大和ハウスに拍手喝采 プレス向けに出入り自由のブース設置
「プレスブース」
大和ハウス工業の2016年3月期第2四半期決算は、売上高1兆5,355億円(前年同期比15.9%増)、営業利益1,304億円(同62.8%増)、経常利益1,291億円(同56.8%増)、四半期純利益927億円(同50.4%増)となり、いずれも過去最高を記録。戸建住宅、賃貸住宅、マンション、住宅ストック、商業施設、事業施設の6セグメントで増収増益となった。
好業績を受けて、通期業績予想も売上高3兆1,800億円(期初予想3兆円)、営業利益2,400億円(同2,000億円)、経常利益2,280億円(同1,920億円)、当期純利益1,540億円(同1,250億円)に上方修正。配当金も期初予想の年間70円から80円(創業60周年記念配当10円含む)に増配する。
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11月10日、飯田橋にある同社東京本社で「マスコミ向けスモールミーティング」が行われた。ミーティング終了後、大先輩記者のF氏から「大和ハウスが自由に出入りできるプレス向けのブースをつくった。入ってみよう」と声を掛けられた。
プレス向けのブースは水道橋駅寄りの1階エントランスを入って左側の角にあった。広さは約10畳大。
中央に4人くらいが掛けられるテーブル付きソファが設えてあり、雑誌約20誌、同社のリリースや社史、パンフレット、大型テレビ、コピー機、広報直通の電話機もある。コーヒーもブラジル、キリマンジャロ、モカ、コロンビア、エスプレッソの5種から自由に飲めるようになっていた。もちろん、パソコンを持ち込めば原稿も書ける。
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せっかくだからと、F氏とコーヒーを飲むことにした。紙カップにインスタントの粉末を入れて、コーヒーメーカーのお湯のボタンを押したのだが、全然湯が出ない。そこで、「これは広報に連絡したほうがいい。湯が出ないではないかと」F氏をそそのかした。Fしは備え付きの電話機で連絡した。
間もなく広報の女性2人が降りてきて、「ここ(湯が出る口の背後にある突起物のようなもの)にカップを当てながらボタンを押すと出ますよ。チャイルドロックのように、危険防止のためにこうしているんです」と利用の仕方を説明してくれた。
F氏も記者もこの種のウォターサーバーはほとんど利用したことがないことが露呈した。「あなたたちは子どもよ」と言われたような気がした。
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これはいい。大和ハウスもなかなかやるもんだ。どんどん利用したほうがいい。原稿を書くのもよし、雑誌を読むのもよし、広報に連絡し、いろいろと情報を仕入れることもできそうだ(対応してくれるかどうかは分からないが)。タバコも2階に上がれば喫煙室がある。記者はすぐ賃料をはじき出したが、これは書かない。
同社によると、スペースを設けたのは今年5月で、これまで多くの記者が利用しているという。記者ならだれでも利用できるが、受付で利用する旨声掛けすることが必要だ。
F氏によると、かつて積水ハウスが記者向けのスペースを提供していたというが、いまはどこのハウスメーカーもやっていないという。記者の知る限りデベロッパーもこの種のサービスはやっていない。国など行政がやっている記者クラブ制度は、記者は上手に活用していないという意味で反対だが、民間は記者を育てる意味でこの種の便宜は図っていい。大和に拍手喝采。
三井不レジ 都市型戸建て「三鷹フォレストプレミア」 光と風、取り込む
「ファインコート三鷹フォレストプレミア」
3物件目の三井不動産レジデンシャル「ファインコート三鷹フォレストプレミア」。こちらは敷地延長部分やカーポートに工夫を凝らすことで、各住戸に光りと風を取り込む商品企画が抜群だ。
物件は、京王井の頭線三鷹台駅から徒歩20分(三鷹、吉祥寺、久我山、千歳烏山からのバス便あり)、三鷹市牟礼7丁目に位置する全13戸。土地面積は114.66~116.65㎡、建物面積は91.08~92.94㎡、第1期(戸数未定)の予定価格は5,900万円台~7,000万円台(最多価格帯6,100万円台)。構造は2×4工法2階建て。施工はエステーホーム。入居予定は平成28年2月上旬。販売開始は12月上旬。
現地は、三鷹台駅からだと距離があるが、三鷹、吉祥寺、久我山、千歳烏山からのバス便が利用できるのが特徴だ。ここも従前は畑。
建物デザインを担当するのは三井ホームデザイン研究所・稲垣秀晃氏、アレス建築設計事務所・小泉弥生氏、小川建築設計・高橋慶郎氏。マナーハウスの意匠を採り入れた「エーシェントマナー」、木調の垂直ラインを強調した洋館の「ティンバーピラー」、フランク・ロイド・ライトの水平ラインを取り込んだ「インガルスプレーリー」の3つのスタイルを採用している。
工事中だが、手前は3棟のカーポートを集約し、その奥は2棟の敷地延長部分を緑化している
敷地延長部分
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この物件の特徴は、隣り合う住戸の敷地延長部分に緑をたくさん配することで路地風空間とし、カーボードを3棟分連ねることで、空間の広がりを持たせていることだ。敷地境界にフェンスなど設けず、限られた敷地・空間をそれぞれが共有・補完しあい、光と風を取り込む工夫がなかなかいい。
設備仕様などは「つつじヶ丘」とほとんど同様だ。都心に近いだけこちらのほうが価格は高くなりそうだ。
モデルハウスでは、リビングの折上げ意匠天井とそれに続くDENの提案がいい。外観に塗り壁調サイディングを施した住戸もあった。
同社は今年、三鷹市牟礼3丁目で「ファインコート三鷹台」全30棟を分譲したがわずか3カ月で完売したという。こちらも早期完売しそうだ。
敷地延長部分の路地空間(左側は未完成)
外観
三井不レジ 都市型戸建て「つつじヶ丘」 記者も惚れ込んだデザイン
「ファインコートつつじヶ丘シエルガーデン」
三井不動産レジデンシャルがモデルハウスをオープンしたばかりの「ファインコートつつじヶ丘シエルガーデン」を紹介する。デザインが突出してよく、同社関係者も悦に入っているようだ。
物件は、京王線つつじヶ丘駅からバス7分バス停徒歩6分、調布市深大寺東町4丁目の建ぺい率40%、容積率80%のエリアに位置する全20戸。土地面積は113.46~116.27㎡、建物面積は90.59~92.63㎡、予定価格は5,200万円台~6,500万円台(最多価格帯5,700万円台)。構造は木造軸組み工法2階建て、施工はポラテック。入居予定は平成28年3月下旬。
現地は、駅からややあるが敷地は従前畑だったことからもわかるように畑などの緑が多く、深大寺や神代植物公園へも徒歩18~22分。敷地は北東-北西軸がやや長い長方形で、南側の幅約6mの開発道路のほかに、東南-北西方向に幅約4.5mの開発道路を設置して、各住戸に開放感を持たせているのが特徴。
建物は、建築家などによく紹介されるアメリカ・ニューヨーク州郊外の「Forest Hills Gardens」をモチーフにしたハーフティンバー、アールデコ、スパニッシュタイプを採用し、ロートアイアン調のブラケットや照明、リースフック、門柱などディテールにも細かな工夫を凝らしている。
住戸プランは、エネファーム、HEMS、食洗機、ミストサウナ、防犯ガラス、電動シャッターなどが標準装備。
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モデルハウスを見た途端〝これはいい〟と思った。冒頭に載せたハーフティンバーの外観デザインもいいし、深い陰影を持つアールデコやアーチ状の窓があるスパニッシュもいい。
デザインがいいと思ったのは記者だけでなく、「国立」の記事でも紹介した池田氏もぞっこんで、「写真を見せたら、他の幹部もみんな出来栄えを褒めていた」と話した。
吹き抜け
開発道路に面した住宅
三井不レジ 外構に力入れる都市型戸建て「国立シーズナルコート」30戸
「ファインコート国立シーズナルコート」
三井不動産レジデンシャルの都市型戸建て「ファインコート国立シーズナルコート」「ファインコートつつじヶ丘シェルガーデン」「ファインコート三鷹フォレストプレミア」の3物件を見学した。いずれも植栽・外構に力を入れており、街並み・建物デザインが優れているのが特徴だ。3回に分けて紹介する。
まず「ファインコート国立シーズナルコート」から。
物件は、中央本線国立駅から徒歩20分、またはバス4分バス停から徒歩2分、国分寺市高木町1丁目の建ぺい率40%他、容積率80%の地域に位置する全30区画。土地面積は125.12~132.19㎡、建物面積は95.87~100.37㎡。価格は未定だが、5,000万円台(1,000万円単位)からになる模様だ。全体竣工予定は平成28年02月中旬。構造は木造軸組み工法2階建て。施工はポラテック。販売は12月中旬。
現地の従前は畑で、国分寺市の条例により最低土地面積が125㎡。敷地内の道路を緩やかにカーブさせ、建物はフランク・ロイド・ライトに師事した建築家が設計したかつての国立駅舎をモチーフにしたクラシックモダンのデザインが特徴。近くオープンする「ららぽーと立川立飛」へも自転車で10分くらいだそうだ。
モデルハウスは、専業主婦が自宅で「料理教室」を開くことを想定してウォークスルーミセスドックとDENをセットにしたスペースを提案し、一方で夫の趣味室も設置しているのが特徴。
インターロッキング舗装とオープン外構が特徴
提供公園
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建物は16戸が先行して建築中で、外構・植栽などが出来上がっていないので何とも言えないが、同社が昨年分譲した、やはり戸数が27戸と多かった「ファインコート国分寺日吉町」のように外構・植栽に力を入れていることがうかがわれた。
やや驚いたのは、工法が在来工法で施工がポラスグループのポラテックだったことだ。ポラテックがこれまで施工した一戸建てはたくさん見学しているが、今回のようなシャープなラインを強調した都会的な雰囲気がするデザインは見たことがない。
これは、三井不動産レジデンシャルの物件だから商品企画は同社が主導で進めるのは当然で、そもそもポラスグループが都内城西エリアで戸建てを分譲したケースは皆無だ。三井もポラテックも双方が学べるものがたくさんあったのではないか。
三井不動産レジデンシャルの都市型戸建てはほとんどが2×4工法によるものばかりだと思っていたが、物件を案内してもらった同社 地域開発事業部営業室兼開発室室長・池田篤彦氏は「在来工法を採用しないということではない。これまでも採用してきた」とのことだった。
次に紹介する「ファインコートつつじヶ丘シェルガーデン」も、12月にはモデルハウスが出来上がるという「ファインコート浦和美園」も施工はポラテックだ。三井は埼玉で圧倒的な強みを発揮しているポラスから、ポラスは都心の都市型戸建てでこれまた他社の追随を許さない三井から、それぞれいいところを吸収しようという戦略だと記者は理解した。
そういえば、このところデザインを一新したフージャースコーポレーションは三井の物件をたくさん施工してきた津田産業やエステーホームなどを施工に起用するようになってきた。
アール形状のデザインが旧国立駅舎を思わせる
三井不レジ 都市型戸建て「三鷹フォレストプレミア」 光と風、取り込む(2015/11/9)
三井不レジ 戸当たり単価 マンションが一戸建てを上回る逆転現象
三井不動産レジデンシャル「ファインコートつつじヶ丘シエルガーデン」
三井不動産レジデンシャルが分譲するマンションと一戸建ての戸当たり単価が逆転した。三井不動産は11月6日、平成28年度第2四半期決算を発表したが、三井不動産レジデンシャルの分譲マンションの計上戸数は2,627戸(前年同期比658戸増)で、戸当たり単価は5,742万円(同190万円増)となり、一戸建ては299戸(同79戸減)で、戸当たり単価は5,424万円(同139万円増)となり、マンションのほうが一戸当たりの価格は318万円高くなった。
同社の分譲マンションと一戸建ての戸当たり単価が逆転した時期は別表の通り過去にもあった。「パークコート虎ノ門愛宕タワー」が計上された2009年度はマンションが戸当たり5,281万円だったのに対し、一戸建ては5,278万円だった。2010年度には「パークコート赤坂ザタワー」「パークシティ浜田山」などが寄与したため5,515万円となり、戸建て平均の5,365万円を150万円上回った。
今回、再び逆転したのはマンションの計上物件が「Tomihisa Cross」や「桜上水ガーデンズ」「パークシティ大崎ザタワー」など都心の高額・高単価マンションが多かったためだが、今後も都心部の高額。高単価物件の計上が予定されており、マンション価格が一戸建て価格を上回ることが常態化する可能性が高い。
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同社と戸建て部門でデッドヒートを演じている野村不動産はどうか。平成28年3月期第2四半期のマンション計上戸数は3,242戸で戸当たり単価は5,308万円、一戸建ては174戸で戸当たり単価は6,779万円だ。戸建て単価は野村のほうが約1,400万円高く、マンションは三井のほうが約400万円高い。
「ファインコートつつじヶ丘シエルガーデン」
ヤフー&ソニー不 〝マンション流通革命、はじまる。〟サービス開始
ソニー不動産・西山社長(左)とヤフー・宮坂社長
ヤフーとソニー不動産は11月5日、リアルタイムで自分が売りたいマンションの価格を知ることができ、売値も自分で決められ、売却した際の売却仲介手数料がゼロという新しい不動産売買プラットフォーム「おうちダイレクト」を開始したと発表した。
マンション所有者は、「おうちダイレクト」を利用することで不動産仲介会社を介することなく、自由に価格を決定し、その物件情報を「Yahoo!不動産」内の「おうちダイレクト」上に無料で掲載することができる。
マンション購入検討者は、まだ売り出されていないマンションについて「購入希望の意思表明」や、売り出し中のマンション所有者に対して「物件に関する質問」を直接できるようになり、より能動的に物件購入を検討することが可能となる。
マンション所有者による物件の売り出しから、購入検討者による物件見学の申込みまではウェブサイト上で行うことができ、その後の物件見学から売買代金の決済・物件の引渡しまでのオフラインでの不動産取引実務はソニー不動産がサポートする。
「おうちダイレクト」は、1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の約5万棟のマンションに関する豊富な情報をデータベース化しており、マンション所有者はYahoo! JAPAN IDでログイン後、オーナー登録を行うだけで自分の住戸の推定成約価格を知ることができる。
「不動産価格推定エンジン」の推定精度MER(Median Error Rate:誤差率の中央値)は東京23区で5.39%と、業界最高水準の精度を持っているという。
不動産の売買契約が成約した場合、不動産仲介会社が受け取ることのできる仲介手数料(税抜)は、売主と買主のそれぞれから成約価格の3%+6万円が法定上限金額とされているが、「おうちダイレクト」では、売主が負担する売却に係る仲介手数料は無料となる。買主はコーディネーター料金として成約価格の3%+6万円の料金をソニー不動産に支払うことになる。
当面、サービスは東京都心6区(千代田区、中央区、港区、渋谷区、品川区、江東区)のマンションが対象で、その後サービスエリアを順次拡大していく予定。
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なかなか刺激的な会見だった。共同記者会見が行われた東京ミッドタウンのヤフーの会場には約60名の報道陣が駆け付けた。不動産流通業界に詳しい記者によると、この種の会見などに集まる記者は多くて20人くらいだそうで、今回はその3倍の記者が集まったことになる。ヤフーとソニーの〝集客力〟を見せつけた格好だ。会場のあちこちに「マンション流通革命、はじまる。」のポスターが張り出されていた。
会見に臨んだヤフー・宮坂学社長は、「われわれは、法人や国、組織しかできないことを個人でもネットの情報技術を通じて可能となるように一貫して追求してきた。これがわれわれのミッションだ。『おうちダイレクト』も個人が法人と同じ環境で、自分の一番大事なものを売れるようにするサービス。我々の業界でよく用いる破壊するという意味のDisruptor(ディスラブター)ではなく、既存の負仲介システムの選択肢を増やすのが目的」と、時々笑みを浮かべ自信たっぷりに話した。
ソニー不動産・西山和良社長は、「会社を設立してからこれまで1年3か月、売買エージェントとして代理人に寄り添って好評を得てきた。ヤフーのメディア力とソニーの技術力で安心・安全の取引を心がけ、中古住宅市場の活性化に寄与したい」と語った。
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記者は不動産流通業に疎いので、これが成功するかどうか分からない。これまでも不動産オークション市場に挑戦したところがあったが、どこも成功しなかったのが気にはなる。それはなぜなのか。買う側の不安のほうがはるかに勝るからだろうか。
もう一つは、「不動産価格推定エンジン」の精度だ。誤差率5.39%が高いのか低いのか。ただ、いまでもレインズの「不動産ジャパン」でかなりのデータを個人でも知ることができるが、自分の所有マンションの価格が瞬時にはじき出されるのはいいかもしれない。「不動産価格推定エンジン」の精度がそれほど高いのなら、新築マンションの価格査定には使えないのか。それが可能になれば、購入希望者が査定依頼に殺到するのではないか。
それと、やはりマンション戸別の日照、設備の劣化、管理状態は客観的に評価できるかどうか。もちろん売る側は高く売りたいから高値を付けるだろうが、購入希望者との価格のかい離が大きければなかなか成約に結びつかないのではないかという気もする。
いずれにしろ、不動産情報の非対称性を巡って論議が活発化するのは間違いない。ヤフーとソニー不動産が火に油を注ぐデモンストレーションを行ったということか。
不動産流通に関する会見でこれほどの報道陣が集まった例はほとんどないという
ナイス 全物件を免震に 「ノブレス赤羽」 敷地南側は第一種住居
「ノブレス赤羽」完成予想図
ナイスが分譲中の免震マンション「ノブレス赤羽」を見学した。同社は2005年以降、低層を除き免震を標準としてきたが、今年度から低層を含めすべての物件を免震とすることを決定した。今回の物件もそのうちの一つ。6月から分譲を開始しており、これまで20戸を契約、順調に売れている。
物件は、JR埼京線・湘南新宿ライン・京浜東北線・東北本線・高崎線赤羽駅から徒歩11分(東京メトロ南北線赤羽岩淵駅から徒歩7分)、北区志茂2丁目に位置する15階建て44戸(事業協力者用住戸8戸含む)。専有面積は26.91~66.18㎡、現在分譲中の住戸(16戸)の価格は3,890万~5,710万円。坪単価は260万円。入居予定は平成28年3月下旬。施工は木内建設。設計・監理は三輪設計。
現地は、北本通りに面しているが、敷地南側は基本的に高さが10m以下の第一種住居専用地域に指定されている。建物は1フロア3戸でコンパクトタイプ。ほとんどの窓は2重サッシを採用している。
同社の販売の責任者、横澤圭太氏は「免震が高く評価されており、販売は順調に進んでいる。東日本大震災で大きな揺れに襲われた仙台において、当社は22物件1,500戸以上の免震マンションを分譲している。震災時も地面が大きく揺れているのに建物はそれほど揺れていない画像を販売事務所でも公開しているが、皆さんその効果に一様に驚かれる」と話している。
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同社がすべてのマンションを免震にするというのは知らなかった。ナイスグループは、首都圏における免震マンション供給棟数はナンバー1で、全国でも、現在計画しているものを含めて70棟7,120戸の免震マンションを供給している。
横澤氏は帰りがけに、「お客さますべてに配っているものですが、来ていただくお客さまの命を守りたいという気持ちが込められたものです。これを持っていってください」と、ストラップ付きの「ミニホイッスル」をくれた。
もう20年も30年も昔だ。平田恒一郎社長がまだ役員になったばかりだったか、「うちは戸数など追わない。地域に信頼される企業としてナンバー1を目指す」と語ったのが記憶に残っている。愚直に安全・安心を追求する姿勢は貴重だ。
三信住建 「妙蓮寺」で坪単価294万円 それでも売れる東横線
「プレミアムレジデンス横濱妙蓮寺」完成予想図
三信住建が分譲中の「プレミアムレジデンス横濱妙蓮寺」を見学した。妙蓮寺駅から徒歩2分で戸数39戸、坪単価は294万円。驚くような単価だが、9月から分譲開始し、すでに22戸が契約済みだからよく売れている。
物件は、東急東横線妙蓮寺駅から徒歩2分、横浜市港北区仲手原二丁目に位置する6階建て全39戸。専有面積は64.98~85.48㎡。現在分譲中の住戸(4戸)の価格は5,878万~6,988万円(70.05~80.16㎡)。平均坪単価は294万円。竣工予定は平成28年6月上旬。売主は同社のほかセコムホームライフ(事業比率は50:50)。設計・監理はIAO竹田設計。施工は三信住建。販売代理は双日新都市開発。
現地は、道路に面しているところは商業地域で、その奥は第一種低層住居専用地域。建物は東向きと南向き。2重床・2重天井、食洗機、ミストサウナが標準装備。
◇ ◆ ◇
この単価を聞いたときは正直驚いたが、もともと単価水準の高い東急東横線。武蔵小杉を筆頭に駅近物件は軒並み坪300万円を突破しつつある。だから、駅2分で294万円も妥当かなと思えてくる。何よりも22戸が売れていることが証明されている。
読者の方はご存じないかもしれないが、バブルが終息するころ、佐藤工業「ザ・ヴィスタ妙蓮寺」が分譲された。確か坪単価は330万円くらいで、全61戸ほとんどか億ションだった。
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それにしても同社の伸びがすさまじい。同社はマンション用地の取得・卸しで急伸している会社だが、会社設立の2006年度は開発・取扱い件数が18件1,409戸、売上高20億円だったのが、2014年度は開発・取扱い件数が45件2,269戸、売上高294億円だ。10年足らずで売上高は10倍に伸びた。
同社社長・信田博幸氏は長谷工コーポレーション出身。2005年に取締役兼専務執行役員に就任。2006年に退社し、同社を立ち上げた。
ブランド名「プレミアムレジデンス」は、自社で分譲する物件に冠するもので、今回が3物件目。記者は2年前、第一号の「プレミアムレジデンス府中西府駅前」を見学し、記事にしている。なかなかいい物件だった。この記事は、いま問題になっている横浜市の傾いたマンション問題を考える意味でも参考になるはずだ。
左手にタコ、一筆書きのようにマンション検査徹底 新三平建設・高谷氏(2013/11/19)
「親方に弟子入りしたい」-国交省 初のものづくり体験授業 カンナ社長が匠の技披露
匠の技について講話する宮沢社長(さいたま市立春里中学校で)
「親方に弟子入りしたい」-国土交通省は10月31日(土)、子どもたちに建設業の社会的な役割やものづくりの素晴らしさを知ってもらおうとさいたま市教育委員会と連携、市内の小・中学校を対象としたキャラバン「建設産業ものづくり体験授業」を実施。「カンナ社長」ことアキュラホーム・宮沢俊哉社長のかんな掛けを目の当たりにした生徒は「親方(宮沢社長)に弟子入りしたい」「親方のようになるには何年かかりますか」「自分もなりたい」などと感動を語った。
体験授業は、建設業界に対する世の中一般のネガティブなイメージを払しょくし、建設業の魅力を発信しようという取り組みの一環として行われたもので、今回は市立新和小学校と春里中学校を対象に行われた。この種の授業は工業高校では行われているが、小・中学校では初の試み。
市内見沼区の春里中学校では、8時45分から開会式が行われ、1年生約270名が建設産業の紹介、かんな掛け、釘打ち、のこぎり挽き、壁塗り、作業ロボット体験のほか、地滑り、トンネル工事、液状化などについて正午まで学んだ。
体験授業には土木学会や埼玉県左官業協会が、業界からはアキュラホーム・宮沢社長がかんな掛けを、大和ハウス工業が作業ロボットスーツの体験・実演をそれぞれ行った。
かんな掛け(左)と釘打ち体験
宮沢社長
目を輝かせてかんな掛けを観る生徒
◇ ◆ ◇
かんな掛けにはミクロン(1000分の1単位)の技を持つアキュラホームの宮澤俊哉社長が講師として参加。自ら大工として弟子入りしてから、トップレベルのかんな掛けができるようになった経緯をわかりやすく話し、実際に匠の技を生徒の前で披露した。
しゅるしゅると薄絹のような「かんな華」がむき出され、鏡のようになった表面に生徒たちは歓声を上げた。質問コーナーでは、「何年で技は身につきますか」「親方に弟子入りしたい」「コツはありますか」「好きな木はなんですか」などと宮沢氏を質問攻めにした。
生徒たちは「とても楽しかった。自分も大工になりたい」「ワクワクの連続」「ロボット体験がおもしろかった」などと異口同音に感動を語った。
約24キロのペットボトルを楽々と持ち上げる生徒
壁塗り(左)と地滑りの実験をする生徒
明和地所「クリオ駒沢公園」 全53戸のうち10戸は億ションかプレミアム仕様
「クリオ駒沢公園」完成予想図
明和地所が11月下旬に分譲する「クリオ駒沢公園」を見学した。駒沢オリンピック公園に徒歩4分、国立東京医療センターに隣接する全53戸の中層マンションで、同社久々の100㎡、億ションも含まれる。
物件は、東急田園都市線駒沢大学駅から徒歩16分(JR恵比寿駅からバスで約20分圏)、目黒区東が丘1丁目に位置する6階建て全53戸。専有面積は55.69~124.32㎡、価格は未定だが坪単価は370~380万円台になる模様。竣工予定は平成28年11月下旬。設計は三輪設計。施工は多田建設。
現地は、敷地南側が駒沢通りに面しており、西側は国立東京医療センターの森に隣接。
建物は、南向き中心に東向きと西向き。88㎡以上の10戸がプレミアム仕様として億ションになる模様。
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なかなか意欲的なマンションだ。モデルルームに当てられているのは120㎡の「X type」。インテリアデザインを担当するのはカン・デザイニングオフィスの鈴木ふじゑ氏。玄関は横入りタイプで、廊下幅は1200ミリ以上。床、壁などに大理石やチェリー材など天然材をふんだんに用いており、リビング壁は「セルベジャンテ」と呼ばれる大理石張り。カラーリングは鈴木氏が名付けた〝グレージェ〟。グレーとベージュを掛け合わせた微妙な色を表現している。
設備仕様からして10戸は間違いなく億ションになる。同社の億ションと言えば、10数年前に分譲された「クリオレミントンハウス文京播磨坂」を思い出す。高額だったが、瞬く間に売れた。
100㎡住宅も久しぶりだ。「レミントンハウス」もそうだが、もともと100㎡は同社が積極的に手掛けてきたプランだ。元気な明和が戻ってきた。
モデルルーム