三井不動産「ららぽーと海老名」29日開業「EBICEN(エビセン)」が面白い
「三井ショッピングパークららぽーと海老名」
三井不動産は10月29日(木)、神奈川県海老名市の駅直結型のリージョナル型ショッピングセンター「三井ショッピングパークららぽーと海老名」を開業する。開業に先立つ27日、報道陣など関係者に公開した。
「三井ショッピングパークららぽーと海老名」は、小田急小田原線、相鉄線、JR相模線の3路線が乗り入れる「海老名」駅と新たな連絡デッキで直結した敷地面積約33,000㎡、4階建て述べ床面積約121,000㎡、店舗数263店舗の商業施設。
空間デザイン・ショップ・イベントの複合的な組み合わせによって新しい海老名のコミュニティの場となる施設のセントラルゾーン「EBICEN(エビセン)」が設置されており、単に人が集まり買い物をする場所から「ひと」「もの」「こと」が複合的に集まり、交流する場所になるよう空間デザインに工夫を凝らしているのが特徴。
「エビセン」内には大人のための学びや体験を提供する「大人ゼミ」、親と子のコミュニティコアとなる「コドモゼミ」が設けられている。
プレス説明会で同社常務執行役員・石神裕之氏は「駅直結型野263店舗からなるワンストップショップを実現した。地域の発展に貢献していく」と話した。
初年度は売上げ300億円を目指す。
エビセン フラット
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何度見てもこういった商業施設はよく分からない。しかし、「大人ゼミ」と「コドモゼミ」はその企画意図がよく伝わってきた。買い物に興味のない人の手持ち無沙汰を解消してくれるスペースだ。
「大人ゼミ」に出店している大阪屋の子会社・リーディングスタイルの書籍・雑貨・カフェを複合した新しい形態の書店「BOWL」がなかなか面白い。
「BOWL」には、裏表紙の紹介文しか頼りにできないミステリアスな「あらすじ百景」、著者、著者の誕生日などの情報しか得られない「BIRTHDAY BUNKO」コーナーがあった。書籍はビニールに包まれている。いわゆる〝ビニ本〟だ。
これは本屋としては邪道だとは思ったが、〝中身は何だろう、どんな作品だろう〟というワクワク、ドキドキ感を満たしてくれる。ビニ本商法にのるかそるかの勝負の気配も伝わってくる。記者は自分の誕生日である「4月6日」の「久生十蘭」(1902年4月6日生)を購入した。読み終えてはいないが、面白い。同じフロアには大手の「有隣堂」書店があるが、テーマを絞り、目利き力で勝負すれば十分戦えると思った。
今年6月、出版取次ぎ4位の栗田出版販売が民事再生の申請を行なったのに衝撃を受けたが、大阪屋も出版取次ぎが本業だ。取り次ぎも本屋も不況を嘆くだけでなく、発想の転換が求められているのだろう。
「コドモゼミ」は、同社社有林の間伐材を用い、東京おもちゃ博物館が監修したスペース「Wood Egg」が人気を集めそうだ。
「Wood Egg」
内観
流通業界を変えるか 東急リバブル「女性活躍」で劇的に数値向上 野中氏に聞く
東急リバブル人事部ダイバーシティ推進課長・野中絵理子氏に聞く
野中氏
「そもそもダイバーシティ推進P.T.を2013年4月に立ち上げたのは、中島(美博氏、現同社会長)が社長時代に『変わり続けることが成長への唯一の道』であることを徹底的に社内浸透させ、女性活躍が経営戦略の一つであることを宣言したからです。P.T.はダイバーシティ推進課となり、この2年半の短期間でできることは全てやりました」-東急リバブル人事部ダイバーシティ推進課長・野中絵理子氏の「できることは全てやった」この言葉に同社の「女性活躍」の取り組みが集約されている。
その成果は、仕事と子育ての両立支援、キャリア支援、職域拡大など様々な面で数値が伸び、劇的に変化している。
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同社の取り組みが社会的にも評価されたことは、先に厚生労働省の平成27年度「均等・両立推進企業表彰」の均等推進企業部門で不動産流通企業としては初めて「東京労働局長優良賞」を受賞したことで証明された。
同賞は、地域(東京都)において女性の能力発揮を促進するために、他の模範ともいうべき取組を推進している企業を表彰するものだ。
同社はこの表彰より前の2014年4月に厚生労働省の「子育てサポート企業」としての認定マーク「くるみん」を取得している。制度そのものが異なるので単純な比較はできないが、格から言えば「均等・両立」のほうが高く、応募のハードルも高い。
受賞企業は、表彰制度が始まった平成19年の15社から27年度は30社(応募は54社)と倍増はしているが、これは各企業の認識が高まったからとみられている。東京都は応募が8社で、受賞したのは同社と協和発酵キリンの2社のみだ。19年度からトータルしても東京都は26社しか選ばれていない。
受賞理由は、女性活躍を会社の長期戦略の一つとして位置づけ、2013年4月に業界初の専門部署(ダイバーシティ推進P.T.)を設置し、計画的できめ細かな取組みにより成果を上げていることだ。
具体的には、育児休暇制度の期間延長、産休育休前復職前後の面談フロー、育休中社員の情報交換会、休日事業所内保育(たまプラーザのリバブルキッズルーム)、休日保育費用支援手当、ベビーシッター育児支援、時短制度の不使用期間の繰り越し、産休復帰後の営業職から一般職への職掌転換などにより採用拡大が進んだことが評価された。
さらに、キャリア支援として女性社員のメンター制、部長メンター制、コース転換した女性社員によるパネルディスカッションなどを積極的に推進してきたこと、また、職域拡大の取り組みとして公募制・ポストチャレンジ・コース転換制度導入(2012年)、東急ハンズ、東急スポーツオアシスとの異業種交流会などによるネットワークづくりの支援も行ってきたことなどが受賞の理由とされている。
これらの取り組みの成果が劇的に上がっていることも、具体的な数値によって裏付けられている。
例えば女性総合職採用の拡大。2014年4月は15.9%だったのが、2015年4月は23.6%と10ポイント近く上昇した。
育児休暇取得・復帰者は2012年が57名だったのが、2014年には107名へとほぼ倍増。売買仲介営業職に占める女性割合は2012年が2.2%だったのが2014年には3.3%へ伸び、男女の退職率格差は2012年の2.6%から2014年は1.3%へと縮まった。チャレンジ・コース転換制度導入も効果をあげており、2013年の女性応募者は3名だったのが、2014年には17名へと5倍以上に増加した。
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ダイバーシティや「女性活躍」の取り組みは企業トップの役割が大きいということはよく知られていることだが、同社もその例外ではないことが野中氏の言葉でも裏付けられた。
〝やる気〟が中途半端でないことの例を一つ紹介する。
「全管理職約500人を対象にダイバーシティマネジメントセミナーを今年の2月から3月にかけて実施しました。セミナーに参加した管理職からは『女性社員も男性と同様に仕事で魂が震えるような成功体験をさせることが上司の仕事』だという講師の言葉に『自分の固定観念に気付いた』、『遠慮や配慮から女性社員には一定の距離を置いていたが、優しさの勘違いだった』など、女性活躍に関して意識が変わったという答えが80.2%、『マネジメントの参考になった』というのが92%にも上りました」と、野中氏は話した。
今年度は、全女性社員約560名を対象にしたポジティブアクションセミナーを開催しているという。
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「女性活躍」は、男性の働き方、意識を変えないと成功しないと記者は考えているのだが、同社はまさにそれを実践しようとしている。
流通業界の営業マンは夜遅くまで働くというのが通説だ。夜の10時、11時などは序の口、終電まで働くという営業マンをこれまでたくさん取材してきた。夜遅くまで働くのが優秀な営業マンという評価が業界全体に蔓延しているという印象を強く受けてきた。
現在、同社は会社をあげて長時間労働削減の対策中で、営業マンを含めた全社での20時30分のパソコンシャットダウンを実施しているが、更にスタッフ部門では12月から一時間前倒しでの19:30分となる。
これだけではない。テレワーク(在宅勤務)のトライアルもすでに終え、制度導入するかどうかの経営層への提案を11月に行うという。さらに「時差出勤、フレキシブルも制度化できるように進めており、来年度以降に運用開始したい」と野中氏はいう。
「目的は生産性をあげること。会社全体での『働き方改革』によって男性も女性も一人ひとりが自己の成長が図れる会社にしようということです」-野中氏はきっぱりと語った。
同社が不動産流通業を劇的に変えるかもしれない。
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「わたしが入社したのは昭和61年。宅建は翌年取得しましたが、仕事は営業所の庶務業務でお客さまへのお茶出しや給料計算など。3年半やりました。
その後、賃貸営業や管理のセクションを経て、現職に就くまでは約50人の賃貸部門ブロック長を務めていました。家族は、認知症の84歳の母と夫の3人ですが、仕事を終え真っ先に考えるのは『今日の夕ご飯何にしようかしら』です。それでも子どもはいないので、育児両立社員に比べれば楽ですよ。」
厚労省のデータによると、6歳未満の子を持つ夫婦と子どもの世帯の妻と夫の生活時間のうち、家事関連と仕事などの時間の長さは、共働き世帯の妻の家事関連時間は5時間37分(うち育児時間2時間8分)、仕事などの時間は4時間19分で、夫の家事関連時間は59分(うち育児時間30分)、仕事などの時間は8時間43分となっている。
このデータに照らし合わせると、野中氏は子どもがいないが、1日の半分近くを仕事と家事労働に費やす。これに通勤時間などの移動、外出する時の身支度などを差し引くと睡眠時間と余暇に当てられる自分の時間はどれくらいあるのか。
野村不HDと三越伊勢丹HDS 包括的業務提携に向け合意
野村不動産ホールディングス(野村不HD)と三越伊勢丹ホールディングス(三越伊勢丹HDS)は10月27日、両社相互のブランド価値向上を目的とする包括的業務提携に向けた検討を開始することについて合意したと発表した。
取り組みの一環として、野村不動産HD 子会社の野村不動産と三越伊勢丹HDS 子会社のエムアイカードは、「野村不動産グループカスタマークラブ会員」向けの提携クレジットカードを発行することで基本合意した。カード発行は2016年秋を予定している。
今後協議する主な内容は、①両グループの顧客の相互送客②三越伊勢丹グループが推進するMI ポイントプログラムの共有などCRM 強化についての検討③両グループ各社の経営資源を活用した各種サービスの開発・提供-など。
両社グループは昨年2014年4月、三越伊勢丹不動産に野村不動産が資本参加し、名古屋地区のマンション分譲共同事業を開始した。
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野村不動産グループは今年7月、分譲マンション「プラウド」のオーナーなどグループと過去に取引したことがあるお客さま約30万件を対象とした「野村不動産グループカスタマークラブ」を発足。
主なサービスは、仲介取引、リフォームなど野村不動産グループの限定特典、インテリア、旅行、ホテルなど提携企業による限定特典、会員限定イベントへの参加応募など。9月末時点の会員数は約6.7万人。
提携カードの発行と併せ、三越伊勢丹グループが推進するMI ポイントプログラムに野村不動産グループが参加することによりMI ポイント経済圏を住の分野に拡充し、衣・食・住・遊とお客さまのライフスタイル全般にわたるプレミアムなサービス実現を目指す。
コンドル、ライトに次ぎ今度はレーモンド設計 伊藤忠都市開発「文京小石川」
「クレヴィア文京小石川」完成予想図
伊藤忠都市開発が先に第1期22戸が即日完売したと発表した「クレヴィア文京小石川」を見学した。モデルルームタイプ(89.40㎡)は1億2,000万円からで、総額で1,000万円はしそうなオプション仕様だったが、確かにすばらしい。即日完売も納得だ。
物件は、都営地下鉄三田線・大江戸線春日駅から徒歩5分、東京メトロ丸ノ内線・南北線後楽園駅から徒歩6分、文京区小石川3丁目に位置する5階建て全38戸。専有面積は53.98~89.40㎡、坪単価は423万円。竣工予定は2016年9月中旬。販売代理は伊藤忠ハウジング。設計・監理はレーモンド設計事務所。施工は佐藤工業。
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同社はマンションの供給量は少なくないが、都心物件は意外と少なく、坪単価423万円というのは、今年分譲した「池田山」の400万円を超えるバブル崩壊後では最高単価マンションではないか。
モデルルームのデザインを担当しているのは三井デザインテックの遠藤瑠衣氏。はほとんどオプション仕様だったが、なるほどと思わせるグレードだった。床は玄関からホール-廊下-リビングの一部まで石張り。エントランス、キッチン、リビングの天井は折り上げ、壁面はアクセントクロス、壁面塗装…ざっと計算したが、オプションの総額は1,000万円を下らないとみた。高額マンションは、このように豪華にするのは賛成だ。
設計は、1919年(大正8年)旧帝国ホテル設計監理のため、フランク・ロイド・ライトと共に来日したアントニン・レーモンドが1921年(大正10年)に開設したレーモンド設計事務所だった。
先日のジョサイア・コンドル(綱町三井倶楽部)、フランク・ロイド・ライト(大京の日進の戸建て)に続き、今回がアントニン・レーモンド。この1週間で歴史的な3人の建築家の名に接することができた。東京ミッドタウンの隈研吾氏の「つみきのひろぱ」を入れると4回だ。なんという僥倖か。
モデルルーム
異なる意見を封殺していいのか マンション標準管理規約改正へ
国土交通省は、「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」の報告書がとりまとめられたのを受けて、「マンションの管理の適正化に関する指針」及び「マンション標準管理規約」の改正(案)をとりまとめ、パブリックコメント(意見公募)を開始した。
ここでは、「マンション標準管理規約(単棟型)及び同コメントの改正案」の管理費に含まれるものを定義した第27条と、管理組合の業務を定めた第32条について、記者の考えを紹介する。
改正案では次のように記載されている。やや長いが引用する。
② 従来、本条第10号に掲げる管理費の使途及び第32条の管理組合の業務として、「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成(に要する費用)」が掲げられていた。これは、日常的なトラブルの未然防止や大規模修繕工事等の円滑な実施などに資するコミュニティ形成について、マンションの管理という管理組合の目的の範囲内で行われることを前提に規定していたものである。しかしながら、「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成」との表現には、定義のあいまいさから拡大解釈の懸念があり、とりわけ、管理組合と自治会、町内会等とを混同することにより、自治会費を管理費として一体で徴収し自治会費を払っている事例や、自治会的な活動への管理費の支出をめぐる意見対立やトラブル等が生じている実態もあった。一方、管理組合による従来の活動の中でいわゆるコミュニティ活動と称して行われていたもののうち、例えば、マンションやその周辺における美化や清掃、景観形成、防災・防犯活動、生活ルールの調整等で、その経費に見合ったマンションの資産価値の向上がもたらされる活動は、それが区分所有法第3条に定める管理組合の目的である「建物並びにその敷地及び附属施設の管理」の範囲内で行われる限りにおいて可能である。
以上を明確にするため、第27条第10号及び第32条第15号を削除するとともに、第32 条第12号を「マンション及び周辺の風紀、秩序及び安全の維持、防災並びに居住環境の維持及び向上に関する業務」と改めることとした。
(略)
③ 管理組合は、区分所有法第3条に基づき、区分所有者全員で構成される強制加入の団体であり、居住者が任意加入する地縁団体である自治会、町内会等とは異なる性格の団体であることから、管理組合と自治会、町内会等との活動を混同することのないよう注意する必要がある。
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改正案は「『地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成』との表現には、定義のあいまいさから拡大解釈の懸念」があるとし、「管理組合と自治会、町内会等とを混同」していることから、混同を避ける意味で、第27条10号及び第32条第15号(その他組合員の共同の利益を増進し、良好な住環境を確保するために必要な業務)を削除するとともに、第32条第12号を「マンション及び周辺の風紀、秩序及び安全の維持、防災並びに居住環境の維持及び向上に関する業務」と改めるとしている。
その一方で、「マンションやその周辺における美化や清掃、景観形成、防災・防犯活動、生活ルールの調整等で、その経費に見合ったマンションの資産価値の向上がもたらされる活動は、それが区分所有法第3条に定める管理組合の目的である『建物並びにその敷地及び附属施設の管理』の範囲内で行われる限りにおいて可能である」ともしている。
前段の部分は是非はともかくとして分かりいい。問題は後段の部分だ。極めてわかりづらい。
例えば街の美観・清掃活動を行い、慰労・懇親会に1万円の経費で酒食を提供するとしよう。この場合、その経費に見合ったマンションの資産価値の向上が実現したかどうかと問われれば、どれだけの人がそれを客観的に証明できるだろうか。結局は、管理費の目的外使用と指摘されるのを恐れてやらなくなってしまうのではないか。「親睦を目的とする飲食の経費などは、マンションの管理業務の範囲を超える」と言われたら、様々な行事はお茶か水だけの(これもただではないが)実に味気ないものになり、すぐに解散ということになりかねない。管理組合は前段と後段の解釈を巡ってジレンマに陥るのは必至だ。役員のなり手不足どころか、やる気をそぐ動きを助長しないか心配だ。
コミュニティとは何かという根本的な問題もあるし、国が管理組合という集合住宅居住者のコミュニティ活動に足かせをはめていいかどうかも疑問だ。
多くの管理組合が実施している餅つき、夏祭りはもちろん、わが国では古くから七夕祭り、お月見、クリスマス(最近はハローウィンも加わったようだが)などが年中行事として行われている。これは文化だ。文化がすたれば地域コミュニティは間違いなく崩壊する。
マンション居住者(管理組合)が、地域のコミュニティにどうかかわるかは居住者(管理組合)の主体的な判断に委ねるべきだ。主体者が自主的に判断する、これが自治だ。多様な管理形態があってしかるべきだし、それぞれの管理組合の創意工夫がそのマンションの市場での価値を高めることにつながると思う。国が細かな点まで関与する問題ではない。
マンションの資産価値はどうしたら向上できるのかという難問も横たわる。
ユーザーがマンションを購入する際の選考ポイントとなるのはもちろんそのマンションの基本性能、居住性能だが、それだけではない。周辺の居住環境、地域の防災・防犯意識、そのたあらゆる要素を総合的に判断して決断する。街のポテンシャルが低下すれば、その街に存在するすべてのマンションの資産評価は下がる。
そうならないよう、街のポテンシャルを向上させるためにも、管理組合は町内会や商店街、PTAなどと共に主体者として行政とも連携を図り、コミュニティ活動に積極的にかかわっていくべきだと考える。マンション単体では資産の維持・向上を図るのは限界がある。
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そもそも、今回の「検討会」は多くの現場の多様な声を無視、封殺し、一部の委員のみの意見を反映させたもので、審議は極めて非民主的に行われてきた。
このことについてはその都度記事にしてきた。オブザーバーの反対意見に対して、「しどろもどろなそんな意見では、わたしの(講義)では不可(単位はやらないという意味か)」と恫喝した委員もいた。 「検討会」は、多くの異なった意見・考えを持つ有識者から意見を聞き、どう調整してとりまとめを行うかが本来の姿だと考えるが、これでは単に「意見を聞き置く」セレモニーに過ぎない。なのに、どうして論議に3年も(2年半の中断あり)時間をかけるのか。
この2年半の間に何があったのか、記者は知る由もないが、この検討会を主導した人たちは、管理が困難なマンションについては、欧米で採用されている「第三者管理方式」を積極的に導入すべきという論陣も張った。議決権についても専有持分比率だけでは不十分で、価格価値で判断してはどうかという意見も飛び出した。
仲間意識とか思いやり、絆などは一顧だにせず、ものごとを合理的か否かしか考えない、こういう人たちのことを新自由主義者、ネオリベラリストと呼ぶのだろうかといま考えている。
積水ハウス「5本の樹」計画 「第3回プラチナ大賞」経産大臣賞受賞
積水ハウスは10月26日、同社の生態系に配慮した庭づくり・まちづくり提案「5本の樹」計画が「第3回プラチナ大賞」(主催:プラチナ構想ネットワーク、発起人代表:小宮山宏氏)の最上位である大賞・経済産業大臣賞を受賞したと発表した。
受賞理由は、「5本の樹」計画は、『プラチナ社会』実現に向けた取り組みをビジネスを通じて実践していることが評価できる。このように企業には社会課題を解決する潜在力があるが、まだまだその潜在能力は十分に活かされていない。『5本の樹』計画は、企業による社会課題解決の今後の可能性を示すもの」とされた。
「5本の樹」計画は2001年度から実施しており、、地域の生き物が利用しやすい「在来種」の植物を顧客の庭や分譲地などに植えることで、生き物と触れあって命の重さを肌で感じたり、鳴く虫の声や鳥のさえずり、四季折々の花の移ろいなどで季節を感じたり、生き物や植物によって豊かさを実感できる住まいやまちの創造を目指す取り組み。2014年度の累計植栽本数が1,100万本を超えた。
「プラチナ大賞」は、「課題先進国」である我が国が課題解決して目指すべき「プラチナ社会」の実現に向け、イノベーションによる新産業の創出やアイディア溢れる方策などにより社会や地域の課題を解決している自治体や企業などの取り組みを表彰するもの。
東急リバブル 女性営業職の活躍推進に新制度
東急リバブルは10月23日、女性営業職の活躍推進の一環として、産前産後のモチベーション維持と営業継続を支援するための新制度「営業職キャリアパスプログラム」を導入したと発表した。
妊娠・出産・育児を伴う営業職のための制度で、産休開始予定日が属する期については「営業職」、「事務職」から処遇の選択が可能になり、育児休業から復帰後は、営業目標の軽減が受けられる期間を従来の1年間から子が小学校3年生末になるまで延長した。
同社は近年、女性営業職が増加傾向にあり、2015年10月時点で、全営業職に占める女性営業職の割合は約14%となり、今年4月に新卒採用した総合職に占める女性の割合は23.6%に達した。
大京 一戸建て「大宮日進」 初日だけで5戸のうち4戸に申し込み
「アリオンテラス大宮日進 美景(みかげ)の街」
大京が10月22日から販売を開始した一戸建てブランド「アリオンテラス(ALION TERRACE)」の第10弾「アリオンテラス大宮日進 美景(みかげ)の街」を見学した。JR川越線日進駅から徒歩6分の全5戸で、モデルハウスを除く4棟は青田売りにもかかわらず当日だけで4戸に申し込みが入った。
物件は、JR川越線日進駅から徒歩6分、さいたま市北区日進町2丁目に位置する全5戸。敷地面積は83.84~101.82㎡、建物面積は94.69~121.24㎡、価格は3,980万~5,030万円。施工はイトーピアホーム(2×4工法)。
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同社の一戸建ては、近鉄不動産との共同分譲を除いて2011年の第1弾「横濱山手」(7戸)から第2弾「芦花公園」(8戸)、第4弾「妙蓮寺」(9戸)を見学したが、その後はやめてしまった。
悪くはないのだが、いま一つ商品企画が甘く、デザイン的にも差別化が徹底できていないと失望したからだ。
今回の「大宮日進」は、マイナーな駅でもあるので心配したのだが、モデルハウスは抜群の出来だった。一見して惚れ込んだ。
デザインを担当したのは、アレス建築設計事務所・平田川奈氏。外観はフランク・ロイド・ライトの水平ラインをモチーフにした重厚感のあるもので、出窓、窓柱、壁ふかしの陰影や三連窓が美しい。「美景の街」と名付けたのもよく分かる。
内装もいい。玄関のクローゼットとリビングの出窓カウンターは本物そっくりのメラミン塗装、建具・面材は「木を超える美しさと機能性」が売りのパナソニック「VERITIS(ベリティス)」を採用しているのが特徴。
販売担当者によると、大手デベロッパーによる一戸建ての供給は最近ほとんどなく、8年振りとのことだった。マンションからの買い替えもあるという。
同社の一戸建てが進化しているのを確認できた。
国交省 マンション標準管理規約の改正についてパブリックコメント(意見公募)
国土交通省は10月21日、「マンションの管理の適正化に関する指針」及び「マンション標準管理規約」の改正(案)に関するパブリックコメントを開始すると発表した。期間は平成27年10月21日(水)から平成27年11月19日(木)まで。
最終とりまとめで示されたマンション標準管理規約の改正について、業界関係者やマンション管理組合がどのような反応を見せるかが注目される。
国交省は改正案の概要の一つとして「コミュニティ条項等の再整理」をあげ、「防災・防犯、美化・清掃などのコミュニティ活動は可能であることを明確にし、判例も踏まえた条項として各業務を再整理。(第27条、第32条)」としている。
コスモスイニシア DIYをサポートする「イニシア練馬豊玉」を分譲
「イニシア練馬豊玉」モデルルーム
コスモスイニシアは10月22日、本格的なDIYによる住まいづくりをテーマにしたマンション「イニシア練馬豊玉」を販売すると発表した。日本初の体験型DIYショップ「DIY FACTORY」を運営する大都とのコラボレーションによるもので、"Design It Your Sense"がコンセプトテーマ。
セルフデコアドバイザーによる無償の「セルフデコレーションサービス」を実施し、DIYサポートをはじめマンション内の1住戸を「セルフデコファクトリー(DIY工房)」として入居開始後約4カ月間開放。DIYイベントやワークショップを実施する。
「イニシア練馬豊玉」は、西武池袋線・都営大江戸線練馬駅から徒歩13分の7階建て38戸。11月上旬に分譲する第1期1次(6戸)の価格は4,300万円台~5,500万円台(専有面積67.10~72.02㎡)。