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「プラウドタワー木場公園」完成予想図

 「最高峰」のマンションを立て続けに2物件みた。一つは野村不動産「プラウドタワー木場公園」で、もう一つは三菱地所レジデンス・大栄不動産「ザ・パークハウス浦和タワー」だ。最高峰とは文字通り建物が高いという意味ではなく、それぞれの駅圏で坪単価がもっとも高いという意味なのだが、これまでの最高単価をやすやすと超え、しかも売れ行きが好調ということからしても最高峰と言えるかもしれない。先に「木場公園」から紹介する。

 物件は、東西線木場駅から徒歩7分、江東区木場3丁目に位置する27階建て全204戸。専有面積は65.30~103.90㎡、坪単価は323万円。入居予定は平成29年8月上旬。施工は前田建設工業。

 物件の最大の特徴は、道路を隔てて木場公園に隣接しているタワーマンションということだ。敷地は3方道路に囲まれており、建物は中央にエレベータや階段室があるロの字型。東側、西側、北側が木場公園と木場親水公園に隣接・近接しており、南側住戸は下層階を除き公園が見渡せる。

 もう一つの特徴は、最近少なくなってきている都の総合設計制度の適用を受けていることだ。そのため容積率の緩和を受けて27階建てが実現したのだが、敷地の約4割を公開空地としている。建物は制震構造。

 住戸の商品企画・設備仕様は、これまでの同社の「プラウド」と同様トップクラスとみてよい。

 9月から分譲開始されており、これまで140戸が契約済み。第2期2次15戸が12月13日に登録分譲される。価格は6,319万~8,719万円(最多価格帯7,200万円台)。

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 このマンションが坪単価300万円を超えるだろうということは、昨年末、日本綜合地所(現大和地所レジデンス)の「ヴェレーナ木場公園」を取材したときから分かっていたのだが、300万円を軽々超え、それでも極めて売れ行きが好調というのにはやや驚いた。

 木場駅圏や門前仲町駅圏はここ数年、同社をはじめ三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、住友不動産などの大手デベロッパーの独擅場となっているが、坪単価はせいぜい260万円がアッパーだった。それを日綜が280万円で超え、今回300万円を軽々と突破した。

 もう一つ驚いたのは、この物件の希少性だ。パンフレットには「『東京駅5㎞圏』「階層20階以上」「20万㎡超の国民公園・恩賜公園・都立公園・都立庭園(これに該当する公園は新宿御苑、上野公園、木場公園)まで徒歩1分以内」というくくりでは、過去20年を振り返ってもわずか2物件しかなく、今回の物件が3件目だということだ。

 同じナレーションがシアターからも流れたので、いったい他の2物件はどこだろうと考えた。真っ先に浮かんだのは三菱地所レジデンスの「千鳥ヶ淵」だが、これは皇居だ。皇居は公園ではない。同社が皇居を除外したのは正解だと考え直した。(あとで分かったのだが、代々木公園は5キロ圏外)。

 さて、この20万㎡超の公園に隣接・近接している残りの2物件とは、一つは同社が分譲した「プラウド新宿御苑エンパイア」で、もう一つは大京の「ザ・ライオンズ上野の森」だという。三井不動産レジデンシャル「パークタワー上野池之端」もそうだと思うが、なぜか入っていない。

 参考までに。パンフレットには世界のパークサイドマンションが紹介されており、世界最高額は2014年に分譲されたイギリス・ロンドンの「ワン・ハイド・パーク」で、価格は日本円にして253億4,000万円だそうだ。米国・ニューヨークの最高層タワーマンション「One57」は2015年に日本円で約119億円の価格で取引されたという。

 わが国の最高額マンションは、バブル時にドムスから分譲された「南麻布」のマンションが確か44億円だった。この記録はまず更新されないだろう。海外から「日本のマンションは安い」と言われるのも納得だ。今回の「木場公園」も1億円超えは10戸くらいしかないはずだ。

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モデルルーム

日本綜合地所「ヴェレーナ木場公園」 木場・東陽町駅圏&同社物件の最高値更新(2014/11/26)

 

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「メイツガーデンズ三郷中央 フロントコート」完成予想図

 名鉄不動産の「メイツガーデンズ三郷中央 フロントコート」を見学した。郊外部のマンションもじわじわと価格が上昇しているが、ここは坪150~160万円に収まり、東向きの住戸は60㎡台がほとんどで、3,000万円以下になりそうだ。全戸平置き駐車で、料金がゼロというのも訴求ポイントの一つ。

 物件は、つくばエクスプレス三郷中央駅から徒歩12分、三郷市中央4丁目に位置する9階建て全169戸。専有面積は65.86~84.23㎡、予定価格は2,300万円台~4,400万円台(最多価格帯3,100万円台)、坪単価は150万円台の半ばから後半あたりになる模様。施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は2017年2月中旬。販売代理は長谷工アーベスト。分譲開始は1月中旬。

 現地は、三郷中央駅周辺の土地区画整理事業地内の一角にあり、総合病院と公園、保育園が近接。建物はL字型で南向きと東向きが半々くらい。駐車場は平置きで全戸分確保。料金は無料。

 分譲単価は未定だが、価格の割には設備仕様レベルが高いのが特徴だ。ディスポーザ、食洗機、床暖房が標準装備。ドア小口は巻き込み式。

 1月16日(土)には、元西武の石井一久氏と人気芸人・ペナルティ・ワッキー氏によるイベント「スポーツ教室」を開催する。

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 単価はほぼ予想通り。数年前、大京が駅前の「ザ・ライオンズ三郷中央」(318戸)を坪単価150万円台で分譲し、早期完売した。そのとき、記者はもっと高くても売れるだろうと思ったが、同社は戸数が多かったので低めに設定したのだろう。

 それが今の中古市場で坪単価は180万円も190万円もしているそうで、もう少し駅から離れた物件でも170万円くらいだという。この単価差をユーザーはどう考えるか。

 難点といえば、三郷中央から秋葉原駅には20分くらいと近いのだが、駅周辺の商業施設がいま一つであることだ。

申込殺到も 大京「ザ・ライオンズ三郷中央」(2010/11/18)

 

 

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「三井ショッピングパーク ららぽーと立川立飛」

 三井不動産は12月10日(木)、立川市に西東京エリア初のリージョナル型ショッピングセンター「三井ショッピングパーク ららぽーと立川立飛」を開業する。7日(月)、開業に先立ってプレス・関係者に公開された。

 同施設は、JR中央線立川駅から多摩モノレール線で2駅の立飛(たちひ)駅と新設の連絡ブリッジで直結した西東京エリア最大級のショッピングセンター。敷地面積は約9.4ha、建物は鉄骨造3階建て延べ床面積約15.4ha。駐車台数は約3,100台。いつも訪れたくなる“居心地のよい空間“を目指す。

 モールには高感度ショッピングからデイリーユースまで、幅広くカバーする250店舗が出店。「音楽」「文化」「子育て」の3つをキーワードに、新たなサービスの提供やショップ間のコラボレーションに取り組んでいく。

 10日には、8時25分から清水庄平・立川市長も出席してオープニング テープカットセレモニーを行うほか、様々なイベントやキャンペーンが行われる。 

 公共交通機関の利用を促すこともあり、12月10日から来年の1月11日までの毎週土曜・日曜日は立飛駅やバスを利用して訪れた人には買物券500円がプレゼントされるほか、先着100名限定で宅配サービスやクロークサービスの半額チケットが当たる抽選もある。

 初年度売り上げ目標は330億円。3,000人を超える雇用が生まれる。

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「テラリウム」(直径10m、中にはシラカシが植わっていた)

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武蔵野美大生によるスペースデザイン プロジェクト

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スペースデザイン プロジェクト

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 立川市に本社を構える「いなげや」の旗艦店「blooming bloomy by Inageya」が、これまでにない売り場や、地元直送野菜や多摩地産を集めた〝さんさん市〟を開くというのでどのようなものか見に行くことにした。

 しかし、ここ10年以上、ほとんどスーパーで買い物をしたことがないので、〝これまでにない〟売り場とはどのようなものかさっぱり分からず、売られている生鮮食品が高いのか安いのかも全く分からず、とりあえず「紅化粧」という名の皮が赤い128円の大根を買い右往左往していたら、「どうですか? おいしいピザを一緒に食べませんか」と声を掛けられた。

 一瞬躊躇した。ピザは好きではないからだ。しかし、断るのは失礼と思い、話を聞くことにした。頂いた名刺には「いなげや専務取締役 営業統括 木村博尚」とあった。しめた!(もちろん「ピザは嫌いでして」などとは口にしなかった)

 木村氏は「わたしがここの責任者。このピザは桜島の溶岩窯で焼いたからおいしいですよ。フレッシュジュースもどうぞ。ここは〝くつろぎスペース〟と呼びまして、買っていただいたものを自由に食べていただくとか、パソコンの利用も可能にします。酒? もちろん結構です。デリカッセンやフレッシュジュース売り場なども新しい試みで、チラシも基本的にまきません。お客さまがお客さまを呼んでくれる店舗づくりをめざします」と話した。

 スーパーがチラシをまかないでどうして集客するのか分からないが、いなげやも含めてこの「ららぽーと立川立飛」は〝今日は何があるかしら〟と行きたくなるような店舗づくりをしているのかもしれない。社に戻って女性に聞いたら、最近の大手スーパーはそのような店舗づくりをしているとのことだった。

 「紅化粧」はあきる野産で、赤いのは皮だけで中身は普通の大根と同じ。皮ごと漬物やサラダにしたらカラフルなものになる。そのままおろしたら、辛くない〝紅葉おろし〟になるかも。普通の大根は1本158円だった。

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いなげや専務取締役・木村氏(久々にピザを食べたが、ネギが入っており美味しかった。キウイのジュースもおいしかった。1杯200円で、ほかより100円は安いとか)

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〝さんさん市〟(手前の赤いのが「紅化粧」。大きさは普通の大根の半分くらいか。その手前のネギは128円、その奥の白菜は250円)

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三越伊勢丹「エムアイプラザ」(買い物かごを持って商品が買えるカジュアルな店ということだった)

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建築中の「CUBE17~じゅうなな~(キューブジュウナナ)」

 コスモスイニシアは12月6日、コミュニティ形成支援付賃貸戸建住宅「CUBE17~じゅうなな~(キューブジュウナナ)」のメディア向け説明会・構造見学会を行なった。転貸する同社をはじめ事業主の環境開発研究所、設計の島﨑義治建築設計事務所、施工の藤島建設の思想とノウハウを結集した四重奏(カルテット)であり、入居者参加型という意味では五重奏(クインテット)のかつてない賃貸戸建てといえるかもしれない。

 物件は、JR武蔵野線新座駅から徒歩12分、新座市大和田に位置する開発面積約2,400㎡、全17区画。一戸当たり土地面積117.70~163.00㎡、建物面積75.89㎡。構造は在来工法2階建て。入居開始は平成28年3月。賃料は未定だが、13万~14万円/月で検討されている。

 プロジェクトは、事業主の環境開発研究所(埼玉県新座市)の「野原の中に家があるような、風通しの良い街を残したい」という思いに共感した島﨑義治建築設計事務所(東京都文京区)が基本・実施設計を行い、コーポラティブハウスとコモン付賃貸住宅などコミュニティがキーファクターの住宅を提供しているコプラス(東京都渋谷区)が監修。施工は藤島建設(埼玉県川口市)で、構造材や内外装材に国産材を採用する。

 敷地内の無電柱化を図り、敷地境界柵・塀を設置しないでゆるやかに住宅をつなぎ、一戸一戸の住宅の向きを変えることでプライバシーにも配慮し、住宅の構造材には100%国産材を採用、1階床はヒノキの無垢材、天井高は約2.8mのカラマツの現しを採用するなど環境にも配慮しているのが特徴。

 コスモスイニシアは8,900戸を超える賃貸運営事業の実績と、住宅分譲事業で行なっている入居者同士のコミュニティ形成支援で培ったノウハウを生かす。入居後もコミュニティサポートを行なっていく。

 現地で挨拶した同社賃貸事業部事業推進部部長・塩見良二氏は、「オーナーの〝囲いのない公園の中にあるような街を作りたい〟という思いに島﨑さんが共感され、私どももマンションなどて進めているコミュニティ支援の取り組みは賃貸でも同様に重要だと共感して実現したプロジェクト」と話した。

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イメージ図

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模型

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 これ以上ないレベルの高い賃貸住宅だろう。敷地のオーナーでもある環境開発研究所社長・奥田栄氏の〝こだわり〟がなければ、なにかにつけ(とくに心が)豊かでないと実現しないプランだ。

 配布された資料によると、奥田氏は1949年生まれで、地元で300年の歴史を持つ奥田家の後継者のようだ(農地解放でどれだけの土地が残っていたのか)。東京工大大学院から同大学助手-日立製作所研究員-人間環境大教授などを経て環境開発研究所代表取締役に就任している。

 基本・実施設計を担当する島﨑氏は1956年生まれ。京大大学院工学研究科を終了したあと内井昭蔵建築設計事務所勤務を経て、現在、人間環境大教授を務める。

 この二人の経歴でもわかるように同じ大学で教鞭をとっていることと、コスモスイニシアのサポートが加わったことがプロジェクトの実現につながったようだ。

 一つひとつは書かないが、わずか17棟しかないのに無電柱化し、敷地中央に6m幅の道路をつけ、敷地境界柵を取り払い、構造材に岩手県葛巻町の100%国産材を用い、外壁には防火下地処理を施した上でカラマツの下見板を張り、床はヒノキのフローリングとし、2.8mの天井を現しにする-こんな賃貸住宅を郊外に建てるオーナーなどいないはずだ。

 敷地境界の柵を取り払った分譲戸建てとしては、横浜市住宅供給公社の定期借地権付き「十日市場」や、タカラレーベンの「大泉学園」がある。

 奥田氏は配布資料にある島﨑氏との対談記事の中で次のように語っている。

 「高度成長期以降、家の周りをブロック塀で囲むことが流行りだして、いまや囲いを作ることが当たり前になっている。セキュリティの面で言えばそれも当然だとは思いますが、囲いを作って守ることがむしろ犯罪の目隠しにもなりかねない。一見無防備のように感じられる囲いのない家のほうが、住民の目が届く可能性が高いですし、それが最大のセキュリティにもなるように思います」

 これに対して島﨑氏は次のように述べている。

 「(奥田さんの)考えは自分の考えに近かったので、深く共感しました。国木田独歩の小説『武蔵野』…その風景の面影はどこかに残したいと、新座の地に降り立った瞬間に思いました」「作り手がしっかりとした意思を持って住まう場所を創造しないと、住まい継がれるような名作は生まれない。このコミュニティを設計するにあたり、私はそんな想いを込めてイメージを具現化していきました」

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奥田氏(左)と島﨑氏

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 施工を担当する藤島建設は、島﨑氏によると「施工会社を選定するにあたり募集をかけたところ、手を挙げてくださったのが、国産材での住宅建設を得意とする藤島建設でした」とある。

 この藤島建設については分譲戸建てを見学して改めて紹介する。

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工事中の建物(天井の現し部分がよくわかる)

 

 三菱地所レジデンスが12月6日抽選分譲した「ザ・パークハウス 京都鴨川御所東」第1期1次26戸が最高5倍、平均1.69倍の競争倍率で即日完売した。

 登録者の年齢は30歳代が1割、40歳代が2割、50歳代が4割、その他が3割。居住地は東京都が3割、京都府が2割。これまでの問い合わせ件数は約1,700件、来場者数は約350件。

 第1期1次26戸は、専有面積43.38㎡、価格4,180万~7億4,900万円(最多価格帯6,400万円台)。12月4日から6日まで登録が受け付けられていた。

三菱地所レジ 「京都鴨川御所東」 坪単価はいくらになるか(2015/10/8)

三菱地所レジ「ザ・パークハウス京都鴨川御所東」 立地にふさわしい仕様レベル(2015/10/9)

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「マンションの豊かな未来への提言」(日比谷コンベンションホールで)

 マンションコミュニティ研究会(廣田信子代表)が11月14日、設立5周年記念のフォーラム「マンションの豊かな未来への提言」を開いた。

 同研究会は、「人の生死に関わる場面、大きな災害時に機能するコミュニティのセーフティネットをマンションに築いていくための活動をする」のが目的で、今回は千葉大学大学院教授で日本マンション学会前会長の小林秀樹氏、全国マンション管理組合連合会(全管連)会長・山本育三氏、弁護士・篠原みち子氏、有明マンション連合自治会会長でブリリアマーレ有明理事長・星川大輔氏らがそれぞれの立場からマンションの未来について提言をおこなった。

 小林氏は、マンション管理を①テリトリアリティ②ガバナンス③軽い相互扶助-の3つの観点から持続的管理とは何かを解き明かした。

 山本氏は、全管連が提唱する「マンション再生法(仮称)」の概要を紹介。マンション建替え円滑化法では欠けている長寿命化の視点から持続可能な社会の構築を目指そうと訴えた。

 篠原氏は、これまでのマンションの歴史と課題について触れ、マンション管理会社が管理組合のよきパートナーとして提案力を持つ重要性を説いた。

 星川氏は、ほとんど住民のいなかった有明地区で初代の管理組合理事長を務めながら近隣のマンション管理組合と連携しながら地域の自治会を設立。〝日本一住みたいマンション〟にするべく活動していることを報告した。

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 ここでは各氏の講話を一つひとつ紹介しないが、いずれも興味深い話ばかりだった。この4氏とコーディネーターとしてパネルディスカッションに参加した廣田氏の話題は当然マンション標準管理規約の改正にも及んだ。それぞれパネリストの声を紹介する。

小林氏 管理組合と自治会の混同を避けるべきというのは当然。役割のちがいをよく認識して客観的に説明できることが肝要。基本的には管理に必要なコミュニティ活動はやっていい。問題が生じたら篠原さんのところに駆け込めばいい(爆笑)

山本氏 あれ(改正案)をそのまま論議なしにコミュニティ条項を削除するところはないのではないか。改正案は経済合理性だけを念頭に置いており、広く合意形成を図るための十分条件ではない。区分所有法の改正も考えていい。再生法をおおいに広めていただきたい

篠原氏 改正されても今まで通りでいい。〝共有は紛争の母〟という言葉があるが、きちんと問題を整理してコミュニティも淡々とやればいい。マンションの価値は交換価値だけで計れない

星川氏 多くの管理組合はコミュニティ条項のことなど知らない。われわれはわれわれの方法でコミュニティ活動を行っていく。楽しくやろうということです(一連の活動でブリリアマーレ有明は中古市場で地域ナンバー1の評価だとか)

小林氏 千葉市は、自治会に加入したくない人を名簿から外して届け出れば管理組合を自治会として認めている

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 記者は、マンションコミュニティ研究会の趣旨に賛同してこれまで何回か勉強会にも参加してきた。研究会のホームページの紹介には次のような文章がある。

 「『村八分』という言葉があります。村の約束事を守らなかった家との付き合いをやめ孤立させるという、農村社会における濃いコミュニティの残酷な一面を表すものです。と同時に、どんなに仲間はずれの状況でも、二分は例外で助けるという決まりだったのです。その二分とは、お葬式と火事の時です。

 現在は、周りと共同しなくても生活できる便利な社会ですが、しかし、どんなにがんばっても人は一人では生きられないし、最後の後始末も自分ではできません。

 核家族が当たり前、単身者も増加し、高齢化、高齢独居も今後ますます増える状況で、マンションにも、二分のお付き合いは絶対に必要です。

 現代の二分は、『孤独死を防ぐ』『大災害時の助け合い』ではないでしょうか」

 誤解を恐れないで書く。「村八分」は権力者が住民を統治する手段として利用してきた側面が大きいのだろうが、住民もまたそれで自治(コミュニティ)を学んだ。地域それぞれの冠婚葬祭が独自の文化も育んできた。みんなが決めたことを守らなければ、その組織からはじき出されるのは当然だ。

 その地域の住民がよしとした社会規範は住民の自決権として認めるべきで、国が関与すべきでないと考える。

 マンション標準管理規約からコミュニティ条項の削除に対してどのようなパブリックコメントが寄せられるかものすごく興味がある。国交省はパブコメを「聞きおく(参考にさせていただく)」にとどめるのだろうか。

 

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「ザ・パークハウス船堀」完成予想図

 三菱地所レジデンスと東神開発が売主の「ザ・パークハウス 船堀」を見学した。8月から分譲開始されており、これまでに約6割が契約済みだ。駅近でありながら住環境に恵まれ、価格もリーズナブルなマンションだ。

 物件は、都営新宿線船堀駅から徒歩3分、江戸川区船堀3丁目に位置する13階建て全254戸(他に店舗4区画)の規模。専有面積は58.17~91.08㎡。坪単価は250万円台の半ば。建物の完成予定は2016年9月下旬、引渡し予定は2016年12月下旬。設計・施工・監理は木内建設。デザイン協力は三菱地所設計。

 現地は三方道路に接道、建物はコの字型でバルコニーは、南東、南西向き。1階に店舗と保育所が入居する予定だ。駐車場は自走式。

 住戸の商品企画は、キッチンカウンターは御影石、ユーティリティシンク、食洗機、ミストサウナ、高さ調整が可能なシャワーヘッド&スライドバーなどが標準装備。

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リビングダイニング

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 船堀駅圏のマンションは、3年前に野村不動産が分譲して人気になった「プラウドシティ船堀」を取材して以来だ。野村のマンションもレベルが高かったが、こちらもいいマンションだ。

 坪単価はぴったりだった。野村の物件は坪220万円だったが、その後の建築費や市場の変化を考えると、250万円以下はあり得ないと思った。260万円くらいだろうと見当をつけて販売担当者に聞いたら、それより低かった。高値追求をしていないのがなにより嬉しかった。モデルルームの設備仕様レベルも間違いなく高い。マンション家計簿もまたなかなかいい。

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 江戸川区について。江戸川区は23区内でもっとも緑が多い区というくらいしか知らなかったのだが、区民の平均年齢の低さ、公園面積の多さなどで23区ナンバー1なのだそうだ。

 区民の平均年齢がもっとも若いのはなぜかよく分からないが、大島、東大島、西葛西には比較的新しいURの団地があるからかもしれない。

 公園面積が多いのは意外な感じがしないでもないが、船堀駅圏は少し街を歩けば実感できるはずだ。

 今回のマンションは、駅南口を出てゆるやかなカーブを描くインターロッキング道路・歩道に面しているのだが、ゆるやかなカーブを持たせているのは車の速度を速めない配慮だし、道路より舗道のほうが広いくらいだ。車自体もそれほど多くない。

 南口にはもう一つ、「船堀グリーンロード」があるが、これもその名の通り、車道より歩道のほうがはるかに広く、四季折々の草花はもちろんクスノキ、ケヤキなどの大木がたくさん植えられている。

 そのほか、子育て支援なども充実しているそうで、イメージ以上に江戸川区は住みよい街が多いのかもしれない。 

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浴室(細かいことだが、シャワーのスライドバーが2つ付いていることが分かるはず。三菱地所レジデンスはこれを全ての物件に標準装備している)

「プラウドシティ船堀」 1期155戸が即日完売(2012/4/20)

 三菱地所レジデンス、相鉄不動産、丸紅の3社JVマンション「ザ・パークハウス西新宿タワー60」(総戸数954戸)の事業協力者住戸を除く販売住戸全777戸が完売した。新宿区内のマンションとしては、昨年、「富久クロス」(全1,222戸)の分譲住戸992戸がわずか6カ月で完売して話題となったが、それに次ぐ早期完売だ。

 モデルルーム事前案内会を開始したのは2014年10月で、販売開始は2015年2月。これまで約3,500件の来場者を集めた。

 契約者の特性は、年齢が40歳代(30%)、50歳代(25%)、30歳代(20%)、居住地は最多が新宿区の15%で、23区内中心に幅広いエリアからの購入が目立っている。

 物件は、都営大江戸線西新宿五丁目駅から徒歩7分他、新宿区西新宿5丁目に位置する60階建て。専有面積は33.90~156.99㎡、価格は3,198万~3億5,000万円(最多価格帯6,100万円台)。施工はフジタ。デザイン監修は三菱地所設計。竣工予定は2017年7月下旬。60階建てはわが国最高階数マンション。

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 東京建物他の「目黒」が早期完売したのにも驚いたが、今回の「西新宿」が1年もたたずに完売するとは夢にも思わなかった。

 坪単価は最終的にどうなったかは分からないが、350万円はしていないはずだ。他の都心エリアと比べ割安感はあるものの、現在の街並みから判断して妥当な単価だろうと思う。最高階数60階建ては訴求力があるとは思っていなかった。

 街の将来性をどうアピールするかがプロジェクトの成否のカギを握っていると考えていた。購入検討者や契約者、地権者を巻き込んだワークショップをこれまで6回開催し、コミュニティ支援の取り組みを行ってきたのも評価されたのだろう。

 それにしても、どうして都心のマンションがこれほど売れるのか。ファミリー層もDINKSも熟年層も住むのなら価格が安く、その分居住面積が確保できて、緑が豊富な準都心・郊外のほうがはるかにいいと思う…かくいう記者もお金があったら都心に住みたいのだが…。

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「MIRAI’s 三郷中央nextstage『絆ぐ街。(ツナグマチ)』」

 ポラスグループの中央住宅は12月3日、「玄関の新しいかたちを考える」をテーマにした分譲戸建て「MIRAI’s 三郷中央nextstage『絆ぐ街。(ツナグマチ)』」のモデルハウス見学会を行った。

 同社が2014年に開催した「学生・建築デザインコンペティション」に応募があった全458作品の中から東京工業大学大学院・児玉理文氏(25)の作品「斜め玄関の家」を選び商品化したもので、従来の分譲戸建てにはない斬新なデザインが特徴だ。

 物件は、つくばエクスプレス三郷中央駅から徒歩9分、三郷市中央4丁目に位置する全10棟。土地面積は133.05~168.02㎡、建物面積は99.78~110.13㎡、価格は3,880万~5,180万円。構造は在来工法2階建て。引き渡し予定は2016年6月。11月13日から分譲を開始しており、これまでに8棟が成約済み。

 見学会に出席した児玉氏は、「提案は平屋建てで、実家で平屋に住んだことがあるのもヒントにした。『玄関』といっても、家の奥行きとか居心地などなかなか言葉では表現しきれないところがあるが、このように実物件化していただき、世の中に発信することができたばかりか、実際に住んでいただけるのがとても嬉しい」と喜びを語った。茨城県出身で独身。

 商品企画・設計担当の中央住宅 戸建分譲設計本部 営業企画設計一課 参事・鈴木往道氏は、「分譲戸建てには土地の制限があり、玄関を広くすれば他にしわ寄せがでるのでそのバランスをどうするかで苦心したが、児玉さんのコンセプトを極力生かした。このような和モダンが商品として評価されるか不安もあったが、売れ行きも好調で、プロジェクトとしては成功した」と話した。

 また、「学生・建築デザインコンペティション」の責任者、ポラス人事部 部長・石田茂氏は、「就職戦線は売り手市場。同業との競合も激しく人材を確保するのが難しくなっている今、学生さんに新しいメッセージを発信する目的でデザインコンペを行った。応募作品の中から実物件化する意図は当初からあった。今後も継続して行っていく」と、継続して実物件化していく意向を示した。

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喜びを語る児玉氏

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 モデルハウスはよくできている。コンセプトの「玄関」「坪庭」の提案が斬新だ。西側のデザイン格子に面した部分に外部吹き抜けの坪庭が配されており、エントランスと坪庭が一体となった空間を演出しているのが特徴だ。「前庭」とも呼べるものだ。

 西から入る光と風を縦繁障子越しにイグサ畳を採用した和室に取り込み、さらにリビングから南側の窓に抜けるように工夫されている。

 1階リビングの床や階段はタモ材、壁は珪藻土の塗り壁「寂び土」、引き戸は高さ2.4m、階段ステップは16段、キッチンカウンターはナラ、メイプル材などが採用されている。

 使用されている家具や照明その他のインテリアも分譲価格に含まれているので10棟の中で一番高い5,180万円だが、その価値は十分あると見た。

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左の格子戸付き玄関・エントランスと一体となった坪庭

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和室から見た坪庭(縦繁障子とその奥の坪庭が見える)

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外観デザイン(格子戸の玄関が印象的)

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 驚いたのは同社のこれまでの三郷中央駅圏での分譲実績だ。2013年の第1次から今回の第11次まで201棟を供給しており、実に193戸を成約しているというのだ。今後も来年10月の第16次までトータルで293戸を供給するという。

 三郷中央駅圏ではこれまで多くのマンションが供給されている。都心へのアクセスが比較的よく、総じて価格が安いことなどから売れ行きも好調だ。

 しかし、商業施設の集積がいま一つで、駅周辺でも空き地が目立つ。戸建て分譲は容易でないと考えていたが、同社がこれほど多くの戸建てを供給し、売れ行きもいいというのは初めて知った。

 なぜ売れるか。答えは簡単だ。埼玉県に限って言えば、劣悪な分譲戸建てが多すぎることにも一因はあるのだろうが、同社の商品企画は群を抜いているからだ。(外観デザインについてはもっと垢抜けたものにしてはと思うが、現に売れているのだから記者がいうべきことでないのかもしれない)

 大和ハウス工業は12月21日(月)、創業60周年記念「Daiwa Sakura Aid コンサート」を東京新国立劇場 中劇場で行う。同社は社会貢献活動の一環として2008年から「吉野山の桜を保全する活動」を行っており、今回もその一つ。収益の一部は桜の保全活動に充てられる。詳細は次の通り。

  〈公演日〉2015年12月21日(月)18:00開場 18:30開演

  〈出 演〉KAN / K / ジュスカ・グランペール(opening act)

  〈ゲスト〉佐藤竹善

  〈会 場〉東京新国立劇場 中劇場

  〈入場料〉前売り5400円(全席指定、未就学児童入場不可)

  〈主 催〉大和ハウス工業株式会社

  〈後 援〉TOKYO FM / 奈良県吉野町

 

 

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