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 三井不動産レジデンシャルは6月7日、分譲マンション事業における杭施工不良に関する再発防止策を発表した。

 横浜市都筑区で分譲したマンションで杭の一部に不具合が判明したことを踏まえ、売主としての責任を果たし、お客様からの信頼を回復するため、同社単独事業の分譲マンションでの杭施工に関する再発防止策を実施するもの。

 具体的には、売主責任を果たすため「施工者が適切に施工し管理すること」「監理者が施工者の施工状況・管理状況を適時確認すること」が確実に実施され、万一不具合が発生した場合でも早期発見し対応できるように、施工者および監理者の現場立会の強化を求めるとともに、第三者による施工状況の立会確認も新たに実施する。

 また、施工過程を把握できる施工記録が適切に作成、保存されるように施工者および監理者による確認の強化も求めていく。

 同社は6月30日を期限に、都筑区のマンションの施工不具合について建基法に基づく報告を横浜市に提出することになっている。

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 「第三者による立ち合い確認」を実施することに驚いた。再発防止に施工者や監理者が適正に施工、監理するのは当然だが、第三者が立ち合い確認をするというようなことは聞いたことがない。同社がマンション施工の「安心・安全」の取り組みに大きく前進したのは間違いない。同業他社に波及するのは必至だ。

 この第三者はその物件の施工監理に関わる監理者ではないが、同社では性能評価機関を考えているようだ。いま話題になっている「第三者」とは全然異なるのはいうまでもない。

 

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「グランコスモ武蔵浦和」

 コスモスイニシアは6月7日、アクティブシニア向け第1弾分譲マンション「グランコスモ武蔵浦和」が竣工したのに伴うマスコミ向けの見学会を行った。武蔵浦和駅前の複合再開発「武蔵浦和SKY&GARDEN」(全776戸)の一角にあり、全160戸のうち120戸が契約済み。分譲単価がファミリー向けより約16%高いにも関わらず、大浴場・レストラン付き、共用施設の充実、24時間見守り・コミュニティ支援サービスなどが支持された。同社は今後も積極的に展開していく。

 物件は、JR埼京線・武蔵野線武蔵浦和駅から徒歩4分の13階建て全160戸。専有面積は44.00~73.54㎡。現在分譲中の住戸(28戸)の価格は3,398万~5,938万円。坪単価は255万円。設計は久米設計一級建築士事務所。施工は清水建設。

 見学会で事業説明した同社執行役員でコスモスライフサポート社長・藤岡英樹氏は、「1LDKと2LDKの比率を60:40%にしたが、契約者も1人入居が59%、夫婦2人とその他で41%となるなど想定通り。夫婦の場合は、契約を渋る男性を奥さんが説き伏せて契約するケースが目立った。現在、大和ハウスを中心に10数件の複合案件の引き合いがあり、積極的に展開していく」と語った。

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エントランスホール

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大浴場(左)とレストラン

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 所有権付きのアクティブシニア向けマンションは、首都圏ではフージャースコーポレーションやダイヤモンド地所が展開中だが、これらはどちらかといえば郊外型で、今回の同社の物件は利便性が高いエリアでの分譲であるため、同業からの関心も高かった。

 新日鉄興和不動産などのファミリー向け616戸(非分譲15戸含む)の坪単価は220万円(西向きは210万円)であるのに対し、アクティブシニア向けは西向きで255万円とかなりの単価差があったが、売れ行きは前者が520件超(3月末)に対して後者は120件。単価の高いのは全くハンディにならなかった。 

 しかも、管理費・修繕積立金、サービス費の合計が52,500円~73,000円(1人入居)かかるにも関わらず、現金購入が約8割に達するなど、資金的に余裕のある人の購入が目立った。購入者の現居住地もさいたま市と埼玉県が60%であるのに対し、東京都が20%、神奈川・千葉県が10%、その他が10%に上るなど広域からの購入も多い。

 ただ、隣のファミリー向けとの親子近居は数件にとどまっており、新日鉄側とコスモスイニシアが当初から連携して販売していたらまた違った結果が出たと思われる。

 売れ行きが好調に推移し、またフージャースの「柏の葉」もファミリー向けより坪30万円近く高いにもかかわらず好調な売れ行きを見せており、参入機会をうかがっているデベロッパーを勇気づけるかもしれない。有料老人ホーム、サ高住などとともにユーザーの選択肢が増えることはいいことだ。

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ラウンジ

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 開業したレストランのメニューの安さにびっくりした。セルフサービスだがカツドンが350円、かけそばが210円、カレーが330円、コーヒーが100円(このコーヒーはおいしかった)、ビールが280円。廊下にある自販機のVolvicは90円だった。

 各フロアに設けられていたラウンジの広さは全体で住戸10戸分もあった。麻雀室では男性1組に対して、女性2組が楽しそうにゆっくりと牌を並べていた。大浴場は旅館並みで、これを利用すれば、風呂代として月額1万円はかかるという自宅の電気・ガス・水道代を浮かせると思った。自宅の風呂に入らなければ掃除もしなくて済む。

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麻雀室

「ららぽーと」に隣接 シニア向け「デュオセーヌ柏の葉キャンパス」坪単価230万円でも人気(2016/5/2)

 

 

 

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「ONE AVENUE(ワンアベニュー)一番町文人通り」完成予想図

 旭化成不動産レジデンスは6月7日、千代田区一番町の建て替えマンション「ONE AVENUE(ワンアベニュー)一番町文人通り」のモデルルームを報道陣に公開した。江戸時代に幕府の旗本の屋敷町が置かれた「番町」エリアの中でももっとも地位が高い「一番町」に立地する「ホーマットカヤ」の建て替え事業。設備仕様レベルが高く、上階からは千鳥ヶ淵の緑が見渡せることなどからオールド・リッチを中心に人気を集めそうだ。

 物件は、東京メトロ半蔵門線半蔵門駅から徒歩5分、千代田区一番町20に位置する14階建て全32戸(事業協力者住戸10戸含む)。専有面積は94.68~170.66㎡、価格は未定だが、坪単価は800万円前後の予定。設計はアーキサイトメビウス。施工は松井建設。引渡し予定は平成30年5月下旬。販売開始は平成28年6月下旬。

 現地は、明治・大正・昭和にかけて多くの文化人たちに愛された「番町文人通り」に面する立地。隣接地は串田孫一の居住跡で、通りには与謝野鉄幹・晶子、有島武郎、菊池寛、泉鏡花、島崎藤村、藤田嗣治などの居住跡がある。「一番町」の「文人通り」に面したマンションは36年ぶりだという。

 同社は平成26年、従前のマンション「ホーマットカヤ」の建て替えの検討に参画。同年に等価交換方式による建て替えの合意に達していた。

 企画担当者の同社開発営業本部技術部商品企画一課・和田悠氏は、「社内はもちろん、激戦のエリアでどこにも負けないものをつくろうと今井敦先生(アーキサイトメビウス)と相談し、自然石や天然木をふんだんに用いた。『タマモク(玉杢)』は世界の銘木の中から選んだ。権利者の方々にも励まされた」と語った。

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エントランス

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 「番町」エリアでは昨年から東急不動産、三井不動産、大和ハウス、三菱地所など大手デベロッパーが相次いでマンションを供給し、今後も十数物件の供給が予定されているなどアッパーミドル・富裕層向けの供給ラッシュが続く激戦地だ。坪単価は600万円を一気に突破すると、今回もそうであるように一等地は800万円以上に高騰した。

 見学会では、「文人通りサロン」所長代理の同社開発営業本部販売部第二課・茂田貴志氏や和田氏の話を聞き、同社の最高単価マンションにふさわしく、かなり力が入っていることが伝わってきた。ラウンジに自然石を配し滝を流すという大胆な演出(同じような仕掛けは数例みているが)に驚き、玄関ドアのスリットに用いられた「タマモク(玉杢)」に目が吸い寄せられた。初めて見るもので、ウォールナットの根っこの部分の微妙な文様が〝唯一無二〟を象徴していた。

 もうひとつの特徴は、玄関から廊下-居室-リビングや建具・家具の高さを2.4メートルにそろえていることだ。

 さらにドアノブ(コロンボ製)を極力少なくし、把手部分を彫り込んで壁面をすっきりさせるなど細部にもこだわるなど、全体として奇を衒わない玄人好みのオーソドックスな億ションだ。

 同社の〝アトラス〟は、渋谷、新宿、文京区などでの供給はあったが、都心3区では今回の「一番町」のほか「御茶ノ水」があり、港区三田でも分譲するという。富裕層向けを積極展開するということか。

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玄関(床は大理石)

「地価公示日本一」六番町にフェルメールを見た 大和ハウスが億ション(2016/3/14)

 

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吉川氏

 首都大学東京教授で多摩ニュータウン学会の理事を務める吉川徹氏が「多摩ニュータウンにおける人的不良在庫」という、極めて刺激的で機知に富みかつ本質をついた、ひょっとすると今年の流行語大賞にノミネートされそうな言葉を発した。6月4日に行われた学会が主催する「多摩ニュータウンと女性」と題する討論会場での質問に答えたもの。

 「人的不良在庫」発言のきっかけはこうだ。

 討論会では、「たまこ部」の永山菜見子氏・秋好宏子氏、せいがの森保育園園長・倉掛秀人氏、NPO法人シーズネットワークの岡本光子氏、首都大学東京助教・松本真澄氏がそれぞれの立場から問題を提起した。

 記者は、問題提起者が楽観的、ポジティブに多摩ニュータウンについて語ったのに対し、「多様なライフスタイルといわれるが、普通のサラリーマンにとって多様な選択肢などない。都心のマンションは20坪で億ションになり、23区でも子育てファミリーマンションは6,000万円くらいする。時間と空間をシェアするなどとてもできない。絶望的な世の中にしたのはわれわれ団塊の世代の責任だろうが希望もある。学会と多摩ニュータウンを再生・活性化させるためには、吉川先生が仰ったマンションなどのハードとしての『在庫』と、老人力といっては失礼だが、この方々のソフトとも言うべき『知見』を結び付けるべきではないか」と質問した。

 この質問に対して、20歳代と思われる永山氏が「そのようなおじさん、どこにいるんですか」と鋭く切り返してきた。

 ドキッとした記者はとっさに「西浦先生に聞いてください」と振ったら、西浦氏は自らの論文の締め切りが迫っているのかパソコンに熱中されており、「ダメ」の目線を送られたので、「吉川先生、お願いします」と下駄を預けた。

 すると吉川先生は「『年度』ごとに同じメンバーだけで凝り固まるのが悪い。学会もそう。年度ごとに(会員が)いなくなる。リノベして戻ってくるような、豪胆な人的在庫の組み換え、たな卸し(棚ざらしとは仰らなかったはず)をしないと人的不良在庫化する。世代間の交流がなく、若い人に知見が受け継がれていないのも問題。(高齢者を)おだてて引っ張り出してはどうか」と話した。(「年度」というモノサシに注文をつけられたのに大賛成。高齢者の時間はゆったり流れる。どうしてテニスと同じ時間でものごとを測ろうとするのか、世の中が間違っている)

 吉川氏は最近発行された「多摩ニュータウン研究 №18」で、吉川氏が「大好きな」ショスタコーヴィチが他の作曲家の旧作から頻繁に「引用」「転用」したことを紹介し、「優れた建築物や基盤施設の『在庫』に満ちた多摩ニュータウン」の「在庫」を「引用」「転用」してはどうかと結んでいる。

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 記者も学会の末席を汚しているのだが、ここで学会の紹介。

 何よりいいのは年会費3,000円で学者先生の論文が読めることだ。学会誌は横文字で、表記が句読点ではなくカンマ・ピリオドのため、老眼のため区別がつかない年寄りには全然親切ではないのが残念だが、会費が会費だから文句は言わない。

 それより素晴らしいのは、新潟県出身の学会会長・西浦定継氏(明星大教授)が会合のあとの懇親会などにショスタコーヴィチ級の1杯で3,000円の価値がありそうな特上の日本酒をプレゼントしてくれることだ。この日も、獺祭と同レベルという山口県の「雁木」と佐渡島の「風和(かぜやわらか)」に、赤と白のワインまで大判振舞をされた。

 もうひとつは、総会などの会場となる首都大学東京や明星大学のキャンパスの自然と触れ合うことができ、大学の先生はもとより若い学生さんなどとも交流できることだ。知的な刺激は間違いなくボケ防止につながる。

 つまり、①年間3,000円で論文が読める②1杯3,000円の酒がタダで飲める(この日は予定参加費2,000円が消費増税も延期されたためか1,000円にプライスダウンされたのがうれしいやら悲しいやら)③若者・(記者のような)馬鹿者・よそ者と交流できる-こんな素晴らしい会はない。「不良在庫化」しないためにも高齢者にお勧めだ。わが国の社会・経済状況を映す鏡のように予算も決算もどんどんシュリンクする学会を活性化させていただきたい。学会のリンクを貼り付ける。

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 これはおまけだが、吉川先生は相当な「ショスタ」ファンだ。ここに音楽をこよなく愛した作家・辻邦夫のエッセー「わが音楽遍歴の風景」の一部を紹介する。「小説」の代わりにあらゆる仕事が当てはまるのではないかと思うからだ。

 「現在、世界が危機に晒され、人々が頽廃と混迷の中に喘いでいるにもかかわらず、私が、廻転するコマの中心にも似た不動の一点に身を置いたような感じで世界を見られるのも、この<美なるもの>が私の運命の始まりであり、終わりであると思えるからだ。官能の陶酔に根ざしながら、官能を超えて精神の全オクターブを激しく燃え立たせ、その一瞬に『すべてよし』と叫ばせるような、そうした高揚した甘美な恍惚と充実と解脱感を、私は<美なるもの>の根源的特徴と考えているが、音楽の形でそれを受け取り、小説の形でそれを吐き出すことが、私の唯一の在り方なのだ。私はそれ以外のどんなものも欲しくない。そのかわり音楽を聴くことと小説を書くことだけは何としても与えてほしい。それだけは、大地に跪いても、懇願しつづけるつもりである」

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西浦会長と理事の荒又美陽氏(東洋大准教授) 荒又氏はこの日(6月4日)が誕生日とかで、総会・討論会後の懇親会でケーキをプレゼントされていた(首都大学東京で)

多摩ニュータウン学会

 

 

 

 「マンションコミュニティ」や「マンションWiki(住適空間)」を運営しているミクルが5月10日から新しいブログコンテンツ「スムログ」を開始した。

 「スムログ」は、著名なブロガーが自由に書くことができる、マンションに特化したブログポータルサイトだ。

 記者が書いているRBAの記事は、〝記事はラブレター〟をモットーに極力わかりやすく面白く書くように心がけているので、あるいは「ブロガー」と呼ばれる範疇に入るのかもしれないが意識したことはない。そもそも「ブログ」なるものの定義すらわかっていない。

 なので、以下の文章がブロガーやその読者の方々にどのように受け取られるのかわからないが、率直な感想を述べたい。

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 不動産ポータルサイトには、住宅・不動産会社の数だけあるとすれば10万くらいあるのだろうが、一般的には賃貸&分譲不動産情報サイトラングでダブル総合1位の「SUUMO(スーモ)」、不動産情報サービス業のパイオニア「at home(アットホーム)」、物件数№1の「HOME'S(ホームズ)」、わが国の住宅・不動産情報サイトのイノベーションを目指す「O-uccino(オウチーノ)」などがある。

 Webサイト分析ツール「Similarweb」によると、月間ユーザーは「SUUMO(スーモ)」が1,200万、「HOME'S(ホームズ)」が1,100万もあるようだ。

 もう一つが、「マンションコミュニティ」を代表する購入検討者や購入者、入居者が〝掲示板で〟意見交換をするサイトだ。ミクル取締役の山下肖武氏によると「マンションコミュニティ」の月間ユーザーは200万人もあるという。

 記者は物件検索サイトもコミュニティサイトもほとんど利用しない。直接デベロッパーのホームページから物件を選択している。

 コミュニティサイトは、当事者しか知りえない情報が書かれていることもあり、正直、閲覧するのが恐い。正義感による内部告発もあるが、業界では販売会社による競合排他の投稿や、ステルスマーケティング目的など、利害関係者による意図的な投稿も中には存在し、そういった問題投稿を確認次第、削除など適切な措置をとっているという。

 早速、新しいブログコンテンツ「スムログ」を読んでみた。

 驚いたのは、スムログに登場しているブロガーの物件見学数だ。覆面座談会なるものの中で数人の方がほとんど年間数十物件を見学していると話している。これはとても大事なことで、記者は現場を見ない〝記者〟を記者だとは思っていない。

 もう一つ、これは称賛に価すると思ったのだが、記者のようにネガティブ情報などは自主規制しまいがちなのに対して、デベロッパーにおもねることなく自由な立場で書かれている方も多いということだ。

 何人かのブログも読んだので紹介する。

 嬉しかったのは「モモレジ」さんの「モモレジのスムログテーマは『間取り』ではなくデザイン!」で、この方は記者と同様、マンションのデザイン・外構を重視されているようで、モリモトの物件を褒めている。ブロガー仲間ではよく知られている方のようだ。

 「マン天」さんもすごい方だ。「マン天からのご挨拶」の中で「マンションアナリスト。11年間で5,000枚のマンション・チラシを“読破”したマンション・チラシ研究家。一級建築士」と自らを紹介している。マンションの何が大事かといえば物件概要だ。これを読みこなせるようになれば一流だ。記者はかつてマンション・戸建て合わせて年間3,000件くらいの物件概要を読んでいた。概要を読むと、ほとんどその物件の売れ行きが予測できた。

 「はるぶー」さんは、以前、記者の記事について言及されていたので名前だけは知っていた。実際に部屋に1万円札を並べ、「1万円札の坪単価は272万円」と題するブログを書かれていた。「坪単価」が頭から離れない記者はドキリとした。

 「マンションマニア」さんの「マンションマニアの活動日誌(ブログ)」では、マンションの概要をしっかり書かれていた。これもとても重要なことだと思う。記者も用途地域や容積率は書くべきだとも思っている。

 「DJあかい」さんは、「マンションコミュニティの歩き方」の中で「掲示板」について「掲示板は掲示板。匿名さんは匿名さん。あなたはあなたなわけです。買わない(かもしれない)人の意見に心を惑わされるのではなく、自己との対話、あるいは伴侶との対話に焦点を絞って、それでOKならOKじゃないかと思います。『ひき返せ!』『ひき返したほうがいいぞ!』の合唱に負けず、孤独に耐えて突き進んだ先でなければ、得られないものもあるでしょうから」と書かれている。なるほどと思った。

 山下氏によれば、この分野でも「レッドオーシャンに突入しつつある」とのことであるが、間違いなく消費者の物件選考に少なからず影響を与えると思う。

 デベロッパーはメディア向けのマンション発表会、見学会を行う際に、こうしたブロガーもぜひ加えていただきたい。実際に自分が見たにもかかわらず、発表資料以上のことしか書かず、商品紹介でもっとも肝心な「価格」についてほとんど言及しないような記者よりはるかに物件告知の効果がある。

「スムログ」

「マンションコミュニティ」

 

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左から菰田氏、岡野氏、植田氏

 三井不動産と一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)は6月3日、産官学連携によるライフサイエンス(生命科学)領域でのオープン・イノベーションを促進し、新産業創造を支援する活動を開始すると発表した。

 ライフサイエンスは、医学をはじめ、理学や工学、ICTや人工知能といった新たなテクロノジーなど対象は広範に及んでおり、LINK-Jはそのネットワークを通じ、分野を超えた内外の人的交流・技術交流を促進し、シーズやアイデアの事業化を支援するために設立されたもの。

 LINK-Jの理事長には慶應義塾大学医学部長・岡野栄之、副理事長には大阪大学大学院医学系研究科長・澤芳樹が就任した。

 事業運営のアドバイスを行う運営諮問委員会には理化学研究所理事・松本洋一郎氏、京都大学iPS細胞研究所所長・山中伸弥氏など13名の識者の参画を得ており、取り組みを支援するサポーターの参加も増やしていく。

 LINK-Jは今後、参加メンバーを募り「交流・連携事業」としてシンポジウムやセミナーなどのイベントを提供していく。

 三井不動産は、事業領域拡大のための新産業創造を重要な戦略として位置付けており、医療関係の企業が集積する日本橋を拠点とするライフサイエンス・イノベーション推進事業を展開していく。事業拠点として既存の「日本橋ライフサイエンスビル」「日本橋ライフサイエンスハブ」に、新たに「日本橋ライフサイエンスビル2」を加えた。

 岡野氏は会見で取り組みの背景・経緯について、「この30年間で基礎医療、再生医療は革命的な発展と飛躍を遂げ、わが国の研究は世界トップクラスだが、臨床医療は立ち遅れている」などと話した。

 会見に臨んだ三井不動産社長・菰田正信氏は、「ライフサイエンス・イノベーションの推進に挑み、日本橋のさらなる価値向上、世界の人々の健康長寿に関わる課題解決に貢献していく」と語った。

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 配布されたニュースリリースや資料を読むと、三井不動産と「LINK-J」が目指す方向性がよくわかるのだが、会見で話された岡野氏、菰田氏、三井不動産常務・植田俊氏の合計約30分の話はかなり専門的な医療に関する言葉が飛び交った。

 もちろん会見場には「よく分かった」というわが業界ではよく知られたT大卒のジャーナリストの方もいたが、記者はほとんど理解できなかった。記者の習性で、一言一句を聞き逃すまいとしたが叶わなかった。

 同じように考えた記者もいたようで、「中学生でもわかるようにやさしく話してください」とその方は質問した。

 同感だ。相手にもよるだろうが、人に話す場合〝難しいことはやさしく、やさしいことはより深く」が基本であることを誰かが言った。会見場には医療に詳しい記者もいただろうが、記者のように門外漢もいたはずだ。やはりわかりやすく話してほしかった。

 それと、この種の会見でいつも思うのだが、登壇者のスピーチの長さと、文字数について考えてほしい。記者は、スピーチの文字数は1分間に250字くらいが適当ではないかと思っているが、それくらいに収まっている発表会などは極めて少ない。今日の発表者の言葉を文章にしたらいったい何文字になるか。1分間に400字くらいに達するのではないか。

 評判になったオバマアメリカ大統領が広島平和公園で行った17分にわたるスピーチの日本語訳は約3,200文字だ。英語と日本語の違いはあるが、1分間にすると188字だ。政治家の言葉としてはどうかと思ったが、文章は優秀なスピーチライターが作成したはずで、名文なのは間違いない。

 最近のスピーチでは記事にもした矢野龍氏(住友林業会長)が出色ものだった。

 旭化成不動産レジデンスは5月27日、同社が事業協力者および参加組合員として携わった、調布富士見町住宅の再建プロジェクト「アトラス調布」が、平成28年度「都市景観大賞(都市空間部門)」の最高賞である大賞(国土交通大臣賞)を受賞したと発表した。

 同プロジェクトは、団地住民が地域との関わりの中で持っていた課題(交差点の危険性や公園へのアプローチの悪さ)を調布市と共有化し、団地の建替えと同時に市道を付け替え、「コミュニティ街路」として再生することで解決した事業。

 官・民・住民が一体となって新しい景観を生み出したプロセスや、再建後のマンションが石畳や植栽と一体的にデザインされたことなどが評価された。

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 このマンションについては2度、3度見学して記事にしているのでそちらを参照していただきたい。

 ランドスケープデザイン、住棟配置が秀逸で、住民や設計者のプロジェクトに込めた思いがひしひしと伝わってくる好物件だ。

「道」を景観に取り込んだプラン秀逸 旭化成不動産レジデンス「アトラス調布」完成(2015/5/20)

「アトラス調布」道からつくり、道を中庭化したマンション(2013/7/25)

 不動産情報サービスのアットホームが再び三度四度また旅面白いというか、今度は恐ろしくぞっとしないアンケート結果をまとめ発表した。住宅購入をした後に転勤を命じられた既婚サラリーマン男性(現在転勤先で生活中)598名を対象に、購入した住宅をどうしているか、後悔はしていないか、夫婦仲はよくなったか、単身赴任者が自宅に帰る頻度などについて聞いたという。

 それによると、「購入後に転勤で引越ししたけれど住宅購入して良かった」と答えたのは全体で77.8%にのぼり、後悔していないことがうかがわれる。ただ、単身者(全体で259名)と非単身者(全体で339名)とでは、その数字は88.8%、69.3%とやや差があり、非単身者の約3割は「良かった」とは思っていないようだ。

 非単身者に購入した自宅をどうしたかについて聞いたところ、「売却」が37.5%、「賃貸」が26.8%、「家族や親族が住んでいる」が23.3%だった。

 夫婦仲についての質問には、「単身赴任をして良くなった」が34.0%、「家族一緒に赴任して良くなった」が46.4%となった。「どちらでもない」は単身者が51.0%、非単身者が41.8%。「いいえ」は単身者が15.1%、非単身者が11.8%だった。

 単身赴任者に自宅に帰る頻度を聞いたところ、もっとも多いのは「月1回」で30.9%、次いで「2週間に1回」が19.3%、「週に1度」が17.0%。「全く帰っていない」の4.6%を含めた「2カ月に1回」以上の人は30.0%に達した。

 また、非単身者が「一緒に来てくれてうれしい」と答えたのは77.6%で、「実は単身赴任してみたい」という人も19.8%あった。

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 記者は転勤の経験が全くないのでよくわからないが、妻が出産で実家に帰っていたときは毎晩のように飲み歩いていた。どこかの議員さんのような「浮気」では絶対ないが、いかがわしい店も利用したことがある。やはり単身居住は耐えられない。

 なのに、回答者の30%が2カ月に1回以上で、「全く帰っていない」という人が4.6%もいるのにショックを受けた。回答者の年齢は50歳代が43.5%、40歳代が33.3%、60歳代が10.5%で、平均年齢は49.8歳だ。

 この前、矢野龍氏(76)が木住協の会長職を退任するときのあいさつで「安田善次郎は『50、60は洟垂れ小僧、70は働き盛り、80、90は男盛り』と言った。その伝で言えばわたしは青春を謳歌する年齢。80、90で男盛りになれるかどうかは嫁さんとよく話し合う」と爆笑を誘ったが、洟垂れ小僧にも満たない血気盛んなサラリーマンがどうして一人で暮らせるのか。これはひどい。完全な家庭の破壊ではないか。企業にも問題がある。家に帰る費用くらい会社負担にすべきだ(そうしている会社は少ないはずだ)。

 「孤閨」「鰥夫(やもめ)」が死語となり、男も女も〝おひとりさま〟が日常化、当たり前のぞっとしない時代になったようだ。こんな現状が続くなら「一億総活躍」は永遠に訪れない。

 「実は単身赴任してみたい」という非単身者が19.8%あったというが、その気持ちはわからないではない。羽を伸ばそう、羽目を外そうというのは誰しも考えることだ。しかし、やってごらんなさい。どんなみじめな経験をさせられるか、やった人に聞くといい。

 

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樋口会長

 プレハブ建築協会・樋口武男会長(大和ハウス工業会長兼CEO)が消費増税問題について、「足元の住宅市場は集合住宅は大変好調に推移しているが、一戸建ては伸び悩んでいる。消費増税が実施されれば戸建てに影響するのを懸念している。増税の先送りは住宅業界だけでなく全体の景気にとってプラスに働くことを期待したい。財政出動も必要ではないかと考えている」と、安倍総理大臣が増税の先送りを指示したことに理解を示した。5月31日に行われた同協会の定時総会後の記者会見で語った。

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 増税の先送りについては、住宅生産団体連合会(住団連)・和田勇会長(積水ハウス会長兼CEO)が5月26日の木住協の懇親会で「いつも駆け込みやその反動で苦い思いをさせられる。今回はどうやら延期になりそうな雲行きで、拍手喝さいしている」と述べた。

 一方、不動産協会の木村惠司理事長(三菱地所会長)は5月12日に行われた同協会の総会後に「早めに決めていただき、軽減措置など対応もきちんとしていただきたい。先送りしても5年、10年にはまた問題が浮上する」と、消費増税を実施すべきとの考えを示した。また、岩沙弘道会長(三井不動産会長)も「景気対策を立てたうえで実行すべき。財政が厳しいのは論を待たない。政府が国際公約として掲げているプライマリーバランスの黒字化は喫緊の課題」と語っている。

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 このように、住宅業界とデベロッパーのトップの考えが真っ向から対立している。どちらが正解か記者も分からないが、肩透かしを食らったような気分だ。

 安倍総理は再三「リーマンショックのような事態が起きない限り実施する」と語ってきた。景気判断は海外動向も重視すべきなのは当然だろうが、海外リスクはいつも伴う。世界を揺るがすような災害・内紛・戦争の火種は山ほどある。それこそ天が降ってくるという杞憂が現実のものになるのではないかという危機感が充満している。

 しかし、そんな心配ごとを選挙の道具にしていいのか、釈然としない。「景気の気は気持ちの気」というではないか。賃金は上がっていないが、企業業績も雇用も上向きだ。せっかく2020年のオリンピック・パラリンピックに向け景気の回復に期待が掛かる中、増税の先送りは消費マインドを冷え込ませないか心配だ。肝心の「三本の矢」の矢を放つ寸前で待ったをかけられたような失望感を感じる。8合目あたりの梯子を外されたような気分だ。今日の樋口会長もだれかに遠慮しているのか、歯切れが悪かった。いつもの樋口節が聞かれなかった。

 私見だが、増税が先送りになっても一戸建てが劇的に上向くとはとても思えない。むしろ逆ではないか。様子見を決め込むユーザーが増えるような気がしてならない。

住団連・和田勇会長 「消費増税が延期になりそうなのに拍手喝采」(2016/5/27)

「消費増税すべき」木村、岩沙氏/「増税は最悪」ライフ清水会長 不動協が懇親会(2016/5/12)

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「クレヴィア田端」完成予想図

 伊藤忠都市開発が6月下旬に販売開始する「クレヴィア田端」を見学した。同社がオージス総研、インブルーム、タカラスタンダード、東京ガスと協働で開発した新「モット・キッチン」を導入した物件で、同社のオリジナルキッチン「モット・キッチン」の改善活動で新たに実施した「行動観察」により〝お客様も気づいていなかった声無き潜在ニーズ〟を盛り込んだというのがセールスポイントだ。

 物件は、JR山手線・京浜東北線田端駅から徒歩9分、北区田端新町3丁目に位置する14階建て全33戸。専有面積は65.35〜75.52㎡、予定価格は4,700万円台〜7,000万円台(最多価格帯5,400万円台)、坪単価は280万円の予定。竣工予定は平成29年3月下旬。施工はイチケン。設計・監理は三輪設計。売主は同社のほか三信住建。

 現地は、明治通りから一歩入った近隣商業エリアの一角で、3方道路の敷地。住戸は全戸南西向きで角住戸比率が78%。二重床・二重天井で食洗機、ミストサウナが標準装備。

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モデルルーム キッチン

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 同社が2009年に開発した「モット・キッチン」が優れているのは理解しているつもりだが、正直に言えば、どこが「新」なのか、同業他社と比較してどこが優れているのかさっぱりわからなかった。自分でも愕然とした。

 種を明かせば、記者はかつて約10年間〝主夫〟を完璧とまではいかないかもしれないが、とにかくこなした。マンションの水回りに関しては〝主婦〟に負けないぐらいの知見があった。

 過去形になったのは、最近はまったく家事労働をしなくなり、そのために収納やら動線やらについてまったくわからなくなった。ダイコン1本の値段もわからなくなった。完全に記者の知識はさび付いてしまった。

 なので、読者の皆さんは同社のニュースリリースを読むか、モデルルームを訪ねてコンセプトブックをもらって読んで、実際にそのキッチンを見るしかない。記者は何の役にも立たない。

 そのニュースリリースを要約すると、開発経緯は、2014年の調査で「収納量」と「作業スペースの広さ」の好不評が大きく割れたため、その原因究明と解決の糸口をつかむべく、行動観察調査の実績豊富なオージス総研と協働し「行動観察」を実施したとある。

 「行動観察」では、モット・キッチン利用者4名に自宅で普段通りの調理準備から片付けまで約3時間録画。全12時間の映像を分析し、「無意識行動」や「思い込み・諦め」の中にストレスの原因となる問題が潜んでいることを明らかにした。

 そして、「収納・動線」「設備機能」「セレクト・カスタマイズ」「フォローサービス」の4つの面から改善を図り、新「モット・キッチン」の開発につなげたという。

 試作品の検証結果では、調理時間が20%、移動歩数が25%、屈伸回数が70%それぞれ軽減されたという。

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 検証結果で調理時間が20%、移動歩数が25%、屈伸回数が70%それぞれ削減されたというのはすごいデータだ。リリースによると、同一人物がイタリアン4品4人分を一般的なシステムキッチンと試作品をそれぞれ使用して比較した場合、一般品より試作品のほうが調理時間が約55分から約44分へ20%、移動歩数は509歩から383歩へ25%、屈伸回数は13回から4回へ70%削減された。

 この結果から、仮に朝昼晩だと調理時間、移動回数、屈伸回数は2倍かかるとすると、調理時間は20分、移動回数は150歩、屈伸回数は18回削減される。1年にすると…。この〝価値〟は大きい。家事労働をやったことがある人は分かるはずだ。後片付けもラクになるはずだから、新「モット・キッチン」は革命的な開発かもしれない。

 新「モット・キッチン」のよさは分からないが、坪単価予想はドンピシャリだった。販売担当者は坪単価について最初は口をつぐんでいたが、「わたしの予想では280万円」という質問に「280万円くらいで考えています」とのことだった。山手線沿線の徒歩9分というのはインパクト、割安感がある。早期に完売するとみた。ライフステージの変化に対応したプラン提案もよかった。

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現地

NEWSRELEASE

『行動観察』で発見した潜在ニーズを、ハードとソフトの両面で解決 家事軽減に革新、新『モット・キッチン』誕生

 

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