コスモスイニシアが書籍「住まい選びの新基準」出版

住まい選びの新基準」
コスモスイニシアが書籍「住まい選びの新基準」(A4版、96ページ/1,200円+税、発売:幻冬舎)を出版、7月30日から都内の主要書店とAmazonで販売する。
従来の住宅に関するハウツー本とやや趣が異なり、消費者の住まいに対する「感性的価値観」や「すごし方」にフォーカスした住まい(空間)づくりを重視した内容になっているのが特徴で、写真やイラストを多用し、「楽しさ」「心地よさ」「自分らしさ」の要素を取り入れた新しい評価基準を提示している。建築家の光嶋裕介氏の特別コラムも収録されている。
◇ ◆ ◇
記者がマンションのモデルルームを見学する際にもっとも重視するのはデザインだ。それは単なる意匠デザインだけでなく、人と環境にやさしいユニバーサルデザインであり、空間提案であり素材感などの総合的な美しさである。一言でいえば「価格に見合う価値」があるかどうかだ。
その意味で、この書籍は記者の視点に相通じるものがある。交通便とか広さとか設備仕様など数値化できる要素以外のデザインの重要性が全編に満ちている。同社が分譲したマンションや一戸建ての写真などもたくさん登場している。
しかし、「コスモスイニシア」そのものが現われるのは巻末のグッドデザイン賞受賞作くらいで、PR臭さは極力抑えられており、たくさん出版されている企業出版物とはやや趣が異なる。
だからこそ余計に同社のものづくり-商品企画へのこだわりが消費者にもわかりやすく伝わるのではないか。
書籍の詳細・申し込みはアマゾンhttps://www.amazon.co.jp/へ。
大和リビング 9棟目のサービス付き高齢者向け住宅「東大宮」にオープン

「D-Festa(ディーフェスタ)東大宮」
大和ハウスグループの大和リビングは8月1日、埼玉県さいたま市見沼区のサービス付き高齢者向け住宅「D-Festa(ディーフェスタ)東大宮」(地上3階建、48戸)をオープンする。
「D-Festa東大宮」は、大和ハウス工業が設計・施工を行い、大和リビングマネジメントが事業主体として一括して借上げ、大和リビングが管理業務を受託する。運営業務はやさしい手に委託する。
また、1階に「やさしい手東大宮巡回訪問介護事業所」を併設し、周辺地域の居住者にも介護サービスを提案し、地域包括ケアシステムの拠点として機能強化を図っていく。さらに、隣接している「ゆめふる東大宮(通所介護事業所)」と「看多機かえりえ東大宮(看護小規模多機能型居宅介護)」が10月にオープン予定。サ高住に住みながら看護多機能型居宅介護を利用することができる。
同社が事業主体となるサ高住は2014年にオープンした第一弾「D-Festa(ディーフェスタ)日野」をはじめ今回が9棟目(442戸)。
物件は、JR宇都宮線(東北本線)東大宮駅から徒歩9 分、さいたま市見沼区東大宮二丁目に位置する鉄骨造3 階建て全48戸。居室面積は18.00㎡、18.60㎡。居室に風呂、キッチンはついていない。共同利用施設は食堂、浴室、トイレ、洗濯室、談話室、図書室など。
月額賃料は59,000円、共益費は25,000円、生活支援サービス費は23,760円、食事サービス費は48,600円。合計月額費用は156,360円。10戸の入居が決まっている。

居室 モデルルーム

食堂
住友不動産 一戸建て・マンションのリフォーム総合展示場「武蔵小杉」に開設

「CITY HOUSE STYLE」
住友不動産は7月30日、一戸建てからマンションの丸ごとリフォーム、水回りなどの部分リフォーム、インテリアショールームまで住まいのリフォームに関する総合展示場「武蔵小杉リフォームギャラリー」をオープンする。
同社はこれまでマンションや一戸建てのリフォームに関する展示場は六本木、新宿、あざみ野で展開しているが、インテリアを含めた総合展示場は初めて。
マンションは中原区を中心に周辺4区の築20年以上のマンション約3,400戸、旧耐震の戸建て約5万戸が主な対象。
マンションは、同社の〝シティハウス〟シリーズのハイエンドリフォーム「CITY HOUSE STYLE」やスケルトンリフォームを提案していく。スケルトンリフォームの場合、約68㎡で価格は約1,086万円。戸建ては劣化診断やオーダーメイドリフォームを提案する。
年間成約目標はマンションが80戸、一戸建てが60棟。不動産流通会社の住友不動産販売とも連携を図っていく。
施設はJR横須賀線・東急東横線・目黒線武蔵小杉駅から徒歩5分、JR南武線武蔵小杉駅から徒歩8分、神奈川県川崎市中原区市ノ坪449-3シティタワー武蔵小杉1F。面積は355.46㎡(107.53坪)。戸建てとマンションの両方に対応したモデルルームも設置している。
受付時間は9:00~18:00。問い合わせは一戸建てが0120-001-398、マンションが0120-723-244。

完成モデル

耐震模型・断熱施工
.
東急不動産 大船駅前の再開発事業マンション253戸など権利変換計画が認可

「大船駅北第二地区第一種市街地再開発事業」完成予想図
東急不動産は7月26日、同社が事業参画している大船駅北第二地区市街地再開発組合の「大船駅北第二地区第一種市街地再開発事業」の権利変換計画の認可を受けたと発表した。
同事業は1999年に再開発準備組合が設立され、商業施設や住宅、駅前広場を中心とした大船駅前の再開発の検討が進められてきた。計画では、2階にペデストリアンデッキを設けることで大船駅と徒歩1分で結ぶ。
施行区域は約1.7ha、敷地面積は約8,800㎡、21階建て延べ床面積は約6.5ha。住宅は253戸が計画されている。販売開始は2018年3月。竣工予定は2020年12月。
三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス大宮」第1期72戸が即日完売

「ザ・パークハウス大宮」完成予想図
三菱地所レジデンスは7月26日、「ザ・パークハウス大宮」(全89戸)の第一期72戸が7月24日抽選の結果、最高倍率4倍で即日完売したと発表した。
大宮駅西口から徒歩5分の土地区画整理地内に立地し、価格は4,668万~15,018万円(最多価格帯6,300万円台)、専有面積57.00~120.93㎡。坪単価は293万円。住戸内の二重床下地合板にFSC認証木材を採用し、地元ブランド建材「西川材」をラウンジ・ホワイエの天井・壁面・本棚に使用している。
2月21日の物件ホームページ開設以降、約1,300件の問い合わせがあり、5月21日からのモデルルーム来場者は約300件。
◇ ◆ ◇
場所はおおよそ見当がつく。もうずいぶん昔だが、かといってそんな昔でもない。あるデベロッパーが近くでマンションを分譲した。坪単価は200万円をはるかに下回る160万円くらいだったと記憶しているが、完売するまでずいぶん時間がかかった。それより坪単価は2倍近くだ。
先に同社が分譲した「ザ・パークハウス浦和タワー」は330万円台の半ばだった。大宮も300万円の大台に乗るということか。

ラウンジ
三井不など 山手線で「リオ2016オリ・パラがんばれ!ニッポン!®号」運行

電車内イメージ
三井不動産などJOC・JPCゴールドパートナー全15社は8月1日~9月15日、日本オリンピック委員会(JOC)、日本障がい者スポーツ協会日本パラリンピック委員会(JPC)とともに、JR山手線で「リオ2016オリンピック・パラリンピックがんばれ!ニッポン!®号」を運行し、リオデジャネイロ2016オリンピック・パラリンピック日本代表選手団を応援する。
「がんばれ!ニッポン!®」をテーマに、山手線の車両の中を日本代表選手団のグラフィックで彩り、電車内のフロア(床)には競技フィールドのイメージを施し、中づり・まど上にはJOC・JPCの協力により選手の写真などを掲出。オリンピック・パラリンピックの臨場感を乗客に提供する。
JOC・JPCゴールドパートナーには、住宅・不動産業界からは三井不動産が選ばれている。
野村不動産「プラウド国分寺」 国分寺崖線の既存樹を残し市民に一部開放

「プラウド国分寺」完成予想図
野村不動産が分譲中の「プラウド国分寺」を見学した。駅から徒歩5分の駅近マンションもさることながら、現地は国分寺崖線区域内にあるため敷地のほぼ3分の1に当たるエリアを「保存林」として残し、一部を提供公園と共に一般に開放するマスタープランが素晴らしい。地域とのコミュニティにも配慮している計画が評価され、建物の絶対高さ制限24.56mが約1フロア分(4.5m)緩和されている。
物件は、中央線国分寺駅から徒歩5分、国分寺市南町1丁目に位置する敷地面積約8,000㎡の8階建て地下1階建て全125戸。9月分譲予定の第2期4次(戸数未定)の専有面積は71.13~87.66㎡。坪単価は320万円弱。竣工予定は平成28年9月下旬。施工は西武建設。デザイン監修は板倉建築研究所。
現地は、国分寺崖線区域に位置する敷地北側に中央線の線路があり、敷地南側の道路面まで比高差にして10mくらいある傾斜地。建物は4棟構成で、3階の共用廊下と「保存林」として残した緑地がブリッジでつながっている。
各住戸の設備仕様は、同社の他の〝プラウド〟仕様とほぼ同じで、キッチン・洗面カウンタートップは御影石、ディスポーザ、食洗機などが標準装備。全住戸がオープンポーチ付きで、専用庭付きタイプもある。
今回の生物多様性保全の取り組みが評価されて、「ABINC(一般社団法人いきもの共生事業推進協議会:エイビンク)」の「いきもの共生事業所認証」を取得している。

◇ ◆ ◇
このマンションの最大の特徴は、国分寺崖線区域内にあるため国分寺市のまちづくり条例をクリアしたうえで、敷地北側にある、面積としては約3分の1を占める「保存林」の高木既存樹約80本を残し、約670㎡の提供公園と共に地域住民に公開することだ。このため緑地率を約44%確保している。
記者は工事関係者の了解を得て「保存林」まで歩いた。道路との比高差にして10mくらいはあっただろうか。丘の上には見事なケヤキ、コナラ、シラカシ、クヌギなどの武蔵野をしのばせる高木が何本も植わっており、舗道も整備されていた。
計画によると「保存林」すべてが住民に公開されるわけではなく、セキュリティをかけて居住者専用のプライベートゾーンも設置するようだ。「保存林」とは居住棟の3階の共用廊下からブリッジでつながれており、3割くらいの住戸から北側の「保存林」を借景として取り込むことができるプランになっている。
「保存林」の管理は管理組合が行っていくことになるが、市の「保存樹林」として指定され、固定資産税と都市計画税の8割相当額を奨励金として交付されることになっている。
また、マンションの集会室は、一般も利用できるカフェスペースとして運営されることになっている。
細かな点だが、擁壁を緑化ブロックとし、バルコニー手すりは下部がアルミルーバーで上部はガラスを採用し、現地から採取した土を釉薬に配合したオリジナルタイルを用い、エントランス部分に有孔タイルを配したりしているデザインもいい。さすが野村、板倉建築というべきか。

「保存林」完成予想図
住友不 小金井カントリーを眼下 「シティテラス小金井公園」は坪215万円

「シティテラス小金井公園」完成予想図
住友不動産が9月に分譲する小平市の大規模マンション「シティテラス小金井公園」を見学した。NTT社宅跡地で敷地面積は約3.2ha、全922戸の規模。名門小金井カントリー倶楽部と都内有数の小金井公園に隣接・近接。単価設定は約215万円で割安感がある。消費者がどのような反応を見せるか。
物件は、JR中央本線武蔵小金井駅からバス6分徒歩4分(シャトルバスで約7分)、または西武鉄道新宿線花小金井駅から徒歩8分、小平市花小金井南町一丁目に位置する敷地面積約3.2haの9階建て全922戸。専有面積は63.71~88.51㎡、中心価格帯は4,200万円台(70.79㎡)の予定。竣工予定は平成30年1月下旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。
現地はNTT社宅跡地。同社が取得したのは9年くらい前で、業界からずっと注目されていた物件。目の前に50haの名門小金井カントリークラブのコースが広がり、隣接して約80haの小金井公園がある。
建物は全8棟で、敷地南側と南東のゴルフ場・公園に面しているのはそのうちの3棟(もう1棟は近接)。17の共用施設が整備されるほか、武蔵小金井駅直行のシャトルバスが運行されるのが大きな特徴。
専有部の設備仕様は食洗機、ディスポーザ、ミストサウナなどが標準装備。バルコニー側だけでなく、共用廊下側もガラスが採用されているのは同社初。
これまで約1,600件の問い合わせがあり、うち5割以上が地元・隣接市以外からで広域からの反響も多い。
◇ ◆ ◇
いったいいくらで販売するのだろうと以前から注目していた。バス便だが中央線の武蔵小金井駅圏のマンションの相場からすれば坪単価215万円(ゴルフ場に面した住戸も230万円くらいだそうだ)は相当安いと言えそうだ。西武線花小金井駅圏の物件としては相場並みかもしれないが、小金井カントリーに隣接している立地条件を考慮すればやはり割安か。分譲開始の2カ月も前から予定価格を発表したのは、第一次取得層の需要を喚起しようという戦略だろう。
さて、この小金井カントリーだが、バブルの頃、ここでプレーしたことを自慢していた不動産業者は結構いた。もちろん記者はどのようなゴルフ場なのかは全然知らない。
ネットで調べたら、同倶楽部は昭和12年にオープン。ジャック・ニクラウス、アーノルド・パーマー、ゲーリー・プレーヤーなども訪れている。理事長には故・倉田主税氏、故・永野重雄氏などが務めている。現在の会員権相場は4,000万円(審査あり、女性は不可)。ゲストの利用料金は3~4万円だが、35歳未満の男性、20歳未満の女性は利用できず、色彩も含め倶楽部に相応しくない服装は不可、携帯電話はマナーモードに設定することが義務付けられている。
ゴルフ場に面した住戸からは望遠鏡があればプレーする著名人を見ることができるかもしれない、そんなマンションだ。
お金があっても審査があるのでゴルフ会員権は買えないだろうが、日常的に小金井公園が利用できる価値はいったいいくらになるか。相当の価値があるはずだ。公園を歩くと体感温度は2度くらい下がるのではないか。

ナイス 宮城でわが国初CLTとRCの混構造施設/南三陸町では隈氏設計の交流拠点着工

「仙台物流センター」完成予想図
ナイスは7月21日、東日本大震災で6メートル超の大津波により壊滅的な被害を受け、震災後は仮設事務所で業務を行っていた仙台物流センター(宮城県多賀城市)の事務所棟をCLT(直交集成板)と鉄筋コンクリート(RC)造との日本初のハイブリッド構造で着工し、また、建築家の隈研吾氏が設計を手掛ける「南三陸町志津川地区観光交流拠点新築工事」の施工を地元建設会社と共同企業体で受注し、着工したと発表した。
仙台物流センターはコア部分となる階段室をRC造に、壁や床、天井に復興のシンボルとなるよう宮城県産のスギ材を用いた県初となるCLTを採用。平面上での混構造は日本初となる。CLTの断面を内装に生かし、木質感あふれる空間を演出するため、木質系断熱材による外断熱工法とし、接合部には引きボルトを使わずに外部の側面からプレートで固定する工法を新たに考案。同工事を通じてCLTとRCとの組み合わせ技術を検証し、CLTの普及に貢献していく。
仙台物流センター事務所棟は、宮城県多賀城市宮内に位置する木造(CLT)+鉄筋コンクリート造2階建て。延べ床面積356.70㎡。同計画は林野庁「CLT等新たな製品・技術活用建築物実証事業」及び宮城県「森林整備加速化・森林再生事業」に採択されている。
同社は、東日本大震災直後から1,088戸の応急仮設住宅の建設に携わり、2014年7月には日本最大規模となる約3,000㎡の木造建築による宮城県南三陸町の特別養護老人ホーム「慈恵園」を供給している。

南三陸町志津川地区観光交流拠点完成イメージ(画像提供:隈研吾建築都市設計事務所)
週刊住宅「首都圏優秀マンション表彰」 応募が激減 評価方法にも一因
週刊住宅新聞社が2015年度「首都圏優秀マンション表彰」を発表した。最優秀賞に東京建物他「Brillia Towers目黒」が選ばれたほか、都心大規模、都心中規模、都心小規模、近郊・郊外大規模、近郊・郊外中規模、近郊・郊外小規模の6部門のそれぞれベスト3が発表された。
三井不動産レジデンシャル「パークコート赤坂檜町ザ タワー」も「目黒」と同じ評価点82点だったが、「マーケットをけん引」したことが評価されて「目黒」が最優秀賞を獲得した。
「目黒」が選ばれるのは予想されたことで、記者も異論はない。記者は「2015年ベスト3マンション」にこの2物件を選定している。(東建が2013年に分譲した「Brillia Tower池袋」がノミネートもされなかったのがいまだに不思議)
それより気になったのは応募数の少なさだ。今回の応募数は12社34物件だという。都心大規模、都心中規模、都心小規模、近郊・郊外大規模、近郊・郊外中規模、近郊・郊外小規模の6部門でそれぞれベスト3が発表されたが、企業数はほとんど大手ばかりの7社(JVは幹事のみ)しかない。
マンション市場が縮小する一方で、大手の寡占化が進行している結果ともいえるが、これはいかにも寂しい。2009年の第1回の応募数は92点だったので、ほぼ3分の1に減少した。
どうして応募数が激減し、大手の物件ばかりが並ぶのか。これは以前にも指摘したことがあるが、はっきり言えば選定方法に問題がある。
不動産の特性は代替えがないという唯一性にある。デベロッパーはその土地の価値をどう最大限に引き出すか、コンセプトを明確にし、ターゲットをどう絞り込むかどう需要を引き出すかが問われる。一言でいえば商品企画力だ。
だから、都心大規模、都心中規模、都心小規模、近郊・郊外大規模、近郊・郊外中規模、近郊・郊外小規模といった部門に分けるのはあまり意味がない。
部門分けもそうだし、基礎点の配分も問題がある。「立地」「構造」「共用部」「住環境」などが基本になっているが、これだと中小規模より大規模のほうが、駅から遠い物件より近い物件の評点が高くなる。偏差値教育と一緒だ。
そうなると資金力がある大手物件が上位にランクされ、中小デベロッパーの物件がノミネートされなくなるのは当然だ。
いかにこの評点主義に問題があるか。一例を挙げる。かつて、ヒューマンランドが東横線日吉で分譲した物件がある。バス便でしかも北傾斜。近接するマンションは竣工してから1年以上が経過しても売れなかったように〝必敗パターン〟のマンションだったが、ライトコートを多用することで居室に光と風を取り込む商品企画がヒットした。この物件を週刊住宅の評価方法で評価すれば、「立地」はゼロ点だろうが、事業性・商品企画は10点満点だ。それでも足して2で割れば総合点は5点にしかならない。
せっかくの表彰制度なのだから、中小デベロッパーの優れた物件を顕彰する意味で、別の視点から評価する方法もあるのではないかと思う。
今回でいえば、「週刊住宅新聞社賞」の総合地所「ルネ蘇我ディアパーク」なのかもしれないが、「蘇我」がどうして選ばれるのか理解できない。「蘇我」が劣っているという意味ではない。「蘇我」が選ばれるなら、同じように対象となる物件は少なくとも数十物件はある。
「評価委員特別賞」の大和ハウス他「プレミスト高尾サクラシティ」もよくわからない。「近郊・郊外大規模」でベスト3に選ばれた三井不動産レジデンシャル他「パークシティ武蔵小杉ザ ガーテン タワーズイースト」、住友不動産「シティタワー国分寺ザ。ツイン」、三菱地所レジデンス他「ザ・パークハウス千歳烏山グローリオ」より評点が少なかったともとれる。コンセプト、ターゲットが異なる物件を同じ土俵の上で戦わせるからこのような結果になる。
今回表彰された7社以外で意欲的な物件を供給している注目すべきデベロッパーを列挙すればコスモスイニシア、大成有楽不動産、モリモト、フージャースコーポレーション、伊藤忠都市開発、NTT都市開発、アパ(記者は「代官山」の取材を拒否されたが)などがあるし、最近では西鉄の「ブラントン日本橋小伝馬町」に驚愕した。
評点評価を改めれば表彰制度も広く認知され、ノミネートされる物件も増えるはずだ。
記者が選んだ2015年「話題のマンション33物件」(2015/12/28)

