄付金税額控除額は全体の49.1%を占めてはいるものの、金額的には58億円にとどまっている。米国と比べ比較にならないほど少ない。

 この原因として文化、税制の違い(わが国は総所得の40%が控除限度額)などが指摘されている。お金持ちが寄付をしたくなるような税制改革が必要かもしれない。

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 もう一つのテーマである、安倍政権誕生前と比べどうなったか。安倍政権が誕生したのは平成24年12月なので、その前年の平成23年度と比較した。

 23年度の「高所得層」は82万人(全体に占める割合は1.5%)だから、27年度は9.8%、8万人増加し、比率も0.2ポイント上昇している。

 総所得額はどうか。平成23年度は全体で172兆円であるのに対して、27年度は178兆円と6兆円増加。高所得層のそれは18兆471億円(同10.5%)から20兆2,850億円(同11.4%)と、こちらも額、比率とも増加している。

 株式の譲渡所得も23年度全体で8,549億円から27年度全体は1兆8,500億円へ増加。高所得層は4,902億円(同58.0%)から27年度は1兆193億円(同55.1%)と額では倍増している。

 所得割額は平成23年度全体の6.4兆円から27年度は6.9兆円へと増加しているが、高所得層のそれは9,904億円(同11.8%)から27年度は1兆1,263億円(同16.3%)へと増加している。

 寄付金の税額控除額も全体では23年度の18億円から118億円へと6.5倍も増加。高所得層も11億円から58億円へと増やした。

 この数値だけでは単純比較できないが、アッパーミドル・富裕層は3年間で10%近く増加しており、アベノミクス効果が表れているといえるかもしれない。

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 それでは、課税標準額が10万円未満の層はどうなったか。ここでは「低所得層」と呼ぶことにする。

 この層は、23年度が236万人(全体に占める割合は4.4%)で、27年度は235万人(同4.2%)だ。わずかだが人数、比率とも減少していることが分かる。

 「低所得層」の総所得金額は23年度の1兆6,375億円(同1.0%)から27年度は1兆4,939億円(同0.8%)へ、所得割額は23年の316億円(同0.5%)から27年度は459億円(同0.7%)へとそれぞれなっている。

 面白いのは株式の譲渡所得だ。23年度の譲渡所得は905億円(同10.6%)もあり、27年度は1,472億円(同8%)へ金額は実に63.4%増加している。この額は、課税標準額が400万~550万人の層(約304万人)の譲渡所得1,178億円より多く、「高所得層」を除く他のどの層も上回っている。つまり所得が低い〝不労所得者〟もたくさんいることをテータは裏付けている。

 一方で、厚労省の統計調査を見ると、直近の賃金データは低い数値で推移している。

 なので、アベノミクスは確実に「高所得層」を増やしており、所得格差は広がったといえるが、「低所得層」までまんべんなく潤しているかどうかは「市町村税課税状況の調」でははっきりしないということになりそうだ。見方によってはいかようにもとれる。

「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)2016)」表彰式.jpg
授賞式

 大和ハウス工業は3月29日、同社のスマートタウン「SMA×ECO TOWN(スマ・エコ タウン)晴美台」が一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会が主催する「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)2016」で「最優秀レジリエンス賞」を受賞したと発表した。

 「SMA×ECO TOWN晴美台」は、同社が大阪府堺市のプロポーザル「晴美台エコモデルタウン創出事業」に選定され、開発分譲した戸建住宅地。国土交通省が公募した「平成24年度(第1回)住宅・建築物省CO2先導事業」の住宅・建築物の新築事業(戸建住宅部門)にも採択されている。

 全戸建住宅(65戸)に太陽光発電システムや家庭用リチウムイオン蓄電池(6.2kWh)、大半の住戸にはコージェネレーションシステムなどを搭載。まちの共用部である集会所においてもエネルギー自給の仕組みを構築するなど、平常時の環境配慮とともに、災害時のエネルギー供給に対するバックアップ機能を備えている。

  同物件は、これまでも「第10回エコプロダクツ大賞エコプロダクツ部門国土交通大臣賞」など4つの受賞歴がある。

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「3×3 Lab Future オープニングシンポジウム 第4回『国産材の活用を考える』」(大手門タワー・JXビルで)

 三菱地所が3月25日行った「3×3 Lab Future オープニングシンポジウム 第4回『国産材の活用を考える』」を取材した。森林・林業の再生・活性化は喫緊の課題であり、単に再生・活性化の活動を支援するCSR(Corporate Social Responsibility)にとどまらず、新たな価値創造に結び付けていくCSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)の視点に共感を覚えた。会場は約80名の参加者で満席となり、木で造られた建具・家具や壁材のやさしい香りが漂った。

 「3×3 Lab Future」は、昨年末に竣工した同社とJXホールディングスの共同ビル「大手門タワー・JXビル」1階部分に設けられた施設で、「経済」「社会」「環境」のテーマを通じて幅広く交流しビジネスを創発するための「サードプレイス」を提供するのが目的。次世代環境技術や丸の内エリアの様々な取り組みも展示・発信していく。ビルは「CASBEE」Sランク相当。

 シンポジウムでは、慶大特任教授・小林光氏(元環境省環境事務次官)、日本総合研究所 創発開発センター マネージャー・井上岳一氏、筑波大教授・安藤邦廣氏がそれぞれの立場から講話した。また、「森林CSVを意識した、マンション住戸内の小屋づくり」をテーマに、NPOえがおつなげて代表・曽根原久司氏、三菱地所 環境・CSR推進部主事・見立坂大輔氏、三菱地所レジデンス商品企画部グループ長・岡崎新太郎氏がトークセッションを行った。

 トークセッションでは、同社グループが開発した商品「箱の間」が公開された。「箱の間」は国産木材で造られた横1735ミリ、奥行き755ミリ、高さ1600ミリの建築と家具の間のようなもので、リビングなどに設置し、仕切ったり、囲んだりと間取りに変化を持たせることができ、住まいに新しい居場所をつくることのできる商品。ライフステージに合わせ変更できるのが特徴。

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国産材を用いた間仕切り壁

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 「箱の間」は面白い商品だ。女の子はしらないが、記者も小さいころは押入れ、屋根裏、床下、蔵、小屋、トンネル、段ボール、藁山…とにかく狭いところや穴に潜り込んで遊んだ。安倍公房「箱男」を夢中で読んでこともある。

 最近、コスモスイニシアがリノベーションマンション「東林間」で、モデルルームに「箱の間」と同じような「リトルテーマパーク、が楽しい家」を提案していた。

 曽根原氏はここでも〝モリモリ〟体操で座を和らげていた。

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「箱の間」

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 3氏の講話は非常に参考になった。小林氏は「スギの学名Cryptomeria japonicaは〝日本の隠れた財産〟という意味なのに使われなくなった。川上から川中、川下までのバリューチェーンがない。建前論ばかりで、地道なことやる人材もいない。緑、竹林が家を飲み込み始めている。風景が壊れていく」などとわが国の森林・林業の現状を憂い、「木のファンを増やすには森のファンを増やすのが近道」とし、〝森の国〟オーストリアに学ぶべきと締めた。

 井上氏の話も面白かった。「子どもを森に連れていったら、妻とも仲が良くなった」と笑わせながら、人と森をつなげようと呼びかけた。井上氏は林野庁にも勤めていたことがあるとのことだが、このような〝役人らしくない〟人こそもっとも林野行政に必要ではないか。辞めた理由はしらないが、国はもったいないことをした。

 安藤氏は、わが国古来の「板倉構法」を紹介した。「木を太く厚くあらわしで使う」「鎮守の森の言葉があるように、森は守るもの」「林ははやして使え」「木造建築は100年持つ」「スギで環境をつくれる」「一反歩(1000㎡)あれば家は建てられる」など魅力的なフレーズを連発しながら、「大臣認定を取得したから、防火地域でも木造は可能。みんな買える価格にしたい」と語った。

 三菱地所・杉山博孝社長はインタビュー記事で「多くの人々が暮らし 、働く『 まち』をデザインし、マネジメントするという仕事は、本質的にCSV(共通価値の創造)であると認識しています」と話している。社員にも檄を飛ばしているようだ。確かにCSVは無限の可能性を秘めていると思う。「3×3 Lab Future」がいつか大輪を咲かすのに期待したい。

〝ケロ、ケロ、ケロ〟カエルも歓迎 三菱地所・空土プロジェクト田植えツアー(2015/6/3)

「ザ・パークハウス西新宿タワー60」 “しいたけマンションにしよう”と提案(2015/5/4)

三菱地所グループ「空と土プロジェクト」体験ツアーに同行取材(2012/10/29)

 

 

 

 

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「ザ・パークハウス 新宿御苑」完成予想図

 三菱地所レジデンスが4月下旬に分譲する「ザ・パークハウス 新宿御苑」を見学した。新宿御苑前駅から徒歩1分で、敷地南側の道路を挟んで新宿御苑に隣接する希少物件だ。

 物件は、東京メトロ丸ノ内線新宿御苑前駅から徒歩1分、新宿区新宿2丁目に位置する14階建て全52戸。専有面積は55.46~100.63㎡、予定価格は6,000万円台~26,000万円台(1000万円単位)。竣工予定は平成29年9月上旬。施工は日本国土開発。

 現地は新宿御苑駅すぐで、目の前が新宿御苑。建物はコの字型で、東南角住戸(100㎡)、南西角住戸(80㎡)、北西角住戸(55㎡)、北東角住戸(75㎡)の1フロア4戸構成。新宿御苑が見下ろせる東南角住戸と南西角住戸は御苑の景観を重視して南側の窓はFIXであるのが特徴。11階以上の住戸の天井高は2800ミリ。それ以下の住戸は2600ミリ。

 これまで約300件の来場予約が入っており、向こう1カ月先まですべて満席。

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 新宿御苑に隣接・近接するマンションでは、野村不動産の「プラウド新宿御苑エンパイア」(93戸)と「ヒルズ新宿御苑」(46戸)が思い出される。双方とも人気になった。

 今回のマンションは、野村不動産が建設を予定している駅直結の「プレミアム・ミッドサイズ・オフィス(PMO)」に隣接。駅出入り口からエントランスまで数十秒だろう。

 単価は南側と北側では当然のことながらかなり開きがあり、平均単価では価値が測れないマンションだ。東南角住戸は坪500万円をはるかに突破し、600万円くらいが平均になるのではないか。

 南側をFIX窓にしたのは「景観を重視したため」ということらしい。サッシは床から15㎝上げている。設備仕様はもちろん億ション仕様だ。

 それにしても昨年末から〝パーク・ビュー〟のマンションをたくさん見学してきた。野村不動産「木場公園」、三井不動産レジデンシャル「赤坂檜町」、住友不動産「四谷」、三菱地所レジデンス「国分寺」だ。

〝民設民営〟の公園内マンションもあっていいはずだが…。

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モデルルーム

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同社デザインマネジメント室長・見月伸一氏(中央)ら受賞プロジェクトメンバー

 三井デザインテックは3月24日、マレーシア・クアラルンプールで開催された「マレーシア国際家具見本市(MIFF)2016」(主催=UBMマレーシア)に初めて参加し、優れた出展ブースを表彰する「ベストプレゼンテーション賞」のコンテストで、世界14カ国・約500社の出店中で第2位を受賞したと発表した。

 同見本市は3月1日~5日まで行われ、同社は〝ESSENCE OF JAPAN〟をテーマに、日本の暮らしのエッセンスを空間や家具で表現した日本企業ブースを総合プロデュース。商品を引き立たせるブース構成や日本のデザイン、クオリティの高さを表現したことが評価された。

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「プレミスト白金台」完成予想図

 「地価公示日本一」の「プレミスト六番町」の陰に隠れてしまいそうだが、大和ハウス工業「プレミスト白金台」もまたなかなか意欲的な物件だ。

 物件は、東京メトロ南北線白金台駅から徒歩1分、港区白金台三丁目に位置する12階建て全33戸(非分譲住戸3戸含む)。普通借地権分譲で、専有面積は75.24~90.24㎡、価格は未定だが坪単価は600万円~700万円。竣工予定は平成29年3月上旬。施工はフジタ。販売代理は三井不動産レジデンシャル。デザイン監修は内井昭蔵建築設計事務所のアソシエイトであった向井裕氏と宮澤俊一氏のデザイン・ファーム合同会社。

 現地は、敷地南側に位置する345年の歴史を持つ土地所有者の瑞聖寺に隣接。眼下に瑞聖寺の緑が眺められる。

 建物は1フロア3戸構成で、プランは中住戸の75㎡と角住戸の90㎡のプランからもわかるようにシンメトリーなのが特徴。目黒通りに面した北側は、植栽ユニットを積み上げ、緑と調和する深みのあるせっき質タイルを採用。さらに建物のセンタラインとバルコニー手すりは樹木をモチーフにしたアルキャスト(鋳物パネル)で演出している。

 内外装は、近接する旧朝香宮邸(東京都庭園美術館)のアール・デコ建築様式を取り込んでいるのが大きな特徴。エントランス・ホールには高度な技術が必要で、できる職人がほとんどいないという左官仕上げの版築壁を採用。エントランス床には那須野石や樹齢70年のエノキのベンチアートを配置。専有部分もアール・デコの様式をふんだんに用いている。

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部屋からの眺望

「地価公示日本一」六番町にフェルメールを見た 大和ハウスが億ション(2016/3/14)

 

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