2020東京オリンピック選手村 24棟5,650戸の民間事業者募集
東京都は5月13日、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の選手用の宿泊施設として一時使用し、大会後は住宅となる建物などを建築する晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業の特定建築者(民間事業者)の募集概要を発表した。
総敷地面積は約約13.4ヘクタール、棟数24棟・5,650戸の計画。敷地処分予定価格は12,960百万円。
応募資格は、建築に必要な資力・信用を有する者(グループでの応募も可。特定目的会社、特別目的会社は不可)で、平成23~27年のいずれかの年でも分譲マンションの供給実績が年間1,500戸以上あることなど。
受け付けは平成28年5月24日(火)まで。平成28年7月にプレゼンテーションを実施したのち、9月に特定建築者が決定される。
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今回の募集は、昨年3月に行われた「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会選手村及びレガシー検討に係る事業協力者」選定に次ぐもので、応募資格が厳しく、国家的なプロジェクトであることから、「事業協力者」同様、応募するのは三井不動産レジデンシャルを代表とするコンソーシアムとなるのは間違いない。
「事業協力者」は同社を筆頭にエヌ・ティ・ティ都市開発、新日鉄興和不動産、住友商事、住友不動産、大和ハウス工業、東急不動産、東京建物、野村不動産、三井物産、三井不動産、三菱地所、三菱地所レジデンスの13社だったが、果たして増えるのか減るのか。
ワールドワイドなプラン、例えばわが国の一般的な分譲マンションの天井高は2.4(廊下、キッチンなどは2.2m)~2.6メートルくらいしかなく、サッシ高も1800ミリが標準だから、これだと間違いなくけがをする選手が出るので、もっと高くなるのは当然だろうが、和室(押入)はどうするのか、くつ脱ぎ・框はどうするのか、ドアは全て開き戸なのか、風呂は1418で十分なのか、洗い場はどうするのか、収納率はどうするのか、バルコニーの布団干しはどうなるのか、遮音性能は大丈夫か、床暖房はどうするのか、著名な選手が落書きをしたりサインを書き残したりしたらそのままにしてプレミアム住戸にするのか…など、海外は中国とモンゴル以外経験のない記者はとても気になる。
スケルトンにすればいいような気がするが、これもコストがかかる。全て分譲にせず、賃貸となる棟も提案されるような気がする。定期借地権付きもいい。
それにしても、あの晴海に5,650戸ものマンションを建てて果たして需要はあるのか。笑われるかもしれないが、記者のいまの相場観からしたら坪単価は250万円がアッパーだ。この値段だったら全国から申し込みが殺到する。しかし、周辺物件は閑古鳥が鳴く。
伊藤忠都市開発 戸建て「クレヴィアコートつつじヶ丘」 街づくりの歴史と矜持を見る

「クレヴィアコートつつじヶ丘」(仙川駅からのアプローチ)
伊藤忠都市開発が5月21日から販売を開始する分譲一戸建て「クレヴィアコートつつじヶ丘」を見学した。同社の戸建てを見学するのは久々だが、外構・デザインに力が入っており、早期完売は間違いない好物件だ。
物件は、京王線つつじヶ丘駅から徒歩8分、または仙川駅から徒歩13分、三鷹市中原1丁目の第一種低層住居専用地域に位置する全12区画。建蔽率は40%、容積率は80%。敷地面積は104.75~120.30㎡、建物面積は83.39~95.49㎡、価格は6,900万円台~8,200万円台。建物は第1期7区画が竣工済み。施工はイトーピアホーム。構造は木造2階建(2×4工法)。販売代理は東急リバブル。
現地は、つつじヶ丘駅からだと道路との比高差にして6mくらいの高台にあり、仙川駅からだとほぼフラット。敷地は元幼稚園。今回分譲の住戸からは遮るものがないことから富士山も眺望できる。
コンセプトは「非日常と日常の融合」。「丘上立地ならではの恵まれた眺望、別荘を彷彿させる意匠設計等により、都心近接でありながらも高原リゾートを思わせる都市邸宅」となっている。
最高価格の住戸がモデルハウスになっており、こちらは特別仕様でスカイバルコニー付き。
4月16日から予約制事前案内会を開始し、これまで60組を超える来場があり、第1期はほぼ即日完売する見込みだ。

つつじヶ丘駅からのアプローチ

仙川駅からのアプローチ
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イトーピアホームが施工した戸建てはたくさん見学しているが、伊藤忠都市開発が事業主の物件見学は数年ぶりだ。
つつじヶ丘駅からだと、現地まではほぼフラットの道路だが、現地そのものは道路から比高差約6mの高台にある。これは難点といえば難点だが、一方では遮るものが一切ない利点もある。仙川駅だとほぼフラットだから、通勤・通学・買い物はこちらのほうが便利かもしれない。
外構・外観がいい。造成にもコストがかかっていると思われるが、外観デザインには相当の力が入っている。他社物件でイトーピアホームが施工した物件と比べても最上級ではないか。大屋根や切妻屋根、装飾壁(バットレス)、壁モール、花台を巧みにあしらい、天然石やボーダータイルによって陰影のある「都市邸宅」を演出している。モデルハウスを見て「8,000万円でどうですか」と聞いたら、ほぼその通り(8,200万円台)だった。
同社は商社系としては唯一戸建ての街づくりを行ってきたデベロッパーだ。その歴史と矜持を見る思いがした。

スカイバルコニー

モデルハウス リビングダイニング
大和ハウス 新中期経営計画策定 2018年度売上高3兆7,000億円に
大和ハウス工業は5月13日、大和ハウスグループ「第5次中期経営計画(2016~2018年度)」を策定した。
「第4次中期経営計画“3G&3S”for the Next Step(2013~2015年度)」では、コア事業の成長を加速させるとともに、事業の多角化や経営基盤を強化したことにより、当初計画より1年早く2年間で達成。2015年度(平成28年3月期)では売上高3兆1,929億円、営業利益2,431億円、純利益1,035億円となり、売上高、営業利益とも過去最高となった。
「第5次中期経営計画」では、短・中期的な成長力強化と将来の成長に向けた布石を打つとともに、今後の環境変化に対応できる経営基盤を整備していく。最終年度の目標は売上高3兆7,000億円、営業利益2,800億円、純利益1,800億円。
「賃貸住宅」「商業施設」「事業施設」を重点にコア事業の拡大を図り、3年間で過去最高となる7,000億円の投資を実施する。海外事業は2,000億円以上を目指し、事業の多角化を狙った「プラス1、プラス2ビジネス」の創出に努める。さらに、将来のコア事業としてアコモデーション事業や中古住宅事業、ヒューマン・ケア事業などの育成にも取り組む。
エリア10年振り 三交不動産「プレイズ船橋 北習志野」 「良水工房」がいい

「プレイズ船橋 北習志野」完成予想図
三交不動産が6月下旬に分譲する「プレイズ船橋 北習志野」を見学した。北習志野駅圏で過去20年間に分譲されたマンションは28物件で、このうち徒歩10分圏内は9物件で、「習志野1丁目」アドレスは10年ぶりという〝希少〟物件だ。同社マンション事業本部東京支店本部長・盛田哉氏は、「『オハナ』(野村不動産の全241戸)に負けない」と販売に自信を見せている。
物件は、東葉高速線北習志野駅から徒歩7分、船橋市習志野台一丁目に位置する7階建て全96戸。専有面積は64.41~93.79㎡、価格は未定だが、坪単価は178万円の予定。施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は平成29年2月下旬。販売代理は長谷工アーベスト。
現地は、駅からフラットで近くには「西友」がある。隣接する西側と東側の街区は第一種低層住居専用地域。建物はL字型で住戸は南向きと西向き。設備仕様は、食洗機が標準装備。ミネラル分は残し不純物と残留塩素を低減する「良水工房」が標準装備。
販売担当者は、「〝オハナ〟とは競合しますが、向こうは駅から徒歩13分で、坂がある。この物件はフラットで人気の高い習志野1丁目アドレス」と強調した。
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確かに駅に近くフラットで単価が高いのは「オハナ北習志野」に勝っている。「オハナ」の単価は坪150万円くらいだ。
設備仕様でいいと思ったのは「良水工房」だ。相鉄グループの相鉄ピュアウォーターが開発した製品でマンション1棟丸ごと浄水するため、飲料水だけでなく浴室やトイレにも配置されている。記者もろ過した水を頂き、水道水と飲み比べてみたが、飲んですぐ、まろやかでとてもおいしく感じた。。ペットボトルを買わなくて済むのではないか。
相鉄ピュアウォーターによると、「これまで販売先は相鉄不動産などグループ会社が中心だったが、最近は他社のマンションやホテル向けも伸びている。ランニングコストも1世帯当たり年間14,000円。1日にすると40円。風呂でも使えるので肌荒れ防止になるメリットもある」と話している。
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三交不の盛田氏が意識しているように、三交不と野村不の激突は避けられないし、隣駅の船橋日大前駅にはサンケイビルの「ルフォンソレイユ船橋美し学園」(186戸、坪単価140万円)がある。
郊外部でもどんどん坪単価が200万円を突破してきており、3物件ともまだまだ旧価格であるのを〝売り〟にしたいところだろう。3物件とも施工は長谷工コーポレーション。

モデルルーム キッチン
「オハナ」との競合はプラスに サンケイビル他「ルフォンソレイユ船橋美し学園」(2015/2/23)
東急リバブル 時差出勤制度の適用範囲拡大 30分単位で繰り上げ・繰り下げ可能
東急リバブルは5月12日、多様な働き方を推進するため、5月から業務上の理由だけでなく自己都合事由でも利用が可能な時差出勤制度の適用範囲を拡大したと発表した。
同社の時差出勤制度は、1日の労働時間8.5時間(休憩時間1時間を含む)はそのままで、始業時間を午前6時から午後1時30分までの間で、30分単位で繰り上げ・繰り下げ可能とするもの。
これまでは、業務上の理由がある場合にのみだったのを、保育園や介護施設への送迎、子の学校行事への参加、通院や自宅マンションの定期点検の立会いなど自己都合も利用ができるよう適用範囲を広げた。半休制度との併用もできるため、個々の事情に合わせた柔軟な勤務時間の設定が可能となった。
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同社のワークライフバランスの取り組みはおそらく業界トップクラスだろう。同社の主な事業の不動産仲介の仕事でフレックスに近い制度を導入することができるのかどうかよくわからないが、とてもいいことだと思う。裁量労働制も検討していいのではないか。
流通業界を変えるか 東急リバブル「女性活躍」で劇的に数値向上 野中氏に聞く(2015/10/28)
進化する〝ライオンズ リビング ラボ〟 大京「ライオンズ宮前平ヒルズ」

「ライオンズ宮前平ヒルズ」完成予想図
大京が分譲中の「ライオンズ宮前平ヒルズ」を見学した。物件の近くには野村不動産の全429戸の大規模マンション「プラウドシティ宮崎台」があり、その陰に隠れて埋没しそうな規模だが、日本初の省エネ・創エネ・畜エネを組み合わせるなど徹底した差別化を図った結果、全45戸のうち38戸が販売済みとなるなど大健闘している。
物件は、東急田園都市線宮前平駅から徒歩4分、川崎市宮前区宮前平三丁目に位置する7階建て全45戸。専有面積は65.67~86.51㎡、坪単価は270万円台の後半。竣工予定は平成28年12月15日。設計はティー設計工房。施工は佐藤工業。デザイン監修は建築家・船田徹夫氏。
現地は、宮前平駅から比高差にして20~30mあるヒルトップ。200~300m宮崎台駅よりの先には全429戸の野村不動産「プラウドシティ宮崎台」が分譲中だ。
敷地は南北に細長い形状で、建物はエントランス周りに壁面緑化を施し、基壇部に配した御影石と縦柱のマリオンが印象的な外観で、住戸は南向きのAタイプと最上階の住戸を除きほとんどが東向き。
商品企画では、日本初の一括受電-電力の見える化-オール電化-太陽光の全量売電-蓄電池を組み合わせた次世代型マネジメントシステムを搭載しているほか、花粉・PM2.5にも対応した同社独自のパッシブデザインを搭載しているのが特徴。このほか、設備仕様面では二重床・二重天井、御影石キッチン天板、食洗機、ユーティリティシンク、断熱・遮音性能の高いエコガラス(一部)など。
昨年の夏から分譲を開始しており、これまでに38戸が分譲済み。同社建設管理部担当部長兼商品開発課長・中山雄生氏は、「野村さんと競合するのは必至だったので、商品企画には相当力を入れ差別化を図った。それが結果につながった。これまでは首都圏では見るべきものがなかったかもしれないが、これから供給する物件にはどんどん新しい試みを付加させていく」と話した。

モデルルーム
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同社が〝ライオンズ リビング ラボ〟を前面に打ち出した数年前は、年間で6~7物件は見学していたが、ここ1年間は1、2物件と激減していた。
用地・建築費の高騰で〝都心回避〟を図り、設備仕様も落としているから見るべき物件がないのかとも心配していたが、一世を風靡した〝ライオンズ リビング ラボ〟は健在だった。「宮前平」で初めて採用された次世代型マネジメントシステムなどを〝見える化〟したモニターはなかなかのスグレモノだった。

換気機能付き玄関ドア
やはり杭は支持層に未達だったのか 横浜都筑区の傾斜マンション問題
三井不動産は5月10日、平成28年3月期決算を発表し、決算短信に横浜市都筑区の傾斜マンション問題を盛り込んだ。
決算短信には「平成28年4月11日に(三井不動産)レジデンシャル社は、施工会社である三井住友建設から、現況調査として杭の一部が支持層に未達である旨の報告書を受領…平成28年4月28日には、本件調査の第三者評価機関である一般社団法人建築研究振興協会より、三井住友建設による現況調査は妥当である旨の評価書を受領いたしました」と記載されている。
また、「レジデンシャル社は当該事象にかかる費用について本件不具合の調査・原因究明結果に基づき、工事請負契約に基づく瑕疵担保等の責任を負う施工会社等に対して求償いたしますが、本件不具合の調査・原因究明は継続しております」としている。
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この問題については横浜市が平成27年12月8日付で、建築基準法第12条第5項に基づく構造耐力の適合性について報告するよう事業主の三井不動産レジデンシャルと施工を担当した三井住友建設に求めた。三井住友建設が当初行ったスウェーデン式サウンディング試験では正確な調査結果が出ないとして疑義を呈し、横浜市もまた「斜めボーリング」方式によって調査することを三井住友建設に求めたと思われ、報告期限は平成28年5月31日となっていた。
これに対して、三井不動産レジデンシャルと三井住友建設は平成28年4月27日、報告期限を平成28年6月30日にするよう市に求め、受理されている。
現段階では詳細は不明で、市も報告書を受領していない。
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ここで注目されるのは、三井住友建設の調査方法が適正であれば、これまで旭化成が主張してきた「内調査委員会および外部調査委員会によるヒアリング調査の結果、該当する現場責任者およびオペレーターは、一様に杭は支持層に到達しており、施工は適切に行っていると述べており、杭工事の施工上の瑕疵を隠蔽する目的で施工データの流用を行ったことを示す証言または資料はこれまでの調査では発見されなかった」(社内調査委員会の平成28年2月9日付中間報告書)は覆されることになるのかどうかだ。
さらにまた、「杭工事の際の掘削時の電流計データの変化状況は、掘削が支持層まで到達したか否かを推定する一要素に過ぎないものとされており…電流計データの変化状況によって推定する方法は、正確な地盤強度を測定する観点からは限界がある」(外部調査委員会による平成28年1月8日付中間報告書)とするならば、結局は支持層に到達しているか未達かはボーリング調査を行わないとわからないということになるのか。
だとするならば、データ流用そのものはマンションの安全性とは関係ないということにならないのか。三井住友建設の調査は、データ流用がなかった杭についても行われたのかどうかも気になる。
そしてまた、「旭化成建材は…本件マンションに施工する全ての杭を支持層まで到達させ、支持層に十分差し込む作業を履行する義務、及び②本件マンションに施工する全ての杭について、根固めを築造する義務を、日立ハイテクに対して負っていたものと考えられる」(外部調査委員会の中間報告書)というのであれば、施工監理とはいったいなんぞやという疑問も深まるばかりだ。
「消費増税すべき」木村、岩沙氏/「増税は最悪」ライフ清水会長 不動協が懇親会

木村氏(左)と岩沙氏(ホテルオークラで)
不動産協会は5月12日、第56回定時総会後の恒例の懇親会を開催した。冒頭、挨拶した同協会・木村惠司理事長は現況の社会・経済状況について触れ、「経済は調子がいいような悪いような、格差や需要の問題など大きな課題を抱えており、曲がり角にあるという印象を受けている」と話し、同協会としては今年3月に発表した「大都市および住生活のあり方に関する提言」を具体的に進めていくことが重要とし、大都市の国際的な競争力の強化と地方の活性化などの街づくり、良好な住宅ストックの形成、不動産を所有・取得することの優位性が保たれる税制などについて取り組んでいくと語った。
消費増税については、「どうなるかわからない。早めに決めていただき、軽減措置など対応もきちんとしていただきたい」と、消費増税を実施すべきとの考えを示した。

懇親会
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取材の目的はただ一つ、消費増税を断行すべきなのか、それとも見送るべきなのかをデベロッパー各社のトップに聞くことだった。アンケート用紙をつくり、片っ端から聞くことも考えたが、同僚の記者から「止めたほうがいい」と言われ、それは断念したのだが、同協会・木村理事長と岩沙弘道会長からは必ずコメントを取ろうと出かけた。
木村理事長は挨拶では「早めに決めていただいて」と話すにとどめ、明言は避けたが、記者には「実施すべき。ここでやらないと。先送りしても5年、10年にはまた問題が浮上する」と、実施すべきと話した。
岩沙弘道会長も、「景気対策を立てたうえで実行すべき。財政が厳しいのは論を待たない。政府が国際公約として掲げているプライマリーバランスの黒字化は喫緊の課題」などと語った。
また、岩沙会長が今年の同協会賀詞交歓会で「今年はデフレ脱却を宣言する年にしなければならない」と述べたことについて質問したが、「宣言できる可能性はある。好循環に向かう方向性が明確になりつつある。雇用は絶好調だし、投資もICTや人材に対する研究開発が活発化しており、マイナス面が強調されている消費に関する家計データは実態を反映していない」などと話した。
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木村理事長と岩沙会長からコメントを取った段階で目的は達成できたと判断したのだが、会場に入るや否や、下にも置かない歓待を受け、ホテルが用意した椅子に座られた方を無視できなくなった。
記者はさび付いた記憶を手繰り寄せようとしたのだが、三井でも三菱でも住友でもどこのデベロッパー関係者でないことが察せられ、かといって派閥の領袖でもなさそうで、周りの人に聞いてもどなたもご存じなかった。
年齢は木村理事長や岩沙会長より一回りも上ではないかと想像したが、その血色たるや、ストレスなどまったくない環境で美食のみを与えられた松坂牛というよりは、むしろ粗食に徹し、まっとうな人生を過ごしてきたからこその賜物でありそうな、まるで乳飲み子のようなふっくらとしたほっぺがピンク色に染まっていた。
そこで〝ここで聞かなければ一生後悔するぞ〟という第六感が働き、〝この機会を逃してなるものか〟と意を決した記者はおずおずと名刺を差し出した。一瞬、その方は胡乱な目を差し向けたが、内ポケットから名刺を取り出した。
名刺には「日本チェーンストア協会 日本小売業協会 國(国ではない)民生活産業・消費者団体連合会 会長 清水信次(株式会社ライフコーポレーション代表取締役会長兼CEO)」とあった。
肩書を見たとたん、消費増税に対する考えは聞かなくても理解したのだが、「会長、消費増税について考えをお聞きしたい」と声をかけた。清水氏はよどみなく持論を展開した。
「増税はやるべきではない。軽減税率は世界一複雑怪奇。日用品、生鮮食料品などは毎日相場が変わる。日本のスーパーは2割、3割引きがザラ。2%どころの軽減税率で何の効果もない。消費増税は実態を知らない政治家が考えることで、カネもかかる。最悪だ。軽減税率を入れるなら(飲食料品ではなく)電気・ガス・水道を対象とするぺき。簡単にできること。
いま一番困っているのは、30~40年前は年収が400万円以上800万円以下の中間層が85%くらいだったのが40%に減り、8%だった低所得者が40%に増加していること。この問題を何とかすべきで、消費増税は危険すぎる」
取材を終え、傍らにいた同社関係者に取材のお礼をし、そのついでに清水氏の年齢を聞いて仰天した。何と年齢は90歳だという。
社に戻ってさらに驚いた。出身地がわが故郷・三重県の津市だった。ウィキペディアには「食品スーパーマーケット『ライフ』を興し、売上高4,700億円という日本最大の食品スーパーマーケットチェーンを一代で築いた。中内功・鈴木敏文・岡田卓也らとともに戦後の流通業界を牽引した人物」と紹介されている。そういえば、清水氏はさかんに「伊勢のな言葉」を発していた。

清水氏
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普段の行いがいいと幸運が舞い込むという見本だ。取材に大満足して帰ろうとし、一服でもと立ち寄った喫煙所で、幸運にも近鉄不動産とグループ会社で、わが故郷・三重県の三交不動産の関係者とばったり出あった。早速、伊勢志摩サミットの波及効果や不動産市況などを聞いた。
近鉄不動産首都圏事業本部 常務取締役本部長・田中孝昭氏には、昨年、同社が分譲した「BLUE HARBOR TOWER みなとみらい」記者発表会でも質問したのだが、サミットのメイン会場となる志摩観光ホテルや駅舎の改装などに数十億円かけたそうで、その効果は「これから」ということだった。
三交不動産のマンション事業と賃貸事業本部担当の常務取締役・森本浩史氏は、「サミットは不動産事業には効果を及ぼしていないが、太陽光事業がドル箱になりつつある」と話し、同社マンション事業本部東京支店本部長・盛田哉氏は、「『北習志野』で駅から7分で96戸を分譲するし、『三郷中央』でも確認は取れていないが徒歩2分で分譲する。『北習志野』は『オハナ』(野村不動産)に負けない」と胸を張った。
「『オハナ』に負けない」とは頼もしいではないか。双方とも取材してレポートする。

左から盛田氏、森本氏、田中氏
野村アーバン ネット 第4回「ありがとう、わたしの家」受賞作品決定
野村不動産アーバンネットは5月11日、第4回「ありがとう、わたしの家」キャンペーンの入賞エピソードを決定・発表した。
キャンペーンは、不動産情報サイト「ノムコム」で「家と家族に関する思い出」のエピソードと関連する写真を募集し、応募の中からグランプリ賞などを決定し紹介するもの。4回目の今回は、全国から215点の応募があり、グランプリには武居ぱんださん(埼玉県)の「父の夢をつないで」が選ばれた。
詳細はキャンペーンサイトhttp://www.nomu.com/arigato/ へ。
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グランプリ賞の「父の夢をつないで」を読んだ。三人姉妹の長女が、家を新築することが長年の夢だった父の苦労を回顧する物語だ。亡くなられたお父さんの年齢は不詳だか、昭和50年代の後半から平成の前半にかけて、当時のサラリーマンがいかに家を取得するのが大変だったかが正直につづられている。
建てようと思った宅地が「調整区域」だったという記述にはドキッとさせられた。武居さんのお宅の住所は分からないが、「埼玉県」であればさもありなんといま思った。
かつて埼玉県は「調整区域に家が建つ」というなんとも不可思議なことが当たり前のように行われていた。建築基準法第34条第1号を〝悪用〟した開発が後を絶たなかった。年間数十件はあったはずだ。花屋、文具屋、八百屋、本屋などが連なって建てられ、分譲された。行政は見て見ぬふりをした。取材して記事にもしたが、開発業者からは「首を洗って待っていろ」と脅されたことがある。生きた心地がしなかった。
戸建て分譲戸数 三井不レジが首位キープ 野村不はやや離される

三井不動産レジデンシャル「ファインコート等々力桜景邸」
野村不動産が三井不動産レジデンシャルを急追していた戸建て分譲合戦は、平成28年3月期は双方とも戸数を大幅に減らしながら三井不レジが首位をキープした。
三井不動産の平成28年3月期決算によると、三井不レジの一戸建て売上戸数は前期の899戸より148戸減の751戸となった。一方、野村不動産ホールディングスの決算では、野村不動産の一戸建て売上戸数は前期の859戸から216戸減の643戸となった。その差は前期の40戸から108戸へ広がった。完成在庫は三井不レジが127戸、野村不が140戸だった。
両社の戸建て分譲合戦は、別表のように野村不がここ数年戸数を伸ばし、平成27年3月期には859戸となり、三井不レジの899戸にあと40戸まで迫った。28年3月期には逆転するのではともいわれていた。
両社の分譲合戦について、三井不動産はこれまでも「他社と競争しているわけではない」と繰り返しており、今回の数字についても「予定の800戸よりは減少したが、マーケットの反映」としている。
一方の野村不動産ホールディングスは今回の決算数字について、「完成在庫(140戸)が増えたのは竣工売りの物件があったこと、価格の上昇局面において回転重視から収益性重視とした物件があったこと」としている。
今期は三井不レジが700戸、野村不は650戸をそれぞれ予定している。
三井不動産レジデンシャルVS野村不動産 分譲戸建て計上戸数推移

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一戸建て分譲市場はマンションとほぼ同じくらいの規模(平成27年度は約12.6万戸)があり、平成27年3月期の売上戸数が約3.9万戸もある飯田グループホールディングスのようなガリバー企業がある一方で、1棟、2棟の現場も少なくないことからどこも市場全体を把握しきれていない。
大手デベロッパーでは、バブル崩壊後も一貫して都市型戸建てを供給してきた三井不動産レジデンシャルがトップを走り続けてきており、土地区画整理事業など比較的規模の大きい団地を手掛けてきた野村不動産が続いてきた。
このほか、最近は東急不動産、住友不動産、三菱地所レジデンスなども力を入れだしたが、三井、野村に大きく水をあけられている。

